ロウ・ギュール

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ロウ・ギュール
外国語表記 Lowe Guele
登場作品

ガンダムシリーズ

声優 小野坂昌也
種族 地球人ナチュラル
性別
年齢 18歳
所属 ジャンク屋組合
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概要

ときた版、戸田版(ASTRAY R)の主人公

ジャンク屋を営むナチュラルの青年。熱血漢で曲がった事が嫌いで、悩むよりも先に己の"カン"を信じて直感で動く。メカの事に関しては絶対的な自信を持っており、また「宇宙一の悪運」を自称する。幼少期は祖父(血の繋がりがあったかは不明)と暮らしており、彼の様々な精神論を引き継いでいる。

ナチュラルだが、8(ハチ)の力もあってアストレイレッドフレームを操縦。後にオーブに立ち寄った事もあり、ナチュラル用OSの完成に貢献した人物の一人。ジャンク屋という稼業を通して色々な人間がいることを見てきたためか、コーディネイターに対する偏見は持たず分け隔てなく接し、ほぼ成り行きで歴史の分岐点に立つことになるが自分なりの明確な答えを出し、ナチュラルとコーディネイターの間を動き、相次ぐ戦乱や差別ですっかり拗れてしまった両者の関係を調整しようとする。その姿勢に感動したジョージ・グレンは彼を本来の意味である”コーディネイター=ナチュラルと自然的進化人類との仲介調整者”と称えており、ジョージの提示したコーディネイターという意味を体現した存在となった。

レッドフレームのエネルギーの節約のため、良く斬れる実体剣を探してガーベラ・ストレートの存在に辿り着く。その際にガーベラの開発法を知る蘊・奥に剣術を学び、同時に彼の動きをレッドフレームのプログラムに組み込んだ。後に再会した奥にはその身に付けた剣術を「己を越えた己のみが使える活人剣」と評された。なお、病身だったとは言え奥から一本取るなど、剣術家としても相当強いはずだが、奥との試合以外で生身で戦闘になった際にロウが刀を手にした事はない(『X ASTRAY』において、リ・ホームカナード達に乗っ取られた際にロウが武器として使ったのはスパナだった)。

ときた版と戸田版でのキャラクターデザインに大きな違いはないが、頭に巻いているバンダナがときた版は無地で、戸田版は大きなレンズのようなメカがついているという違いがある。[1]店頭PVなど多くの場合はときた版ロウが多い。本編主人公のキラが全編通して内気であったことに対し、こちらは熱血少年マンガど真ん中一直線のキャラの仕上がりとなっている。実際作中でも本編以上に熱く、それでいて濃いシーンが多い。

名前の綴りを見るとLoweの「e」が本来は必要ない。これは戸籍登録の際に育ての親でもある祖父が「Love」を「Lowe」と見間違えたため。

後のSEED ASTRAYシリーズでは一歩引いた存在になっていても、劇中世界の最新技術への独自のアプローチなど、そのセンスを生かした技術力を生かして各シリーズの主人公達のモビルスーツを開発、さらには改良や新装備開発などメカニック方面で幾度も活躍し、ある意味で主役の座を奪っていた。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦W
1部から登場しているが、仲間になるのは2部から。ナチュラルだが戦闘能力は高く、サプパイロットで8もいるので使い勝手は良い。本作ではアストレイがメインなので、2部レギュラーメンバーの一人。「MSは兵器ではなく、人を助ける道具」と言うことをキラ達に教える。また、ロウ自身の操縦センスと、8のサポートがあるためか、ナチュラルのパイロットの中で唯一コーディネイター用のMSにも搭乗できる点も見逃せない(ただし、乗り換え不可能な特定のキャラ専用機にはさすがに搭乗できない)。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

ナチュラルではあるが、宇宙の経験が長いせいか全体的に能力は高め。総合的にみると格闘がかなり高く、またモビルスーツ乗りとしては防御に優れる。その真価を最大限に発揮できるのは、恐らくパワーローダー。少し進めると更にパワードレッドに換装され、防御面は下がるものの総合的に強くなる。括りはMSだというのに、運用法はほぼスーパーロボットのそれである。

精神コマンド

W
不屈集中気合熱血ド根性
性格そのままなスーパー系寄りのリアル系ラインアップ。8も含めて回避コマンドが「集中」しかないため、特殊効果武器が苦手。

特殊技能(特殊スキル)

W
シールド防御切り払い撃ち落としカウンター底力L8、マルチコンボL2
地味に守りが堅い。前線に出すならインファイトが欲しい。

人間関係

8(ハチ)
相棒。後に『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』の主人公ジェス・リブルに託した。
山吹樹里
ジャンク屋仲間。
リーアム・ガーフィールド
ジャンク屋仲間。
プロフェッサー
ジャンク屋仲間。ホームの主。
ジョージ・グレン(キャプテンG.G.)
伝説のファースト・コーディネイター。紆余曲折あってリ・ホームの艦長となる。ロウの姿勢を見て、彼を自分が本来提示した意味である調整者コーディネイターと称える。
蘊・奥
剣の師匠。
叢雲劾
腐れ縁的な知り合い。傭兵部隊サーペントテールを纏める。
イライジャ・キール
劾の同僚でやはり腐れ縁的な知り合い。実はロウはイライジャの友人が死亡する原因を作った元凶と言えなくもなかったりする。
風花・アジャー
劾の同僚ロレッタの娘。サーペントテールのエージェントとしてロウの元に滞在したこともある。年齢のため、周囲から軽く見られる事が多い風花だが、ロウは彼女を対等に扱っている。
キラ・ヤマトラクス・クライン
成り行きで助けた者達。ロウの行動がこの二人の出会いと再会の切っ掛けとなっており、彼がいなければこのカップルの誕生は無かったのかも知れない。
アンドリュー・バルトフェルド
副官のダコスタ共々助ける(ロウはその時彼がいた事は知らされなかったが)。
マーチン・ダコスタ
レセップスでバルトフェルド(の入っていたカプセル)を守っていた所を発見し、意気投合する。
ジュリ・ウー・ニェン
マリーンの偽名で接触し、好意を抱かれる(ただし樹里に気を使って身を引いた)。
アッシュ・グレイ
本気で許せない相手。
プレア・レヴェリー
襲撃を受けていたところをロウに助けられ、行動を共にすることになる。
ジェス・リブル
SRW未登場。『DESTINY ASTRAY』(SRW未参戦)の主人公。彼に8とMS「アウトフレーム」を託す。
アグニス・ブラーエ
SRW未登場。『C.E.73 ⊿ ASTRAY』(SRW未参戦)の主人公。彼のMS「デルタ」を「デルタアストレイ」として仕上げる(本人はありがた迷惑がったが)。
セレーネ・マクグリフ
同じ技術者として、彼女をライバル視している。
リリー・ザヴァリー
SRW未登場。『VS ASTRAY』でライブラリアンの刺客としてロウ達と敵対していたが、敗北をきっかけに和解して、ライラブリアンと決別した。

他作品との人間関係

カズマ・アーディガン
W』での仕事仲間。プライベートでも仲が良い。
シホミ・アーディガン
ロウも彼女の事は恐ろしいらしく、カズマに制裁を加える姿に畏怖していた。
破嵐万丈
直接登場はないのだが、原作から察するに『第3次α』で万丈にキラを託した彼の「知り合い」とはおそらくロウの事だと思われる。
テンカワ・アキト
『W』ではアキトがに飛ばされた際にアキトを拾い、その後Xエステバリスの建造も一緒に手伝う。

名台詞

ときた版

「まだわからないぜ? 俺は宇宙一悪運が強いんだ」
第一話より。ちなみに「悪運」というのは現在では「逆境において発揮される強運」とされることが多い(ロウの台詞もこちらの意味)が、本来は単に運が悪いか、悪事を働いてもかえって栄えるような運のことを言う。
「どうだ!最強だろ?俺の悪運も」
コロニーからとびだしてホームに襲い掛かるメビウスをビームサーベルでぶった切って。
ロウ「アンタらに貸した青いモビルスーツだけどな――くれてやるよ」
劾「いいのか?」
ロウ「結果的にこの船も守ってもらったしな。借りは必ず返さなきゃならない――死んだ爺ちゃんがよく言ってたぜ」
ブルーフレームを劾に譲渡した際の台詞。ジャンク屋の流儀などはお爺さんから受け継いだものらしいが、MS一機を簡単に渡してしまう豪快さは流石である。
「•よーーし、オレが相手をしてやるよ」
リマスター第4話にて。この時絵柄が戸田先生風(♡)となっていた。
「だってオレはプロのジャンク屋だぜ。アンタはパイロットだろ?戦いで勝つのは当たり前じゃないか!」
地上、オーブ格納庫にて模擬戦でロウを倒したギナの「悔しくないのか」という言葉に対して。一流のジャンク屋としての自負があるのと同じように、別の道で一流の相手には敬意を払うロウの姿勢が伺える。なお、この直後にロウはギナのM1アストレイの腕が無理な動きで壊れていることを言い当てて「プロ」が虚勢でないことを図らずとも示した。
「ちくしょう、こんな戦い何の意味があるんだ。機械マシンが泣いてるぜ」
キラを倒そうとしたアスランの自爆攻撃の直後、その場に居合わせたロウの台詞。この後、キラを救出しつつも最後までPS装甲でキラを守り切ったストライクにねぎらいの言葉を贈った。彼の機械愛の深さが伺える一言。
「世界ってのは そこに生きてる一人一人が頑張って作りあげるものだろうがっ!!」
世界を一人でコントロールしようとするギナに対する反論の台詞。この台詞は戸田版でも使われている。
ギナ「破壊こそがコイツの宿命だ!!」
ロウ「違うぜ!!コイツらは大切な者を守るための力なんだ!!」
ロウ「オレにはわかる、ゴールドフレームの悲しみがな!!」
ロウ「Gのパーツだってそうだ!!破壊の為じゃねェ、平和のために傷ついたはずだ。それが破壊を望むなんて――」
ロウ「絶対に無ぇ!!」
ギナの主張を真っ向から否定した台詞。様々なメカと触れ、様々な人をレッドフレームで助けてきたロウならではの考え。この後、ギナは自分が否定したものに悉く邪魔されて完全敗北することになる。
「政治的なことはよくわからないが、国ってのは人の集まりのことだろ」
「ここの連中ならどこへ行ったって例え一人になったって、あんたの国の民として元気にやっていけるだろうな」
「場所は問題じゃない――違うか?」
「俺達ジャンク屋組合も同じさ。オレたちの組織に決まった場所なんてない。みんなバラバラさ」
「でもみんなジャンク屋って商売に誇りを持ってる。どこでどんな状況に出会っても仲間ならすぐに相手の気持ちがわかる」
「初めて会うヤツだって同じ気持ちを持った仲間だからな。だからバラバラでもやって行ける」
アメノミハシラのファクトリーでミナに告げた言葉。ミナはこの言葉に国というものの本質を見ると同時に、支配ばかりが先行したギナが彼に敗北した理由を悟った。

ASTRAY R

「99%は……100%じゃないぜ…?」
怪しいSOS信号をキャッチした際、「99%の確率で放っておいても助かる」と言ったリーアムに対して放った台詞。助けられる人を捨て置くことを良しとしない性格が現れているが……。
「オレは機械モノを直すのは好きだが、壊す理屈はわからねェ…………」
ユニウスセブンの残骸を見て。この直後、ロウ達はユニウスセブン追悼慰霊団を襲撃する連合軍を発見して戦闘に介入する。この出来事が無ければ船に乗っていたラクス・クラインの脱出は間に合わなかったかもしれない。
「あんたが歴戦の手練なら……オレは火事場の天才だぜ!!!」
宇宙海賊エリサの作戦を見破っての一言。土壇場に強いロウだが、単純に見えて意外と頭も回る男であることが分かる。
「オレ達は超一流のジャンク屋だ!!!…よって、不可能は無え!!!」
ダコスタとの対面時、大破したレセップスの修理は不可能だと断言された際の返事。余りにも自信満々な一言にダコスタは笑い出してしまった。
「しかしその言いにくい所をあえて説明するならばそれは…… 『カン』……だぜ」
ユニウスセブンの残骸を斬ることでコロニー衝突ルートから逸らした際、「どうやってバランスを取るためのベストな場所を正確に割り出したのか」と質問したリーアムに対して。この返事にリーアムは呆れかえっていた。
「合点 承知。」
このときの顔が物凄く濃い。
「俺は今思った…!! 『お前を』 『許さない』 とな!!!」
あまりにも悪辣なアッシュ・グレイに対する怒りを露わにした台詞。
「これが俺の、赤い一撃レッドフレイムだッ!!!」
最終話、リジェネレイトに赤い一撃を叩き込んで。もうノリがGガンダムだが、実は機体の構造上最も脆い部分を寸分の狂いなく打ち抜くという非常に理にかなった一撃だったりする。

SEED_MSV

「心配するな、俺はジャンク屋だ。人殺しはしない…」
襲撃してきたシグーをビームサーベルで切った際、コクピットから逃げ出したザフト兵を前にキメ顔で一言。作品を通して貫いているジャンク屋としての矜持だが、このシーンの直後に敵の増援が現れて慌てふためくことに。

小説

「こいつは酷いな……」
「まあいいさ。劾もコイツブルーも死んだ訳じゃない。また修理すればいいだけのことだ」
ソキウスとの戦いで破壊された劾のブルーフレームを見ての台詞。直後に「怪我人を送り出す気だ」と周囲に陰口を叩かれるが、ロウは劾が目を覚まし次第すぐに戦うだろうという確信があったために気にも留めなかった。なお、この際にロウは自分用に開発した新装備をあっさりブルーフレームに組み込んだばかりか、余ったPS装甲を利用して連合がやっと完成させたTP装甲と全く同じシステムを独自に思いつきでブルーに組み込んでエリカを驚愕させた。

スパロボシリーズの名台詞

「カズマ! てめえ、どのツラ下げて戻ってきやがった!」
「シホミさんやアカネやミヒロがどれだけ心配したと思ってやがる!」
W』第2部第29話「赤い魂、青い炎」より。家族に連絡もせずに半年間行方をくらましていたカズマをきつく非難した。
「へ…いいツラじゃねえか。それに免じて一発で許してやる! 歯を食いしばりやがれよ!」
上記の台詞の後、カズマの「もう一度チャンスが欲しい」と頭を下げた事に対して。
…が、この後カズマはシホミにしこたま平手打ちを喰らってしまい、ロウも思わず「見てられない」と目を背ける羽目に。
「そうか…。でも、そんな風に思われてたらドレッドノートもかわいそうだな」
「キラ、アスラン、お前達も聞けよ」
「道具ってのは使う人間によってどうなるかが決まる」
「兵器として作られたからって人殺しに使わなきゃならないって事はない」
「お前達が人殺しをしない決心があるならこいつもミーティアも兵器にはならないさ」
『W』第2部第46話「新しい時代の始まりに」より。ドラグーンとミーティアを使う事で誰かを傷つけてしまうかもしれないと危惧するプレアとキラに対して。
「さあな…。だが、俺なりに感じてる事はある。メカと使い手の運命みたいなものをな」
「キラ、お前もわかるだろ?ストライクはお前を最後まで守ってくれた」
「プレア…お前はドレッドノート…勇敢な者だ」
「ドラグーンはお前の想いを遠くまで飛ばせる力になるさ」
上の台詞の後、プレアに「ドレッドノートで人を救う事はできるのでしょうか?」と問われた際に。このロウの言葉でプレアはドラグーンの使用を決意する。
「まあ、道なんて自分で選ぶものさ。王道ばかりが道じゃない」
同上。『W』でXアストレイを名付けた直後の一言。これを聞いたキラもミーティアの力を自分の信じる事に使わせてもらうとバルトフェルドに告げる。
ちなみに「ASTRAY」とは、M1に対してエリカが「いい加減な道案内で迷ってしまった者」という自嘲の意味でつけたものだが、ギナがこれを「王道ではない」と解釈したのが始まりである。
なお、原作未使用の台詞であるが『EXTREME VS.』のゲーム中や『ガンダムブレイカー3』のCMでも使用され、ロウの代名詞の一つとなっている。
「フリーダムはきっとあいつを守ってくれる…あいつがフリーダムの秘密を守ろうとしたようにな。想いを込められたメカってのはそういうもんだ」
『W』第2部第51話プラントで戦闘を止めるルート「進んだ道の先」より。キラがクルーゼと共にジェネシスの光に呑まれ、一同がキラの生存を絶望視する中、キラがかつてストライクに守られた事を語り、キラが生きている事を信じての台詞。
ロウ「しつっこいんだよ、あんたは!! そんなに絶望や破滅が好きなら一人で行きやがれってんだ!!」
クルーゼ「それでは駄目なのだよ! 私の感じた絶望を全ての人間に分け与えたいのだから!」
ロウ「だったら、俺の持ってる夢や希望ってヤツを分けてやるよ! それで我慢しやがれ!」
『W』第2部第54話「忘れえぬ思い出を胸に」に於けるクルーゼとの戦闘前会話。劾とは別のベクトルでクルーゼを真っ向否定する。しかし、本当にロウの影響を多くの人が受ければ、世の中は大分マシになりそうな気がしないでもない。

搭乗機体

アストレイレッドフレーム
原点にして最新の技術が使用されることになるアストレイのうちの、一体。
アストレイレッドフレームF
アストレイレッドフレームP
アストレイレッドフレーム・パワードレッド
キメラ
MA・ミストラルに作業用の改造を施した改修機。ただし、ロウの機体はMSの腕にドリルをつけていたりと趣味に走っている。アストレイを発見する前に使用していた他、ときた版ではレッドフレームを持ち逃げしたマリーンを追う際にもこれに乗っている。

資料リンク

  1. ときた氏が作画を担当する漫画『ガンダムEXA VS』では1コマだけ戸田版のデザインになっているシーンがある。その際8に「顔が違うぞ!」とツッコミを入れられている。