トゥアハー・デ・ダナン
トゥアハー・デ・ダナン | |
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登場作品 | |
声優 | 村井かずさ(ダーナ) |
初登場SRW | スーパーロボット大戦J |
SRWでの分類 |
機体 母艦 |
スペック | |
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異名 | おもちゃ箱 |
愛称 |
デ・ダナン ダナン |
分類 | 強襲揚陸潜水艦 |
型式番号 | TDD-1 |
全長 | 218 m |
全幅 | 44 m |
動力 | PS方式パラジウムリアクター、電気駆動 |
最高速度 |
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AI | ダーナ(Dana[1]) |
所属組織 | ミスリル |
所属部隊 | 西太平洋戦隊 |
主な搭乗員 |
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トゥアハー・デ・ダナンは「フルメタル・パニック! シリーズ」の登場メカ。
概要[編集 | ソースを編集]
テレサ・テスタロッサが設計した強襲揚陸潜水艦。通称は「デ・ダナン」あるいは「ダナン」。設計者のテッサがウィスパードというだけあって従来の潜水艦の常識を覆すような性能を持ち、ミスリル西太平洋戦隊「トゥアハー・デ・ダナン」の中核をなす戦力である。
艦の素体はソ連が建造していた輸送潜水艦「プロジェクト985」。予算不足のために廃棄されるところだったものをミスリルが回収し、テッサがほぼ再設計に等しい改修を加えて完成した。なお、マデューカスは未改修の状態のトゥアハー・デ・ダナンを見て、従来の技術で完成させた場合「初陣で良くて拿捕、悪ければ撃沈」と評している。潜水艦としては常識外の巨体とその大容量により大量の兵器の搭載を可能にしており、巡航ミサイルによって海中にありながら世界中のあらゆる都市を火の海にする事が可能。さらにASや輸送ヘリ、VTOL攻撃機による沿岸への揚陸作戦に向けた装備が充実しており、「海中を移動する小型基地」と言える能力を持つ。
ブラックテクノロジーを惜しげもなく使用した結果最高で65ノット以上という小型高速艦をも引き離す超高速を実現しており、やや無茶はあるものの常識外の横滑り運動すら可能。魚雷を文字通り『回避』するほどの桁違いの運動性能を誇る。さらに「巡航時はもちろん速力を犠牲にすれば、ほぼ完全に無音」という高い静粛性をも併せ持ち、並みの艦では捕捉する事すら困難である。ただし、主機である核融合炉パラジウムリアクターの燃料としてパラジウムを消費するため定期的(最大8ヵ月)に基地での補給が必要。予備動力として通常のバッテリーによるモーター駆動も搭載しているが、この場合最高速力は30ノット(=55.56km/h)程度に落ちてしまう(それでも巡洋艦の最大戦速、原子力潜水艦並み)。
ダナンの頭脳となる艦の機能を掌握するAI「ダーナ」により、ダナンは省力化が進み巨体のわりに運用に必要な人数が抑えられている。通常時も作戦の補助等の業務をこなす他、その電子戦能力は単独で米軍を手玉に取るほど高い。また、ダーナと艦長のみで操艦する「完全自動モード」も搭載しているが、十全の能力を発揮するには熟練した搭乗員が必要不可欠であり、あくまでも非常用でしかない。一時はこの機能を逆手に取られ、ガウルンに艦を掌握される事態を招いてしまった。
その圧倒的性能により同じミスリルですら訓練相手がおらず、米軍の原子力潜水艦に対して正体がバレないように模擬戦闘(相手からすれば悪質な悪戯行為)を行うことで訓練としているが、そのため米海軍の間ではいきなり現れて消えていく幽霊潜水艦「トイ・ボックス(おもちゃ箱)」と呼ばれ恐れられている。
アマルガムによるミスリル同時攻撃時にメリダ島からの脱出に使われて以降、実質ミスリル残党唯一の拠点となり、各地を転戦。最終決戦の際にはアマルガムと米軍の艦隊を突破し、メリダ島への突入後そのまま放棄された。
名前の由来はケルト神話での女神ダーナを母神とするダーナ神族「トゥアハー・デ・ダナン」[2](Tuatha Dé Danann)から取られている。「トゥアハー・デ」は神々の一族という意味。
登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]
射程の長さを活かした武装で一方的に敵機を攻撃することができるが、潜水艦なので、当然海のあるMAPでないと活躍どころか登場すら出来ない(ただし、『V』では一部ステージに例外あり)。プレイヤーによっては支援精神コマンドの活用に重きを置かれ、戦力としては期待されない場合も。 『J』や『W』ではスポット参戦止まりであったが、『第3次Z時獄篇』においてまさかの航宙艦への改装が果たされ、正式参戦。続編である『第3次Z天獄篇』や、時系列が繋がっていない『V』でも宇宙での使用が可能となった。ただし、それらの作品であっても海が無い地上ステージには出撃できないので要注意。
Zシリーズ[編集 | ソースを編集]
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 潜水艦なので海が舞台のステージにちょくちょく現れ、自軍を援護してくれる。脅威の長射程を誇るミサイル群で普通は届かない場所の敵相手に戦える。今回、カリーニンはNPCのため精神コマンド要員ではない。
- 例のごとくスポット参戦のみ……と思いきや終盤で正式参戦。改修の結果宙間適応を手に入れており、かなめを介したオムニ・スフィアの起動により宇宙での戦闘が可能になっている。中盤で「潜水艦と航宙艦は構造が似ており、どちらかを知っているとたやすく順応できる」という会話があったが、この伏線だったらしい。ちなみにスポット参戦時に武器の地形適応を見ると、ちゃっかり宇宙適応がAである。
- かなめのサポートと合わせることで単独で大気圏突破を可能にし、Z-BLUE機動部隊を一隻で宇宙に上げることに成功したのだが、全長200m近いスーパーロボット等がゴロゴロいるZ-BLUE全機をいかなる方法で積み込んだのだろうか…。なお、この改修(ロボットを積み込む事ではない)の経緯はDLC「スーパーバトルシップ大戦」で語られている。
- 武器の地形適応を見れば分かる通り、本作のダナンはミサイルの海適応が無い。元々海中から空中・陸上の敵を攻撃するミサイルなので正しいのだが、今回は対潜戦闘の機会が多いため魚雷しか使えず、かなり戦いにくい。この弱点はスクリューモジュールかA-アダプターを付けることでカバーできる。なお射程1に対応する武器が無いので、懐に潜り込まれると無力となる。
- 宇宙に出た後も、戦闘デモにおいて海が出てくる点はご愛嬌。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 今回は序盤から使えるが、あくまでも航宙可能な潜水艦なので、地上マップでは海が無いと出撃できない点に注意。序盤の翠の地球における貴重な対水中用ユニットである。
- 航宙艦時は最大射程が-4される点に注意。潜水艦時の射程は前作同様のため、最短第2話でDトレーダーから「超次元ターゲットロック」を解禁可能。
- 戦闘アニメは航宙艦時のものが新たに用意された他、カットインも刷新された。フルメタルートを通らない場合比較的安定して出撃可能になるのは40話ごろからなので、急いで改造する必要はない。
携帯機シリーズ[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦J
- 初登場作品だが、スポット参戦のみ。大半の敵をアウトレンジ射撃できる射程の長さが強み。
- スーパーロボット大戦W
- スポット参戦のみ。依然最大射程15の武器で敵を一方的に撃てる。
- 第1部では地獄城攻略にも参加する。第2部では登場早々ガウルンに乗っ取られるわ、ギムレットに破壊されるわ、で大破してしまう。
- なお、SRWでAIのダーナに台詞があるのは本作が唯一となる。
- 初登場からかなめとノイ・ヴェルターの歓迎パーティーまで1年以上あるため、パーティの理由が通算航海距離50万kmになっている。また、日付も体育の日の連休に変更されている(もっとも、直後にギムレットにさらわれたので長期の無断欠席することになるのだが…)。
VXT三部作[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦V
- 本作におけるダナンは「当初、生物の死滅した赤い海に再び戦略的価値を見出すために建造されていた」という設定である。第13話「禁断の海」でウルズチームと共に転移してくる。同マップでは初期配置の都合上簡単に「レンジエクステンダー」の解放条件を狙える(『第3次Z』から条件が緩和化している)。
- 宇宙に上がるまで特に言及されないが、本作におけるダナンは「最初から航宙艦として設計されている」という設定なので、最初から宇宙での活動が可能(ただし、ある程度の仕様変更は必要らしく、ネルガル重工のドックでその作業に入っている)。『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』のアウローラの代替措置と思われる。
- なお、潜水艦仕様と航宙艦仕様で武装の性能や演出などが若干変更される。
- 航空艦としての機能が無い点は『第3次Z』と同様で、ユニットとしては地上マップでは海が無いと出撃できず、シナリオ面では宇宙での活動は出来るが、相応の設備を使い打ち上げないと宇宙に行く事が出来ない。その代わり火星等重力の影響が少ない地上マップでは、飛行可能になっており出撃する事ができる…のだが、設定ミスなのか意図的な設定なのか、ナデシコルート第43話~第44話や、第49話「落日の星」では惑星フェルディナ、ガミラス本星にも関わらず出撃が可能。惑星フェルディナは第44話クリア後に引力が弱いと説明されているが[3]、ガミラス本星には何の説明もない。
- 通常ルート50話でイベントでテッサがエンブリヲに拉致されるためそのステージではエターナル、ナデシコC共々使用できなくなる。前者2艦と違って選択出撃なので、このステージで出してしまうと戦艦がヤマトだけになってしまう。
単独作品[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦X-Ω
- 2019年1月のイベント「帰らぬ日々」にて戦艦アクションを搭載して登場。何気に出典が原作小説版になっている。
- スーパーロボット大戦DD
- 序章ワールド3に登場するが、システム面の関係でユニットアイコンのみの登場。AS部隊がアークエンジェルごと次元跳躍する中、本艦だけ置いていかれてしまう。
装備・機能[編集 | ソースを編集]
武装・必殺武器[編集 | ソースを編集]
原作小説ではベヘモスに直接突撃して撃破した事があったが、現在これが再現されたことは無い。IVで映像化されたので、IV名義での参戦で実装が期待される。 水中か宇宙の敵しか攻撃できない武装が多いが、ユニットの地形適応と異なり武器の地形適応は水専用となっていてもランドモジュール等で簡単に補えることが多い。
- Mk48/ADCAP魚雷
- 近距離用の潜水艦用長魚雷。
- 誘導方式は魚雷自体のソナーによるアクティブ&パッシブホーミングもしくは有線誘導のどちらかで誘導するのだが、任天堂携帯機シリーズでは地上にも届く。
- 『第3次Z時獄篇』ではなんとP武器射程7。水中MAPの生命線となる。
- 『第3次Z』では水中とそれ以外では戦闘アニメが変化し、水中では普通の魚雷として、それ以外ではロケットエンジンらしきパーツを取り付けて発射している。
- RGM-84 ハープーン対艦ミサイル(USM)
- 長射程の潜水艦発射型対艦ミサイル。戦闘アニメでは発射時、スクリュー付の専用のカプセルに入れられて射出、水面から飛び出したら割れてハープーンが飛び出すという実際の潜水艦からの発射プロセスが再現されている。
- 『第3次Z』では水中時、垂直発射管(VLS)から射出されるが水中では専用のカプセルに入れられて射出されるが、宇宙ではそのまま射出される。
- トマホークの射程が長すぎて影に隠れがちだが、『第3次Z時獄篇』では射程が10と既に非常に長い。
- UGM-109 トマホーク巡航ミサイル(SLCM)
- 潜水艦発射型の長射程巡航ミサイル。
- プレイヤー側のマップ兵器以外の通常武器では最高の射程を持つ。あの無限拳より射程が長い…のだが、始動射程の問題で攻撃範囲で負ける(トマホークは5~15、無限拳は2~14)。
- 『第3次Z』ではアクエリオンEVOLの無限拳と最大射程が並ばれてしまった。とはいえ射程が13もあるし、始動射程が2なので一概に弱体化したとも言えない。天獄篇では宇宙空間の場合のみ一気に射程9にダウン。…元が長すぎるために凄い弱体化しているように見えるが、普通に考えれば充分長い。
- 『第3次Z』の戦闘アニメでは垂直発射管から3発射出されるが水中では専用のカプセルに入れられて射出される。
- ダナンでは唯一空適応のある武装。おそらく爆風でまとめて吹き飛ばしているのだろう。
- 『X-Ω』では戦艦アクションに採用。
特殊能力[編集 | ソースを編集]
『J』・『W』ともにスポット参戦のためか、母艦としての搭載能力は持っていない。『第3次Z』からは正式参戦したため通常の母艦としての機能を有する。
- 修理装置、補給装置
- 『J』・『W』ではダナンの売りがこの二つだが、機動力がなさすぎるため宝の持ち腐れ状態。
- 搭載
- 『第3次Z時獄篇』から。水中限定マップで味方を素早く運ぶのには欠かせない。
- しかし、MSやAS、ATはともかく、全長40m級のスーパーロボット、挙句120mのダイターン3はおろかマジンガーの6倍近いサイズのゼウス神や200mのガンバスターまで載る。いつものことだが、一体何をどうやったのか…。
移動タイプ[編集 | ソースを編集]
- 水
- 潜水艦なので走れない、飛べない。しかし…
- 空・水
- 『第3次Z時獄篇』より、ついに宇宙に進出。もちろん、スパロボオリジナル設定である。
- 厳密には宇宙ならびに空中が宇宙扱いの地上マップでは移動タイプがこちらに変化する、という方式が採られている。
サイズ[編集 | ソースを編集]
- 2L(LL)
カスタムボーナス[編集 | ソースを編集]
機体BGM[編集 | ソースを編集]
- 「tomorrow」
- 1期目のオープニングテーマ。『J』で採用。
- 「それが、愛でしょう」
- 『ふもっふ』のOPテーマ。『W』第1部で採用。…長編シリーズで活躍するダナンのBGMに『ふもっふ』のOPを当てるとは、かなり大胆な発想である。
- 「南風」
- 『The Second Raid』のOPテーマ。『W』第2部で採用。
- …が、第2部では味方側として使えるのがほんの一瞬であり、それを逃すと全曲設定可能になる2周目まで聞けなかったりする。
- 「戦うM9」
- 『W』第2部でガウルンに乗っ取られてNPC化した時はこちらになる。『第3次Z時獄篇』『第3次Z天獄篇』『V』では基本BGM。
- 「疾走」
- 『第3次Z時獄篇』の正式参戦時はこちら。
話題まとめ[編集 | ソースを編集]
- 原作者の賀東招二氏は自身が原案・監修している『フルメタル・パニック! アナザー』第8巻のあとがきで『第3次Z時獄篇』においてトゥアハー・デ・ダナンが航宙艦になる展開について「はい! 賀東は全力でOK出しましたよ! 細けぇ事はいいんだよ! OKに決まってるじゃん! どこまでも行こうよ! 宇宙の果てまでも!」と全肯定している。
- 『ドラゴンマガジン』の寺田Pのインタビューによれば、ダナンは『フルメタル・パニック!』が初参戦した『J』の時点で「正式参戦・強化パーツによって飛行できるようになる」という構想が有り、賀東氏も賛同していたが、開発スタッフの「ダナンは潜水艦であってこそ」という拘りのため実現しなかった経緯があるらしい。
- 後日談的な外伝である『フルメタル・パニック!アナザー』に登場する、マオが社長を務めるD.O.M.S.(ダーナ・オシー・ミリタリー・サービス)の企業名の由来となっている「ダーナ・オシー」とは、ケルト神話においてダーナ神族(トゥアハー・デ・ダナン)が滅びた後に生まれ変わった妖精である(ディーナ・シー、ディネ・シー等とも)。
- 『聖戦士ダンバイン』に登場する同名のオーラバトラーもまた、元ネタが同じである。
- 強襲揚陸潜水艦の計画や構想は冷戦時代に米ソ双方で行われ、特にソ連は強い関心を持っていたが、技術上の問題や財政難で頓挫している。
脚注[編集 | ソースを編集]
- ↑ TVアニメ「フルメタル・パニック! Invisible Victory」公式サイト、2022年3月25日閲覧。
- ↑ 現代アイルランド語での発音。10世紀以前のアイルランド語では「トゥーアサ・ジェー・ザナン」と発音する。
- ↑ 「引力が弱いので緊急展開ブースター装備のレーバテインなら惑星から脱出できる」という説明で、ダナンについての説明ではない。更に付け加えるとこの時の惑星フェルディナはエグゼブによって崩壊させられている最中なので崩壊前の重力は不明。