Dr.ヘル一派

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Dr.ヘル一派は、「マジンガーシリーズ」に登場する敵勢力

概要

世界征服を企む悪の天才科学者Dr.ヘルの率いる一派[1]

地中海のバードス島にて発掘されたミケーネ文明の巨大ロボットをベースにした機械獣軍団を主力とする。バードス島の地獄城を本部としており、他にピグマン子爵が所属していたアフリカ支部の存在が語られている。

永井豪の漫画版

『週刊少年ジャンプ』連載時は、Dr.ヘル一派は「五つの軍団」で編成されている事が言及される。ただし、作中に出てきたのは「鉄仮面軍団」「鉄十字軍団」の二つだけで、他の三軍団については明言されない。終盤になって、ブロッケン伯爵東京あしゅら男爵光子力研究所の同時攻撃を命じ、大量の機械獣を動員する。結果的に、ブロッケン率いる軍団はマジンガー軍団の奮闘により壊滅。あしゅら率いる軍団も甲児に管制を乗っ取られた飛行要塞グールの激突により壊滅した。それに憤ったDr.ヘルがバードス島より出陣する……ところで連載は終了した

『テレビマガジン』連載時は、中盤からゴーゴン大公の援軍を受けたり、ピグマン子爵を派遣して超能力で甲児を直接叩かせたりと、『週刊少年ジャンプ』連載時よりも戦術のバリエーションが豊かになった。結局は連載最終回にて、Dr.ヘルとブロッケン伯爵が討ちとられ、Dr.ヘル一派は壊滅した。

このため大半の単行本は、ジャンプ連載分、テレマガ連載分、後述する加筆の混成となっている。加筆分では、「地獄城総攻撃作戦を察知したDr.ヘル一派が甲児側に総攻撃を仕掛けるが、ジャンプ連載版の経緯であしゅらとブロッケンが敗れ、Dr.ヘルは地獄王ゴードンを用いてマジンガーZと決着を付けんとする」展開になる。

なお、単行本によっては構成上、『グレートマジンガー』の冒頭に「マジンガーZとDr.ヘル一派の最終決戦」が収録されることもある。

桜多吾作の漫画版

本編より数年前に、アフリカ大陸のとある国を征服し、資源の供給源にしていた。他にも自衛隊から物資を強奪したりと、補給に関する描写が強調されている。短編作品『闘え!!Dr.ヘル』でもブロッケン伯爵が乗っ取ったシンジケート資金・人手の供給源となっていたことが語られる。

真マジンガー 衝撃! Z編

本編より十年前に、あしゅら、ブロッケン、ピグマン、兜十蔵兜剣造の五大軍団で世界征服に乗り出すはずだった。しかし、世界征服よりも光子力研究を選んだ十蔵がバードス島より脱出し、剣造が行方知れずになったため、『マジンガーZ』同様に二大軍団+ピグマン子爵で世界征服に乗り出す。

一見すると他のメディアと大差無いが、あしゅら男爵を含めた古代ミケーネ人に非道極まりない仕打ちを行った上でDr.ヘル一派が設立された事が、本編の終盤で明らかとなる。

真マジンガーZEROシリーズ

『真マジンガーZERO』では事実上、唯一最大の敵勢力。アメリカ合衆国の蹂躙を皮切りに全世界へ侵攻。あしゅら・ブロッケン軍団もバードスの杖の「あらゆる機械を操れる力」を存分にふるい地上殲滅戦争を絶対有利のまま進め、光子力研究所バリアに守られた日本の寸土以外の人々は、僅かな地下シェルターに追いやられた。本編開始時には正にマジンガーと兜甲児たちだけが世界征服に残された小さな障害であり、マジンガーシリーズ史上、最も莫大な戦果を上げたDrヘル一派と言っても過言ではないだろう。

続編の『真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍』では、第二の主要舞台となった差異次元で壊滅済みの情報のみが語られる。しかしループを繰り返して無数の情報を蓄積した甲児でさえも苦戦必至の敵には変わらなかった模様で、人類に数十億の被害と、甲児自身もサイボーグ化を強いられていた[2]

登場作品

旧シリーズ

Dr.ヘルあしゅら男爵ブロッケン伯爵の両幹部がDCに所属。元々DC内部ではそれなりの勢力を持っていたようであるが、あしゅら男爵らの敗北で地位は下がりっぱなしのようである。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
『α』のストーリー開始前から戦っていた設定。後半のア・バオア・クー戦では死亡した訳では無く以降の行方は不明であったが、『第2次α』でDr.ヘル地獄大元帥として復活したことを考えると、『α外伝』と『第2次α』の間で決戦があったと思われる。

Zシリーズ

『真マジンガー』設定。

第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
終盤Dr.ヘルとピグマン子爵が戦死、あしゅら男爵とブロッケン伯爵は生き延びている。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
前作で生き延びていた二人が登場。しかしブロッケン伯爵は戦死し、あしゅら男爵もハーデス神以下ミケーネ神を呼び起こす為に行った儀式で自決する。

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦COMPACT
前大戦に当たる「メガノイド戦役」の前から地上で暴れまわっていた。「メガノイド戦役」の際はなりを潜めていたが、一年戦争が大きく動いてからは地球連邦軍ジオン公国軍と敵対する。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
OVA版設定。作中ではガウルン傭兵集団や鉄甲龍と手を組み暗躍する。
スーパーロボット大戦W
OVA版設定。ガルラと手を組むも、終盤に裏切られる。
スーパーロボット大戦K
壊滅済み。
スーパーロボット大戦L
OVA版設定。壊滅済み。
しかし、本作のマジンガーZ旧グレートは火力はともかく装甲は全ユニット中トップクラスであるため、「これらの2機を追いつめたDr.ヘル一派は、どれだけ強かったのだろうか?」とネタにされる事も。
スーパーロボット大戦BX
『真マジンガー』設定。海底要塞サルードが撃沈された後のエピソードから始まる。『マジンカイザーSKL』とのクロスオーバーが多い。

VXT三部作

スーパーロボット大戦V
『真マジンガー』設定。宇宙世紀世界においては通常配備の地球連邦軍では機械獣に太刀打ちできず、必然的にロンド・ベルがDr.ヘル一派の相手もしている(その関係で、ジュドー達は本編開始以前に甲児達と知り合っている)。
スーパーロボット大戦X
『真マジンガー』設定。壊滅済みであり、ブロッケン伯爵が唯一の生き残りとして登場する。
スーパーロボット大戦T
『INFINITY』設定。同作の公開当時、寺田貴信Pがインタビューでコメントしていた「今作のDr.ヘルは並行世界から転移してきた」という解釈[3]を採用しており、10年前に倒されたDr.ヘル一派と違い、雌伏を選んだ可能性の世界から襲来したことが語られている。

単独作品

新スーパーロボット大戦
Dr.ヘル、あしゅら男爵が登場。ブロッケン伯爵は名前のみ登場。バルマー帝国の配下だが、グレスコと対等に会話できる位の待遇ではある模様。
スーパーロボット大戦GCXO
OVA版設定。
スーパーロボット大戦X-Ω
マジンガー系キャラを中心に、珍しく「地下帝国」と一派を呼び習わす場面が多い。メインシナリオ序盤はいつも通りのやられ役だが、あしゅら男爵が別行動で南十字島に赴き、一風変わったクロスオーバーで長期に渡って活躍する。
ユニットシナリオでも、原作の敵勢力がいない作品の穴を埋める敵役として多数出演するので、存在感はそれなりに稼いでいる。機械獣の大群が、という表現もよく使われるので、もしかしたら相当の物量戦力ではあるのかもしれない。
スーパーロボット大戦DD
OVA版設定でワールド1の世界より登場。ただOVAでは冒頭の戦闘時点で甲児や鉄也らと既に戦いを何度も行っていたという設定であったが、今作ではそれより前の甲児とマジンガーZとの戦いが始まるところから描かれる。

人物

Dr.ヘル
首魁。
あしゅら男爵
幹部。OVA版では唯一の幹部として登場する。
ブロッケン伯爵
幹部。
ピグマン子爵
幹部。その姿はマサイ族の男の首から上にピグミー族の上半身を繋いだという奇怪極まりないものである。なお、このマジンガーZ版ピグマン子爵はSRW未登場[4]
その後、真マジンガー版のピグマン子爵としてSRWにようやく登場する事となった。詳しくは、ピグマン子爵の頁を参照。
ゴーゴン大公
ミケーネ帝国からの協力者にして諜報員
兜剣造
『真マジンガー 衝撃! Z編』では、過去話においてDr.ヘルに降っていた。
鉄仮面
あしゅら男爵配下のサイボーグ兵士。
鉄十字兵
ブロッケン伯爵配下のサイボーグ兵士。

関連用語

機械獣
主戦力その1。
妖機械獣
主戦力その2。
バードス島
当初の本拠地。
バードスの杖
機械獣のコントローラーとなる錫杖。
『真マジンガーZERO』など一部の作品では「マジンガー達以外のあらゆる機械を操れる」と能力が大幅に拡大している。
地獄城
前線基地。
ミケーネ帝国
彼等からの協力を受ける。

脚注

  1. 原作において特に組織名が無いため『ロボットガールズZ』などの作品では「地下帝国」という呼び方もされるが、SRWでは他にも地下に本拠を置く勢力が存在する場合が多いこともあってか、そう呼ばれる例は非常に少ない。連合するケースが多い恐竜帝国などとまとめて「地下勢力」と呼ぶ作品がある。
  2. 一応被害者の人数とサイボーグ化した甲児の肉体の機械化した割合が下がっている。
  3. 『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』金丸裕プロデューサー×『スーパーロボット大戦』シリーズ寺田貴信プロデューサー対談・後編――『劇場版 マジンガーZ 』は、あしゅら男爵のような作品!? 2019年12月4日閲覧。
  4. ピグマン子爵が既述した姿で登場しない理由は、実在する民族のピグミー族やマサイ族を使った設定が差別的な表現(所謂、黒人タブー)となる事が一因と見られ、その辺りは漫画『マジンサーガ』の比丘魔(ピグマ)子爵や、『真マジンガー 衝撃! Z編』においてデザインで改められた事からも推測される。