剛健一
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剛健一(Kenichi Goh)
ボルト・クルーザーのパイロット。オートバイの運転や格闘技、コンピュータ制御に長けているが、十八番は射撃である。しかし、ボルテスVの必殺武器は彼の特技とは正反対な「天空剣」のため、弟の大次郎と剣術の特訓をするエピソードも存在する。これはスポンサーの意向によって初期案にはなかった剣を必殺武器にしたことに起因したものである。
チームリーダーとしての責任感が強く、私情を挟まないため、弟の日吉に対しても厳しい態度をとってしまい、めぐみが間に入って収めることが多い。
スパロボシリーズにおいて
15歳ながらも私情を一切挟まずリーダーとしてボルテスチームをまとめる姿勢は、他作品のメンバーから尊敬され、模範とされることが多い。
ゲーム中では「射撃が得意」という原作における設定を、射撃の値の高さや、精神コマンド「狙撃」の存在などで再現しており、作品によってはガンファイトがレベル9まで伸びる。
登場作品と役柄
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- バトルチームとボルテスチームの初競演作品。ボルテス関連のシナリオは結構多いため、比較的出番は多め。これ以後の作品では、格闘も充分高くなった。
- スーパーロボット大戦α外伝
- 未来世界に飛ばされた後は、ビックマンの厄介になったが、ビックマンがティンプと協力したためにめぐみを人質に取られ、ティンプと決闘することになる。後半はコン・バトラーと絡んだイベントもあるが、主人公の中では影が薄い。台詞の新規収録はないが、ティンプとの決闘では戦闘台詞を流用し、場を盛り上げる。
- 第2次スーパーロボット大戦α
- 据え置き機における長浜三部作の初競演作品。それ故に出番が多く、一矢以外の主人公格で一番早くエリカを信用し、一矢とエリカの関係を認めている。台詞も待望の新規収録が行われ、チームメイトを叱咤激励する熱い台詞が聞ける。
- 第3次スーパーロボット大戦α
- 長浜三部作による合体攻撃が追加された。歴代スパロボでは初めてボアザン本星に突入することになる。豹馬と比べると、格闘や防御がわずかに低いが、射撃と命中の値において数段勝っている。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦A
- 長浜ロマンロボシリーズ三部作が初めて勢揃いした作品。残念ながら、一矢を含めた合体攻撃はない。本作では、ボルテス最強武器追加、ダイモス最強武器追加、コン・バトラーの使い勝手のいい武器追加の三択を迫られてしまう。大抵はマスターガンダムのフラグも兼ねているダイモスが追加武装されることが多いため、ボルテス最強武器の追加は見送られがち。そのため単体での攻撃力が不足するので、合体攻撃をメインとするためにコン・バトラーと共に運用することが多い。
- スーパーロボット大戦A PORTABLE
- リメイクにより技能システム全般が変更されていて、健一もガンファイトを持つようになる。しかも素でレベルが9まで上がるというとんでもない高性能のため(リアル系でもそもそも持っているパイロットが少ない)、同時期に味方になるコンバトラーより圧倒的に射程に置いて勝っている。
- スーパーロボット大戦R
- Aから顔グラフィックが変更された。射撃も得意のため、ボルテスバズーカによる反撃も得意。
- スーパーロボット大戦J
- 今回は携帯機としては初めて序盤から終盤までの主要なイベントが再現されており、ハイネルとは2度一騎打ちをする。彼とボルテス自体の性能は悪くないので充分主力であるが、初登場シナリオの差で豹馬より撃墜数が稼ぎにくい。
- スーパーロボット大戦L
- 本作では『マクロスシリーズ』の歴史の存在する地球の出身で、コン・バトラーチームと出身世界が違うという珍しい設定。プロローグから登場し、タイムスリップによって未来の『マクロスF』の時代に辿り着き、マクロス・フロンティア船団にてS.M.Sに所属することになる。いつも通り模範的な性格でチームを引っ張るが、原作終了後かつ健太郎は裏方に引っ込んでしまい、ハイネルもいないためか出番は少し控えめ。命中が高く、見切りを所持しているため攻撃を当てやすい。ボルトマシン・スピンの際は原作に忠実な回転カットインを披露。
単独作品
- 新スーパーロボット大戦
- 初登場作品。射撃が得意という設定を忠実に再現して遠距離攻撃力の値が高いのはいいのだが、代償として近距離攻撃力が低く、ボルテスを使いこなせないという事態に。一平に魂があるのでガイキングよりはマシだが…。当時芸能活動を行っていなかった白石ゆきなが氏をわざわざ探してきて音声収録したことが話題となった。この時点で現役を退いていたとは思えないほどの熱の入った叫びっぷりであり、以降の作品の収録でも、気合の入ったボイスが楽しめる。
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
パイロットステータスの傾向
能力値
格闘・防御が高いのはもちろんだが、スーパー系にしては射撃・命中も高く、万能型の能力となっている。ボルテスVが比較的射程の長い武器が揃っていることと併せて、反撃で手数を出すのも、積極的に攻め込むのも得意。
精神コマンド
熱血担当となる他にも射撃が得意なのでαシリーズでは狙撃を覚える。そのため、かなり柔軟に立ち回れる。
- 新
- 必中、根性、熱血、信頼、気合、てかげん
- α(DC版)、α外伝
- 狙撃、必中、気合、熱血、友情、激励
- 第2次α、第3次α
- 必中、狙撃、気合、熱血、ひらめき、友情
- A(A PORTABLE)
- 必中、信頼、気合、熱血、激励、根性
- R、J
- 必中、直撃、不屈、熱血、気合、激励
- L
- 必中、狙撃、気合、友情、熱血
特殊技能(特殊スキル)
ガンファイトが伸びる作品では驚異的な射程を持つため、ボルテスの使い勝手が非常に良くなる。
- α(DC版)
- 底力、切り払いL6
- α外伝
- 底力、援護L1、切り払いL2
- 第2次α、第3次α
- 底力L9、切り払いL6、気力+ (ダメージ)
- A
- 底力L8、切り払いL7
- A PORTABLE
- 底力L8、切り払いL7、ガンファイトL9
- R
- 底力L8、防御L2、援護攻撃L1、援護防御L1
- J
- 斬り払い、底力L8、援護攻撃L1、援護防御L1、コンボL2
小隊長能力(隊長効果)
第2次αではビーム兵器のダメージしか軽減できなかったが、第3次αではそれが見直された。
固有エースボーナス
- 武器消費EN-30%
- A PORTABLEでのボーナス。
パイロットBGM
- 「ボルテスVの歌」
- オープニングテーマ。
人間関係
他作品との人間関係
長浜作品系
- 葵豹馬
- α以降、同じ超電磁組として良き仲間となっている。
- 竜崎一矢
- 豹馬と同じく長浜繋がりの仲間。第2次αでは自分の生い立ちもあってかエリカがスパイではないことを信じ、ピートの挑発に乗って激怒した一矢を諭した。
- 三輪防人
- 第2次αでは異星人とのハーフというだけで、「貴様ら親子は敵対分子」と彼から暴言を吐かれれだけでなく、失敗続きばかりを怒鳴る彼に不快感を露わにしていた。
- リヒテル
- 第2次αでは彼からかつて実兄ハイネルと戦ったことについて問われるが、それに対して健一は肉親同士で戦ったことの愚かさを悔いると共に、後に彼とも和解して今は互いに地球とボアザンの双方の平和のために戦い続けていることを答え、星を超えた愛情を育み、双方の平和を目指す一矢とエリカを否定した彼を非難する。
スーパー系
- 神隼人
- 新における教官。
- ピート・リチャードソン
- 新では彼に戦士として素人扱いされたことで憤る。第2次αではエリカの正体がバーム星人と発覚したことで異星人への敵愾心を強める彼を窘めている。
- 草間大作
- αで父の健太郎を後一歩でバルマー軍から救出できなかった際、彼に「生きていただけでも良かった」と慰められるが、長く会えなかった父を救えなかった悔恨から大次郎と共に非難する。しかし、その健一の態度に怒った一平から大作がかつて父親を目の前で殺害された事実を告げられ、彼の気持ちを知り謝罪する。
- 惣流・アスカ・ラングレー
- αでは父を救えず、慰めた大作に対して怒る健一を非難した。
- 木戸丈太郎
- α外伝では銃を得物とする者繋がりで、銃の名手である彼に一目置いていた。
- ツワブキ・ダイヤ
- 共に父親を強く慕い、戦いの動機に「父親を探す」が含まれている者同士。それ故にLでもお互いに共感を覚えていた。
ガンダムシリーズ
- ムルタ・アズラエル
- Jの終盤で火星の人々や異星人の混血児をコーディネイターと同類と言い放った彼を非難した。
- ギルバート・デュランダル
- Lでは高蓋然性世界から迷い込んだ自分達を受け入れてくれた恩人として、彼に深い感謝の念を持っており、最後までそれが揺らぐことはなかった。
マクロスシリーズ
リアル系
- ビックマン
- α外伝では未来編にてチーム共々当初世話になるが、結局はボルテスチームを利用しようとしたビックマンと対立した。
- ティンプ・シャローン
- α外伝でめぐみを人質に取られ、銃での決闘イベントがある。
- ケーン・ワカバ
- Aでは自身がボアザンに父親を人質に取られながらも戦ってきた境遇から、ケーンが母親を人質に取られてギガノスに投降したことを当初非難しつつもケーンの苦悩を理解し、救出に成功したときは喜んでいた。
バンプレストオリジナル
名台詞
- 「なんてパワーだ! 600 tのボルテスを吹き飛ばすとは!」
- 第1話でドクガガのミサイルを喰らったときの台詞。
- 「ハイネル!私の背中に私の母、そして父、地球100億の人間たちが見えるか!」
- 第30話のハイネルとの一騎討ちの際のセリフ。スパロボでもハイネルとの戦闘前に再現されることもあるがその際は一人称を”俺”に修正されている。
- 「それが間違っているんだハイネル!角の有る者も無い者もみんな同じなんだ!」
- 第40話(最終回)のハイネルの「終わってはおらぬ!宇宙で最も優れた人種、頭に角をいただくボアザン貴族の戦いは最後の一人まで続くのだ!」というセリフに対して。このセリフもハイネルとの戦闘前に再現されることがある。
- 「にいーさーん!!」
- 同じく第40話(最終回)、炎の中に消えるハイネルに対して。
スパロボシリーズの名(迷)台詞
旧シリーズ
- 「獣士が精神コマンドを使った?!」
- 新「黒い科学」より。ド・ズールの手によって改造された獣士が精神コマンドを使ったことに最初に気づく。健一の、というか『新スーパーロボット大戦』を代表する迷台詞。
αシリーズ
- 「お前は地球をボアザン星と同じ目に遭わせようというのか!?」
シロッコ「少なくとも、ボアザン星は支配を貴族に一元化している点で地球より優れていると言えよう…」
「何だと…!?」
シロッコ「支配する者と支配される者…ボアザン星のようにそれが明確に分けられなければ、人類はいずれ自滅する…」
「それはお前がそう思っているだけに過ぎない! 平和な明日を信じて今日という日を耐え忍んでいる人達だって大勢いるんだ! 俺はそんな人達のためにお前を倒す!!」
シロッコ「だが、いずれはその彼らに裏切られることになるのだぞ…」
「例え、そうであろうとも…今日という日にお前達を生かしておく理由にはならないんだ!」 - 第66話「絶望の宴は今から始まる」または「人類に逃げ場なし」で、遂にジ・Oに乗って姿を現したシロッコとの戦闘前会話。自分達が地球側から厄介者扱いされている現状を理解しつつもシロッコを強く否定した。しかし、この時はこうは言ったものの、のちの戦いで健一は信じてきたものに裏切られる事になろうとは、この時は知る由もなかった。
- 「…残ったのは後悔と未来への誓いだ!俺達はあの戦いの中で互いの愚かさを知り、戦いを生み出したものを憎んだ…」
「そして、いつの日か自分達の愛する星に、平和が訪れることを共に願ったんだ!」 - 第2次αでのビッグファルコン奪還作戦に於けるコブラードとの戦闘前会話。肉親であるハイネルと争った過去を持つ剛兄弟に感じ入るものが有ったのか、そのときの心境を訊ねてくるリヒテルに上記の台詞を突きつける。リヒテル自身にとっても思わぬ返答だったのか、健一の言葉に少なからず動揺を受けていた。
- 「お前達は姿は人間でも心は違う…人間の姿を借りた獣だ! 悪魔だ!」
- 第2次αで小バームの内部に潜入した際、一矢を庇って命を落としたバルバスを侮辱したゲロイヤーに激怒していた。
- 「やめろ、一矢!こんな男、殴る価値はない!!」
- 第2次αの終盤でエリカ達をスパイと決めつけた三輪をボコボコにした一矢を制止したときの台詞。
- 「俺達に必要なのは神なんかじゃない!共に戦う仲間だ!!」
- 第2次αでのイルイ戦での特殊戦闘台詞。後の第3次αでも、イルイと対を成す存在のルアフ戦に流用されている。
- 「う!!」
- 第3次α第26話シナリオデモ(クスハ編)にてクスハの「飲み物を持ってきた」との言葉を聞いて。第2次αで飲んだクスハ汁が相当なトラウマになったようでかなり怯えている。
- 「ああ、助かった…」
- そして、上記の台詞の後クスハが持ってきた飲み物が普通のコーヒーだったことに安堵して。
- 「黙れ、ハザル・ゴッツォ!お前達の邪な野望は俺達が砕く!!」
「そして、父親の愛に迷ったお前の魂を救ってやる!」 - 第3次αでのヴァイクランとの戦闘前会話。ハザルの行動原理である「父性愛への渇望」に或る程度のシンパシーを感じながらも、その歪みを断罪する。
- 「お前の様な人間に統治された星がどうなるか、俺は知っている…!」
- シヴァーとの戦闘前会話。ズ・ザンバジル以上の愚挙を働こうとする彼へ怒気を込めて放ち、その野望の粉砕を宣言する。
- 「古くからの体制が崩れた今、きっとまた新しい時代を巡って対立が起きるだろう」
「その時…俺達は力ではなく対話で解決しなくてはならない。過去の過ちを繰り返さない為にも…」 - 第3次αEDで語った、戦後のボルテスチームの活動方針。
携帯機シリーズ
- 「そんな時間はない!だいいち、母親が捕らえられたぐらいで任務を放棄するようでは、これからの戦いをくぐり抜けられない!」
- Aでデビル機動要塞への猛攻を仕掛ける前に、ギガノス軍の人質となったケーンの母親を救出してギガノスに降ったケーンを戻らせようとするタップとライトへの非難。
この後シローが説明した通り、健一達は父の健太郎がボアザン軍の人質となっている状態で戦ってきた背景があり、健一の非難も決して間違っていないが、内心ではケーンを心配しており、ケーンの母親が救出されたときは真っ先に安堵していた。 - 「貴様、キラの目の前でフレイさんを!絶対に許さん!」
- Jの終盤におけるラウ・ル・クルーゼとの戦闘前会話。原作通りにフレイを殺した彼に激怒していた。
- 「ジュア=ム!種族なんて関係ない、だが貴様の心はゆがんでいる!俺達が叩き直してやる!」
- Jの50話でジュア=ムと戦闘したときの台詞。ハイネルを「間抜けなボアザン人」と侮蔑した彼に対して、弟達と共に怒りを露わにしていた。
- 「いや!どんなに遠く離れてたって決して引き裂かれないのが親子の絆だ。シンジのお父さんだって、きっと…」
- Lの第13話より。シンジが父親と確執がある件で、同じく父親と確執があるディックが「親子なんてもんは一度離れちまえば心の距離もどんどん離れていくもんさ」と述べたことに対して。
- 「あなたには感謝している…。俺達がこの世界に来た時からずっと…。だから…もう…!」
- L第33話シナリオエンドデモより。高蓋然性世界から迷い込んだ自分達を受け入れてくれたデュランダル議長に対して健一達がどれだけ深い感謝の念を抱いているかが伺える。
余談
健一役の白石ゆきなが氏も現役を退いていた身でありながら、バンプレストからのオファーに応えSRWの収録に臨んだ元・俳優のひとりだったが、これがきっかけとなって俳優業を再開するにまで至ったケースは極めて稀である。