デギン・ソド・ザビ
デギン・ソド・ザビ | |
---|---|
外国語表記 | Degwin Sodo Zabi |
登場作品 | |
声優 |
永井一郎(TV版) 藤本譲(劇場版I) 柴田秀勝(劇場版III・特別版I / III) |
種族 | 地球人 |
性別 | 男 |
年齢 | 62歳 |
出身 | サイド3 |
所属 | ジオン公国 |
役職 | 公王 |
概要
ジオン公国公王。盟友ジオン・ズム・ダイクンと共にジオン共和国設立に尽力した功労者。
デギンはダイクンの政治活動を「民間レベルの生温さである」と感じており、ダイクンの死後に権力を掌握。自らジオン公国の君主となって公王制を敷き、ザビ家を中心とした体制を固めた。
しかし、時間が経つにつれ虚無感に襲われるようになり、一年戦争勃発時には全権力を子供達に譲って政治的には隠居した状態になっていた。そして、この隙を突かれる形でジオン公国は長男ギレン・ザビを総帥とする独裁体制になってしまった。
四男ガルマ・ザビの死後、その死を政治的に利用しようとする長男ギレンと対立するようになり、三男ドズル・ザビを失った事が切っ掛けで地球連邦政府との講和を強行。グワジン級のジオン公国旗艦「グレート・デギン」に乗り込みレビル艦隊と接触するが、デギンを「不要」と見なしたギレンによってソーラ・レイ作戦の犠牲となる。享年62。
登場作品と役柄
旧シリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦G
- DC所属。グレート・デギンの代わりにザンスカール帝国の戦艦アドラステアに乗り込んで宇宙を移動中であったが、シャアの策略によりホワイトベース隊に発見され、戦う事となる(ただし、パイロット扱いではない)。そして、アドラステアが破壊されると脱出もままならずそのまま死亡する。
- これは『第3次』以降にデギンが登場しない説明付けとなっている。また、シャアにとっては、原作では叶わなかった父ジオン・ズム・ダイクンの仇討ちを(間接的にではあるが)果たした形となっている。
単独作品
- スーパーロボット大戦GC(XO)
- 原作通りジオン公国公王。序盤の終わりに外宇宙からの侵略もあって連邦との講和に踏み切るが(出発したのはソロモンが落とされる前)、やはり原作通りソーラ・レイでレビル共々焼き払われる。今回はグレート・デギンに乗ってくる。
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- ソーラ・レイ発射が阻止されたため我が子に謀殺されることは免れた。
- その後ギレンの野心を止められない事を悟ると、アクシズでの戦闘においてグレート・デギンに乗って最前線に出撃。艦と運命を共にしたことが語られる(プレイヤーが戦闘する機会は無い)。戦死の間際、グレート・デキンを通じてジオン全軍にメッセージを発信。兵士たちはこれに奮起し、この戦いにおいてはジオンの勝利に終わっている。
人間関係
- ジオン・ズム・ダイクン
- 地球連邦政府からのスペースコロニー独立運動の盟友。しかし、その中で対立を深めていく。SRW未登場。
- 余談だが、ダイクンの急死をデギンによる暗殺と見る説が半ば公然と語られる程であるが、真相は不明(詳しくは、名台詞の欄を参照)。
- ギレン・ザビ
- 長男。その思想や巧みな弁舌で国民を煽り立てる手法を好ましくは思っていなかったようだ。デギン曰く「ヒトラーのしっぽ」。
- サスロ・ザビ
- 次男。SRW未登場。『機動戦士ガンダム』のストーリー開始前にダイクン派の襲撃(漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではキシリア配下による暗殺)で死亡している。
- キシリア・ザビ
- 長女。ギレンと共にジオン公国を戦争へ導いた元凶として、あまり快く思っていない。
- なお、漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、キシリアが長兄ギレンを利用する形で父デギンを暗殺している。
- ドズル・ザビ
- 三男。あまり愛していなかったらしく、彼の戦死の報にも感情を動かす様子は見られなかった。
- ガルマ・ザビ
- 四男。その資質と明るい性格から、次代を担うものとして溺愛していた。
- ナルス・ザビ
- 亡き妻。ガルマ出産後に衰弱死した。彼女を失った辺りから、活力の衰えが目に見え始めたらしい。
- ミネバ・ラオ・ザビ(オードリー・バーン)
- ドズルの娘。直接対面する事は無かったが、血縁的には孫に当たる。
- ダルシア・ハバロフ
- ジオン公国の首相だが、ギレンの傀儡。デギン同様、ギレンの急進的なやり方を好んでいなかった。
他作品との人間関係
- グレミー・トト
- 「ザビ家の真の継承者」を名乗っている。なお、デギンの隠し子との説もあるが、真偽は不明。
名台詞
- 「ドズルにして、もっともなことであるよ」
- TVアニメ版第37話「テキサスの攻防」におけるドズル戦死の報に対する返答。実の息子の死を前に、ただ無味乾燥に言い放ったという。
- これには冷酷非情な長男ギレンも憤りの様子を見せていた。ガルマ戦死の時とはまるで正反対の対応であり、デギンがドズルをあまり愛していなかったことが窺える。
- 「わ、私ごときを次期首相にと?」
- TVアニメ版第38話「再会、シャアとセイラ」より。死の床の盟友ジオン・ズム・ダイクンに指差されて曰く。ダイクンの遺児であるシャア・アズナブルことキャスバル・レム・ダイクンがジンバ・ラル(ランバ・ラルの父)から聞かされた話を回想する場面におけるデギンの台詞。
- この時にデギンが指を差されたのは「(自分を死に追いやった)犯人は彼だ」と言うダイクンの意思表示であったようだが、デギンはそれを逆利用して最高権力者の地位を手に入れた。
- その一方で、漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では「ダイクンの死因はあくまでも『過労』に過ぎず、それが独り歩きして暗殺説に繋がった」とされている。
- 同作において描写されたダイクンと、彼を取り巻くダイクン派の人物像も考慮すると、真相はまた違ったものであるのかもしれない。
- 「しかしなギレン。百万の一般国民を疎開させるということは、これは、軍人の無能を示すことだ」 / 「ならば、数百万の一般国民を疎開させてまでソーラ・レイを使うというのは、これは軍人の無能を示すことだ」
- 前者はTVアニメ版第40話「エルメスのララア」より、後者は劇場版III「めぐりあい宇宙編」より。「ソーラ・レイで連邦を一掃する」と自信満々に語るギレンに対して。
- IQ240の頭脳を誇り、自他共に認める才能の塊の如きギレンに対して、デギンは「無能」と言い切った。一応「軍人の」と言っているが、その軍人達を主導する最高司令官はギレンその人である。
- 事実、ギレンは「もはや後が無いはずのア・バオア・クーで、目の前の戦況が優位になっただけで悦に入る」等、戦略や政略への見識が欠如していた節がある。しかし、ギレンは「この私に面と向かって、よくおっしゃる」と呟くだけだった。
- デギン「貴公、知っておるか? アドルフ・ヒトラーを」
ギレン「ヒトラー? 中世期の人物ですな。」
デギン「うむ、独裁者でな。世界を読みきれなかった男だ。貴公はその『ヒトラーの尻尾』だな」 - TVアニメ版第40話「エルメスのララア」より。独裁政治を行うギレンに向かって発言。この後のデギンの発言が、ザビ家の未来を案じているとは思わなかったであろう。
- なお、ヒトラーが存在した第二次世界大戦(1939~1945)の頃が、『機動戦士ガンダム』の舞台となる宇宙世紀0079年の時点から見ると「中世期」に相当する事実を鑑みるに、どうやら西暦と宇宙世紀との間には何百年もの間隔が存在している模様。
- 本編及び劇場版ではギレンは超然と聞き流したが、反対に漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』は顔が強張り、書類を持つ手が震えるなど激しい怒りに襲われており、敗北した独裁者と重ねられた事は相当な屈辱だったと思われる。
- ちなみに「ヒトラーの尻尾」というキーワードは、後に漫画『ガンダムEXA VS』でイクス・トリムの「自分の理想に合致した人間だけを荒廃した地球を再生させるため誕生させる」という考えを「ギレンのやろうとしたことと同じである」と非難する為に用いられ、その発言のあった回のサブタイトルともなった。
- 「ヒトラーは身内に殺されたのだぞ…」 / 「ヒトラーは敗れたのだぞ」
- 前者が劇場版III「めぐりあい宇宙編」における、後者がTV版第40話「エルメスのララア」における台詞である。「ヒトラーの尻尾」と評されるも、意に介さずに立ち去るギレンに対して呟いた。
- なお、劇場版III「めぐりあい宇宙編」における台詞だが、ヒトラーの最期は自殺が通説で、身内に殺害されたわけではない。そのため「宇宙世紀ではヒトラー暗殺説が支持されている」「なまじカリスマを備えていた故に、盲目的に信奉するばかりで間違いを正さない人物ばかりが身内に集まって自滅したヒトラーをギレンと重ねた」等、様々な解釈がなされている。
- 解釈はさておき、最終的にギレンはデギンの言葉通り身内に殺される事となる(当のデギン自身にも当てはまるのだが)。
- 「出来るものかよ。なぁ、ガルマ…」
- TVアニメ版第41話「光る宇宙」より。「連邦を葬る」と言ったギレンに対し、ガルマの遺影に語りかけながら返した台詞。
- 「(連邦との戦争に)たとえ勝てるとしてもいかんっ! 営々と築いてきた過去を無に帰するようなことをして何の真実か!? 未来か!? わかっているなっギレン!!」
- 漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』より。連邦とジオンの確執が深刻になってきた時にギレンに説いた台詞。
- デギンが武力による独立を望んでいない事が分かる台詞だが、ギレンはスペースノイドによる新たな支配体制を望み、その野望を果たすために戦争が起こる事を望んでいるため、父の言葉は息子に届く事はなかった。
- 「そういう事を言って誤ったのだ。ナポレオンも、ヒトラーも、トージョーも」
- 漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』より。遂に開戦に至り、ルウム戦役で勝利した後も停戦するつもりがなく、「更に勝ち続ける」と発言したギレンに対しての台詞。
- ギレンは「旧世代の愚行は参考にならない」と相手にもしなかったが、皮肉にもデギンの懸念は一年も経たず現実のものとなる。そう、歴史は繰り返すのだ…。
- 「判る。判っている。よく判っているとも将軍」
- ――虜囚の身ではなにもできない……
- 漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』より。ルウム戦役で捕虜となったレビルと収容所で面会し、自らの胸の内を明かして凄惨な状態となった戦争を収める事をレビルに依頼。
- レビルは「虜囚の自分に何を出来るというのか?」と問うが、それに対するデキンの返答。
- 直後にレビルは地球連邦軍中将エルランの手引きで奇跡の帰還を果たしており、この件を手引きしたのはデキンであることは後述の反応からもほぼ確定的である。
- ――レビルめぇ……
- 漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』より。脱出したレビルの「ジオンに兵無し演説」を聞きながらの独白。
- デギンが望んだ終戦が絶望的になってしまい、杖でリモコンを叩き壊す程の怒りに襲われており、直後の地球侵攻軍の第四次派遣軍司令官としてデキンに謁見したガルマに対して、「アースノイドが二度と戦争をしたいと思わない程までに叩き潰せ」とまで発言している。
- しかし、自らの考えをレビルに明かして終戦協力を申し出ていたが、レビルはデキンの考えに「理解」こそ示していたが、「協力」するとは一言も明言しておらず、どちらかと言えばデキンが勝手に独走してしまった感が強い[1]。
余談
- 漫画作品『トニーたけざきのガンダム漫画』では、グレート・デギンと融合してニュータイプを超える存在「デギン・ザ・グレート」へと変貌し、地球連邦軍やガンダムに立ちはだかる強敵として大暴れした。
- もちろん本編とはなんら関係無いどころか、全てギレンの夢オチ。ちなみにこのデギン・ザ・グレート、身長180m、体重10万tである。とにかく強く、「水爆頭突き」や「ハゲ粒子砲」といった武装(?)を持つ。
商品情報
脚注
資料リンク
|