マジンガーZERO
マジンガーZERO | |
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外国語表記 | Mazinger ZERO |
登場作品 | |
分類 | マジンガー |
エネルギー | 光子力エネルギー |
装甲材質 | 超合金Z |
パイロット | 兜甲児 |
概要
漫画『真マジンガーZERO』に登場するマジンガー。別名「終焉の魔神」「究極の破界神」。
マジンガーZが「魔神パワー」と呼ばれる力を全て解放した姿。その戦闘力は世界を文字通り滅ぼすものであり、あらゆる存在を超越する。
自我を持ち、マジンガーZEROという名称もマジンガーZERO自身が名乗ったもの。意思疎通の際には声を発さず、空中に光の文字を表示する。操縦自体は甲児が引き続き行うが、甲児自身はZEROと同調しているため、実質的にZERO自身が自ら動かしていることになる[1]。
デザインは元のマジンガーZに似ているが、全身が鋭角的にディティールアップされ、全体的にマッシブな体型はどことなくマジンカイザーを彷彿とさせる。目には黒目があり、口部は牙のように上下に開く等、まさしく「魔神」と呼ぶべき禍々しい様相が特徴的である。
『真マジンガーZERO』では存在を強調されているため回想等でしか登場していなかったが、『真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍』ではグレートマジンガーの登場にZEROの意思が魔神化を発動し、戦闘獣3体を半壊状態のまま蹂躙、暗黒大将軍をも魔神パワー「再生」で完全回復した上で死に追い込んだ。その後、ブレストファイヤーとブレストバーンの撃ち合いの最中、魔神パワー「強化」・「変態」で威力を底上げしたブレストバーンアップに焼かれた際に本形態に変貌している。
ジェットスクランダーも変貌しており、アルファベットの「Z」や、数字の「0」の形状に変形する。その上に乗ることで空中浮遊も可能。元々は後付け装備であるはずのスクランダーだが、この姿では魔神パワーを使い、体の一部のように作り出す。
誕生の経緯としては、開発者である兜十蔵博士が、『Z編』の孫想いのファンキーな老人ではなく、世界最強の人造神を完成させ、世界制覇を成し遂げる野望のためなら自分の息子や孫すら利用し殺そうとする極悪非道のマッドサイエンティストだったことによる。
天才的な頭脳を持っていた十蔵博士だったが、それ故に「老いた自分が生きている間に野望達成は不可能」と悟った。しかし、とある平行世界の博士が光子力を利用した重力制御で時空を歪ませ、過去の自分に自身の研究結果を送ることを可能とする光子加速器「ミネルバX」を開発。これによって自身の研究を濃縮し続けていった結果[2]、完成したマジンガーZは人工知能を有した唯一無二のスーパーロボットとして世界中の軍隊を蹂躙。各国の首脳陣を14日と10時間34分で平伏させるまでに至った。
だがこの結果に博士は満足せず[3]、より高みを目指すため「過去の自分に伝えることなく研究成果を各国にばら撒く」ことで世界にハンデを与え、自分の想像を超えた出来事を起こさせることで更なるインスピレーションを得て研究を飛躍させようと目論んだ。そして、次の世界で十蔵博士の研究結果を理解できた一握りの科学者の中に居た者こそがもう一人の世界征服を目論むマッドサイエンティスト、Dr.ヘルだった。
Dr.ヘルは研究結果を利用し古代ミケーネの遺産を復活させ、機械獣による世界征服を目指した結果、十蔵博士と対立。やがて二人はマジンガーと機械獣によるデスマッチを展開するようになる[4]。激化した対決の中、遠隔操縦方式だったマジンガーの弱点を突いたDr.ヘルの操るバルガスV5との戦闘で十蔵博士は重傷を負い、対抗するため人工知能を外したマジンガーに乗り込んだ甲児が直接操縦しこれを迎撃。
その後、搭乗型に改良されたマジンガーと甲児の活躍を病院のベッドで観戦していくうちに十蔵博士は孫への愛情を得て改心し、Dr.ヘルとの戦いに終止符を打つべく真のマジンガーの完成のための研究を病床の身をおして進めていった。死の間際、マジンガーが敗北する姿を見た十蔵博士は「自分より優れた知を持ち、自己進化し永遠の命を持つ新たな生命」の設計図を最後の研究成果として「世界を救い、甲児を守ってくれ」と願ってミネルバXに託した。
しかし次の世界の十蔵博士は改心する前のマッドサイエンティストだったため、ミネルバXが当初隠していた設計図を独自に解析しその悪魔的発想を組み込んで建造。結果、出来上がってしまったのが7つのブラックボックスたる魔神パワーを有する「愛を知らない究極の魔神」となったマジンガーであり、それが進化していった存在こそがZEROである。
最終的に全ての事象がマジンガーZのみで完結する因果律を紡ぎ出し、自らは神として世界を閉ざしたが、それゆえに深刻化した、因果律兵器の抜け穴である「マジンガーのいない世界を観測できない」という点を突かれ、甲児と鉄也に閉ざされた世界を脱出された。
その後、ZEROの体内から脱出する際に放ったZとグレートのダブルバーニングファイヤー[5]と、甲児が直前のループで手を加えた光子力エンジン[6]から生み出された光子力の輝きによって、ZEROの体内に無数に存在する以前のループで敗北したマジンガーZと甲児を媒体に出現したスーパーロボット軍団の参戦で形勢が逆転。
光子力ビーム、サンダーブレークを筆頭に、スーパーロボットたちの総攻撃を受けて怯み、創造した世界が瓦解。それでも敗北を認められず因果律を再び紡ぎ出そうと足掻いたが、目の前にいるスーパーロボットの全てが「原初の魔神」であるZERO=マジンガーZから生まれたものであり、彼らの存在そのものがマジンガーの勝利の証だと語る甲児の言葉を受け、可能性の彼方へ去っていった。
登場作品と操縦者
単独作品
- スーパーロボット大戦V
- 初登場作品。寺田プロデューサー曰く「強すぎて無理(笑)」[7]とのことだったが、本作にて驚愕の参戦。
- 登場して間もなく原作に近い形で一時的に敵対するが、すぐ後の第39話にて「魔神パワー発動」によってマジンガーZから変容可能になる。後述する魔神パワーは、そのうち自己再生・強化・高次予測・変態に言及されるのみ。
- 原作ほどのトチ狂った性能はなく、HP・EN・装甲・海適正が向上すること以外は変容前のマジンガーZと比べても差はない。と言っても、マジンガーZ自体優秀なので運動性を除けば全体的にとても高性能な部類となる。
- しかし武装面は大幅強化が行われており、必殺技・ファイナルブレストノヴァは初期値7000。使用制限が厳しいヤマトの波動砲[8]を除けば、自軍最高の数値を叩き出す。しかも、それに甲児のABや精神コマンドが乗るため、火力・耐久力共に非常に強力。
- 欠点は燃費。EN回復(小)があるとは言え枯渇しやすい。とはいえ、節約を重視して大技を使わなくても十分な戦力になるので意識すれば問題ない。
- また、地味に全ての武器に気力制限がある。変化自体にも気力が150必要なので、総じて気力低下に弱い点に注意。特にELSは、文字通り手も足も出せずに撃墜される可能性もある天敵となる。
- 今回のZEROは原作漫画終了後の世界から下地の出来上がっているマジンガーZのいる世界に顕現した、という設定[9]。原作漫画最終回で発生した可能性の光――世界を越えて集った数多のロボットたちをもう一度見るため、そして甲児の意思を見守るべく彼の制御下に入ったことになっている。とはいえ、性格は全くと言っていいほど変わっておらず「マジンガーZ(ZERO)こそ最強」のスタンスは保ったまま。ちなみに機械神としてのZEROではなく「ZEROの姿になったZに宿る謎の存在」という形での登場。
- イベントではあるが、ダイナミックプロ系作品において双璧を成す「皇帝」と一枚絵で共演するという敵にとっては悪夢でしかないクロスオーバーを成し遂げた。
- スーパーロボット大戦X
- 今作では、闇の帝王がアル・ワースに転移する際に並行世界から呼び寄せた存在。
装備・機能
武装・必殺武器
- 格闘
- 左フックからの右ストレート。甲児曰く「ゲンコツ」とのことだが、ただのパンチにも関わらず相手の装甲をひねり潰す。
- なお、原作漫画ではZERO形態ではほぼ未使用。それでも半壊したマジンガーZの状態で半身を抉り飛ばす等ぶっ飛んだ力を見せた。
- 『V』では左右の拳で殴る。最弱武器にも関わらす機体カットインが入る。
武装
- ジェットスクランダー
- 本来なら外付け装備だが、ZEROの場合は「魔神化」で変貌した際には機体の背部から生えるように展開する。また形状も翼部が節の付いた悪魔を思わせる形になっており、場面によっては『Z』の形に変化することもある他、本体も上部から伸びる長い突起物が存在し、ブースターや尾翼も大型化している。SRW未採用。
- ZEROスクランダー
- ジェットスクランダーが変化した、ZEROのシンボルと呼ぶべき装備。数字の0の真ん中にスラッシュが走ったような独特の形状と、ZERO本体の倍以上というサイズが特徴。自ら「マジンガーZERO」と名乗る際に変貌しており、その後登場する際は殆どこの形状で固定されている。
- 噴射口が存在せず、重力制御で飛行を可能にしていると思われ、背部から切り離して上に乗ることも可能。
- アイアンカッター
- 腕から生えたアイアンカッターの刃を巨大化させつつ弓状に変形させて打ち出す。
- そのサイズはZEROを遥かに上回っており、超合金ニューZをいとも容易く両断、グレートですら逸らすのが精一杯という有様。
- 『V』ではZERO唯一の弾数制武器。ZEROはEN回復(小)を持っているが、燃費はやや悪めのため、暴れ過ぎた際の自衛用として使う場面も。
- サザンクロスナイフ
- 無数の光の十字をZEROスクランダー周囲に形成し放つ。
- 本来のものと異なり追尾弾になっている。その追尾性はグレートブースターを装備して超音速で飛行するグレートマジンガーを容易に捕え、迎撃するほど。SRW未採用。
- ルストハリケーン
- 口部を大きく開け、奥にある噴射口から放つ強烈な酸を含んだ巨大な竜巻。その威力は、富士山周辺を更地にした上で世界を崩壊させる天変地異を起こすほど。
- 『V』ではトドメ演出で敵を跡形も無く消滅させる(原作でボスボロットの残骸が巻き込まれて朽ちていくコマの再現)。
- ブレストファイヤー
- 胸部の高熱版から放つ熱線。その威力はマジンガーZのそれとは月と鼈。文字通り、触れた物を塵一つ残さず消し飛ばす。
- 原作では魔神化の初期段階で放った時点で関東を溶かし、東京湾を蒸発させ、ついでにミケーネ帝国の本拠地を消滅させる破滅的な威力。
- 『V』では通常版の他にMAP兵器版が実装。通常版はブレストファイヤーのお約束として、これでも射程2と短い。
- ダイナミックファイヤー
- ジェットスクランダー翼部を魔神パワーで超巨大化し、さらに放熱板に変化させて放つ熱線。
- 一撃でゴードンヘルを消滅させ、ついでにその背後にあった地球を文字通り火の玉に変えた。SRW未採用。
- 光子力ビーム
- 目から放たれる光線。
- 本来のものと異なり拡散する無数の光弾になっている。その一発一発が地球の裏側まで貫通する威力を持ち、超合金ニューZですら掠めただけで融解させる。
- 『V』では射程8で、ZEROの最長射程武装。ただしENが70と高めなので連発するとガス欠を起こす。
必殺技
- ファイナルブレストノヴァ
- SRWオリジナル技。甲児がZEROとの対話を行い魔神パワーの制御を行えるようになると同時に追加される。
- 魔神パワー「因果律兵器」を発動して異空間に移動、相手を鷲掴みにして超高速で大地に叩きつける。その後スクランダーの上に乗った状態から掴み上げ、零距離ブレストファイヤーで焼き尽くす。
- トドメ演出では、下半身が熔解消滅した相手を投げ上げて、ルストハリケーンで塵一つ残さず消し飛ばすと言う、ZEROらしい非常に凶悪な攻撃……なのだが、甲児はカットインで爽やかな笑みを浮かべている。
- 原作における超合金ニューZα製のグレートマジンカイザーの胸部から下を熔解させた攻撃をベースにした技。
- 『V』では光子力ビーム同様、バリア貫通・サイズ差補正無視を持つが消費ENは100とかなり重め。ただし射程3なので援護も可能。
特筆機能
- 魔神パワー
- マジンガーZの時点から内包されていた特殊能力で、甲児の強い意思や脅威となる存在との邂逅で能力が段階的に解放される。全部で7つの能力が封印されており、マジンガーZEROに変貌した時点で全てが解放される。
- それぞれの能力の封印はマジンガーZの内部に人体のチャクラの配置になぞらえたブラックボックスとして配置されており、サイボーグ化した甲児の体内にも空中元素固定装置を強制的に起動して形成している。
- 開発を行ったのは上述の改心した十蔵だが、マジンガーZに組み込んだ次の世界の十蔵はマッドサイエンティストのままだったため、本来の物を独自に改良して組み込んでおり、元々の能力は魔神化を筆頭に全く異なると思われる。
- 第一段階:再生
- 戦闘で負ったいかなるダメージも瞬時に自己修復する。「魔神化」が解放されると瞬間的に修復を行えるようになり、大破寸前の状態から暗黒大将軍が大剣を振り抜く刹那の間に完全修復を行ってみせた。
- 第二段階:吸収
- あらゆるエネルギーを吸収し、自らのものとする。「魔神化」が解放されると敵を食らい取り込むことも可能になる。また、魔神パワー「再生」との同時行使で、敵の物理攻撃で機体を大きく損傷した状態から修復を行いつつ攻撃に使用された武器を取り込むことも可能。
- 第三段階:強化
- マジンガーZの性能を飛躍的に向上させる。旧来のマジンパワーに近いが、こちらは出力のブーストアップだけに留まらず機体の性能から他の魔神パワーにまで恒久的に効果が発揮される上、重ね掛けも可能。
- 第四段階:高次予測
- 未来予知にも匹敵する状況シミュレーションを可能とする他、平行世界の観測さえ可能とする。劇中では解放されている時に甲児の瞳孔部にケーブルのような物が覆い被さっている。
- この力による平行世界観測はマジンガーZを起点とした干渉であるため、マジンガーの存在しない世界=別の作品の世界を認識できないという根源的な弱点がある。この場合の認識とは単純に見聞きができないという意味ではなく、接触や物理的な破壊といった干渉も不可能[10]。
- さらに限定的な点として、少なくとも作中での観測範囲はZEROを中心とした地球全域までのようで、範囲外の事象は予測不能に陥る可能性がある。甲児は終盤、「Zの世界」に再び囚われそうになった時、排除される寸前の鉄也が言った「ミケーネ帝国を倒して得られた平和を脅かす新たな敵は何処から来るのか?」の問いに「宇宙から現れる」と答えて無効化している。
- 第五段階:変態
- 物理法則の常識を超え、マジンガーZの形状・性能を変化させることができる。同作のマジンガーZは一部の追加武装が魔神パワーの効果が消えた後も追加されたまま残されている。
- 第六段階:因果律兵器
- 因果律に干渉し、平行世界で発生した事象の因果を紡ぎ、数多の未来から勝利する可能性を現時空に転移現出させる。
- 簡潔に言えば、相対する敵が何者であろうとも、勝利の可能性が0%でない限り100%確実に勝利できるというもの。例えるなら命中率が1%でもあれば攻撃が必中・回避率が1%でもあれば完全回避が確定する。因果を紡ぐ=勝利であるため、敵は回避も防御も抵抗することすらも不可能である。
- ZEROの予測を越えた未知の出来事・存在に対しては効果を発揮できないが、素でも強すぎる上に予測を超えるなど不可能と言ってもいいので弱点になっていない。
- 『X』ではこれが「因果律操作装置」という強化パーツとして登場している。当然ながら上記ほどのぶっ飛んだ性能ではなく、命中率70%以上で必中、回避率30%で完全回避となる。
- 第七段階:魔神化
- マジンガーZEROとしての意思と力の発現。第六段階まで魔神パワーを解放した状態と比較してさえ天と地ほどの力の差がある。この段階まで解放された時点でマジンガーZは暴走、甲児を吸収あるいは排除し、「終焉の魔神」と化してしまう。マジンガーZに人工知能を搭載した場合は、その時点で開放される。
- また、一瞬にして7つの段階が全て解放される場合があり、作中では「甲児がマジンガーZと同化する」か「弓さやかの死」の条件で覚醒している。他に「ZEROの意思で解放される」場合もあるが、こちらは魔神化の後に他の魔神パワーを開放してからZEROに変貌している。
- これが終わりであり、ある意味で始まりと言える段階である。発動した時点で終焉が確定するので、ZEROを倒す方法は作中世界には存在しない。あるとすれば、ZEROの想像を上回るものを見せつける他ない。
- 本来の魔神パワーは改心した十蔵が甲児たちを守るために開発した機能であるため、少なくとも甲児を吸収・排除してしまう特性は前述のマッドサイエンティストの十蔵によって改変されたものと思われる。
特殊能力
移動タイプ
サイズ
- M
- 基本的には元となったマジンガーZとさほど変わらないが、覚醒後は大きさも自由自在のようであり、最終決戦ではマジンガーを一飲みにしてしまうほどの巨体に描かれていた。
カスタムボーナス
- 装甲値+300、最大EN+50。
- 『V』で採用。
機体BGM
- 「守護神-the guardian」
- 『真マジンガー 衝撃! Z編』後期OP曲。元々は悪役であるZEROに典型的ヒーローソングであるこの曲は似合わない……と思われるが、むしろ歌詞としては「空が割れる、炎が舞う、巨大魔神見参」とピッタリである。ファイナルブレストノヴァのトドメ演出では甲児が「振りかざしたその手でお前は何を掴むのか」とばかりに拳を掲げる。
- 『ZERO』作中ではこの曲や『感じてKnight』、その他のJAM PROJECTの楽曲(『SKILL』や『Crest Of Z's』等)の歌詞を引用するシーンが幾つかあった。
人間関係
- 兜甲児
- 世界線によって関わり方は異なるが、いずれの世界でもZEROにとっては重要な要素となる人物。物語終盤では彼の姿を借りて対話したり、メタ視点による狂言回しなどもしている。
- 剣鉄也
- ZEROの作る世界=マジンガーZが最強である世界においては存在してはならない「異物」。そのため彼を敵視し、常に物語から消滅させようとしていた。
- 兜十蔵
- 創造主。
- ミネルバX
- ZEROのもたらす滅びの未来を変えようと行動していた。
- 闇の帝王
- 劇中のとある場面では彼を搭乗者に選んでいる。
- 『V』においては『Z編』版の闇の帝王が敵対関係となっているが、最終決戦後にZEROによって「絶望」を見せられることに(後述)。
名台詞
- 「イ ラ ン !」
- 「魔神化」を開放、半壊状態で拘束を脱し、グレートマジンガーからマジンガーブレードを投げ渡されるも、それを払い除ける。ここからZEROの面目躍如が始まった。
- 「邪魔だ」
- 続いて、暗黒大将軍の振るった大剣を「再生」で完全修復しつつ掴み取り、握り潰した後その頭部に力を掛けて払い除ける。
- 暗黒大将軍はこの際の遠心力で全身を千切られるほどの回転で吹っ飛んでおり、読者に「タイトル詐欺」と突っ込みを入れられるほどの衝撃を与えた。
- 「な ん だ と 思 う ?」
- 魔神パワーが暴走、甲児を取り込んで異形の姿に変わりつつあるZERO。大苦戦を強いられる鉄也に自らが何者かを聞かれ、周囲に光の文字を浮かべてこう返す。
- 「我は… 我は最終にして原初 唯一無二のスーパーロボット マジンガーZERO」
- そしてスクランダーを変形させつつ繰り出したメッセージ。劇中初めて、「マジンガーZERO」という名称が本機から出された瞬間。
- 「
零 に還れ」 - 世界を自ら起こした天災で破壊しながら。この場面のZEROのポーズは四肢を力強く伸ばし、天を仰ぎながら口部スリットを開くというものだが、この時しか行っていない。
- 『V』ではこのポーズをブレストファイヤー発射時の演出として採用している他、ある人物のトラウマイベントでも使われている。また、台詞自体は甲児のファイナルブレストノヴァ使用時の台詞として採用された。
- 「時間切レダ 因果ハ紡ガレタ」
「マガイモノ 貴様ノアラユル死ニ様ヲ予測シタゾ」
「無様ニ這イズレ ノタウチ回レ 百ノ残骸スラ残サン」
「ブレストファイヤアア」 - グレートマジンカイザーのカイザーソードの乱舞を躱しつつ因果律兵器で因果を紡ぐ中、突如現れた暗黒大将軍との挟撃で捉えられ、キャノピーを剥がそうとパイルダーに伸ばされた手を掴み、さらにグレートカイザーの頭部を掴み握り潰しながら。
- 超合金ニューZαが破壊された因果を探り当て、胸を切り付けたカイザーソードを吸収しつつ「再生」で修復し、地球を貫く業火でグレートカイザーの下半身を熔解させる。
- 「私ノ完全ナル世界ガ消滅スル マジンガーガ勝利シ続ケル最強ノ世界ガ」
「兜甲児 ソレハオ前自身ノ夢デアッタハズダ イイノカ ソレデモ?」
甲児「……… 見てくれZERO この大いなる可能性を」
甲児「これこそ 俺が… いや、みんなが… 本来望むべき世界だ」
甲児「何より この可能性はお前の中から生まれたんだ だからマジンガーZERO お前は負けたんじゃない 勝ったんだ」
「ソウカ…コノ輝キハ私ソノモノカ……ソウカ…」
甲児「フ…そう思っとけよ 夢のような いい眺めだろ」
「アァ 確カニ 素晴ラシイ……」 - 最終回において、光子力がまだ見ぬロボットたちの姿を具現化した。マジンガーではない未知のロボット――それら全ては、マジンガーから生まれたものだった。過去から現在、そして未来に羽ばたいていく綺羅星の如きロボットたちを見て、マジンガーZEROは、その無限の可能性に確かな喜びを抱く。
- そして可能性を閉ざした物語は終わりを迎え、新たなる始まりへと歩み出す。多くのロボットが生まれ、時に集う世界へ、ZEROは旅立っていくのであった。
- ちなみに最終決戦の前、ZEROが神となった世界では、世界を変えられなかった甲児に対し「兜甲児はZEROを構成する重要な要素、この結果は君の負けではなくある意味で勝利だ」と語る、この会話の対になるシーンが存在している。
スパロボシリーズの名台詞
- 「そうであって、そうではない…」
「我は…無限の可能性…幾多の並行世界にまたがって存在するもの…可能性の交差する存在…抗う事の出来ない、その強大な力を人は魔神…または運命と呼ぶ」 - 『V』39話「終焉への目覚め」にて、ゲッター線によって顕在化した意識が甲児に語りかける。
- 「我は魔神…。求めるは無限の力…。お前を取り込む事よりもお前の意思が生み出す力こそ我が欲するもの…幾多の世界を巡り、全てを滅ぼした我さえも知らぬ新たな可能性…。その力…いや、その力の集まりに我も一度は屈した…。お前が友と呼ぶ者達との戦いの中で我が力に抗うお前に、その光を見た。見せてみろ、兜甲児。我にお前の力を…。我は神にも悪魔にもなる…。お前の、その意思によって…」
- 同話より。「一度は屈した」 については名場面の項を参照。
名場面
- その名はZERO
- 第3・4巻より。東映版最終回や劇場版同様、スクラップ寸前までミケーネに痛めつけられたマジンガーZ。その窮地に現れたグレートマジンガー。しかし、グレートの活躍を見つめるZには異変が起きていた。
- 甲児を取り込み、満身創痍の身でありながら戦闘獣軍団を屠るZ。グレートに与えられたマジンガーブレードを「イラン!」と拒み、禁断の力である魔神パワーが解放されていく。
- ――最早「彼」はマジンガーZではなかった。禍々しい姿へと変貌した終焉の魔神は自らを「ZERO」と名乗る。
- スーパーロボット大戦ZERO
- 最終回。最終決戦の最中、敗北の確定した戦いに甲児は一つの賭けに出ていた。
- マジンガーはマジンガーでは決して倒すことはできない――永遠不変の法則。この因果を打破するべく、とある世界で甲児が描いた、とあるマジンガーの物語。それはマジンガーが倒されようとする内容のもの[11]であり、人々が決して受け入れないものであった。罵倒の中、ある「誰か[12]」が影響されて別の物語を描いた。さらに別の場所でも、別の「誰か」が同じように物語を描いた。その中にはマジンガーとは違う、全く新しいロボットの姿もあった。そして、光子力を媒介にして今世にそれら全てが具現する。
- 兜甲児の意思が光子力を増大させ、誕生する可能性の光――未来に羽ばたくロボットたちの姿。甲児が共に戦う日が来ることを待ち望んだ宇宙の王者。五台のメカの合体によって誕生する二体の超電磁ロボ。操縦者と人機一体となり、怒りの空手で悪に立ち向かう闘将。日輪の力と月光の力を操る「無敵」の戦士。三つの変形形態を持つ可変戦闘機。別の可能性世界に生まれた可変戦闘機。遺伝確率約250億分の1の男が乗る鉄の棺桶。火星と地球を駆ける蒼き流星。人を、獣を、そして神をも超える野生の機神。時代と世界を超越し、造られ続ける二足歩行兵器。磁石の力を持つ世紀のマグネ・ロボット。宇宙怪獣を倒すべく造られたド根性で動くロボット。ヒトの手によって造られし神。無限力の巨神。黄金の鉄槌で全てを光に還す勇者の王。ドリルの回転と共に進化を続けるロボット。異界より襲来する怪獣を駆逐する鋼の巨人。そして、三つの心を一つにして無限の力を発揮する三位一体のロボット――遍く世界から集ったロボットたちと二体のマジンガーから放たれた必殺技を受けて、ついにマジンガーZEROは自身の敗北を認めるのであった。
- ――いや、それは敗けではなく、感嘆だったのかもしれない。何故なら、そこに広がり、今も拡がり続けるロボットたちは全て自分から生まれたのだから。そしてそれらが集う現象を、人はこう呼ぶ――スーパーロボット大戦、と。
スパロボシリーズの名場面
- 覚醒
- 『V』38話「地獄の門」より。あしゅら男爵の血の儀式によって復活したミケーネの神々の前に苦戦を強いられるヤマト部隊。撤退の時間を稼ぎつつ必死で防戦する中、甲児は呪いのように念じ続けていた。「マジンガーZは最強のロボット、負けることなどありえない」と。
- エースのジョーの加勢もあってどうにか撤退の機を掴んだものの、甲児は撤退命令に従わずハーデスに襲い掛かる。それでも、神を名乗るその力は本物であり、マジンガーZを以てしても及ばない。
- しかし、ハーデスが口にした「非力」の言葉が甲児の怒りに火をつける。十蔵の作った最強のスーパーロボットが、マジンガーZが非力であるはずがない。妄執に近いその一念が魔神パワーを発動させ、Zがその姿を変える。未知の姿となったマジンガーZは、光子力ビームの一撃でハーデスを滅殺。出遅れた暗黒大将軍に対し、「マジンガーZERO」の名乗りを堂々と上げるのだった。
- その直後、Dr.ヘルが突然現れ、甲児に告げる。十蔵はマジンガーを完成させるために、甲児をもパーツとして「設計」したのだと。信念の根幹だった祖父の真意を揺るがされ、動揺した甲児は変貌したZEROに取り込まれたまま姿を消す。すべてが終わったその場を遠く、ミネルバXが静かに見守っていた……。
- ダブルマジンガー、再び
- 『V』39話「終焉への目覚め」より。終焉の魔神と化したマジンガーZEROを止めるべく、新たな魔神皇帝・マジンエンペラーGが舞い降りる。だが、それでもなおZEROは止まらない。ZEROの中で抵抗する甲児に、竜馬が呼びかける。ゲッター線は有機物と無機物を融合させる力を持つ――ならば、その逆も可能なはずだ、と。
- ゲッター線によりZEROの意識は顕在化し、甲児と対話する。かつて、ZEROは光子力の光から生まれた数多の可能性の前に敗北した。そして、甲児が仲間と呼ぶ者らとの戦いの中にその可能性を見た。ZEROは言う。甲児を取り込むのではなく、甲児の意思が生み出す無限の力を求めると。
- 対話を果たすと、マジンガーは元の姿に戻っていた。そこに襲いかかるガーディム。その時、甲児は魔神パワーを発動し、マジンガーをZEROへと変化させる。しかし、それはすでに終焉の魔神ではない。神にも悪魔にもなれる最強の魔神、最強のスーパーロボットだった。そしてその隣に、マジンエンペラーGが並び立つ。
- 最終にして原初の魔神と、偉大なる魔神皇帝。二体の魔神が手を取り合い、光子力の光が未来を照らす。
- 因果の果てに待ち受けるモノ
- 『V』51話「因果の果てに」or「闇より暗き者」。地球艦隊・天駆に敗れた闇の帝王は「本当の意味での敗北を迎えたわけではない」「いずれまた復活する」と告げる。だがその刹那、ある光景が闇の帝王の脳裏をよぎった。
- それは最強の「魔神」と最強の「皇帝」――すなわち、真の神となったマジンガーZEROが、ゲッターエンペラー率いるゲッター艦隊と共に因果の果てで並び立つ光景であった。万物の理を呼吸するかのように簡単に捻じ曲げてしまうモノたちを直視した結果、「どうあがいても勝てない」と己の無力を悟ってしまった闇の帝王は完全に心を折られて消えたのであった。
関連機体
- マジンガーZ
- 大元の姿。
- 『真マジンガーZERO』劇中では意思のようなものを示しており、ZERO同様光の文字で甲児を激励している。また「Zの意思」と「ZEROの意思」は別のようであり、ZEROの変貌時や闇の帝王と融合した時はZEROの意思に押しのけられ、消滅しそうになっていた。
- グレートマジンガー
- 劇中ではマジンガーZのZERO化には、この機体の存在が大きく関わっていたとされていた。
- マジンエンペラーG
- ある意味でのカウンター。可能性の光から生まれた、ZEROの想像を超えるマジンガーであり、ZEROの求める可能性の化身。
- グレートマジンカイザー
- 『真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍』に登場。ZEROに対抗するためにグレートブースターとドッキングしたグレートマジンガーが魔神パワーをフルブーストさせて変貌した機体。最終的には敗北したものの基本スペックはZEROと同等で、作中では唯一ZEROに対して真正面から傷を入れ、さらに当初は因果律兵器の範囲外であったことからZEROですら因果を紡ぐ時間稼ぎのために逃げに徹するしかなかった。
余談
- 本機の登場以前に、マジンガーのアンソロジーコミックでも「ZERO」の名前を持つオリジナルマジンガーが登場したことがあった。マジンガーZを大きく凌ぐ運動性と、猛毒ガスを散布する「ゼロテンペスト」など殺傷力の高い武装、ロケットパンチの誘導を乱す電波で甲児とマジンガーを苦しめたが、機動性を重視したことで超合金Zは攻撃に必要な部分にしか使われなかったため装甲が薄いという弱点を突かれ、最後は自爆同然の大技を放って自滅した。
脚注
- ↑ 劇中、ZEROに変貌した直後に甲児が一時的に自我を取り戻したため、放っていたブレストファイヤーの射軸を強引に動かしている。
- ↑ この研究の濃縮の結果、ミネルバXも最初は格納庫一帯を占める巨大なマシンだったのが、後に十蔵博士の手によって等身大のロボットを経て喜怒哀楽を有する美女型アンドロイドへと変貌していった。
- ↑ その際、「つまらんわい」と平伏させた各国の首脳陣をブレストファイヤーで焼き払っている。
- ↑ この戦いは週に一度、指定された場所におけるマジンガーと機械獣の決闘という形で行われ、TVアニメの「改良を繰り返しながら毎回異なる機械獣と戦うマジンガーZ」という構図を再現している。
- ↑ SRW以外の媒体で初めて名称を甲児と鉄也が叫んでいる。
- ↑ 手を加えた甲児自身や開発中の光景を見ていた剣造から見てもモザイクで構成された立方体としか認識出来ない物体。
- ↑ https://twitter.com/yogoyuki/status/431230716190261248
- ↑ 初期値8700だが、こちらは使えるのが2ステージのみと少ない。
- ↑ つまり、スパロボ登場キャラクターの基本である「IFの存在」ではなく、原作に出てきた本物のZERO。ちなみに版権作品で「原作そのもの」が出演したのはスパロボ史上初。
- ↑ 劇中でも、この点を利用してグレンダイザーを認識させないことに成功している。
- ↑ その世界ではあらゆる創作物にマジンガーZが関わっている。ガンダムをはじめとするロボットが全てマジンガーに入れ替わり、他のアニメ映画すらも全てマジンガーになり、最後は必ず勝たなくてはならない。
- ↑ 作中ではマジンガーZのお面で顔を隠されているが、何人かはどこかで見たような恰好をしている。
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