「早乙女博士」の版間の差分

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2017年5月31日 (水) 08:45時点における版

早乙女博士
外国語表記 Dr.Saotome
登場作品

ゲッターロボシリーズ

声優 富田耕生
デザイン 永井豪、石川賢(原案)
小松原一男(TV版共通)
種族 地球人(日本人)
性別
所属 早乙女研究所
新早乙女研究所
役職 所長
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ここではゲッターロボシリーズのTV版に登場する早乙女博士について説明する。
OVA版については「早乙女博士 (OVA)」を参照。

概要

ゲッター線研究のスペシャリストで、ロボット工学の権威でもある。

TV版と原作漫画版ではキャラ付けに差異が有るものの、「普段着に無頓着で下駄を愛用」「タキシードなどのフォーマルな正装が苦手」「専用の戦闘服を所持」「医学にも詳しい」と、共通点が多い。

TV版

ゲッター線研究の権威である科学者。黒髪で口ひげを生やしている。

ゲッター線の平和利用のために宇宙開発を目的としたゲッターロボを開発するが、恐竜帝国の進撃で長男の達人が死亡し、リョウたち新生ゲッターチームとともに恐竜帝国、そして『ゲッターロボG』では百鬼帝国と戦うことになる。

事件に巻き込まれた被害者を早乙女家で生活できるように手配するなど懐の深い人物だが、ゲッターチームがスタンドプレーに走った時には厳しい態度を見せる。

柔道の心得があるようで、恐竜兵士相手に腕前を披露する事もあった。また、ムサシの我が儘に激昂した際には、易々と彼を投げ飛ばしている。
イラつくと貧乏揺すりをする癖があるが、下駄を履いている事もあって非常にうるさい。

劇場版『グレートマジンガー対ゲッターロボ』では兜剣造博士に比べると出番は少なめであるものの、剣鉄也との功名争いに躍起になっているゲッターチーム(実際、熱くなっているのは竜馬だけだが)へ厳しく接するシーンなどで印象を残す。

桜多吾作の漫画版では出番が増えており、UFOの襲来を「恐竜帝国の仕業か」と所員に問いただす。 特筆すべき点は、指導者としての器量を示すところにある。ゲッターチームとマジンガーチームの衝突に対して沈着冷静に対処し、剣鉄也を言葉で持ち上げて奮起させる、といった活躍を展開した。

続編『グレートマジンガー対ゲッターロボG 空中大激突』では登場頻度こそ前作と大差無いものの、武蔵の死を悼む姿が非常に印象的である。また、対ピクドロン戦がゲッターGの合体、及び実戦テストも兼ねていた事が台詞から窺える。

漫画版

白髪で口ヒゲはなく顎ヒゲを生やしている(『真ゲッターロボ』では単行本化の際に追加されたシーンでは口ヒゲも生やしている姿が存在する)。ゲッター線研究の第一人者であることは変わりないが、ゲッターのパイロットの資質を見極めるための刺客を竜馬に送り込んだりするなど、TV版に比べてマッドな博士で、パイロットが揃わなかったため自らベアー号に乗るといった無茶もする。

武蔵がレギュラー入りする『ゲッターロボ』中盤辺りからは性格が丸くなっていっており、『ゲッターロボG』ではパーティーに出席する際の正装を竜馬弁慶にからかわれたり、民間人をわざと犠牲にした隼人を非難したりしている(隼人は早乙女博士を守るために、自分を含めてその場にいる全ての人間を使って百鬼帝国の罠を潰そうとしていた)。

真ゲッターロボ』では弁慶のMIAをきっかけに豹変。マッドというか、もう狂気にとりつかれたかのような行動を取る。

OVA真ゲッターロボ 世界最後の日』は漫画版がベースと思われがちだが、漫画版終盤の狂気的な早乙女博士はこのOVAから影響を受けたものらしい。『新ゲッターロボ』の早乙女博士は、漫画版とそのままの行動をとっており容姿も漫画版そのものである。『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』の早乙女博士もまた、外見はほぼこの漫画版である。より詳細は「早乙女博士 (OVA)」を参照。

登場作品と役柄

旧シリーズ

第3次スーパーロボット大戦
初登場作品。ゲッター絡みのシナリオに顔を見せるが、この作品から早乙女研究所が攻撃を受けるというパターンができる。
第4次スーパーロボット大戦S
早乙女研究所には三度訪れるので、その度に登場する。また今作から真ゲッターのイベントに関わることになる。
スーパーロボット大戦F
ゲッターGがあしゅら男爵に奪われたため、弓教授に助けを求める。
スーパーロボット大戦F完結編
弓教授と協力し、ゲッター線を利用してマジンカイザーを完成させた。また、真ゲッターロボへの乗り換えイベントにおけるゲッターチームとのやりとりは必見(真・ゲッター1の項を参照)。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
スーパー系第2話でDVEがある。
スーパーロボット大戦α外伝
第2話でイージス計画に関する会議に参加している。
第2次スーパーロボット大戦α
弓教授とともにミケーネ帝国の人質となり、真ゲッターに乗せられる(パイロット自体は人工知能である)。
第3次スーパーロボット大戦α
今回は竜馬に激励の言葉をかけるくらいであまり出てこない。

Zシリーズ

スーパーロボット大戦Z

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦IMPACT
第1部から登場。アインストが仕掛けた攻撃により変貌を遂げた真ゲッターを「異端児」と評するも、生命エネルギーに干渉する節が有る彼らへの対抗策として、ゲッターチームに託す。

Scramble Commanderシリーズ

スーパーロボット大戦Scramble Commander
ゲッターチーム不在の間の防衛を、シロー率いる小隊に依頼する。
スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦A
シナリオ状幾らか顔を出す。そして、真ゲッターロボ百鬼帝国や軍に知られると、改めてゲッターロボが何のために開発しているのか、ゲッターチーム(プレイヤーととある人物)に説いてくる。
スーパーロボット大戦W

単独作品

スーパーロボット大戦64
梁山泊にて初登場。ゲッターの乗り換えイベントで絡む。漫画版準拠なのか、リョウやハヤトを呼び捨てにし、完全平和ルートでは甲児にきつい一言を入れる場面もある。
スーパーロボット大戦MX
序盤から登場。百鬼帝国との最終決戦では、生死不明の隼人に代わってライガー号へ搭乗する意思を示した。
スーパーロボット大戦X-Ω
今作のゲッターロボシリーズのキャラはTV版とOVA版の設定・外見が混在するが、早乙女博士はTV版のデザインになっている。しかしシナリオ上では漫画版やOVA版を彷彿させるような過激な発言をすることもある。

人間関係

早乙女達人
長男。プロトゲッターのパイロットだったが、第1話でメカザウルスの攻撃を受け戦死した。
原作版では、爬虫人類に操られたため早乙女博士自らの手で殺している。
SRWでは名前のみ登場した。
早乙女ミユキ
養女で長女。その実は恐竜帝国の王女・ゴーラだったが、それを知るよしはなかった。
早乙女ミチル
次女。
早乙女元気
次男。
早乙女和子
TV版に登場する妻。達人を失った事もあり、夫のゲッター線研究継続には否定的。SRWでは台詞でのみ、存在が仄めかされている。
巴武蔵
所員。意外だが原作漫画版で終始「君」付けで呼ばれていたのは武蔵のみ。パイロット適正が低いながらも博士に可愛がられていた様子が窺える。

他作品との人間関係

ダイナミック系

弓弦之助
劇場版にて共演済み。共に「日本の頭脳」。
兜剣造
劇場版にて共演。桜多吾作の漫画版では、兜博士とは段違いの指導力を発揮する。
宇門源蔵
劇場版で共演。彼の提唱した「ロボット軍団」案に賛同し、ゲッターロボGを送り込む。
剣鉄也
桜多吾作の漫画版では、当初は武骨な容姿・服装を小馬鹿にされたが、「君が主力だからね」と持ち上げることで信頼を獲得した。
炎ジュン
桜多吾作の漫画版にて、あられもない姿を見て「発育いいな」と内心で評する。

スーパー系

ひびき一郎
MX』では彼も「ドラゴノザウルス特別対策班」に加わる事となり、共同作業を推し進める。
亘理士郎
『MX』では直接的な交流こそ無いが、彼の根回しによって「ドラゴノザウルス特別対策班」の一員に加えられた。
葉月考太郎
第4次』ではゲッターGの再設計を手伝って貰った。

ガンダムシリーズ

シロー・アマダ
SC』では研究所の防衛を彼に依頼する。
ライゾウ・カッシュ
F』では旧知で、彼の安否を気遣って竜馬達を派遣する。

バンプレストオリジナル

セイジュウロウ・ソガ
SC2』における旧知の仲だった人物。

名台詞

TV版

「馬鹿を言っちゃいけないよ。ゲッターロボは宇宙開発用に作ったんだ。怪獣をやっつけるために作ったんじゃない」
第1話。練習用ゲッター合体テスト中、遠方で暴れるメカザウルス対策に本物のゲッターロボ出撃を訴える元気に対して。よその被害もどこ吹く風にも見えるが、この後直接狙われて、まさにその通りにしなければならなくなる……
「リョウ君、私は宇宙開発のみにゲッターロボを使いたかった。しかし、こうなっては兵器を備えたゲッターロボ」
「そう、戦闘用のゲッターロボだ。しかし搭乗員がみんな殺されてしまった今となっては…」
同じく第1話。息子は殺され、娘は勝ち目のない戦いに出向いた最中に、苦汁の決断を迫られる。
「フェニックスは、燃え尽きた灰の中から蘇えると言われておる…」
「ゲッターロボも、燃え尽きた灰の中から蘇えらせるのだ!」
第30話でメカザウルス・ダグ(SRW未登場)に惨敗し、スクラップ同然にされたゲッターロボを前にして、その復活を力強く宣言する。
「私が死んでも地球の平和が脅かされる事は無い。若者達が私の志を受け継いでくれるだろう」
第37話。恐竜帝国への協力を命じるゴールからの脅迫に屈する事無く、毅然と言い放つ。
「ワシが中に居るのを知らんのか!? まったく乱暴な…」
同・第37話より。早乙女を拉致監禁中の恐竜戦車に、ドリルを突き立てるゲッター2へ思わず声を荒げる。
「ゲッター計画は人類の幸福を願って進めて来たのだ。その人類が、計画を中止しろと言ってきた」
「…本日只今より、ゲッター計画は中止する――」
第46話。宇宙人を装った氷竜族の罠により、国連総会でゲッター計画の中止が可決されてしまい、断腸の思いで下した決断。
「ムサシ君、君の死を無駄にはしない。早乙女研究所は引き続きゲッター線開発を進め、世界平和の為に貢献する!」
最終回。戦死したムサシへ新たな決意を誓う。
「人間には止めようとしても抑える事の出来ない個性の限界がある。ムサシ君は一つの命を捨てて、二つの命を生かしたのだ」
劇場版『グレートマジンガー対ゲッターロボG』より。ムサシの死に、自責の念を抱くリョウハヤトへ送った慰めの言葉。
(ムサシ君、見てくれたか? 皆が協力したお陰で日本の…いや、この地球の平和は守れたよ。その代償は、余りにも大きかったがね…)
同上ラストで、ゲッターGグレートの勝利を見届け、涙ながらに呟いたモノローグ。

漫画版

「ついに見つけた! こいつこそわしの探してた人間だ!!」
漫画版においてゲッターのパイロットを探して、ついに自分の理想の男・流竜馬を見つけた時の台詞で、かなり凄い顔をしてる
「リョウそいつらの死にざまをよく見ろ! われわれが戦う敵の恐ろしさを見ろ!!」
トカゲに操られた自分の息子や研究所員を焼き殺した時の台詞。
(ゲッターさえ動いてたらなあ)
達人が死んでも悲しむそぶりを見せない事にミチルに非難された後の台詞。背中を向けたその姿に、竜馬は博士が泣いていると察していた。
「我々に分かっている事は、愛する者がいる限り、そのためにだけでも戦い続けるという事だ!!」
「またみんなひとつの形になる。そしてさらなる飛躍を」
石川賢版『真ゲッターロボ』の最終話にて。これが生前の早乙女博士個人としての最期の言葉となった…。
「全ては同じエネルギーから発生しているのだよ。そしてみんな同じ次元に存在する。みんなここにいる。生物も物質も天国も地獄もここにある。そして…進化が始まる。旅立ちの時だ。何も恐れることはない。種子が次なる大地を求めてゆくのだ。ゲッターはこの旅立ちのため宇宙の原理にそって生まれたのだ」
石川賢版『ゲッターロボ號』の終盤、ゲッター線の中からに語りかけて。ゲッターがそう感じさせたのか、號は一度も会ったことがない彼を早乙女博士だと理解した。

スパロボシリーズの名台詞

「ワシが…真・ゲッターロボの開発を決意した後…ゲッター線の自然増加現象が発生した」
「無論、単なる偶然なのかも知れん。しかし、ワシには…そうは思えんのだ」
「まるで…何者かがワシに真・ゲッターを開発しろと…」
「真・ゲッターでなければ、迫り来る脅威に打ち勝つ事は出来ないと言っているような気がする…」
α』スーパー系ルート第19話「激突! ゲッターロボVSゲッターロボG」より。開発に着手しながらも真ゲッターの戦闘利用に消極的な意見を述べた際、その矛盾点を突いて来た隼人にオフレコとして語った真意。見えざるものの意志によって突き動かされているかのような早乙女の言動に、隼人は言葉を失う。
「ゲッター線は生命のエネルギー…ワシはそう信じて研究を続けておる」
「今回の件が偶然ではなく…奴らがその生命のエネルギーに干渉する事が出来るのならば…」
「…今迄の敵とは全く異質な存在という事になる…!」
「もしかしたら…この戦いの最も重要なポイントは…そいつらが握っているのかも知れん」
IMPACT』で竜馬達へ真ゲッターを引き渡す際に述べた、アインストに関する考察。改めて早乙女は、ゲッターチームへアインストを警戒するよう促すが…。
「目を逸らすな、ハヤト君! 我々はムサシ君の意志を継ぎ、新たな脅威に立ち向かわねばならん!」
「それが、彼の死に報いる唯一の方法なのだ…!」
MX』スーパー系ルート第2話「不滅のマシンゲッターロボ」より。戦死した武蔵に補充要員が充てられるとの措置に不快感を表し、声を荒げる隼人へ現実を直視するよう厳しく叱責する。
「正しき者が勝つとは限らん…だが、正しき者は勝たねばならん」
『MX』第42話(『PORTABLE』では第43話)「神よ、百鬼のために泣け」より。武蔵に続き隼人までも失った無念さを滲ませつつ、血気に逸る竜馬達へ勝機が訪れるのを待つように諭す。

余談

  • 漫画版・TV版・OVA版のいずれにおいても本名は明かされなかったが、西川秀明氏による漫画作品『偽書ゲッターロボ ダークネス』(SRW未参戦)においては、「早乙女」という衝撃的な名前で登場している。
    • 」という名は、言うまでもなくゲッターロボシリーズの原作者の一人である故・石川賢氏をもとにしたものと思われる。