ジオング

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MSN-02 ジオング(Zeong)

ジオン公国軍が開発したニュータイプ専用試作型モビルスーツ。「ジオン」の名称を冠しており、「MS-06Z サイコミュ試験用ザク」及び「MSN-01 サイコミュ高機動試験用ザク」の試験データを基にして開発された。操作性の高いサイコミュ・システムや高出力ジェネレーターを搭載しているが、そのせいで機体がやや大型化している。両腕部は有線式のメガ粒子砲となっており、分離する事でオールレンジ攻撃を行える。モビルスーツとしては珍しく脚部が付いていないが、これは単に開発が間に合わなかったためであり、その代わりとして高出力スラスターを装備している。そのため、宇宙でしか運用できなくなっている。コクピットは頭部に設置され、緊急時には分離して脱出装置となる。また、胸部にもコクピットがあり、サイコミュを使えないオールドタイプが運用する際はパイロットが胸部の、ガンナーが頭部のコクピットに乗り込む事でオールレンジ攻撃を可能としている。ただし、やはりニュータイプ搭乗時と比べると精度は低いと言わざるを得ない。

3機が製造され、その内の完成度80%の状態の1機がキシリア・ザビからシャア・アズナブルに与えられ、乗機のゲルググが損傷して出撃できないという事から本機に搭乗して出撃する事となった。慣らし運転も出来ずにぶっつけ本番で出撃させられたという事もあり、当初は操縦にかなり苦心していたようであるが、それでも連邦軍のモビルスーツや艦艇を多数撃破した。その後、アムロ・レイガンダムと交戦し、撃破に成功するも、本機も大破している。

本機のコンセプトは後のニュータイプ専用モビルスーツ、モビルアーマーに引き継がれていく事となった。

ちなみに、本機は一年戦争時にシャアが搭乗したモビルスーツの中で唯一赤くない機体である。まぁ、元からシャア専用機として開発されていた訳ではないし、塗り替える暇もなかったのであろうから当然なのだが。

脚部が装着されている完成状態は「パーフェクト・ジオング」と呼ばれており、そのデザインの元となったのは漫画『プラモ狂四郎』に登場した「足付きジオング」である。これはジオングの下半身にドムの足を取り付けたもので、後に再登場した際に「パーフェクト・ジオング」と名付けられた。
なお、同漫画で謳われたパーフェクトの名前は「パーフェクトガンダムに対して造られたジオング」という意味合いであり、脚部を装着したジオングという意味でもなかったりする。

登場作品と操縦者

『機動戦士ガンダム』のラスボス的機体であるが、スパロボではネオ・ジオン軍のニュータイプ部隊用の量産機として登場する事が多い。『スーパーロボット大戦GC』『スーパーロボット大戦XO』は物語序盤が一年戦争に沿った展開であるが、シャアがア・バオア・クーでの決戦を前にジオンを離反してしまうためかジオングは登場していない。

旧シリーズ

第3次スーパーロボット大戦
シャアが乗ってくる。倒しても首のみでまた戦いを挑んでくる。

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦COMPACT
ジオン兵が乗ってくる。クリアボーナスで入手できることがあり、性能も悪くない。しかし、性能が上のファンネル搭載機体がたくさん手に入るので終盤は苦しい。
スーパーロボット大戦COMPACT2第2部
ベンメルコレクションとしてフル改造されて登場。ステージ名は「こりないコレクター」。クワトロで倒すと入手でき、ルーを乗せると後にBルートでブッチャーと特殊会話がある。性能はなかなかのもの。
スーパーロボット大戦COMPACT2第3部
第2部で入手していると登場。残念ながらリメイク版のIMPACTには登場しない。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦A
中盤頃宇宙にてシャアが乗って出てくる。移動後使用可能な射程5の最強武器である有線式メガ粒子砲が厄介だが、攻撃力さえ十分なら必中をかけたスーパーロボットの必殺技一発で処理出来る。終盤ではシャアが乗っていた時の性能そのままでネオ・ジオンが量産してわらわらと出現。初出がシャアの搭乗機だった関係か獲得資金が5000と非常に美味しいので、最終決戦に向けて幸運を掛けたマップ兵器で是非まとめて落としたい。
スーパーロボット大戦A PORTABLE
リメイク版で大幅なグラフィック向上を果たした。有線ビーム砲のアニメーションは素晴らしいの一言。だが、敵としてはHPと、命中率の高さにより強敵。

単独作品

スーパーロボット大戦
「復活! ギルギルガン」に4機登場する。
スーパーロボット大戦64
終盤、強化人間が乗ってやたら出てくる。それなりに強いのだが、それを上回るサイコガンダムヤクト・ドーガがうろちょろしているので可愛く見えてしまう。
スーパーロボット大戦Operation Extend
3Dスパロボ初参戦。第5章で戦うことになるが、本作ではア・バオア・クーは最初から地球連邦軍の拠点で、しかも既に破壊されてしまっているため、宇宙空間での戦いとなる。メイン19話-3「アクシズからの撤退」において、どのユニットでも良いのでジオングを撃墜すると、イベントが発生してガンダムに「ラストシューティング」が追加される。
その後サブミッション「仮面の下の決意」での決闘後、一度その場を離れたシャアクワトロとして百式に乗って戻ってくるのだが、ジオングは仮面と一緒に捨てられたようだ。ユーザーからは「百式はいいからこっちを使いたかった」という声も。
なおこの決闘のルールはガンダムファイトがベースなのだが、顔面にコックピットがあるジオングをルール上どう扱うのかは一切触れられない。シャアがルールに合わせて胸部に乗っていたのだろうか?

装備・機能

武装・必殺攻撃

射撃兵装

メガ粒子砲
頭部に1門、腹部に2門内蔵している。頭部に内蔵されている物は分離後も使用可能。
有線式メガ粒子砲
両腕部に装備されており、指の一本一本が砲門となっている。サイコミュによる有線誘導式で、オールレンジ攻撃が可能。前述のように二人乗りであればオールドタイプでも使用可能である。

移動タイプ

対決・名場面など

ジオング出撃
キシリアより「完成度80%」と告げられたシャアに対し、現場の整備兵は「80%? 冗談じゃありません、現状でジオングの性能は100%出せます!」と太鼓判を押す。シャアから「脚が付いていない」と指摘された整備兵は、「あんなのただの飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ!」と反論。その後、整備兵から「大佐のNT能力は未知数です。保証できるわけありません」と言われ、「はっきり言う、気に入らんな…」と不満を口にする。気まずいと思ったのか整備兵は「気安めですが、大佐なら上手く扱えますよ」と言い、「ありがとう。信じよう」と言い手を振りつつ乗り込むシャアであった。
ガンダム
キシリア・ザビからジオングを与えられたシャア・アズナブルアムロ・レイのガンダムと交戦。両腕の有線式メガ粒子砲で攻めるが、アムロもすぐに機動を見切って応戦する。やがて、ジオングは頭部のみとなり、ガンダムも頭部と左腕を破損し、シャアはア・バオア・クーへと逃げ込む。それを追ったアムロはガンダムを自動操縦に切り替えて迎撃。待ち伏せていたジオングと相打ちになり、ジオングは大破。ガンダムも右腕と右脚を破壊され、ついに倒れる事となった。俗に言う「ラスト・シューティング」である。

関連機体

サイコガンダム
外見や名称の上では「ガンダム」だが、サイコミュなど多くの面でジオングを参考に作られている。言わば前作の主役機・ラスボス機のハイブリッド。
サイコガンダムMk-II
サイコガンダムの後継機であり、基本的な部分は一緒。指先のビーム砲はなくなったが、サイコガンダムにはなかった腕をサイコミュで飛ばすシステムがある。
パーフェクト・ジオング
ジオングの完成状態の通称。正式名称は単なる「ジオング」であるが、未完成状態と区別するためにこの名で呼ばれている。脚が付いているために機動性は低下しているものの、重力下での運用も可能となった。
本機は後に漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』に登場しており、ジオン残党の拠点の1つであるアムブロシアで保管されていた。これはア・バオア・クーに残されていたジオングの3号機を回収して脚部を取り付けた物であるらしく、シャアが乗る事となった。その際に「脚は飾り」と口にした整備兵とも再会しており、「脚も満更、無駄ではなかった」と評価を改めている。
スパロボ未登場だが、サターン版Fの予約特典の冊子によると、ゲゼやサロンズと共に登場予定があり、SDの設定画が起こされていた。
グレート・ジオング
「トミノメモ」なるものに書かれていたジオング。ターンXを彷彿させるような頭部、腕部、胴体、脚部の分離機構を持っている。SRW未登場。Gジェネレーションシリーズの近作に登場している。
スカル・ジオング
ゲーム『バトルコマンダー 八武衆、修羅の兵法』に登場したバンプレストオリジナルメカ(キャラ?)。機動族の一人。
フェブラル
機動新世紀ガンダムX』におけるジオングのオマージュ的MS。頭部脱出機構、有線オールレンジ攻撃用の腕、足のない下半身など似通ったデザインを持つ。

余談

  • 短編『バカがボオルでやってくる!』(漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』に収録)において、ソロモン攻略戦にてウモン・サモンの搭乗した「ボール戦地改造型(通称「Bガンダム」)」の存在が原因で、ジオン軍が「ガンダムの全長は、40mを軽く凌駕している」と誤解してしまった結果、本機(正確にはパーフェクト・ジオング)が開発される事となったという、衝撃の開発経緯が判明している。
    • ただし、これは作中でもガセネタの可能性が示唆されており、事実かどうかは非常に微妙なところである。そもそもガンダムのサイズが普通のMSと大差ないことは、それまでの戦闘データや兵の報告で明白なのは言うまでもない。

商品情報

  • プラモデル

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