渚カヲル

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渚カヲル
読み なぎさ カヲル
外国語表記 Kaworu Nagisa
登場作品

エヴァンゲリオンシリーズ

声優 石田彰
デザイン 貞本義行
初登場SRW スーパーロボット大戦F完結編
SRWでの分類 パイロット
サブパイロット
ラストボス
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プロフィール
別名 第17使徒タブリス(旧世紀版)
第1の使徒第13の使徒(新劇場版)
種族 使徒
性別
生年月日 2000年9月13日
年齢 15歳
所属 ゼーレ
役職 フィフスチルドレン
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渚カヲルは「エヴァンゲリオンシリーズ」の登場人物。

概要[編集 | ソースを編集]

旧世紀版[編集 | ソースを編集]

TV版・第弐拾四話「最後のシ者」で登場した、ゼーレから送り込まれてきた5人目のEVAパイロット「フィフスチルドレン」。

綾波レイと同じく、誕生日(セカンドインパクトの日)を除いた一切の経歴は抹消されている。チルドレンの中では唯一の年長者である(学年でいえば中学三年生になる)。

碇シンジに興味を抱いており、彼に対してはっきり「好きってことさ」と意思表示を見せる。最初は戸惑っていたシンジも、次第に心を開きかけていた。

エヴァとのシンクロ率を自由に調整できる不思議な少年だったが、その正体は最後の使徒である第17使徒タブリス。人間の肉体に第1使徒アダムを宿らせたのがカヲルである。故にアダムのクローンであるEVA弐号機や、EVA量産機ダミープラグ)を意のままに操る事が出来る。また、カヲルは「生と死は等価値なんだよ、僕にとってはね」と発言しているが、それはアダムの魂が不滅で死後転生する事を仄めかしているもの。つまり、文字通りカヲルにとって生と死は等価だと言える。この設定を生かしたのが『第3次α』であり、同作でのカヲルには『MX』世界の記憶を持っているともとれる描写がある。また、新劇場版のカヲルも旧世紀版の記憶を維持しているという見方がある。

肉体そのものは人間のものである事以外は経歴同様謎が多く、レイと同じく元となった人物からの複製なのか、一から造られた人造の身体なのかすら明らかになっていない。新劇場版では月に複数の個体が一つ一つ棺に納めてあるかのようにも見える。

原作での登場は実質第弐拾四話、ただ1話のみでありながら(最終話、旧劇場版にも僅かに登場している)そのキャラクター性の強さから、視聴者には強い印象を植え付けた特異なキャラクターでもあった。[1]一方、出番が充分に与えられた貞本義行氏の漫画版においては、初登場時に子猫を「どうせすぐ死ぬから」として無造作に扼殺したり、レイの最期を見て「ヒトがヒトを好きになる」感情に興味を抱いてシンジに迫るなど、ヒトならざる者としてのキャラクター描写がかなり丁寧になされている。

ちなみに、名前の「カヲル」は「オワリ」を50音順に一文字ずつずらしたものである。また、姓の渚もバラけさすと「シ」「者」となり、使徒である事実を仄めかしている。実際、カヲルの登場回は「最後のシ者」というサブタイトル。

使徒としての名前の由来であるタブリスは「自由意志」を司る天使。なお「タブリス」という名称は本編では語られず、放送終了後に雑誌記事などで明かされた。本編で名前が明かされなかった使徒は、彼のみ。

新劇場版[編集 | ソースを編集]

月面に置いてある複数の棺から目覚める。この時点で既に碇シンジの事を知る様子を見せた。

月面にて宇宙服の着用せずとも活動が可能。『破』のラストシーンにおいて「Mark.06」(EVA6号機)のパイロットとして登場し、サードインパクトを引き起こしかけたEVA初号機に槍を突き立て、サードインパクトを未然に防いだ。

今作では使徒かどうか不明であり、立ち位置もまた不明瞭だったが、『Q』においてようやくシンジの前に現れて第1の使徒である事が判明するが、ゲンドウの策略によって第13の使徒として堕ちてしまう。フォースインパクトを阻止するため、ヴィレがシンジがまた世界を崩壊させようとした場合につけた首輪型爆弾・DSSチョーカーをシンジから自分に付け替えて起動させて散っていった。

登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]

原作での役回りやキャラクターの設定上、常にストーリーの核心に絡んでいる。が好きという設定が活かされている場合も多い。これから起こることや成すために動いている各作品のキャラクターに助言を送るなどをする。故に生存フラグは全く用意されず、常に原作同様の結末を迎えてしまう。

旧TV・劇場版においては自軍として使用できるのはスポット参戦時のみであったが、『L』やZシリーズ、『V』といった新劇場版での参戦時は新劇場版自体が未完なこともあってか死亡していない。

旧TV版ではEVA弐号機にしか搭乗していないが、SRWではEVA3号機EVA零号機改に搭乗することもある(アダムベースの3号機はともかく、リリスのコピーである零号機を操ることができるというのは不思議な話だが)。

不滅の設定を利用してか、スパロボの世界観そのものを飛び越えるような遠まわしなクロスオーバーをかけられている事もある。会話の内容からスパロボにいるカヲルは全て同一人物と見なす事もできる。

TV版[編集 | ソースを編集]

旧シリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦F完結編
初登場作品。EVAエンドルートに入るとフォースチルドレン[2]としてネルフ入りし、そのままEVA3号機に乗り込みラスボスとなる。実質イベントシナリオなのであっけないほど弱いが、豊富なDVEにTV第24話を再現した専用デモまで用意されているなど、演出面では恵まれている。なお、弱いのは3号機のほうであり、彼自身は2回行動可能かつシンクロ率100%と決して弱くはない。
EVAエンドルート以外では彼について全く触れられることはない。

αシリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦α
今回は弐号機を引き連れて敵ユニットとして登場。が、弐号機は空を飛べないため、EVA初号機ミノフスキークラフトミノフスキードライブ)を付けると殆ど苦労せず倒す事も可能。実は熟練度獲得のためには原作のようにシンジではなく主人公で倒さなければならない。エヴァパイロット扱いで、敵では唯一特殊パラメータのシンクロ率が設定されている。
また、マクロスの「愛・おぼえていますか」の歌詞が入ったプレートを持ち、シンジに渡すというクロスオーバーがされた。登場時の彼の鼻歌も前述の「愛・おぼえていますか」。
第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
地球ルート第23話で突如として登場。以後、何度か熱気バサラと接触する。『MX』世界の行方を仄めかす等、『MX』(あるいは『MX』に似た平行世界)の渚カヲルと同一人物である可能性が高い。
『劇場版エヴァ』再現シナリオではEVA零号機改レイから借りてスポット参戦し、シンジとの「再会」を果たす。後にバサラとミンメイの「GONG」の制作に協力するが、最終話では霊体として登場している。『第3次α』のカヲルは死亡していない為、もしかするとこちらは『α』の世界のカヲルかもしれない。
カヲルが味方として使える初めての作品。また、同作においてはカヲルも無限力の使徒であり(使徒は使徒でも「別の使徒」である)「調停者」の一人であるという事も明かされている。
版権作品の中では破格の扱いをされているのが特徴。これはカヲル本人の台詞回しやキャラクター性、超然とした神秘性を反映、発展させてのことかもしれない。

単独作品[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦MX
欠番はあったが概ね原作通りに出現。MUの上層部からは最終楽章の序奏として見なされており、本人も自覚している風を見せる。イシュトリであり、オリンでもある可能性(魂を表現化したものであるのと同時に、魂を用いて演奏する力を持っているため)があるが「彼らのようには歌えない」としてあまねく世界で本来与えられている役目(使徒としての役割)を果たすべく動き出す。本作では自軍が分散した状態で対峙する事になるが、自軍に天のゼオライマーがいる為、さほど苦戦はせず、必殺技のオンパレードで瞬殺される運命にある。
その後は発動された補完計画にてシンジを導き、決戦後には「二人目」のレイを連れて何処かへ消えた。後の動向を見るに『第3次α』の世界へ飛んだ可能性が高い。

新劇場版設定[編集 | ソースを編集]

Zシリーズ[編集 | ソースを編集]

第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
今回もプレイヤーへのインフォーマー的役割であり、シンジ達の前には姿を現さないが、物語の裏では多くのキャラと交流を持つ。
シンカを果たした存在ではあるが、相変わらず謎めいた存在で、やはり過去シリーズの関連を匂わせるセリフをちらほら。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
第3話にて顔見せした後、EVA13号機サブパイロットとして搭乗する。本作でようやく正式に自軍部隊に参戦。音声も新規収録されている。
ちなみに、『破』仕様の顔グラがプラグスーツを着たものに変わっている。

携帯機シリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦L
様々な平行世界のシンジを見てきたような台詞を放ち、後にゼーレに本作の世界では人類補完計画の続行が不可能であることを告げに現れる。
プレイヤーへのインフォーマー的役割であり、シンジ達の前には姿を現さなかった。

VXT三部作[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦V
13号機専属のサブパイロット。シークレットシナリオを通らないと一切出番がない。

単独作品[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦X-Ω
2017年5月にEVA Mark.06のパイロットとして参戦。恒常的にメインパイロットとして使える初の作品となる。
また2017年7月登場のEVA第13号機のサブパイロットを務める。2020年7月にはΩスキル搭載型の13号機が追加されたため、演出でボイスが入った。

パイロットステータス[編集 | ソースを編集]

メインパイロットとして扱えるのは『X-Ω』とスポット参戦の『第3次α』のみ。それ以外ではすべてサブパイロット、ないしはNPCとなる。

能力値[編集 | ソースを編集]

使徒だけあってさすがに高い。特筆すべきは攻撃力の高さで、味方のエースクラスを余裕で上回り、格闘に至ってはゼンガーより高いという怪物(死に能力だが……)。

精神コマンド[編集 | ソースを編集]

F完結編
てかげん激励友情みがわり
α
自爆てかげんひらめき友情
第3次α
集中鉄壁感応脱力直感
綾波レイの精神コマンドと同じ。
第3次Z天獄篇
信頼友情激励覚醒
見事にサポート向けなラインナップ。友情と激励を所持しているのが感慨深い。
MX
信頼激励応援祝福友情
V
信頼友情激励希望覚醒
X-Ω
感応
パイロットパーツ装備時
希望再動

特殊技能[編集 | ソースを編集]

F完結編
切り払いL4
α
切り払いL8
第3次α
援護防御L3、支援攻撃精神耐性
こちらも綾波レイと同じ。精神耐性を持つ貴重なパイロットだが、小隊長能力が事実上フルブロックの上、登場ステージには特殊効果武器持ちがいないので、二重の意味で死に技能である。
第3次Z天獄篇V
SP回復
MX
底力L9

小隊長能力[編集 | ソースを編集]

すべての特殊効果武器無効
第3次α』で採用。

サポートアビリティ[編集 | ソースを編集]

謎の少年
SSR。『破』名義。セットしたアタッカーのクリティカル率大アップ。

パイロットBGM[編集 | ソースを編集]

「交響曲 第9番 ニ短調 第4楽章」
原作準拠で進行する場合は、ほぼこれ。作品によっては当該シーン以外でも機体BGM設定で選択可能。

人間関係[編集 | ソースを編集]

碇シンジ
全てを失いかけた彼の前に現れ、好意を示す。結果、友人になりかける。
綾波レイ
使徒を持つ者同士。彼女に自分と同じだと語りかける。
鈴原トウジ
原作では会う事はないが、『MX』では3号機のパイロットとしてカヲルと対峙する。その際、トウジはシンジの気持ちを踏み躙ったカヲルに激怒し、カヲルは「トウジのような友人がいればシンジは大丈夫だ」と答えた。
PS2/PSPゲーム『エヴァンゲリオン2』では彼とシンジの説得によって人類の味方になった。

他作品との人間関係[編集 | ソースを編集]

スーパー系[編集 | ソースを編集]

ビッグ・ファイア
α』では彼の正体について知っていた。BF団が彼を生き神として崇めるなら、カヲルはゼーレにとってへと到る道への切り札であった。
美嶋玲香
どこか似た存在。『MX』ではお互いの存在を認識し合っており、彼女と両原作をより複雑にしてくれる難解な会話を繰り広げてくれる。共に世界の終局の局面において、重要な役目を担う事になる。
兜甲児
『α』では彼を「光と闇を自らの意志でその微妙な均衡を保つ力を持った者」とし、彼の心の強さを認めた。
流竜馬神隼人車弁慶
『α』では彼らに真ゲッターロボ、そしてゲッター線の真の力を示唆し、自分のような存在はゲッター線のような無限力に惹かれるという事を明かしている。
神名綾人
『MX』では彼が辿るべき運命を知っており、綾人に彼自身の歌声が世界を満たす事を促している。『第3次α』でのカヲルの台詞から、綾人が何らかの形で調律を行った事を見届けた事もわかる。
秋津マサト
『MX』では彼の決意を理解し、彼にもまたガフの扉を閉じる事を促す。
出雲銀河草薙北斗
『MX』では最後のデータウェポンの存在を示唆し、彼らにそれを見つける事を促した。
鳥飼守
『MX』ではアスカを撃破し、更にネルフに侵攻せんとした彼を阻止した。
シュレード・エラン
第3次Z時獄篇』にて、彼の演奏するピアノに惹かれて姿を現す。
そのためか、『第3次Z天獄篇』で自軍合流時にどこかで見たことがあると述懐していた。
サザンカ・ビアンカ
『第3次Z天獄篇』にて、案の定シンジとカヲルの関係に食いつく。
トワノ・ミカゲ
『第3次Z時獄篇』では「シンカ」を果たした存在同士ということで以前からの顔見知りでもあり何度か対面するが、カヲルは自身の歪んだ復讐を果たすために非道な姦計を幾度も繰り返す彼に対し、はっきりと不快感を抱いている。
不動ZEN
『第3次Z時獄篇』では彼とともにストーリーの根幹を知る人物の一人で、幾度と行動を共にする。
ちなみに、カヲルの方が先達らしい。過去の出演作を思えば納得である。
アンチスパイラル
『第3次Z時獄篇』では不動ZENと共に彼の本拠地に直接乗り込み対面する。彼からも敵意を向けられている。

ガンダムシリーズ[編集 | ソースを編集]

カトル・ラバーバ・ウィナー
α』では彼と顔を合わせる場面もあり、展開によっては彼に「愛・おぼえていますか」のプレートを預ける。『第3次α』でも少しだけ彼とのやり取りがある。
アスラン・ザラ
『第3次α』ではキャラ同士の接点は無いが、声優ネタ中断メッセージにてカヲルの名台詞を発言する。

マクロスシリーズ[編集 | ソースを編集]

リン・ミンメイ
直接は関わらないが、『α』では「愛・おぼえていますか」のプレートは彼からシンジに渡され、その後にミンメイの手に渡った。後の『第3次α』でも「GONG」の制作に協力した。
熱気バサラ
『第3次α』において真っ先に接触を図る。彼の誕生を待ち望み、同時にバサラの「役割」を知っている。バサラに大きな興味と期待を抱き、幾度も接触。人類補完計画終結後には彼を訪ねてシティ7を訪れ、「GONG」の制作にも協力した。
第3次Z時獄篇』でも共演。「相変わらず、いい歌」と賞賛した。

バンプレストオリジナル[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦α主人公
彼(彼女)に、サイコドライバーの真の力を示唆し、同時にガンエデンケイサル・エフェスの存在を仄めかしている。ちなみにαシリーズの正史における主人公はクスハ
ヒューゴ・メディオアクア・ケントルム
AI1の真の意味を知るカヲルは、彼らにそれがどのような結果を齎すかを示唆するような発言をする。
イルイ・ガンエデンルアフ・ガンエデン
α』では彼らの存在を仄めかすような言動も見られ、ガンエデンについても知っているような素振りを見せた。
ケイサル・エフェス
最初のサイコドライバー「アウグストゥス」…つまり彼の存在を知っており、αの時点でそれを仄めかしていた。第3次αをプレイした後に改めてαをプレイしてみると非常に興味深く、カヲルが言っていた」という文化の極みが怨霊の王に対する決定打となる。
御使い
彼らを「命ある者全ての敵」と呼ぶ。

名台詞[編集 | ソースを編集]

旧世紀版[編集 | ソースを編集]

はいいねぇ。歌は心を潤してくれる。リリンの生み出した文化の極みだよ…」
第弐拾四話「最後のシ者」より。ベートーヴェンの第九のハミングと共に印象に残る初登場をする。
余談だが、2015年6月14日に放送されたバラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』 [3]において、カヲルが初登場した場所と風景が酷似したアメリカ合衆国カルフォルニア州に所在する塩湖・モノ湖が紹介された。さらには、番組中にてエヴァファンである出演者達によって原作の場面のパロディ…もとい再現が行われている
「好意に値するよ」
「好きってことさ」
「僕は君に会うために生まれてきたのかもしれない」
カヲルの涼しげな微笑と、求められる事の喜びが、傷付いたシンジの心を解きほぐしてゆく。なお、上記の台詞はその手の趣味のお姉さま方のネタにされやすい模様。
「ありがとう、君に逢えてうれしかったよ」
カヲルの最期の言葉。

新劇場版[編集 | ソースを編集]

「はじめまして、お父さん」
『破』において、月面にてゲンドウ冬月に姿を見られた時、発した言葉。
「さぁ、約束の時だ、碇シンジ君。今度こそ君だけは、幸せにしてみせるよ」
『破』にてサードインパクトを防いだ時の台詞。
「生きていくためには、新しい事を始める変化も必要さ」
「簡単さ。キミはこっちで鍵盤を叩くだけでいいんだ」
『Q』中盤より。TV版以上の苦境に立たされ、孤独となったシンジをピアノの連弾に誘い、彼の傍で心の支えとなっていくが…。
「碇シンジ君。一度覚醒しガフの扉を開いたエヴァ初号機はサードインパクトのトリガーとなってしまった。リリンのいうニア・サードインパクト…全ての切っ掛けはキミなんだよ」
シンジに崩壊した第3新東京市と変わってしまった世界を見せながら。アスカ達からの憎悪の正体、そしてレイの救出に失敗していた事を知ったシンジは呆然自失となってしまう。
シンジ「そうだね…うん。キミにならできるよ」
「キミ「と」なら、だよ。EVA第13号機はダブルエントリーシステムなんだ。2人でリリンの希望となろう」
自暴自棄になったシンジからDSSチョーカーを外し、「世界の修復も可能」と説明して。この一件でシンジは希望を取り戻すが、同時に「やり直し」に固執した事が後のカヲルの運命を決めてしまった。
「おかしい。形状が二本とも変化している…?」
「そうか…そういう事か…! リリン…!!」
『Q』終盤。シンジと共にEVA第13号機に乗り、EVA Mark.06に刺さった槍を抜こうとするが、異変に気付く。
しかしシンジはカヲルの制止を聞かず、操作系統も止められてしまった事でニア・フォースインパクトが起きる事に…。
「シンジ君は安らぎと自分の場所を見つければいい」
「縁が君を導くだろう。そんな顔をしないで。また会えるよ…シンジ君…」
最終盤。槍が13号機を貫いた直後、シンジの代わりに嵌めたDSSチョーカーが爆発。シンジによって殺された旧世紀版とは異なり、こちらはシンジの身代わりとなって死んでいった…。

スパロボシリーズの名台詞[編集 | ソースを編集]

旧世紀版[編集 | ソースを編集]

戦闘台詞[編集 | ソースを編集]

「カルネアデスの舟板だね」
汎用戦闘台詞。意味深な台詞を言うことが多いカヲルなだけに印象に残ったプレイヤーは多いだろう。
「カルネアデスの舟板」とは古代ギリシャの哲学者であるカルネアデスが出した問題のことで、難破した船に乗っていた一人の船乗りが助かるために乗った壊れた舟板に別の船乗りが乗ろうとするが、二人乗れば舟板が壊れるためその船乗りを見捨てただ一人生き残った船乗りは殺人罪の容疑にかけられるも罪にならなかったという内容である。今でいう緊急避難の例として挙げられているが、この場合は人類と使徒の生存競争、あるいは人類補完計画のことを指しているのだろうか。また、『トップをねらえ!』の宇宙怪獣を殲滅する「カルネアデス計画」の由来にもなっており、『第3次α』対宇宙怪獣ルート第58話のインターミッションでも自軍部隊がこの問題の話題をする。

αシリーズ[編集 | ソースを編集]

「僕は…使者さ。古のまつろわぬ黒き月の民により、はるか時空を超えてこの世に送り込まれた使者…」
「そう、因果律のゆがみによって構成されたこの偽りの世界への最後のシ者さ…」
α』第60話「最後のシ者」より。綾波レイと初めて会った際の会話。この時点でケイサル・エフェスの存在を仄めかしている。
ちなみに「因果律の歪みによって構成された偽りの世界」というのは、「本来出会うはずのない者達が一堂に会し、交流し、共に戦う」スパロボ世界そのものの暗喩でもある。
「…かつて僕がいた世界は、機械仕掛けの神の歌声によって一度死に、生まれ変わった…」
「その世界に住まう者達が望んだ『約束の地』としてね」
「だが、その地もかの者が定めた死と新生の輪廻からは逃れられなかった…」
「その結果、誕生したのが今君達が住まう世界なのさ」
第3次α』第21話地球降下ルート「エモーション・ハイ」より。バサラに語った台詞。言葉から真聖ラーゼフォンや調律を連想させ、MX世界の未来でアポカリュプシスが起こり結局消滅したとも受け取れる台詞である。
「約束の地」という用語から最終決戦後に超空間から帰還した味方部隊が観測した世界が前述の機械仕掛けの神の歌声によって生まれ変わった世界なのかもしれない。既にプレイヤーに死と新生の輪廻がもたらす終焉の恐ろしさを知らしめることとなった。
「いい曲だ。後はこれに魂が乗ればいい」
『第3次α』第53話「出航!銀河殴り込み艦隊!」のインターミッションより。バサラと共に「GONG」の作曲をしていた。
「その必要はないよ。彼にはいつでも会えるからね」
直後、バサラから「(シンジに)会って行かなくていいのか?」と訊かれて。おそらく、あらゆる意味で文字通りなのだろう。
ちなみに『MX』のカヲルの出番はこれが最後で、最終決戦では『α』のカヲルが顔を出す。

MX[編集 | ソースを編集]

「過去から受け継がれし遺産と光……七つの光……」
「そして、最後の希望は君の中に在る」
第49話(『PORTABLE』では第50話)「シト新生」より。北斗に対して。この時点で北斗の中に眠る希望の存在まで知っていた様子。
「世界の中心に在る者……時と世界の流れを見続ける者……」
「今までの試練は全て、それが誰なのかを決めるためのものなんだよ、シンジ君」
同上。シンジに対して。使徒と「調律」に関わる戦いは、かつて失われた「時の観測者」の後釜争いという側面を帯びていたらしい。結局のところ、最終的にこの座には原作通り真聖綾人が収まることになる。
(幾千幾万の時を乗り越えても、リリンは死の宿命から逃れられない……)
(だけど、それでいい。滅びの宿命は新生の喜びでもある)
(世界が滅びても、人が自分の中にある希望を見失わなければそれでいい)
(そうすればいつか人は、無限力に支配された輪廻から逸脱することが出来るはずだから……)
同上。モノローグ。αシリーズのキーワードである「無限力」を初めて引用している。「無限力に支配された輪廻」は、まさに第3次αでαナンバーズが直面した「アポカリュプシス」であり、関係性をうかがわせる。
ちなみに実はスパロボでも極めて珍しい「参戦していない作品のキーワードを用いたセリフ」でもある(無限力はスパロボオリジナルではなく、伝説巨神イデオンの用語である)。
「生と死は等価値なんだ……僕にとってはね。自らの死……それが唯一の絶対的自由なんだよ」
「遺言だよ。さぁ、僕を消してくれ。そうしなければ、君らが消えることになる」
「滅びの時を免れ、未来を与えられる生命体は一つしか選ばれないんだ」
「そして、君は死すべき存在ではない……」
「君達には未来が必要だ」
「ありがとう。君に会えて嬉しかったよ」
同上。シンジで撃破するとこの台詞が出る。使徒と人の戦いは、生命の実と知恵の実、それぞれを食した人類同士の戦い。そして、使徒は選ばれなかったのだ……。
「さあ…ガフの部屋の扉を…世界の始まりと終焉の扉を、選ばれた君達の手で閉じるんだ…」
「世界が悲しみに充ち満ちていく前に…」
「孤独が人の心を埋め尽くす前に…」
「虚しさが人々を包み込んでしまう前に…」
第54話(『PORTABLE』では第55話)「遙か久遠の彼方」より。自我が崩壊しかけたシンジに対して。リリス化したレイと共に存在していたらしく、この呼びかけによってシンジは己を取り戻すことに。

新劇場版[編集 | ソースを編集]

L[編集 | ソースを編集]

使徒はもう現れないよ」
第28話「破られた約束」にて。第8の使徒殲滅後に密会する碇ゲンドウ冬月コウゾウSEELEらの前に現れての(彼らだけではなく、プレイヤーにとっても)衝撃の一言。
「次に期待するしかないんじゃないかな。少なくとも、この世界には別の結末が訪れるんだ」
(そう、『彼ら』の働き次第では今度こそ彼が幸せになれる結末がね…)
同じく第28話「破られた約束」より、人類補完計画頓挫を受けての言葉。「彼ら」とはシンジが所属しているLOTUSのことであり、実際使徒がこれ以降現れる事はないので、本作のシンジ達にはカヲルの言う「幸せになれる結末」が訪れることになる。

第3次Z[編集 | ソースを編集]

「…来たんだね、君たちも。そうやって集まっていくのか…」
「死と新生の輪廻…。ふふ、彼もそれに翻弄されているんだろうね」
第3次Z時獄篇』第15話「終末を抱いた神話」にて自軍部隊及びアクエリオンが退場した直後に唐突に現れて。今までの出演作に漏れず、またしても死と新生の輪廻という言葉を使っている。
カヲル「つまらない使命感に縛られるなんて、らしくないな。君達は2万4000年前に、その禁を破っているじゃないか」
ZEN「確かにな……」
カヲル「だから、君も素直になればいい。そう、僕達だって彼らと変わらないんだ」
ZEN「……努力はしてみよう」
カヲル「彼が悲しむ顔は、もう見たくないからね。たとえ、その相手が僕でなくても」
ZEN「輪廻の中、運命は変わる……1万2000年の時を経て、新たな扉が開かれる」
カヲル「その行き先が、神話の果てだろうとね」
『第3次Z時獄篇』第26話のインターミッションにて。
(少しだけ運命が動いた……これで第10の使徒の出現は、当分無いだろうね)
「ちょっと残念だよ。彼に会いに行くのも遅れることになりそうだ」
『第3次Z時獄篇』アスカ離脱ルート第48話「禁断の領域」にて。カヲルが言った通り、第10の使徒が時獄戦役で出現する事は無かったのだが…。
「君の意志を確かめたから、僕は行くよ」
「だけど、僕は……君が好きになれそうにない」
『第3次Z時獄篇』第50話「開かれる扉」におけるミカゲとの会話にて。基本的に笑みと穏やかな物腰を崩さないカヲルが珍しく、嫌悪感を表に現した珍しい場面である。
カヲル「未熟な弟達に不必要な介入はしない……そんなルールはおこがましいだけだね。事実、君は2万4000年前に大罪を犯している。そして、1万2000年前には輪廻を……運命を覆した者達を認めている。そして、彼らの目を逸らし、かつての恋人を守るために苦しい嘘をついた」
ZEN「……全て、過去の話だ」
カヲル「そうだね。だから、僕達には未来が必要だ。神も人もない、誰もが自分の望む世界のために自由に、懸命に生きる未来が……」
ZEN「……そうだな……」
『第3次Z時獄篇』IFルート冒頭での不動ZENとの会話。かつて彼が不動GENとして犯した「大罪」はやはり、何らかの手段による時空干渉らしい。さらにここからすると、アポロアポロニアスの意志を植え付けたのもGENであり、堕天翅族の目を逸らすためのデコイとして使ったようだ。
「まあね。彼のステキな音を、また聞くことが出来るのだから」
「それに嬉しくなるよ。人の手で運命を変えることが出来るなんてね」
『第3次Z時獄篇』第50話「ephemera」より、死の運命を覆したシュレードの力でケルビム兵を退散させたアクエリオンを見ていわく。
ZEN「これで満足かな?」
カヲル「それなりにはね。を助けてくれたことには感謝するよ。干渉を嫌う君が動いてくれたことにもね」
ZEN「君の友達の友達だからな。無碍には出来まい」
カヲル「そういうことにしておこうか」
『第3次Z時獄篇』IFルート第54話「光の闘神Z」にて。
「それでいいと思う。事態への干渉の度が過ぎる事は危険だ」
第3次Z天獄篇』参入直後のDトレーダーにて。
AGから「あなたにそういった事を言われても説得力というものが…」と返されたが、これまでのスパロボ(を含むエヴァが存在する世界)でのカヲルの干渉を思えばAGの言う通りであろう。
(シンジ君…。いつかきっと、君の想いが報われる日が来る事を僕は信じてるよ…)
『第3次Z天獄篇』第51話「運命への出航」より。
アスカ「極点って南極北極!?」
マリ「まさか!」
カヲル(あれが目覚めるか……)
同話におけるエル・ミレニウムの覚醒に際してのリアクション。第3次Z時獄篇でもゲンドウらが南極について語っていることから、どうやらEVAの世界にもエル・ミレニウムが眠っていたらしい(セカンドインパクトにも恐らくは関わっていたと考えられる)。

V[編集 | ソースを編集]

「僕は君達のようにはなりたくないな」
ミケーネ神との戦闘台詞。
「念のために行動はしたが無駄骨損のようだね」
イスカンダルへの旅路の途中、ヤマト艦内で火事騒動に勃発しアスカと共に消火活動に赴くが完全ないたずらであった。行動を共にしていた人物が人物なためかなりシュールな光景となっている。

スパロボシリーズの迷台詞[編集 | ソースを編集]

「今日はもうおしまいなのかい?」
「でも、君はこのままゲームを終わらせることも、再開することも出来る」
「戦いと睡眠は等価値なんだ」
「さあ、電源を消してくれ。そうしなければ、君らは眠ることができなくなる」
『MX』中断メッセージより。原作の台詞をスパロボに置き換えての迷言。シンジからは引かれるが、台詞の内容が睡眠をとるために本当にゲームを終了する時、あるいは中断メッセージ見たさにセーブを繰り返す時などにも適応される。恐らくプレイヤーがカヲルの発言で最も分かりやすく、共感できるものだろう。

搭乗機体・関連機体[編集 | ソースを編集]

旧世紀版[編集 | ソースを編集]

EVA弐号機
TV版で搭乗……というより外部から操った。漫画版ではしっかり搭乗。跳躍後に突撃してきたアルミサエルを踏みつけてバク宙を決める離れ業を見せて、ミサトにアスカ以上と言わしめた。
EVA4号機
『新世紀エヴァンゲリオン2』やパチンコ版で搭乗。
EVA乙号機
『新世紀エヴァンゲリオン バトルオーケストラ』で搭乗。

新劇場版[編集 | ソースを編集]

EVA Mark.06
『破』で搭乗。
EVA第13号機
『Q』で碇シンジと共に搭乗。

スパロボでの搭乗機体[編集 | ソースを編集]

EVA零号機改
第3次α
EVA3号機
F完結編

余談[編集 | ソースを編集]

  • キャラクターデザインの貞本義行氏は渚カヲルを子供っぽいキャラクターとしてデザインしたが、担当声優の石田彰氏の解釈で現在のミステリアスなキャラクターとなった。
  • 渚カヲルはその独特の雰囲気と碇シンジとの関係性故に、その手の趣味の女性ファンからの圧倒的支持を得ている
    • 実際、ラポートやムービックの(非公式含む)アンソロジーコミックを筆頭に、二次創作におけるカヲルとシンジとのカップリングは鉄板レベルと言っても良いほど非常に多い。漫画版『碇シンジ育成計画』においても、上記の点を意識したシーンがしばしば描かれている。
  • PS2PSP)用ソフト『新世紀エヴァンゲリオン2』では、シンジトウジ説得によって人類の味方になっている(条件次第ではシンジ単独でも可)。その場合、ヒトとして生きるために使徒としての能力を自らの意思で封印してヒトと全く同じ様に振る舞い学校に通う姿もあるが、ヒトとしてあり続ける為に使徒と戦う必要があれば、使徒の力を行使して虚数空間から「EVA4号機」を召喚しパイロットとなって戦う事もできる(戦闘中に特殊行動で一時的にシンクロ技能を最大値にすることも可能)。また原作では渚カヲルが食事をする描写は無かったが、一応食事は出来る模様(レイのように菜食主義な面があるのか否かまでは、不明)。
    • PSP版のカヲルのシナリオでは、第12使徒レリエル(SRW未登場)の虚数空間に捕らわれた場合、自分の影から「リリンの物真似が上手くなったね。内面の弱さまで再現しているんだから」と言われる程で、自分の意思で使徒の力を発動できる事を除けば、ほぼ完璧にヒト化しているものと思われる。また、「タブリスの力を解放する」事で、ある結末が…。
    • 渚カヲルはパチンコ等においても「EVA4号機」パイロットとなっている事が多い。「EVA乙号機」のパイロットとなっているゲームも存在する。
  • ケロロ軍曹』に登場する北城睦実(アニメでは「サブロー」)は渚カヲルをモチーフにしたキャラクターで、演じている声優も同じ石田彰氏である。
    • 北城睦実の初登場エピソードは、ほぼ丸ごとTV版『新世紀エヴァンゲリオン』第弐拾四話「最後のシ者」のパロディとなっており、その後も度々カヲルの台詞を引用している。
  • 渚カヲルのモデルは庵野監督と親しいアニメ監督の幾原邦彦氏とされており、一説では庵野監督がシンジとカヲルに自身と幾原氏の友情を投影したとも言われた。『エヴァ』以降の庵野監督の舞台的演出は幾原氏の影響であり、石田彰氏の配役に関しては幾原氏が監督した『美少女戦士セーラームーンSuperS』が縁と見る向きがある。幾原氏は『エヴァ』のアンチテーゼにあたる『少女革命ウテナ』を監督している。
    • ただし、庵野監督はマリを除く『エヴァ』の全登場人物が自身の分身であると語っている。放送当時のアニメージュのインタビューでは幾原氏はシンジのモデルと記述されていた。
    • また、劇場版のカヲルの笑顔がアニメ監督の押井守氏に似ていることを指摘する有志のファンがおり、曰く大の犬好きで知られている押井氏のようにカヲルは犬っぽいシンジを可愛がっているのだと言う。

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. ただし、流石に1話のみの出演であったためキャラクターとしての掘り下げは不十分であり、声優の石田彰氏はTV版の時点では「キャラクターを掴み損ねていた」と発言している(これは制作スタッフも同様であったという)。
  2. 『電視大百科』のEVA参号機(『電視大百科』ではこの表記)の項目では、原作通りのフィフスチルドレンとして解説されている。
  3. なお、この番組のナレーションを担当している声優の一人が、碇ゲンドウを演じた立木文彦氏である。