ラプラス事件
ラプラス事件
『機動戦士ガンダムUC』において、宇宙世紀0001年に起きたテロ事件。
事件発生前
改暦以前、増加する人口や環境破壊、資源の枯渇など、地球規模の問題を抱えていた。その問題を解決するため、人類は宇宙移民を実行に移すことを決意し、その政策の推進機関として人類規模の初の統一政権である地球連邦政府が発足する事となる。しかし、政治的・経済的など様々な理由から連邦政府の統一に反対する勢力も存在し、それらの勢力による地球各地の紛争も少なくなかった。それら勢力は「分離主義者」と断罪され、連邦政府の軍事力で容赦なく潰されていった。
そして前身機関の発足より五十余年、地球外の居住施設として実用段階のスペースコロニーの建造に成功した連邦政府は、宇宙移民開始をもって西暦から宇宙世紀への改暦を取り決める。
西暦の最後の大晦日、宇宙世紀への改暦を記念したセレモニーが、地球の低軌道上に位置する宇宙ステーション首相官邸「ラプラス」にて執り行われる事となり、連邦政府初代首相であるリカルド・マーセナスを始め、連邦構成各国の代表らが参集し、1月1日に切り替わると同時に改暦を宣言し、新たな時代の憲章である「宇宙世紀憲章」を発表する予定であった。
事件発生後
分離主義組織によるテロの危険が懸念されていたが、カウントダウン終了直後、宇宙世紀0001年への改暦と同時に、ラプラスは突然に爆発し、瓦解することになる。これにより、マーセナス首相、及び各国代表、官邸要員や報道陣、さらに周辺警備をしていた連邦軍の艦隊を巻き込んで多くの犠牲者を出してしまう。
事件後、直ちに新政権を発足させた地球連邦政府は事件をテロと断定し、反政府運動の徹底的な弾圧に乗り出した。
ラプラスを爆破したテロリストの一味は、ラプラスの瓦解を見届けた後、ラプラス宙域から作業艇で離脱しようとするが、小石程度のスペースデブリが燃料パイプに当たり、足止めを喰らう。この時、貧困から報酬目当てで暗殺に参加した当時17歳のサイアムが確認のため作業艇の外に出るが、直後に作業艇は爆発、サイアムは衝撃で吹き飛ばされてしまう。
命綱が切れ、宇宙空間に一人で吹き飛ばされたサイアムは、スペースコロニーが地球の引力に引かれて落下して行く幻を見る。コロニー落としという絶望的な光景を目に焼きつけ目を覚ましたサイアムは、たまたま自分の体と相対速度が同じであったラプラスの残骸の中で地球光を反射して輝く箱形の物体と邂逅する。その後、奇跡的に民間船に救助されたサイアムは、箱形の物体とともに地球へ帰還する。サイアムが手に入れた箱形の物体は、後に「ラプラスの箱」と呼ばれるようになり、以後の宇宙世紀の歴史に濃い影を落とすことになる。
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