シャドウミラー
シャドウミラー(Shadow Mirror)
共通設定
平行世界の地球連邦軍特殊任務実行部隊。通称「シャドウミラー」。
指揮官のヴィンデル・マウザーは平和な世界の裏で、人が徐々に腐敗していく有様を嘆き、その解決手段として「永遠の闘争」が生まれる世界を実現すべく反乱を起こした。しかしシャドウミラーはゲシュペンストMk-III率いる連邦軍特殊鎮圧部隊に敗北し、最終手段として異なる次元の世界へ逃亡した。逃亡後の世界で自分達の存在を最大限利用し、様々な勢力に取り入っていった。
シャドウミラーの言い分である「腐敗の是正として、争いの絶えない世の中を作る」という理屈は、Aでのアクセル(およびラミア)の語るところによると、「平和な世の中より、戦乱が絶えない世の中のほうが(腐敗している暇が無いから)腐敗が起きにくい」という理由かららしいが、所詮は確率論であり「争いが絶えない世の中ならば、腐敗は決して生まれない」というわけではなく、「争いの絶えない世の中ならば、もしかしたら平和な世の中よりも腐敗が生まれる可能性は低いかもしれない」という程度のものでしかない(実際、ガンダムシリーズに登場する地球連邦軍を始め、多くの軍隊は平時・戦時を問わず腐敗は大なり小なり存在する)。
また、ヴィンデルの提唱する「永遠の闘争」とは、「それによって失われる要素を考えない」と言う机上の空論に過ぎない(Aでもデューク・フリードによって『戦争によって生み出されるものと失われるものは等価値ではない』と論破されている)のだが、平和によって行き場をなくした兵士には救いだったらしく、規模はかなり大きい。
スーパーロボット大戦A(PORTABLE)
ゲシュペンストMk-IIIを隊長機とするゲシュペンスト隊に敗退し、次元転移装置で「こちらの世界」へ逃亡した。自分達の存在を利用して各勢力(マリーメイア軍、ギガノス帝国、バーム星人、ベガ星連合軍、アクシズ、木連)に取り入ったが、各勢力は主人公部隊の前に敗退を繰り返し、シャドウミラーは『こちら側』での行き場をなくす。
ヴィンデルは最終手段としてアクシズを地球近海に転移させて落下、自機ツヴァイザーゲインの次元転送装置で元の世界へと帰還を目論む。しかし阻止され、主人公(アクセル・アルマー or ラミア・ラヴレス)がツヴァイザーゲインを次元転移弾として使用し、アクシズを消滅させる。これによりシャドウミラーは完全に壊滅した。
なお、転移の際にガイゾックを連れてきている。
また、前述のとおり様々な勢力に節操無く取り入っているが、自分たち以外を信用しないメガノイドには取り入ることが出来なかったようだ(Wシリーズの工作員を潜入させはしたが、捕まって処刑されたかメガノイドに改造された可能性が高い。事実、終盤に彼らを改造したと思しきメガノイド兵の駆るゲシュペンストMk-IIがコロスの配下として登場する)。
ゲシュペンストMk-IIIを隊長機とする特殊鎮圧部隊に敗れてなお、ゲシュペンストMk-IIだけで2000機(ラミアによれば2096機)が残っていた大所帯、他の機体も合わせれば全戦力はもう少し多いはずである(それよりさらに多かったであろうクーデター時のシャドウミラー隊を撃退した特殊鎮圧部隊の凄まじさが窺える)。しかし「こちらの世界」に転移をする際、多くの戦力を失ってしまい、たどりつけたのは少数(アクセル編では転移に成功したのは1割のみ、ラミア編では502機。同じ内容を言っていると考えた場合、元はMk-II以外も3000機程度いたことに)。
特殊鎮圧部隊であるゲシュペンスト隊の強さの背景には、「ゲシュペンストシリーズはフレームの構造上、手を加えるのが容易だった」「最終的に、低コスト・高性能の量産機に、1機で戦況を変えられる究極の機動兵機・・・そのほとんどがゲシュペンストをもとにして造られた」という開発経緯があり、「こちらの世界」で同じ轍を踏まないよう、連邦軍に内部工作を行ないドラグーンを採用させ、ゲシュペンストシリーズの開発が進まないようにしていた(しかしその干渉により、皮肉にも「こちらの世界」ではドラグーンが予想よりもはるかに優れた機体に仕上がってしまった)。
スーパーロボット大戦A PORTABLE
OGs準拠で、向こう側時点におけるシャドウミラーの残存戦力が約500機、転移に成功したのはその半分程度になった。
OGシリーズ
『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2』、『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS』での設定。
シャドウミラー側の世界でキョウスケ・ナンブ大尉の駆るゲシュペンストMk-IIIを隊長機とする連邦軍特殊鎮圧部隊ベーオウルブズに敗退し、システムXNの「アギュイエウス」と、制圧したテスラ・ライヒ研究所の「リュケイオス」を用いて「こちらの世界」へ逃亡した。 なお、彼らがいた世界は先にインスペクターが襲来した事や平和な情勢、「一時異星人に占領された」などの発言から、旧シリーズの終戦後あるいは64のエンディング後に近い環境の世界とみられる。また、こちら側の世界には無い企業や人物も多い。
ラミア・ラヴレスはシャドウミラーを離反した後、ベーオウルブズはこちら側の世界でのハガネとヒリュウ改に匹敵する戦力を持っていたと語っている。リュケイオスは平行世界からの追撃を防ぐため、シャドウミラー側の最後の転移と共に爆発するよう細工が施されており、アクセル・アルマーの転移後に自爆した。
アギュイエウスとリュケイオスが安定した効果を発揮するためには、コアとなるヘリオス・オリンパス(=ギリアム・イェーガー)の存在が不可欠であった。だが彼は既に転移装置の機動実験に失敗して平行世界へ飛ばされた後であったため生体コアに出来ず、シャドウミラーは装置が不安定な状態での転移を余儀なくされた。その結果、多数の機動兵器や兵士達が次元の歪みに巻き込まれて消滅することとなる。
当初はイーグレット・フェフが本拠地とするアースクレイドルを拠点として、ノイエDCに戦力を提供していた。しかし、ヴィンデルとノイエDCの首魁バン・バ・チュンの理念は相容れないもので、利害が一致している間の協力関係でしかなかった。後にシャドウミラーはノイエDCを裏切り、インスペクターが拠点とするホワイトスターへと渡った。その目的はツヴァイザーゲインに搭載されたシステムXNのアギュイエウスを修復し、その機能を完全な物として様々な平行世界へ武装介入することだった。
しかし、ホワイトスター(ネビーイーム)に攻撃をしかけたクロガネ・ヒリュウ改の部隊によりインスペクターは壊滅。その戦いで足止めを買って出たアクセルも撃破され、追いつめられたシャドウミラーは次元転移を行うが、ホワイトスターはすでにアインストの手で侵食されていたため失敗に終わり、アインストに取り込まれたホワイトスター内部で最後の対決となる。ツヴァイザーゲインのシステムXNはギリアム・イェーガーにより無力化され、ヴィンデル・マウザーやレモン・ブロウニングも死亡し、シャドウミラーは壊滅した。
しかし、OG外伝で皮肉にもシャドウミラーの理念は修羅達によってゆがんだ形で実現してしまい、生き残ったアクセルがその事を憂いていた。
GBA版OG2ではGBA版Aに比べ大きく数が削られており、量産型ゲシュペンストMk-II以外にソルプレッサやフュルギア等も併せて転移前の戦力が2096機だった(転移に成功した機体数はGBA版Aと同じく502機)。OGsではさらに、諸々含めても496機と大きく戦力が減少している(ベーオウルフがアインスト化している影響だろうか。なお転移に成功したのは半分程度。)。ただOGsの二百数十機でも充分、敗残兵と呼ぶには多大な戦力ではある。
なお、「こちら側」にもシャドウミラーに相当する特務隊も存在はするが、物語には関わって来ない。
無限のフロンティア
ゲーム中では組織としてのシャドウミラーは登場しないが、作中の登場人物や機動兵器の一部はシャドウミラー側の世界から転送されてきた設定。またシャドウミラーの技術はエンドレス・フロンティアではオーバーテクノロジーとなっており、ネバーランドの艦首部が墜落したフォルミッドヘイムでは、解析した船内データから独自に機動兵器が開発されている。
プランEF(エンドレス・フロンティア)
地球連邦への反乱後、ベーオウルブズに敗退を重ね追い込まれたシャドウミラーは、起死回生の策として未知なる平行世界への転移計画『プランEF』を発動していた。先発艦として選ばれたトライロバイト級『ネバーランド』は、起動前の初期型Wシリーズとアークゲインなど対人用の兵器を多数搭載され、転送された。
だが、転送中にネバーランドは次元の歪みに巻き込まれる。そして、辿りついたのは、偶然にもプランと同じ名で括られた異世界群「エンドレス・フロンティア」であった。転送先の世界で空中分解し真っ二つに割れ、艦首部はフォルミッドヘイムへ、艦尾部はロストエレンシアへと墜落してしまう。散り散りとなり、主を失った乗員達は起動後、あるいは覚醒後に独自の道を歩むことになる。
Wシリーズについて
シャドウミラーの戦力として、レモン・ブロウニングが造り出した人造人間のこと。中でも特に優れた能力を持たされた個体を『Wナンバー』と呼び、『W○○』と形式番号で呼ばれる。
Wナンバーは現在、W00~W17までの18体が制作されたことが判明しており、プロトタイプにして指揮官としての役割を与えられるはずであった『W00』を筆頭に、白兵戦を前提とした能力を持つ初期型、身体能力と機動兵器の操縦能力を兼ね備えた後期型の2タイプが存在する。Aの主人公として登場したラミア・ラヴレスは、後期型Wシリーズの中でもレモンが最も完成度に自身を持っている「最高傑作」である。
詳細は別記事「Wシリーズ」を参照。
主な人物・機体
主要メンバー
- ヴィンデル・マウザー
- シャドウミラーの指導者。地球連邦軍大佐。
- レモン・ブロウニング
- ヴィンデルの腹心で、兵器や人造人間の開発等を担当。もとは連邦軍特殊技術兵装研究所の研究者。
- アクセル・アルマー
- 特殊処理班隊長。前線指揮官を兼任。ヴィンデルが最も信頼する部下であり、戦友である。
- バリソン
- 隊長の一人。転移前の戦闘でベーオウルブズとの戦闘で戦死した模様。
- マルティン・ロメロ
- アクセルの部下。ベーオウルフの攻撃からアクセルを庇って戦死している。OGクロニクル「ヒゲの神さまの中の人はハラペコ」でそのシーンが描かれている。
Wシリーズ
前述の通り、レモン・ブロウニングが創造した人造人間の総称で、シャドウミラーの主力兵士。固有名を持つ下記Wナンバーの他、自我が限りなく薄い純粋な人形である量産型も多数存在する。
初期型
- ハーケン・ブロウニング(W00)
- ある人物の遺伝子を使って創造された試験管ベビー。つまりWシリーズ唯一の人間。
- ピート・ペイン(W03)
- ナンバーズの指揮官的存在。統率用の特殊介入コード「プレイ・ザ・パペット」を実装されている。数少ない男性型の一体。
- ギムノス・バシレウス(W05)
- ウォーダンのプロトタイプ。人格移植で稼働する完全な「人形」。アグラッドヘイムによって奪取され、ガグン・ラウズに乗っ取られることに。
- カルディア・バシリッサ(W06)
- エキドナのプロトタイプ。両手足のブレードによる白兵戦を行う。
- アシェン・ブレイデル(W07)
- ラミアのプロトタイプ。転移のショックで全メモリーを破損している。熱暴走によるオーバードライブシステム「コードDTD」を実装されている。
- アークゲイン(W10)
- 初期型の最終機。ソウルゲインに似た姿とアシェン・カルディアの特徴を併せ持った、対人用機動兵器。
後期型
- ウォーダン・ユミル(W15)
- ゼンガー・ゾンボルトの姿と性格をインプットされた存在。W05とは同位体。
- エキドナ・イーサッキ(W16)
- Wシリーズの副隊長的な存在。W06とは同位体。
- ラミア・ラヴレス(W17)
- Wシリーズの最高傑作と呼ばれる存在。W07とは同位体。
主要機体
数多くの兵器が奪取、独自量産された機体。また、相当堅牢な構造をしており、自爆しても原型が残る程。
ワンオフ機
数多くの機動兵器を保有しており、ワンオフ機でも相当数が持ち込まれた。
- ツヴァイザーゲイン
- ソウルゲインの2号機を母体にVR系の予備部品を組み合わせたカスタマイズ機。ヴィンデル・マウザー専用に調整されている。
- ソウルゲイン
- EG系のアクセル専用機として改修された機体を、テスラ・ライヒ研究所から奪取した。
- アンジュルグ
- SMSC系の機体。
- ヴァイサーガ
- VR系の機体。
- ラーズアングリフ
- ヴァルキュリアシリーズ系の機体。後にノイエDCに渡った1機が改修される。
- アシュセイヴァー
- アサルト・ドラグーン系の機体。改修途中のものを含め、最低でも4機持ち込まれた。
- ヴァイスセイヴァー
- アサルト・ドラグーンアシュセイヴァーのカスタマイズ機で、機体そのものは転移前に完成途上だった模様。
- ラピエサージュ
- アシュセイヴァーのカスタマイズ機で、様々な機体からのフィードバックにより数多くの武装を備える。
- スレードゲルミル
- グルンガスト参式を、テスラ・ライヒ研究所から奪取し、転移後にマシンセルで変貌した機体。
- ジガンスパーダ
- 大型の移動砲台で、1機のみ持ち込まれた。
- ゲシュペンスト・ハーケン
- W00専用に設計されたゲシュペンストであるが、実際には製造されなかったようである。エンドレス・フロンティアではダウンサイジングされた形で再設計される。
量産機
- 量産型ゲシュペンストMk-II
- 主力量産機で、テスラ・ドライブなどの搭載により「こちら側の世界」の量産型よりワンランク上の性能を誇る。
- ランドグリーズ
- ラーズアングリフの量産型。転移後に量産された機体。後にノイエDCに渡った内の1機が改修される。
- 量産型アシュセイヴァー
- 転移後に量産された機体。OGsでは転移前から使われていた。
- 量産型ジガンスパーダ
- 転移後に量産された機体。
- エルアインス
- 「こちら側の世界」における「アルブレード」の正式量産機。ワンランク上の性能を誇る。
旗艦
- トライロバイト級
- スペースノア級に匹敵する万能戦闘母艦。今のところシャドウミラーの運用が確認できるのはギャンランド、ワンダーランド、ネバーランドの三隻。
余談
シャドウミラーが掲げる「永遠の闘争」の行く末は、実は第4次でのバッドエンドにおけるエピローグにも(事情は異なるが)語られている。
資料リンク
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