ギリシア神話

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ギリシア神話(Greek Mythology)

ギリシア発祥の神話。人間臭い神々と英雄たちの織り成す神話で、歴史上存在した(現在の88以外に抹消されたものも含む)星座の多くが、古代ギリシア人が神話をモチーフに考え出したもの。

ギリシア神話には主神ゼウスを初めとして、色恋にまつわる事件が多い。また、ある事件が後に別の事件の発端となったり、ある英雄が複数の事件で活躍したり、その子孫がまた英雄になったりと歴史的な連続性が見られる。古代神話の常として同じ事物に対して複数の逸話が伝わっている。なお、ギリシア神話の神々は必ずしも人柄(神柄?)が良いとは限らないので、そんな彼等の気まぐれによって非の無い人物が理不尽な目に遭わされる逸話も少なく無い。

神話の中で最も知名度が高く、星座や太陽系の惑星・小惑星、果ては心理学用語にも多数の神話由来の名がつけられている。

ギリシア神話が取り入れられている作品

マジンガーZグレートマジンガー
ミケーネ帝国が古代ギリシアが起源なので機械獣妖機械獣戦闘獣にギリシア神話的な要素が散見される。
真マジンガー 衝撃! Z編
ゼウス神などが登場。
新世紀エヴァンゲリオン
物語の随所にギリシア神話や旧約聖書など宗教の要素が色濃く盛り込まれている。
ベターマン
ベターマンの各形態(オルトス・セーメ)など作中用語の多くがギリシア神話含む多くの神話や天文学からの引用である。
バンプレストオリジナル
ギリシア神話に関する名称が多くとられている。

神々

オリュンポス十二神(Dodekatheon)

オリュンポス山の山頂に住まうと伝えられる12柱の神々。

ゼウス(Zeus)
ギリシア神話の主神にして天空神。そして、オリュンポス十二神をはじめとする神々の王であるため、このを知っている者は多い。
雷霆を武器とし神々で最強の力を持ち、巨人達との戦いでは大いに活躍した。その後に現れた怪物テュポーンに対しても、他全ての神が逃げ出す中で唯一立ち向かい一度は敗北して両足の腱を切り落とされるも、回復するや再び挑んで追い詰めるなど勇猛である。また、母である地母神ガイアには不可能だった、宇宙の平定も成し遂げている。(後述の女性関係を除けば)平時は暴力的な面は描かれず、英雄たちの死や悲劇に涙を流し無垢な子供を守ろうとする温和な気質を持つ「弱者の守護神」たる存在。ただし、ガイアの予言を恐れて最初の妻であるメーディスの出産を阻んだりしている(この結果、副次的にゼウスは運命にさえ縛られなくなった)。
その一方で病的ともいえる女好きで、妻帯者にも関わらず多くの女性と子を成した。その際は動物や他人、果ては雨にまで化けて女性の寝所に侵入する。挙句、姉に無理矢理子供を作らせている。
そんな彼の妻は、よりによって結婚と貞節を司る故か恐ろしく嫉妬深い女神ヘーラー。ゼウス・ヘーラー夫妻の諍いのとばっちりで事件に発展した例が割とある。また、恋愛に対して豪快なのは私事だけではなく、ハーデースが娘のペルセポネーに恋した際は求婚の許可をもらいに来た彼に対してむしろ誘拐するように唆している。
こんなにも多くの女性と浮名を流したのは、多くの都市国家がゼウスの恩恵を授かった逸話を作った辻褄合わせというのが定説。神話的には、強力な神々や半神半人を生み出すことで宇宙や人間界の基盤を守るためとされる。
ポセイドーン(Poseidon)
ギリシア神話の海神。クロノスとレアの子であり、兄弟のゼウス、ハーデースと力を合わせて父神の王権を奪ったあと、三兄弟の間で世界を分割統治すべく海洋の支配者となった。
アポローン(Apollon)
ゼウスとレトの息子にして音楽の神。アポロンとも呼ばれる。よくアポロンを太陽の神とイメージされがちであるが、それはヘリオスと混同したのが原因である。一説ではオルフェウス教の伝説的開祖である詩人オルフェウスの父親と言われている。
その一方で「道路の保護者」としての異名アギュイエウス(Agyieus)、アポロンを象徴する動物である狼を統べる存在アポロン・リュケイオス(Apollon Lykeios)と名乗ったりする。
父ゼウスに劣らぬ女好きでもあり、河の神の娘ダフネを追い回す、トロイア王女カサンドラに予知能力を授ける代わりに交際を求める(これがトロイア国滅亡の遠因にもなった)、など問題行動も多い。また妹アルテミスと交際していた狩人オリオンをガイアと結託して謀殺するといった真似もしでかしている。
アルテミス(Artemis)
狩猟の神。アポロンの妹。よくアルテミスを「の女神」とイメージされがちであるが、それはセレーネーと混同したのが原因である。処女神としてアテナとともに夙に有名。ローマ神話におけるディアナに相当。
アプロディーテ(Aphrodite)
愛と美を司る女神。アフロディテとも呼ばれる。クロノスに切り落とされたウラノスの男性器から生まれたと言われる。
鍛冶の神ヘパイトスと結婚するが、戦争の神アレス(ローマ神話におけるマルスに相当)とは愛人関係にある。後に金星を司る。
ローマ神話におけるヴィーナスに相当する。
アテーナー(Athena)
知恵、工芸、戦争の女神。ゼウスの頭部から武装して鎧を纏った姿で生まれた。戦争の神アレスと比べると肯定的な意味合いが強い。
ローマ神話におけるミネルヴァに相当する。
ヘルメス(Hermes)
旅人、商人、盗人の神。神々の伝令。ヘルメースとも呼ばれる。水星を司る。
ローマ神話におけるメルクリウス(英語名マーキュリー)に相当する。

その他の神々

ガイア(Gaia)
大地母神。ギリシア神話における原初神で、あらゆる神の祖たる存在。「ゲー」とも呼ばれる。
まず単独で天空神ウラノス、海神ポントス、暗黒神エレボス、愛神エロスを生み、息子のウラヌスと結婚してさらにクロノスら新たな神々「巨神族」を生み出した。
他にも異形の神々を生んでいるが、彼らを嫌って冥界に封じたウラノスを去勢させるなど母神としての愛情は底知れない。ただし、ゼウスと巨神族の戦争時は、クロノスの横暴を見かねてゼウスに協力している。
ウラノス(Ouranos)
ガイアの子にして夫である天空神。その名はギリシア語で「天」を意味する。ガイアが産んだテュポーンなどの異形神を冥界タルタロスに封じたことでガイアの怒りを買い、去勢されてしまう。
その後は己の愚かさを悟り、息子であり去勢の実行者である時空神クロノスに王位に譲るとともに、クロノスに「お前も自分の息子に王位を奪われるだろう」と予言を告げて去った。かくして、その予言は実現することになる。
ローマ神話におけるウラヌス(別名はカイルス、カエルス、コエルス)に相当する。
ヒュペリオン(Hyperion)
ガイアとウラノスの息子である光明神(もしくは太陽神)。ヒュペリオンとは「高い天を行く者」という意味であり、ハイペリオンとも呼ばれる。なお、後述の太陽神ヘリオスの別名であったとも考えられる。
ヘリオス(Helios)
ヒュペリオンとテイアの息子である太陽神。その名前もギリシア語で「太陽」を意味する言葉である。天空を翔けるヘリオス神の4頭立て馬車こそが太陽であると信じられていた。
プロメテウス(Prometheus)
ティターンの一柱。人類に「火」を与えて文明を発展させたが、その行いによってゼウスの逆鱗に触れてしまい、カウカーソス山の山頂に張り付けにされながら毎日再生する肝臓をハゲタカに啄まれる生き地獄を味わうこととなった。
ハーデース(Hades)
地下の王にして、死者を管理する冥界神。クロノスとレアの子であり、ゼウスとポセイドーンの兄弟。オリュンポス十二神に数えられたり数えられなかったり、フィクションで悪役にされがちと立場が安定しない。また、金属などの地下鉱脈の主ともいわれる。
ちなみに、ローマ神話では繁栄の神プルートーと同一視される。これは、生死は表裏一体であるという観点から。
妻はペルセポネーだが、一目惚れの果ての誘拐婚(当時のギリシアでは特に問題のない行為だが)。元々優しく女性に不慣れな性格であったためにうまくアプローチできず、ゼウスの言葉を間に受けてかなり豪快な攫い方を敢行している。誘拐前後にペルセポネーの扱いについてあれこれ悩んだりするなど、性格も含めて一般的な意味で冥界神とは思えない姿で描かれている。
十二神に数えられないのはあまりに多忙なために冥府を空けることができなかったため、悪役扱いはキリスト教による地獄との同一視の影響との説がある。
クロノス(Kronos/Khronos)
ゼウスらの父である農耕の神(Kronos)と、時間の神(Khronos)の両方を指すこともあるが、両者は別の神である。
ティーターン(Titan)
天空神ウラノスと大地の女神ガイアの間に生まれた12柱の神々の兄弟姉妹。巨神族。ゼウスに与しない神々もティーターンと称されることも。
キュクロプス(Cyclops)
「サイクロプス」とも。
天空神ウラノスと大地の女神ガイアの間に生まれた三兄弟(アルゲス、ステロペス、ブロンテス)の神々で、単眼の巨神。優れた鍛冶の技術を持っている。
アトラース(Atlas)
ティーターン神族の一柱。ゼウスに天空を支える役目を負わされ、日々その負荷を味わっている。
クロートー(Klotho)
運命の三女神を総称する「モイライ」の一人。名が「紡ぐ者」の通り、彼女は運命の糸を紡ぐ役割をしている。残る二人は糸の長さを測る役割を持つ「運命の図柄を描く者」ラケシスと糸を断ち切る役割を持つ「不可避のもの」アトロポス。
エリーニュス
主に人間同士における不敬・侮辱の罪を裁く復讐の女神たち。その数や構成は不明確であったが、のちにアレークトー(止まない者)、ティーシポネー(殺戮の復讐者)、メガイラ(嫉妬する者)の三女神で固定された。
恐ろしい姿・どこまでも追跡する執念深さ・もがき苦しんで死ぬという罰と相まって、人々の間では心底恐れられており、「復讐者」という真の名では呼ばれず「慈しみの女神たち」と呼ばれる有様である。
ローマ神話における復讐の女神フリアエ(フューリーとも)と同一視される。
キュベレー(Cybele)
フリギア(現代のトルコ中西部に相当)で崇拝された太母神。大地にある様々な地形と動物たちを司る。その起源は新石器時代にも遡るとされる相当に古い神格である。ギリシャ、ローマにもその信仰が伝わったとされる。
ライオンと縁が深く、ライオンに牽かせたチャリオットやライオンをあしらった玉座にすわった姿でも表現される。

人物

ヘーラクレース(Herakles)
ギリシア神話最大の英雄。ゼウスが人間の女に産ませた半神半人。ゼウスの妻ヘーラーから強く憎まれ、狂気を吹き込まれて罪を犯す。その贖罪のための冒険が「12の功業」である。死後、になった。
英語読みだと、ハーキュリーズまたはハーキュリー(Hercules)と言う。
オルフェウス(Orpheus)
吟遊詩人。オルペウスとも呼ばれる。文芸の神カリオペーとトラキアの王オイアグロス(名義上の父は太陽神アポロン)の間に生まれているので、半神半人だがそう言った描写は少ない。
毒蛇に噛まれて死んでしまった妻エウリュディケーを取り戻すため、冥府に赴いた(ちなみに、新婚だった)。その竪琴の腕を以て、冥府の河の渡し守カロンや番犬ケルベロス、冥府の住人を皆魅了して無事冥王ハーデースの元へ到達。ハーデスの妻ペルセポネーもその哀切のに涙したことで説得に成功し、「冥府にいる間エウリュディケーのいる背後を振り向いてはいけない」という条件付きでエウリュディケーの返還を認められた。
しかし、冥府脱出直前で振りかえってしまったことで、失敗に終わってしまった。日本神話のイザナギ・イザナミの神話に似ているが、あちらと違ってエウリュディケーは冥府に連れ戻され、以後関わってこない。
その後は輪廻転生を主軸とした教義「オルフェウス教」の開祖となる。しかし、ある時訪れた酩酊の神ディオニュソスを崇めなかったために殺されてしまい、彼の死を偲んだ主神ゼウス(あるいは太陽神アポロン)によって天に挙げられ、琴座となった。開祖とならず入水自殺したという話もあり、こちらは川を流れていた琴をゼウスが天に挙げたという形になる。
オデュッセウス(Odysseus)
ギリシア神話の英雄であり、ホメーロスの叙事詩『オデュッセイア』の主人公。トロイ侵攻に参加した他の英雄たちが腕自慢の豪傑揃いの中で、彼の場合は知能戦を得意とする知将と一線を画している。
英語読みではユリシーズ(Ulysses)と言う。
ラミアー(Lamia)
ギリシア神話の登場人物で海の神ポセイドーンの息子ベロスと、その母リビュエとの間にもうけられた娘で元々はリビアの女王
ゼウスに見初められたがこのことにゼウスの妻であるヘラが怒り、ゼウスとの間に産まれた子供を全て殺され、この時に「上半身は女性で下半身が蛇の怪物」に変えられてしまった。
ダイダロス(Daidalos)
ギリシア神話の有能な大工。斧、錘、水準器、神像、そしてミノタウロスを閉じ込める為の迷宮を造った。
イカロス(Icarus)
ダイダロスの息子。父と共に蝋で鳥の羽を固めた翼で空を飛んだが、彼だけが太陽に近づきすぎたために翼が熱で溶けて墜落死してしまった。
空から落ちて墜落死という際立った最期を遂げながらも、フィクションで彼の名を模したものは飛行能力を持つものが多い。
ディオスクーロイ(Dioscuri)
双子の兄弟であるカストルとポルックスを指す言葉で、「神の子」を意味する。
ポルックスは神であるゼウスを、カストルは人間であるテュンダレオスを父に持つ。
オーリーオーン(Orion)
ギリシア神話に登場する狩人。海の神ポセイドーンとミーノース王の娘エウリュアレーとの間に生まれ、背の高い偉丈夫で、稀に見る美貌の持ち主であった。父親であるポセイドンから海を歩く力を与えられ、海でも川でも陸と同じように歩く事ができた。
しかし、そのうち力を自慢するようになり、これを見かねた女神ヘーラーは、オーリーオーンをこらしめるために、彼の足元に大きなサソリを放った。さすがのオーリーオーンもサソリの毒には勝てず、命を落としたという。

生物、怪物

ペガサス(Pegasus)
翼がある馬で、を飛ぶことができる。海神ポセイドーンと怪物メデューサの間の子。
テューポーン(Typhon)
ガイアがゼウスを倒すために産んだ怪物の王。オリュンポスの神々に戦いを挑み、その際パン神が恐怖のあまり下半身だけ魚になったことがパニックの語源とされる。ゼウスと激闘を繰り広げ、最後は封印された。
台風(タイフーン)の語源の一つでもある。
エキドナ(Echidna)
上半身は美女で下半身は蛇で背中に翼が生えた怪物。
キマイラ(Chimaira)
ティーターン神族のテュポーンと怪物エキドナの間に生まれた怪物。獅子の頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持つ。「キメラ」とも呼ばれ、転じて合成生物や複数の遺伝情報を持つ生物の代名詞ともなる。
ケルベロス(Kerberos)
テュポーンとエキドナの間に生まれた、3つの首を持つ地獄の番犬。強大且つ凶暴だがオルフェウスに音楽で眠らされたりヘラクレスに地上へ引きずり出されたりなど攻略される描写も多い。弟に2つ首のオルトロスがいる。
オルトロス(Orthrus)
ケルベロスと同じくテュポーンとエキドナの間に生まれた双頭の犬。
ゴルゴーン(Gorgon)
醜い容貌で、蛇の毛髪を持つ三姉妹。「ゴルゴー」とも言い、英語読みだと「ゴーゴン」である。長女がステンノー、次女がエウリュアレー、三女がメドゥーサである。
後述のメドゥーサがアテーナーの怒りに触れて呪いを掛けられた際に、メドゥーサの二人の姉達はアテーナーに抗議したが、逆にメドゥーサと同じ呪いを掛けられるという理不尽な結果となってしまった。
メドゥーサ(Medousa)
「メデューサ」とも。
蛇の頭髪と見た者を石化させる怪物であり、ゴルゴーン三姉妹の三女。元は美しい髪を持った美女だったが、「自分の髪はアテーナーの髪より美しい」と自慢したばかりにアテーナーの逆鱗に触れてこのような姿となった。それでもなお許されず、アテーナーの命を受けたペルセウスに殺される。
フェニックス(Phoenix)
ギリシア神話やエジプト神話に登場する伝説上の鳥。数百年に一度、自ら香木を積み重ねて火をつけた中に飛び込んで焼死し、その灰の中から再び幼鳥となって現れるという。物語的な神話上のエピソードはない。
後代のヨーロッパでは、悪魔学によりソロモン72柱の悪魔の1柱とされ、魔術、呪術、神秘学に関する書物『グリモワール』にも記載された。その場合は序列37番の大いなる侯爵とされる。
一方でキリスト教徒はこの鳥を再生のシンボルとみなしている。
東洋の鳳凰と同一視される事もある(特に星座が顕著で、該当星座の日本名は鳳凰座であって不死鳥座ではない)が、本来両者は出自も特性も完全に別物。

道具

アルゴー船(Argo)
イアーソーンがコルキスの黄金の羊の毛皮(牡羊座の羊)を求める冒険のために建造された巨大な船。この船を建造した船大工アルゴスの名から採られた。
ヘーラクレースをはじめとする英雄たちが乗り込んで活躍したようだ。
アイギス(Aigis)
主神ゼウスが娘の女神アテーナーに与えた防具(盾とも胸当てとも言われている)。邪悪・災厄を払う魔除けの能力を持ち、後に退治された怪物メドゥーサの首をはめ込んだ。フィクションでは、主に盾あるいは守護を司る存在に使われることが多い。
英語読みではイージス(Aegis)と言う。
トロイの木馬(Trojan Horse)
詳しくはオデュッセウスの項に先述。

黄道十二星座

全てがギリシア神話由来の星座。占星術上では十二宮となる。ガンダムWシリーズのメカの名前の多くや、Zシリーズに登場するスフィアは黄道十二星座に由来する。

牡羊座
ゼウスが贈った神の羊。双子の兄妹を救うために使わされ、金色の毛を持つ。
牡牛座
ニンフの女性エウローペーに恋したゼウスが変化した白い牡牛。
双子座
ゼウスの双子の息子カストルとポルックス。
蟹座
化け蟹。英雄ヘーラクレースのヒュドラ退治の際に踏み潰される。
獅子座
ネメアの獅子。怪物エキドナの生んだ尋常ならざるライオンである。
乙女座
ギリシアの女神。どの女神かは諸説あり、一般的なのは正義を司る女神アストライアー。に関連する星座の多くがその化身や所有物などであるのに対し、神そのものの星座は珍しい。
天秤座
正義を計る天秤。乙女座となっている(候補の一柱)正義の女神アストライアーの物である。
蠍座
英雄オーリーオーンを刺殺した神の使いであるサソリ。
射手座
下半身が馬の亜人ケンタウロスが弓矢を引く姿。ヘーラクレースなどの師である不死のケンタウロス、ケイローンであるという説が一般的。
山羊座
ヤギ頭の牧神パーンが下半身を魚に変えた時の姿というのが一般の説。
こんな妙な姿なのは、怪物テュポーンに驚いて急いで川に逃げようとして半端な変身をしてしまったたためという説と巨神族の戦いの際に撹乱させる轟音を出すために貝殻を探して潜った際の姿という説の2通りがある(一般的なのは前者)。
水瓶座
水がめを持つ美少年、神々の給仕ガニュメデス。
魚座
美の女神アプロディーテーとその子エロスがそれぞれ魚となった姿。

余談

  • 上記のように(他の神話も同様だが)神同士では近親相姦が平然と行われているが、これが人間となると禁忌とされる。その悲劇の主人公がオイディプースであり、心理学にも応用されている。