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== 概要 == | == 概要 == | ||
− | + | 今ではプラモデル誌とのタイアップで、TVと並行して新機体が出る事が多いが、始まりは[[機動戦士ガンダム|1stガンダム]]放映終了後にモデラー<ref>模型を製作する人。狭義的にはプラモデル制作を趣味とする人のこと。</ref>たちが、劇中に登場しなかった[[一年戦争]]時代の[[モビルスーツ]]を自作した事である。この案は、今なら非公式となるものだが、過去ガンダムシリーズの設定は白紙で懐が広く、様々な設定を取り入れていく過程にあったため、当時ガンプラの発売を行っていたバンダイが中心となり、これらのMSは実際にプラモデルとして発売されるに至った。 | |
それぞれのプラモデルのハンドブックには、そのMSの活躍などが書かれており、これが所謂「外伝」作品の走りとなった。これらの外伝はガンダムシリーズをより奥深いものにするとして、ファン、製作会社のサンライズ双方に好意的に受け入れられる事となる。結果、その人気から『機動戦士ガンダム』の後番組の企画案まで生まれたが、[[続編]]『[[機動戦士Ζガンダム]]』の製作が決定されてしまったため、アニメ化は幻となって立ち消えてしまった。しかし、一部の案は『Ζガンダム』劇中でも採用されており、アニメでその姿を見る事が出来る。また、OVA版『[[機動戦士ガンダムUC]]』にも一部の機体がファンサービス的に登場している。 | それぞれのプラモデルのハンドブックには、そのMSの活躍などが書かれており、これが所謂「外伝」作品の走りとなった。これらの外伝はガンダムシリーズをより奥深いものにするとして、ファン、製作会社のサンライズ双方に好意的に受け入れられる事となる。結果、その人気から『機動戦士ガンダム』の後番組の企画案まで生まれたが、[[続編]]『[[機動戦士Ζガンダム]]』の製作が決定されてしまったため、アニメ化は幻となって立ち消えてしまった。しかし、一部の案は『Ζガンダム』劇中でも採用されており、アニメでその姿を見る事が出来る。また、OVA版『[[機動戦士ガンダムUC]]』にも一部の機体がファンサービス的に登場している。 | ||
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↑いつの話か不明。「近作」と時期をぼかして書くからこうなる。--> | ↑いつの話か不明。「近作」と時期をぼかして書くからこうなる。--> | ||
− | + | MSVを設定するにあたって名前のあるパイロットが付加されることがある。表に出なかった機体を駆り活躍するという性質上、エースとして設定されることが多い。作品によっては主人公やライバルを上回る活躍が設定されていることがあり<ref>例として、一年戦争時の[[アムロ・レイ]]の撃墜数は連邦軍中2位、[[シャア・アズナブル]]にいたってはジオン軍中9位以下である</ref>、余計な後付設定などとして批判されることがある。有名なパイロットとしてはジョニー・ライデンやシン・マツナガなどがいる。ガンダムシリーズのゲームで何度も登場するなどして有名になっている人物もおり、世界観を広げるための重要な要素である。 | |
− | + | 一方でパイロットや機体の明確なストーリーは描かれず、読者に行間を読ませ、想像力に委ねる作風になっている。その結果、膨らませたイメージが人によって異なり、先に挙げたジョニー・ライデンを例にとると、「キシリア・ザビを敬愛していた」作品の他に「ザビ家が嫌いで人前で平然と批判していた」という正反対の人物像が描かれてしまっている。逆に明確なストーリーを描いた作品は『[[機動戦士ガンダムF90]]』や『[[機動戦士ガンダムSEED ASTRAY]]』のように作品名に「MSV」の名が付かない<ref>これらにはそれぞれ『F91 MSV』(SRW未参戦)と『SEED MSV』という対応するMSVが存在する</ref>ので、外伝作品として扱われる。 | |
− | + | それ以降も継続しており、『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』や『UC』、『[[機動戦士ガンダムAGE]]』のMSVも企画された。 | |
− | + | == スパロボにおいて == | |
+ | アニメ中に登場するMSの改造・後継機として本来乗らないパイロットに与えられるケースや、名ありのパイロットの専用機として登場するケースが多い。ただし出典作品はMSVでなくアニメ本編となっており、参戦作品一覧にも掲載されない。逆にこれを出典とする人物はほとんどいない(正史では出会わない事がほとんどなので当然といえば当然か)。『[[スーパーロボット大戦W]]』にて、『[[機動戦士ガンダムSEED]]』のMSVから数名登場しているが、出典は外伝作品たる『[[機動戦士ガンダムSEED ASTRAY]]』となっている。 | ||
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+ | 『[[Zシリーズ]]』始動前後、アニメ本編に登場した機体を優先しているのか、戦闘アニメの作業量が増えて機体数を増やせなくなったのか、『初代』のHDリメイクを除くと、『W』を最後にアニメ本編未登場のMSV由来の機体が登場していない<ref>[[ジュアッグ]]は『[[機動戦士ガンダムUC]]』でアニメ登場を果たしているので除外。</ref>。 | ||
== スパロボに登場したMSVの機体 == | == スパロボに登場したMSVの機体 == | ||
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=== M-MSV(複数の時代のMSV) === | === M-MSV(複数の時代のMSV) === | ||
− | + | 頭のMは「MISSING(ミッシング)」の略で、当時は秘匿されたが後年になって公開された、失われたMSという設定。雑誌連載時は「大河原邦男コレクション」のタイトルであった。 | |
*[[フルアーマー百式改]](機動戦士Ζガンダム) | *[[フルアーマー百式改]](機動戦士Ζガンダム) | ||
*[[量産型νガンダム]](機動戦士ガンダム 逆襲のシャア) | *[[量産型νガンダム]](機動戦士ガンダム 逆襲のシャア) | ||
=== 機動戦士ガンダムSEED MSV([[機動戦士ガンダムSEED]]) === | === 機動戦士ガンダムSEED MSV([[機動戦士ガンダムSEED]]) === | ||
− | 『第3次α』と『J』ではI.W.S.P.が他のMSV同様『SEED』名義で登場している。『W』ではSEED MSVを初出とする機体が多く登場しているが、『SEED』ではなく『[[機動戦士ガンダムSEED ASTRAY]] | + | 『第3次α』と『J』ではI.W.S.P.が他のMSV同様『SEED』名義で登場している。『W』ではSEED MSVを初出とする機体が多く登場しているが、『SEED』ではなく『[[機動戦士ガンダムSEED ASTRAY]]』名義で登場している(『ASTRAY』にも登場している機体が多いため、全くの間違いでもない)。主に『ASTRAY』シリーズで展開されている機体で、いかにも同作の主人公である[[ロウ・ギュール]]の好きそうな機体が多く、主役機のバリエーションは大抵彼が絡んでいる。 |
*[[ライトニングストライクガンダム]] | *[[ライトニングストライクガンダム]] | ||
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スパロボに登場した機体については各作品のページを参照。 | スパロボに登場した機体については各作品のページを参照。 | ||
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− | 模型とショートストーリーを中心にした、プラモデル展開の空白期間を埋めるために企画がスタートした作品と、MSVとの共通点は多い。 | + | :模型とショートストーリーを中心にした、プラモデル展開の空白期間を埋めるために企画がスタートした作品と、MSVとの共通点は多い。 |
+ | ;[[機動戦士ガンダムF90]] | ||
+ | :[[機動戦士ガンダムF91]]のMSVに当たる外伝作品。 | ||
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2018年5月24日 (木) 04:37時点における版
『ガンダムシリーズ』の劇中に登場しない設定のみのモビルスーツ群。またはそれらモビルスーツ群の模型や設定、資料集を総称した作品群。「モビルスーツバリエーション」(Mobile Suit Variation)の略称。
概要
今ではプラモデル誌とのタイアップで、TVと並行して新機体が出る事が多いが、始まりは1stガンダム放映終了後にモデラー[1]たちが、劇中に登場しなかった一年戦争時代のモビルスーツを自作した事である。この案は、今なら非公式となるものだが、過去ガンダムシリーズの設定は白紙で懐が広く、様々な設定を取り入れていく過程にあったため、当時ガンプラの発売を行っていたバンダイが中心となり、これらのMSは実際にプラモデルとして発売されるに至った。
それぞれのプラモデルのハンドブックには、そのMSの活躍などが書かれており、これが所謂「外伝」作品の走りとなった。これらの外伝はガンダムシリーズをより奥深いものにするとして、ファン、製作会社のサンライズ双方に好意的に受け入れられる事となる。結果、その人気から『機動戦士ガンダム』の後番組の企画案まで生まれたが、続編『機動戦士Ζガンダム』の製作が決定されてしまったため、アニメ化は幻となって立ち消えてしまった。しかし、一部の案は『Ζガンダム』劇中でも採用されており、アニメでその姿を見る事が出来る。また、OVA版『機動戦士ガンダムUC』にも一部の機体がファンサービス的に登場している。
MSVを設定するにあたって名前のあるパイロットが付加されることがある。表に出なかった機体を駆り活躍するという性質上、エースとして設定されることが多い。作品によっては主人公やライバルを上回る活躍が設定されていることがあり[2]、余計な後付設定などとして批判されることがある。有名なパイロットとしてはジョニー・ライデンやシン・マツナガなどがいる。ガンダムシリーズのゲームで何度も登場するなどして有名になっている人物もおり、世界観を広げるための重要な要素である。
一方でパイロットや機体の明確なストーリーは描かれず、読者に行間を読ませ、想像力に委ねる作風になっている。その結果、膨らませたイメージが人によって異なり、先に挙げたジョニー・ライデンを例にとると、「キシリア・ザビを敬愛していた」作品の他に「ザビ家が嫌いで人前で平然と批判していた」という正反対の人物像が描かれてしまっている。逆に明確なストーリーを描いた作品は『機動戦士ガンダムF90』や『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』のように作品名に「MSV」の名が付かない[3]ので、外伝作品として扱われる。
それ以降も継続しており、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』や『UC』、『機動戦士ガンダムAGE』のMSVも企画された。
スパロボにおいて
アニメ中に登場するMSの改造・後継機として本来乗らないパイロットに与えられるケースや、名ありのパイロットの専用機として登場するケースが多い。ただし出典作品はMSVでなくアニメ本編となっており、参戦作品一覧にも掲載されない。逆にこれを出典とする人物はほとんどいない(正史では出会わない事がほとんどなので当然といえば当然か)。『スーパーロボット大戦W』にて、『機動戦士ガンダムSEED』のMSVから数名登場しているが、出典は外伝作品たる『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』となっている。
『Zシリーズ』始動前後、アニメ本編に登場した機体を優先しているのか、戦闘アニメの作業量が増えて機体数を増やせなくなったのか、『初代』のHDリメイクを除くと、『W』を最後にアニメ本編未登場のMSV由来の機体が登場していない[4]。
スパロボに登場したMSVの機体
括弧内は該当する本編作品であり、SRWでの出典作品である。
MSV(機動戦士ガンダム)
Ζ-MSV(機動戦士Ζガンダム)
CCA-MSV(機動戦士ガンダム 逆襲のシャア)
M-MSV(複数の時代のMSV)
頭のMは「MISSING(ミッシング)」の略で、当時は秘匿されたが後年になって公開された、失われたMSという設定。雑誌連載時は「大河原邦男コレクション」のタイトルであった。
機動戦士ガンダムSEED MSV(機動戦士ガンダムSEED)
『第3次α』と『J』ではI.W.S.P.が他のMSV同様『SEED』名義で登場している。『W』ではSEED MSVを初出とする機体が多く登場しているが、『SEED』ではなく『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』名義で登場している(『ASTRAY』にも登場している機体が多いため、全くの間違いでもない)。主に『ASTRAY』シリーズで展開されている機体で、いかにも同作の主人公であるロウ・ギュールの好きそうな機体が多く、主役機のバリエーションは大抵彼が絡んでいる。
- ライトニングストライクガンダム
- ライトニングスカイグラスパー
- ストライクガンダムI.W.S.P.
- I.W.S.P. スカイグラスパー
- ソードカラミティ
- ダガー
- ガンバレルダガー
- ミゲル専用ジン
- ジン・ハイマニューバ
- シグー・ディープアームズ
また、MSVが初出、あるいは設定の多くがMSVで作られたキャラクターがスパロボに登場しているのもSEED MSVあるいは『W』ならではである。こちらの場合も名義は『SEED ASTRAY』となっている。
スパロボに参戦したMSVに準じた作品
以下の作品もまたMSVの範疇に入るが、独自タイトルを有しているからか自作品名義で参戦している。 スパロボに登場した機体については各作品のページを参照。
- ガンダム・センチネル
- 模型とショートストーリーを中心にした、プラモデル展開の空白期間を埋めるために企画がスタートした作品と、MSVとの共通点は多い。
- 機動戦士ガンダムF90
- 機動戦士ガンダムF91のMSVに当たる外伝作品。
脚注
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