イングラム・プリスケン

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イングラム・プリスケン(Ingram Prisken)

基本設定(スーパーヒーロー作戦を除く)

SRX計画の責任者で、EOT解析の第一人者。リュウセイ・ダテSRXチームのスカウトも行い、教官も務めている。

過去には、パーソナルトルーパーの特殊部隊『PTXチーム』に所属していた。人間が持つ力『念動力』に強い関心を持っている。また、自身念動力者でもあり、主にT-LINKシステム搭載機に搭乗する。

性格は冷静かつ底が見えないが、その心は熱い。リュウセイやアヤ・コバヤシに対しては冷徹ともいえる訓練を施したが、全ては「宇宙を乱す存在」に立ち向かうためのものであった。

その出生はユーゼス・ゴッツォに関係し、ユーゼスの意思で操られていたが、逆にユーゼスの真意を理解した上で、最終的に彼を倒すべく奔走した。OGシリーズでは、この一連の行動と意志については「ジュデッカの枷」という形で表現されている。

そして全てが解決した彼は、乗機のアストラナガンと共に、「因果律の番人」の一人として生きていくことになる。

彼にまつわる推測や謎の多くは、彼がSHOの主人公と「同一の存在、あるいは同一の人格を持った存在」なのか、「何の関係もない並行世界の別人なのか」がはっきりしていない部分に起因するものが多い。少なくともSHO-αシリーズにおいては同一人物であることが確定しているのだが、以後の彼がどうなったかが不明の上、OGSではその世界のバルシェムに何者かが憑依しており、さらに(OG本編とはパラレルの関係だが)DWではαシリーズのキャラクターであるクォヴレーとの邂逅もなされているため、ますますこの辺りが不明瞭になってきている。

スーパーヒーロー作戦(SHO)での設定

男主人公。民間人の多い市街地で戦闘を行う敵に怒りを露わにするなど、後のα・OGシリーズで受ける印象とは全く異なる正義感の強い性格で描かれている。 反TDFレジスタンス組織・ピースクラフトの工作員であり、アルティメットガンダムを追う。追っていくうちにガイアセイバーズと協力して様々な敵組織の野望を打ち砕くが、後にユーゼスのクローンであることが判明する。(単純にクローンなら顔や髪色が元のユーゼス準拠になるはずで、整形でもクローンのクローンが元のユーゼス準拠になるはずなので、ザラブ星人が瀕死のユーゼスを助けた措置により仮面姿のユーゼスは元とは違う遺伝子の身体になってしまったのかもしれない)

イングラムが生みだされたそもそもの目的は、ユーゼスの目的である「デビルガンダムを利用し、過去の世界でウルトラマンの力を手に入れる」により、デビルガンダムの生体ユニットとなるためであった。 そのためにユーゼスはイングラムを造り出す際、己の全人格と記憶、そして命令を打ちこんだナノマシン型クロスゲート・パラダイム・システムを彼の脳に投入していた。しかし、誕生したイングラムはユーゼスのものではない独自の人格を持っていた。その代わりナノマシンは停止、記憶を失っていた。

ユーゼスがデビルガンダムを取り戻しデビルガンダム内のクロスゲート・パラダイム・システムの封印が解けた際、イングラムの脳内のクロスゲート・パラダイム・システムが活動を再開、頭痛に倒れ、ユーゼスの記憶を全て取り戻す。

最終決戦で、ユーゼスは計画の狂いで『奴』としてではなくイングラムとして生じた彼を利用し、自身と現世を繋ぐ因果律たる怪人や怪獣、そしてガイアセイバーズを始末することを決断。操られそうになったイングラムだが、流星や仲間達の声で自我を取り戻し、対峙する。ユーゼス、本体であるユーゼスがダメージを受ければ、それはそのままイングラムにも跳ね返ることを告げるが、記憶を取り戻した時点で知っていることであるため、自分の消滅も覚悟の上の戦いである。

しかし、それでもなおガイアセイバーズとの友情を忘れず戦い続け、最後にはユーゼスが変化した「超神ゼスト」へとトドメを刺す。そしてユーゼスの全記憶を持つイングラムは仲間にこの世界がユーゼスが作った虚構の世界であることを明かした。そしてユーゼスの虚構の世界が崩壊していき、自分もまた消滅したかに見えたが、リュウセイ達の属していた世界で彼らの教官、SRX計画のメインメンバーとしてパートナー共々姿を現していた。αシリーズの世界だと思われるが、αではこの時点でユーゼスの枷を受けていたため、関係は不透明(こちらでは元の人格らしき描写がある)。

ちなみに、この当時は後のスパロボとは全く声が違う(α味方版が一番この当時に近く、OGシリーズでは声が重くなっており別人の様になっている)。

αシリーズでの設定

ユーゼスの虚構の世界から脱出したイングラムは、「因果律を歪める元凶」を探して並行世界を駆け廻り、新西暦の時代へと転移していた。だが、宇宙を漂流していた所をその世界のユーゼスに回収・洗脳され、バルシェム1号体の代わりとして彼の思うがままに操られる。地球へと送り込まれた彼は、ユーゼスからサイコドライバー能力者の誘拐とその能力を開花させるための命令プログラムを打ち込まれる。その中であっても本来の意識とは違う意識を作り出して、再び出会えたリュウセイやアヤの念動力を引き出し、次元を行き来する(XNディメンション)機体の開発に協力した。

リュウセイ等に対して敵対行動を取り、ユーゼスの元に戻った後は、自分専用の因果律の番人の機体であるアストラナガンを開発。敵とも味方とも付かない行動で自らの真意を隠しつつ、ヴィレッタ・バディムシュウ・シラカワと協力してユーゼスを追い落とす計画を立てる。そして一人でユーゼスに立ち向うも、ユーゼスの意識から逃れられずに操られてしまい、リュウセイと再び相まみえることになった。しかし、最終決戦においてリュウセイらの説得により、本来の自分、即ちガイアセイバーズ時代の意識を取り戻し、結果的にユーゼスと相撃ちとなった。

姿を消した彼は、自身本来の目的である宇宙を乱す存在、ケイサル・エフェスを知り、立ち向かったが敗北し、愛機であるアストラナガンは原型をとどめないほど破壊(回収したメイガスの台詞による。ズフィルード・クリスタルも機能せず)され、イングラム自身も肉体を失い魂だけの存在となった。肉体は負の無限力に取り込まれたという。この辺りの背景については断片的にしか明らかにされてない。

大破した機体の一部(恐らくT-LINKシステム部分)に残った彼の魂は、ロンド・ベルの仲間達に霊帝の脅威を知らせるため、そしてイージス計画に参加する為、新西暦の時代へと帰還しようとするが、霊帝に破壊され五体満足で無いこの機体が正常に機能する筈も無く、システムは誤作動を起こし、未来世界(イージス計画が失敗して荒廃した地球が誕生した世界)に漂着してしまった。元々、機体本体に深刻なダメージを受けていた(下半身と右半身は霊帝の攻撃により完全に失われている状態)ために、漂着後はまともに操作する事すら適わず、なすすべなくアンセスターに機体毎回収され、アウルゲルミルのブラックボックスとして利用されてしまう。この時、機能不全のズフィルードクリスタルに代わって、マシンセルで機体とシステムの修復が行われた。失われた下半身の大部分は復元出来ず、右半身も右腕と羽が欠落しているが、辛うじて残った上半身・左半身と時空間跳躍機能のシステムは完全に修復する事に成功。α外伝ゲーム中での戦闘デモ「ドグマブラスター」で修復されたアストラナガンの一部を見る事は出来るが、機体の大部分がαの面影が感じられないほど痛々しい外見となっており、彼方此方に損傷を修復したマシンセルの白色が見受けられ「原型をとどめない」損傷がどれだけ悲惨なのものだったかを想像するのは難しくないだろう。

機体に残されたイングラムの魂は、この間アンセスターにアストラナガンの制御を奪われていたが、新西暦のロンド・ベルの仲間達を呼び出すべく、アンセスターに悟られない様、修復されたシステムの一部を利用して、何らかの方法で(恐らくはクロスゲートを利用して)この未来世界へと呼び寄せた。彼らロンド・ベルが未来世界へと来る事になったのはシュウの駆る機動兵器ネオ・グランゾンの爆発が原因だが、それは切欠に過ぎなかった。なお、αではイングラム・シュウ・ヴィレッタらは打倒ユーゼスの共通の目的で動いていた。

アウルゲルミルが機能を停止した事で、イングラムはアストラナガンの制御が再び可能になった。その最中地球にクロスゲートが出現。イングラムはこれを利用し、再度新西暦の世界へと帰還を試みる。

そして、目論見通り新西暦の世界へと帰還した彼は、その場に居合わせたアイン・バルシェムと彼の乗機ヴァルク・ベンと遭遇する。イングラムの魂はアインの意識を取り込み、その肉体に乗り移ろうと謀った。しかし、機体融合時のショックでアインは記憶を失い、それに流される形でイングラムの魂も断片のみが深層意識に沈むというアクシデントが発生。直後の戦いでアインはブライトの呼びかけで自己を規定し、「クォヴレー・ゴードン」という存在となる。その後はクォヴレーの心の底で事態を傍観するしかなかったイングラムの魂の断片だが、彼の危機に際して力を貸し、アストラナガンの力を得たディス・アストラナガンと共に宿敵ケイサル・エフェスに立ち向かうことになる。閉鎖空間でクォヴレーが生死を彷徨った際には、その心に語りかけることで自身の使命とその重さ、そして怒りと悲しみを伝えた。そして己が本来の役目「因果律の番人」の使命を託し、クォヴレーの中で解け合って、その心の最果てへと消えた。

ザ・パワーから生を全うした者たちの魂が現れた時にはイングラムの魂も現れ、リュウセイ達SRXチームに詫びを入れ、リュウセイやクォヴレーに後を託した。ケイサル・エフェスがこの宇宙から消滅し、そしてイングラムの魂は再び「因果律の番人」としての使命を全うすることになる。もう一人の己に別れを告げ、遥かな旅路に舞い戻ったイングラムだが……。

なお、ユーゼスに回収された際、どういうわけかCPSとクロスゲートの情報を彼に伝えている。この時点でのイングラムにはそんなことをする理由がほぼないため、詳細は不明。

また、勘違いされがちだがイングラムはα世界の人間ではなく、ユーゼスによって作られた「虚構の世界の人間」である。そのため現時点では、似たような境遇のギリアムと異なり、帰るべき「元の世界」が既に存在していない。彼が「すべての世界においてかりそめの旅人に過ぎない」というのは、本来いるべき世界が既にないという暗喩でもある。

ちなみに、このシリーズではSHOと同一人物であるため、良く考えると年齢は高く見積もっても20代前半である。

OGシリーズでの設定

この世界でも、イングラムはSRXチームの教官という設定である。ただし、OGシリーズでは特殊技能として念動力を持っていない。アウレフ・バルシェムの体に憑依した「何者か」と言う設定であり、α及びSHOの彼との関係は不明(同一人物である可能性は高いのだが……)。エアロゲイターの一員として行動していたが、内心、ジュデッカの呪縛とイングラムとしての意識の間で争いがあったようである。そのためか、敵に回ってしばらくはα同様、敵の立場からリュウセイ達の能力開発を行っていた。しかし、時が経つにつれてジュデッカの枷とユーゼスの精神支配が強まり、徐々にイングラム本来の意識は消えて行った。最終的にはR-GUNリヴァーレSRXと対峙、自ら倒されることで消えかけた自我を取り戻し、死と引き換えにジュデッカの呪縛から解放された。OGsにおいては枷周辺の設定が違い、GBA版では「創造者のプログラム通りに覚醒せず、枷に依存する予定外かつ不安定な人格を持った」と言うものだったが、OGsでは「より強い枷の支配を受けた」ということになっていた。そのためOGsにおいては死に際まで枷が解けず、枷を解くためあえて戦いを挑んだGBA版とは異なっている。本作ではαでの役割のほか、登場しないユーゼスとラオデキヤの役どころまで受け持っている。

アニメ版にて

スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ』では、α世界における別の自分が生み出したもう一人の「因果律の番人」であるクォヴレー・ゴードンが駆るディス・アストラナガンとイングラム(どの世界の彼かは不明)のアストラナガンが戦い、相討ちとなって、その意識がDWのアウレフ・バルシェムに憑依する。その後はOGとほぼ同じ経過を辿るが、後にネビーイームの創造者(ゴッツォの者。ユーゼス・ゴッツォだと思われる)の人格を移植した制御システムに精神を乗っ取られて「最後の審判者」を名乗り、ユーゼスのような仮面を付けた状態でセプタギンに乗り込むなど最終的にはゲーム版とかなり異なる展開を辿る。

その後、再度現れたクォヴレーの働きかけによって自我を確立し、己の使命を取り戻したイングラムはアストラナガンを復活させ、満身創痍のSRXをセプタギンから救出。直後、DiSRXがセプタギンを撃破したことで自身も枷から解き放たれることとなる。DVDに収録された26話では精神世界でクォヴレーと対面した後何処へともなく姿を消したが、宇宙を二つの光が別れて消えていくという、クォヴレーと同じく平行世界へ旅立っていったとも取れる描写であり、今後の扱いが気になる所である。なお、DVDに収録された26話予告では、ギャグとは言え「実はまだ生きている」と言っている。

冷徹な印象が強いOGシリーズの彼だが、クスハの栄養ドリンクで倒れたり、ヴィレッタに対抗してアサナに挑戦して身体を傷めたりなど、ヴィレッタに通じる天然ボケ的な一面もあった。

スパロボではどのシリーズにおいても真意に即した行動はとれず、死に際、あるいは最後の最後の局面で自我を取り戻すことが多い、自分の意思で行動できるのは死んでいる時だけ、というオリジナルキャラでも屈指の苦労人である。

「因果の鎖」とイングラム

イングラムを苦労人足らしめている要素はいくつかあるが、その中でもっとも大きいのが「因果の鎖」である。ユーゼスやイングラム自身が言及したほか、SHOではユーゼスと「α」のラオデキヤ、αシリーズではイングラムとユーゼス、さらにクォヴレーが繋がれている他、シヴァーが拘わっていた節がある。

これが何を意味するのかは今のところ全く以って謎だが、語感、さらに平行世界に「遍在」するイングラムの特性を鑑みるに「因果律の連鎖」とみるべきだろう。

ユーゼスはこれに気付いていた様子があり、CPSによって神になろうとしたのは偏にこの鎖から抜け出すためであったらしい。またイングラムは、自分が因果の鎖から逃れる方法は「己の手でユーゼスを打倒する」、それだけだと述べている。この一連の真相に気付いていた貴重な人物であるシヴァーは、クォヴレーと対峙した際に彼もまた因果の鎖に繋がれていると言及していた。

関係性だけで単純に考えるなら、「世界の枠を超えてなお、操る者であるユーゼスと、操られる者として生み出されたイングラムの因縁」だと思われる。

主な搭乗機

R-GUN
RWシリーズの1号機。基本的に全作品で搭乗するが、OGシリーズでは強制搭乗する機会は少ない。
R-GUNパワード
R-GUNにプラスパーツを装着した形態。SHOやαでパイロットを務める。
アストラナガン
因果律の番人としての剣。平行世界へのシフト、空間転移、タイムトラベル、更に条件さえ揃えば目標集団を強制転移させることも出来るなど、反則的な能力を誇る。αシリーズの世界に多大な影響を与えた。後にOGにもまさかの登場を果たす。その性能ゆえか、ユニットとして使用できるのはαのみ。現在はディス・アストラナガンとして生まれ変わっている。
ビルトシュバイン
ゲシュペンストの性能向上試作機。OGシリーズで味方時に搭乗。
R-GUNリヴァーレ
虚空より召喚された、異形のR-GUN。OGシリーズで、アストラナガンの代替機として登場。DWではR-GUNが変化するのではなく別に召喚して乗り換えている。
セプタギン
DWでR-GUNリヴァーレ撃破後の乗り換え。ゴッツォの仮面を被り、意志も完全にゴッツツォの者の人格になっている。

登場作品と役柄

その他

スーパーヒーロー作戦
初登場作品。主人公として登場。αシリーズの前日談的扱いであり、イングラムやリョウト、レオナ達はこの時点でαへの登場が決定していた。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
αシリーズのプロフィールは上記参照。能力的には高水準で各特殊技能、精神も優秀。何故か念動力の成長が遅いが、裏切る事が確定しているので使う必要は無い。また、条件を満たせば最終話で自軍に復帰。搭乗機のアストラナガンと併せて非常に強力だが、イングラムの2回行動可能レベルが結構高めに設定されている為、2回行動が出来ない。ちなみにパロディ漫画「さいこどらいばあず」にも出演しており、この作品は現在に至るまで唯一死亡していない作品でもある。
スーパーロボット大戦α for Dreamcast
新規EDルートでは最終話手前のシナリオで復帰。最終話前半マップで出撃させると万丈との特殊会話が発生する。何故か仲間にしてもエピローグではリュウセイ達に倒された扱いになっている。詳細は明らかではないが閉鎖空間に残った主人公と恋人を地球に帰還させたのはイングラムのようである。
スーパーロボット大戦α外伝
敵仕様の没データが存在する。顔グラフィックはαの敵バージョンと同じ。習得している念動力、シールド防御、切り払いがL9まで上昇するあたりは流石である。しかし、今作から導入された成長タイプのせいで思うように能力が成長せず前作のような強さを発揮出来なくなってしまった。防御もL1で100以下、格闘もL99で200以下までしか上昇しない。一応、成長タイプは射撃系・万能型に設定されているようだ。アンセスター関係で登場する予定でもあったのだろうか。さらに内部データにはBGM「虚空からの使者」の没データも存在する。
第2次スーパーロボット大戦α
イングラムのものと思われる没データが存在するが、撃墜時の汎用台詞が設定されていない。BGMはACE ATTACKER。
第3次スーパーロボット大戦α
クォヴレー・ゴードン編における最重要人物。全主人公通じてザ・パワーの力により幽体として復活。この時の彼は以前と同じバルマー時代のパイロットスーツを着ている。また、用語に名前が存在。ちなみに気づかれにくいが、SHO以降、何気に最初から最後まで本来の人格(=ガイアセイバーズ時代の人格)のまま登場する唯一の作品。
スーパーロボット大戦α さいこどらいばあず
主役の一人。「コミックブロス」で連載されていたこいでたく氏作の漫画で、クスハと大きくかかわるギャグ調のストーリーであり、スパイなのに目立ちたがり、マイペースで本音が読めない変人、さらには敵のボス格と温泉に入っていたりするという、ファンが唖然とするようなおかしなキャラクターとして登場。おまけにシリアス顔が長く続かないという、いわゆる「残念なイケメン」になってしまっている。
その反動なのかこの作品、現状唯一イングラムが死亡しない。

ORIGINAL GENERATIONシリーズ

スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION
リュウセイ編では序盤から加入し、キョウスケ編では中盤以降加入するが、どちらも30話で裏切り離脱。裏切り時のR-GUNは撃墜しないと持ち逃げされる上、リュウセイ編ではゲシュペンストMk-II・Sのフラグが立たない。またリュウセイ編では彼の離脱前のレベルが32、撃墜数が20以上あるとヒュッケバイン008Lが入手可能なので、29話までに修理装置補給装置でレベルを上げておくこと。メイン搭乗機はビルトシュバインだが、裏切りイベントではR-GUNに搭乗。後に召喚したR-GUNリヴァーレで立ちはだかる。
スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATIONS
OG1シナリオのオープニングで、ユーゼスらしき人物に洗脳され、後半ではクォヴレーらしき人物に自我の覚醒を促されるシーンが追加。その他は、基本的にはGBA版と同じだが、「枷」に関する設定が一部変わっている。
スーパーロボット大戦 OG外伝
直接は出てこないが、フリーバトルモードとカードゲームで登場する。
スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ
アニメ作品なので説明は上記参照。ただし、R-GUNリヴァーレ撃破後は、イングラムの身体はセプタギンに囚われているというアニメオリジナルの描写があった。ズフィルード・クリスタルの元ネタはDG細胞なので、これは元々デビルガンダムのコアとして作られたという「SHO」の設定の再現なのだろう。しかし、αに繋がるこの設定が引っ張られたということは、OGの彼はやはり……。
スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ Record of ATX
アニメとは違い、セプタギンには乗らない。

パイロットステータスの傾向

能力値

αでは全能力が非常に高く、戦闘向け精神を豊富に習得し、特殊技能も充実しているので文句なしのエースパイロット。だが、彼自身の境遇と乗機アストラナガンの複雑な設定のせいで、今現在のシリーズまで彼が自軍に参加する作品はSHOを除いて必ず離脱してしまう(つまりスパロボでは最後まで使える作品がない)ので真の意味ではまだ自軍に加入していない。そのため、活躍させる意味は殆ど無く折角の高い能力値を活かす機会が全く無い。今後のシリーズで何時か再登場してくれればいいが。

精神コマンド

αではどの精神も有用な物ばかりだが、集中がないため少し不安。とは言ってもイングラムの能力値が高いので余り気にならず、命中面・回避面も必中・ひらめきを所持しているので心配無用。攻撃面も魂・覚醒を所持しているので頼もしい。ユーゼスに強烈な一撃をお見舞いしてやろう。
OGシリーズでは必中・ひらめきが直感に統合されたが、魂と覚醒を失い、あろうことか殆どの精神が2軍向けパイロットの代表的精神である偵察・加速・直撃に変更されてしまい弱体化した。そして、相変わらず集中がないため扱い難い。

αDC版αα外伝
必中 ひらめき てかげん 熱血 覚醒
OGs
直感 偵察 てかげん 加速 熱血 直撃

特殊技能(特殊スキル)

念動力L9 シールド防御L9 切り払いL9 カウンターL4 インファイトL3 ガンファイトL3 指揮官L3 底力L7 リベンジ

αでは念動力・シールド防御・切り払いがL9まで上昇する数少ないパイロット。だが、離脱を前提としているためか、技能Lの上昇が遅めに設定されているので最終話で再加入した時にしか力を発揮できないだろう。2回行動Lも少し高め。敵になるとアストラナガンの能力とイングラムの強さに苦しめられるが条件を満たせば終盤に復帰してくれる。彼の強さを堪能しよう。乗機の関係でシールド防御が死に技能になっているのは内緒。
DC版では敵対時の能力が強化され、2回行動Lも70に引き下げられているので更に手強くなったが、自軍に再加入しても敵対時のステータスが引き継がれるのでより頼もしい存在に。新規エンディングルートならば待望の2回行動が可能だ。
α外伝ではなんと没データが存在し、ゲーム中では唯一各技能が全てL9まで到達する貴重なパイロット。
OGシリーズでは残念ながら強さの要だった念動力・切り払いを習得しなくなり、中途半端な技能しか覚えずしかも殆ど成長しない。基礎能力が高い事がせめてもの救いか。一応、隠し機体の入手条件に絡んでくるのである程度は成長させる必要がある。底力・リベンジは敵時専用技能だが、味方側も養成で習得できる。

固有エースボーナス

クリティカル発生率+20%、SP+10
OGsのエースボーナス。クリティカルによりダメージが底上げされ、最大SPが増えるので精神を少し使い易くなる有用なボーナスだが、彼に愛着が無い限りこのボーナスを習得することはまず無いだろう。ちなみにヴィレッタも同じボーナスを持つ。

パイロットBGM

「TIME DIVER」
味方時のデフォルトテーマ。α外伝では序盤のヴィレッタのデフォルトBGMになっている。クォヴレーには、アレンジBGMの『ANOTHER TIMEDIVER』が用意されている。歌バージョンも存在しており、串田アキラ氏が歌唱を担当している。クールなイメージのイングラムに対して熱い串田氏の歌声は賛否両論だが、イングラムが内側に秘めているものを考えると、串田氏の起用は適任と言える。また、『中毒性がある』というファンの声も。
「虚空からの使者」
敵に回った後のデフォルトテーマ。クォヴレーには、アレンジBGMの『THE GUN OF DIS』が用意されている。
「ACE ATTACKER ver.α2」
第2次αの没データではこれ。本作で没になったイングラムの大切な仲間達SRXチームのBGMは全てこれが設定されている。

人間関係

ユーゼス・ゴッツォ
彼の出生の秘密はユーゼスに関連する。「スーパーヒーロー作戦」と「スーパーロボット大戦α」では彼に引導を渡す。OGシリーズでも彼らしき人物が登場するが、こちらでは未だ決着着かず(というか戦ってすら、そもそも出会ってすらいない)。
ヴィレッタ・プリスケン
SHOではもう一人の主人公。αではイングラム自身が己の目的のため作り出したクローン。ヴィレッタの性別が女性になったのは、ユーゼスら第7艦隊の人員に自身のクローンだと覚らせないようにするためである。αシリーズでのヴィレッタ・バディムと言う名前もやはり偽名のようだ。GBA版OGではイングラムが自ら作ったクローンだったが、DW以降の設定ではバルシェムだった彼女の枷を正気だった頃のイングラムが解いたという事になった。αシリーズではデータを元とした現存する初期型唯一のバルシェム。
クォヴレー・ゴードン
もう一人の自分にして意志を継ぐ者。アインと呼ばれたバルシェムにイングラムが憑依したことで、彼の物語が動きだす。戦いの果て、もう一人の因果律の番人「虚空の使者」が誕生する。「鋼の戦神」では彼に語りかけた際、並行世界(スーパーヒーロー作戦と思われる)のものと思しき光景を見せている。ユーゼスとは別の意味で因縁の相手。
リュウセイ・ダテ
部下。バーニングPTでの操縦能力や、高い念動力の素質を見出してSRXチームに引き入れるが、彼の念動力が母ユキコから受け継がれたものだとは当初知らなかった模様。後にイングラムが裏切ると敵対。スーパーヒーロー作戦では上官に当たる。
ライディース・F・ブランシュタイン
部下。念動力者ではないため、間に合わせ要員としての登用であり、ライ本人もそのことには気がついていた。彼にとってイングラムは、兄エルザムと共に越えなければならない壁だった。
アヤ・コバヤシ
部下。かつてから念動力者であることに強い関心を持っており、父のケンゾウ・コバヤシと共にSRX計画に招き入れた。
レビ・トーラー
バルマー時代の同僚。ロンド・ベルを離脱する際に彼女の手引きを受けた。αではユーゼスに操られていた。OGでは、同じくジュデッカの枷に囚われた存在だった。
イルムガルト・カザハラ
元部下。
リン・マオ
元部下。ちなみに戦闘台詞はあるが、直接対面する場面がない。
ギリアム・イェーガー
平行世界を彷徨う宿命を背負うという共通事項を持つ者。そして元ネタでもある。OGで初の対決となった。ちなみに彼は、初出では最後まで味方で、その後は途中で裏切って敵になるイングラムとは対照的に、初出では裏切って敵になり、その後は一貫して味方である。
ロバート・H・オオミヤ
SRX計画の開発スタッフ。
カーク・ハミル
SRX計画の開発スタッフ。
ケンゾウ・コバヤシ
特脳研の人物。念動力に強い関心を持っていたイングラムは、周囲の疑問を押し切ってSRX計画の開発スタッフに招き入れる。
クスハ・ミズハ
OGシリーズではさらった彼女に暗示をかけて操り、リュウセイ達にぶつける。特製ドリンクをのまされてふらついたこともある。αでは主人公選択によっては彼女の能力に目をつけることになる。また「さいこどらいばあず」では彼女に接触すべく東城学園の非常勤講師として潜入している。
キョウスケ・ナンブ
イングラムの冷徹な態度に不信感を感じていた。OG1キョウスケ編では、(最初からそのつもりではあったが)彼を本気で怒らせてしまう。
エクセレン・ブロウニング
OG1キョウスケ編では、ゲーザ・ハガナーがさらった彼女に暗示をかけて操り、キョウスケ達にぶつけて彼らの怒りから潜在能力を引き出させようとした。しかし、結果的には予想外の大痛手を負うことに……。
リー・リンジュン
直接関係はないが、イングラムの裏切りが彼の家族の命が奪われる原因となり、それは彼の心に深い傷を負わせることになり、後に彼が歪んでいってしまう遠因となった。
バルシェムシリーズ
αでは男性体がイングラムを元に造り出されている。そのイングラムは『スーパーヒーロー作戦』のユーゼスのクローンなので、クォヴレー含む彼らは「クローンのクローン」ということになる。
シヴァー・ゴッツォ
もう一人の宿敵。直接相対する機会はないが、クォヴレーの没データに彼との戦闘台詞がある。

版権作品との人間関係

スーパーヒーロー作戦

一条寺 烈 / 宇宙刑事ギャバン
ガイアセイバーズの一員。ユーゼス及びイングラムとの関係が深い人物。
ハヤタ / ウルトラマン
ガイアセイバーズの一員で、隊長。付き合いも長く、最後はユーゼスのカラータイマーを無力化する。
剣流星 / メタルダー
ガイアセイバーズの一員。帝王ゴッドネロスと相打ちとなり、流星の超重力制御を破壊して皆を救うという役目を行った。このときのイングラムは苦悩に満ちていた。
ジロー / キカイダー
人造人間という出生がありながら、人間の心を持ち合わせる。その心はイングラムにも深く刻まれている。
ドモン・カッシュ
スーパーヒーロー作戦では彼と共にデビルガンダムを追う。
ヒイロ・ユイ
スーパーヒーロー作戦では同じ新西暦に送り込まれた工作員。

αシリーズ

ショット・ウェポン
αシリーズでSRX計画に参加した仲。
シャピロ・キーツ
イングラムと同様にバルマーへの寝返る等、共通点の多い人物で、自身よりも階級の高いイングラムに嫉妬していた。
プリンス・ハイネル
バルマー帝国軍における同僚。
碇ゲンドウ
彼と接触してユーゼスの目的と死海文書の解読方法を授けた。

名台詞

スーパーヒーロー作戦

「ようやく俺の存在を認めたか……俺は貴様の複製でもなければ、影でもない!」
「この身が共に消えようとも、俺は…俺は一人の人間として、地球人としてお前を倒す!」
「忘れるな、俺の名前はイングラム=プリスケンだ!」
スーパーヒーロー作戦より。ユーゼスとの最終決戦で自身の出生、そしてユーゼスが消えれば自身も消えるという宿命にもめげず、ガイアセイバーズのイングラムとしてユーゼスを討つことを宣言。主人公らしく、スーパーヒーローの王道を歩む名台詞である。
「……そうだ。特別な力は使い方を誤れば……必ず不幸を生む。所詮、この宇宙に生きる者は……」
「みな弱い存在なのだ。そして……己の心の弱さに屈した者は、悪に染まる……」
「戦いは他者とするものではなく、自分と……自分自身の心とするものなのだ」
俺達の真の敵は、自分自身の中に潜んでいるのだ
力尽きたユーゼスに対しての返答。正義のヒーローらしい答えだが、スパロボでのイングラムを考えると、かなり皮肉な内容である。
「ユーゼスが創り出した虚構の世界は抹消され……君達は記憶を失い、元の世界に帰る……」
「俺達の行動は無意味ではない……それぞれの世界に、必ず何らかの結果を生み出しているはず……」
世界崩壊後の仲間たちの行く末を示して。そして、リュウセイ達のいる「α」においての「何らかの結果」とは……。この台詞はαでも意外な形で登場する。
「それは、わからない……存在そのものが抹消されるか……それとも……別の人格を持ち、別の存在となるか……」
「だが……俺は……お前たちのことを……俺を仲間として認め、共に戦ってくれたお前たちのことを……忘れはしない」
別れ際の台詞。確かに、αで自我を取り戻したイングラムは、リュウセイ達のことを忘れてはいなかった。
「……みんな、ありがとう……また……どこかで会える事を祈っている……」
「さらばだ!! ガイアセイバーズ……俺のかけがえのない仲間達……」
SHO最後の台詞。崩壊する虚構の世界の中、仲間達との再会を願い、イングラムの物語はここに一つの幕を閉じる。だが、後に果たされた再会は哀しき結末に……。第3次αでのクォヴレーのEDでの台詞はこれが元ネタ。なお、それぞれのその後を描いたシーンではDVEで再現されている。

α

「デッド・エンド・シュート!」
メタルジェノサイダーなどの使用時の決め台詞。意味を考えてはいけない。ちなみにこのフレーズは、彼に深く関係するキャラクターに受け継がれている。
「待て、リュウセイ少尉。我々SRXチームは機密訓練中だ。戦闘に加わるわけには行かない」
αでの最初の台詞。DVE。
「念動力で制御される機体には、脚などただの飾りに過ぎん」
αにて、R-3のパワードパーツがないままSRXの合体テストを行うことの無茶をアヤに指摘されて。ジオングを連想させる。実際この後、合体テストを知らされたリュウセイは「一年戦争のジオングだってそうだったんだから」と納得している。そもそもだともないのに合体しようとした
(所詮は……人の心の甘さが生み出した欠陥品か)
α34話A「隠された殺意」より、アヤ評。そしてこの後……。
「アヤ……」
「苦しまずに、殺してやる」
同じく34話にてR-3を撃墜。OGでもほぼ同様の流れで再現されているが、台詞が追加されている。
「俺を善悪という下らない基準に当てはめるのは……よせ」
「ただ……自分にとっての障害を排除するのみ」
「このアストラナガンが指し示す敵を駆逐するだけだ」
リュウセイとの戦闘会話。OGシリーズではゼンガーとの会話として前半2つが採用されている。
「時を遡り…お前は無に帰するのだ…!」
インフィニティ・シリンダー使用時の台詞。なお、第3次αの没データで、アイン・ソフ・オウル使用時にも言う。
「ユ…ユーゼスが…造り出した…虚構の世界は抹消され…お前達は…記憶を失い…元の世界へ…戻る…」
「俺達の行動は…無意味では…ない…それぞれの…世界に…何らかの結果を生み出して…いるはずだ…」
リュウセイの説得を受け、記憶がリンクした際のうわ言。「スーパーヒーロー作戦」最終面におけるそれぞれの行く末を示した台詞である。この時、リュウセイも「スーパーヒーロー作戦」の結末を見ていたが、覚えていないため困惑していた。
「久しぶりだな……リュウセイ」
「……お前とは、また会えると信じていた」
ガイアセイバーズ時代の記憶を取り戻し、「戦友」たるリュウセイに対しての再会の言葉。SRXチームはイングラムにとってもっとも強い絆を持つ仲間であり、それは世界が変わっても同じであった。とはいえ、当のリュウセイにはその時の記憶はなかったが……。
「……」
「…そうか……お前には……あの時の記憶はないのだな」
正気を取り戻した直後、再会の挨拶に当惑するリュウセイを見て。わかっていた事とは言え、かつての自分の事も、ユーゼスとの死闘のことも覚えていないリュウセイに、どこか寂しげな様子である。
「いいだろう…ユーゼス・ゴッツォを倒すのは、この世界でも俺の役目だ」
αの最終話で、正気に戻って。本作でも数少ない『スーパーヒーロー作戦』時代の彼の人格が前面に出る場面で、同作のファンを歓喜させた場面でもある。
「だが、己の因果の鎖は己で断ち切るしかない。それはこの世界においても同様だ」
ユーゼスと対峙して。かつて「ユーゼスの写し身」という枷を断ち切って彼を倒したイングラムは、この世界におけるユーゼスとの因果を断ち切るべく、アストラナガンを駆る。因果の鎖を断ち切れるのはあくまでもイングラム自身でしかないとするならば、OGで彼が再び現れる日が来るのだろうか。

第3次α

「世界は幾重にも重なり、その均衡が崩れることは、全ての世界……全ての宇宙の崩壊を意味する」
「ゆえに宇宙は、それを歪めるものの存在を許しはしない」
「繰り返される死と再生……そして、それにまつろわぬ霊たち……」
「正と負の無限力のぶつかり合いは宇宙を歪め、ついには世界の崩壊を呼ぼうとしている」
「アストラナガンはその狭間に立つ因果律の番人……」
「鋼の戦神」にて、クォヴレーの精神と対話して。スパロボ世界の基本である「並行世界」の成り立ちとアポカリュプシスについて語る他、アストラナガンの開発目的についても僅かに言及している。
「そうだ。俺は全ての世界に存在し、全ての世界においてかりそめの旅人に過ぎん……」
「だが、俺の肉体は負の無限力に呑まれ、その魂のみがこの世界に逃げ込んだ」
自身の存在について。少々わかりづらいが、スーパーヒーロー作戦のエンディングを見ると理解できる。イングラムは既に存在しない「虚構の世界」の人間であり、それを構成していた世界の全てに「ガイアセイバーズの記憶」と言う形で痕跡を残している。しかしそのどれも、イングラムの属すべき世界ではない。後にクォヴレーが同様の存在となっている。後半の台詞は肉体を失った理由だが、ここからするとケイサル・エフェスとは別世界で戦っていた様子。
「…俺は並行世界をめぐり歩き、ついにこの世界で因果律を歪める元凶を突き止めた…」
「だが、俺は奴の意を受けたユーゼス・ゴッツォによりその精神を奪われ…」
「そして、肉体を失った…」
スーパーヒーロー作戦』エンディング後からαエンディング後までの行動の概略。虚構の世界を脱出して後は並行世界を巡り、歪む因果律を追ってα世界でケイサル・エフェスを発見したものの、宇宙を漂流している所をユーゼスに回収され、利用され、戦役後にあらためて霊帝に挑んで敗れた……というもの。なおユーゼスも「奴の意」に気付いて従っていたのであり、イングラムを利用して「因果律の支配を目論んだ」とのこと。
「頼むぞ、SRXチーム。俺の大切な仲間達よ…」
「俺に代わり、奴を…ケイサル・エフェスを討て」
第3次α最終話でSRXチームに事の真相を明かし、指揮官としての最後の指令を下す。
「それでいい。お前は俺ではない」
「クォヴレー……俺の全てはお前に託された……もう会う事はないだろう」
クォヴレーとの対話。しかし、後にまったく意外な形で再び邂逅することとなる……。
「お前たちにも迷惑をかけた……ただ一言、それを詫びたかった」
「負けるなよ、二人とも。お前達に与えられた力は運命を切り開くためのものだ」
クスハルートではこの台詞。バルマー戦役でクスハ達を巻き込んでしまったことを、魂のみとなってなお悔やんでいたことがわかる。

OGシリーズ

「嫌いでは……ないな」
OG1リュウセイ編「16年目の復讐」にて、ラトゥーニのゴスロリ服についての感想をガーネットに聞かれて。イルムの呟き通り確かに意外な台詞だが、真意は不明。
「フフフ…メタルジェノサイダー…」
「デッド・エンド・シュート!」
敵対時のR-GUN搭乗時。イングラムの台詞ではもっとも有名なうちのひとつで、ネット上では「フフフ…」の台詞がよくネタにされている。
「何者だ、貴様…!?」
「フッ…とんだイレギュラーが混じっていたようだな」
OGにて先輩キャラにしてモチーフの1人であるギリアムと対峙して。散々状況を引っかき回したOGのイングラムだが、ギリアムの正体を暴く事が出来ず、ある意味では彼には完敗したと言える。
「お前が残りさえすれば、俺もまた生き続ける事になる…」
「…後は任せるぞ…ヴィレッタ…ヴィレッタ・プリスケン…」
OGでのモノローグ。何気に「後は任せる」が出ている。これは第3次αでも存在。
(だが、例え一瞬でも……俺はイングラム・プリスケンという人格を…確立…出来たのだ……)
(…それが…何回目なのか…何人目の俺なのかは…わからないが……)
(…迎える結末は…全て同じ……らしい………………)
撃破時に。どの世界においても自らの自我を確立させることを目指し、自我の確立と共に散っていくという過酷な宿命を背負っているとされている(よく考えると、スーパーヒーロー作戦でも死にはしなかったが、似たような道を辿っている)。『OGs』では表情が安らかな物に変更され、台詞も「全て」で終わっている。

DW

「さあ、己の運命を受け入れろ!」
「言ったはず。それが俺達の運命なのだと…!」
DW第1話より。交戦中のクォヴレーに対して、一つの存在となるのが運命だと語り、「それを受け入れろ」と促す。「アストラナガンを駆り、クォヴレーを知る」ところを見るとαのイングラムのようだが、それにしては、第3次αで告げた「運命に抗え」とはまるで逆のことを言っている。そして…。
「あくまでもそれを拒むと言うのなら…その呪われた機体を、抹消するまで!」
最後の一撃の際の台詞。確かにディス・アストラナガンは負の無限力(に近い力)を操るが、その覚醒を促したのは他ならぬイングラム当人であって、むしろ「あってはならないもの」として、最終決戦でディス・レヴを葬り去ろうとしたのはクォヴレーである。クォヴレーと共に在り、最後はその魂と溶け合って一つとなったイングラムの魂の欠片のほか、最後にクォヴレーと邂逅した本体も居るが、こちらも彼が「クォヴレー・ゴードン」という個人として己を確立したことを「それでいい」と認めていた。
ネビーイームのチェンバーで眠るイングラムの夢の中、というシーンなのだが、この時点の彼はユーゼスの枷を受けていたため、その意思とも取れる。
ちなみにこの場面、クォヴレーが登場するということで制作サイドは情報を開示していなかった(サプライズ狙い)のだが、テレビ東京のHPで明かされてしまったという逸話がある。
「む……!?」
「……悪くは……ないな」
クスハの栄養ドリンクを飲んで。もちろんそんなはずはないが、クスハにはその事を告げなかった。
「因縁…だな」
撃破されたR-GUNリヴァーレから転送されセプタギンに取り込まれて、肉体が別の意識に支配されて仮面の男としてセプタギンを操縦しているさなかの、イングラム本来の意識とクォヴレーの対話上のセリフ。SHOからのユーゼスとの因縁が、世界を超えて三度再燃する。なお、セプタギンに取り込まれたのは元ネタを考えるに、SHOにおけるアルティメットガンダム関連の設定のオマージュと思われる。
「俺の枷は解けた……礼を言う。そして、すまなかった」
「アヤ……俺を許せとは言わん。だが、これからは過去に囚われず、新しい道を進んでくれ」
クォヴレーの助けを借りたイングラムの意識はアストラナガンを召喚してセプタギンに取り込まれたSRXを救出。ディス・アストラナガンと融合したDiSRXによって肉体が滅ぼされたことで枷から解き放たれた彼の意識が、SRXチームに告げた最後の言葉。
「いいだろう。運命に抗い続けた先に何があるか、見せてもらおう」
最終話。役目と因縁を背負った放浪の運命から「大いなる終焉」によって解放されることを信じて、「俺の意志は変わらない、俺は俺であり続ける」と運命に抗うクォヴレーに対して。そしてイングラムとクォヴレーの意識はDiSRXを離れ、別の世界へと旅立っていった。DWやジ・インスペクターは正史であるゲームに対する「IF」の側面があるが、これらが彼らの謎に迫る重要な要素であることは間違いないだろう。

RoA

「いや、もういい。動くなアヤ」
お前はもう要らない、と言っている」
「裏切りの銃口」において離反した瞬間。黒一色の背景に変わり、そして表情が消え、ついに「アウレフ・バルシェム」が牙を剥く。
「お前達の兵器としての成長に敬意を表し、その魂に枷をかける好敵手を用意してやろう」
R-GUNをリヴァーレへと変異させた際の台詞。何気にこの時、生身で宇宙空間に出ている(ヘルメットすら被っていない)。そしてこれの場面より度々顔に4つ目のシルエットが表れる。
「ハ!」
「それは素質開花の片鱗か?それとも幼さ故の直感か?」
リュウセイの「いつからイングラム・プリスケンじゃなくなったんだ?」という問いに対して、イングラムを操る者の人格が表れ始める。
「我が元へ来い。お前の力は我等が先遣に相応しい」
「で、あるか」
「ならば滅びよ。枷無きまま荒ぶる魂、それはいずれ十重二十重の我が計画を妨げる存在となりかねん」
上の台詞の直後。自らの元に下るよう促すも、当然断られる。顔全体が仮面を被ったような状態になっており、言動が完全に枷を与えた者のそれになっている。
「リュウセイ、心のまま進め。お前の母に育てられたその心のままにな」
「ライ、後は頼む。己の能力を疑うな
「…アヤ、これからは過去に囚われず、新しい道を歩め」
「Record of ATX」におけるSRXチームに告げた最期の言葉。何気に数少ないライに対するフォローが入った台詞である

迷台詞

「『はい』ではない! 今日からは『ラジャー』だ」
「さいこどらいばあず」の一幕。FのドラマCDにおけるアキラ・カミヤ教官が元ネタ。
「医務室だけは駄目だ…!」
「ぐぅおぉぉ……」
DWにおける栄養ドリンクを飲んだ後の追加台詞。クスハが立ち去った後、顔色を悪くしているのを一般兵に心配されて。もちろん医務室にクスハ(看護兵)がいるから嫌がっているわけだが、また栄養ドリンクを飲まされるのが嫌なのか、実はクスハを気遣ってやせ我慢していたのをバレるのが嫌なのか、微妙なところである。ちなみにOGSでは何とかこらえ、自室に退散している。
「実はまだ生きている」
「死んでないって」
「まだ出番あるって!」
DWのDVD版最終話予告にて、イングラムの死を嘆くリュウセイ達に対して。リュウセイ達は気付こうともしない。

話題

  • 彼の存在についてよく論じられるのはOGシリーズとαシリーズの彼の関係性である。具体的には、OGにおいてアウレフに取りついた「ネフェシュ(魂)」がαそしてSHOのイングラムなのか否か、という点であるが、これはOGS発売以降ますます混迷を深めている。というのは、追加シーンでユーゼスが登場しており、この時彼は以前から因縁があるかのような台詞を発している。このためαでの最後の台詞も含め、同時にSHOのユーゼス=αのユーゼス=OGのユーゼスなのか、という疑問が呈されている。イングラムについて論じる以上どうしてもユーゼスは外せないが、その彼がイングラム以上に謎に包まれているため、結論は出ていない。現段階では「OGのネフェシュ=αおよびSHOのイングラム」という等式がもっとも可能性の高い推論となっている。
  • 「枷」の正体については未だ不明なのだが、αシリーズにおいてのそれは、脳内の疑似人格ナノマシンを利用したものではないかと思われる。

余談

彼のキャラクターの原案となったのは、『ヒーロー戦記』の主人公であるギリアム・イェーガーとスクウェア社(現スクウェア・エニックス社)のRPGゲーム『ファイナルファンタジーVII』の登場キャラクターの一人「セフィロス」であると寺田プロデューサーによって明言されている。そのためか、イングラム・ギリアム・セフィロスの三者にはいくつかの共通点が見出せる。更に余談だが、セフィロスの声優は格闘ゲーム『エアガイツ』ではリュウセイの声優である三木眞一郎氏が、2005年に発売されたフルCGアニメ『ファイナルファンタジーVII ADVENT CHILDREN』やアクションRPGゲーム『キングダムハーツII』以降の登場作品ではキョウスケの声優である森川智之氏が演じている。

名前のイングラムはサブマシンガン(短機関銃)の「イングラム」から取っていると思われる。

話題まとめ

資料リンク