「SDガンダムシリーズ」の版間の差分

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史実の三国志の武将たちとモビルスーツの双方をモチーフとしたSDガンダムを作ろうというコンセプトで、武者ガンダムのスピンオフ企画と言える。
 
史実の三国志の武将たちとモビルスーツの双方をモチーフとしたSDガンダムを作ろうというコンセプトで、武者ガンダムのスピンオフ企画と言える。
  
舞台は「三璃紗(ミリシャ)」と呼ばれる古代中国風のファンタジー世界で、三国志演義ほぼそのままの世界観を持つ。出てくるSDキャラクターたちは「三国志の武将名+モビルスーツ名」となっている(例・孔明リ・ガズィ)。裏設定として、SD戦国伝の影舞乱夢の過去の姿とされているが、戦国伝との表面的なつながりは描写されない。
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舞台は「三璃紗(ミリシャ)」と呼ばれる古代中国風のファンタジー世界で、三国志演義ほぼそのままの世界観を持つ。出てくるSDキャラクターたちは「三国志の武将名+モビルスーツ名」となっている(例・孔明リ・ガズィ)。裏設定として、SD戦国伝の影舞乱夢の未来の姿とされているが、戦国伝との表面的なつながりは描写されない。
  
 
展開帰還は2007年~2011年。BB戦士の補完として漫画連載も行われ、アニメ『[[SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors]]』も放映された。「風雲豪傑編」「英雄激突編」「戦神決闘編」の三部構成になっており、一部は三国志演義で言うところの董卓討伐まで、二部は赤壁の戦いまでを描いている。三部は司馬家による魏の簒奪を元ネタにしているがオリジナル色が強い展開になり、最終的には三璃紗を闇に陥れようとする魔神「蚩尤」との戦いが描かれる。アニメは二部までが描かれた。
 
展開帰還は2007年~2011年。BB戦士の補完として漫画連載も行われ、アニメ『[[SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors]]』も放映された。「風雲豪傑編」「英雄激突編」「戦神決闘編」の三部構成になっており、一部は三国志演義で言うところの董卓討伐まで、二部は赤壁の戦いまでを描いている。三部は司馬家による魏の簒奪を元ネタにしているがオリジナル色が強い展開になり、最終的には三璃紗を闇に陥れようとする魔神「蚩尤」との戦いが描かれる。アニメは二部までが描かれた。

2013年1月21日 (月) 20:51時点における版

SDガンダムシリーズ(Super Deformed GUNDAM Series)

SDガンダムシリーズ」とは、ガンダムシリーズモビルスーツSD化した擬人化キャラクターによる玩具のこと。単に「SDガンダム」とも。

この玩具の販促のために用いられる漫画やアニメ作品もここに含む。

デフォルメの特徴

SDガンダムはスーパーデフォルメ(略称・SD)という言葉自体を生み出した元祖ともいえる玩具企画である。このSDという言葉がどのようなデフォルメ(姿形変化)のことを表すかは当該項目に譲るが、SDガンダムシリーズについては以下の特徴を持つ。

  • モビルスーツを極端に低頭身化してリデザインを行う。2~2.5頭身が基本。一部の製品には3頭身以上のものも存在するが少数派である。
  • モビルスーツたちは擬人化され、人格があるキャラクターとして扱われる。誰かが乗り込んで操縦しているわけではない。
  • ツインアイを持つガンダムタイプに対しては、目の中に「瞳」が施される

SDガンダムシリーズの生みの親とされるデザイナーの横井孝二氏によると、漫画家の鳥山明が描く「丸みを帯びたメカ」に大きな影響を受けているということで、また、擬人化のモチーフとしては『Dr.スランプ』にモブとして登場するウルトラマンやゴジラのパロディキャラたちをイメージしていたということである。

瞳についてはSDガンダムシリーズの最大の個性と言え、キャラクターが意志を持っているということを伝える擬人化の意匠である。ただし、瞳がつけられるのは「ツインアイのガンダムタイプ」に限られるので、全体から見れば少数派である。それゆえに、主役級のガンダムの存在感がすさまじく強まり、SDモビルスーツがごちゃごちゃしてる図柄でも主役級のガンダムは一発で見分けがつく。
そのアクの強さゆえ、瞳が苦手でSDガンダムシリーズを敬遠する人も少なからずいる。そのための配慮もあってか、近年では「SDガンダム」と冠せられた玩具類であっても、この瞳を廃したデフォルメになった製品も出てきている。

玩具

SDガンダムシリーズを扱っている玩具には以下のものがある。カードダス以外は現在も継続している。

カプセルトイ
いわゆるガチャガチャ・ガシャポン。コインを入れてレバーを回すとSDガンダムのちっちゃな人形が入ったカプセルが出てくるという自動販売機である。カプセルの中に何が入っているかは運次第。
SDガンダムシリーズはこのカプセルトイから始まった。中の人形は塩化ビニル樹脂製で、初期の頃は単一色の「消しゴム人形」だったが、現在では彩色済みミニフィギュアとなっている。
プラモデル
パチ組の箱入りプラモ。「BB戦士」というシリーズ名で知られる。
最初期の頃はBB弾を発射するギミック(仕掛け)が必ずついていたので「BB戦士」の名がつけられたが、現在では子供の安全のことを考えて廃止されている。ただし、こういう「ギミック(仕掛け)」を重視したつくりであることは後継しており、変形や合体などの仕掛けが楽しい。
「コミックワールド」というミニ漫画冊子がついてくるのも特徴。
組み立て玩具
プラモよりもより豪華で重量感がある組み立て玩具も売られている。電飾やサウンドなどのギミックが施されたものもあり、いわゆるミニ四駆とかと似たようなカテゴリといえる。
90年代では「元祖SDガンダムシリーズ」という名で展開され、おもちゃ屋ではBB戦士と双璧であった。現在は後継シリーズとして「SDX」が展開されている。
カードダス
バンダイが提供している、トレーディングカードの自動販売機。コインを入れてレバーを回すとカードが出てくる。要するに「カードのガシャポン」である。
現在はトレーディングカードアーケードゲーム「データカードダス」に移行しているが、残念ながらデジタル化してからはSDガンダムは取り扱われていない。

SDガンダムシリーズの世界観

SDガンダムシリーズが持つ特徴に、原作とは異なるテーマや世界観を持つ「別の作品」として展開されることがある。
(そもそも、擬人化して意思をもってしゃべっているという時点で、原作の世界観や雰囲気を引き継ぐことはできないわけだが)

リアルロボットアニメの王者であるガンダムで、擬人化などというパロディを受け入れさせるためには、原作の持つイメージをあえて「壊す」ための工夫が必須である。それは最初期のカプセルトイの時点で試みられており、これには擬人化したモビルスーツのギャグシーンを一コマ漫画にしたイラストシールが付属していた。SDキャラクターたちは「原作アニメとは無関係に意思ある存在」ということを強く伝えていた。SDガンダムという企画が受け入れられたのはこのシールの影響がかなり大きいとされる。

この流れをより強調するため、商業漫画雑誌でSDガンダムを登場させるギャグ漫画を連載することになる、SDガンダムシリーズの漫画は複数の漫画雑誌に掲載された経歴があるが、メインとなっていたのは講談社の児童雑誌「コミックボンボン」であった。

初期の頃はただ「このシリーズは原作とは異なるギャグ世界で描かれるコメディである」ことさえ伝えられればよく、「ギャグ世界」には細かい設定などは不要であった。作家ごとにキャラクター設定や世界観も異なっていた。しかしそのうち、ギャグではなくシリアスな独自世界でもSDキャラクターたちを展開させる企画が出てくる。「漠然としたギャグ」ではなく「確固とした背景ストーリー」を伝えるために漫画連載はますます重要視され、SDガンダムの玩具展開とコミックによる背景世界観の描写は不可分のものとなった。しかし、2007年にボンボンが休刊したことで(後釜を月刊ケロケロエースが引き継いだとはいえ)、SDガンダムの新しいシリーズ展開が難しくなってしまっている現状がある。

SDガンダムシリーズがコミックを使って作り出した世界観やテーマは様々なものがある。原作をパロディしたギャグもの、原作と全く無関係にモビルスーツたちがユルい日常生活を送っているというナンセンスもの、シリアスな異世界ファンタジーもの、果ては学園コメディまで、何でもありである。
端的に言えば「わざわざガンダムを使って表現する必要のない世界観」にまでガンダムを無理にでも使うのがSDガンダムシリーズであり、このカオスな自由さこそが現在まで愛されている最大の魅力である。

現在までSDガンダムが公式で展開してきたテーマや世界観は大きく分けると以下のようになる。

ギャグパロディもの

SDガンダムシリーズは最初は「擬人化したモビルスーツたちがドタバタコメディを繰り広げるギャグパロディもの」という位置づけで始まった。現在でも単に『SDガンダム』とだけされる場合は、基本的にギャグパロディものが念頭に置かれることが多い。

ギャグパロディものとして作られたSDガンダムシリーズの漫画作品やアニメ作品は、その作品ごとに舞台設定が異なる。基本的に作家ごとに好き勝手にギャグを描いていったので、同じSDキャラクターでも作品によって全く異なるキャラクター性で描かれることになる。しかし、そのカオスさこそが原作イメージを「壊す」手助けともなっている。

ギャグパロディものとして発表された作品としては代表的なものに以下のようなものがある

『機動戦士SDガンダム BB戦士 コミックワールド』(今石進)
プラモ「BB戦士」に付属された漫画。コミックワールドでは「SDキャラクターたちは役者であり、スタジオでドラマを撮っている」という設定があり、原作のガンダムシリーズは彼らが演じたドラマであるという扱いである。このコミックワールドはそのスタジオの役者たちの日常を描くユルめのほのぼのコメディなのだが、「ならば、別に原作アニメと関係のないドラマを撮影してもいいんじゃないか」という発想から生まれたのが、後の武者ガンダム、騎士ガンダムなどのシリアス路線である。
『元祖!SDガンダム』(横井孝二)
コミックボンボン連載。SDガンダムの統括デザイナーであり、生みの親である横井孝二の4コマ漫画作品。ゆえに「元祖」であり、玩具の「元祖SDガンダムシリーズ」に出てくるSDキャラに特化した漫画というわけではない。生みの親の特権で、騎士、武者、Gアームズなどシリアス系SD作品のキャラクターも登場させているのが特徴
『爆笑戦士! SDガンダム』(佐藤元)
コミックボンボン連載。人間とSDモビルスーツが共存する世界でのドタバタギャグ漫画。終始ハイテンションでコミックワールドとは対極のノリ。Zガンダムのキャラクターが中心で、ストーリーは一発ネタの連作短編もので各話ごとに設定がリセットされるため、統一したあらすじはない。
『ダブルゼータくんここにあり』(こいでたく)
バンダイの模型誌「B-CLUB」と姉妹誌「SDクラブ」で連載。哲学ギャグ漫画として知られる『ぼのぼの』をSDガンダムで再現するというコンセプト。
『SDガンダムフルカラー劇場』(あずま勇輝)
コミックボンボン連載。1997年からボンボン休刊まで連載され、その後も掲載誌を変えながら2009年まで続いた。SDガンダムシリ-ズの漫画作品では最長連載。
カプセルトイ『SDガンダムフルカラー』の販促漫画という意味でつけられたタイトルで、作品は基本的には白黒である。
全てのガンダムシリーズの世界観が原作設定を踏襲しつつギャグの味付けで一緒くたになったような不思議な世界観で、きわめて多様なSDモビルスーツが登場する。なお、人間キャラも共存している世界観でもある。連載時期的に、コズミック・イラ作品や『機動戦士ガンダム00』などTBS系で放映されたガンダムシリーズのSDキャラクターも扱われている

武者ガンダムシリーズ

「武者ガンダム(むしゃ - )」とはSD化されたモビルスーツに戦国武将の鎧を着せたもののことである。展開時期は1988年~現在まで。

初出は漫画『プラモ狂四郎』で主人公がRX-78-2ガンダムのプラモデルを改造してつくったカスタムモデル「ムシャガンダム」であり、SDガンダムとは無関係のものであった。それがお遊びでSD化されてカプセルトイやBB戦士に登場した。それが思わぬ人気を博したため、他のモビルスーツも武者風のデザインでSD化させる企画が始まったのである。

この企画のために「武者の衣装を着たSDキャラクターたちが活躍する異世界の物語」が用意され、BB戦士付属冊子のコミックワールドやコミックボンボン誌上で連載された。なお、武者ガンダムの玩具は「BB戦士」が主流で展開され、「元祖SDガンダム」が主流であった騎士ガンダムとは住み分けがされていた。

展開初期の頃は、武者たちの名前は「モチーフとなったモビルスーツの名前を強引な当て字で漢字にする」ことであらわしていた。例えば「武者駄舞留精太頑駄無(むしゃだぶるぜいたがんだむ)」はZZガンダムをモチーフにする。後に強引な当て字は少なくなり、「白龍頑駄無」(モチーフはガンダム試作1号機)などオリジナルの名前をつけることも多くなり、ついに第10弾からは「武者デスサイズ」など普通にカタカナ表記となったが、武者ガンダムシリーズの最盛期はこの当て字がされていた時代であり、今でも武者ガンダムといえば暴走族のような名前がついたガンダムというイメージで捉えている人は少なくない。

武者ガンダムシリーズはさらに以下のように区分される

SD戦国伝(第1弾 ~ 第3弾)
最初に展開された武者ガンダムシリーズ。これはさらに「武者七人衆編」「風林火山編」「天下統一編」の三部に分けることができる。
SDキャラクターたちが暮らす戦国時代の日本のような世界を舞台に、この地を納める「頑駄無一族」の若武者とその仲間たちが、この地を支配しようとする「闇軍団」との壮絶な武術合戦を行う物語。三部にわたって時間経過が結構あり、この地の王が「頑駄無大将軍」の地位が代替わりされていくというのも特徴。第一部のキャラクターが第二部では出世して別のデザインになっている、というような形で、玩具展開も広がりを見せた。
新SD戦国伝(第4弾 ~ 第6弾)
二番目に展開された武者ガンダムシリーズ。これはさらに「地上最強編」「伝説の大将軍編」「七人の超将軍編」「超機動大将軍編」の四部に分けることができる。
前作『SD戦国伝』と世界観は引き継いでおり、名前のなかったこの国に「天宮(アーク)」という名前が付けられた。そして「天宮」から海を越えたところにある大陸として中国風の「影舞乱夢(エイブラム)」、インド風の「赤流火穏(アルビオン)」が新たに設定され、この三大陸をまたに駆けるストーリーが『新SD戦国伝』である
登場する武者も、影舞乱夢出身者には古代中国風の武具を、赤流火穏出身者には古代インド風の武具が着せられ、デザインのバリエーションは格段に増えている。
敵は闇の力の信奉者たちであり、光と闇の二元論の壮大なサーガが背景にある。扱われるストーリーも世界の創世神話に絡む規模までインフレした。
超SD戦国伝(第7弾 ~ 第10弾)
三番目に展開された武者ガンダムシリーズ。これはさらに「武神輝羅鋼(ブシンキラハガネ)編」「刀覇大将軍編」「天星七人衆編」の三部に分けることができる。
『新SD戦国伝』とおなじく三大陸の武者たちが活躍する戦記もので、各部ごとで100年以上がたつため、ストーリー的には前作のようなサーガ展開は薄い。しかし、前の部の血縁の子孫が次の部に登場したりという歴史ドラマの色合いが濃い。
ムシャ戦記 光の変幻編(第11弾)
「天宮」を舞台にしながらも、設定を一旦リセットして再始動したシリーズ。過去に戦国伝のキャラクターが出てくるのだが、過去作と時系列的なつながりで言えばいつの頃とは言い切れない曖昧な形である。
このシリーズから、武者の名前に強引な当て字をすることはなくなった(「武者ウイングゼロ」などと表記)。しかし、過去の戦国伝のキャラクターたちについてはそのままの当て字が継続している。
ムシャジェネレーション(第12弾)
今までとは世界観そのものを変えた新シリーズ。文明が後退した超未来を舞台に、過去のロストテクノロジーである「武者」を駆る人間たちの物語。騎士ガンダムの「機兵」の要素を武者世界に持ち込んだものである。
このシリーズでは「武者」は人が載るSD型のロボットであり、方向性としては『魔神英雄伝ワタル』や『覇王大系リューナイト』のようなSDロボが出てくるオリジナルファンタジーアニメ、に近い。
人気不振により残念ながらごく短期で終わってしまい、コミックスも未発売となってしまった不遇のシリーズでもある。
裏設定的には黒歴史と関連があるらしく、過去のガンダムシリーズの未来の世界がムシャジェネレーションで、さらにその後にナノマシンの影響で「武者」に生物的特性が宿り、SD戦国伝の世界につながる、という形となっている。
武者○伝(第13弾 ~ 第15弾)
「ムシャマルデン」と読む。天宮の武者ガンダムたちが現代日本にやってきた、というコンセプトのシリーズ。
時系列としては『ムシャ戦記 光の変幻編』の数十年後になるが、基本的にはギャグ・コメディもので、シリアス一辺倒だった武者ガンダムシリーズをSDガンダムの元祖たるパロディ路線に合流させたようなシリーズ(シリアスが全くないわけでもない)。
全三部構成だが、各編に特別な名前はない。第三部は逆に現代日本のキャラが天宮にやってくる構成になっている。
SDガンダムフォース絵巻 武者烈伝 武化舞可編(第16弾)
SD戦国伝の第一部「武者七人衆編」のリメイク。ただし、時系列的には天宮の歴史設定に組み込まれており、「天宮の未来に、過去と同じような事件が起こった」という扱い。
『SDガンダムフォース絵巻』の題名が示す通り、当初は『SDガンダムフォース』と何らかの繋がりがあるとされていた。
なお、ショートビデオ作品群である『GUNDAM EVOLVE』シリーズの一作『頑駄無 異歩流武../(ガンダム イボルブダブルドットスラッシュ)十四』は本作との繋がりが示唆されている。
武者番長風雲録(第17弾)
武者ガンダムたちと人間が共存する世界の小学校を舞台にした「番長モノ」のストーリー。日本各地の番長ガンダムたちと抗争を繰り広げる熱血ギャグもの。
武者ガンダムの「暴走族の名前みたい」というイメージをあえて逆手にとったシリーズ。天宮との関わりは不明だが、一部資料によっては『武者○伝』の数年後の出来事とされている。
本作も人気不振によりプラモデル展開は4つで打ち切られているが、漫画連載は継続され『BB戦士三国伝』までの息を繋いだ。
SD戦国伝 武神降臨編(第18弾)
実在の戦国武将とSDガンダムを合体させたシリーズ。SD三国伝の逆輸入的なシリーズで、現時点で最新の武者ガンダムシリーズである。
設定上は「戦国武将の魂を宿した武将頑駄無」ということだが、コミック連載も付属コミックワールドもないためキャラ付けは弱い。いちおう、プラモの箱に簡単なキャラクター性は解説されており、今後のメディア展開が期待される。

騎士ガンダムシリーズ

「騎士ガンダム(ナイト - )」とはSD化されたモビルスーツに西洋風の騎士甲冑を施したもののことである。展開時期は1989年~1998年。

SDガンダムシリーズが誕生した時期は、ちょうどファミコンで『ドラゴンクエスト』などのファンタジーRPGが爆発的に広まった時期であり、いわばその流れに便乗した企画である。そのため、騎士ガンダムの着る装備はリアルな中世の鎧というより、ファンタジーものに出てくる「伝説の武具」のようなケレンミにあるデザインとなっている。騎士ガンダムシリーズは武者ガンダムシリーズよりも後に展開が始まっているため、でSDガンダムでシリアス系を行うことへの不安要素はなく、「魔法使い風のモビルスーツ」など武者ガンダム以上に挑戦的なデザインも行われた

展開の中心はカードダスであり、各カードの裏にかかれたテキストで、ストーリーや世界観の理解を深められるようになっていた。これは食玩の「ビックリマン 天使VS悪魔シール」の模倣ではあるが、当時はこのようなやり方は様々なコンテンツで行われていた。なお、舞台となる世界の名前「スダ・ドアカワールド」は「カードダス」の逆読みである。

武者ガンダムとは兄弟的な扱いであったが、騎士ガンダムの玩具は「元祖SDガンダム」が主流で展開され、「BB戦士」が主流であった騎士ガンダムとは住み分けがされていた。また、武者ガンダムとの最大の違いに、アムロやシャアなどのガンダムシリーズの人間キャラクターたちもSD化されて登場することと(スダ・ドアカは普通に人間が暮らす世界で、モビルスーツたちはいわばファンタジーで言うエルフやドワーフのような「異種族」扱いである)、機兵と呼ばれる巨大ロボットが登場することがある。機兵は人間だけでなくSDモビルスーツたちもパイロットとして乗り込むことができる。

騎士ガンダムシリーズはさらに以下のように区分される

SDガンダム外伝(第1弾 ~ 第4弾)
最初に展開された騎士ガンダムシリーズ。これはさらに「ジークジオン編」「円卓の騎士編」「聖機兵物語」「機甲神伝説」の四部に分けることができる。
ユニオン族とジオン族の民族紛争、そしてその黒幕である光と闇の竜たちの争いを背景に、世界を駆け巡った幾人もの「騎士」たちの興亡の戦記である。
新SDガンダム外伝(第5弾 ~ 第7弾)
最初に展開された騎士ガンダムシリーズ。これはさらに「ナイトガンダム物語」「黄金神話」「鎧闘神戦記」の三部に分けることができる。
前作よりも派手な展開となっており、この手の大河ファンタジーものの連載でありがちな展開インフレが目立つ。ただしこれでストーリーが破綻しているわけでなく、スダ・ドアカの創世と崩壊に絡む壮大な神話が描かれた。
SDガンダム聖伝(第8弾)
前作でスダ・ドアカの物語を行き着くところまでやってしまったため、世界設定を変更してリブートしたシリーズ。舞台は「リオン・カージ」であり、機兵のような超ド級の戦力は廃止され、展開のインフレが起こらないように配慮された。
しかしそれが逆に地味という印象を与えてしまい、リオン・カージの物語が次のシリーズに続くことがなかった。
一般的には騎士ガンダムシリーズはここで終了したとされる。
SDガンダム列伝 ガンダム騎士団(第9弾)
過去のシリーズの騎士たちが「エレナ・ルウム」に召還されて、勇者として戦うクロスオーバーもの。
漫画のみで展開してカードダス化されず、騎士ガンダム自体のブームの終焉から半年で打ち切られたという扱いなため、公式からはなかば黒歴史的に扱われている風がある。
SDガンダム英雄伝(第10弾)
人間と機兵のみを登場させた特殊なシリーズ。しかし、いちおうはスダ・ドアカの公認の歴史の時間軸に組み込まれている。
ゲームを本流とした企画で、プレイステーション2ワンダースワンでそれぞれ別の作品が作られた。ボンボンでは漫画版も連載されている。
特筆すべきは「ムシャジェネレーション」とクロスオーバーしている点で、天宮の「人間」が乗り込む機兵「武者」が登場する。

ガンドランダー

ガンドランダーは、SDガンダムを使ったファンタジーものの企画。騎士ガンダムとほぼ同時期に開始された。展開時期は1990年~1993年。

舞台となるのは「ガンドランド大陸」と呼ばれる異世界。雰囲気は騎士ガンダムシリーズと似ているが、ガンドランダーは中世というより古代をイメージしていて、ギリシャ・ローマ神話に語られる英雄憚のようなイメージを扱うシリーズ、と言える。

カプセルトイを中心に展開され、コミックボンボンで漫画連載も行われた。「闇の黙示録編」「魔封の聖剣編」「竜の守護神編」「復活の星勇士編」の四部で構成される。

騎士ガンダムの方が中世とか無視してわりと「なんでもアリ」になってきたため、差別化が上手くいかず、また背景ストーリーが比較的難解だったこともあり、騎士ガンダムに比べると短命で終わった。

SDコマンド戦記

SDコマンド戦記は、SDガンダムシリーズにミリタリーものの要素を取り入れたシリーズ。SDモビルスーツは「意思ある兵器」として描かれ、戦場ロマンが展開される。展開時期は1990年~1993年。

カードダスと「元祖SDガンダム」を主流に展開され、「G-ARMS」「ガンダムフォース」「SUPER G-ARMS」「グレートパンクラチオン」の四部で構成されている。

ミリタリーものというと原作のガンダムシリーズに近いイメージがあるが、彼らもまた原作と無関係な世界観を舞台とする。人類がすでに外宇宙まで進出し、人類と意思あるモビルスーツが共存する世界が舞台とする。戦場となる星は地形気象様々なものがあり、どの星で活躍するSDキャラクターかでデザインの幅も広い。もちろん、宇宙戦闘を得意とするSDキャラクターたちもいる。

戦う相手は基本的に「宇宙を支配しようとする悪の帝国」であり、主人公たちはそれを打ち砕く「正義のヒーロー部隊」という扱いである。1980年代のSFアニメに出てくるような古典的なスペースオペラものにとても近いイメージと言えよう。要するにいつものスパロボの主人公部隊のイメージそのものである。

舞台となる星の中には天宮、スダ・ドアカ、ガンドランド大陸の未来の姿というものがある。つまりSDコマンド戦記は騎士、武者、ガンドランダーの3シリーズのクロスオーバー企画でもある。このあたりもとてもスパロボ的と言えるかも知れない。

SDガンダム三国伝

BB戦士20周年企画として立ち上げられたシリーズ。

史実の三国志の武将たちとモビルスーツの双方をモチーフとしたSDガンダムを作ろうというコンセプトで、武者ガンダムのスピンオフ企画と言える。

舞台は「三璃紗(ミリシャ)」と呼ばれる古代中国風のファンタジー世界で、三国志演義ほぼそのままの世界観を持つ。出てくるSDキャラクターたちは「三国志の武将名+モビルスーツ名」となっている(例・孔明リ・ガズィ)。裏設定として、SD戦国伝の影舞乱夢の未来の姿とされているが、戦国伝との表面的なつながりは描写されない。

展開帰還は2007年~2011年。BB戦士の補完として漫画連載も行われ、アニメ『SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors』も放映された。「風雲豪傑編」「英雄激突編」「戦神決闘編」の三部構成になっており、一部は三国志演義で言うところの董卓討伐まで、二部は赤壁の戦いまでを描いている。三部は司馬家による魏の簒奪を元ネタにしているがオリジナル色が強い展開になり、最終的には三璃紗を闇に陥れようとする魔神「蚩尤」との戦いが描かれる。アニメは二部までが描かれた。

アニメ作品

上述のようにSDガンダムシリーズは漫画作品を「オリジナル」として扱われるのが基本だが、いくつかはアニメ化もされている。他のガンダムシリーズのアニメと同じく「創通・サンライズ」の版権管理で製作されている。

知名度やブームから考えるとアニメ展開は驚くほど控えめであったとも言える。特に2003年の『SDガンダムフォース』までTVアニメにならなかったことからみても、様々な放送局で様々なスポンサーがついて放映された複数のガンダムシリーズ作品が共演するゆえに、TVアニメとして放映するには権利関係の障壁が大きい(「創通・サンライズ」だけでは解決しにくい)のではないかともされている。

一説にはこの影響は特に「SD三国伝」で大きいとされ、このシリーズでは玩具でも漫画でも、コズミック・イラ作品や『機動戦士ガンダム00』など「TBS系で放映されたガンダムシリーズのSDキャラクター」が一体たりともでてこない。これは、この企画が当初から「テレビ東京系列」でのアニメ化を視野に入れていたがゆえに、TBS系列のガンダムを出すことができなかったのではないかと推測されている。

機動戦士SDガンダム

サンライズ製作のOVAシリーズ。1988年~1993年の間に複数が製作された。

SDガンダムシリーズをテーマにしており、パロディものの短編とSD戦国伝を扱ったオムニバスものが6本、騎士ガンダムを扱った長編連作ものが4本作られている。また、OVAとは別に劇場版アニメもいくつか存在している。

2007年にOVAと劇場版を全てあわせてDVD-BOX化され,2011年には廉価版として再販された。

SDガンダムフォース

ガンダム生誕から25周年記念として、2003年に放映されたTVアニメ。キャラクターは全て3DCGで描かれている。

人間が普通に暮らす未来都市ネオトピアに、悪のSDモビルスーツ軍団「ネオアクシズ」が次元を超えて侵略を開始。しかしそのとき、ネオアクシズと闘う正義のヒーロー部隊「ガンダムフォース」も転移してきた。ガンダムフォースのリーダー・キャプテンガンダムの感銘を受けたシュウト少年は隊員としてガンダムフォースに入隊。シュウトとキャプテンガンダムの、戦いの物語が展開される。
話がすすむにつれ、ネオアクシズに侵略された別次元「天宮」の武者ガンダム、「ラクロア」の騎士ガンダムも登場し、物語は複数の次元をまたにかけたものとなっていく。

このプロットでわかるように本作は「コマンド戦記」をリメイクしたような位置づけになっている。ただし、過去のSDガンダムと世界観がつながっているわけではなくパラレルとして扱われている。

ちなみに、放送が終盤に差し掛かった頃に『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』が放映された。

SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors

『SD三国伝』のTVアニメ版。詳細は当該項目参照。

ゲーム「SDガンダム」

「SDガンダム」はガンダムシリーズを扱ったシミュレーションゲームのシリーズ名にもなっている。1990年代後半以降は、玩具や漫画よりもこちらのシミュレーションゲームの方が「SDガンダム」というブランドのメインコンテンツになりつつある。

1988年にファミコンのディスクシステムで『SDガンダムワールド ガチャポン戦士』というタイトルで発売されたのが元祖で、以降、いくつものバージョンアップを経て、現在まで続いている。

元々は玩具のSDガンダムを使ったキャラクターゲームという位置づけだったが、序々にガンダムシリーズの原作アニメを再現するゲームとしての方向性にシフトしていき、擬人化というSDガンダムシリーズの持つ特徴はなりを潜めた。ただし、登場するユニットのデザインは全てSD化されたモビス-ツということは現在まで踏襲しており、「SDガンダム」の名が冠せられることに偽りはない。

『SDガンダムワールド ガチャポン戦士』シリーズ
ファミコンで展開された。1987年~1992年まで全5作。いわゆる大戦略系のシミュレーションゲームで、戦闘シーンは自分でモビルスーツを操作するというアクションゲームでもある。
ユニット生産のシステムもあるが、これがカプセルトイのガチャガチャ回しを模した形になっており、プレイヤーは「ガチャガチャで買ったSDガンダムのオモチャを戦わせている」感が強まる仕組みになっている。
ストーリー要素はなく、SDガンダムたちにキャラクター性もほとんど付加されてない(アクションゲームとして自分で操作するためというのもある)
『SDガンダムワールド ガチャポン戦士』シリーズ
ファミコンで展開された。1987年~1992年まで全5作。いわゆる大戦略系のシミュレーションゲームで、戦闘シーンは自分でモビルスーツを操作するというアクションゲームでもある。
ユニット生産のシステムもあるが、これがカプセルトイのガチャガチャ回しを模した形になっており、プレイヤーは「ガチャガチャで買ったSDガンダムのオモチャを戦わせている」感が強まる仕組みになっている。
ストーリー要素はなく、SDガンダムたちにキャラクター性もほとんど付加されてない(アクションゲームとして自分で操作するためというのもある)。ただし、用意されるマップは原作アニメの名場面を再現したものが多かった。また、後期作では武者や騎士のユニットも生産できた。
『SDガンダムX』シリーズ
プラットフォームをスーパーファミコンに変えて展開された『ガシャポン戦士』の後継シリーズ。1992年~1995年の間に『SDガンダムX』『SDガンダムGX』『SDガンダムGNEXT』の全3作が発売された。
システム的には前作とほぼ同じだが、原作アニメでに出てくる軍事勢力を1つ選び、その勢力によって生産できるユニットが変わってくるという趣向が追加。原作ファン向けの内容へシフトしていく過程が垣間見える。
『SDガンダム G GENERATION』シリーズ
通称「Gジェネ」。1998年にプレイステーションで登場して以来、現在までこのシリーズタイトルで様々なプラットフォームで展開している。数も20を超え、スーパーロボット大戦シリーズに並ぶロボットゲーム界の老舗である。
戦闘でのアクション要素は撤廃されたうえに、ユニットを操る「キャラクター」の概念が追加された。原作アニメに出てくるパイロットたちを乗せ、彼らが戦う様子を眺めるという、ある意味ではスパロボシリーズに近づいた形である。この時点でSDガンダムの持つ「擬人化」という要素は完全になくなった。
ストーリーの有無は作品によって違い、それこそスパロボのように原作ベースのクロスオーバーをするストーリー性が濃い作品と、「原作のドラマを再現する戦場に、自分が好きなキャラとユニットを編成した”プレイヤー軍”を介入させる」というストーリー性の薄い作品の二通りに分かれる。
その他
このシミュレーションゲーム系以外でもわずかであるが「SDガンダム」の名を冠したゲーム作品は存在する。ファミコン時代には騎士ガンダムを扱ったRPGがいくつか発売されており、スーパーファミコン時代以降は武者ガンダムものもいくつか発売された。他にもSDガンダムを使ったアクションゲームの単独作品が数年に一個くらいのペースで発表されたりしている。

スーパーロボット大戦シリーズでの扱い

初代の『スーパーロボット大戦』では擬人化されたSDガンダムそのものが、同じくマジンガーZやゲッターロボと一緒に戦うというゲームであった。しかし、続編の『第2次スーパーロボット大戦』以降はあくまで「原作アニメベースのクロスオーバーもの」となり、ユニットのグラフィックにだけSDガンダムの絵を使ってるという立場が取られている。

しかし、スーパーロボット大戦シリーズのデザインワークスはSDガンダムの生みの親である横井孝二氏が統括しており、SDの絵柄はまさにオリジナル公認ということになる。このおかげで、ガンダム以外のロボットについても「SDガンダムに合わせたデフォルメ」がなされて、デザインの統一感が強まったことはスパロボには僥倖であった。出自が違うロボット同士が集合することによって発する違和感の軽減につながったのである。

また、スパロボとSDガンダムの関係性でよく語られる説に、
「ガンダムシリーズのモビルスーツはほかのロボットアニメと異なり、一体一体で版権が個別に管理されていて、ユニットの数を出せば出すほど版権量がかかる。しかし、SDガンダムで版権を取得すればすべてのモビルスーツをその版権1つで出すことができる」
というものがある。スパロボシリーズでは、ユニットはSD体型で描かれていてもカットインのグラフィックではリアル体型、というのが多いが、なぜかガンダムシリーズだけカットインもSDサイズという状況が長く続いていることがこの説の信憑性を強くしている。
2011年~2012年に前後編で発売された『第2次スーパーロボット大戦Z』は登場ユニットはSDサイズだが、ガンダムシリーズのリアルサイズカットインを実現した初のスパロボである。以降の作品がどのようになっていくのかは注視が必要であろう。

一方、せっかくSDガンダム版権を取得しているのなら、「武者ガンダム」や「騎士ガンダム」などストーリー設定がしっかりしているものも出して欲しいという声は根強い。参戦がなかなか実現しないことについては「同じモビルスーツをリアルサイズとSDの両方で出すことができないから」ということがファンの間では定説になっている。武者駄舞留精太頑駄無(むしゃだぶるぜいたがんだむ)はZZガンダムのSDキャラクターであり、それが本物のZZガンダムと一緒に出演することは困難ではないかという見方である。つまり、原作アニメのリアルサイズガンダムが参戦する限りは、それと被っているモビルスーツが登場するSD作品は出せないという解釈である。なぜ被ってはいけないのかについては、ユーザー側が混乱するため、ストーリー上で違和感が強調されるため、版権的な問題、など様々な仮説が立てられているが、説得力のあるものは少ない。

2013年の『スーパーロボット大戦UX』は初のSDガンダムの参戦が実現したが、SDガンダム側は『SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors』で、リアルサイズガンダム側は『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』である。SDガンダム側とリアルサイズガンダム側で登場するモビルスーツが一切被っておらず、上記の説を覆すに至っていない。