ゲッターエンペラー
ゲッターエンペラー(Getter Emperor)とは、『ゲッターロボシリーズ』の登場メカ。
概要
遥か未来で戦っている超巨大な最強最後のゲッターロボ。
巨大戦艦型ゲットマシン3機(エンペラーイーグル号、エンペラージャガー号、エンペラーベアー号[1])によって構成されている[2]。頭部のデザインや翼がないことなど、フォルムはゲッタードラゴンに近いが、ドラゴンにあるマント状のパーツがなく、またショルダーアーマーの代わりにゲッターレザーが存在し、さらに頭部の角部分がドラゴンよりも長く、真ゲッター1に近い[3]など、全体的に刺々しいデザインを持つ。
パイロットは不明だが、ゲッター軍団と言語による意思疎通を行っていた際(この時は「ゲッターエンペラー」と呼ばれている)の声は流竜馬のものと同じであった[4]。
ゲットマシン一つが惑星クラスの大きさを持ち、ゲッタービーム一撃で惑星ごと敵勢力を吹き飛ばす。防御面では、あらゆる攻撃に対して効果を発揮するゲッター線シールドを備える。他にも機体の手で時空跳躍の亜空間入り口を握り潰そうとするなど、物理的にありえないアクションを見せている。3機合体時にはビッグバンを引き起こす程のゲッター線が発生するなど超ド級のスケールで、現在も進化し続けているらしい。なお宇宙空間に出てしまった以上、陸海空が存在しないため、どの形態がどのような性能を持っているのかは全く不明。
配下として無数のゲッター艦隊を従えており、ムサシなど艦隊を指揮する人間はクローンのような予備肉体が用意され、万が一死亡した場合は新しい肉体が記憶を引き継いで戦線復帰する[5]。艦隊に属する末端の兵器は一見するとヘリや戦車など旧来兵器のように見えるが、実際にはゲッター線シールドや変形機構を備えたゲッターロボの一種である[6]。
単純な空間把握ではない知覚能力を持っており、何者かが時間移動をするとそれを感知できるらしい[7]。なお、エンペラーの誕生を阻止するべく敵対勢力が時空を遡ってゲッターを駆逐しようとする作戦を行ったが、逆にゲッターの力を高めるという結果に終わっている。これは、「エンペラーがそこにある」という事象が確定している時点で例えタイムトラベルを行おうとも誕生は阻止できない事を意味している[8]。
誕生
誕生の詳しい経緯は不明。
『ゲッターロボ アーク』作中の解説によれば、遥か未来、太陽系の封鎖を突破して外宇宙への進出に成功した人類がロボット兵器で異星人を征服して植民地化するようになっていた時代、人類は初めて自分達より強大な勢力を持ったアンドロメダ流国に遭遇。決して降伏を認めず細胞の一片すら根絶やしにするというアンドロメダ流国の徹底した殺戮により人類は滅亡の淵に立たされたが、その時、人類に忘れ去られかけていた太陽系から3隻の巨大戦艦型ゲットマシンが発進し、戦況をひっくり返した(第一次オリオン大戦)。
ゲッターエンペラーは戦うたびに進化して巨大化していき、人類もその庇護下でゲッター軍団を生み出し、ゲッターエンペラー出現による第一次オリオン大戦勃発から2500年後(連載時は700年)になっても第三次オリオン大戦という形で宇宙の大戦争は続いている。
その根底は、漫画版『真ゲッターロボ』で繭のような物を形成して進化しながら地中深くに沈んだゲッタードラゴンであり、『ゲッターロボ アーク』のラストで覚醒。[9]石川賢氏はインタビューで「エンペラーはゲッターロボGが真ゲッタードラゴンに進化した後、最終進化を遂げたもの」と解説している。この真ゲッタードラゴンがさらに『真ゲッターロボ 未知との遭遇』で垣間見た未来のゲッター聖ドラゴンへの進化を経由して、さらにエンペラーへと進化したと思われる。
『未知との遭遇』における未来の地球では人類がゲッター線によりメカと同化、空は並のメカでは突破不可能な雷雲で覆われ、天空には聖獣ドラゴン(ゲッター聖ドラゴン)が存在していた。地上の人々はゲッター線で汚染された地球を見限り宇宙進出に躍起になっており、雷雲を越えた先に楽園のような星があると信じていた。一方、宇宙ではゲッターを脅威と見なす異星人により太陽系は外宇宙から壁のようなもので遮断されており、進化してゲッターと共生する人類は外宇宙に出る事を試みるが爆破されたり帰還しなかったりと何らかの妨害も受けていた。この現状を認識した人類とゲッターは新たなる進化へと向かっていき、皮肉にもこれがエンペラー誕生に繋がっていく。また石川賢氏曰く「太陽系の壁を破った時点で、宇宙の敵として存在していく」とのこと。 本来これらの出来事は『ゲッターロボ アーク』の次章であるゲッター聖ドラゴンの回で描く予定であったらしいが地球の様子しか描かれず、前述した太陽系の状態や人類の認識の変化などは2005年に双葉社から刊行された『ゲッターロボ全書』30ページに掲載されている中島かずき氏との対談『石川賢先生 ゲッターを語る』内で明かされるに留まり、漫画化は石川氏の死で実現しなかった。
厳密にはドラゴン単体での進化ではなく、真ゲッターロボとも融合しており、ドラゴンに始まるGの系譜であるにもかかわらず、イーグル号のフォルムは悪魔を思わせる初代ゲッター1の意匠を残している(ジャガー号、ベアー号はGの意匠を持つ)。ただし、「ゲッターの意思」と記憶は『ゲッターロボ號』のラストで真ゲッターと共に火星に飛び立って眠りについていた為、ゲッターエンペラーの肉体になったと思われるゲッタードラゴンが経た顛末はゲッターエンペラーに記憶されていない。
目的
結論から言ってしまうと、不明である。作中で提示されたそれすらも各人物が推測したに過ぎない。アニメ版『アーク』では、貘曰く「欲望や侵略が目的で動いてるわけじゃない」「エンペラーに悪意はない」。また、カムイも重大な決断をしてなお「地球人類を守ると言う単純な行動原理」と怒りや憎しみどころか一定の理解を示している。
一方、未来の地球人類は「ゲッター線に選ばれた」と考えており[10]、このゲッターエンペラーを使って全宇宙を支配しようとしている。このためエンペラー、及びゲッター艦隊の行動は歴代ゲッターロボに比べると正義の味方ではない。むしろ、捕虜を認めず、1億の異星人の生命を一撃で殺戮し、果ては惑星をまるごと腐らせる様はもはや悪役そのもの。石川賢氏自身も「アーク」におけるゲッターを絶対悪と位置付けているが、ここに単純に善悪では語れない『ゲッターロボ』世界の大宇宙の掟、異生物同士の生存競争が深く関わってくる。上記の通り、人類を打ち破った流国は「征服」ではなく「殲滅」を選び、人類を降伏すら認めず細胞の一片まで消し去ろうとした。それまで「異文化同士が接触すれば避けられない戦い」をしていた人類に宇宙の掟をわからせたのは流国自身なのである。そして逆に追い込まれたアンドロメダ流国はゲッターを宇宙の敵と呼びつつも、ゲッターエンペラーと人類を滅ぼした後は再び自分たちが宇宙の覇を握らんとしている。
更には同じ地球生命の恐竜帝国ですら、はじめから流国撃退後に用済みになったゲッターを破壊する腹づもりであり、アニメ版では拓馬もまた恐竜帝国の裏切りを予想済であった。ゲッターサーガにおいて文化による共感や異種との対話などは儚い夢であり、たとえゲッターエンペラー、あるいはゲッター線そのものが宇宙を滅ぼす悪であろうとも、人類種を守護しているのは紛れも無い事実なのである。
そしてゲッター軍艦の司令官である武蔵曰く
- 「ゲッターは…大いなる意思の戦いなのだ。それでなくては宇宙に存在するゲッターの意味がないのだ!!」
「本能に身をゆだねれば、すべてがわかってくる!! 生物が、人間が、なぜ存在するのか 宇宙が…なぜ…存在するのか!! そしてお前たちがなぜ殺し合うのか! これしか道は…ないことも…」
仮説
あくまでもファンの間の仮説であるが、石川氏が執筆した『真説・魔獣戦線』のラスボス「時天空」を倒すために、ゲッターが作られたという見方もされている。その作品では高次元精神体である神々が、無限という最早大きさでは測れない時天空を攻撃・消滅させるために分子構造体を組み合わせる原始的な方法で創り出したのが、神々のような意識体ではなく肉体を持つ生物体である。それらは喰い合い滅ぼし合うことで生き残ったものが強く進化していく戦闘的な種であり、多種多様な進化を果たすその先の一つの形として兵器を使い、宇宙を消滅させる機械のバケモノが予見されているといった描写がある。
余談だが、進化の形の予見には『虚無戦記』のラ=グースの存在を示唆する台詞もある。武蔵が語った「究極の進化、それは…宇宙を支配すること……」という言葉も、これらと関わると考えた場合、単純な宇宙征服ではなく空間支配の意味合いとも受け取れる。また地中深くのドラゴンから聞こえた弁慶の声も、生命は純粋になればなる程により強大な宇宙を求めて宇宙を喰ってゆく、と同様の意味に取れることを語っている。
石川賢氏の生前である2004年ごろからファンの間では相互の作品世界がクロスしているのではないかとする説が出始めていたようで、中にはクトゥルフ神話になぞらえたのか、彼の作品を総称して「虚無神話作品群」と呼ぶ者までいたほどである。
ただし、繰り返すがこれらはあくまでファンの仮説であることに注意したい。作品においてはファンサービスでスターシステムをよく行う方ではあったのは事実であり、実際1999年のインタビューでは、『ゲッターロボ・サーガ』と『虚無戦記』を繋げる事についてはうっすら構想はある(ただし、「それをやったらおしまいだなって(笑)」ともコメントしていた)との旨を語られていた上に、2005年の『ゲッターロボ全書』のインタビューでも「(両者の宇宙は)別ものです。一緒だったらそれこそ大変なことになってしまいます」と言いつつも、「......でも実際には、(統合を)考えたことがあるんだよね。(中略)全く別の形で「ゲッター」の戦争に参加させるのはおもしろいかなぁ」などとも語っており、生前かなり悩んでいたことが窺える。 しかし、今となってはファンたちがどれだけまことしやかに語られても、明言の無いまま石川氏が夭折なされた以上、時天空との関連も、エンペラーの目的も、永遠に謎のままである。
なお、ゲッターロボアンソロジーではラ=グースとゲッターエンペラーの直接対決も描かれてはいる。
サイズ
エンペラーを語る上で欠かせないのが、その大きさである。
エンペラーは『真』で登場した時点では惑星より大きい程度だったが、『アーク』で描かれた2500年後には太陽系に匹敵するサイズにまで至るとされている[11]。
発表当時時点でもロボット作品史上最大のロボットであるが、注目すべきは、現実の空間に存在している点にあり、現時点でエンペラー以上のサイズを持った機体が登場しても、エンペラーが「物理的実体を持つ機体としても最大級のロボットである」という栄誉は揺らいでいない。当然ながら、スパロボに(間接的に)登場している機体でも未だに最大サイズを誇るロボットである。
なお、比較対象として語られる事が多い天元突破グレンラガン、超天元突破グレンラガンは認識宇宙で実体化した機体であり、物質的な大きさは意味を成さない。匹敵する可能性があるのは軍神デモンベインであるが、こちらの最終的なサイズは不明である(確認されている最後のサイズは約5550km)。SRW非参戦作品では、『トランスフォーマーシリーズ』に登場するユニクロンとプライマスが惑星サイズ(惑星形態時で全長9万キロ)の巨体として知られている[12]。
石川賢氏のインタビューに曰く、「(あまりに巨大過ぎるので)合体するのにかなりの年数かかってると思うよ」「『エンペラーチェンジ!』なんて叫んでる場合じゃない、むしろ合体するまでに人が生まれ死んでいく、みたいな」「例えば火星から地球まで手を動かす。動いたと気付くのは一世代前で、ぶつかる時には相当な年数が経っていると」とのこと。ならば攻撃するのにそこまで時間をかけていいものかと思うが、最終到達点は空間支配であるが故、扱う側は質量が大きくなくてはならない[13]。
能力
作中の台詞によると、ゲッターチェンジは「エンペラーチェンジ」、ゲッター1に相当する形態の名称は「ゲッターエンペラー1」とのこと。ただし変形が終了したらしたで、合体した際に発生するビッグバン級の超エネルギーの放出により敵はほぼ全滅している。そのため一つの文明がすべてを懸けて合体を阻止しようとしたが結局、ゲッター艦隊に阻まれてしまい、最終的に武器による攻撃が無意味になったため諦めてしまう。
武装・必殺技
- エンペラーチェンジ
- ゲットマシン3機でエンペラー1・2・3のいずれかに合体する。のだが、この過程で発生するゲッター線の奔流がビッグバンレベルであり、合体が完了した時点で周囲の敵や惑星が粉砕される為、戦闘が終わってしまう。公式の説明によれば「合体エネルギーは小さな銀河であれば吹き飛んでしまうほど」とのこと。
- ゲッターレザー
- 1の肩にある切断武器。形状は真ゲッター1の腕にあったものと同じ。
- ゲッターパンチ
- 巨大な腕で殴りつける。その掌は亜空間を握りつぶすことも可能なほどに大きい。
- ゲッタービーム
- ゲッター線のビーム砲。ここまでとんでもない存在であっても、やはり「ゲッターロボ」なので当然所持。合体前の状態で発射したビームですら惑星を消し炭に変えることができる。
- ゲッターシールド
- ゲッター線による防御フィールドを張る。時空を超える技術を持つ異星人が作った兵器の総攻撃や、惑星をも消し飛ばすエネルギーを持つ宇宙戦艦が何隻特攻してきても傷一つつかない。
- エンペラートマホーク
- 超合金魂で設定された玩具オリジナル武器。
- 後述のゲッターロボ大決戦!のコミカライズでは、射出した物を真ゲッター1が使用。『ゲッターロボDEVOLUTION』では、エンペラーの姿と能力をコピーした敵が使用している。
原作における扱い
- 真ゲッターロボ (原作漫画版)
- 未来世界でゲッターエンペラーによって無差別攻撃された昆虫型の異星人が、ゲッター研究所の過去の姿である早乙女研究所を攻撃。そして、フルパワーの真・ゲッター1で敵宇宙船を叩き、未来を見る。その姿に流竜馬や神隼人は驚愕するも、隼人はその存在に少なからず惹き付けられ、逆に竜馬はゲッターを降りる決心をする。
- ゲッターロボ アーク
- 流拓馬たちが遥か未来から敵を送りこんでくるゾーンに突入して時間を越える。そして遥か未来にてゲッター軍艦に拾われ「ゲッター戦記」に記録されたエンペラーの戦いを見る。その後、敵の時間転移装置を破壊するも、逃げられず装置に飛び込み、宇宙を漂流していたところでエンペラーのゲットマシンと流竜馬に遭遇。この時は本体がそのまま現れたわけではなく、背後に星が透けて見えるなど、あたかも幻のような描写であった。その後拓馬を地球に送り返したあとに姿を消した。この際、アニメオリジナルシーンにて山岸獏はゲッターとの対話を選び、エンペラーに残留している。
- 真ゲッターロボ 世界最後の日
- 真ドラゴンのシャインスパークでインベーダーの次元断層に突撃を敢行した際に、別次元の世界で巨大インベーダーと戦闘を繰り広げるゲッターエンペラーが率いるゲッター軍団の姿があった。竜馬、隼人、弁慶はここからは自分達が始末をつけると言って戦乱の渦に飛び込む。
- ゲッターロボ大決戦!
- イーグル号部分がこの名義で登場。「早乙女博士が開発したゲッター炉心で稼働する宇宙船」「宇宙開発というゲッター計画本来の姿」という設定であり、クロスオーバー含めた登場作品で唯一操作可能。パイロットは半モブキャラの古田。超長射程かつ最強クラスの威力のエンペラービームを持つが、燃費も最悪でこれ以外の武器を持たないため2発撃ったらエネルギーが回復するまで何もできなくなる。また耐久力も真ゲッター3以下。
- 同作の真ゲッタードラゴンは、繭になったゲッタードラゴンが本機のゲッター線を吸収した事によって、誕生している。
登場作品
その無茶苦茶な能力と戦いのスケール上、スパロボにはユニットとしては未参戦だが、作品によっては真ゲッター1や真ドラゴンの「(真)シャインスパーク」のカットインでイーグル号に相当するエンペラーイーグル号の姿を見る事ができる(つまりエンペラーそのものは参戦していない)。また敵の組織やある一部の人間に、その存在をなんらかの形で知られており、敵意を剥き出しにされるケースが多い。
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 真ゲッター1が「真・シャインスパーク」でとどめを刺す際、背景に登場する。
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- インベーダーとの最終決戦にて、『世界最後の日』の最終話のワンシーンを再現した一枚絵にて、エンペラー艦隊が登場。背景のみの登場となっていた今までとは違い、艦隊での登場で「何か」と戦っている様子。再世篇の状況からみれば恐らくバアルに分類される何かの可能性がある。このワンシーンではライガーやポセイドンの意匠を持つ戦艦2隻(エンペラーのゲットマシン)も登場している。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 真・シャインスパークでの演出で登場。終盤で自軍がゲッター艦隊にいる「流竜馬」を目にする。声をかけようにもどっちがZ-BLUEの竜馬なのかわからないと言われていたことから姿かたちは全く同じととれる。どうやら、ゲッター艦隊は『全く別の世界』で永遠の戦いに身を投じているらしい。近々本格的に戦いが開始するのでゲーム中盤頃に、竜馬に来るようにと促す。終盤のゲッタールートで「太虚」という因子が出てくるため、それと関連付けることで『虚無戦記』の世界にいるのでは、という見方がされることが多いが、艦隊の敵については全く語られておらず、次元の裂け目の向こうにあるのが艦隊のいる世界とも明言されていないので、憶測の域を出ない。
- ちなみに、何気に本作において初めて明確にその存在が確認されている(「超銀河グレンラガンより大きなゲッターロボがいる」と明言されている)。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦D
- 真ドラゴンが「シャインスパーク」を使用すると、背景に登場する。
- スーパーロボット大戦W
- 真ゲッター1が「真・シャインスパーク」を使用すると、背景に登場する。また、ザ・データベースは前の宇宙でチェンゲの真ゲッターと戦い、そこからこの機体の情報を得ていたらしい。
VXT三部作
- スーパーロボット大戦V
- 通常・困難両ルートの第51話において、マジンガーZEROとエンペラーを含むゲッター艦隊が並び立つという(敵にとっては)悪夢の光景が映る。
名場面
- はるか未来の戦い
- 地球から遠く離れた昆虫人類達の住む惑星へと侵攻するゲッターエンペラー。エンペラーは、自らに立ち向かう昆虫人の艦隊をゲッタービームで消し飛ばし、その圧倒的な存在をアピールする。
- 「まかせろ、月ごとふっ飛ばしてやる!」
- その際に発せられた声は流竜馬の声そのものだった。更に、この月は地球の月に比べて遥かに大きいにも拘らず、ゲッタービームの一撃で本当に吹き飛ばした。
- エンペラーチェンジ
- ゲッターチェンジを敢行するエンペラー。それを必死に止めようとする昆虫人達だったが……。
- 「ああ~、ダビィーンが押し潰される!」
「エンペラーのゲッター線量が上がっていくぞ、ウォォ! この指数はビッグバンを引き起こすだけの…」
「ゲッターチェンジをさせてはならん!! 阻止せよ!!」 - ゲッターエンペラーと戦う昆虫人のセリフ。ダビィーンは彼らの住む惑星であるが……。
- 「惑星ダビィーン消滅!!」
「星域のゲッター指数がますます上がっていきます!」
「駄目だ、もう…我々の武器は全て無意味になった!!」 - しかし、奮闘虚しくゲッターチェンジを防ぐことは出来なかった。ゲッターエンペラーは合体しただけでこの有様である。また、上述するように、これはゲッターと対立する異星人のセリフである。もはやゲッターロボは紛れもなく宇宙の侵略者であるが、もしゲッターが時天空に挑む兵器であるのなら宇宙を征服し終えた所で本当の戦いのスタート地点となる。
関連機体
- ゲッタードラゴン(ゲッターロボG)(漫画版)
- 大本の姿その1。漫画版『真』でメルトダウンを起こしながら地中深くに沈んで地獄の釜を形成。
- 真ゲッタードラゴン(漫画版)
- 大本の姿その2。漫画版『真』の最後で未来からやってくる敵の巨大戦艦を一時的に目覚めて迎撃、地中深くで岩のように固まって脈動しながら再び眠りにつく。胸部にライガー、ポセイドンの顔が突き出ている。
- ゲッター聖ドラゴン(ゲッターセイントドラゴン)
- 大本の姿その3。「聖獣ドラゴン」とも呼ばれる。漫画版『真』で見た未来に登場。超巨大な異形の頭部、血走った目、岩のような体表には進化元というより取り込まれたかのように通常サイズのドラゴン・ライガー・ポセイドンの姿が見られる。
- 真ゲッターロボ(漫画版)
- 大本。漫画版『號』で火星に飛び立って眠りについていた。ゲッターの意思はこちらに宿っていたので、エンペラーが記憶した「ゲッター戦記」に聖ドラゴンの記録はない。
- 真ゲッタードラゴン
- OVA『世界最後の日』版。ラストで真ゲッターを炉心としてインベーダーにシャインスパークを敢行したところ、何かと戦うエンペラーやゲッター艦隊と遭遇したが、その時点で弁慶によって真ゲッターとのリンクを切られて通常宇宙へ送り返され、そこで力尽きて崩壊したため、進化することなく終わっている。
- 巨大ドラゴン
- 『新』において神々が恐れた機体であり、別の可能性の竜馬が搭乗する暴虐のゲッターロボ。ゲッター聖ドラゴンがモチーフ。毘沙門天を握りつぶす程の存在であり、神々はゲッターの進化の行き着く果てと考えていたが、このドラゴンは行き詰まった派生進化の一つの形に過ぎず、未来のないただのロボットである。ドラゴンの名が示す通りGの系譜に当たり、外見は超巨大で、ゲッタードラゴンが鬼の意匠を取り込んだような姿。首の部分にライガー、胸部にポセイドンの顔があり、機体各所にそれぞれの形態の武装が取り付けられている。
- ゲッペラー様
- 『ロボットガールズZ』オンラインゲーム版に登場する、『アーク』での設定を基に擬人化されたゲッターエンペラー。未来の世界から襲来した最強のロボットガールズであり、身長こそ他のガールズと大差ないものの、惑星をも一瞬で破壊できる程の力を持つ。あらゆるロボットガールズが共闘しても傷一つ付けられなかったが、文字通り命を懸けてまで戦う彼女達の姿に興味を抱き、侵略対象ではなく観察対象と認識を改めた事であっさりと和解する。
余談
- 実は、本来ゲッターロボサーガに登場する予定はまったくなく、エンペラーの構想自体も存在していなかった。サーガは『ゲッターロボ號』で完結する予定だった(そもそも『號』で一度完結した時点ではまだサーガと呼ばれていなかった)のだが、当時の双葉社における担当編集だった中島かずき氏の提案を受けた石川氏がこの存在を閃き、結果「無限に進化するゲッターロボ」の代表としてエンペラーが登場した経緯がある。
- 原作漫画では大コマや見開きページで描かれる事が多く、石川賢氏の尋常ならざる描き込みによるゲッターエンペラーと、エンペラーが率いる視界を埋め尽くすほどのゲッター軍団は圧巻の一言。しかし、よく見るとギャグのような形状のゲッター、デフォルメされたゲッター1とゲッター2、ヤカンなどが紛れ込んでいる。
- 2019年に超合金魂として初めて立体物としてお披露目され、それぞれの戦艦型ゲットマシンに正式名称(エンペラーイーグル号、エンペラージャガー号、エンペラーベアー号)が付けられ、スパロボでの演出に登場しているのはエンペラーイーグル号となる。
- 漫画『ゲッターロボDEVOLUTION』ではこの超合金魂版のデザインを使った「ゲッターウィル」が登場し、アニメ版『ゲッターロボ アーク』でもこの超合金魂版のデザインを採用している。
- エンペラーが登場を知覚した時点でその誕生を阻止出来ないという事は、逆に言えば、そもそもエンペラーが存在していなければ阻止できるという事になる。これを示す例として、小説『スーパーロボット大戦』における闇の帝王が支配する未来世界では『UFOロボ グレンダイザー』完結から約100年後に発生した機械の叛乱により人類は滅亡寸前まで追いつめられ、早乙女研究所も消滅。ゲッター線のテクノロジーが闇の帝王に握られた(そして真ゲッターロボ以上のロボットを作ろうとしなかった)ため、結果としてエンペラーの誕生が阻止されている。この未来世界では最終的には闇の帝王一派の全滅に伴って、ゲッター線のテクノロジーが完全に消滅していると思われる。闇の帝王一派がこのような事が出来た最大の理由として、同作の時点では『ゲッターロボサーガ』作中でもエンペラーがまだ登場していない…文字通りエンペラーが存在していないので阻止できたというわけである(なので闇の帝王一派もエンペラーの誕生を阻止したという自覚は一切ない)。
- その一方でアンドロメダ流国は力押しによるゲッターエンペラー誕生阻止を選んだ結果、過去世界のゲッターの力が増していくという状況に陥っている[14]事を考えると、ゲッターと直接対決しない事で力を付けさせることを阻止した上で関係者が死亡した100年後に真ゲッターを取り押さえる行動を取った闇の帝王はアンドロメダ流国よりも有効な攻略手段を取ったと言えなくもない。
- ロボット史上最大級のサイズと戦闘力を誇るゲッターエンペラーではあるが、これでも石川賢作品ではまだ中堅クラス。その上は空間支配能力の使い手が名を連ね、中にはパンチ一発でゲッターエンペラークラスの艦隊を消滅させる人間もいると、もはや比較がどうのというレベルではなくなってしまっている。なお、『ゲッターロボアンソロジー~進化の意志』に収録されている大井昌和による漫画では、エンペラーとラ=グースの直接対決が描かれ、どうも空間支配能力対策ができるようになったらしく、宇宙を内包してるようなとんでもなく進化したエンペラーが銀河系から生えてきて、成長したラ=グースを盛大にぶん殴って倒した。
- しかし、アニメ版『ゲッターロボ アーク』にて「エンペラーの存在する宇宙はエンペラー自身が特異点となり、特殊な閉じた宇宙を形成する」と語られた事から、空間支配能力もしくはそれに類する力を持っている可能性が出ており、もしそうだとすれば石川賢作品の上位クラスにも一気に食い込みうるだろう。
商品情報
脚注
- ↑ アニメ版『ゲッターロボ アーク』ではエンペラー壱號艦、エンペラー弐號艦、エンペラー参號艦と名称が変更されている。
- ↑ スパロボの演出に登場するのはこの「戦艦型ゲットマシン」の方であり、合体形態のエンペラーは人型ロボットである。
- ↑ 頭部はスパロボなどでみられるゲットマシンの艦首部分そのままであり、超合金魂でもその変形ギミックは踏襲されている。
- ↑ アニメ『ゲッターロボ アーク』では合体時の掛け声は石川英郎氏が担当しており、EDテロップでは「流竜馬」の表記があった。
- ↑ 純粋な人間遺伝子のコピーであり、正確にはクローンとは異なるとの事。
- ↑ アニメではシールドの展開のみで変形は披露しなかったが、石川賢氏の原作ではヘリがゲッターロボに変形する描写が確認されている。
- ↑ 『アーク』ではゲッターとの縁が深い拓馬にも精神的に接触していたような描写があり、エンペラーと深い縁を持つ拓馬が相手ならば、全宇宙規模での探査なども可能な様子を見せていた。
- ↑ アニメ版『ゲッターロボ アーク』では、存在自体が特異点となっており、歴史改変による世界線の分岐は起こらず、宇宙の存在そのものが消滅すると解説されている。
- ↑ ライガーやポセイドンの顔もあるようで、原作では姿はシルエットが窺えるのみであり、正式な姿はゲッターロボアークのアニメ化まで不明であった。両腕両脚の無い異形のゲッターロボである。
- ↑ 彼等の思想は奇しくも『偽書ゲッターロボ ダークネス』のイデアと全く同じである。
- ↑ 石川賢氏のコメントより。太陽系の定義は異説もあるがオールトの雲までを含めると、最小では直径2光年程度、最大では直径3光年=30兆km程度
- ↑ 同シリーズではオルタニティコンボイやオメガコンボイ等が登場しているが、これらは高次元の上位存在と化したり大きさの概念を捨てているのでやはり物質的な大きさに意味は無い。
- ↑ これは石川氏の持論『同じ力を持っている奴同士が戦うなら、最後はでかいやつが勝つ』に基づいている。能力はもちろん、大きさまでインフレする最大の理由がこれである
- ↑ 最たる例として、百鬼帝国を誕生させたのもアンドロメダ流国だが、恐竜帝国との戦いの中で一時消息を絶った竜馬を救ったのも百鬼帝国であるため、そもそもこの介入がなければ竜馬は死んでいた可能性が高い。
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