「ギリシア神話」の版間の差分

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:ギリシア神話最大の英雄。ゼウスが人間の女に産ませた半神半人。
 
:ギリシア神話最大の英雄。ゼウスが人間の女に産ませた半神半人。
 
:上記の出生からゼウスの妻ヘーラーから強く憎まれ、何度も殺されかけた挙句、ついには狂気を吹き込まれて我が子を惨殺するという罪を犯す。その贖罪のための冒険がヘラクレスの代表的な偉業である「12の功業」であり、この世に二つとない幻の物品の回収や諸英雄との決闘での連戦連勝、神々でさえ裸足で逃げ出すほどの大怪物の討伐、ギガントマキアにおける獅子奮迅の戦いぶりなど、12の功業以外にも様々な冒険や戦争で華々しい活躍をしている。
 
:上記の出生からゼウスの妻ヘーラーから強く憎まれ、何度も殺されかけた挙句、ついには狂気を吹き込まれて我が子を惨殺するという罪を犯す。その贖罪のための冒険がヘラクレスの代表的な偉業である「12の功業」であり、この世に二つとない幻の物品の回収や諸英雄との決闘での連戦連勝、神々でさえ裸足で逃げ出すほどの大怪物の討伐、ギガントマキアにおける獅子奮迅の戦いぶりなど、12の功業以外にも様々な冒険や戦争で華々しい活躍をしている。
:しかし、誅殺したネッソスが死の間際に伏した謀略に嵌まってヒュドラの猛毒を浴びてしまい、苦しみの余り自身の身体に火を付けさせて自害するという壮絶な最期を遂げた。死後、完全な[[神]]となった。
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:しかし、誅殺したネッソスが死の間際に伏した謀略に嵌まってヒュドラの猛毒を浴びてしまい、不老不死の神や百戦錬磨の英傑さえ即座に死を懇願するほどの想像を絶する苦しみにさしものヘラクラスも耐えられず、自身の身体に火を付けさせて自害するという壮絶な最期を遂げた。死後、完全な[[神]]となった。
 
:[[英語]]読みだと、ハーキュリーズまたはハーキュリー(Hercules)と言う。
 
:[[英語]]読みだと、ハーキュリーズまたはハーキュリー(Hercules)と言う。
 
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:*『[[グレートマジンガー (TV)|グレートマジンガー]]』では人間型[[戦闘獣]][[ハーキュリーズ]]が登場。

2020年7月19日 (日) 00:45時点における版

ギリシア神話とは、ギリシア発祥の神話

概要

人間臭い神々と英雄たちの織り成す神話で、歴史上存在した(現在の88以外に抹消されたものも含む)星座の多くが、古代ギリシア人が神話をモチーフに考え出したもの。

ギリシア神話には主神ゼウスを初めとして、色恋にまつわる事件が多い。また、ある事件が後に別の事件の発端となったり、ある英雄が複数の事件で活躍したり、その子孫がまた英雄になったりと歴史的な連続性が見られる。古代神話の常として同じ事物に対して複数の逸話が伝わっている。なお、ギリシア神話の神々は必ずしも人柄(神柄?)が良いとは限らないので、そんな彼等の気まぐれによって非の無い人物が理不尽な目に遭わされる逸話も少なく無い。

神話の中で最も知名度が高く、星座や太陽系の惑星・小惑星、果ては心理学用語にも多数の神話由来の名がつけられている。

ギリシア神話が取り入れられている作品

マジンガーZグレートマジンガー
ミケーネ帝国が古代ギリシアが起源なので機械獣妖機械獣戦闘獣にギリシア神話的な要素が散見される。
真マジンガー 衝撃! Z編
ゼウス神などが登場。
新世紀エヴァンゲリオン
物語の随所にギリシア神話や旧約聖書など宗教の要素が色濃く盛り込まれている。
ベターマン
ベターマンの各形態(オルトス・セーメ)など作中用語の多くがギリシア神話含む多くの神話や天文学からの引用である。
バンプレストオリジナル
ギリシア神話に関する名称が多くとられている。

神々

オリュンポス十二神(Dodekatheon)

オリュンポス山の山頂に住まうと伝えられる12柱の神々。

ゼウス(Zeus)
ギリシア神話の主神にして天空神。そして、オリュンポス十二神をはじめとする神々の王であるため、このを知っている者は多い。
雷霆を武器とし神々で最強の力を持ち、巨人達との戦いでは大いに活躍した。その後に現れた怪物テュポーンに対しても、他全ての神が逃げ出す中で唯一立ち向かうなど勇猛である。最終的にはテュポーンに勝利し、母である地母神ガイアには不可能だった、宇宙の平定も成し遂げている。
(後述の女性関係を除けば)平時は暴力的な面は描かれず、英雄たちの死や悲劇に涙を流し無垢な子供を守ろうとする温和な気質を持つ「弱者の守護神」たる存在。ただし、ガイアの予言を恐れて最初の妻であるメーディスの出産を阻んだりしている(この結果、副次的にゼウスは運命にさえ縛られなくなった)。
その一方で病的ともいえる女好きで、妻帯者にも関わらず多くの女性と子を成した。その際は動物や他人、果ては雨にまで化けて女性の寝所に侵入する。挙句、姉に無理矢理子供を作らせている。[1]
そんな彼の妻は、よりによって結婚と貞節を司る故か恐ろしく嫉妬深い女神ヘーラー。ゼウス・ヘーラー夫妻の諍いのとばっちりで事件に発展した例が割とある。また、恋愛に対して豪快なのは私事だけではなく、ハーデースが娘のペルセポネーに恋した際は求婚の許可をもらいに来た彼に対してむしろ誘拐するように唆している。
こんなにも多くの女性と浮名を流したのは、多くの都市国家がゼウスの恩恵を授かった逸話を作った辻褄合わせというのが定説。神話的には、強力な神々や半神半人を生み出すことで宇宙や人間界の基盤を守るためとされ、ゼウスと人間の子であるディオニュソスやヘラクレスは後に神々の一員となった。
ポセイドーン(Poseidon)
ギリシア神話の海神。クロノスとレアーの子であり、兄弟のゼウス、ハーデースと力を合わせて父神の王権を奪ったあと、三兄弟の間で世界を分割統治すべく海洋の支配者となった。
海のように気まぐれで荒々しい性格をしており、一度激昂すれば高波や嵐を引き起こす。
アポローン(Apollon)
ゼウスとレートーの息子。アポロンとも呼ばれる。音楽・芸術、牧畜、予言、光明など様々なものを司る神。疫病を引き起こす金の矢を武器とし、その事から疫病と医術も司る。
「道路の保護者」としての異名アギュイエウス(Agyieus)、アポローンを象徴する動物である狼を統べる存在アポロン・リュケイオス(Apollon Lykeios)と名乗ったりする。
父ゼウスに劣らぬ女好きでもあり、河の神の娘ダプネーを追い回す、トロイア王女カッサンドラーに予知能力を授ける代わりに交際を求める(これがトロイア国滅亡の遠因にもなった)、など問題行動も多い。また妹アルテミスと交際していた狩人オーリーオーンをガイアと結託して謀殺するといった真似もしでかしている。
よくアポロンを太陽の神とイメージされがちであるが、それは光明の神であることから太陽神ヘーリオスと混同したのが原因である。
アルテミス(Artemis)
狩猟・貞淑の神。アポローンの妹。処女神としてアテーナーとともに夙に有名。出産・多産を司る反面自分の処女性には厳しく、侍女が非処女になった時は厳しく罰した。
ローマ神話におけるディアナに相当。
よくアルテミスを「の女神」とイメージされがちであるが、それはセレーネーと混同したのが原因である。
アプロディーテ(Aphrodite)
愛と美を司る女神。アフロディテとも呼ばれる。クロノスに切り落とされたウラノスの男性器から生まれたと言われる。
鍛冶の神ヘパイトスと結婚するが、戦争の神アレス(ローマ神話におけるマルスに相当)とは愛人関係にある。後に金星を司る。
ローマ神話におけるヴィーナスに相当する。
アテーナー(Athena)
知恵、工芸、戦争の女神。ゼウスの頭部から武装して鎧を纏った姿で生まれた。戦争の神アレスと比べると肯定的な意味合いが強い。
ローマ神話におけるミネルヴァに相当する。
ヘルメス(Hermes)
旅人、商人、盗人の神。神々の伝令。ヘルメースとも呼ばれる。水星を司る。
ローマ神話におけるメルクリウス(英語名マーキュリー)に相当する。

その他の神々

カオス(Chaos)
世界が誕生する以前、完全なる無の中に存在した原初神。見ての通り、混沌などと訳される「カオス」の語源である。また、対義語は「コスモス(調和)」。
他の神々のような物理的・超常的な権能を持っているわけではなく、「空隙の領域」としてただ存在しているだけの神。即ちあらゆる事象の基礎であり、仮にカオスが消滅しようものなら世界の全てが跡形もなく消え失せる
パソコンで例えると、世界を構築する摂理がOSならカオスはHDDそのもの。どれほど手の出しようのない存在かお分かりいただけるだろう。
後述のガイアはこの領域内に発生した神であり、カオスの子供ではない。カオスの子は地の暗黒「幽冥」を司るエレボスと天の暗黒「夜」を司るニュクスの二柱。
エレボス(Erebos)
原初神カオス(あるいは大地母神ガイア)から生まれた地の暗黒「幽冥」を司る神(あるいはその場所のことを指す)。その名は「地下世界」を意味する。
妹にして天の暗黒「夜」を司る女神・ニュクスとの間にヘーメラー(昼の女神)、アイテール(輝く大気の神)、カローン(冥界の川の渡し守)を儲けている。
なお、エレボスは後世において(ギリシア神話における)地獄(の神)であるタルタロスと混同されやすいようである。
ガイア(Gaia)
大地母神。ギリシア神話における地母神で、あらゆる神の祖たる存在。「ゲー」とも呼ばれる。
まず単独で天空神ウラノス、海神ポントス、暗黒神エレボス、愛神エロスを生み、息子のウラノスと結婚してさらにクロノスら新たな神々「巨神族」を生み出した。
他にも異形の神々を生んでいるが、彼らを嫌って冥界に封じたウラノスを去勢させるなど母神としての愛情は底知れない。ただし、ゼウスと巨神族の戦争時は、クロノスの横暴を見かねてゼウスに協力している。
ウラノス(Ouranos)
ガイアの子にして夫である天空神。その名はギリシア語で「天」を意味する。ガイアが産んだテュポーンなどの異形神を冥界タルタロスに封じたことでガイアの怒りを買い、去勢されてしまう。
その後は己の愚かさを悟り、息子であり去勢の実行者である時空神クロノスに王位に譲るとともに、クロノスに「お前も自分の息子に王位を奪われるだろう」と予言を告げて去った。かくして、その予言は実現することになる。
ローマ神話におけるウラヌス(別名はカイルス、カエルス、コエルス)に相当する。
ティーターン(Titan)
天空神ウラノスと大地の女神ガイアの間に生まれた12柱の神々の兄弟姉妹。巨神族。ゼウスに与しない神々もティーターンと称されることも。
ヒュペリーオーン(Hyperion)
ガイアとウラノスの息子である光明神(もしくは太陽神)。ヒュペリーオーンとは「高い天を行く者」という意味であり、ハイペリオンとも呼ばれる。なお、後述の太陽神ヘーリオスの別名であったとも考えられる。
オーケアノス(Okeanos)
ガイアとウラノスの息子である海神。後に女神テーテュースとの間に3000の娘および3000の河神の息子を設けた。
ヘーリオス(Helios)
ヒュペリーオーンとテイアーの息子である太陽神。その名前もギリシア語で「太陽」を意味する言葉である。天空を翔けるヘーリオス神の4頭立て馬車こそが太陽であると信じられていた。ローマ神話の太陽神ソルに相当する。ちなみにソルは英語の「ソーラー(solar)」の語源である。
プロメテウス(Prometheus)
ティターンの一柱。ギリシャ語で「先に考えるもの」の名が示すように非常に聡明で先見の明に溢れ、ゼウスに味方しティタノマキア後も生き残った。人類に「火」を与えて文明を発展させたが、その行いによってゼウスの逆鱗に触れてしまい、カウカーソス山の山頂に張り付けにされながら毎日再生する肝臓をハゲタカに啄まれる生き地獄を味わうこととなった。
エピメテウス(Epimetheus)
ティターンの一柱でプロメテウスの弟。ギリシャ語で「後で考えるもの」の名前通り、兄のプロメテウスとは対照的に頭が足りない。兄から警告されていたにも関わらずゼウスから送り込まれたパンドラを娶ったが、パンドラはゼウスから渡された災厄が詰まった箱を開けてしまい、中にあった災厄を解き放った(これが俗に言う「パンドラの箱」)。
ハーデース(Hades)
地下の王にして、死者を管理する冥界神。クロノスとレアの子であり、ゼウスとポセイドーンの兄弟。オリュンポス十二神に数えられたり数えられなかったり、フィクションで悪役にされがちと立場が安定しない。また、金属などの地下鉱脈の主ともいわれる。
ちなみに、ローマ神話では繁栄の神プルートーと同一視される。これは、生死は表裏一体であるという観点から。
妻はペルセポネーだが、一目惚れの果ての誘拐婚(当時のギリシアでは特に問題のない行為だが)。元々優しく女性に不慣れな性格であったためにうまくアプローチできず、ゼウスの言葉を間に受けてかなり豪快な攫い方を敢行している。誘拐前後にペルセポネーの扱いについてあれこれ悩んだりするなど、性格も含めて一般的な意味で冥界神とは思えない姿で描かれている。ゼウスとは対照的に愛妻家であり、他の女性と浮気する描写が一切ないのも特徴。
十二神に数えられないのはあまりに多忙なために冥府を空けることができなかったため、悪役扱いはキリスト教による地獄との同一視の影響との説がある。
クロノス(Kronos/Khronos)
ゼウスらの父である農耕の神(Kronos)と、時間の神(Khronos)の両方を指すこともあるが、両者は別の神である。
キュクロプス(Cyclops)
「サイクロプス」とも。
天空神ウラノスと大地の女神ガイアの間に生まれた三兄弟(アルゲス、ステロペス、ブロンテス)の神々で、単眼の巨神。優れた鍛冶の技術を持っている。
アトラース(Atlas)
ティーターン神族の一柱。ゼウスに天空を支える役目を負わされ、日々その負荷を味わっている。
アラストル(Alastor)
地獄の刑執行長官を務める魔神。ギリシャ語で復讐者を意味し、ゼウスの異名の一つとしてもされている。また、ゾロアスター教はブーロー(死刑執行人)とも称されている。
クロートー(Klotho)
運命の三女神を総称する「モイライ」の一人。名が「紡ぐ者」の通り、彼女は運命の糸を紡ぐ役割をしている。残る二人は糸の長さを測る役割を持つ「運命の図柄を描く者」ラケシスと糸を断ち切る役割を持つ「不可避のもの」アトロポス。
エリーニュス
主に人間同士における不敬・侮辱の罪を裁く復讐の女神たち。その数や構成は不明確であったが、のちにアレークトー(止まない者)、ティーシポネー(殺戮の復讐者)、メガイラ(嫉妬する者)の三女神で固定された。
恐ろしい姿・どこまでも追跡する執念深さ・もがき苦しんで死ぬという罰と相まって、人々の間では心底恐れられており、「復讐者」という真の名では呼ばれず「慈しみの女神たち」と呼ばれる有様である。
ローマ神話における復讐の女神フリアエ(フューリーとも)と同一視される。
キュベレー(Cybele)
フリギア(現代のトルコ中西部に相当)で崇拝された太母神。大地にある様々な地形と動物たちを司る。その起源は新石器時代にも遡るとされる相当に古い神格である。ギリシャ、ローマにもその信仰が伝わったとされる。
ライオンと縁が深く、ライオンに牽かせたチャリオットやライオンをあしらった玉座にすわった姿でも表現される。

人物

ヘラクレス(Herakles)
ギリシア神話最大の英雄。ゼウスが人間の女に産ませた半神半人。
上記の出生からゼウスの妻ヘーラーから強く憎まれ、何度も殺されかけた挙句、ついには狂気を吹き込まれて我が子を惨殺するという罪を犯す。その贖罪のための冒険がヘラクレスの代表的な偉業である「12の功業」であり、この世に二つとない幻の物品の回収や諸英雄との決闘での連戦連勝、神々でさえ裸足で逃げ出すほどの大怪物の討伐、ギガントマキアにおける獅子奮迅の戦いぶりなど、12の功業以外にも様々な冒険や戦争で華々しい活躍をしている。
しかし、誅殺したネッソスが死の間際に伏した謀略に嵌まってヒュドラの猛毒を浴びてしまい、不老不死の神や百戦錬磨の英傑さえ即座に死を懇願するほどの想像を絶する苦しみにさしものヘラクラスも耐えられず、自身の身体に火を付けさせて自害するという壮絶な最期を遂げた。死後、完全なとなった。
英語読みだと、ハーキュリーズまたはハーキュリー(Hercules)と言う。
オルペウス(Orpheus)
吟遊詩人。オルフェウスとも呼ばれる。文芸の神カリオペーとトラキアの王オイアグロス(名義上の父はアポローン)の間に生まれているので半神半人だが、そう言った描写は少ない。
毒蛇に噛まれて死んでしまった妻エウリュディケーを取り戻すため、冥府に赴いた(ちなみに、新婚だった)。その竪琴の腕を以て、冥府の河の渡し守カロンや番犬ケルベロス、冥府の住人を皆魅了して無事冥王ハーデースの元へ到達。ハーデースの妻ペルセポネーもその哀切のに涙したことで説得に成功し、「冥府にいる間エウリュディケーのいる背後を振り向いてはいけない」という条件付きでエウリュディケーの返還を認められたが、冥府脱出直前で振りかえってしまったことで、失敗に終わってしまった。[2]
その後は輪廻転生を主軸とした教義「オルペウス教」の開祖となる。しかし、ある時訪れた酩酊の神ディオニューソスを崇めなかったために殺されてしまい、彼の死を偲んだ主神ゼウス(あるいはアポローン)によって天に挙げられ、琴座となった。その一方で、開祖とならず入水自殺したという話もあり、こちらは川を流れていた琴をゼウスが天に挙げたという形になる。
アキレウス(Achilleus)
ギリシア神話の英雄であり、ホメーロスの叙事詩『イーリアス』の主人公。ラテン語のアキレス(Achilles)としても知られる。足が速い故に、作中では「駿足のアキレウス」と形容されている。
アキレウスはトロイア戦争に従軍して持ち前の武勇で活躍するが、敵国トロイアの王子パリス(一説にはアポローン)が放った矢に弱点である踵を射られて死ぬ[3]
かつて赤子の頃に冥府を流れるステュクス川に浸かって不死身となったアキレウスであるが、踵だけがそれに浸かっていなかったために、この様な最期を迎えたのであった。この故事が、いわゆる「アキレス腱」の由来である。
オデュッセウス(Odysseus)
ギリシア神話の英雄であり、ホメーロスの叙事詩『オデュッセイア』の主人公。トロイア侵攻に参加した他の英雄たちが腕自慢の豪傑揃いの中で、彼の場合は知能戦を得意とする知将と一線を画している。
英語読みではユリシーズ(Ulysses)と言う。
ラミアー(Lamia)
ギリシア神話の登場人物で海の神ポセイドーンの息子ベロスと、その母リビュエとの間にもうけられた娘で元々はリビアの女王
ゼウスに見初められたがこのことにゼウスの妻であるヘラが怒り、ゼウスとの間に産まれた子供を全て殺され、この時に「上半身は女性で下半身が蛇の怪物」に変えられてしまった。
ダイダロス(Daidalos)
ギリシア神話の有能な大工。斧、錘、水準器、神像、そしてミノタウロスを閉じ込める為の迷宮を造った。
イカロス(Icarus)
ダイダロスの息子。父と共に蝋で鳥の羽を固めた翼で空を飛んだが、彼だけが太陽に近づきすぎたために翼が熱で溶けて墜落死してしまった。
空から落ちて墜落死という際立った最期を遂げながらも、フィクションで彼の名を模したものは飛行能力を持つものが多い。
ディオスクーロイ(Dioscuri)
双子の兄弟であるカストルとポルックスを指す言葉で、「神の子」を意味する。
ポルックスは神であるゼウスを、カストルは人間であるテュンダレオスを父に持つ。
オリオン(Orion)
ギリシア神話に登場する狩人。海の神ポセイドーンとミーノース王の娘エウリュアレーとの間に生まれ、背の高い偉丈夫で、稀に見る美貌の持ち主であった。父親であるポセイドーンから海を歩く力を与えられ、海でも川でも陸と同じように歩く事ができた。
しかし、そのうち力を自慢するようになり、これを見かねた女神ヘーラーは、オリオンをこらしめるために彼の足元に大きなサソリを放った。さすがのオリオンもサソリの毒には勝てず、命を落としたという。星座になった後も苦手としており、サソリが空に上がってくるとオリオンは地平線の下に隠れるという[4]
この他にも死因には諸説あるが、大抵サソリかアルテミス、あるいは両方が関わっている。アポローンに騙されたアルテミスに誤射されたという話が有名か。
プシューケー(Psyche)
美の女神ウェヌスへの信望さえも集めてしまうほどの美貌を持つ女性。その名前は「魂」を意味する。
その美貌のせいで醜い男と結婚させられそうになったり、いざこざの果てに懸賞金をかけられて捕まったりなど、散々な人生を歩む(彼女自身、愚かしい性格な所為もあるが)。最終的には彼女を愛するクピードーによって神の一員となる。
英語で精神を意味する「サイコ」の語源であり、ガンダムシリーズのサイコフレームを始めとして広く作品世界で精神に関与する要素に使われる。
アスクレーピオス(Aesculapius)
アポローンとコローニスの子で、ギリシャ神話最高の名医。その腕前は死者すら蘇らせるほどだったが、冥界が開店休業状態となった(生者と死者のバランスが崩れた)ためハーデスがゼウスに抗議し、それを聞き入れたゼウスによって殺された。その後天に上げられ、へびつかい座となった。
ちなみにアルゴー号の冒険にも同行している。
エーレクトラー(Elektra)
ミュケーナイ王アガメムノーンと王妃クリュタイムネーストラーの娘。その名前は琥珀(elektron)に由来し、「琥珀の目のエーレクトラー」とも呼ばれる。
心理学用語「エレクトラコンプレックス」の語源となった。

生物、怪物

ペガサス(Pegasus)
翼がある馬で、を飛ぶことができる。海神ポセイドーンと怪物メドゥーサの間の子。
エキドナ(Echidna)
上半身は美女で下半身は蛇で背中に翼が生えた怪物。
キマイラ(Chimaira)
ティーターン神族のテュポーンと怪物エキドナの間に生まれた怪物。獅子の頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持つ。「キメラ」とも呼ばれ、転じて合成生物や複数の遺伝情報を持つ生物の代名詞ともなる。
ケルベロス(Kerberos)
テュポーンとエキドナの間に生まれた、3つの首を持つ地獄の番犬。強大且つ凶暴だがオルフェウスに音楽で眠らされたりヘラクレスに地上へ引きずり出されたりなど攻略される描写も多い。弟に2つ首のオルトロスがいる。
オルトロス(Orthrus)
ケルベロスと同じくテュポーンとエキドナの間に生まれた双頭の犬。
ゴルゴーン(Gorgon)
醜い容貌で、蛇の毛髪を持つ三姉妹。「ゴルゴー」とも言い、英語読みだと「ゴーゴン」である。長女がステンノー、次女がエウリュアレー、三女がメドゥーサである。
後述のメドゥーサがアテーナーの怒りに触れて呪いを掛けられた際に、メドゥーサの二人の姉達はアテーナーに抗議したが、逆にメドゥーサと同じ呪いを掛けられるという理不尽な結果となってしまった。
メドゥーサ(Medousa)
「メデューサ」とも。
蛇の頭髪と見た者を石化させる怪物であり、ゴルゴーン三姉妹の三女。元は美しい髪を持った美女だったが、「自分の髪はアテーナーの髪より美しい」と自慢したばかりにアテーナーの逆鱗に触れてこのような姿となった。それでもなお許されず、アテーナーの命を受けたペルセウスに殺される。
フェニックス(Phoenix)
ギリシア神話やエジプト神話に登場する伝説上の鳥。数百年に一度、自ら香木を積み重ねて火をつけた中に飛び込んで焼死し、その灰の中から再び幼鳥となって現れるという。物語的な神話上のエピソードはない。
後代のヨーロッパでは、悪魔学によりソロモン72柱の悪魔の1柱とされ、魔術、呪術、神秘学に関する書物『グリモワール』にも記載された。その場合は序列37番の大いなる侯爵とされる。
一方でキリスト教徒はこの鳥を再生のシンボルとみなしている。
東洋の鳳凰と同一視される事もある(特に星座が顕著で、該当星座の日本名は鳳凰座であって不死鳥座ではない)が、本来両者は出自も特性も完全に別物。
スキュラ(Scylla)
ホメーロスの叙事詩『オデュッセイア』に登場する海の怪物。上半身は美女だが、下半身は蛇で12の足を持ち、腹部から3列の歯を持つ6つの犬の頭が生えている。元はニンフ(妖精)だった。
タロス(Talos)
ヘパイストスまたはダイダロスによって作られたとされる青銅製の自動人形。神の血(イーコール・霊血)によって駆動しているが、栓として踵に刺さっている釘を外されると失血死してしまう。
アルゴ号の伝説でも登場し、一行がクレーテー島へやってきた時に起動して乗組員を襲うが、魔女メーデイアによって呪文で眠らされている間に足の釘を抜かれて霊血を失い死んだ(ポイアースが矢で射抜いたとも言われる)。
アレイオーン(Areion)
馬の姿となったポセイドーンとデーメーテールの間に生まれたとされる名馬。

道具

アルゴー船(Argo)
イアーソーンがコルキスの黄金の羊の毛皮(牡羊座の羊)を求める冒険のために建造された巨大な船。この船を建造した船大工アルゴスの名から採られた。
ヘーラクレースをはじめとする英雄たちが乗り込んで活躍したようだ。
アイギス(Aigis)
主神ゼウスが娘の女神アテーナーに与えた防具(盾とも胸当てとも言われている)。邪悪・災厄を払う魔除けの能力を持ち、後に退治された怪物メドゥーサの首をはめ込んだ。フィクションでは、主に盾あるいは守護を司る存在に使われることが多い。
英語読みではイージス(Aegis)と言う。
ハルパー(Harpe)
古代ギリシャで使用されていた鎌のような短刀。英語読みはハルペー。
神話ではヘパイストスがアダマンタイトで鍛えたものをヘルメスが所有する。クロノスによる天空神ウラノスの去勢、巨人アルゴスの暗殺、英雄ペルセウスに貸し与えられメドゥーサ討伐などに使用された。
トロイの木馬(Trojan Horse)
詳しくはオデュッセウスの項に先述。

黄道十二星座

全てがギリシア神話由来の星座。占星術上では十二宮となる。ガンダムWシリーズのメカの名前の多くや、Zシリーズに登場するスフィアは黄道十二星座に由来する。

牡羊座
ゼウスが贈った神の羊。双子の兄妹を救うために遣わされ、金色の毛を持つ。
牡牛座
ニンフの女性エウローペー(彼女の名前がヨーロッパの由来になる)に恋したゼウスが変化した白い牡牛。
双子座
ゼウスの双子の息子カストルとポルックス。
蟹座
化け蟹。英雄ヘーラクレースのヒュドラ退治の際に踏み潰される。
獅子座
ネメアの獅子。怪物エキドナの生んだ尋常ならざるライオンである。
乙女座
ギリシアの女神。どの女神かは諸説あり、一般的なのは正義を司る女神アストライアー。に関連する星座の多くがその化身や所有物などであるのに対し、神そのものの星座は珍しい。
天秤座
正義を計る天秤。乙女座となっている(候補の一柱)正義の女神アストライアーの物である。
蠍座
英雄オーリーオーンを刺殺した神の使いであるサソリ。
射手座
下半身が馬の亜人ケンタウロスが弓矢を引く姿。ヘーラクレースなどの師である不死のケンタウロス、ケイローンであるという説が一般的。
山羊座
ヤギ頭の牧神パーンが下半身を魚に変えた時の姿というのが一般の説。
こんな妙な姿なのは、怪物テュポーンに驚いて急いで川に逃げようとして半端な変身をしてしまったたためという説と、巨神族の戦いの際に撹乱させる轟音を出すために貝殻を探して潜った際の姿という説の2通りがある(一般的なのは前者)。
水瓶座
水がめを持つ美少年、神々の給仕ガニュメーデース(木星の衛星ガニメデの由来)。
魚座
美の女神アプロディーテー(前述)とその子エロスがそれぞれ魚となった姿。

余談

  • 上記のように(他の神話も同様だが)神同士では近親相姦が平然と行われているが、これが人間となると禁忌とされる。その悲劇の主人公がオイディプースであり、心理学にも応用されている。

脚注

  1. なお、ゼウスは美少年好きでもあり、類稀な美貌を持つ少年ガニュメーデースを攫って自分の給仕係にしている。
  2. 日本神話のイザナギ・イザナミの神話に似ているが、あちらと違ってエウリュディケーは冥府に連れ戻され、以後関わってこない。
  3. なお、アキレウスと同様の最期を遂げた人物(正確にはの化身)に、弱点である足の裏を誤射されて死んだインド神話の英雄クリシュナがいる。
  4. さそり座は夏を代表する星座であり、オリオン座は冬を代表する星座のため、両者が同時に見られることはない