炎ジュン

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炎ジュン(Jyun Honoo)

剣鉄也と共に孤児院から兜剣造博士に引き取られた少女。鉄也のパートナーとして訓練を受け、ビューナスAのパイロットを務める。鉄也に好意を持っているようだが、あまり表には出さない。

気丈な性格だが、ハーフである自分の出生に強いコンプレックスを持っており、それが原因で戦闘を放棄してしまった事もあった。

永井豪の漫画版

実のところ、さほどヒロインとして機能しているとは言い難く、出番も意外に少ない(むしろ、彼女の分身たるビューナスAの方が印象的)。しかし、作者的には主役の剣鉄也よりも愛着が有る様子で、スターシステム採用の漫画ゴラク版『バイオレンスジャック』の1エピソードでは彼女をメインヒロインに抜擢している。

ちなみに永井氏は当初、白人とのハーフという設定でジュンのキャラデザインを創ったが、アニメーション用に仕上げられた設定画を見て肌が黒く塗られていた事に仰天したという逸話が有り、黒人とのハーフ設定はアニメスタッフの現場判断によるもので、原作者とのディスカッション無しに行われた事を後年、苦笑交じりに明らかにしている。

桜多吾作の漫画版

当初は弓さやかよりも肉感的かつアグレッシブなヒロインという立ち位置で、スケバン的な性格を除けばTV版と余り差異は感じられない。しかし、物語が進むにつれ序盤から時折見せていたコメディエンヌとしての才能が開花(?)、最終的にはボスと双璧をなすワイルドなギャグメーカーとしての位置に定着。陰惨な展開の中、戦うヒロインとしての重責を担いつつ、貴重な息抜き要員としても活躍した。

番外編『グレートマジンガー対ゲッターロボ』では、鉄也VSゲッターチームの大乱闘に触発される形で、早乙女ミチルとの壮絶なキャットファイトを展開。互いの衣服がボロボロに破れ、下着姿を曝すまでに至った。

登場作品と役柄

基本的には鉄也と共に自軍に参入というケースが多い。鉄也が原作再現で目立つようになってからは鉄也をたしなめたり、励ましたりとパートナーとしての出番が増えた。

なお、放送当時と現在の社会情勢の違いゆえか、ハーフという出生にコンプレックスを持っているという設定については一度もスパロボで反映された事はない。

旧シリーズ

第3次スーパーロボット大戦
中盤で鉄也とともに登場。微妙な能力でサポート精神をほぼ覚えないので影が薄く、ビューナスAが修理機能を持たないのも拍車をかけている。
スーパーロボット大戦EX
今作では幸運を覚えるが、ビューナスがなくパイロットも多いのでまず出番はない。
第4次スーパーロボット大戦S
マジンガー系のヒロインの中では戦闘系の能力と精神を持っているが、幸運を持っていないのでさやかやマリアに出番を取られがち。
スーパーロボット大戦F完結編
今回から声が入った。鉄也とともにビューナスA兜甲児たちのピンチに救援で駆けつける。今作も幸運を持っておらず、修理メカ要員ならさやかのほうが補助系の精神コマンドで優れているので出番は少なくなりやすい。しかし、今作ではなぜか命中回避反応がマジンガー系パイロットでダントツで高い。よく改造を施したマジンカイザーあたりに乗せれば、終盤のマップでも雑魚敵ならばゲストメカや非強化兵のモビルスーツなどに必中なしで攻撃を当てることができたりする。

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦COMPACT
スーパーロボット大戦COMPACT2
スーパーロボット大戦IMPACT
序盤より参戦。宇宙に送られると2部からだが本作で量産型グレート入手のため地上に残され、そのままパイロットになっている可能性もある。今回は鉄也へのツッコミ役も兼任している。
スーパーロボット大戦COMPACT3

αシリーズ

スーパーロボット大戦αDC
鉄也と共にロンド・ベル不在の極東地区を守っていた。加入が遅く、信頼補正の事もあってビューナスAをさやかに奪われている事も。
スーパーロボット大戦α外伝
今回は鉄也がシナリオの主軸となるシナリオが多いため、鉄也関連のイベントでは出番が多く、未来編以降の鉄也の異変をいち早く察知し、その苦悩を知ることになる。必然的に戦闘に参加する機会は多く、序盤ではマジンパワー発動でのサンダーブレーク援護を期待してグレートに乗り換えているかもしれない(特に熟練度狙いのとき)。終盤になると更に援護回数が伸びる上、今回は鉄也より射撃が伸びるため、サンダーブレークが長射程射撃のグレートとの相性はすこぶる良い。
第2次スーパーロボット大戦α
鉄也がと良く絡んでるのと同時に彼女も卯月美和と仲がよい。マジンカイザーを入手すると、改造されたマジンガーZが余るのでボスと取り合うことになると思われる。期待の消費ポイントが安さが光る。しかしボスは2人のサブパイロットがついてくるためたいていボスに奪われているかも……。ビューナスもそこそこ優秀なのでそのままでもOK。
第3次スーパーロボット大戦α
精神コマンドがMXと同じラインナップになり、第2次αであったひらめきが鉄壁に差し替えられているが、敵の全体攻撃や精神SPのコストを考えると結果的には弱体化している。

Zシリーズ

スーパーロボット大戦Z
原作終了後ということもあって空気。やはり精神コマンドが中途半端な上、マジンガーZも余らないので扱いに困る。スペイザー系に乗せて加速要員にするしか活躍の道は無い。
スーパーロボット大戦Z スペシャルディスク

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦APORTABLE
序盤から登場。シナリオ内で甲児と喧嘩していた鉄也を張り、諭す場面がある。
スーパーロボット大戦R
原作の『グレートマジンガー』第52話のエピソードを再現した第12話「さらば青春!戦闘獣になった青年!!」にて原作のエピソード同様に幼なじみの生田信一郎ミケーネ戦闘獣にされたこともあり、原作を再現したセリフが多い。
スーパーロボット大戦D
必中熱血があるので戦闘力は十分だが、サポートではさやか、戦闘能力ではマリアに及ばないと、やや中途半端。
スーパーロボット大戦J
中盤から参戦。精神コマンドはいいのだが、マジンガー系機体が足りなくなるのが痛い。
スーパーロボット大戦W
第2部中盤から参戦。
スーパーロボット大戦L
いるだけ参戦な事もあり影が薄い。乗機も他の修理装置持ちユニットに比べると使い辛いため、運用するなら乗り換えたほうがいい。初登場話のセリフが戦闘前会話(PUなので交代必須)しかない。

単独作品

スーパーロボット大戦リンクバトラー
スーパーロボット大戦64
鉄也と同じく性格が原作に近く、姉御肌といった印象を受ける。分岐前のシナリオでは五飛につっかかる場面も。ルートによっては鉄也と共にリリーナの完全平和主義に賛同しかねて一時離脱したりする。
スーパーロボット大戦MX
カットインがある。本作ではいつもよりマジンガー勢の影が薄いため、空気とまではいかないが相対的に彼女の影も薄くなる。グレート出動までの時間稼ぎとして、結合獣ボングと1対1の対決イベントを行うのが今回最大の見せ場か。精神の消費が少ないため、サポート兼戦闘要員としての価値が高い。
スーパーロボット大戦GCXO
初の『マジンカイザー』出典での参戦。担当声優の斎賀みつき氏は当作品でスパロボ初参加。
55と最も消費SPの低い再動の使い手。グレートマジンガー破壊イベントを起こすと鉄也共々一時離脱する。
スーパーロボット大戦NEO
相方の剣鉄也と共に中盤よりの参戦。本作では修理にも努力の効果が適用されるのでレベルを上げやすい。消費SPも少なくガンガン使っていけるが、期待で味方にSPを分け与えるのも手である。

パイロットステータス設定の傾向

剣鉄也と共に戦闘のために育てられたという設定を反映し、努力を覚え、同様の立ち位置にいた弓さやかに比べて高い能力や攻撃的な精神コマンドを与えられているが、それ故に戦闘にもサポートにも中途半端と捉えられがちで不遇である。そのせいで空を飛べないダイアナンAの代わりにビューナスAをさやかに奪われている場合が多い。ただし、作品によっては献身を覚えるので豊富なSPの分与には使える。作品によるが、マジンガーZマジンカイザーが余る状況なら活躍の機会が増えるかもしれない。また、女性オンリーの制限プレイならさやかよりも能力が高いので貴重なスーパー系としてグレートマジンガーに乗せる手も。

精神コマンド

補助系の精神コマンドは原作最終回にて、負傷した鉄也を看病した姿から激励献身期待等を覚える。また、鉄也同様に戦闘のプロとして訓練してきた背景もあって必中ひらめき熱血といったスーパー系に最低限必要な精神も修得している事が多く、マジンガーに搭乗した際に重要となる。

第3次
加速幸運根性ひらめきド根性気合
第3次(PS)
根性ド根性加速ひらめき気合幸運
EX
ド根性加速必中幸運信頼熱血
第4次
ひらめき根性信頼集中熱血激励
F完結編64
努力根性熱血必中ひらめき激励
リンクバトラー
ひらめき必中激励熱血努力根性
α
努力根性ひらめき必中熱血激励
α外伝
努力根性ひらめき必中熱血期待
第2次α
応援信頼必中ひらめき熱血期待
第3次αMX
応援信頼必中鉄壁熱血期待
IMPACT
努力必中ひらめき激励熱血献身
AA PORTABLE
努力根性ひらめき必中熱血献身
RD
努力ひらめき必中熱血激励献身
Z
努力根性必中加速鉄壁
NEO
感応期待努力集中

特殊技能(特殊スキル)

α
底力
α外伝
底力援護L3
第3次α
底力L7援護攻撃L2援護防御L2
IMPACT
援護攻撃L1
MXMX PORTABLE
底力L7援護攻撃L3援護防御L3
GCXO
底力L4援護L3
A
底力L7切り払いL7
A PORTABLE
底力L7切り払いL7援護攻撃L4
R
底力L8防御L1援護攻撃L1援護防御L2
J
底力L4援護攻撃L3援護防御L3コンボL3
W
底力L4援護攻撃L2援護防御L2支援要請L2マルチコンボL3
Z
底力L7援護攻撃L2支援攻撃
NEO
底力ガード
NEOではガードの仕様が異なる点に注意。

小隊長能力(隊長効果)

獲得経験値+20%、命中率+10%
第2次α第3次αZでの隊長効果。

固有エースボーナス

SP+20、「献身」消費SP30→25。
A PORTABLEでのエースボーナス。
命中・回避+10%
NEOでのエースボーナス。

パイロットBGM

「おれはグレートマジンガー」
オープニング。

人間関係

剣鉄也
パートナー。幼い頃から共に訓練をしてきた兄妹とも戦友とも取れる信頼関係があり、密かに好意を寄せている面もあるが、表には出さない。
生田信一郎
幼なじみ。しかし、再会したときは暴走族となっていた上に戦闘獣ゲルニカスにされてしまう。
兜剣造
育ての親。鉄也と同様に実の親子同然の信頼関係がある。
兜甲児
仲間。彼の帰国と剣造の再会には鉄也と同じく寂しさを感じていたが、鉄也のように嫉妬する事は無く、最後まで良好な関係であった。
ボス
仲間。原作第1話にてジュンと初対面した際、さやかよりも美人だと評しており、彼から好かれている。基本的に信頼はしているが、さやかと同じく邪険に扱う事も少なくない。
兜シロー
姉弟同然の関係で仲が良い。
弓さやか
グレートマジンガー終盤及び映画「決戦!大海獣」ではコンビを組んで共闘。

他作品との人間関係

卯月美和
第2次α第3次αで競演。互いのパートナーが絡むイベントが多い事もあってか、一緒に買い物に行ったりと仲が良い。

名台詞

TV版

「だめよ、消えないわ… こんな事したってあたしの肌は白くならない…」
19話より。美容室に行った際、他の客の会話が原因で黒人とのハーフである為に肌が黒いというコンプレックスに悩まされ、執拗に手を洗い続けるジュンの台詞。この後、鉄也らに叱咤されるが、コンプレックスは拭えず戦いを放棄するまでに至ってしまう。
「平和なんて、あなたが考えている程簡単に戦争が終われば来るって物ではないわ」
「平和の本当の価値を知らないあなたは利用されただけなのよ」
52話で戦闘獣に改造され、ミケーネに利用された幼馴染の生田への台詞。暴走族として無為に日々を過ごしてきた生田と比べ、命懸けで平和を求めて戦ったジュンの言葉には重みがある。
「信一郎さん、あなたは急ぎすぎたんだわ…」
52話ラスト、自らの命と引き換えにミケーネの発電所破壊を阻止した生田の死に涙して。
「あたしたちには、ここが似合いの場所なのね」
甲児と剣造の再会で居場所が無くなったと感じ、パーティーをこっそり抜け出した鉄也を追いかけて共に管制室へ辿り着いた後の台詞。鉄也と同じくジュンも甲児と剣造の再会を喜んでいたが、彼女もまた、孤児としての寂しさを感じてしまった事が表れている。

漫画版

「いつか殺して土の中だぞ、くそ」
桜多吾作版『グレートマジンガー』より。悪乗りしてみさとにキスをせがんだ鉄也に対して。
「ばかな国民、汗水たらして守ってやるってしんどいもんね。たまにゃ息抜きしなきゃ」
桜多吾作版『グレートマジンガー』より。

スパロボシリーズの名台詞

「ちょっと、それはいったいどういうこと? 聞き捨てならないね」
64より、完全平和を「弱者のたわごと、女の考えそうなこと」と吐き捨てた五飛に対して。これが口火になり、五飛は女性陣に言い寄られることに…。
「ミケーネ帝国を倒す為に育てられた鉄也と私の苦労…やっと報われたわね…」
IMPACT終盤のバードス島決戦でミケーネ帝国に勝利し、感無量で口にした台詞。
「鉄也…あなた、怯えているの。あなたが恐れているのは、皆に迷惑をかけることじゃないわ…」
「鉄也は自分の弱い心に敗れてそれに押し潰されていくことに怯えているのよ…!」
「私達はグレートとビューナスのパイロットになるため、幼い頃から訓練に明け暮れてきた…」
「戦闘のプロとして勝つことを宿命づけられたあなたは、今初めて見えない圧力に恐怖を覚えたんだわ…」
α外伝』第26話(高熟練度ルート)「果てしなき大空に誓う」より。味方内で甲児達との対立を続け、ついにアーガマから降りようとする鉄也への忠告。長くパートナーを務めてきたジュンだからこそ気付き指摘した鉄也の弱さであるが、鉄也はジュンの言葉を理解しつつも戦闘のプロとしての誇り高さ故にアーガマを出てしまう。
「たとえ、あなたを倒せなくとも街のみんなさえ守れれば、私の勝ちよ!」
NEO』第20話「その名はダイテイオー!」における、電気王との戦闘前会話。「そのような機体で私に勝てると思っているのか!?」との挑発を受けるが、自身のなすべきことを把握しており、迷い無く言い返す。

余談

グレートマジンガー』の続編として企画されていた『ゴッド・マジンガー』(80年代に放映された同名アニメとは無関係)では、ミケーネ帝国の攻撃によって戦死する予定であった。