スーパーロボット大戦シリーズ
スーパーロボット大戦シリーズは、バンダイナムコエンターテインメントが展開するコンピュータゲームのシリーズ。
シリーズ全体の略称は主に「スパロボ」で、英語表記の略称「SRW」も使われることがある。
個別タイトルについては、シリーズ一覧を参照のこと。
概要
多数のロボットアニメ版権作品のロボットやパイロットがひとつのゲーム内で夢の競演を果たし、各々の敵勢力を打ち倒していくというのが主な内容。
ジャンルは多くのタイトルでシミュレーションRPGだが、一部でその枠に囚われないタイトルも発売されている。派手な戦闘アニメーションや、『第4次スーパーロボット大戦S』より採用された声優を起用したボイス、多数作品の参加を活かした独自のクロスオーバー設定など、演出面にも力が入れられている。
参戦作品のうち原作を見知っているものがあれば、愛着のあるヒーローやメカを強化しながら、再現された名場面やもしもの展開を楽しむことができる。逆に原作を知らないユーザーは、スパロボを通じて原作の魅力を知るきっかけを得られる。なお多くのスパロボでは各原作を全く・或いは殆ど知らないユーザーでも入り込めるよう、全ユーザーが0から知る完全なオリジナル設定のキャラクターやメカも登場し、これらはバンプレストオリジナルと総称される。
一般的なゲームの流れ
以下がメインとなるシミュレーションRPG作品での大まかなゲームの流れで、一連のパートをループさせながらストーリーは進行する。スパロボでは原則として、シナリオはアニメ風に『第○話』と表現される。
- シナリオ開始パート:シナリオ開始前の状況が、各作品のキャラ同士の掛け合いによって分かる。
- 出撃準備パート:自部隊からマップに出撃するユニットを選択する。話によっては展開の都合上、強制的に出撃するユニットもいる。
- 戦術マップパート:自軍ユニットを動かし、敵ユニットを撃破しながら勝利条件の達成を目指す。戦闘中も様々なイベントが用意されている。この間の中断機能はクイックセーブのみ。
- シナリオ終了パート:シナリオクリア後の、各作品のキャラ同士の掛け合いを見ることができる。シナリオによっては次に進める話が複数に分岐されることがあり、その場合はどのルートに進むかを選択することになる。
- インターミッションパート:次のシナリオに向けた準備を行うパート。データセーブ、パイロットの育成や機体の改造、乗り換えなどが行える。
難易度とゲームバランス
旧シリーズなどウィンキーソフト開発時代はユニット間の性能格差の大きさや一部の高難度ステージの存在が難易度上昇の一因となっていたが、2000年発売の『スーパーロボット大戦α』を皮切りにゲームバランスが大きく是正されより幅広いユーザーに受け入れられるようになった。一方で、高難易度モードの実装などによりコアなプレイヤーのニーズにも対応している。
相応の手間はかかるが能力値の低い脇役キャラクターやロボットを育成・強化し一線級で戦わせることが出来るなど攻略面の自由度も高い。
また隠し要素も多く、それらを達成しようとすると必然的に難易度は上昇する。
制作会社の変遷
販売会社
- バンプレスト
- 1991年発売の第1作『スーパーロボット大戦』から2007年の『スーパーロボット大戦OG外伝』までの販売元。
- 1989年にバンダイの子会社となり、版権キャラクターを扱ったゲームなどを展開。バンプレスト名義のゲーム第1作は1990年発売の「コンパチヒーローシリーズ」の『SDバトル大相撲 平成ヒーロー場所』。
- 2006年にバンダイナムコホールディングスの完全子会社となり2008年4月にゲーム事業をバンダイナムコゲームスに移管。その後は法人としてはプライズ事業専門へ移行したが、2019年4月をもってBANDAI SPIRITSに吸収合併された。現在はプライズのブランド名のみ残されている。
- バンダイナムコエンターテインメント(バンダイナムコゲームス)
- 2008年の『スーパーロボット大戦Z』以降の販売元。同作から2014年の『魔装機神F COFFIN OF THE END』まではバンダイナムコゲームス名義で発売、翌2015年に商号を変更し『第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇』以降のシリーズはバンダイナムコエンターテインメント名義で発売されている。
開発会社
- ウィンキーソフト
- 第1作から1999年発売の『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』まで開発を担当。外伝タイトル「魔装機神シリーズ」(1996年、2010年~2014年)の開発も担当している。2015年11月に自己破産を申請し事実上倒産。
- バンプレソフト
- 2000年以降に発売された「αシリーズ」や携帯版「OGシリーズ」および『スーパーロボット大戦Z』の開発を担当している。
- 1997年にバンプレストのゲーム開発部門を子会社化して発足している。「Scramble Commanderシリーズ」を製作したバンダイのゲーム開発子会社のベックと2011年に合併し、B.B.スタジオとなった。
- B.B.スタジオ
- 2011年発売の『第2次スーパーロボット大戦Z破界篇』以降のタイトルや2019年配信のスマートフォンアプリ『DD』の開発(ドリコムとの共同)を担当。
- トーセ
- 国内のゲーム開発大手。開発に携わったタイトルを公表していないが、1999年から2003年に発売された「COMPACTシリーズ」や、2007年以降の据置版「OGシリーズ」の開発を行っているとされる。
- エーアイ
- 1999年発売の『スーパーロボット大戦64』や、2001年から2015年に発売された「携帯機シリーズ」の開発を担当。
- さざなみ
- 2006年から2013年に発売された『スーパーロボット大戦XO』、『NEO』、『OE』などの開発を担当。
商業実績
タイトルでのシリーズ系統(「αシリーズ」「OGシリーズ」など)とは別に、大別して据置型ゲーム機で発売されるシリーズと、携帯型ゲーム機で発売されるシリーズ、それ以外といった3種に分けられる。この内いわゆる「王道シリーズ」と呼ばれる一連の作品群は毎作50~30万超の安定したセールスを記録している。2022年にはシリーズにおける累計出荷本数が2000万本を突破した。
一方で権利関係上海外での展開が極めて難しいシリーズであるため、海外では「OGシリーズ」などを除きほとんど販売されていなかったが、2017年発売の『スーパーロボット大戦V』を皮切りに本格的に海外市場を視野に入れた展開が行われている。
年度 | 累計出荷本数[1] | 出荷本数 | 備考 |
---|---|---|---|
2019年3月 | 1,877万本 | 『T』発売 | |
2020年3月 | 1,910万本 | 33万本 | 『V』『X』移植版発売 |
2021年3月 | 1,924万本 | 14万本 | |
2022年3月 | 2,006万本 | 82万本 | 『30』発売 |
2023年3月 | 2,024万本 | 18万本 |
プラットフォーム別
これまでにスパロボシリーズが発売されたことのあるプラットフォーム機種。
任天堂系ゲーム機
- 据置型
- 携帯型
ソニー系ゲーム機
- 据置型
- 携帯型
その他ゲーム機
- セガサターン
- ドリームキャスト
- ワンダースワン
- ワンダースワンカラー / スワンクリスタル
- Xbox360
ゲーム機以外
余談
- 2021年6月、ギネスワールドレコーズにより本シリーズが「ロールプレイングビデオゲームシリーズにおけるIPライセンス最多数」として認定された。シリーズは「IPライセンスが与えられた作品」と定義され、コミック・アニメ・パチンコといったゲーム外メディアも一括した全商品がカウントされており、ギネス記録が行われた2021年3月時点で274作品に登る[2][3]。
脚注
- ↑ IRライブラリ ファクトブック株式会社バンダイナムコホールディングス
- ↑ ゲーム『スーパーロボット大戦』ギネス世界記録に認定 IPライセンス最多数(2021年7月11日発表)ORICON NEWS
- ↑ Most intellectual property licenses used in a role-playing videogame series(2021年6月2日達成)ギネス世界記録