Dr.ヘル

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Dr.ヘル(Dr.Hell)

マジンガーZ

TV版

世界征服を企む悪の天才科学者

ドイツのライン地方に生を受け、大学では原子物理学を専攻。この時期に兜甲児の祖父である兜十蔵と出会う。1924年に卒業した後はナチスドイツの科学者となり、殺人兵器の開発に携わった。この頃から世界征服の野望にとり憑かれていたらしいが、周囲の人間には気付かれていなかった模様である。

1952年、地中海のバードス島で古代ミケーネの遺跡を発見し、発掘されたロボットを元に機械獣を開発。それから20年の時を経た1972年、世界征服計画を実行に移すべく、遂に行動を開始する。

高年齢だがその身体能力は高く、彼がかんしゃくを起こし暴れた時にあしゅら男爵ブロッケン伯爵が二人がかりで止めたが簡単に跳ね除けた。基本的に非情な性格であるが、あしゅらの死には涙を流し、その石像を作った。

長期に亘る戦いの果て、最終回でマジンガーZによってグールを撃破されて死亡したかに思えたが、『グレートマジンガー』にてミケーネ帝国の幹部である地獄大元帥として復活する。幾多の悪辣な計略でグレートビューナスAを苦しめるが、最終的には怨敵であるマジンガーZやダイアナンAも交えた4大ロボットの合体攻撃で葬られる事に。

マジンガーZが正義スーパーロボットの元祖ならば、Dr.ヘルはロボットアニメ作品における悪の親玉の元祖。昨今のシリーズでマジンガーの再評価が著しい分、彼の復権を願いたいところである。

原作漫画版

TV版と大きく変わらないが、甲児の祖父である十蔵との因縁はない。 …はずだが、単行本によっては「おじいちゃんを殺したDr.ヘル」と甲児が口走るページが加筆されることがある。

『週刊少年ジャンプ』連載時は、あしゅらとブロッケンの戦死に憤り、バードス島を動かした。

『テレビマガジン』連載時は、連載最終回にて地獄城自爆させるが、座乗していた飛行要塞グールを撃沈されて死亡した。この決戦は4ページ程度で片付けられ、ページの大部分は戦闘獣の襲来に費やされた。

大多数の単行本では、地獄王ゴードンに乗って最終決戦に挑むことになる。

桜多吾作版

桜多吾作氏の漫画版では、より傲慢な性格に描かれており、あしゅらやブロッケンからも愛想を尽かされる。 その一方、短編『闘え!!Dr.ヘル』において、その出自と人生の軌跡が描かれ、多くの読者の涙を誘った。

真マジンガー 衝撃! Z編

バードス島でミケーネの遺跡を発掘し、機械獣の力で世界征服を企むという点では、大筋で原作・TV版と変わらないが、あしゅらとの関係など幾つか異なる点もある。

マジンカイザー

OVA版

概ねTV版に近い。

新魔神伝説

その正体は兜十蔵のクローン(原作序盤で死亡した十蔵もクローンであった)である、という驚くべき事実が判明した。

津島直人版

最終話にて世界征服の動機を「野放図な世界に秩序をもたらすため」と語り、甲児をパートナーへと勧誘する。しかし、「仲間たちとの楽しい日常」を愛する甲児からは相手にされなかった。

肉体は甲児に討たれるも、その精神は既にバードス島と融合しており、自らを中心に全大陸と融合して「地球そのもの」になろうとしたが、最期はマジンカイザーのカイザーノヴァによって消滅した。

登場作品と役柄

旧シリーズでは敵幹部の一人という位置付けであったが、近年の作品では元祖悪のスーパー系大ボスとしての存在感が増している。

スーパーロボット大戦Card Chronicle
OVA版設定と『真マジンガー』設定の両方が登場。後者はマリーメイア軍レオン・三島とも手を組む。
イベント「放たれたタマシイ」では、復活を遂げたOVA版・真マジンガー版の二人のDr.ヘルが手を組み、カイルスに挑む。

旧作版設定

旧シリーズ

第4次スーパーロボット大戦
初出演。DCの幹部であるが、あしゅら男爵らの数々の失敗でDC内部での地位が下がっていることが判明。グールに搭乗。
第4次スーパーロボット大戦S
基本的に第4次と同じだが、マップ「日輪は我にあり」で倒された時のセリフが変更されており、ここで明確に死亡する。
スーパーロボット大戦F
スーパー系2話のみ、グールに乗って敵パイロットとして出る。HPを半分以下にすると撤退するが、ギリギリまで削り、主人公熱血+底力+ブラスターキャノンなら倒すのは不可能ではない。その後はデビルガンダム機械獣を糧として捧げるなど裏方。
スーパーロボット大戦F完結編
声優ネタDVEがある。ランタオ島で倒され死亡。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
遺跡調査組織LTRのメンバーだった設定で、BF団とも繋がっている。
後半では「ジオンの幻像」にて量産型のグレートマジンガーゲッタードラゴンを引き連れてくるが、甲児の言うとおり元祖スーパー系大ボスのヘルと元祖リアル系大ボスのギレンとの競演が実現している。

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦COMPACT2
ミケーネ帝国の幹部で暗黒大将軍と同僚。その設定ゆえか、剣鉄也からは「地獄大元帥」と呼ばれている。無敵要塞デモニカを指揮し、第1部で顔見せで登場した後、第3部のバードス島で戦う。
リメイク作のIMPACTでは正真正銘の地獄大元帥に差し替えられている。

単独作品

新スーパーロボット大戦
バルマー帝国辺境方面軍第8艦隊の傘下に入っており、珍しく宇宙で活動する。NPC扱い。

マジンカイザー版設定

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
スーパーロボット大戦W
直接パイロットとして戦う機会は無い。第1部後半に原作通りの決着を迎えるが、原作の曖昧な死の描写をうまく利用し、第2部最終話1話前にてザ・データベースの協力者としてまさかの再登場を果たす。ちなみに、このステージは『機動戦士ガンダムSEED』のクルーゼも同時に登場するため、α同様に同じステージで大ボス同士がまた競演している。本作ではウィスパードに匹敵するほどの頭脳の持ち主とも評されている。

単独作品

スーパーロボット大戦GCXO
非戦闘員のNPCだが、DVEがある。

真マジンガー版設定

Zシリーズ

第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
ズール皇帝と組み、共に地球征服を狙う。
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
黒の英知を手に入れ、ズール皇帝ムゲ・ゾルバドスと共謀し、ZEXISとは別にバアルであるインベーダーアンチスパイラルと敵対するなど、従来の作品と比べてもかなりの大物の大敵として描写されている。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦BX
今作ではアイラの予知を基にミケーネ復活の儀を行おうとしたあしゅらを、ピグマンを身代わりにする事で一度は出し抜いたものの、キバによりミケーネの復活は行われてしまい、暗黒大将軍に一蹴されるという情けない最期を迎えた。
何気に本編で直接対決する事は不可能となっている。

人間関係

兜十蔵
同窓にして因縁の相手。桜多吾作氏の漫画版では恋敵でもあった。
兜甲児
十蔵の孫にして、彼の死後における最大の敵。
あしゅら男爵
部下。
ブロッケン伯爵
部下。第2次世界大戦時からドイツ軍所属という接点がある。
ピグマン子爵
部下。第2次スーパーロボット大戦Zにて、真マジンガー準拠で初登場。
鉄仮面
組織の一般兵。
ゴーゴン大公
提携を取るが、ゴーゴンの方からは「捨て石」と見なされている。桜多吾作氏の漫画版では、彼に討たれる事に。
地獄大元帥
死後、ミケーネの手によりこの姿となる。
暗黒大将軍
BXでは彼に引導を渡される。
闇の帝王
死後のヘルを戦闘獣に改造するよう命じた張本人。団龍彦氏の小説『スーパーロボット大戦』では彼に引導を渡す事となる。
Rでは死後に機械獣を接収される。

他作品との人間関係

旧シリーズでは「DCの幹部」という立場から、組織を介してだがそれなりの人脈を有している。 特に、ガンダム系との絡みが目立つ。

ダイナミック系

流竜馬神隼人車弁慶
小説『スーパーロボット大戦』にて共演済み。
Wの終盤に彼らと対峙した際、ザ・データベースと接触した事で知った「前の宇宙のゲッター」の存在を仄めかし、彼らにザ・データベースに降るように呼びかけるが、突っぱねられる。
アイラ
BXでは彼女の予知を基に本来起きる未来、即ちあしゅらによるミケーネの復活を知り、それを阻止するべくピグマンを自身の影武者に使った。

スーパー系

プリンス・シャーキン
第4次では、DCでの同僚。当初はいがみ合っていたが、お互いにDC内での地位が低下していることや、コロスの命令ゆえ、協力する。
では、地球人出身のバルマー帝国傘下…早い話が「地球圏の裏切り者」同士である。
ドン・ザウサーコロス
第4次におけるDC総帥と副総帥。つまりは、上役。
諸葛亮孔明
αにおける協力者。
ホネルバ
Wでは共闘するが……。
幽羅帝
Jでは彼女達鉄甲龍とも早々と手を組む。
シンクライン皇太子
Wでは共にインファレンスに拾われ、終盤に共闘してノイ・ヴェルターに挑む。
ズール皇帝ムゲ・ゾルバドス
Dr.ヘルと肩を並べるスーパー系悪の大ボスの代表格。第2次Zでは黒の英知に触れた者同士、手を組んでいる。

ガンダムシリーズ

ギレン・ザビ
Dr.ヘルと肩を並べるリアル系悪の大ボスの代表格。F完結編ではギレンが総帥、ヘルが幹部という力関係。一方、αでは対等の立場で共演。
シャア・アズナブル
旧シリーズでは、ヘルが登場する第4次以前にDCを離脱しているが、第3次前半までは同僚だった。
では、地球人出身のバルマー帝国傘下…早い話が「地球圏の裏切り者」同士である。
ハマーン・カーン
ヘル自身が登場しない第3次までは同僚。
Fでは上役。
ミネバ・ラオ・ザビ
FではDCの名目上の総帥で、上役。
東方不敗マスター・アジア
FF完結編では彼と手を組む。
デキム・バートン
CCでは彼と手を組み、またエネルガーZを提供する。
ラウ・ル・クルーゼ
Wでは共にインファレンスに拾われ、終盤に共闘してノイ・ヴェルターに挑む。

リアル系

ガウルン
Jでは彼とも共闘体制をとる。

バンプレストオリジナル

ビアン・ゾルダーク
旧シリーズでは共演していないが、第2次の時点では「総帥と幹部」の関係。
プレイヤーの間では、「ビアンとは友人同士」という説が有力視されている。
ジュデッカ・ゴッツォ
では彼が率いるバルマー帝国辺境方面軍第8艦隊の傘下に入る。
インファレンス
Wでは彼に拾われ、全宇宙の知を集め続ける彼らザ・データベースに感動し、彼に積極的に協力、そして共に知を集める旅に出る事を認めさせた。

名台詞

TV版

「人間の知恵は無限じゃ。また、悪知恵も無限じゃ!」
作戦の失敗により死のうとするあしゅら男爵に対して。Dr.ヘルの性格がよくわかる。
「こんな機械獣ではだめだ!」
頑固職人の様に機械獣を作っては破壊した。
「ロケット工学の複雑な理論を無視し、そしてこのワシに勝ちおった…」
「兜博士よ、ワシは君がうらやましい。敵ながら天晴れな跡継ぎを持ったと言ってよいだろう…!」
第32話にてロケットを手に持って飛ぶという方法でゲルべロスJ3(SRW未登場)をマジンガーZが打ち破ったという報告を聞いた後の台詞。

漫画版

「なぜ地獄(ヘル)と呼ばれるか、その“いわれ”をおおしえしよう。この私の姿を見た者は、必ず地獄に落ちるからだ!」
漫画版の台詞で、自身の名前の由来を明かしている。
なお後のシリーズにはマジンガー乗りでありながら「地獄」を名乗るも登場しており、CCBXでは対面が実現してしまう(一応、それらの作品に登場するヘルはOVA版や『真マ』版なので別設定だが)。それどころかBXでは甲児まで「地獄」を名乗り出す
「かつて、アレクサンダー大王がナポレオンが、そしてヒットラーが! 成し遂げれなかった世界征服をこのDr.ヘルが成し遂げるのだ!!」
Dr.ヘルが己の夢を語る台詞で、彼は元ナチスドイツである為に余計にこの台詞に深みがでる。
津島直人氏の漫画版『マジンカイザー』では、“世界征服”の解釈を違った形で捉えた台詞として使われている。
「Dr.ヘルはまたも挑戦する」
「幼少を、そして青春期に冷たい仕打ちを続けた人々を呪い…」
「今、全人類を足元に平伏させんが為に」
「その人生の全てをかけて…」
「頑張れDr.ヘル、戦えDr.ヘル、勝利は目の前だ」
桜多吾作氏の漫画版『闘え!!Dr.ヘル』を締めくくる台詞。

真マジンガー

「どうにもこの戦い、最初から敵を騙したり、誰かに化けたり、秘密を作ったり、裏切りの連続だった……だが、それももうこれで最後だ! 立て! 地獄王!」
地獄王ゴードンを起動させる際の台詞。BXではDVE。
「馬鹿かぁっ!!」
「脳ある鷹はパンチを隠す!」と叫ぶ甲児に対しての返し。ロケットパンチ100連発と言う無茶過ぎる光景を見れば、こうも返したくなるだろう…。

スパロボシリーズの名(迷)台詞

旧シリーズ

「風邪ひいてまんねん」
F完結編』スーパー編シナリオ「絆」での台詞。声優ネタ。元ネタは風邪薬のCM。
「今日はロンド・ベルを! 明日は世界を!」
上記の後の台詞。あしゅら男爵は絶句していた。

Zシリーズ

(皇帝ズールよ、貴様のもたらした黒の英知なるもの、決して無駄にはせぬぞ)
第2次Z 破界篇終盤でバードス島最深部の調査へと向かう直前、ズール皇帝の敗北を知り呟いたモノローグ。
「お前達こそ、いいのか? あしゅらに協力すれば、かつての同志……『荒ぶる神』を復活させることもできよう」
「死線! 総攻撃Dr.ヘル!」のIMにて、ゲシュタルトムゲに対して。しかし当の二人は「過去のことなど興味はない」「今の黒の英知の継承者はあなただ」と応じなかった。
「荒ぶる神」の正体は時獄篇明らかになった。
光子力……それは古の神の力……バアルと戦い、この世界を照らすための力」
「その力は時空さえも捻じ曲げる。お前達……大時空振動でなぜ日本が二つになったか、わかるか?」
「そのまさかよ! バードス島に眠っていたゼウスの腕が、同じ光子力を秘めたこの富士の地下に眠るジャパニウム鉱石に反応し……一つに重なるはずだった日本の片方を太平洋へと押し出したのだ!」
再世篇における最大の謎「二つの日本」の真相。重なるはずだったエリア11ゼウスの腕とジャパニウム鉱石が弾き出したらしい
「全てはいずれ起こる真戦に向けてこの世界に眠る光の力を守るためよ」
「そして、その力を託されるべきは、このワシ、Dr.ヘルをおいて他にはないのだ」
その続き。「真戦」とはガイオウの言からするにZにおける黒歴史らしいが、ケドラは「既にこの星の人類は真戦の中にいる」と述べていた。もしや、この世界においてもあの「果てなき戦いの環」が待っているというのだろうか。
「兜甲児……とんでもない過ちを……! 奴が、奴こそが……!」
イベント戦闘で撃破された際の台詞。光子力の器たる地獄王ゴードンを破壊され、ミケーネの神官と巫女たるあしゅらも逃がしてしまい、ミケーネ復活を止める手段が消失してしまう。この時点でのあしゅらはバアルの存在を鑑みて血の儀式を先延ばしにしているが、続編ではヘルの懸念が的中してしまう事態に

携帯機シリーズ

「貴様たちには力がある。並外れた力が。その力を、なぜ愚かな地球連合などに与して無駄にするのだ」
「どうだ貴様たち。ワシと組んで、思う存分にあばれてみないか。連合でもプラントでもない。我らの力で地球圏を守り、そして人類を支配しようではないか!」
「今の人類は互いに殺し合うことしかせん。グラドス人どもの言っておる通りよ。人類は、地球は、強大なる力によって支配されねばならん。オルファン異星人? ハハハハッ、そんなものは関係ないのだ。このままであればそんなものは関係なく、人類は滅ぶであろう」
J』第29話「地獄城の激闘!」より。地獄王ゴードンが倒された後、原作通りに姿を現わした時の台詞。世界を統一することによって、曲がりなりに地球を救おうと考えていたが、結局その考えをプレイヤー部隊の面々に否定されてしまう。
「だがいずれ貴様たちも気付くぞ。その力を連合などに使われることの愚かさをな」
上の場面で自身の考えを非難してきたプレイヤー部隊に対して。皮肉にも上記の台詞が後のシナリオで的中する事に…。