キリコ・キュービィー

提供: スーパーロボット大戦Wiki
2018年3月12日 (月) 06:41時点における旋風 (トーク | 投稿記録)による版 (→‎破界篇)
ナビゲーションに移動 検索に移動
キリコ・キュービィー
外国語表記 Chirico Cuvie
登場作品

ボトムズシリーズ

声優 郷田ほづみ
デザイン 塩山紀生
異名 「生まれながらのPS」「触れ得ざる者」「神殺しの男」(『赫奕たる異端』以降)
種族 人間(アストラギウス銀河出身)
異能者
異能生存体
性別
生年月日 ギルガメス暦2326年7月7日
年齢 18歳 → 20歳(TVシリーズ)
所属 ギルガメス連合メルキア軍→傭兵
軍階級 曹長 → 脱走
テンプレートを表示

概要

装甲騎兵ボトムズ』を始めとする『ボトムズシリーズ』の主人公。基本的に物語は、キリコの独白(モノローグ)を多用した回想録形式で進行する。

戦いしか知らない一兵士だったが、「素体」と呼ばれる軍の最高機密を見てしまったために軍を追われることになる。そして「素体」の謎を追い求める旅の中で出会った仲間達との触れ合いの中で、徐々に人間らしさを手に入れてゆく。

しかし、ストーリーが進むにつれ、実は軍の最高機密以上の重大な宿命をその身に背負っていることが明かされ…。

常軌を逸した不死性(死なないのではなく、むしろ死ねない)と桁外れの生存力で、泥沼の本編を最後まで戦い抜いた。あらゆるロボットアニメの中で(或いはロボットものという括りを除いても)おそらく最も不死身な主人公でもある。

人物

百年戦争の末期、ギルガメス軍の一員として戦っていたAT乗り。かつて最強の部隊と恐れられたレッドショルダー隊に所属していた過去を持つが、幼少時の記憶などを失っている。

キリコの最大の特徴は、「他者から干渉されることや支配されることを極端に嫌う」ということであり、人付き合いは良いとは言えない。その一方で、支配欲や出世欲等も希薄であり、「誰にも邪魔されずただ静かに暮らせればそれで良い」という老成した雰囲気をかもしだしている(この様子からかなり大人びて見えるが、設定年齢上はまだ18歳である)。このような性格になったのには、キリコが少年の頃から兵士として戦い続け、人生に一種の諦観を得てしまっていることが大きい。

優れた操縦技術と戦闘能力を持つ「戦士」であるが、命令系統のしっかりした縦型の社会では生きていけないことを示すなど「軍人」としての資質はまったく無い。なお、『ペールゼン・ファイルズ』の小説版においては、同僚のザキに「敵が憎いから軍にいるのか」と問われた際「敵に怨みは無い」と否定している。

キリコ自身は静かに暮らしたいのに、彼の「異能」(後述)を狙う様々な組織が執拗に干渉を続け、彼は火の粉を払うために戦い続ける、というのがボトムズシリーズの基本的な骨子である。

無口で根暗なキャラクターという印象が強いが、心を許した相手には冗談を言ったり、笑いかけたりすることもある等、決して人付き合いを完全に拒否しているわけではない。しかし、キリコが心を許した相手は大抵の場合は戦火の中で別れを経験する(場合によっては死別する)のが常である。ウド編の最後では「俺を一人にしないでくれ」と独白する場面もあり、孤独を好みながらも人のぬくもりも求める二律背反な面も垣間見える。キリコは親しい者を失うことを恐れるからこそ、必要以上に人に近づかないようにしているのかもしれない。また冷静沈着なイメージも強いが1話で理由のわからない作戦に動揺し、クエント編で自分の正体に関し手がかりが中々つかめず焦って言い詰めたり敵に追い込まれ弱音を漏らすなど年相応の面も見られる。

軍人としての資質がないのにどうして軍隊に入っていたのかという点についてははっきりしていない。TVアニメ第1話冒頭のナレーションではキリコの独白として

  • 「俺は戦った。初めは生まれ故郷メルキアの為と信じて戦った。だが、戦いは長びくばかりで、終わりがなかった。おれは疲れた。だれもかれもが疲れていた…。」

という台詞がある。このことから考えるとキリコは元々は愛国心ゆえに志願した少年兵だったのだが、戦争の中で戦う意義を失っていったのかもしれない。

なお、戦場に身を置き続けてきた経験からか、キリコは映像作品中では何時如何なる時も赤色の「耐圧服」というATのパイロットスーツを着用しており、いわゆる「私服」と呼べるような服を着用しているシーンは、ほとんど確認出来ない。あとはせいぜい変装のために敵の制服を拝借して着用した程度で、彼の衣類に対する無頓着さが垣間見える。また、『孤影再び』では「赤い耐圧服を着た男」という情報から兵士がキリコの正体に気づくというシーンがあるが、これはTVシリーズから30年以上が経過した世界で赤い耐圧服が時代遅れになって(手に入らないわけではないようである、後述参照)いる事と、常にそれを着用し数々の戦果を上げたキリコの姿から「赤いかく乱」というあだ名が付けられているという設定から来るものである(『孤影再び』OVAコメンタリーより)。なおTV版ラストで全裸のままコールドスリープに入ったキリコは、『赫奕たる異端』冒頭では耐圧服を持ち合わせていなかったものの物語中盤から着用している。

ちなみに自称「糞真面目な男」である。

異能

TVシリーズの後半、キリコは古代クエントに存在していた「異能者」達と同等の資質を持っていることが判明する。

TVシリーズ作中においては「異能者」とは超能力の使い手などではなく、「機械に関する高い親和性を持ち、常人よりも高い身体能力を持つものたち」と説明されていた。いわば、「現世人類よりも進化した新しい種」のような扱いであり、『機動戦士ガンダム』におけるニュータイプを意識した設定とも考えられる。異能者としての資質を持つものは常人よりもアーマード・トルーパーの操縦に秀でており、天才的な腕を持つパイロットとなる。この「異能者」を人工的に作り出そうとしたのがパーフェクトソルジャー(PSと呼ばれる)であった。

作中世界では「異能者」の資質を持つものはとてつもなく希少である。古代の異能者の集合意思を記憶したスーパーコンピュータ・ワイズマンは、自分と同種の存在でありキリコに深い興味を持ち、ワイズマンが支配している秘密結社を使ってキリコに様々な干渉を続けた。

TVシリーズ作中では、キリコは訪れる場所で必ず戦いに巻き込まれて酷い目に会っているが、これはワイズマンの干渉によるところも大きい。しかし、キリコはどんな危険な状況になってもどうにかして最終回まで生き残った。それは本人が機転を利かした結果ということもあれば、ただ運が良かっただけという場合もある。しかし正直なところ、作中のキリコはあまりに危険な目に遭いすぎていたため、視聴者から見ると「主人公だからという理由だけで生き残るご都合主義」と感じられることもしばしばあった。

しかし、後のOVA『装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』にて、登場人物のヨラン・ペールゼンが提唱すると言う形で「キリコは250億分の1の確率で誕生する、高い生存能力を持つ異能生存体であり、その力によって彼は不死身である」という後付設定が誕生した。この設定はそれ以降のOVAシリーズでも引き継がれ、現在ではキリコのキャラクター性の根幹を成すものとして扱われている。

なお、作中においてペールゼンが言うところの「異能生存体」が、ワイズマンが言うところの「異能者」と同じ存在なのかははっきりしていない。だが、ワイズマンも異能者を探す際に「死なない人間」を求めている為、共通する素質ではあるようだ。

設定によれば、キリコはどんな状況におかれても、「生き残る」ように世界の因果律が歪められるのだという(ありていにいえば、物語上、御都合主義的な展開が必ず発生する)。半メタフィクショナルな観点を公式な設定として、主人公補正を明文化した初めての存在である。

例えば『野望のルーツ』では、キリコに向けられた機関銃から弾丸が放たれようとしたとき、「偶然にも」銃器が暴発する、超至近距離から放たれた銃弾が「偶然」心臓をそれる、という現象が発生している。TVシリーズではキリコが訪れた惑星が破壊されることもあったが、キリコはその隙をついて敵の追撃から脱出することに成功している。これもキリコの異能の力の働きによるものと解釈できる。

OVA『孤影再び』でも、戦闘ヘリの攻撃で他のATが次々に撃破される中「偶然」装甲が銃弾を尽くはじいた為に無傷であり、さらにその戦闘の衝撃で「偶然」AT用火器が手元に跳んできて反撃するシーンがあり、OVA『赫奕たる異端』では満身創痍のキリコが床に向けて撃った銃弾が「偶然」跳弾となり、先の戦闘でオーデルバックラーの装甲に開いていた隙間に「偶然」入り込み、テイタニアの補助脳に「偶然」命中するというシーンが描かれている。

なお、これらは全て「起こりうる偶然」ということで辛うじて説明がつくタイプのものだが、ボトムズシリーズの作中では、キリコの怪我の治りが生物学的な常識を超えて早かったり、キリコに向けて放たれた弾丸が物理法則を無視した弾道を描いてキリコに当たらないなど、「偶然」の一言では説明がつかない現象も起こっている。

キリコの異能生存体の能力は本人の意思とは無関係に自動的に働く。キリコを生き残らせるために、キリコの大切な仲間が身を挺してキリコを助けた結果死ぬことさえもある。その意味では呪われた力とも言える。逆に言えば死にそうになると確実に発動するため、TVシリーズ本編以後はキリコ自身もそれを見越した行動を取っている事がある(墜落中の宇宙船でテイタニアを無理矢理脱出させたのに自分は居残っている等。全身火傷、脊椎損傷、頭蓋骨陥没、大腿骨の複雑骨折、その他諸々の重傷を負ったが生き残り、さらにたった十日で完全復活した)。

また、実は冷凍睡眠から目覚め、OVA『赫奕たる異端』の聖地アレギウムでのテイタニア戦以降、敵からの攻撃によって負傷したことが一度も無い。『孤影再び』においてステビアを守る際の戦闘で意識を失う負傷をしているが、これはキリコがある種の自爆戦法を取ったため。しかも至近距離でミサイルの自爆に巻き込まれたにもかかわらず、バニラ邸で目覚めた際にはやけどの跡すらなかった。『幻影篇』でも敵からの攻撃を受けるものの、ATには被弾したが本人は無傷で、さらにはモンテウェルズに至近距離から撃たれた銃弾が外れ、それまでに撃っていた銃弾全てが跳弾の末にモンテウェルズに被弾する等の事態が起きている。ATでの戦闘で負傷が無いのはキリコ自身がレッドショルダーに所属していた凄腕のAT乗りであることを考慮に入れても、黒い稲妻旅団の250機のAT+テイタニアを追ってきたマーティアル兵の混戦すら敵機を全滅させてなお無傷である等、異能の力が物語が進むにつれ強まっているような描写がなされている。

過去

惑星サンサ出身。ギルガメス歴2738年、異能生存体の実験のためにレッドショルダーに襲撃され、火炎放射器で全身を焼かれたという凄絶極まりない過去を持つ。その時に味わった苦痛が現在に至るまでのトラウマとなっているため、当時のことを思い出そうとすると凄まじい頭痛に襲われ、性格そのものも暴力的になる程に陥っている。

8年後、ギルガメス軍に入隊。配属先の惑星オドンでレッドショルダーに配置され、「共食い」と称されるふるい分けを受け、ペールゼンから異能生存体だと確信される。

この後キリコは反乱を起こして基地を壊滅させることとなり、それが『ペールゼン・ファイルズ』を経て後々の戦いへ繋がっていくことになる。

登場作品と役柄

Zシリーズ

第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
初登場作品。担当声優の郷田ほづみ氏もスパロボ初出演となった。ソレスタルビーイング追跡ルートの第4話でレッドショルダー隊の面々と共に敵として登場。次にエリア11ルートを通ればゼロの協力者として自軍に加入する。乗機のスコープドッグは少々頼りない性能だが、キリコの能力が高いため十分一線を張れる。最初からいきなり最高レベルに達している底力や、最初から持っている専用の特殊技能の一つ「?????」によって、シナリオ序盤でもHPが10%以下に減少すると大幅なパワーアップ(命中率・回避率+45%、装甲値+90%、クリティカル率+72%、命中・回避+30、格闘・射撃・防御・技量+20)をする。というか強すぎて原作通りどれだけ絶望的な状況でもまず生き残ってしまう。ちなみに「?????」は当初は「???」扱いとなっている野性化とは違って、「?????」という名前の技能である事に注意(技能が封印されているのではなく、この状態のまま効果を発揮できる)。またCB追跡ルート第4話で敵として登場する時も発動するので、うっかり瀕死にさせないように注意。さらに言えば連続ターゲット補正の前にはさすがに無力なので、使い倒すなら機体の強化もお忘れなく。
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
序盤のクメンルートにて初登場し、以降はそのままカレン達と共にソレスタルビーイングをはじめとしたZEXISの面々と合流する。本作では「サンサ編」の再現こそないもののクメン編とクエント編の物語が再現されており、クメン編とクエント編は分岐ルートだが、共通ルートでも宿敵であるイプシロンとの対決が幾度となく描かれている。原作同様に、『ラストレッドショルダー』までの再現だった前作よりも人間味を見せる場面が多くなり、基本的に自分から他の作品のキャラクターと殆ど関わらなかった前作と異なり、自分から他の作品のキャラクターと絡む場面が多くなっている。
本作でも『コードギアス』のキャラクター達との絡みが多く、騎士団ルートへのフラグが成立した場合はゼロの正体が暴かれる前に、彼自身に素顔を明かされる事になる。
終盤のクエント編の再現エピソードにおいてはワイズマンの後継者となる(フリをする)為に一時的に敵になるが、居合わせたZEXISメンバーの殆どが(キリコが本性を現した際の会話から疑問には思っていたようだが)キリコの演技に騙されており、殆どの主人公キャラからは「先に撃たなければこっちが確実に殺られる」、「キリコ一人に部隊を全滅させられる」と恐れられる。また、この時ヒイロカレン、ゼロからの特殊戦闘台詞が用意されている。なお、この時もしっかりと「?????」と底力Lv9を持っているうえ、搭乗機のHPが50000を超えているため異様に硬い。
エンディング後は原作のようにフィアナとコールドスリープする事は無く、彼女と旅に出る事に。また、本作ではストーリー中に異能生存体の設定が判明してからは「?????」が「異能生存体」と明記される。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
第8話でミスリル傭兵として参入。ミスリル内のコールサインは「ドッグ1」。『ビッグバトル』『赫奕たる異端』序盤~終盤の原作再現があるためかなり目立つ。その一方、ボン太くんを着込んで現れたりなどコミカルな面も。
ステータス的には『第2次Z』から大きく変わってはいないが、闘志の採用により任意でクリティカルを出せるため、闘志持ちをタッグにすることで精密攻撃を最大限に活かせるようになった。最終的に2つの全体攻撃武器を持つためマルチターゲットを習得させればタッグキラーとして活躍する。また、異能生存体+底力L9の関係上ダメージアベンジャーとの相性も抜群。
適任タッグは互いの穴を補える宗介か、ABで毎ターンノーコスト闘志が使えるキタン辺りか。
顔グラも一新されており、今回は笑顔のグラが変更されているが、使用回数が少ないのとフィアナの件もあってか、笑顔のグラフィックがなくなっていると誤解されがちである。なお、データに存在する顔グラフィックは今作トップクラスの14枚であるが、この中には今回使われなかった包帯顔、フード姿、軍人バージョン(髪と目の色が違う別パターンあり)が存在している。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
地球がサイデリアルによって制圧されてからは黒の騎士団とともに新日本新地球皇国の魔の手から守るために戦っていた。
後にワイズマンの手によって蘇生されたフィアナと再会し彼女を取り戻すことに成功する。
宗介救出ルート18話「孤影」ではZチップボーナスを狙う場合、多数の敵を一人で相手することになるので、それまでに是非Bセーブを取得しよう。

単独作品

スーパーロボット大戦Operation Extend
第1章クリア後のサブミッション「野望のルーツ」でスポット参戦後、第2章サブミッション「レッドショルダー」クリア後に正式加入。ギルガメス連合と協力関係にあるコネクト・フォースへの出向という形で参戦する。
所属はレッドショルダー隊のままなので、ギルガメス軍の都合によりしばしばアストラギウス銀河へと呼び戻されることになる。出向した直後にも、すぐさまサンサ攻略戦のために呼び戻されている。同じく出向組であるホワイトベース隊なども元組織に召還されることがあるが、それにしてもキリコたちのその頻度と間隔は短いらしい。
乗機は第1章からはスコープドッグTC・RSグレゴルーバイマンムーザらと共にグループを組む。高い能力と必殺技を所持するので主にキリコを中心に運用することになるだろう。
今回異能生存体のスキルは「底力:異能」と「異能の力」として採用されている。これはバーコフ分隊の所持スキルとの兼ね合いによるものと思われる。
その後、第4章でのバーコフ分隊加入に伴いスコープドッグTC・ISSで、第5章でのバニラル・シャッコ加入に伴いスコープドッグ・レッドショルダーカスタムでの出撃が可能になる。
第7章の「パーフェクトソルジャー」でイベントが発生すると「異能の力」が「異能生存体」に変更され効果が上昇する。
武装とグループ各員の精神コマンドから、スコープドッグ・ターボカスタム(グレゴルー隊)での出撃では最大火力、スコープドッグTC・ISSバーコフ分隊)での出撃では生存力と宇宙戦での汎用性、スコープドッグ・レッドショルダーカスタムバニラル・シャッコ)との出撃では武装の多彩さ、が特徴となる。勿論キリコだけを単騎出撃させた場合はこの限りではないが。
スーパーロボット大戦X-Ω

パイロットステータス設定の傾向

能力値

回避・命中に優れ防御が低い典型的なリアル系パイロット。能力は全体的に高く、特に技量は自軍トップクラス。その上、瀕死状態になれば底力異能生存体のW補正効果によって手の付けられない鬼ユニットと化す。その分、乗機の性能の低さでバランスがとられているので、主力として運用していくなら改造は怠らぬように。

精神コマンド

第2次Z
集中直感狙撃直撃覚醒
リアル系の手本のようなコマンドが揃っている。コストが最大でも50と低いのも嬉しい。
第3次Z
集中+、直感直撃覚醒
OE
集中閃き必中
グループ出撃を前提とした、命中と回避担当のラインナップである。
X-Ω
直感直撃
パイロットパーツ装備時
必中奇襲直撃

特殊技能(特殊スキル)

第2次Z第3次Z
異能生存体精密攻撃底力L9
固有技能と最初からカンストの底力が強い。瀕死時の強さは凄まじいが機体が脆い上にキリコ自身の防御が高くないため、HPを調整するのは意外と難しい。なお最終命中率に影響を及ぼさないので、見切り等を習得している敵からの攻撃を躱しきれない事もありうるため過信は禁物。また、連続ターゲット補正もあるので単機で無双するのは考えもの(防御も上がるが、ATの装甲では焼石に水状態である)。『第2次Z再世篇』終盤では異能生存体発動状態かつ乗機の運動性フル改造ですら当てられる事があるのでいざと言う時は集中や直感でのフォローも必要。
精密攻撃はクリティカル時の与ダメージが更に1.5倍になるというものだが、養成による習得が不可な上に自軍では実質キリコとフィアナのみが所持(バーコフも持つが1ステージ限りのゲスト参戦)するレアスキル。キリコ自身の素の技量が高い上に異能生存体でさらに技量が上がることも手伝って、クリティカルを連発し数値以上の強さを発揮する。技量を思いきり高め、再攻撃とカウンターと見切りを取得させれば最強クラスの切り込み役に変貌するが、技量を高めるという事はてかげんMAPWによる異能生存体発動が難しくなるという事でもあるので、てかげん役の技量と要相談。SRW参戦前、ファンから「もしスパロボに参戦しても、乗機がATでは原作程の理不尽な能力は出せないだろうし、でも単なる1リアルロボット程度の性能では…」と危惧されていたが、その事について見事にバランスを取った上で原作再現したと言える。なお異能生存体は『第2次Z破界篇』全編及び『第2次Z再世篇』後半までは「?????」表記だがちゃんと機能する。
余談だが、『第2次Z破界篇』序盤と『第2次Z再世篇』後半の敵対時も特殊技能のラインナップは変わらない。前者はともかく、後者でも後半のボスキャラ扱いなのに所持技能が追加されないというのは内心では仲間を裏切っていないという事を表現したものだろうか。
OE
底力:異能、異能の力→異能生存体無頼
精密攻撃が無くなったが、異能の力が最大レベルで「HPが20%で90%の確率でCT率+100%、CTダメージ+40%」となり底力:異能との相乗効果でCTが毎回発動する事になる(これはバーコフ分隊隊員全員に言えるが)。
更に第7章「パーフェクトソルジャー」で異能の力が異能生存体に変化すると最大レベルで「HPが20%で90%の確率でCT率+100%、CTダメージ+50%、完全回避」となる。

固有エースボーナス

気力130以上で、全ての武器の攻撃力+300
第2次Z』で採用。機体の火力を補う強力なボーナス。能力的に切り込み隊長的な運用が多くなるため取得・発動共に容易であろう。
しかも『第2次Z破界篇』においてキリコが同行するルートには無限復活をするユニットが登場するのでなおさら取得は楽(結果として、CB同行ルートのみを通っていても取得しやすい)。
『第2次Z再世篇』でも無限復活するユニットが出てくるのでやろうと思えば前半で習得できてしまう。
HP30%以下で特殊スキル『異能生存体』が発動する
第3次Z』ではこちら。原作での立ち位置を再現したようなものとなっているが、この条件で発動すると底力L9の最大効果を受けられない。
攻撃(気力130以上で攻撃+20%)
OE』で採用。

パイロットBGM

「炎のさだめ」
TVシリーズOPテーマ。ボトムズシリーズ主人公であるキリコ・キュービィーの心情を巧みに表現した名曲である。
「鉄のララバイ」
ペールゼン・ファイルズ』OPテーマ。ISS乗り換えると、これになる。
「SCRAMBLE M17」
劇中BGMOEで採用。

人間関係

フィアナ
「素体」、「ファンタム・レディ」、「プロト・ワン」などの別称を持つ。ギルガメス軍が創ったPSだが、教育を施される前の「空白の状態」でキリコと出会い、彼を慕うようになる。
赫奕たる異端』最終話予告ではキリコのささやかな望みが彼女であるとされており、「この腕に掻き抱けるだけの夢」「この胸に収まるだけの真実」「フィアナこそ我が命、フィアナこそ我がさだめ」とまで言われている。
ブールーズ・ゴウト
ウドの街に逃げ込んだキリコと出会い、金づるにしようとするが、後に彼から「とっつぁん」と呼ばれるほどの親しい仲に。武器商人としての人脈を活かし、ATの調達等でキリコを支える。
ココナ
ウドの街の不良少女。キリコを見捨てようとするゴウトとバニラを説得し、大金を投げ打って彼を救うなど重要な役割を果たす。キリコに密かに恋心を抱いていたが、彼とフィアナの関係を察し、身を引いた。
バニラ・バートラー
ゴウトと同様に、最初はキリコを利用しようとするが、後に良き親友となる。「キリコちゃん」と、独自の敬称付けで呼ぶ事も多い。
ル・シャッコ
クエント人。巨体で凶相だが性格は穏やかで義理堅い。クメン内乱でキリコと共に戦い、後に互いに信頼する仲間となった。
イプシロン
宿敵であるPS。フィアナを巡るライバルでもあった。なお、第40話予告ではキリコとイプシロンは似た者同士であると語られ、その回のタイトルは「仲間」である。
ポル・ポタリアブリ・キデーラ
クメン内乱で所属したアッセンブルEX-10における傭兵仲間で同部隊のエース格。理知的なポタリアと短気なキデーラと性格は両極端だが、どちらもキリコの能力や人格を信頼しており、キリコの方も彼らに友情を感じている。
カン・ユー
クメン内乱での直属の上司。AT部隊隊長を勤め上げるだけのパイロット能力はあるが、そのひねくれた性格からキリコ含め部下からの信頼は皆無。キリコを目の敵にし、稚拙な行動を繰り返した結果、最後にはシャッコに引導を渡されることに。
ゾフィー・ファダス
惑星サンサでレッドショルダーが行なった虐殺によって夫と子供を失ったため、元レッドショルダーのキリコに対して憎悪を向けた。
ゲッコ
惑星クエントに住む交易商人。独自のコネを持っているようで、キリコに協力する。
グレゴルー・ガロッシュバイマン・ハガードムーザ・メリメ
ザ・ラストレッドショルダー』、『野望のルーツ』に登場する、キリコのレッドショルダー時代の同僚。
バージル・カースン
『野望のルーツ』に登場する、キリコと同期入隊のレッドショルダー隊員。温厚な性格の持ち主で何かとキリコの事を気に掛けているが、その正体は…。
ノル・バーコフガリー・ゴダンゲレンボラッシュ・ドロカ・ザキダレ・コチャック
ペールゼン・ファイルズ』に登場するキリコの同僚。キリコの願望混じりの推測を真に受け、自分達も異能生存体だと確信して戦うが……。
ラダァ・ニーバ
ビッグバトル』に登場。バララント軍が開発したPS第1号で、彼もまたレッドショルダーによって瀕死の重傷を負わされた過去を持っており、元レッドショルダーのキリコに憎悪を向ける。
テイタニア・ダ・モンテ=ウェルズ
『赫奕たる異端』『孤影再び』に登場。アストラギウス銀河最大の宗教勢力「マーティアル」の枢機卿モンテウェルズの一人娘で、次世代PS「ネクスタント」。父の命によりキリコ抹殺を図るが、次第に彼に惹かれてゆく。
ゴディバ
『赫奕たる異端』に登場するキリコの新たな相棒。マナウラ軍の軍医長で、かつてはマーティアルの総本山「アレギウム」にいたが、「キリコに一切手を出してはならない」とした法皇テオ8世の決定に医学的見地から異を唱えたために破門された。
ステビア・バートラー
孤影再び』に登場。バニラとココナの間に生まれた長女であり、3人の兄と共に商人となったバニラを手伝う。冒頭、空港にてキリコと遭遇、結果的に生死の危機に陥ってしまいキリコを疎んじるが、彼のグルフェーを守る姿を見て考えを改める。
ヨラン・ペールゼン
キリコの不死性に最初に目を着けた人物。配下に置こうとしたが、支配される事を拒むキリコの姿に次第に恐怖を覚える事に。
ジャン・ポール・ロッチナ
立場を変えながらキリコを監視し続ける。物語の狂言回し。ちなみに現状唯一、キリコを敵に回し、さらに危害を加えて生き残った人物
ワイズマン
自らの運命を弄んだ黒幕。向こうは全て計画通りに事を運んでいたつもりだったが、最大の過ちを犯してしまっていたことに気づいていなかった。
支配される事を拒むキリコにとっては、たとえであってもその例外ではなかった。
神の子
幻影篇』終盤に登場。ル・シャッコが属するクエント人の部族で誕生した、「神の後継者」と目される謎の赤ん坊。
キリコはこの赤ん坊と共に姿を消し、彼にまつわる一連の物語は幕を下ろす。

他作品との人間関係

第2次Z破界篇』では、特に『新機動戦記ガンダムW』や『コードギアス 反逆のルルーシュ』のキャラクターと深い関わりを持つ。続編の『第2次Z再世篇』では、さらにより多くのキャラクターと交流を持つことになる。

高橋作品

メロウリンク・アリティー
原作では同じ世界の住人ながら対面することはなかったが、『サンライズ英雄譚』シリーズや『X-Ω』では戦線を共にすることになる。『X-Ω』イベントでの共演も多い。
アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ
同じ高橋作品の主人公。『OE』で共演。谷口守泰氏が作画を担当した時のキリコはエイジと瓜二つの容姿になるのだが、残念ながら特に関わりは無い。
しかし、『OE』ではグラドスとバララントが同盟を結んでいるため、戦闘前会話等からストーリー上での繋がりは伺える。
ゴステロ
上記のこともあってか、『OE』では「その取り澄ましたツラが気に食わねぇんだよ!」と敵意をむき出しにされる。
豪和ユウシロウ
『X-Ω』イベント「鬼哭」にて共演。

ガンダムシリーズ

ヒイロ・ユイ刹那・F・セイエイ
第2次Z破界篇』の無口仲間(?)。同作の中断メッセージ画面でもキリコ・刹那・ヒイロの三人が登場するものがある。
なお、ヒイロ・ユイのモデルはキリコである(さらに偶然にも、2010年に発表された小説作品『新機動戦記ガンダムW Frozen_Teardrop』ではヒイロもコールドスリープした)。キリコとの戦闘で戦闘中のボイスが用意されているキャラの一人。ちなみに、ヒイロも劇中の頑健さをネタ的な意味で「異能生存体」と呼ばれることもある。
デュオ・マックスウェル
『第2次Z破界篇』でカレンとのバトリング中に治安警察らに襲われるキリコらを援護、その後も行動を共にする。これが縁になったのか、『W』の面子はキリコとの絡みが多め。量産機でありながら高いポテンシャルを持つATの兵器としての有用性とそれを引き出すキリコには一目置いている。
デュオが『第2次Z再世篇』にて語ったキリコとの初対面時の印象は「俺が言うのも何だが死神かと思った」とのこと(キリコを敵にまわした者にとっては、よく当てはまるコメントである)。
また、ヒイロの同類と見ているのか「手がかかる奴ほど放っておけない」と語る。ついでに、『第2次Z』では感謝の言葉を口にするキリコに驚くシーンがある。
パトリック・コーラサワー
『第2次Z破界篇』序盤では彼の指揮下に入り、ソレスタルビーイングと対峙するも敗北を喫する。
ちなみに、彼は何度も撃墜されたり宇宙を彷徨ったりしても、本人は無傷で帰還してくる。そのため「コーラサワーは本家以上の異能生存体」とネタ的に言われることもある。
トロワ・バートン
『第2次Z破界篇』第31話にてギシン星軍の兵員輸送機を撃ち落としたキリコの所持していた銃(バハウザーM571 アーマーマグナム)に「いい銃だ」と感心していた。
『第2次Z再世篇』ではキリコをボトムズ次回予告のフレーズを用いた譬えで評し、クロウから詩人扱いされる。
アレルヤ・ハプティズム
『第2次Z再世篇』では、共に大切な女性を救う為にも戦っている事もあり、お互いに共感を覚える。また、ワイズマンと接触して豹変したキリコを最後まで信じていた数少ない人物でもあった。
『再世篇』序盤の彼の救出作戦の際は、彼の救出はキリコが担当している。お互いイプシロンに縁があったり、黒の騎士団ルートでは出て行こうとしたところを彼に呼び止められるなど、何かと縁がある。
ソーマ・ピーリス
『第2次Z再世篇』では、アレルヤが救出して連れ帰った彼女にゼロがZEXISとして共に戦うよう要請した際、彼女の身を案じてそれを取り止めるようにゼロに進言する。
カミーユ・ビダンシン・アスカ
『第2次Z再世篇』では、ゼロのマリー(ピーリス)へのZEXIS参加要請を取り止めるようゼロに進言した際、真っ先にキリコに同意の意見を唱えた。
マリーやフィアナと同じように、他者に無理やり戦う事を強制された女性パイロットを知る二人が、キリコの意見に同意しないわけがなかった。
アリー・アル・サーシェス
『第2次Z破界篇』では殆ど絡む場面はないが、レッドショルダー所属時にレッドショルダーがPMCトラストに雇われていた為、リーマンと同格の立場であった彼は一時的にキリコの上司ともいえる立場にあった。また、彼からはキリコに対する特殊戦闘台詞が存在する。
『第2次Z再世篇』ではアザディスタンの王都を焼野原に変えた事で、本人が意図したわけではないがキリコのトラウマを抉っている。
フラウ・ボゥカレン・ジョシュワ
OE』においてキリコの不死身ぶりに驚愕した。
D.O.M.E.
第3次Z天獄篇』では彼の内部に入った際に「ワイズマンに似ている」と感じた。

マクロスシリーズ

熱気バサラ
第2次Z再世篇』の中盤にワイズマンの策動によって幾度となく鳴り響くレッドショルダーのマーチに精神を追いつめられていくキリコの心情を看破し、彼なりの気遣いの言葉を送る。
直後のバジュラやアイムとの戦いで見せた彼のひたむきなへの想いと、その歌に、キリコも感銘を受ける。
クラン・クラン
第2次Z破界篇』では、周囲との雑談に加わることなく独り佇むキリコの様子を「常に周囲を警戒していて、殺気が身体を覆っているようだ」と評している。

その他リアル系

ゼロ
第2次Z破界篇』にてキリコを傭兵として雇う。命令に忠実な兵士として重用する一方でキリコの本質を見抜き「この男は誰にも従わない」と危険視もしていた。
しかし、『第2次Z再世篇』ではお互いを信頼するようになり、展開次第ではキリコへの信頼の証として、彼の目の前で自ら仮面を外して正体を明かす。
その後、シュナイゼルによってゼロの正体が明かされ、黒の騎士団の面々が怒りに駆られる中、キリコもヒイロや五飛ロジャー達と同様に、ゼロの事をフォローし、仲間としての信頼の意思を示すなど、交わす言葉は少なくとも、彼とはよき信頼関係を結ぶ事になる。
第3次Z時獄篇』でもバーグラリードッグの調整の際に仮面を外しており、以前も同じように外した事を話している。
紅月カレン
Zシリーズにおける相方その2。『第2次Z破界篇』序盤、彼女が駆るグラスゴーバトリングで対決。以降、彼女は「戦友」として何かと気に掛けてくれる。
『第2次Z再世篇』でも作中最初に再会したZEXISのメンバーの一人であり、長い付き合いとなる。
他作品のキャラの中でも特にキリコを信頼している一人で、クエント編の再現パートにおいてはフィアナの前で(異性としてではなく「仲間」としてだが)「あいつ(キリコ)が好きだから」と熱い台詞を叫んでいる。
また、キリコもピーラーゲリラと黒の騎士団を重ねる彼女の心境を慮る言葉をかけたり、互いの不在時には互いが心配しあったりと強い戦友意識を共通している。
C.C.
第2次Z』で共演。それなりに親近感を感じているのか、彼女の方から色々とキリコに話しかける事がある。また、彼女に言わせればキリコの異能による不死身振りはコードに縛られている自分以上のものらしい。
ディートハルト・リート
『第2次Z再世篇』の中盤、後述にもあるように天子を日本人の誰かと結婚させようとする彼の策に不快感を示し、彼にダメ出しを喰らわせて絶句させる。
レントン・サーストン
『第2次Z破界篇』では絡むことは無かったが、『第2次Z再世篇』では、後半でただ1人クエントへ向かったキリコのことを想い、大事な人のために戦う彼を自分自身と重ねていた。
そのため(演技とはいえ)彼がワイズマンの後継者となって敵になった際は彼に深く失望していた。和解後のエウレカ救出作戦では、生身での戦闘技術を持たず救出を他人に任せるしかない自分を不甲斐なく思うレントンに対して、フィアナと共に自分の手で助けるようにと同行を促した。
相良宗介
宗介のキャラクター設定は、キリコをモデルにしている。
『第3次Z時獄篇』では初邂逅時に互いに敵だと思い無言の膠着状態に陥る。また、ライト・スコープドッグの調整の際に彼から干し肉を貰っている。
第3次Z天獄篇』ではアマルガムとの決戦に挑む彼にアーマーマグナムを貸し、それを用いた戦術を教えている(機体で押さえ込んでパイロットがアーマーマグナムでトドメ)。
メリッサ・マオクルツ・ウェーバー
『第3次Z時獄篇』では彼らにミスリルへとスカウトされている。また、クルツは当初フィアナの名前をキリコだと思い込んでいたため、バニラ達との会話がややこしい事に。

スーパー系

流竜馬
第2次Z破界篇』では初対面時にキリコを「相当の修羅場を括ってきたタマ」と評し、一目置いている。
ズール皇帝
『第2次Z破界篇』における最終決戦では、因果律さえも超越するキリコを屠る事が己の力の糧になると嘯く彼を「下らん妄想に取り憑かれた哀れな亡者」と評する。
飛鷹葵
『第2次Z破界篇』では、ただ選ばれたと漠然とした理由で戦っている彼女にとって、キリコが何のために戦っているのかと彼の考えに少し興味を示していた。

バンプレストオリジナル

クロウ・ブルースト
上記のカレンの台詞を受けて「俺もアイツが好きだ」と発言、「まさか…!?」と驚くゴウトに「アンタ達も同じだろう?」とZEXISメンバーの総意をまとめる。
それだけに、ワイズマンと接触して豹変した(ように見せかけた)キリコに対して「これ以上、俺達を幻滅させるな」と深い失望を示し、キリコがフィアナを撃った際には激高した。
キリコのメンバー復帰後にはもちろん和解する。なお、この際にキリコの謝辞をネタにジョークを飛ばし、彼を笑顔にさせると言う快挙を成し遂げる。
草薙征士郎
OE』にて、ギルガメスやバララントの追撃により度々窮地に陥るキリコの元へ救援に駆け付けるため信頼しており、それ故に助けを見越して勝機の低い賭けに出ることも。
シュウ・シラカワ
現状共演した事はないが、「支配される事を何より嫌う」という人間性がよく似た人物。
ユーサー・インサラウム
ワイズマンの後継者の振りをした経験からか、終盤に対峙した際には暴君としての行動を演技と見切っている。

名(迷)台詞

TVシリーズ

「味方だ! 味方だ…」
「隊長、自分にも作戦を教えてください!」
「みんなアレが何だか知ってるんだ…なぜ隠す?」
第1話で、味方の基地だと知らずに作戦に参加した際の台詞。キリコのキャラクター設定が定まっていなかった関係か、第2話以降の彼とは似ても似つかないような弱気な性格で、声の雰囲気もかなり異なる。
仕方の無い事ではあるが、前日譚である『ペールゼンファイルズ』でのキリコを知ってると違和感が強い。
(俺の運命を狂わせた、あの忌ま忌ましい戦争は、その日終結した)
(だが、それは何の意味もない。 あれを見たときから、俺自身の戦いが始まっていたのだ。 果てのない戦いが…)
第1話ラスト、基地で地獄のような尋問から脱出したキリコの独白。この台詞からキリコの巡礼の旅が始まる。
(また酸の雨が降り始めた。積もり積もった戦の穢れが赤い雨となって、俺達の体をジワジワと溶かしていく…)
第2話、ウドを牛耳る暴走族ブーン・ファミリーに拉致されて、ヂヂリウム採掘場で強制的に働かされてる最中、酸の雨に濡れながら呟いた独白。退廃的な本作の世界観を端的に象徴している。
(ウドの街は地獄だ。 どうやら、俺はまた新たな地獄に迷い込んだらしい…)
第2話Aパートラスト、下手に逆らいブーン・ファミリーから袋叩きにされてしまうキリコはただ淡々とこの独白で自身の状況を語る。
(そこは俺にとって、懐かしい匂いのするところだった。 手には冷たい鉄の肌触りしかなかったが、慣れ親しんだ温もりが蘇ってきていた)
(俺はおふくろの胸に抱かれたような気持ちになって、いつの間にか眠ってしまった)
第2話ラスト、ブーン・ファミリーから逃れたキリコはスクラップ場に放置されていたスコープドッグのコックピット内に入り込む。この独白の時点では、キリコは「コックピットの中でしか眠れない、戦争に病んだただの青年」であった。
(飛び交う銃弾と炎、めまい。 きな臭い懐かしさ。 俺はこの時戦場に戻っていた。 ボトムズと共に)
第3話、スクラップ場から回収・修理したスコープドッグを駆りブーン・ファミリーに反撃を開始するキリコ。ファミリーの壊滅をもくろむ治安警察をも巻き込んで炎に包まれ、キリコの独白でこの話は終わる。ちなみに、「ボトムズ」とはATおよびAT乗りの蔑称であり、「最低野郎」という意味でもある。
「所詮、遊びだ」
第4話Bパート、ゴウトの勧めでバトリング選手となったキリコ。 ぎらついた殺意に満ち溢れた戦場とは異なる穏やかな雰囲気に対し、控え室でかつてのAT乗りだった選手らに自身の感想を述べる。無愛想なためか選手にとっては挑発に取れてしまうのも無理もない。
(殺(や)るか、殺られるか。 この気配を感じ取ることだけが、俺の取り得だ)
第4話Bパート、バトリング用のATドック内で何者かの殺気に満ちた視線を感じ取るキリコは自身によるクセをこの独白で説明する。
「おかげで…助かった」
「おかげで、助かったと言ったんだ…」
第9話、お宝の金貨を捨ててまで治安警察から救出してくれたゴウト達に対する謝意。キリコが初めて口にした感謝の言葉に、一同は唖然とする。
(仲間か…何やら照れ臭い。だが、久しぶりに俺の胸は温かいものに満たされていた…)
第9話ラスト、全員自分の懐に入る分の金貨は確保していた互いの欲深さを笑いあうゴウト達を眺めながら呟いた独白。ここに、利害関係の無い「仲間」としての腐れ縁が成立する。
「俺は簡単には死なない」
第10話、自分の身を案じてくれるゴウトにこう返した。確かに死なないが、どちらかというと敵に回った奴がみんな死ぬと言った方が適切な気がしないでもない。
「レッドショルダーの赤はもっと暗い、血の色だ。 それとマークは右肩だ」
第10話、バニラはスクラップから組み上げたATの左肩に染めた赤いマーキングを自慢するが、キリコは冷静に正確なレッドショルダーのマーキングを指摘する。このときに、キリコは劇中で「吸血部隊」と恐れられた特殊部隊レッドショルダーに自身が在籍していた経歴を仲間に明かす。
「フィアナ!!」
第12話より。「素体」に対し、キリコは咄嗟にこう叫んだ。
(ウドの街が消えてゆく。 バニラ、ゴウト、ココナ、フィアナ…一人に、一人にしないでくれ。 どこだ、みんなどこにいるんだ…)
第13話ラスト、燃え盛るウドの中で、キリコは仲間を、そしてフィアナを求めて彷徨い歩く。この不安げな独白と共に、ウド編は幕を閉じる。
(気も狂うような暑さと湿気、そして熱病と死を運ぶ虫ども。 緑に塗り込められはいるが、ここは地獄に違いない)
第14話冒頭、クメンのムナメラ河を下るガンボートの中での独白。キリコのこの台詞からクメン編が始まる。
「分かる相手になら、話していたさ」
PSについて話題になった時に、カン・ユーからPSの事を話さなかった事を咎められて。基本的にキリコは、カン・ユーに対して最初から「眼中に無い」といったスタンスを取る事が多い。
「ゴウト!」「まぁ、そんな所だ」「ずいぶん羽振りが良さそうだな」
アッセンブルEX-10にてウドで別れたゴウトと3か月ぶりに再会した際に。名前を呼ばれ最初は訝しんだが知り合いとわかった事で嬉しかったのか若干笑顔でここでは会話している。下記のバニラ達との再会と合わせて、孤独を好むが、決して人付き合いを拒んでいないキリコの人間味のあるシーンと言える。
「忘れるために、ここに来たんだ」
第14話、バニラが経営する傭兵部隊行きつけの酒場「ファンタムクラブ」にてキリコはゴウトらと再会を喜び合う。この台詞の後、不器用ながらもキリコはゴウトらと微笑みあうのだった。なお、フィアナを探して旅立ったはずのキリコが内戦に身を投じた理由である「忘れるため」の内容は「装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー」で語られる。
「…またな」
同話、ビーラーゲリラの襲撃を受けて、出撃。ゴウトたちと別れる際に笑みと共にこの台詞を発した。
「次の、ご命令は?」
カン・ユーやその部下達と共にリンチにかけられるも逆に返り討ちにし、敵が攻めてきた事で、カン・ユーに棒読み口調で律儀に命令を仰ぐ。ポタリアやキデーラも苦笑していた。
「馬鹿な!寝た子を起こすような真似を!」
第21話、目的地途中のラモー寺院がゲリラの拠点と気付くが、隠密作戦優先のためキリコは見逃そうとする。しかし同じく気付いたカン・ユーが攻撃を仕掛け、作戦が台無しになってしまった事を毒づいて。
(何かを求めて戦場に来る者。その日の飯にありつくために引き金を引く者。理想のために戦う者。そして、硝煙と死臭の中でしか生きられない俺。ここは、神の住処じゃない。 ただの瓦礫の山だ)
同話ラスト、バニラの報告に憤慨するカン・ユーとその様子に大笑いするキデーラらを見て。この独白と共に、キリコは瓦礫と化したビーラーゲリラの潜伏地である寺院内の仏像を見てこの話は終わる。
なお、『何かを求めて戦場に来る者』とはバニラ、『その日の飯にありつくために引き金を引く者』はキデーラ、『理想のために戦う者』はポタリアのことを指しているようだ。
「腹が…減った…」
「…そんなに、可笑しいか…?」
第23話で炊事姿のフィアナに見蕩れて咄嗟に発したものだが、突拍子も無い台詞に笑みを漏らす彼女の反応に、キリコ自身も頬が緩む。本作でも希少な、まったりとした遣り取りである。
「不思議だ。まるで味が違う」
同じく第23話、上の場面の後で軍の携帯食を上手に調理したフィアナの腕前に感嘆する際に。このことから、キリコはあまり料理が上手ではない(というかそもそも、『空腹を満たせれば味など二の次』と考えている可能性もある)ことが伺える。とはいえ、クエント編にて砂モグラを初めて見た影響で食するのをためらうこともある。
(クメンでの旅が終わった。自分だけのために選んだ地獄をフィアナのために捨てたのだ。愛…かつて俺が愛のために戦っただろうか?)
第27話。メルキア軍の介入により、崩れゆくカンジェルマン宮殿からフィアナと共に脱出する際のモノローグ。
「なんでこんなものを、みんな美味そうに飲むんだ」
第29話、クメンを脱出したキリコとフィアナに訪れた束の間の平穏。二人はワインで祝杯を挙げるが、キリコは口にした途端むせてしまう。実はこれが彼にとっての飲酒初体験であった。そんな意外な一面が明らかになる、微笑ましいシーンだったが……。
なお、これと同様の趣旨の発言をしたキャラクターには『機動戦士ガンダム00』のアレルヤ・ハプティズムがいる。さらに、彼とは共演作の『第2次Z再世篇』にて心を通わせてもいる。
「これは、レッドショルダー…俺は…」
「やめろっ、やめるんだ!」
「誰だ、俺が忘れようとしている古傷をわざわざ掘り起こすのは!」
同じく第29話、突如流れ出すレッドショルダーマーチ。何が起こったのかと二手に分かれて音楽の発信源を探すも、モニタールームに入ったキリコが目にしたのは燃え盛る街を走るAT部隊の姿…レッドショルダーの虐殺劇であった。映像を消そうとキリコは一心不乱にコンソールを操作するが、音楽も残虐な映像も消えない。必死で止めようとしていたキリコの横にはフィアナの姿があった…。
「そんなに見つめて何が言いたい。そうだ、俺は無慈悲な人殺しだ。吸血鬼だ。」
「そうさ…俺こそ人を愛する資格なんかありはしない…。」
同じく第29話、何者かによってフィアナに自分がレッドショルダーに所属していたこと、そしてそこでどんな任務に従事していたかが露見してしまい半ばヤケになって「こんなもの」呼ばわりした酒を煽りながらの言葉。
「俺も、俺もこの仲間に入れというのか…いいとも、さあ案内してくれ! どうやったらそこへ行けるんだ、お前たちのところへ。さぁ連れていけ、俺を自由にさせてやる…」
「そうさ、お前たちは俺がみんな殺した奴らだ…さぁ、お前たちの望み通りにしてやる。さぁ好きにしろ…」
「どうとでもするがよい、俺は逃げやしない。どこへも逃げやしないさ。さぁ連れていけお前たちのところへ! 連れていけ、連れていけ…!」
第30話、レッドショルダーマーチを聞いてから体調がおかしくなったキリコは突如幻聴を聞き、それに応えるかのように独り言を繰り返す。クエント編におけるワイズマンの伏線とも思える描写である。
「冗談は無しだ。俺は、くそ真面目な男だ」
第35話、レッドショルダーに恨みを抱くゾフィーに命を狙われつつも、ゴウト達との合流を急ぐキリコとフィアナ。そんな中、生命維持に必要なヂヂリウムの欠乏によってフィアナが倒れてしまう。フィアナはキリコに、足手纏いになる自分を捨てるよう懇願するのだが……。
第3次Z時獄篇』ではDLC「転機」にてDVEで収録。
(俺には何の返す言葉も無かった。彼女の家族が悲劇に遭った時には、俺自身はこの星にはいなかったという事実は、ただの言い訳にしかなるまい。何故なら、俺はそれまでそれと同じようなことをやってきたし、彼女に事実を話したところで、彼女は俺を決して許しはしまい。俺自身の心と同じに)
第36話ラストの独白。フィアナの危機を何とか回避し、過去の清算をするべくゾフィーの許へ(殺されに)向かうキリコであったが、ゾフィーは既に立ち去っていた。バニラから「まだお前を許したわけじゃない」というゾフィーの伝言を聞きかされたキリコは……。
なお、ここではキリコは第3次サンサ戦役に参加していないと言っているが、『野望のルーツ』では参加した事になっている。
「哀れだな」
「決して(人間を)超越などしてはいない。思考能力の一部を排除された、単なる頭のキレる人間でしかない」
「無意味なプライドにすがっているだけだ」
第38話、PSであることに過剰な誇りを持つイプシロンを、上記の台詞で切って捨てる。
「味は悪くないが……」
第42話にて、シャッコが狩った砂モグラの肉を口にして。
ちなみに「砂モグラ」とはクエントに生息する生物で、モグラとはいうものの実際はイモムシのような姿をした巨大な生物であり、外見はかなりグロテスクである。
初めは「食欲が湧かない」と食べるのを渋るが、シャッコに「日暮れまでありつけないぞ。こんな美味いものを……」と言われ観念したように一口食べてこう漏らすが、「味『は』」と言っている辺りやはり気は進まなかったようだ。
ちなみに当のシャッコはかなり美味しそうに食べていた。
「神、そう言ったのか?神とは誰のことだ…?」
「どんな奴だった?そいつがクエント人を手を加えた民にしようと考えたんだな?だとすれば俺はその神に作られたという訳か?教えてくれ!!」
第43話でクエント人の長老メジに自分の正体についての情報を得ようとするが自分の望む答えを得られず必死に言い寄る場面。1話ほどではないにしてもクエント編序盤では自分に関する情報が中々得られないからか普段のキリコらしからぬ焦る事が多く、ある意味彼が人間らしくなった面が垣間見える。この後にクエント素子をヒントに超古代遺跡に辿り付き「神」の正体へと迫っていく。
「俺が宇宙の支配者だと…? あんたに代わって……?」
「わかった。喜んであんたの後継者になろう。今から…」
第48話、ワイズマンのメッセージを受け、自ら後継者としての運命を受け入れるという意志(後で分かるが、キリコのペテンであった)を示す際に。
「最後にお前達の死が無駄でないことを教えよう。3000年間、この宇宙を支配してきたワイズマンの下へ俺は向かう。彼は、生まれながらのPS…いや、異能者として生まれた俺を後継者に選んだのだ。彼はクエントの地底で俺を待っている。そう…3000年前、クエントを追われたと信じられてきた神の子達…。ワイズマンはずっとクエントに潜んでいたのだ。新しい支配者になるために、俺はクエントに行く」
第50話ラスト、ワイズマンのステーションから脱出する際、母艦から副艦を切り離し、そこにいたゴウト達にこう返す。今まで見たこともないような冷酷な笑みを浮かべながらの発言であり、さながら彼が神の後継者の座に完全に魅入られてしまったように思える。
…が、その真意はペテンであり、壮大な茶番であった。恐らくこれらのセリフは、ゴウト達にワイズマンの居場所をリークする意図が含まれていたのだろう。
「俺は来た…来たぞ、ワイズマン! 万能の力を、その力を俺は存分に試したい! 全宇宙の全てのやつらに復讐するんだ! 果てしのない戦争と混乱、地獄を与えてやるんだ! この銀河の絶対支配、それが俺の望みだ! 生きたまま神になってやる!」
第51話ラスト、ラビドリードッグを駆り、修羅の如く戦い続けるキリコがワイズマンに向けて言い放った台詞。
「たとえにだって、俺は従わない」
最終話、真意を表し、今までの巡礼の記憶に苦悩しながらもワイズマンからの誘惑を切って捨てる(厳密には時系列では前になる『野望のルーツ』のラストでペールゼンに言い放った言葉)。
支配される事を嫌う男キリコ、ここに極まる。そういう意味ではバンプレオリジナルで神の支配を拒否した彼はキリコと似ていると言える。
なお、この名台詞は第3次Zにおいてミケーネ神への特殊戦闘台詞としても採用されている。
「許してくれ。最後までワイズマンを騙すためにああするしかなかった」
ワイズマンの機能を停止するキリコを手助けするフィアナに対して。
(ココナ、ゴウト、バニラ、シャッコ。みんなに会えて良かった。そして、フィアナ……)
最終回ラストシーンでの独白。戦いしか知らなかった男の巡礼の終着点は、最愛の女性との新世界への旅立ちであった。
しかし、その真意は……。

OVAシリーズ

(そうだ…俺の過去をズタズタにしたのは…!)
『野望のルーツ』にて、第3次サンサ攻略戦の激戦の中、グレゴルー達とはぐれたキリコは、彼を抹殺せんと企むリーマンの襲撃を受ける。
双方が血みどろになる死闘。失血によって意識が薄れゆく中キリコは、幼少時代にサンサ星に居た事、そして、その記憶を奪ったのが他ならぬレッドショルダーだった事を思い出すのだった……。
「この広い宇宙に俺一人のはずはないと信じている」
『ペールゼン・ファイルズ』にて、バーコフ分隊の仲間達に対して。「俺一人のはずはない」というのは異能生存体の事。しかし、この後バーコフ分隊は……
(闇の底に沈んでゆく意識を俺は覚えている。それはささやかな祈りだ。このまま永遠に目覚めないでいい。最期まで人間らしかった彼らのように、俺にも与えてくれ、永い眠りを…)
『ペールゼン・ファイルズ』を締めくくる独白。非業の戦死を遂げたバーコフ分隊の4名をキリコは「人間らしかった」と羨むように語り、そしてこの過酷な運命から逃れるために自殺志願のような祈りを呟きながら、首筋への投薬によって眠りに落ちる。だが残念ながらその「ささやかな祈り」は、彼が異能生存体である以上叶えられることはない。最愛の人物との出会いと別れは、まだこれからなのだから…。
「痩せ我慢はよせ。…度が過ぎるのは、見ていて辛い…」
ザ・ラストレッドショルダー』で義手を装着していた事を知られ、自嘲するバイマンの傷心を見透かし静かに嗜める。
破界篇では原作同様に、再世篇では序盤のクメンルートにて、ビーラーゲリラをかつての黒の騎士団と重ねていたカレンの心境を理解し、気丈に振舞う彼女を宥める台詞として使われ、更に時獄篇では五飛との戦闘前会話の一部として用いられている。
(フィアナ…俺は今、レッドショルダーに戻った。お前を救い出し、互いに生き延びるために。殺らなければ殺られる、あの懐かしい緊張感が久しぶりに全身を駆け巡っていた…)
『ビッグバトル』より、地上戦艦に捕えられたフィアナを救うために、ル・シャッコと共にATを整備し、仕上げにその肩を赤く塗りながら。
(第24メルキア方面軍…機甲兵団特殊任務班X-1、キリコ・キュービィー…)
(そうだ…確かに俺はレッドショルダーだった…だからどうだと言うのだ…フィアナ!)
『ビッグバトル』ラストで、引き千切ったレッドショルダーの認識票を見詰めながら呟いた独白。このあと彼は、地上戦艦の残骸が佇むアコバの町に向かって認識票を投げ捨てた。
「和解…? 俺は、道を急いでいる…」
「二度と俺に近づくな!!」
『赫奕たる異端』最終話で、マーティアルの使者から、和解の申し出を迫られた際の台詞。数少ない、キリコが他人に怒りを露わにした場面でもある。『赫奕たる異端』でキリコの身に起きた悲劇を思えば、当然ではあるが……。
「昔のままだ。ココナ…」
『孤影再び』にて、メルキアの交易都市グルフェーにあるバニラとココナの家でココナと30年ぶりに再会した時に。
「俺は、この星ではATには乗らない」
「もう、決めたことだ」
『幻影篇』での台詞。流浪の果てにサンサ星に流れ着いたキリコだったが、正体不明のATの一団に襲撃される。すんでのところでバニラ達とシャッコが駆けつけて危機を脱したものの、彼らにATに乗るように促された際にこう答えた。
「30年経っても、俺もお前も変わっていないな」
「いいだろう。お前の望み通り、この赤ん坊は俺が育てよう。だが……ここでではない!」
『幻影篇』のクライマックス。奇怪な生物に連れ去られた「神の子」を追い、ゴモルの塔の最上階にたどり着いたキリコを待っていたのは、かつて彼が殺した神・ワイズマンであった。
ワイズマンから神の子の養育を命じられたキリコの選択は……。

スパロボシリーズの名台詞

戦闘台詞

「戦い方は人間相手と変わらない」
ヘテロダインバジュラなど非人間型の敵に対する戦闘台詞。原作では人間の乗ったAT相手にしか戦っていないが、キリコにとっては自分と対峙する物は人間だろうが怪物だろうが倒すべき敵としか認識してないのだろう。
「あんな奴とも戦うことになるとはな」
同様の敵へのバリエーション。戦い方は変わらないとは言うものの、ATや人間相手に戦って来たキリコにしてみれば、さすがに「怪獣」が相手になるとは思っていなかっただろう。
「無駄弾を使うつもりはない」
射撃武器を使った際の台詞。この台詞の通り、スパロボのキリコ機は神の後継者を名乗って敵対した時を除いてライフル系の武器は命中時は全弾当てており、敵対時にわざと1発外しているのはキリコが本心ではZEXISを裏切っていない事への伏線と言える。
「いい加減にしてもらいたいな」
第3次Z時獄篇』でのカン・ユーとの特殊戦闘台詞。あきれた様な顔グラになっているのがミソ。世界が変わってもしぶとくキリコを追い続ける執念には確かにこう言いたくもなるだろう。天獄篇ではベックゲイツも追加された。

Zシリーズ

破界篇

(増援に次ぐ増援…。終わりの見えない戦いに誰も彼もが疲れていた。疲労は判断を鈍らせ、重大なミスを招く。ふと気づくと、俺は逃げ場のない袋小路にいた。辺りに味方機の姿はない…。そう…俺はまた独り、地獄に足を踏み入れていたのだった)
「…こんな具合になりたくなかったら、適度に休息を取るんだな。明日につながる今日ぐらいは…」
中断メッセージの際の独り語り。さりげなくOPテーマの歌詞とかけている。
(エリア11…レッドショルダー。二つの単語が俺の中で結びついた…。今はまだ予感に過ぎない…。だが、結ばれた線をたどれば、きっと行き着く。俺はそれを信じる事にした・・・)
第16話裏部隊ルート「接触」より。ゼロの命令に従いつつ黒の騎士団と行動を共にするも、あくまでも自分の信念を貫く。
「バハウザーM571…アーマーマグナムだ」
第31話「対決!マーズとマーグ」より。ロゼ率いる超能力者軍団とZEXISの生身での戦闘で、兵員輸送機を生身で撃ち落とした際の会話。トロワにアーマーマグナムを褒められてちょっと嬉しそうに見えるのは気のせいだろうか。
「俺の戦う理由だ」
第39話「ザ・ラストレッドショルダー」より。ペールゼン殺害後、バイマンからフィアナの存在について訊ねられた事に対する返答。明確に断言したキリコの言葉に、バイマンは彼の人間的な成長を感じ取る。
(一つの過去にケリをつける事は出来た。だが、俺の心には泥のような疲労が残った。新たなPS、イプシロン…ペールゼンが協力していた組織、秘密結社…。そして、フィアナは奴等の所にいる。去っていく仲間を見ながら、俺は自分だけが取り残された気がした。どこまでも続く戦いの炎…。その中に俺の進む道がある。今日も、そして明日も…)
同上。クリア後のモノローグ。ペールゼンは倒した。レッドショルダーも潰した。だが、フィアナを取り戻すことは出来ず、新たな敵が浮き彫りとなった。過去を一つ乗り越えても、その心が晴れることはない。終わりなき戦いの明日へ繋がる今日を、キリコは進み続ける。
「つまらん話をする余裕があるのか? 俺はお前と口を利く気などない」
第49話「虹」に於けるアイム・ライアードとの戦闘前会話より。己の異能の力の活かし方やプロトワンの行方を教えるなどと馴れ馴れしく話しかけるアイムに対して。言葉少なながら、小癪なアイムに対する嫌悪が感じられなくもない。
「俺は生き延びる。誰も俺を縛る事は出来ない…!」
最終話「破界の世紀」に於けるガイオウとの戦闘前会話より。キリコ・キュービィーという男をもっとも端的に表した台詞と言えよう。

再世篇

「よせ」
「その女は今まで無理矢理、戦わされてきた。これ以上、戦う必要はない」
第14話「与えられた力」より。ZEXIS全員が合流し、アレルヤと一緒に帰ってきたマリーに対し、ゼロが戦闘参加を要請した際の発言。シンとカミーユも追従する。実は意外と珍しい、キリコが自発的に意見を口にした場面で、ガロードと勝平は少々驚いていた。
「…お前は人でなしか?」
第17話「朱禁城の花嫁」より。婚約解消となった天子を日本人の誰かと結婚させてはどうか、とゼロに(しかも星刻がいる前で)持ちかけたディートハルトに対して。女性陣から大バッシングを喰らった挙句に真顔でこの台詞を受け、ディートハルトはついに絶句することに。この駄目出しは、ラクシャータ曰く「傑作」とのこと。
(炎……レッドショルダー……あの地獄は今も俺を放さないのか……)
第29話「戦士たちの叫び」にて、炎上するアザディスタンを目の当たりにして。一応原作再現の一部なのだが、レッドショルダーのマーチに加え、目の前で実際に燃え盛る街、ペールゼンは死んだのに亡霊のごとく進軍してくるレッドショルダーカスタムと、このステージのキリコは原作以上に悲惨な状態に置かれている。原作では映像だったのに対し、これは実体を伴っているだけに悲壮感がより際立っている。
「仲間の声が遠くに聞こえる……いや……俺は最初から、そんなものを持つ資格などなかったんだ。レッドショルダー……炎の街……その二つが重なった時、俺は自分の中に閉じ込めた罪を思い出していた。惑星サンサ……その記憶は俺の心を苛む……皮肉にも心というものを取り戻したために。どこにいる、フィアナ……俺は今、無性にお前に会いたい……」
「戦士たちの叫び」のエンドデモにて。今回未再現のサンサ篇に言及している。どうも大時空振動の前にあったらしいが……。
「夢の中の地獄など、現実に比べれば可愛いものだ。俺にはやらなければならないことがある。邪魔をするな」
地上ルート第35話「昨日への決別」より、ルーク・アダモンとの戦闘後。
「お前に興味はない。だが、そのATは潰す」
暗黒大陸ルート第38話「告げられる絶望」におけるカン・ユーとの戦闘前会話。相も変わらずカン・ユーには無関心のキリコだったが、見れば彼が乗っていたのは、よりによってレッドショルダーのAT・ブラッドサッカー。その赤い右肩にトラウマに近い記憶を持つキリコは、悪夢を振り払うようにマシンガンを向ける。
「俺の運命を決めるのは俺だ。それが炎の中にあろうと」
「ワイズマン。俺は誰の支配も受けない」
「たとえ、相手が神だろうと」
ワイズマンへの宣戦布告。支配を拒む、最低野郎(ボトムズ)、キリコ・キュービィーが、遂にアストラギウスの神へと牙を剥く。
アストラギウスの神が犯した最大の誤り……それは、過去から今に至るキリコ・キュービィーを測りきれず、ヤツを敵に回したことだ!
「異能生存体…。その下らない幻想に翻弄されて運命を歪ませられたがいた」
ワイズマンの真意を聞いて。ここまで来ると「異能生存体」はキリコ当人にとっても疎ましい力でしかなく、それによって死なねばならなかったバーコフ分隊の4人を思えば、キリコにとってワイズマンはあらゆる意味で受け入れられない存在だった。
「俺の旅は一つの終わりを迎えた。神の死んだ世界…。そこが俺とフィアナの生きる場所だ。その先に待つのがワイズマンの言うように絶望だとしても、俺はこの選択を悔いることはないだろう。運命を決めるのは自分だ。そして、フィアナと仲間がいる。宿命(さだめ)が炎の中にあるのなら、俺は戦い続ける。今日も…そして、明日も…」
フロンティア船団ルート第43話「修羅」クリア後のモノローグ。ワイズマンは消え、異能生存体を巡る一つの戦いが終わった。だが、まだ敵はいる。世界全ての敵が。そして戦争ある限り、自分とフィアナを利用しようとするものが現れる。ならば、自らの手でこの戦争を終わらせる。自らの歩む道が「炎のさだめ」とあれば心を決める。キリコはフィアナやZEXISの仲間とともに、新たなる戦いへ臨む。
「奴の過去は知った事ではない。だが、俺もお前達も奴に借りがあるはずだ」
『第2次Z再世篇』第49話「ゼロとルルーシュ」にて、黒の騎士団ルートが成立した場合の台詞。シュナイゼルにゼロの正体を明かされた事で、ゼロへの怒りに駆られる扇達黒の騎士団のメンバーに対して。短い言葉の中に、キリコのゼロを「仲間」として信頼している意思がはっきりと感じられる。フラグが成立していれば、キリコはゼロが自分に絶対の信頼を寄せている事を知っているだけに、なおさら黒の騎士団のゼロへの対応には憤りを感じたのだろう。
「戦争は終わったが、俺の戦いは続く。それはフィアナとともに生きることだ」
「ZEXIS……お前達とともに過ごした日々は決して忘れない」
「いつか……また会おう」
ゼロレクイエムルートのEDにおけるモノローグ。自分の目で世界を見通すために、キリコはフィアナを伴に長い旅に出る。それは戦いしか知らない二人にとって自分達の存在意義がなくとも、質量のない砂糖菓子のような日々のはずだった。だが……。
「戦争しか知らなかった俺達は、世界のことを何もわかっていない」
「だから、今度は自分達の目で世界を見て回るつもりだ。俺達が生きていくために」
こちらは黒の騎士団ルートのEDにおけるアレルヤとの会話。

時獄篇

「自分の心にフタをしてか?」
「バトリングのことだけではない。お前は戦う人間ではない」
「ブラック・バトリング」より。ヒビキが内心の恐怖を押し殺して戦っていることを早くから見抜いていたらしい。
(俺とフィアナのためにこんなにも多くの人間が力を貸してくれる……だが、仲間達の声の中、俺は言い知れぬ不安に苛まれていた。アレギウム……マーティアルの聖地……そこにフィアナがいる……そして、あのテイタニアという女も俺を待っているのだろう。だが、俺の感じている不安は、奴の存在に対してではない。もっと巨大な何か……そう……運命と呼ばれるものなのかも、知れない)
「心奥」クリア時のモノローグ。
「死ぬな、フィアナ! 時が止まれば寿命なんて関係なくなる!」
「世界のすべてを敵に回してでも、お前のためなら俺は……!」
「フィアナ! フィアナァァァァッ!!」
地上ルート第39話「触れ得ざる者」クリア時。戦いに次ぐ戦い、その果てにようやく再会したフィアナの命は尽きようとしていた。それを振り払うかのように叫ぶキリコだったが、その想いもむなしくフィアナは彼の胸の中で事切れる。そして、聖堂を出たキリコの背後で炎が上がる。その名のごとく燃え尽きた、彼女を送るかのように……。
(戦いのない世界……俺に残されたのはフィアナの最後の言葉だけだ……それは、俺とフィアナが捜し求めていたものだった。そこでなら俺達は、平穏と安らぎを得ることが出来ると信じて……フィアナはその願いを俺に託して逝った。だが、彼女のいない世界で、それに何の意味がある……それでも俺は戦い続ける……それ以外の生き方を知らないのだから。今日も、明日も……そして、その先も……)
「触れ得ざる者」クリア後のモノローグ。マーティアル教団は潰した。だが、キリコのささやかな望みは、その腕に掻き抱けるだけの夢は、その胸に収まるだけの真実は、己の命同然の存在は、その身に課せられた炎のさだめは失われた。それでも戦いは続く。この世界全てを巻き込む戦いが。その中でキリコは生きていく。戦いのない世界を目指して。炎のゆらめきは、まだ時獄の果てにある……。
「宗介」
「お前は、自分が死んだときのことを考えたことがあるか?」
「今、お前が感じている思いをあの子に味わわせるな」
地上ルート第40話「終わらないデイ・バイ・デイ」のインターミッションにて。壁を越えられず足掻く宗介に、己の経験―――直近のものも含めて―――から助言を送る。何のために生きて、何のために戦うのか考えろ、と。
(フィアナ……お前の夢見た戦いのない世界……俺は、それを必ず見つけてみせる。今の俺に残されたのは、それだけだ)
「終わらないデイ・バイ・デイ」の初戦闘時。かつて共に目指した世界を、戦いのない明日を見つけ出す……そんな砕かれた夢を拾い集めて、「触れ得ざる者」は再び戦場をあてなく流離う。
「それ以上、口を開くな」
「口を開くなと言った」
「終わらないデイ・バイ・デイ」でのゲイツとの戦闘前会話。ある意味プレイヤーの溜飲が下がる場面と言えるだろう。
「俺が眠らせてやる。お前が愛に苦しむのなら」
第54話「光の闘神Z」より、トワノ・ミカゲとの戦闘前会話。愛に絶望し、すべての愛を壊そうとする「堕天翅」を安らかに眠らせようと、ささやかな望みを失った男はミカゲに銃口を向ける。己と同じ、失った愛に苦しむ者に。
キリコ「お前が望むなら、相手をしてやる。もう戦いは飽き飽きだ」
シャア「それでいい、キリコ。その想いは私も同じだ」
「だからこそ、私は越えてみせる…! 因果を…誰かに決められた運命を!」
第56話「シャア・アズナブルの真実」より、シャアとの戦闘前会話。戦いに飽きているが、運命(さだめ)とあれば心を決める。それぞれの運命を担い、超えるべくかつて右肩を赤に染めた男と赤い彗星と呼ばれた男が昂然と顔を上げる。
「たとえお前が神だとしても……そして、相手が運命だとしても……俺は従わない」
最終話「天の光はすべて星」より、アンチスパイラルとの戦闘前会話。滅びが待っていようと、それが運命だと断じられようと、キリコには関係がない。神だろうと運命だろうと、己を縛る者は全て敵。そして敵は倒す、それだけだ。
(フィアナ……お前が永遠を否定したのも同じなんだな……)
最終話クリア時、「限りある時間を全力で生きる」と決意表明したニアを見てのモノローグ。永遠を否定し、戦いのない世界を望んで逝ったフィアナ……その意志を真に理解したキリコは、この先どんな道を選ぶのか?

天獄篇

「止まっていた時が、少しずつ動き始めた……フィアナを失った俺にも、まだ生きている意味がある……俺を心配してくれる人間達……俺を殺そうとする人間達……その全ては戦いの中にある」
「俺は再び戦場へ戻り、戦い続ける」
「フィアナの夢見た戦いのない世界のために……」
DLC「ザ・バトリング」クリア時のモノローグ。生きる意味を失い惰性でバトリングを続けていたキリコだが、そこにもマーティアルが襲い掛かる。戦いがキリコを逃がさないのなら、それを終わらせるために戦うまで。その先にある、フィアナの夢見た世界のために。キリコは再び、新たな戦いへと向かう。消えたはずの炎……それが彼のもとに灯される日は、すぐそこまで来ていた。
(戦いを、戦いを、戦いを……。子供の声が、俺の頭の中で何度も繰り返されていた……戦い……俺とフィアナを取り込み、決して逃がさなかったもの)
(それを謳う神……俺は、その存在を認める気にはならなかった……)
救出ルート第17話「孤影」にて。
「俺とフィアナの運命を歪めた者を叩く」
「俺は生きるために戦う」
「俺とフィアナの未来のために」
ミスリルルート第38話「幻影」より。神はやはり、自覚していなかったようだった。キリコ・キュービィーという男を敵に回すことの意味を。奴こそはまさしく触れ得ざる者……その運命を縛ることは何者にも――それこそ神でも叶わないということを。
(ワイズマン……たとえお前を倒しても俺とフィアナの戦いは終わらないだろう……ならば、俺たちは戦い続ける。お前の言う絶望を超えて)
地上戦艦との戦闘前台詞。
(仲間達の祝福の声の中、俺はワイズマンが残した絶望の未来の意味を考えていた……だが、未来は誰にもわからない。それならば、絶望を希望に変えることも出来るだろう)
(フィアナが生きていたことを知った今、俺の中にひとつの光が生まれた)
(それを守るためならば、俺は戦い続けられる。今日も……そして、明日も……)
ミスリルルート第38話「幻影」クリア時のモノローグ。マーティアルの神は滅んだ。しかし、かの神は絶望を告げて消えていった。根源的な災厄、絶望の未来……だが、キリコのやる事は変わらない。絶望が迫るなら、それを変えるために戦うのみ。消えたはずのさだめの炎が再び灯された今、一切の迷いも躊躇いも後悔もない。キリコはZ-BLUEの仲間達と共に、最後の戦いへと向かう。
「あの男、過去を呪うか」
「気持ちはわからんでもない。だが、それは未練だ」
ミスリルルート第40話「迫るクロス・オブ・ワールド」より。本来あるべき姿から変容した今の世界を時空修復で創り変えようとするレナードに対して。
(そういう事だ、ワイズマン…。自分達だけが先に進もうとしたお前達には理解できないだろうがな)
第55話「死闘の銀河」より。
「俺たちは誰にも従わない。奴らにも、お前にも」
バインド・スペルを仕掛けていたAGに対して怒りの一言。
(AT…アストラギウス銀河の生んだ鉄の棺桶…俺もお前も取るに足らない生命だ…だが、簡単に死ぬ気はない)
第56話「覚醒」にて、真化融合後の戦闘前会話。最低の野郎達に預けられた、生存性など無きに等しい鉄の犬、アーマードトルーパー。だが、それは完全なる兵が操れば恐るべき騎兵と化す。炎の宿命の中、真理を見出した男が偽りの神の牙城を砕く。
(もう、俺は銃を取ることはない。俺たちを戦いの火に巻き込もうとする者が現れない限りは)
(多くの者達と共に勝ち取ったこの平和は、一時のものかもしれない……だが、それでも構わない)
(俺はフィアナと生きていく……今日も……そして、明日も……)
エンディングより。キリコの日常は相変わらずバトリングの日々……しかし、そこに銃はない。もはや、彼に銃は必要ない。戦いの炎が燃え上がらない限りは。もし、その時が来たなら戦うだけだ。愛すべき者達と共に生きる、この日々のために。「触れ得ざる者」でも、異能生存体でも、生まれながらのPSでもない、ただのキリコ・キュービィーとして。どこまでも続く明日に繋がる今日を、キリコは生きていく。その未来の行方はきっと、風が知っている。

OE

「乗り手がいなければ気配も読みづらい、だが…所詮は機械だ。執念も気迫もないのなら、力押しでも突破できる…!」
零式戦にて。機械化帝国の手により驚異的な性能をもたらされたレイバーではあるが、キリコは無人機故の弱点に気付く。
「命令に従うのが軍人だ。お前達の行動はわからなくもない…。だが、プロイツェンは越えてはならない線を越えた」
「ここで奴に従うということは自ら考える権利を放棄したということだ」
「俺がお前達を人間に戻してやる…」
ガイロス帝国軍のゾイド乗りに対して。暴虐の限りを尽くすプロイツェンに従う帝国軍に、「支配を最も嫌う男」は彼らにその銃口を向ける。
軍人が上官の命令に従うのは当然と理解しつつも、自らの欲望で帝都を地獄へと変えようとするプロイツェン、この期に及んで自ら思考を止めて彼に従おうとする者たちをキリコは許せるはずがなかった。
「貴様の見た地獄と俺の見た地獄…戦場など、どこに行っても変わりはない…」
ゴステロから「てめぇだけが地獄を見たわけじゃねぇぞ!」と言われて。キリコもこの手の敵には慣れており、平静を崩さず戦う。
「自分一人生き残っても意味は無い…。だが、ここにいる全員が生きて帰るために俺のこの力を活用できるのならば…!」
ミューカス・エンペラーの戦闘前会話。幾多の仲間が倒れていく様を目の当たりにして自分一人だけが生き残り孤独を味わわされた、もはや呪いとも言うべき能力を、仲間のために使う決意の表れ。

スパロボシリーズの迷台詞

「俺は戦うために生まれてきた。俺の安息は戦いの中にしかないんだ」
第2次Z』の中断メッセージでの発言。第29話でのキリコの台詞が元ネタ。
この台詞だけなら別段普通なのだが、よりにもよって長時間ゲームをプレイしていてフィアナに止められた際の発言である。なので一転して廃人プレイヤーのようになってしまっている。
…この後、フィアナの説得が届いたのかゲームを中断した。しかし、彼のスパロボ熱は続編でも変わらず…。
更に『OE』では「俺の安息は~」がレベルアップ時の台詞として採用されている。
「………」
「…余計な事はするな、テイタニア。もう一度言うぞ。余計なことはするな。いいな」
こちらは第3次Z時獄篇での中断メッセージ。スパロボをプレイする予定を立てていた彼に対し、あくまでキリコとの決着をつけようとするテイタニアは、逸る気持ちを抑えきれず、中断したままの状態にあったキリコのスパロボをクリアしてしまう。
当然、キリコは無言の怒気を放つ事になった。何気に、原作中でのテイタニアを彷彿とさせる行動でもある。
(あの動物……見た目に騙されると、痛い目では済まない。あれはもはや、小型のASだ)
『第3次Z時獄篇』第9話B「やりすぎのウォークライ」より、ボン太くんを見ての独白。実際その通りなのだが、大真面目に観察しているのが何とも…。
「俺だ」
『第3次Z時獄篇』第17話「後の祭のフェスティバル」より、ファイヤバグに狙われた宗介とかなめを助けるために駆け付けた際の台詞……なのだが、この台詞を言う前のキリコはなんとボン太くんを着込んでおり、キリコがボン太くんの中から出てきたことには流石の宗介も驚愕していた。
ちなみに、キリコが着込んでいる時のボン太くんは「ふも…」「もふ…」などと口数が少なかったり、「…」が多用されたテキストになっており、キリコの無口さが再現されている。
「………」
で、その直後に女性陣のボン太くん(宗介着用)に対する熱狂振りを見て。顔グラからするとショックだったらしい。それでいいのか、キリコ。随分とノリのいい性格になったものである……
まぁ、万が一にでも気に入り過ぎてキリコinボン太くんでマーティアルに突貫とかやったらあらゆる意味で台無しなのでこれで良かった…んだろう、多分。
「…余計な事を言うな」
同じく「後の祭のフェスティバル」より、カン・ユーとの戦闘前会話。カン・ユーにボン太くんの中身であったことを指摘されると、鬼気迫る表情でこう返した。
「…辞退する」
『第3次Z時獄篇』第30話「揺れるイントゥ・ザ・ブルー」にて開かれたビンゴ大会にて。確率250億分の1の星の下に生まれた男にとってビンゴ等子供だましということか、なんと1等賞になってしまった。しかし、場のノリを嫌ったか(+フィアナがいるからだろう)辞退を告げた。ビンゴにまだなっていなかった他の男性陣は非常に喜んだがそもそもなぜ参加自体はしていたのだろうか?(単に余興として参加しただけかもしれないが。そもそも彼女持ちなのに率先して参加している連中もいるし。あるいは2等の『DGの牙』狙いだったのかもしれない)ちなみにビンゴはカレンが代わりに宣言してくれた(この点から、カレンに半ば強引に(?)誘われる形で参加していたとも考えられる)が、テッサにはキスを拒否された事を根に持たれた。
しかし、マッカランは原作でビンゴの1等賞になった直後に死亡した事を考えると、キリコが1等賞になったためにマッカランの死亡フラグクラッシュされたと言えなくもない。

搭乗機体

ドッグ系AT

スコープドッグ
キリコの愛機といえばこの機体というイメージだが、ウド編以外は基本モデルへの搭乗回数はそれほど多くない。
スコープドッグ・レッドショルダーカスタム
治安警察との決戦用にキリコがレッドショルダーの武装パターンの一つを模倣して武装強化したものに、バニラがゲン担ぎで左肩を赤く塗ったもの。バニラが左肩を塗った際に、キリコが正確なレッドショルダーのマーキングを指摘したのは名台詞の欄参照。『野望のルーツ』で描かれたレッドショルダー所属機はその通りの姿だった。
スコープドッグ・ターボカスタム
『ザ・ラストレッドショルダー』での搭乗機。厳密にはレッドショルダーで使用されたバリエーションをジャンク品の寄せ集めで再現したレプリカ。またレッドショルダー創設者であるペールゼン抹殺のために使用するためか、肩も赤く塗装されていない。
マーシィドッグ
クメン編での搭乗機で、スコープドッグの湿地戦仕様機。もとのスコープドッグが潜行能力を持たないため、アッセンブルEX-10の主力機であるダイビングビートルには湿地戦での能力で劣るが、扱いなれたドッグ系ATを欲したキリコはゴウトの心配を他所にこの機体の手配を依頼した。
スコープドッグII
サンサ編での搭乗機で、スコープドッグの宇宙戦仕様機。キリコはこの機体でPS専用機・ストライクドッグを駆るイプシロンを倒した。異能者として覚醒しつつあったキリコの技量と対PS用ミッションディスクの効果もあるが、「機体の性能差が勝敗を分かつ絶対条件ではない」ことを本家本元を差し置いて一番最初に実践した事になる。
ラビドリードッグ
ワイズマンがキリコのために用意した機体。「ストライクドッグの量産仕様機」であるが、パイロットがパイロットなだけに発揮した性能は桁外れ。ドッグの名を持つもののスコープドッグより一回り大きいヘビィ級ATに分類される。クエント編でのキリコはこの機体でギルガメス・バララントが放った数千機のATによる包囲網を突破していた。
ライト・スコープドッグ
『ビッグバトル』での搭乗機。ニーバの搭乗するPS専用機・エクルビスの異常なまでに高い運動性に対抗するため、スコープドッグの装甲を極限まで外して軽量化した改造機。レッドショルダーを憎むニーバへの心理効果を狙ったのか、キリコはわざわざ右肩を赤く塗装した。
バーグラリードッグ
『赫奕たる異端』での搭乗機。30年経っても主力の座にいるスコープドッグの強襲作戦仕様機。左肩の折り畳み式長距離砲「ドロッパーズフォールディングガン」と、スキーで足に着けるソリを彷彿とさせる形状をした「トランプルリガー」が外見上の特徴。キリコはこれ一機で敵の防衛部隊を壊滅させている。

その他AT

スタンディングタートル
クメン編で搭乗。
ファッティー
サンサ編で搭乗。ロッチナ率いるバララント軍に捕獲された際に与えられ、イプシロンと対決した。
ツヴァーク
クエント編で搭乗。

スパロボでの搭乗機体

ボン太くん
第3次Z時獄篇ではイベントでこのスーツを着ている
M6 ブッシュネル
同じく時獄篇のイベントで操縦する。ATと同じように操縦したためか、同乗していたかなめは急激な移動に絶叫を上げていた。

余談

  • 作中、キリコが訪れた地は大半が壊滅する。訪れた街が壊滅するくらいならまだいい方で、酷い時は惑星が崩壊する。そのため、キリコを「疫病神」とネタにするファンもいる。
    • それだけの意味ではないだろうが、『赫奕たる異端』第3話予告では「舞台が整い、役者がそろえば暴走が始まる。そして先頭を走るのは、いつもあいつ」「メルトダウン、始まる」、幻影編のPVでは「カオスを体現するあの男」と言われている。
    • スパロボシリーズにおいてキリコが所属しながらもが数人出た程度(どころか、ボトムズ原作で死んだはずの人物まで生きている)でほぼ五体満足のまま戦い抜いたZEXISZ-BLUEコネクト・フォースは(主人公部隊を全滅させるわけにはいかないとは言え)かなり異質な存在である。
  • 作中ではキリコを敵に回す事自体が死亡確定扱いらしく、TVシリーズ第5話予告では「キリコも巨大な不発弾。自爆、誘爆、ご用心」、第25話予告では「キリコは、心臓に向かう折れた針」、『赫奕たる異端』第5話では「奴は有害なバクテリアだ、猛毒を持つ細菌だ」、『ペールゼン・ファイルズ』第10話予告では「百年戦争でメルキアが犯した最大の誤り、それはヤツを敵に回した事だ!!」とまで言われている。
    • 実際、キリコ本人の与り知るところか否か、キリコが手を下したか否かに関わらず、キリコを敵に回した者は神だろうが何だろうがほぼ全滅の憂き目に遭っている(生き延びたのはこの男ただ一人)。
  • 1983年開催の徳間書店刊『アニメージュ』主催「第6回アニメグランプリ」男性キャラクター部門でグランプリを受賞している(女性部門は『超時空要塞マクロス』の早瀬未沙)。
  • 何気に七夕生まれである(アストラギウス銀河に七夕があるかは別にして)。フィアナとの関係が物語における男女関係の典型例の一つである『求める男と待つ女』であることから考えると意外と似合っているかもしれないが、『赫奕たる異端』以降の展開を省みると皮肉な設定と言えなくもない。
  • 担当声優の郷田氏が後年演じた『ビーストウォーズII 超生命体トランスフォーマー』(SRW未参戦)に登場するライオコンボイの事を、キリコに肖って「キリコンボイ」と呼ぶファンは多くいる。ちなみに、こちらは部下を率いる隊長である。
  • TV版で谷口守泰氏が作画監督を務めた回では、キリコの容姿が「目つきの悪いエイジ」のような、他の回とは大きく異なるものであることで知られる。これはキリコに惚れ込んだ谷口氏が「もっとクールでハードな容姿であるべき」として塩山紀生氏のデザインをあえてトレースしなかったためである。
    • この行動は当初塩山氏のファンなどからバッシングを受けたが、高橋監督、更に当の塩山氏が作画監督の個性を重視する立場から谷口氏の姿勢を支持するなど、スタッフ陣が彼のキリコに対する思い入れの強さを理解していたこと、そして谷口氏に共感した視聴者から支持を集め、『谷口版キリコ』として塩山氏のオリジナルデザインと並んで人気を得ることになった。
      • なお、塩山氏はTV版以降のキリコのデザインについて、谷口氏のテイストを取り入れてよりハードボイルド然としたキャラクターを意識していることを明言している。
  • キリコの過去に深く関わってくる楽曲―通称「レッドショルダーマーチ」―は、元々イタリア映画『二人の水兵と一人の将軍』(1966年制作)のためにイタリアの作曲家ピエロ・ウミリアーニ氏(1926-2001)が作曲した「水兵の到着」という曲で、アニメオリジナルの曲ではない。
    • アニメのサウンドトラックにも収録されておらず、人気の高い曲でありながら、長らく正式な曲名すら不明のままであった。これは、急にマーチ調の曲が必要になり、コンポーザーに頼む時間すら無かった折、スタッフが見つけてきた曲をそのまま使ったのだという。そのため、高橋監督さえ曲名や出所を把握していなかった。出典元が判明したのは2007年、イタリア映画の愛好家が偶然見つけたものをネット掲示板にアップしてからである。著作権の問題があったのか、『第2次スーパーロボット大戦Z再世篇』では代わりに「戦騎達の行進」という曲調の良く似たスパロボオリジナル曲が収録されて使われている。
  • ちなみに郷田氏は『ボトムズ』本放送と同時期(から90年代まで)、放送開始直前に結成されたお笑い芸人トリオ「怪物ランド」の一員として活動していた。かたやシリアスなアニメ主人公、かたや深夜番組でコントを見せる若手芸人…ギャップがありすぎである(元々演劇仲間で作ったトリオだったので3人ともバラエティより役者としての活動が殆どだが)。
    • 本人としては声優業にやる気はあったが、タレントとして顔が売れてしまったために90年代中盤までは『ボトムズ』以外の声優仕事が殆ど無かったという(ドラマ等での脇役出演が多かった)。
    • なお『ボトムズ』の頃の郷田氏は、声優としては前年にデビューしたてのまだ駆け出しの状態であり、そのため演技に拙い部分も多かったが、逆にそれが不器用なキリコのキャラクターに合っていて良いと評価されている。
      • OVA『赫奕たる異端』の頃には、キャリアを積んで技量も大幅に高くなっていたのだが、あまりに演技力が高すぎたために高橋監督らから「ここまで上手いとキリコという感じがしない。もう少し当時のように下手にやってくれないか」という注文を付けられたそうだ。
  • 放映当時、キリコを演じた郷田氏宛てのファンレターの中に、当時小学生の女の子から「自殺を考えていたが、キリコの生き様を見て生きる元気をもらった」というものがあった。なんとリアルに死亡フラグをクラッシュしていた。

商品情報