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舞台となる地球に、未来や[[異世界]]から多くの人間達が集まってくる……というのが基本だが、実際には全く別の理由が存在する。詳しくは後述。 | 舞台となる地球に、未来や[[異世界]]から多くの人間達が集まってくる……というのが基本だが、実際には全く別の理由が存在する。詳しくは後述。 | ||
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作中の年代は[[シンジロウ・サコミズ]]が地上にいた頃から約200年後という言及があるため、[[西暦]]2145年前後となる。『[[機動戦士ガンダム00]]』の設定と食い違うが、『00』の世界観は放送当時の現実世界から見て「未来」であれば成立するため、『[[リーンの翼 (OVA)|リーンの翼]]』や『[[鉄のラインバレル (原作漫画版)]]』辺りと折衷した時代設定になったと推察できる。 | 作中の年代は[[シンジロウ・サコミズ]]が地上にいた頃から約200年後という言及があるため、[[西暦]]2145年前後となる。『[[機動戦士ガンダム00]]』の設定と食い違うが、『00』の世界観は放送当時の現実世界から見て「未来」であれば成立するため、『[[リーンの翼 (OVA)|リーンの翼]]』や『[[鉄のラインバレル (原作漫画版)]]』辺りと折衷した時代設定になったと推察できる。 | ||
− | + | 細かい経緯が省かれているものの、物語開始以前に多くの戦乱があったことが語られている。 | |
− | * | + | *2度にわたる[[地球連合]]と[[プラント]]間の戦争(ガンダムSEEDシリーズ) |
− | + | *[[アロウズ]]の台頭に対抗する[[ソレスタルビーイング]](ガンダム00 2ndシーズン) | |
− | + | *[[ムーンWILL]]の侵攻([[獣装機攻ダンクーガノヴァ]]) | |
+ | ソレスタルビーイングと[[チームD]]が顔見知りなので、『ダンクーガノヴァ』は『00 2ndシーズン』と同時期になると推察できる。『SEED』との時系列は不明。 | ||
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=== 敵勢力 === | === 敵勢力 === | ||
− | + | 本作の敵勢力の中で、典型的な「侵略者」は実のところ少ない。別の目的があるか、あるいは完全な誤解であったり、果ては何者かの陰謀に踊らされていたケースも存在。なお、少なくともスクラッグとショット・ウェポンは「声」に導かれて「この世界」に来ている。明らかに地球にとって不都合でしかない彼らをわざわざ呼び出したのは、[[ヒーローマン]]や[[ナナジン]]といった可能性を生ませるためと思われる。フェストゥムやELSといった存在が地球に到達したのも声によるものなのかは不明。ちなみに、今作はスパロボとしては珍しく'''オリジナルの敵組織が存在しない'''。 | |
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− | == | + | == 世界の真実 == |
実際には、上記の「別世界」とは、そもそも並行世界でも未来でもない。すべて'''「この世界」が辿るであろう、未来の可能性を実際に辿り、そして滅びた過去の宇宙'''なのである。なお、上記では『聖戦士ダンバイン』の世界を独立して記述したが、実際には『鉄のラインバレル (原作漫画版)』の未来世界と直接つながっている<ref>『聖戦士ダンバイン』の戦乱が終結した後で想像力の喪失によって人類が絶滅、ヒトマキナが出現した。</ref>ことが示唆されている。 | 実際には、上記の「別世界」とは、そもそも並行世界でも未来でもない。すべて'''「この世界」が辿るであろう、未来の可能性を実際に辿り、そして滅びた過去の宇宙'''なのである。なお、上記では『聖戦士ダンバイン』の世界を独立して記述したが、実際には『鉄のラインバレル (原作漫画版)』の未来世界と直接つながっている<ref>『聖戦士ダンバイン』の戦乱が終結した後で想像力の喪失によって人類が絶滅、ヒトマキナが出現した。</ref>ことが示唆されている。 | ||
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*本作の動力炉である粒子加速炉で使用されている粒子と言うのは、陽子や中性子など「量子」に分類される素粒子である。量子力学において、「シュレーディンガーの猫」と言う話で語られるように、量子の状態は観測されるまで確定しないという解釈が存在する。つまり、誰かが「ある事象が存在しないこと」を認識するまでは、その事象は存在しているかいないかは非常に曖昧な状態であり、どんなあり得ない可能性も万が一に存在しうるというものである。<br/>これは、数多の可能性が交錯し観測次第で様々に形を変える本作の世界観にも当てはまっている(上述のループの話に置き換えると、誰かが「そのストーリーは存在しない」と確認しない限り、想像されうる全てのストーリーがUXの世界に有り得ることになる)。そのため、粒子加速炉は本作にふさわしい動力炉だと言える。なお、科学的に「絶対に存在しない」ことを証明することはまず不可能(例えば地球にないとしても宇宙のどこかにあるかも、と範囲を無限に拡大できるため)。ちなみに、量子力学では並行世界の話題もあったりする。 | *本作の動力炉である粒子加速炉で使用されている粒子と言うのは、陽子や中性子など「量子」に分類される素粒子である。量子力学において、「シュレーディンガーの猫」と言う話で語られるように、量子の状態は観測されるまで確定しないという解釈が存在する。つまり、誰かが「ある事象が存在しないこと」を認識するまでは、その事象は存在しているかいないかは非常に曖昧な状態であり、どんなあり得ない可能性も万が一に存在しうるというものである。<br/>これは、数多の可能性が交錯し観測次第で様々に形を変える本作の世界観にも当てはまっている(上述のループの話に置き換えると、誰かが「そのストーリーは存在しない」と確認しない限り、想像されうる全てのストーリーがUXの世界に有り得ることになる)。そのため、粒子加速炉は本作にふさわしい動力炉だと言える。なお、科学的に「絶対に存在しない」ことを証明することはまず不可能(例えば地球にないとしても宇宙のどこかにあるかも、と範囲を無限に拡大できるため)。ちなみに、量子力学では並行世界の話題もあったりする。 | ||
*ファンの間で「[[初音ミク]]は我々の住む現実世界からやって来た」とみなされることがあるが、『[[宇宙をかける少女]]』のように初音ミクやボーカロイドが存在する設定(もしくは外部出演)がある作品は少なくない。あくまで「現実世界も例外ではない」だけで確定してないことに注意。 | *ファンの間で「[[初音ミク]]は我々の住む現実世界からやって来た」とみなされることがあるが、『[[宇宙をかける少女]]』のように初音ミクやボーカロイドが存在する設定(もしくは外部出演)がある作品は少なくない。あくまで「現実世界も例外ではない」だけで確定してないことに注意。 | ||
+ | *『00』と『SEED』のモビルスーツについて、[[モビルスーツ]]が対[[フェストゥム]]用であるという設定から、『00』と『SEED』のモビルスーツはそれぞれ全く別の技術体型であるということが有り得る。原作の時系列からして『00 1stシーズン』の後に『[[機動戦士ガンダムSEED|無印SEED]]』という順番になるはずだが、かなり摺り合わせが難しい。 | ||
+ | **仮に同じ技術とした場合、モビルスーツという既にある技術をフェストゥムの出現に合わせて対抗策用にアジャストした世界、つまりは00とSEEDのモビルスーツは起源は同じだがその後の技術分岐が異なり、武力介入や対話の為の技術進化(裏のモビルスーツ技術)とフェストゥムという存在が現れてそれに対抗するための技術進化(表のモビルスーツ技術)に別れた(疑似太陽炉以降については00本編と同じ経緯で問題ない)とも考えられる。この場合であればモビルスーツという技術は元からある→001st(ガンダムというモビルスーツの出現)→SEEDのif的なストーリー等の展開(理由は不明なるもガンダムの外見的な模倣を含めたフェストゥムへの対抗策としてのモビルスーツ、疑似太陽炉を用いたガンダムの技術的な模倣を目指したモビルスーツへの分岐)→UX本編という時間軸で問題がなくなる。 | ||
== 脚注 == | == 脚注 == |
2023年3月4日 (土) 03:30時点における最新版
『スーパーロボット大戦UX』の世界観。
基本設定 [編集 | ソースを編集]
『劇場版ガンダム00』に基づいて、「ついこの前まで人類間の国家戦争があったが、今は平和がなんとか保たれている」という状況。これを優先してか『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は原作終了後となっている。ただし『スーパーロボット大戦NEO』のように人類同士の争いが描かれないというわけではない。
舞台となる地球に、未来や異世界から多くの人間達が集まってくる……というのが基本だが、実際には全く別の理由が存在する。詳しくは後述。
この世界[編集 | ソースを編集]
ここでは「ゲームを始めた時に舞台となっている世界」について記述する。
作中の年代はシンジロウ・サコミズが地上にいた頃から約200年後という言及があるため、西暦2145年前後となる。『機動戦士ガンダム00』の設定と食い違うが、『00』の世界観は放送当時の現実世界から見て「未来」であれば成立するため、『リーンの翼』や『鉄のラインバレル (原作漫画版)』辺りと折衷した時代設定になったと推察できる。
細かい経緯が省かれているものの、物語開始以前に多くの戦乱があったことが語られている。
- 2度にわたる地球連合とプラント間の戦争(ガンダムSEEDシリーズ)
- アロウズの台頭に対抗するソレスタルビーイング(ガンダム00 2ndシーズン)
- ムーンWILLの侵攻(獣装機攻ダンクーガノヴァ)
ソレスタルビーイングとチームDが顔見知りなので、『ダンクーガノヴァ』は『00 2ndシーズン』と同時期になると推察できる。『SEED』との時系列は不明。
政治体制[編集 | ソースを編集]
『SEED DESTINY』、『劇場版00』、『忍者戦士飛影』の折衷。大統領直轄の機関として、アクセル・ヒューズ属するNIAが存在する。
物語開始以前の地球連邦政府にはブルーコスモスとアロウズ、そして黒幕であるロゴスとリボンズ・アルマークが率いるイノベイドの一派が暗躍しており、彼らと敵対していたキャラ達の発言から考えても原作以上の独裁政治を多くの人々に強いてきた恐れがある。
物語開始時点では既に壊滅済みだが、新たにハザード・パシャやヘスター・ギャロップ達の様な一派が台頭し、再び体制に歪みが生じ始めることとなる。
各地域の設定[編集 | ソースを編集]
- 月
- 『SEED DESTINY』のアルザッヘル基地やダイダロス基地が所在する。
- また、ムーンWILLもかつてここに存在していた。内部にはショウ・ザマの知る東京を模した空間があり、そこにヒトマキナの本拠が存在する。
- プラント
- 地球連邦に参加しておらず、独立国家扱いになっている。『SEED DESTINY』の世界観に従っているため、同作に登場するコロニーは全て存在するものと思われ、ストーリー中にはプラントのコロニー群とユニウスセブンが登場する。
- 火星
- ハザードの管轄する開拓基地が所在。ジョウ・マヤら『飛影』の地球組はこちらにいる。
- バイストン・ウェル
- 海と大地の狭間に存在する異世界。今作では『リーンの翼』のものが採用されている。
- シンジロウ・サコミズ率いるホウジョウ国が最大勢力であるが、政策から反発を覚える者も多く、アマルガン・ルドルを筆頭に反乱軍が隆起している。
- 日本
- スパロボとしては珍しく、スーパーロボットの研究所が一切存在しない(強いてあげるならJUDA)。
- ハザード曰く「ユニオンの同盟国だが、アジアとユーラシアの覇権を狙う人革連に対抗して、防衛には特に力を入れている」とのこと。
- 竜宮島
- アメリカ
- ブラックロッジが台頭し、アーカムシティに存在する覇道財閥が抵抗を続けているが、戦力差から劣勢を強いられている。
- 奇械島
- キバ軍・ガラン軍・八稜郭が三つ巴の戦いを繰り広げていたが、外界に影響が出なかったため知られていない。
別世界[編集 | ソースを編集]
「この世界」とは異なる世界。そこに住んでいた異邦人たちが「集え、始まりのもとに」という言葉を聞き、それに導かれるようにしてこの世界に飛ばされて来る、という流れで物語に絡んでくる。
- 『聖戦士ダンバイン』の世界
- ドレイク軍との決戦は既に終了しており、ショウ・ザマ、チャム・ファウ、ショット・ウェポンが転移。また、マーベル・フローズンとバーン・バニングスも生存し、この世界にやって来ている。
- 『マクロスシリーズ』の世界
- 冒頭のプロローグにおいてマクロス・フロンティア船団が、中盤でマクロス・ギャラクシー船団が転移してくる。
- シェーマ星系
- ザ・ブーム軍と、エルシャンクに乗艦したラドリオ星人らが地球に転移して来る。この時エルシャンクの方は火星開拓基地にいたジョウ・マヤらと遭遇、3機のマシンを動かせたことから迎え入れ、ザ・ブーム軍と衝突を繰り返しながら地球圏へと辿り着いている。
- なお、彼らは終盤になるまで、今いる宇宙が自分達のいた宇宙ではないことに気付かなかった。
- 三璃紗(ミリシャ)
- 中国の古典小説『三国志演義』とほぼ同様の構造を持つ異世界。超エネルギーや古代兵器など独自の事象も存在するが、特筆すべきは劉備ら住人達。全員がモビルスーツを模した姿をしているという異色の生命体であり、「魂を持った機械の人間」とでも言うべき存在である。
- 「赤壁の戦い」での最終決戦の最中に「声」が響き、劉備、関羽、張飛、孔明、孫権、孫尚香、周瑜、陸遜、曹操、司馬懿が転移。さらに、この戦い以前に死亡したはずの呂布と貂蝉も出現している。
- 未来世界
- 『鉄のラインバレル (原作漫画版)』の世界で、「この世界」が辿る未来の姿。想像力の喪失によって人類が絶滅し、マキナ達が死を認識することでヒトマキナへと進化している。
- 加藤久嵩、中島宗美、菅原マサキ、城崎絵美、城崎天児はここの出身。このうち天児は度重なる戦いで肉体を失っており、ラインバレルの電脳に脳を移植している。
- 『電脳戦機バーチャロンシリーズ』の世界、そしてどこかの世界
- 奇械島での粒子加速炉消失事故の際、増幅された意志と入れ替わりに引っ張られた意志が存在している。多くの者はそれがフェイ・イェンHDだと認識している。しかし、実際に呼ばれたのは「どこかの世界」の電脳から呼ばれたボーカロイド・初音ミクであり、その彼女が歌でオリジナルフェイ・イェンことファイユーヴを導き、融合する形で実体化したのがHDである。
- 初音ミクが元々いた「どこかの世界」については全く謎のままだが、「ボーカロイドというものが存在する世界」という条件からして、プレイヤーが住む現実世界も例外ではないのだろう。
軍事体制・敵勢力[編集 | ソースを編集]
- 地球連邦軍
- 『劇場版00』に、『SEED DESTINY』の要素を加えている。
- ザフト
- オーブ軍
- 三大国家
- ユニオン、人類革新連盟、AEUの3つを指す。
- JUDA特務室
- アンノウン・エクストライカーズ
- 連邦軍から独立している傭兵部隊。
- アルティメット・クロス
- 本作のプレイヤー部隊。アンノウン・エクストライカーズが活動する中で徐々に戦力を拡張して行き、テロリストの嫌疑が晴れたのちに地球連邦直轄の独立行動戦隊として承認されたもの。
- アルヴィス
- 竜宮島にてフェストゥムへの対策を進めている組織。オーブ軍やザフトもこれに呼応する形でモビルスーツの開発を励行。このため、本作のモビルスーツは対フェストゥム用兵器としての側面を持っている。
- 人類軍
- ハザード・パシャの提言で創設。ハザード自身はその議決の場で背任が発覚して逮捕されたが、議案自体は内容を大幅に変更する形で可決されている。
敵勢力[編集 | ソースを編集]
本作の敵勢力の中で、典型的な「侵略者」は実のところ少ない。別の目的があるか、あるいは完全な誤解であったり、果ては何者かの陰謀に踊らされていたケースも存在。なお、少なくともスクラッグとショット・ウェポンは「声」に導かれて「この世界」に来ている。明らかに地球にとって不都合でしかない彼らをわざわざ呼び出したのは、ヒーローマンやナナジンといった可能性を生ませるためと思われる。フェストゥムやELSといった存在が地球に到達したのも声によるものなのかは不明。ちなみに、今作はスパロボとしては珍しくオリジナルの敵組織が存在しない。
- スクラッグ
- 異世界のメンバー同様「声」に導かれた異星生命体で、『UX』の戦いの火蓋を切った存在。上記の通り、実際にはヒーローマンを誕生させるための咬ませ犬に近い。なお、スクラッグの母星もまた地球のたどる可能性の一つであることが示唆されている。
- 加藤機関
- 久嵩が設立したテロ組織。想像力喪失による人類絶滅を防ぐため、自らが「死」となって人々を抑圧、その反発力としての想像力励起を促していた。
- なお、途中まで呂布隊がここに所属していた。
- 人類軍
- ハザード、ヘスターらが中心となって設立された地球連邦軍の延長線にある部隊。そのため、立ち位置としてはアルティメット・クロスの友軍であるはずなのだが、作中では方針の違いにより度々激突。最終的にはELSの侵攻を受ける地球を見捨ててバジュラ本星に攻め込むという暴挙を行い、連邦軍側からも「反逆者」という扱いを受ける事になる。
- フェストゥム
- この世界においてもっとも脅威とされているシリコン生命体群。当初こそ完全に敵対していたが、それは人間という存在を知らないがための擦れ違いであり、UXのメンバーは後に対話による共存を試みる。
- ELS
- 外宇宙の金属生命体。フェストゥムに酷似した性質を持っており、脳量子波に引き付けられる性質を持つ。
- バジュラ
- フロンティア船団を追撃する形で地球圏に転移して来た昆虫型の異種生命体。上記のELSやフェストゥム同様に人間を知らないが故の擦れ違いや、彼らの利用を企む者達の謀略で戦う羽目になる。どういう経緯か不明だが、彼らの母星もこちら側の世界に転移してきている。実は、スクラッグやラドリオ星同様バジュラ本星もまた地球だったらしく、マスターテリオンがヨグ=ソトースの門を呼び出すと同時に地球にも出現した。その後の本星の扱いは不明。
- ホウジョウ軍
- この世界のバイストン・ウェルに存在する国家・ホウジョウの擁する軍隊。国王シンジロウ・サコミズ自身が率いている。サコミズの宿願を果たすべく、オーラロードの開放を狙っている。本作においては、オーラバトラーを生み出したのは前の宇宙から転移してきたショット・ウェポン。
- ヒトマキナ
- 加藤機関本来の敵。人類絶滅後、互いに殺し合い「死」を認識したことで人となったマキナのことを指す。しかし、エレボスによれば生命の証たるオーラ力は持っておらず、実際はただのマキナの延長でしかないことが示唆されている(膨大な殺し合いの経験による「予測」を想像力と取り違えている可能性が高い)。今作では月の内部に潜んでいたが、そこはショウの知る東京であった。交戦機会が約1.5話分と恐ろしく短い。
- ザ・ブーム軍
- エルシャンクを追って地球圏に転移して来た異星人の軍隊。実はある事象のために呼ばれた存在である。
- ブラックロッジ
- 魔術師マスターテリオン率いるテロ組織。幹部格・アンチクロスは世界の支配を目的としているが、マスターテリオン自身には別の目的がある。
- 邪神ナイアルラトホテップ
- 全ての黒幕。マスターテリオンの後ろにいた存在であり、この世界の戦いを仕組んだ張本人。
関連用語[編集 | ソースを編集]
世界の真実[編集 | ソースを編集]
実際には、上記の「別世界」とは、そもそも並行世界でも未来でもない。すべて「この世界」が辿るであろう、未来の可能性を実際に辿り、そして滅びた過去の宇宙なのである。なお、上記では『聖戦士ダンバイン』の世界を独立して記述したが、実際には『鉄のラインバレル (原作漫画版)』の未来世界と直接つながっている[1]ことが示唆されている。
邪神ナイアルラトホテップは、「アザトースの庭」を解放すべく、世界そのものに在る仕掛けを施した。それは、目的の達成……即ち、邪神の封じられた宇宙そのものであるシャイニング・トラペゾヘドロンが二つ同時に現れるまで、同じ戦いを同じようにループさせる、というものであった。
その結果、
- 未来が幾重にも分岐する(宇宙が滅んでは生まれ別の分岐を辿りまた滅びる)
- 分岐した未来(積み重ねられた過去)の住人達が「声」を聴き、「始まり」であるこの世界、より正確にはその宇宙が滅んだあとの、次の宇宙の、「始まり」に当たる時代に転移する
- 集い、戦う
- トラペゾヘドロンが揃わなければ、また分岐
- 再び結集
……と、この世界は同じ物語を延々繰り返すようになってしまった。
リチャードの行動[編集 | ソースを編集]
これは、そこに生きた人物達の行動にも当てはまる。
200年前、リチャード・クルーガーはノーヴル・ディランの主導した粒子加速炉の実験にテストパイロットとして参加していた。しかし、加速炉は増幅する「意志」の力を制御しきれず暴走、リチャードとノーヴルは未来世界へと飛ばされてしまった。その世界で再会した二人だが、人類は絶滅し、世界を救うことは出来なかった。そのためノーヴルは、レプトン・ベクトラーの同期によって疑似的にヨグ=ソトースの門を造り出し、リチャードを次の宇宙へと送り出した。この時にリチャードが連れていたのが、ノーヴルが新たに生み出した命・サヤ・クルーガーであった。
これだと第31話・第32話で明かされた行動が矛盾して来るが、これについてはこう説明することが出来る。
つまり、本編の時代の200年前に暴走に巻き込まれたリチャードは未来へと飛ばされており、本編の時代には既に存在しない。本編でアーニーが出会ったリチャードは、ノーヴルによって前の宇宙からサヤと共に跳んで来た存在だった、ということである。
なお、作中ではほとんど触れられていないが、リチャードが「未来の過去」でノーヴルと再会するつもりだったことと、ライオットの発展形であるヴィジャーヤに未来の技術である同期臨界が実装されていることからすると、前の宇宙から飛んできたリチャードはストーリー開始以前に一度ノーヴルに会って「過去の未来」の情報を授けている可能性がある。ただし、作中ではノーヴルが一体どのようにして200年前と現在と人類絶滅後の3つの時代に存在しているか明かされないので、確実な推測とはいえない。[2]
しかし、何度も何度も同じループを繰り返す内、そこに生きた者達の「意志」は可能性となって積み重なり、何億回目かのループにおいていくつかのイレギュラーを生み出した。その一つがヒーローマンである。また、このループにおいては、リチャードが未来へと飛ばされた際、入れ替わりに別の世界から一つの意志を呼び込んでいた。その意志たる電脳の歌姫・初音ミクは、さらに別の世界からバーチャロイド・ファイユーヴを呼び込み、融合する形で実体化。結果として現れたのがフェイ・イェンHDである。
これらイレギュラーの存在と、別のループで旧神となった大十字九郎の干渉により、ナイアの組み立てたシナリオは崩壊、マスターテリオンごとユガの外側へ放逐されることとなった。
………と、ここまでは真実の一端である。
『スパロボUX』の真実[編集 | ソースを編集]
さらなる真相は、実はループを仕組んだナイア自身もまた、無限輪廻に組み込まれた一人に過ぎなかった、というものである。というのは、エンディングにおいて、三璃紗に伝わる「G記」を、この世界に残った司馬懿が書いたものである、という事実が明かされたことにある。この「G記」には、本編のラスボスであるカリ・ユガが「ジョカ」という名で記されている。そのカリ・ユガは、結局のところナイアの企みの後始末に現れているため、本編以前のいつかのループでも、アルティメット・クロス(以下UX)はカリ・ユガと戦っている=ナイアの企みは本編以前のいつかにも行われ、頓挫しているということになるからである。そして、また遠い未来の果てにナイアがループを仕込み、ノーヴルがそれを砕くための仕込みを行う、という流れが再開する。
つまり、本作の世界はナイアの企みと、それによるループさえも一つの事象として無限に廻っているメビウスの輪である、ということである。言い換えれば、ナイアとその行動については「物語の世界そのものを変えようとしたが、本人が物語の登場人物であるため、その行動自体が物語の筋書に沿ったものであった」ということになる。
無論この中には、本編と同じ展開を迎えたループばかりではなく、たとえばUXが敗北したり、スクラッグがいなかったり、あるいはアーニーがアーカムシティで死に、ジンがUXにいる可能性も存在している。
今回の戦いでたまたまプレイヤーの目に触れた可能性が、前のループで人類が絶滅し、スクラッグなどが襲来し、それに立ち向かうのがアーニー、という世界なのだ。これらの事実あるいは推測から判断できることは、「ゲーム中の周回プレイが、ナイアすら巻き込んだ世界のループそのもの」というある種のメタ的なものとなっている。作中の孔明たちが知る『G記』に記された「ジョカ」とは、要は過去の周回で葬られたカリ・ユガと言うことになる。
ここで注目すべきは、本来UXにいるはずのない人間達である。この世界はループしているとはいえ、またそこにいる面子が同じとはいえ、繰り広げられる物語が同じとは限らない(原作の通りに推移した、あるいは原作の元になった作品通りに推移した展開もある、という話。少なくともどこかのループで九郎とアルが旧神となっている事は確定しており、どこかのループでミシェルが死亡した事は示唆されている)。それら少しずつ違う物語を繰り返す中で可能性が積み重ねられていき、あるループにおいてそれは新しい運命を選択できるほどに高められることになった。
これによって生き残り、最後の戦いに参加したのが羽佐間翔子であり、バーン・バニングスであり、シンジロウ・サコミズであり、呂布トールギスであり、ブレラ・スターン[3]なのである。無論、選択の結果命を落とした可能性もある。また、周回で維持される隠し要素のフラグは「過去のループで生存・参戦した可能性の魂の記憶」が呼び起こされた結果と言える。
そして、ループの結果これらの可能性が宇宙を圧迫しすぎたため、次のループへの突入が困難になった場合、それを一度リセットするためにカリ・ユガが現れるのである。ちなみにこの状態に陥った場合、ノーヴルはナイアの企みをカウンターする傍ら、膨れ上がった可能性を一つに収束させるべく暗躍することになる(本編で見られるのはまさにこの展開)。結局、それを知るノーヴルが何者なのかは依然謎のままだが(少なくとも神のような超越者ではなく、作中では何億回もの輪廻の中でトライ&エラーを繰り返す事で真理に近づいて行ったと推測されている)。
またこの事実から、周回プレイの際に登場するキャラクターたちは同一人物ではなく、並行同位体であるという事実が見える。さらに、周回プレイが世界観の一つであり且つ一つのデータ上のキャラでも並行同位体たりうるということは、別周回のデータと他プレイヤーのデータとに境界線がなくなる。この点から拡大解釈をするとプレイヤー一人一人が見ているキャラすら全て並行同位体であるとすら言える(通ったルート・隠しキャラが仲間になる順序・キャラや機体の強化具合、主人公機の名前、果ては戦闘マップにおける行動の順番やフォーメーション、戦術、指揮官/応援役、敵を倒す順番など、スパロボにおいてはあらゆる要素がプレイヤー次第なので)。極端な話、我々のいる現実世界も本作の参戦作品の一つということになる。この場合、フェイの中にいる「彼女」がその登場キャラになるのだろうか。
本作が『スパロボUX』の世界をゲーム機を介して観測しているもので「プレイごとの差異=平行世界の別人」という考えで行くと、データをロードするとロード前のUX世界はプレイヤーの手を離れ、ロード後から新たに分岐した世界をプレイヤーが観測する、という形になると思われる。こうなると、もはやロード前の世界がどうなったのか、確認する術は一切ないだろう。つまり、UX世界は現実世界を含めて完全な一本道であり、過去に巻き戻ってやり直そうなどという神じみたことが一切許されないのである。『「事象の観測者」というUX世界から見てほぼ絶対的な存在であるプレイヤーの力を持ってしても、ゲーム的な限界以外にもどうにもならないことがある』という一点だけ見てもとんでもないシナリオであると言える。
ちなみに、孔明が終盤で「並列世界など存在しなかった」と言ってはいるが、これは「ショウ達や久嵩の出身世界など、並列世界だと思われていたのが実はそうではなかった」という意味であり、他のシリーズとは間違いなく並列世界の関係にある。また、フェイ・イェンHDが実体化しているという時点で、並行世界が存在する事は確定(詳細はバーチャロイドのリバースコンバート現象に関する記述を参照)する。
ここまで複雑な設定になった理由の一つは、世界観トリックの基本が『機神咆吼デモンベイン』の原作に当たる『斬魔大聖デモンベイン』の設定を使用していることである。同作では、世界が何度も同じループを繰り返している。
またこれに付随する形で見えて来るのが、プレイヤーが知らないだけで、実は考え得る全ての物語がループの中に再現されていた可能性があるという事実である。
前述したように、ゲーム内で展開される物語は「アーニーが中心」「スクラッグがいる」「可能性が限界を迎えカリ・ユガが現れる」という可能性が偶然にも我々の眼に触れた、というだけの話であるため、たとえば1周目と2周目の間に無数のループが存在し、その中で我々が思い描く……それこそ二次創作などで展開されるストーリーが本当に存在していた可能性は大いにある、むしろ確実にあり得るのである。さらに言えば、我々の関わることのできる物語はエンディングの時点までであるため、その後の彼らがどのような運命を辿ったのかは、それこそ我々一人一人に委ねられる(続編や原作ラストへ繋がるフリなど、その後を予想させる要素は多くあるが)。本作でフラグが潰れたラインバレルのストーリーなども、ラドリオ星と同様に現在が神話となるほど遠い未来に同じ展開が発生する可能性も存在する。これもまた可能性の分岐であり、それらはやがて集束し、一つとなる。そうして始まるのが次の周回なのである。
このように、本作の世界観は「周回プレイとそれに伴う各種要素の引き継ぎ」「プレイヤーごとのプレイスタイルの違い」というメタ的な視点を物語の登場人物の視点で解釈し、シナリオ設定の根幹に取り込んだ異色の構成となっている。また、終盤で言及される「死、あるいは敗北の歴史」とは、この視点で言えば敗北条件を満たして全滅した場合の記録とも言える。
『スーパーロボット大戦Z』の世界観とよく似ているが、あちらが最終的にループを断ち切ったのに対し、こちらはループを維持するための最終決戦[4]であることが大きく違う。
まとめ[編集 | ソースを編集]
このように『スパロボUX』の世界観はシリーズ恒例の並行世界論に加え、「スパロボというゲームの流れやプレイスタイル」をそのまま世界観の構造へと落とし込んだ特殊なものとなっているため、キーキャラクター達の行動もある程度メタ的に言いかえることが出来る。それで言うと各陣営の行動及び立ち位置は、
- ナイア⇒トラペゾヘドロンが揃うまでループ(クリアまで全滅プレイを繰り返し。本人の性格含めてかなりの邪道プレイ。しかもセーブ欄を使えるだけ使っている状態のため、カリ・ユガがプレイできない状態に。なお、本作の隠しキャラの多くはフラグの一つが内部撃墜数判定であるため、ランカスレイヤーやインスマウスで撃墜数を稼ぎまくったプレイヤーがこれにあたると言えなくもない)
- リチャード&加藤久嵩⇒前の宇宙の経験をもとに行動(一周クリアして二周目に突入。こちらはスタンダード。恐らく大抵のプレイヤーが辿る)
- 石神⇒ジュダの予測に従って行動(過去作の傾向をもとに一周目。慎重派。ジュダの指示があるが、幾つもの要因が重なったことで想像だにしない展開に)
- マスターテリオン⇒無限輪廻に囚われている(数え切れないほど周回。廃人プレイ。奇しくも中の人ネタ)
- カリ・ユガ⇒すべての可能性を無へ帰す(容量オーバーのため全リセットしてやり直し。自分がプレイするために余計なデータを消して、一周目からプレイ。ナイアがセーブ欄にデータを作りすぎたのが原因)
- ノーヴル⇒可能性を収束して次のユガへ導く(セーブデータを一つに統合し、全要素を引き継いで二周目に突入。二周目に必要なことを一周目で全てやった)
- フェイ・イェンHD⇒無限輪廻の中に本来存在しない「外」からの来訪者(存在しないはずのユニットをゲームデータ改造ツールを使って入れ込んだ。これによって色々なゲーム内要素が変動した)
- ヒーローマン⇒誰一人出現を予測できなかった本物のイレギュラー(周回プレイを繰り返す中で突然現れた、本来プログラムにいないある種のバグキャラクター。)
と言えなくもないだろう。ちなみに、遺伝的アルゴリズムという考え方において、安直な結末に収束することを防ぐため、ランダムで全く異なる解を導くようになっている。おそらくヒーローマンはクリエイターが用意したそういう手合いに当たると思われる。突然変異個体にも関わらず確実に参戦する事を考えると、フェイ・イェン同様現実世界とのリンクによって発生するあるいは発生することで現実世界とリンクする存在なのかもしれない(フェイは現実世界側、ヒーローマンはUX世界側のチューナーという表現がわかりやすいか)。
余談[編集 | ソースを編集]
- 本作の動力炉である粒子加速炉で使用されている粒子と言うのは、陽子や中性子など「量子」に分類される素粒子である。量子力学において、「シュレーディンガーの猫」と言う話で語られるように、量子の状態は観測されるまで確定しないという解釈が存在する。つまり、誰かが「ある事象が存在しないこと」を認識するまでは、その事象は存在しているかいないかは非常に曖昧な状態であり、どんなあり得ない可能性も万が一に存在しうるというものである。
これは、数多の可能性が交錯し観測次第で様々に形を変える本作の世界観にも当てはまっている(上述のループの話に置き換えると、誰かが「そのストーリーは存在しない」と確認しない限り、想像されうる全てのストーリーがUXの世界に有り得ることになる)。そのため、粒子加速炉は本作にふさわしい動力炉だと言える。なお、科学的に「絶対に存在しない」ことを証明することはまず不可能(例えば地球にないとしても宇宙のどこかにあるかも、と範囲を無限に拡大できるため)。ちなみに、量子力学では並行世界の話題もあったりする。 - ファンの間で「初音ミクは我々の住む現実世界からやって来た」とみなされることがあるが、『宇宙をかける少女』のように初音ミクやボーカロイドが存在する設定(もしくは外部出演)がある作品は少なくない。あくまで「現実世界も例外ではない」だけで確定してないことに注意。
- 『00』と『SEED』のモビルスーツについて、モビルスーツが対フェストゥム用であるという設定から、『00』と『SEED』のモビルスーツはそれぞれ全く別の技術体型であるということが有り得る。原作の時系列からして『00 1stシーズン』の後に『無印SEED』という順番になるはずだが、かなり摺り合わせが難しい。
- 仮に同じ技術とした場合、モビルスーツという既にある技術をフェストゥムの出現に合わせて対抗策用にアジャストした世界、つまりは00とSEEDのモビルスーツは起源は同じだがその後の技術分岐が異なり、武力介入や対話の為の技術進化(裏のモビルスーツ技術)とフェストゥムという存在が現れてそれに対抗するための技術進化(表のモビルスーツ技術)に別れた(疑似太陽炉以降については00本編と同じ経緯で問題ない)とも考えられる。この場合であればモビルスーツという技術は元からある→001st(ガンダムというモビルスーツの出現)→SEEDのif的なストーリー等の展開(理由は不明なるもガンダムの外見的な模倣を含めたフェストゥムへの対抗策としてのモビルスーツ、疑似太陽炉を用いたガンダムの技術的な模倣を目指したモビルスーツへの分岐)→UX本編という時間軸で問題がなくなる。
脚注[編集 | ソースを編集]
- ↑ 『聖戦士ダンバイン』の戦乱が終結した後で想像力の喪失によって人類が絶滅、ヒトマキナが出現した。
- ↑ 少なくとも何らかの方法でユガを飛び越えているのは確実なので、あるいはオルフェス・ライラスのデータをもとに自ら作り上げた可能性もある。
- ↑ ただし、ブレラに関してはミシェルが死亡したループの存在を考えると元々生存したループが存在した可能性が高い。
- ↑ 『Z』の方はループの継ぎ目に泥沼の戦争があるため致し方ない。