「ビームシールド」の版間の差分

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== ビームシールド(Beam Shield) ==
 
== ビームシールド(Beam Shield) ==
[[バリア]]フィールドの一種。『[[ガンダムシリーズ]]』では「盾」として使われる。戦場での効果はビームと実弾を両方を完全防御。必要ないときに起動せず、両腕を常時使える体勢になる。
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[[バリア]]フィールドの一種。『[[ガンダムシリーズ]]』では「盾」として使われる。戦場での効果は[[ビーム兵器]]と実弾を両方を完全防御。必要ない時に起動せず、両腕を常時使える体勢になる。
  
発生基部は非常にコンパクトなため機体に内蔵される場合が多いが、[[V2アサルトガンダム]]のようにバリアビットと併用するもの、[[インフィニットジャスティスガンダム]]のようにウェポンラックと兼用するものなど例外がある。
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発生基部は非常にコンパクトなため機体に内蔵される場合が多いが、[[V2アサルトガンダム]]のようにバリアビットと併用するもの、[[インフィニットジャスティスガンダム]]のようにウェポンラックと兼用するもの等、例外が有る。
  
 
=== [[宇宙世紀]]作品(『[[機動戦士ガンダムF91]]』以降) ===
 
=== [[宇宙世紀]]作品(『[[機動戦士ガンダムF91]]』以降) ===
 
[[宇宙世紀]]0110年頃に実用化された装備。発生器から中心部周囲にメガ粒子エネルギーを帯状に展開する、平たく言えば'''幅広く展開する[[ビームサーベル]]'''である。しかし、広い範囲に常時起動させるにはビームサーベルの比ではない高出力が必要になるため、[[モビルスーツ]]誕生から40年にしてようやく実現した。これはモビルスーツの小型化による出力のコストダウンの恩恵もある。
 
[[宇宙世紀]]0110年頃に実用化された装備。発生器から中心部周囲にメガ粒子エネルギーを帯状に展開する、平たく言えば'''幅広く展開する[[ビームサーベル]]'''である。しかし、広い範囲に常時起動させるにはビームサーベルの比ではない高出力が必要になるため、[[モビルスーツ]]誕生から40年にしてようやく実現した。これはモビルスーツの小型化による出力のコストダウンの恩恵もある。
  
発見されやすくなる欠点もあるため、実用後も偵察機などあえて持たない機種もある。基本的にビームサーベルと同じ物なので攻撃にも使えるが、自機に当たるような部分はコンピュータが自動で消すため自爆の危険は無い。
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発見されやすくなる欠点もあるため、実用後も偵察機などあえて持たない機種もある。基本的にビームサーベルと同じ物なので攻撃にも使えるが、自機に当たるような部分はコンピュータが自動で消すため[[自爆]]の危険は無い。
  
ちなみに起動できるだけの[[出力]]数値はおよそ「3,900kw」。[[デナン・ゾン]]がこの数値でビームシールドを起動させているが、[[ガンダムF90]]はそれ以下なので、Vタイプのサブジェネレータ併用で起動させている。[[V2アサルトガンダム]]の「メガビームシールド」は発生器とバリアビットの展開により広範囲かつ強力な防壁を形成する。ちなみにV2ガンダムのジェネレータ出力は「7,510kw」である。と言ってもガンダムシリーズのジェネレータや推力の設定はかなり適当なのでアテにはならない。
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ちなみに起動できるだけの[[出力]]数値はおよそ「3,900kw」。[[デナン・ゾン]]がこの数値でビームシールドを起動させているが、[[ガンダムF90]]はそれ以下なので、Vタイプのサブジェネレータ併用で起動させている。[[V2アサルトガンダム]]の「メガビームシールド」は発生器とバリアビットの展開により広範囲かつ強力な防壁を形成する。ちなみにV2ガンダムのジェネレータ出力は「7,510kw」である。…と言っても[[ガンダムシリーズ]]のジェネレータや推力の設定はかなり適当なので、アテにはならない。
  
[[ビーム兵器]]に対して無類の防御力を誇り、[[U.C.]]0130年代位までは貫通できるのは[[ヴェスバー]]の高速度ビームぐらいである。もちろん実体盾と同様に実体弾に対しても有効に機能するうえ、防御したはいいが代わりに破壊されてしまう、というようなリスクも小さい(発生器さえ無事なら再度ビームを張れるため)。そのためU.C.0130年代の[[クロスボーン・ガンダム]]シリーズは、近接格闘に重きを置いた設計となっている。
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[[ビーム兵器]]に対して無類の防御力を誇り、U.C.0130年代位までは貫通できるのは[[ヴェスバー]]の高速度ビームぐらいである。もちろん、実体盾と同様に実体弾に対しても有効に機能する上に、「防御したは良いが代わりに破壊されてしまう」というようなリスクも小さい(発生器さえ無事なら再度ビームを張れるため)。そのため、U.C.0130年代の[[クロスボーン・ガンダム]]シリーズは、近接格闘に重きを置いた設計となっている。
  
しかし、その後ビーム兵器の威力も向上したためか『[[機動戦士Vガンダム]]』のモビルスーツは、従前通り射撃主体の設計になっている。とはいえビームシールドを破れるようなビーム兵器がいくらか出てきたVの年代においても、数機のシールドを合わせることで強力なビームを防ぐといったことが[[量産機]]クラスでも可能である(後の作品で似たようなことを[[ビルゴII]]も行っている)。
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しかし、その後ビーム兵器の威力も向上したためか『[[機動戦士Vガンダム]]』のモビルスーツは、従前通り射撃主体の設計になっている。とはいえビームシールドを破れるようなビーム兵器がいくらか出てきた『V』の年代においても、「数機のシールドを合わせることで強力なビームを防ぐ」といった事が[[量産機]]クラスでも可能である([[新機動戦記ガンダムW|後の作品]]で、似たようなことを[[ビルゴII]]も行っている)。
  
欠点はエネルギーを大量に消費する点に加え、発生器を破壊されると使用不能に陥るという点が挙げられる。大質量の物理攻撃は衝撃を殺しきれないため、[[Vガンダム]]のパーツアタックやアインラッドなどによる体当たり攻撃も有効。
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欠点は「[[動力・エンジン・エネルギー|エネルギー]]を大量に消費する点に加え、発生器を破壊されると使用不能に陥る」という点が挙げられる。大質量の物理攻撃は衝撃を殺しきれないため、[[Vガンダム]]のパーツアタックやアインラッド等による体当たり攻撃も有効。
  
シールドを展開することで、大気圏突入も可能と理論で語られていたが、それを初めて実行・成功せしめたのが[[キンケドゥ・ナウ]]搭乗の[[クロスボーン・ガンダムX1]]である(作品の発表年代的にはより早く、Vガンダムの作中で複数機がそれを実行している)。
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「ビームシールドを展開することで、大気圏突入も可能」と理論で語られていたが、それを初めて実行・成功せしめたのが[[キンケドゥ・ナウ]]搭乗の[[クロスボーン・ガンダムX1]]である(作品の発表年代的にはより早く、Vガンダムの作中で複数機がそれを実行している)。
  
実用化後は民間企業のシャトルがデブリ対策に使用するなど、幅広く浸透している。艦の防御や大気圏突入時の保護をまとめて行えるという利点もあってか、Vの年代では戦艦への搭載も一般的になっている(基本的に艦首に装備する)。
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ビームシールドの実用化後は民間企業のシャトルがデブリ対策に使用する等、幅広く浸透している。また、艦の防御や大気圏突入時の保護をまとめて行えるという利点もあってか、『V』の年代では戦艦への搭載も一般的になっている(基本的に艦首に装備する。一例を挙げると、[[リーンホースJr.]]艦首に展開される「ビームラム」が有る)。
  
 
=== [[コズミック・イラ]]作品(『[[機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY]]』『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』) ===
 
=== [[コズミック・イラ]]作品(『[[機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY]]』『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY]]』) ===
ユーラシア連邦が開発した「光波防御帯」通称「アルテミスの傘」が原型。非常に大型であったそれを[[モビルスーツ]]サイズまでダウンサイジングした「アルミューレ・リュミエール」(光の装甲)と呼ばれるビームシールドが開発、[[ハイペリオンガンダム]]に搭載された。特徴は[[宇宙世紀]]とほぼ同じだが、かなり大型でモビルスーツを広範囲にカバーする[[バリア]]に近い扱いである。また、連合製モビルアーマーが装備する[[陽電子リフレクター]]もこの技術から生まれたもの。その後ザフト側で宇宙世紀のものと同等サイズのビームシールド(ザフト正式のものは「ソリドゥス・フルゴール」の名がある)が開発され、[[ストライクフリーダムガンダム]]や[[デスティニーガンダム]]など、大戦末期の一部機体に装備された。弱点はビーム透過処置を施した近接武器では対応できないことが挙げられる。
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ユーラシア連邦が開発した「光波防御帯」通称「アルテミスの傘」が原型。非常に大型であったそれを[[モビルスーツ]]サイズまでダウンサイジングした「アルミューレ・リュミエール」(光の装甲)と呼ばれるビームシールドが開発、[[ハイペリオンガンダム]]に搭載された。
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特徴は[[宇宙世紀]]のものとほぼ同じだが、かなり大型でモビルスーツを広範囲にカバーする[[バリア]]に近い扱いである。また、連合製モビルアーマーが装備する[[陽電子リフレクター]]もこの技術から生まれたもの。その後ザフト側で宇宙世紀のものと同等サイズのビームシールド(ザフト正式のものは「ソリドゥス・フルゴール」の名がある)が開発され、[[ストライクフリーダムガンダム]]や[[デスティニーガンダム]]など、[[第2次連合・プラント大戦|大戦]]末期の一部機体に装備された。
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なお、C.E.世界におけるビームシールドの弱点は「ビーム透過処置を施した近接武器では対応できない」事が挙げられる。
  
 
=== [[西暦]]作品(『[[機動戦士ガンダム00]]』) ===
 
=== [[西暦]]作品(『[[機動戦士ガンダム00]]』) ===
[[アリオスガンダム]]と[[アルケーガンダム]]に搭載されている。[[GNフィールド]]と原理はほぼ変わらないが、[[GNドライヴ]]を動力としているため、出力は正常に機能すると思われる。
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[[アリオスガンダム]]と[[アルケーガンダム]]に搭載(「GNビームシールド」と呼称)されている。[[GNフィールド]]と原理はほぼ変わらないが、[[GNドライヴ]]を動力としているため、[[出力]]は正常に機能すると思われる。なお、GNフィールドとの差別化の為か、他作品の様に「使用時おいて(ビームで)光る」という演出は見られなかった。
  
 
=== 他作品の類似の武装 ===
 
=== 他作品の類似の武装 ===

2016年11月5日 (土) 23:51時点における版

ビームシールド(Beam Shield)

バリアフィールドの一種。『ガンダムシリーズ』では「盾」として使われる。戦場での効果はビーム兵器と実弾を両方を完全防御。必要ない時に起動せず、両腕を常時使える体勢になる。

発生基部は非常にコンパクトなため機体に内蔵される場合が多いが、V2アサルトガンダムのようにバリアビットと併用するもの、インフィニットジャスティスガンダムのようにウェポンラックと兼用するもの等、例外が有る。

宇宙世紀作品(『機動戦士ガンダムF91』以降)

宇宙世紀0110年頃に実用化された装備。発生器から中心部周囲にメガ粒子エネルギーを帯状に展開する、平たく言えば幅広く展開するビームサーベルである。しかし、広い範囲に常時起動させるにはビームサーベルの比ではない高出力が必要になるため、モビルスーツ誕生から40年にしてようやく実現した。これはモビルスーツの小型化による出力のコストダウンの恩恵もある。

発見されやすくなる欠点もあるため、実用後も偵察機などあえて持たない機種もある。基本的にビームサーベルと同じ物なので攻撃にも使えるが、自機に当たるような部分はコンピュータが自動で消すため自爆の危険は無い。

ちなみに起動できるだけの出力数値はおよそ「3,900kw」。デナン・ゾンがこの数値でビームシールドを起動させているが、ガンダムF90はそれ以下なので、Vタイプのサブジェネレータ併用で起動させている。V2アサルトガンダムの「メガビームシールド」は発生器とバリアビットの展開により広範囲かつ強力な防壁を形成する。ちなみにV2ガンダムのジェネレータ出力は「7,510kw」である。…と言ってもガンダムシリーズのジェネレータや推力の設定はかなり適当なので、アテにはならない。

ビーム兵器に対して無類の防御力を誇り、U.C.0130年代位までは貫通できるのはヴェスバーの高速度ビームぐらいである。もちろん、実体盾と同様に実体弾に対しても有効に機能する上に、「防御したは良いが代わりに破壊されてしまう」というようなリスクも小さい(発生器さえ無事なら再度ビームを張れるため)。そのため、U.C.0130年代のクロスボーン・ガンダムシリーズは、近接格闘に重きを置いた設計となっている。

しかし、その後ビーム兵器の威力も向上したためか『機動戦士Vガンダム』のモビルスーツは、従前通り射撃主体の設計になっている。とはいえビームシールドを破れるようなビーム兵器がいくらか出てきた『V』の年代においても、「数機のシールドを合わせることで強力なビームを防ぐ」といった事が量産機クラスでも可能である(後の作品で、似たようなことをビルゴIIも行っている)。

欠点は「エネルギーを大量に消費する点に加え、発生器を破壊されると使用不能に陥る」という点が挙げられる。大質量の物理攻撃は衝撃を殺しきれないため、Vガンダムのパーツアタックやアインラッド等による体当たり攻撃も有効。

「ビームシールドを展開することで、大気圏突入も可能」と理論で語られていたが、それを初めて実行・成功せしめたのがキンケドゥ・ナウ搭乗のクロスボーン・ガンダムX1である(作品の発表年代的にはより早く、Vガンダムの作中で複数機がそれを実行している)。

ビームシールドの実用化後は民間企業のシャトルがデブリ対策に使用する等、幅広く浸透している。また、艦の防御や大気圏突入時の保護をまとめて行えるという利点もあってか、『V』の年代では戦艦への搭載も一般的になっている(基本的に艦首に装備する。一例を挙げると、リーンホースJr.艦首に展開される「ビームラム」が有る)。

コズミック・イラ作品(『機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』)

ユーラシア連邦が開発した「光波防御帯」通称「アルテミスの傘」が原型。非常に大型であったそれをモビルスーツサイズまでダウンサイジングした「アルミューレ・リュミエール」(光の装甲)と呼ばれるビームシールドが開発、ハイペリオンガンダムに搭載された。

特徴は宇宙世紀のものとほぼ同じだが、かなり大型でモビルスーツを広範囲にカバーするバリアに近い扱いである。また、連合製モビルアーマーが装備する陽電子リフレクターもこの技術から生まれたもの。その後ザフト側で宇宙世紀のものと同等サイズのビームシールド(ザフト正式のものは「ソリドゥス・フルゴール」の名がある)が開発され、ストライクフリーダムガンダムデスティニーガンダムなど、大戦末期の一部機体に装備された。

なお、C.E.世界におけるビームシールドの弱点は「ビーム透過処置を施した近接武器では対応できない」事が挙げられる。

西暦作品(『機動戦士ガンダム00』)

アリオスガンダムアルケーガンダムに搭載(「GNビームシールド」と呼称)されている。GNフィールドと原理はほぼ変わらないが、GNドライヴを動力としているため、出力は正常に機能すると思われる。なお、GNフィールドとの差別化の為か、他作品の様に「使用時おいて(ビームで)光る」という演出は見られなかった。

他作品の類似の武装

一例として、『コードギアス 反逆のルルーシュ』に登場するナイトメアフレームの装備「ブレイズ・ルミナス」が挙げられる。

スパロボシリーズにおける扱い

上述の通り、原作では実体盾より防御力が高いとされているビームシールドだが、SRWにおいてはほとんどの作品で実体盾によるシールド防御と変わらない効果を持つ(各作品における詳細な効果は当該項目を参照)。

シールド防御の概念が初めて登場したFC版『第2次スーパーロボット大戦』において、盾防御が可能だったのはビームシールド装備機のガンダムF91ビギナ・ギナのみであり、この時点では実体盾と区別されていた。

シールド防御が一般化した『第4次』以降のほとんどの作品では、通常の実体盾と変わらない扱いを受けるようになった。シールド防御とは別名義の特殊能力として扱われていた『第2次G』でも、効果自体は同様であった。

近年ではシールド防御と効果が差別化されている作品もある。例えば『K』では、通常のシールド防御よりもダメージ軽減率が高い上位互換の性能となっている。

OE』では、シールド防御と軽減率がほとんど変わらない割に発動にENを消費するため、上位互換とは言えなくなっている。また、実体ではない盾で防御するブレイズ・ルミナス輻射障壁EシールドGNフィールドストレインフィールドもビームシールドに近い効果を持つ。

グラフィック自体は初期の作品からあったが、発生演出はプレイステーション2で発売された『第2次スーパーロボット大戦α』からとなっており、防御だけでなくマザー・バンガードの「突撃」の際にも使用される。

余談

資料リンク