ミスター・ブシドー
ミスター・ブシドー(Mr. Bushido)
- 登場作品:機動戦士ガンダム00
- 声優:中村悠一
- 本名:グラハム・エーカー
- 種族:地球人
- 性別:男
- 年齢:32歳
- 所属:アロウズ
- 階級:ライセンサー
- 主な搭乗機:アヘッド・サキガケ→マスラオ→スサノオ
- キャラクターデザイン:高河ゆん(原案)、千葉道徳
アロウズに所属する謎の男。仮面を被っているだけでなく、陣羽織を身に纏うなどいささか異様な風貌をしている。独自行動権限を持つ「ライセンサー」なだけあって実力は非常に高く、近接戦用の専用機でガンダムと互角に渡り合うなどかなりのものを持つ。だが、ガンダムと戦うこと以外には興味が無いらしく、「ワンマンアーミー」を自称したりライセンサーであることを理由に命令に従わないことも多く、不満を持つ者も多かった。素性については自分の星座が乙女座であること、そしてビリー・カタギリと親友であり、彼から「グラハ…」と言われかけたことから、ある人物が想像されるが…。
そう、その正体は元ユニオンのグラハム・エーカーである。コロニー「エクリプス」宙域で刹那に正体を明かし、そして決闘を申し込む。だが刹那に敗北し、死に急ごうとするが彼に「生きるために戦え」と諭され、思い留まる。そして…。
ご覧のとおり、仮面の必要性が皆無なほど視聴者には正体がバレバレだったのだが、本編では本人から口にするまで徹底的に正体が伏せられていた。挙句の果てに「ミスター・ブシドー」の名前が出てくる以前の回では「仮面の男」とクレジットされていたりする(サーシェスやリジェネらは本編で名前が出てくる前からしっかりフルネームでクレジットされていた)。これは「ミスター・ブシドー」が、本人が名を明かさないので外見から他者がつけたニックネームであり、本人は迷惑がっていると言うこともあるかもしれない。
なお、彼が付けている仮面はパイロットスーツを着ている時と、そうでない時とで違う物になっている(戦闘中のものは顎の部分がない簡素なもの)。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇
- ブシドーとしての初登場作品。今回は正体を明かしてもキャラ名がブシドーのまま。刹那が出撃すると彼を執拗に狙って来るが、今回は初戦の時点で既に極を習得しており、HARDの最終戦ではエースボーナスによって確実に先手を取って来るので、なめると痛い目をみる。結末は原作通り生きて撤退するのだが、刹那との決闘は最終戦ではなく、ZRルートなら皇帝ルルーシュの旗下に入って決戦に現れ、騎士団ルートではホワイトファングに回収されてミリアルドの協力者として出てくる。ちなみに前作でグラハムが刹那に絡みまくっていたせいか、初戦で刹那に正体がバレている(原作ではブシドーが自ら正体を明かすまで気付かれなかった)。特殊セリフの種類がグラハムと同様(対刹那、対各種ガンダム、対アルト)で、今回は対藤堂セリフも用意されたが、味方側の専用セリフ(対アロウズ以外)がまさかのアムロだけという散々な目に…
任天堂携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦UX
- 00は劇場版で参戦なので登場しないが、グラハムが「ミスター・ブシドー」であった頃を恥じている言動を見せたり、ロックオンに「もう変な仮面被るなよ」とネタにされたりしている。
- しかし、皮肉なことに第一部終盤でグラハムが「ミスター・ブシドー」でなかったがために世界の危機に出撃する事が出来ないという場面が存在する。
単独作品
- スーパーロボット大戦OperationExtend
- 5章PVにてブシドー名義で味方参戦する事が明らかになる。<--その前にシャアやゼクスと共にコネクト・フォースに戦いを挑む。-->
- 初登場は第3章、ゼクスと同様、キシリア配下のオルトロス隊に参加した元連邦のエースとして登場、呼称に対する抵抗もない。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
今回はルートによっては事実上の00ラスボスになる(ゼロレクイエムはアロウズとリボンズ勢力壊滅後に設定されている)。能力はミリアルドよりいくらか劣るが、スキルも機体も初戦からかなり強い。接近して彼と戦う場合は、いくらエースボーナスとイノベイターを習得した刹那でも油断できない。
精神コマンド
特殊技能(特殊スキル)
- 極 底力 カウンター 気力限界突破 闘争心 Eセーブ サイズ差補正無視 ダッシュ
- 最初から八つのスキル所持の上に、性格と闘争心のおかげであっという間に極が発動する。というか、シナリオ中では「極みに達する事が出来ない」と言われたのに極があるのがツッコミ所である。
固有エースボーナス
- 特殊スキル『カウンター』発生率+100%
- ハードで修得された敵エースボーナスにしては珍しくユニークかつ強力なものではなく、味方キャラである星刻と同一(今回はルナマリアもガイオウのエースボーナスと同一だが)。どちらにせよ反撃に備えずに挑むことはまずないので、実害はあまりない。どう考えてもグラハムの頃のエースボーナスの方が厄介である。
必ず相手の先手を取るというのは、戦闘技術としては優れたものであり、彼が『極み』を目指した境地という事の表現とも考えられる。しかし、かつてのように精神コマンドを伴わないということは、見方によっては彼の『極み』には精神が伴っていないという暗喩なのかもしれない。
パイロットBGM
- 「儚くも永久のカナシ」
- 2ndのOPテーマ。
人間関係
- ビリー・カタギリ
- 本人曰く「盟友」。危うく(?)彼の正体を言いかけた(再世篇では思いきり「グラハム」と言ってしまっている)。その後は専用機を開発し、彼をサポートする。
- カティ・マネキン
- ライセンサーであることを盾にして命令に従わない彼に、不満を隠せなかった。
- バラック・ジニン
- 同僚だが、ガンダムを見逃すといった行為に対して困り果てていた。
- ルイス・ハレヴィ
- 部下。直接の関わりは少ないが、ブシドーについて知っていた様子。
- 刹那・F・セイエイ
- 「愛を超え、憎しみを超越し、宿命となった」因縁の相手(どちらかと言えば一方的に絡んでいる)。刹那は「自分たちが生み出した歪みのひとつ」として果し合いを受ける。
- ホーマー・カタギリ
- アロウズ司令官。彼を通じて武士道を学んだ(内容理解が不十分なことをどう思っていたかは描写されていない)だけでなく、「ライセンサー」の免許を渡した。
- リボンズ・アルマーク
- 彼を通じて果し合いの場を設けた。彼は「ガンダムと対等に戦える数少ないパイロット」と評し、本来イノベイターが自由行動を行うために存在する「ライセンサー」の免許をブシドーに渡している事からもその実力を評価していたようである。
- ハワード・メイスン
ダリル・ダッジ - 今は亡きかつての部下達。彼らへの思いからか、マスラオのビームサーベルの銘は「ハワード」と「ダリル」である。
他作品との人間関係
リアル系
- 藤堂鏡志朗
- 『再世篇』では彼との絡みが多く、戦闘アニメでの特殊台詞も用意されている。初対面時にブシドーが去った後、心の中で呟いた「私情で剣を抜くものに極みは達せない」という言葉は、ブシドーと言うキャラクターの核心を突いている。
- 扇要、玉城真一郎
- 『再世篇』にて、対面した際に度肝を抜かされる。
- 枢木スザク
- 『再世編』では、『修羅道』に堕ちた若武者と評する。また、終盤の黒の騎士団ルートでは彼にナイトオブゼロ(原作でのゼロに仕える騎士という意味ではなく、仕える者の無い騎士という意味)の称号を与えるというクロスオーバーがある。
- 早乙女アルト
- イプシロン
- アザディスタン制圧戦にて対面してモビルドールを否定し、信念で戦うもの同士共感している。
名台詞
- 「少年!」
- 刹那の事をこう呼ぶ。1stシーズンでもアザディスタンで会った際や最終話で「少年」と言っているのでブシドーになって言い始めたわけではないが、しつこくこう呼ぶので印象に残った視聴者も多いはず。
- 「そうか…現れてくれたか。自分が乙女座であったことを、これほど嬉しく思ったことはない」
- ガンダムが現れたという知らせを聞いて。相変わらず乙女座に拘っているらしい。というか、別にガンダムが現れたのは乙女座とは関係ない。
- 「断固辞退する。私は司令部より、独自行動の免許を与えられている。つまりはワンマンアーミー…たった一人の軍隊なのだよ」
- カティの命令を拒否して。組織からすれば、傍迷惑なんてものではないだろう。
- 「なんという僥倖!生き恥を晒した甲斐が、あったというもの!」
- ダブルオーのパイロットが刹那であることを察して。本当に感極まった様子である。「その恰好が生き恥じゃないのか?」と思った視聴者もいたとか…。
- 「興が乗らん!」
- カタロンへのオートマトン襲撃作戦をこの一言で抜ける。要するに「たとえ命令でも虐殺には加担しない」ということ。良識を捨てていないことが伺えるが、ピーリスやカティなどやむなく作戦に参加する人物も描写されているため、ライセンサーの権限とはいえ問題行動に見えてしまう。
- 「肩に動力のある二個付きのガンダムは私が相まみえる。干渉、手助け、一切無用!」
- ダブルオーが相手にいることを確認して。言わずとも、ガンダムを相手に出来るのは彼くらいだろうが…。
- 「そうだ…これとやりたかった!」
- トランザムを発動したダブルオーに対して。ようやく本気を出したと嬉しい様子。
- 「ならば斬る価値も無し!」
- 直後、オーバーロードを起こしたダブルオーを見逃して。彼にとっては本気の機体でなければ意味がないので気持ちは解るが、この後ジニンから「いくらなんでも勝手が過ぎる!」と当然の突っ込みを受けた…が、当の本人は「聞く耳持たぬ」とどこ吹く風。なお、スペシャルエディションではこの台詞はカットされている。
- 「勝手にそう呼ぶ…迷惑千万だな」
- カタギリから「今はミスター・ブシドーだったね」と言われて。何と今の名前は他称だった上に自分は嫌っていたことが判明した瞬間。だが服装や本名を名乗らないところからそう言われても説得力がない。ちなみに小説版ではカタギリに「気に入っているのかと思っていた」と突っ込まれている。
- 「邪険にあしらわれるとは!ならば、君の視線を釘付けにする!」
「とくと見るがいい…盟友が作りし、我がマスラオの奥義を!」 - アフリカタワーで刹那を待ち伏せして。そして「奥義」であるトランザムを発動し、刹那を驚愕させる。
- 「私は純粋に戦いを望む!ガンダムとの戦いを!そしてガンダムを超える!それが私の…生きる証だ!!」
- 刹那と交戦して。だが刹那は「今は戦いを望んでいない自分がいる」と返しており、この時点で2人の明暗が分かれている。
- 「この私、グラハム・エーカーは君との果し合いを所望する!」
- 仮面を外し、決闘を申し込む。ようやく
最初からバレバレの正体が判明した瞬間。 - 「無論だ! 私の空を汚し、同胞や恩師を奪い、フラッグファイターとしての矜持すら打ち砕いたのは他でもない、君とガンダムだ!」
「そうだとも!もはや愛を超え、憎しみをも超越し、宿命となった!!」 - 刹那に対しての糾弾。彼もガンダムに拘らなければ自分を保てなかったのだろう。当然のことながら刹那は4年前の愛の告白の時のように「宿命!?」と思わず鸚鵡返しに発言していた。
- 「一方的と笑うか? だが、最初に武力介入を行ったのはガンダムだということを忘れるな!」
- 上記の台詞の締め。一理あるし、刹那も「グラハムの歪みを生んだのは自分達」と認めているが、刹那へ最初に仕掛けてきたのはグラハムの方である。
- 「た、戦え…少年…!私を切り裂き、その手に勝利を掴んでみせろぉ!!」
- 機体を撃破され、介錯を求める。だが刹那からは「生きるために、戦え」と諭される。
- 「武士道とは…死ぬことと見つけたり…」
「くっ…武士道とは…!!」 - 自決しようとするが、刹那の言葉で思い留まる。そして…。
他媒体での名台詞
- そうだ、キミは私のプリマドンナ!
エスコートをさせてもらおう! - ノベライズ版におけるダブルオーとの初戦闘時の地の文。相変わらずガンダムを女性扱いであるが、この直前に刹那に向けて「決着はついていない」だの、「心ゆくまで踊りあかそうではないか」だの、ねちっこく決着を(地の文で)迫っている(一々語尾に「ガンダム」ではなく、「少年」と付けているので…)。しつこくて諦めが悪いのも相変わらずのようだ。
- 正確には、182回と言わせてもらおう!
- ノベライズ版における、「(ダブルオーライザーと)何回剣戟を重ねたかわからないほどだ」と地の文に言われた際のツッコミ。一々剣戟の回数を数えているだけでも相当アレだが、ギャグ作品でもないのに地の文にツッコミを入れるとは……。一応、その前後の地の文は全てブシドーのものと考えればフォローは可能ではある。
スパロボシリーズの名台詞
- 「既に名は捨て去った。呼びたければミスター・ブシドーとでも呼んでくれればいい」
「兵士たちが自分を遠巻きにしながら、そう口にしていた」 - 第2次Z再世篇での初登場時の名乗り。原作ではミスター・ブシドーと呼ばれるのを不快に思っており、自分からそう名乗った事はない(そもそも名を捨て去ったなどとは一言も言っていない)が、第2次Zでは気にしない事にしたらしい。
- 「フ…仮面を脱ぎ捨てたあなたと仮面を身につけた私の再会か…。奇妙な縁だな」
- ミリアルドとなったゼクスと再会しての一言。
- 「カタギリ…。君も修羅道に…いや魔道に堕ちたのか…」
- ゼロシステムの影響を受けて豹変したビリーの様子に絶句して。
- 「フ…そのような無粋な真似を同志に出会えた喜びに震える私が何故しなければならない?」
「左様。…人は私をミスター・ブシドーと呼ぶ。貴官と同じく誇りを背負い戦う者だ」 - MDを嫌悪するイプシロンにその事を上層部に伝えるかと問われた際の台詞。
- (若武者も修羅道に堕ちたか…人は変わるものだ)
- 炎に包まれるアザディスタン王国でZEXISを包囲し、ゼロへの敵意を剥き出しにするスザクを一瞥してのモノローグ。暗に己自身を自嘲する台詞にもなっている。
- 「なるほど!ナイトオブゼロという事か!」
- 黒の騎士団ルートにてスザクと対峙した際に「ナイトオブセブンの名は今の自分に相応しくない」「今の自分は空っぽの騎士だ」と言われた際の返答。まさかのブシドーによるナイトオブゼロ命名に多くのプレイヤーがずっこけたが、スザクは前向きに受け取り、以後ナイトオブゼロを名乗るようになる。
- 「生き恥と笑わば笑うがいい。だが、私は生まれ変わるために己を越えなければならん!」
「そのためには愛も憎しみも宿命も超越した戦いをここに所望する!」 - 再登場時の台詞。原作では刹那に敗れたあとエピローグでビリーの下に訪れるまで音沙汰がなかったブシドーだが、本作では「武士道とは死ぬことと見つけたり」に自分なりの答えを出し、ガンダムではなく自分自身の歪みに決着をつけるべく戦場に立つ。
- 「…ゼクス・マーキス……我が永遠の戦友よ…」
- 「最後の勝利者」で撃墜せずにシナリオクリアした場合。ここから下の台詞のガンダムと仮面との別れの部分につなぎ、そのまま戦場を去っていく。下の台詞の場合、彼なりの武士道にけりをつけた姿を藤堂が認める言葉があるが、この結末の場合は特にコメントはない。
- 「我が魂が浄化されていくようだ……」
「さらば、ガンダム……さらば、我が仮面よ……」 - 「最後の勝利者」での撃墜後。この後スサノオが爆散するためまるで死んだように見えるが、劇場版の事や「我が仮面」に別れを告げている事、刹那が直後に「生きろ」と言っている事から、本来の自分に戻ったのであろう。
搭乗機体・関連機体
- アヘッド・サキガケ
- アロウズでの搭乗機。ブシドーの拘りを反映したのか、近接戦闘向きの機体であり、ビームサーベルも日本刀を模した形状である。
- マスラオ
- 盟友に製作を頼んだ機体。フラッグベースの新型試作機を急遽改造したものであり、盟友には「最高のスピード」と「最強の剣」を所望した。サキガケよりも極端に接近戦向けにチューンされており、射撃武装はほぼ無いも同然。しかし、ソレスタルビーイング以外の機体では初めて「トランザム」(ブシドー曰く奥義)を搭載している。
- スサノオ
- マスラオの改造発展機。
余談
- 彼の振る舞いはスタッフが語るように「五輪書などを頑張って英訳した、間違った武士かぶれ」である。本人は1stで刹那に歪みを指摘されての行動だったようだが、何かを勘違いしてしまったようにしか思えない。ただ、ガンダムに執着していなければ自分を保てなかったなどといった発言もあるため色々迷走していたのだろう。
- その衝撃的な出で立ちからか、ネット上では『00』のキャラに彼のような格好をさせたネタ画像が出回っている。
- 1stシーズン最終話のエピローグでは仮面は付けていたが、陣羽織は着ていなかった。
- 中村悠一氏は特撮作品の『海賊戦隊ゴーカイジャー』に出演した際に演じた親衛隊長デラツエイガーは本作のブシドー及び彼の機体に似た雰囲気を持つキャラクターだった。尚、中村氏は次作の『特命戦隊ゴーバスターズ』ではビート・J・スタッグ/スタッグバスターを演じ、劇場作品の『特命戦隊ゴーバスターズVS海賊戦隊ゴーカイジャー THE MOVIE』ではデラツエイガーの血族の行動隊長ワレドナイヤーを演じた。
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