ドルチェノフ

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ドルチェノフ
登場作品 機甲戦記ドラグナー
声優 飯塚昭三
デザイン 大貫健一
初登場SRW スーパーロボット大戦A
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
種族 地球人
性別
所属 ギガノス帝国
軍階級 中佐→総統
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ドルチェノフは『機甲戦記ドラグナー』の登場人物。

概要

ギガノス帝国の幹部。階級は中佐。

専用の黄色いカラーリングのダインを持ち、叛乱を起した青年将校と同じダインで決闘を挑み倒す等、メタルアーマーのパイロットとしては並以上の実力を持っている。

帝国内では強硬派の代表格で、叛乱分子の鎮圧とマスドライバーによる地球全面攻撃を強くギルトールに勧めていたが、33話にてギルトールが反対した為に銃を持ち出して彼をなかば脅迫してマスドライバー使用の許諾を得ようとする。しかし彼の意に反して全く臆することなく向かってきたギルトールに気おされ、思わず引き金を引いてしまい、図らずも彼を殺害してしまったため(よく誤解されているが、最初から殺そうと考えて殺したわけではない。更にこのときマイヨ・プラートに罪を被せたのは彼本人ではなく彼が引き連れていた部下のとっさの機転によるものである)、半ばなし崩し的にギガノス帝国総統となった。

すでに後戻りの出来なくなったドルチェノフは、ギガノスの実権を奪い青年将校たちを粛清するが、33話終盤でマイヨによるマスドライバー破壊により地球への全面攻撃は早々と頓挫。戦局も地球連合軍に次第に押されていったドルチェノフは、ギガノス機動要塞による巻き返しを図る。

更にはアオイ・ワカバを人質に取る事で、ケーン・ワカバドラグナー1型カスタムを戦力として収める事に成功するも、地球連合軍との戦況には大局的に全く影響せず、マイヨの介入も受けた事で、ギガノス機動要塞はその機能を停止させていく事になる。結局人質を救出されたことで、ケーンに反旗を翻され、結果的にドルチェノフ個人を狙う敵を自分から増やしてしまった。更にはミンと白兵戦による死闘を演じる中、通信回線がアクシデントで開いてしまった事で、ギルトールの殺害に関する真実が知れ渡ってしまう。

完全に追い詰められたドルチェノフは、乗機のダインを自爆させてマイヨの猛追を振り切った後、ギルガザムネに搭乗して迎え撃ち、ミンやプラクティーズの機体を蹴散らしていくが、ケーンとマイヨによる連携でギルガザムネは大破し、満身創痍の状態でドルチェノフはその場を何とか逃げ切る。しかし、ケーン達の攻撃によって、ドルチェノフは機能停止したギルガザムネから脱出する事が出来なくなってしまい、最後は酸欠状態に陥って、自らによって統治されたギガノスの幻想を見ながら、月面の引力に引かれて落下していくギガノス機動要塞と運命を共にした。

作中におけるラスボスという立ち位置ながらも、窮地に陥って敵対するマイヨに命乞いをしたり、感情的で不用意な発言をたびたびして最終的には将兵の信用を失う等、いまいち小物としか言いようがない言動が目立つ。「徹底的な人望の無さ」「戦術と戦略の区別も付かないお粗末な采配」「素晴らしいというべき器の小ささ」「降ってわいた権力の座」「情けない最期」と、まさに小悪党の中の小悪党に相応しい要素を持ち合わせていると断言できよう。事実、『ドラグナー』の裏切りイベントの大半はドルチェノフが原因で発生し、最終的にその裏切りによって死んだ形となっている。

登場作品と役柄

他作品の協力者からも内心小馬鹿にされていたり、利用するはずが利用されていたりとやはり常に小物感が拭えない存在となっている。主人公達からは「権力欲に取り憑かれた男」だの「百鬼帝国の方がマシ」だのと呆れられる始末であり、原作におけるラスボスなので強いことには強いが自軍との交戦回数の多いマイヨ・プラートグン・ジェムの方が強く感じることも多い。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦A
初登場作品。原作と異なり序盤から登場し、マイヨに嫌味を浴びせたり、マスドライバーの無断使用をギルトールから詰問されたりしている。また本作ではオサリバン(『ガンダム0083』)に代わり、シーマ・ガラハウとの密約を交わし、星の屑作戦でのコロニーの方向転換を独断で行っている。最終的にマスドライバーの件に加え、独断でシャドウミラー達と結託した事をギルトールに追及されて逆上し彼を射殺。原作のように狼狽えず自らマイヨに罪を着せてギガノス帝国の総統に成り代わる。
ガンダムW』のデキムやシャドウミラー首魁のヴィンデルからも捨て駒としか見られておらず、挙句はシーマからも見下され、『Gガンダム』のウォンにもいいように利用されていた(最も、ウォンやデキムもドルチェノフ共々ヴィンデルに捨て駒にされていたわけだが)。決着は分岐先のデビル機動要塞ルートで付けることになり、今作で登場しないウルベの役割も一部担っている。
なお、本作では中佐から総統という不自然な特進について、影でシャドウミラーの工作があったことをマイヨが指摘している。

単独作品

スーパーロボット大戦MX
音声初収録。本作も序盤から登場し、マイヨを「裏切り者の息子」と侮辱したりくだらない作戦を与えたりと、ギガノス帝国に蔓延る腐敗した上層部の象徴として扱われている。
今回はスーパー系が多くガンダムシリーズは殆ど原作終了後故人類同士の戦いのラスボスとして登場する為かストーリー的には比較的目立ち、戦闘前台詞が案外多い。しかし火星の後継者北辰と六人衆を体よく利用するつもりだったが、逆に彼等に体のいい手駒として扱われてしまう結果となった。
スーパーロボット大戦GCXO
ジオン公国と同調。最期はハマーンとの決戦の最中に増援として乱入してくるが、そこで討たれて戦死する。例によって例の如く小悪党扱いで、ある攻略本にはギワザデスバンと並ぶ小物扱いを受けている。特に『GC』ではハマーンが撃墜されてからのこのこやって来るため、小物感が強い。また、ミンが速攻で戦死してしまうため、原作終盤の自滅シーンも無く、ケーンが寝返りもしないので、原作未視聴のプレイヤーからは「なんだこのオッサン、ノコノコ討たれに来て」と思っても致し方ない。
スーパーロボット大戦Card Chronicle

パイロットステータス

精神コマンド

MX
狙撃根性必中不屈熱血気合
敵故にあくまでキャラクター付けではあるが、は習得できない。ギガノス魂はどうしたというのだ。

特殊技能(特殊スキル)

APORTABLE
底力L5、切り払いL5
MX
底力L9、援護攻撃L4
GCXO
底力L8、援護(攻撃のみ)L3、指揮L4

人間関係

ギルトール
主君。しかし、戦争の方針で食い違う事になり、脅しで自らの主張を通そうとしたが、彼の思わぬ反撃の末に殺害してしまう。
マイヨ・プラート
気に入らない存在。ギルトール元帥殺害の罪を着せるが、終盤、見事に逆襲される。
ダン・クリューガー
機動要塞内部の戦いで殺害した。
グン・ジェム
部下なのだが原作での面識はない。
『GC』『XO』ではため口を聞かれていたが、悪党同士馬が合っていたらしく意気投合している。
リー・スー・ミン
彼女の罠にまんまとハマり、自分の悪行をペラペラと喋ってしまう。
ハイデルネッケン
SRW未登場。腹心の部下で、直接会う場面は無いが、ドルチェノフ同様に姑息な策略を得意とする。
アオイ・ワカバ
彼女を人質に取り、ケーンを裏切らせる。
ケーン・ワカバ
彼の母親のアオイを人質に取り、裏切らせるが、やはり終盤に逆襲され、最終的にドルチェノフの死因となる。
タップ・オセアノライト・ニューマン
原作では特に絡みはなかったが、『MX』ではケーンや彼らの芝居に乗って悪行を喋り破滅してしまう。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

デキム・バートンウォン・ユンファシーマ・ガラハウ
Aでは彼らと手を組むが、全員から内心見下されていた。
ギレン・ザビ
GCXOでの同盟相手で、彼と同調していく。
ハマーン・カーン
GCXOにて彼女を焚きつけ、利用しようとした。

リアル系

草壁春樹
MXでは彼と手を組むが内心では「木連の亡霊」と蔑み、その存在を疎んじている。
北辰
MXでは彼ら北辰衆を「小間使い」呼ばわりし、体よく利用するつもりだったが、逆に利用された結果に終わる。

バンプレストオリジナル

ヴィンデル・マウザー
Aでは彼らシャドウミラーと結託するが、やはり利用されていたにすぎなかった。最も彼もドルチェノフとは違う意味で「小悪党」に相応しい人物ではあるが。
アクセル・アルマーラミア・ラヴレス
Aでは主人公として選んだ方が、ドルチェノフの代わりにケーンに投降を迫る役柄になっている。
しかし、直後に彼(彼女)自身がアオイの存在をバラしてしまったせいで、原作通りアオイを奪還されることになる。

名台詞

「手ぬるい! 手ぬるいと言っておるのだ大尉。説き伏せるだと!? いかんいかん! 奴らをこれ以上のさばらせておくわけにはいかん。即時鎮圧だ! 完膚なきまでに奴らを粛正するのだプラート大尉!」
28話での初台詞。一見すると血も涙もない残虐な発言に思えるが、実際は汗を垂らして息を荒らげながら、保身のために強硬策を提案しているに過ぎない。
「閣下…!我らの覚悟をただのこけおどしとお思いですか!?」
33話でギルトールに銃を突きつけた際の台詞で、結果的には抵抗したギルトールともみ合った末に彼を射殺してしまう。
「動くなプラート大尉!貴様を元帥閣下暗殺の容疑で逮捕する!」
ギルトールを自身が射殺した事に呆然とする中、部下の機転によってマイヨを犯人扱いとし彼に銃を突きつけた際の台詞。
「ま、待ってくれ!ワシと組んでこのギガノス帝国を手にせんか! 悪いようにはせんぞ、どうだ?プラート大尉…」
33話の終盤でマスドライバーが爆発した事により搭乗機のダインが破損して行動不可能になり、さらにマイヨのファルゲンによって追い詰められた際の台詞。ドルチェノフの小物振りを強く象徴している台詞で、当然マイヨはこの命乞いを聞かずにとどめを刺そうとし、部下の助けによってなんとか窮地を逃れる体たらくであった。
「フフフ…ワシは愉しみの為には骨身を惜しまんのだ」
42話でケーンとドラグナーを投降させる為、ケーンの母親であるアオイに連合軍の投降を認める放送をさせた際の台詞。しかし本来はそんな事をする状況でもなく、ドルチェノフの大局の見えなさが露呈している。
「ハハハハハッ!見ろ!遂にドラグナーが投降してきたぞ!自分達の運命の先を読んだか?連合軍の旗印は私の手中に落ちたぞ!ハハハハッ!」
42話ラスト、ケーンとドラグナーの投降に喜んだ際の台詞で、直後に連合軍の廃棄衛星による機動要塞攻撃も失敗した事もあってドルチェノフにとっては得意の絶頂ともいえる瞬間であるが、既に地球各地では量産配備が進んだドラグーンによってギガノス軍は追いつめられ、月面の本部も陥落寸前となった状況ではドラグナー1機の投降程度で戦争全体の大局が変わる筈も無く、運命の先を読めていなかったのはドルチェノフの方であった。(実際、リンダも「こんな戦い、連合が勝つに決まってるじゃない」と言っていたほどで、ナレーターからも「戦局に影響を与えはしなかった」と断言されている)。それどころか、後に持ち出したギルガザムネの致命的欠陥を知っているケーンがドルチェノフを追うきっかけにもなってしまったため、寧ろ自分から死因を作ってしまっている。
ちなみに46話では味方の高官に「こんな年端もいかない少年に頼った姑息な作戦で帝国の栄光を汚すくらいなら潔く降伏すべき」と批判されると、逆上して彼を射殺してしまっている。総統の器ではない。
「お前にワシのSP隊を貸してやる…見事ドラグナーを討ち取って来い!!」
側近「ほ、本官が…でありますか…!?」
「こんなときこそ、側近であるお前がワシのために盾にならねばならんのだ! 体を張ってな!!」
46話、母親を救護され連合にトンボ返りしたケーンが猛然と襲い掛かって来たのを知った際のやり取り。無論この後すぐさま逃走し、怒りに燃えるケーンによりSP隊は瞬殺された。側近の断末魔は「総統閣下ーーー!!」であったが、いったいどんな感情が籠っていたのであろうか…。
「貴様は死刑にしてやる!死刑だ!!死刑だ!!死刑だ!!!」
47話でミンに追い込まれ、ギルトール元帥の死の真相をポロッと話しかけてしまい、それをミンに問いただされた時に必死に否定すると同時に吐き出した台詞。台詞だけなら引退した某プロレスラーを彷彿とさせるが、吐き出した様は総統はおろか1部隊を指揮する資格が無いような只の駄々っ子みたいな醜態を晒している。
「フフフフ、覚悟を決めたか。いかな死刑囚も最後の望みは叶えてやらねばならんな。それほど聞きたくば冥土の土産に聞かせてやろう!」
「まずマイヨ・プラート大尉だが、奴は現場に居合わせただけだ。奴は犯人ではない。だが奴は、一言も弁明せんで国家に対する重罪人に自ら成り下がりおったわ」
「元帥を射殺したのは貴様が言うとおり、ズバリこのワシだ!しかし、ワシは元帥射殺を後悔はしとらんぞ。全ては国家のためにやったことだ。帝国を守るためにはやむを得ん処置だと、今でも思っておる」
「ギルトール元帥は間違っておった!奴は統一帝国ギガノスの長として相応しくない男だった。その証拠はいくつもある!例えば、マスドライバーの件も然り、あれをフルに用いれば連合軍など瞬く間に蹴散らしギガノスを勝利に導いたものを、奴はそれを却下しおった」
「『地球を壊してはならぬ!』奴は口を開くとそればかりほざいておったわ!それが甘いというのだ!戦には勝つか負けるか!この2つしかない!その価値ある勝利を掴むためには、あらゆる手段を講じなければならんのだ!」
「重ねて言うがギルトールは三軍を率いるには相応しくない男だったのだ。そして事は起こるべくして起こった」
ミン「聞いてりゃあんたがそれに相応しいように聞こえるけど…」
「まぁさにその通りだ!ワシが帝国を導くことにより、間違いなく勝利を掴むであろう!フフフフフ…」
同上。致命傷を負ったフリをしたミンの演技に騙され、それまで必死に否定していたギルトール暗殺の真相をいい気になってぺらぺら喋り出す。この発言は偶然入っていたマイクにより機動要塞全域に流され、残っていた将兵は次々に逃亡してしまった。
「強い相手には怯え、弱い相手には尊大に出る横暴さ」「相手の安い芝居に騙され余計な発言をする軽率さ」「主君の思想を理解せず、あまつさえ主君を侮辱し自分の方がトップとして相応しいと放言する傲慢さ」「真相を知ったら誰も服従しないカリスマの無さ」、ドルチェノフの無能・小悪党ぶりの集大成ともいえる台詞といっても過言ではない。
「蒼き鷹も丸焼きになればただの焼き鳥だな!」
同上。ファルゲンとの一騎打ちに負けるが、最後のあがきで自機のダインをファルゲンに組み付かせ自爆装置を作動。自分はコクピットから逃げて形勢逆転とばかりに言い放った台詞。一方のマイヨはダインに阻まれ脱出できず、成す術もなく爆発に巻き込まれてしまう…のだが次の話では彼もファルゲンも全くの無傷であった。セーフティーシャッターもびっくりである。
スパロボでは対マイヨの戦闘台詞になっている。
「ぬぅぅ、どいつもこいつも役に立たん奴らめ!この要塞は無敵なのだ!それにワシは撤退命令など出しておらんぞ!ギガノス魂はどうしたというのだ!?」
最終話。ファルゲンの進攻を止められない自軍の様子をモニター越しに見て焦る。むしろ「ギガノス魂」を持つ将兵は上の発言を聞いたからこそ撤退したわけだが、ドルチェノフ自身は知る由もなかった。
『MX』ではマイヨに「貴様に魂を語る資格はない!」と断じられてしまっている。[1]
「ふははははは…奸賊め!いつまでもエース面させてなるものかぁ!もはや貴様の時代は終わったのだという事を、今教えてやるわ!!」
同上。自らギルガザムネに搭乗し、マイヨ達を始末しようとする。
メタルアーマーの操縦技術に長けたドルチェノフが操るギルガザムネは強力で、カールウェルナー・ミンを圧倒し、マイヨをも追いつめるが、困ったことにギルガザムネのセンサーの欠陥は改善されておらず、直後母親の解放によって逆襲に現れたケーンにその弱点を突かれることに。
「ふふふふふ…馬鹿め!手間が省けるというものよ!このギルガザムネから逃げられると思うのか!死ねい!」
同上。ギルガザムネの欠陥を知るケーンと、それに合わせてドラグナーの背後に付いていくマイヨに対して。ハイデルネッケンが欠陥を報告しないまま戦死してしまった[2]ためかドルチェノフはギルガザムネの欠陥を知る由もなく、二人まとめて始末できると自信満々だったが…。
「ワシはまだ死なんぞ…死んでなるものか!ワシがいる限り統一帝国は存続するのだ…!そうとも、帝国は永遠に不滅なのだ…!」
「!? どうした、なぜ開かんのだ!?冗談ではないぞぉ!エアーはほとんど無いんだぞぉ!誰か、誰かおらんのか!ワシは総統なるぞぉ!ワシをここから…出してくれぇ!!」
同上。ケーンとマイヨの合体攻撃を受けて撤退し再起を図るべく脱出しようとするが、ギルガザムネのハッチが開かなくなり、しかも酸素残量も残り僅かとなり、挙句の果てには誰もドルチェノフを助けようともしなかった。典型的な「小悪党の末路」を辿ったといえよう。
「ワシがいる限り統一帝国は不滅!」などと言っているが、ギガノスの将兵達が全員逃げ出してしまった事からも誰もそんな事は思ってもいないだろう。
「勇猛なる全将兵の諸君、我が統一帝国は不滅だ!そうだとも…勇猛精鋭なる諸君らがおる限り、忠勇なる諸君らがおる限り!統一帝国…統一帝国ギガノスは常に…!諸君らと共に邁進するのみである…!と…と…統一帝国ギガノスに…栄光と勝利を…!!」
同上。ギルガザムネのコックピットに閉じ込められて。酸欠によって意識が朦朧とした彼は、大勢の兵士と軍旗に囲まれる中で自分が指導者として演説する幻を見ながら要塞と共に滅んでいくのであった。

スパロボシリーズの名(迷)台詞

A(PORTABLE)

「そうそう、降下前に予防接種を受けた方がいいぞ?わしらスペースノイドは、地球の病原菌に対する免疫が弱いという説があるからな。ギガノスの蒼き鷹がアレルギーにでもなったら大変だ。ハッハッハッ…!」
リアル系第2話「妹たちの戦い」or「ギガノス包囲網」より。地球へ降下するマイヨをD兵器追跡任務から解任すると共に嫌味を浴びせる。
「毒をもって毒を制すだ」
第5話「二人の艦長」or「ロンド・ベルvsナデシコ」より。デビルガンダム捕獲をグン・ジェム隊に担当させる事に難色を示す部下に対して。
グン・ジェム隊の性質を端的に示した台詞ではあるが、中佐の彼が大佐であるグン・ジェムの人事権を握っているというおかしな事になっている。
「誰か! 反乱だ! マイヨ・プラートが元帥閣下を殺害した!」
第24話「夢色の追跡者」or「バーニング・ハート」より。本作ではドルチェノフ自らが、ギルトール殺害の罪をマイヨに着せている。
「フフ…いいぞ!これで労せずロンド・ベル隊が我がものになるかもしれん!いいぞ、ヴィンデルよ!ワハハハハハ!」」
第25話「星灯りの小夜曲」or「スターライト・セレナーデ」より。自分も同じ目に遭う可能性を考慮せず、ロンド・ベルに武装解除を要求するシャドウミラーを見て大はしゃぎ。
「そうだ、いいぞ!これでデビルガンダムの本当の復活だ! 機動要塞は、今やデビル機動要塞となって、ギガノスの超兵器と化したのだ!」
「ハハハハハ! ハァッハッハッハハ!」
同上。デビルガンダムが再起動を果たし、ギガノス機動要塞を取り込み、デビル機動要塞となった事に対して悦に浸りながら高笑いをあげる。今作に登場しない黒幕を意識した台詞回しなのがミソ。

MX(PORTABLE)

「不服そうだな?だが、ワシとて意味もなく宇宙科学研究所を攻撃対象として選んだわけではない。あそこを攻めれば、D兵器を搭載したネェル・アーガマが現れ、事が有利に進むかも知れん」
第6~8話「仮面の下の悲しき瞳」より。連邦軍への協力者に対する見せしめのため、民間施設である宇宙科学研究所を制圧する作戦に難色を示すマイヨに対して。マイヨには内心で「ならば正面からあの艦を攻撃すれば済む話ではないか」と呆れられ、カールには「恥知らずな作戦」と憤慨される。
そもそも仮にも司令官でありながら「有利に進むかも知れん」というあやふやな理由で命令を下すこと自体、軍組織としてあってはならない。
「ば、馬鹿な!たったあれだけの数で前衛部隊を全て撃破するとは…!!や、奴らは化け物か!?そ、それとも…やり込み派か!?
第46~48話(『PORTABLE』では第47~49話)「Starlight serenade」前半ステージより。4機の偵察部隊(D-2カスタムD-3カミーユの搭乗機(インターミッションで乗り換えが可能なので、Ζガンダム以外の機体でも可)、ゲッターG)で前衛部隊を壊滅させた場合に発生するメタフィクショナルな台詞。初回プレイ時に全滅させるには少々厳しい戦力ではあるが、このメンバーを一軍で使っていれば、充分に狙える。特にD-3のEWACを活用しながら戦えば、かなり楽に立ち回れる。
「何がおかしいッ!? 貴様ら、未だに自分の置かれた境遇がわかっておらんようだな!!」
「ええい、SP隊出撃だ! 帝国の重罪人とマグネイト・テンを葬り去れ!!」
「何故だ!? 何故、誰も来ない!?」
同話後半パート。原作ではミンに明かしていたギルトール暗殺の真実を本作ではケーン達の前で明かしていたが、3人は全てを聞いた上で爆笑。その場に居たマイヨにも愚かと酷評され、腹を立てたドルチェノフはSP隊を呼びつけようとする…のだが、2行目の後には大きな間があり、いくら待てどもSP隊は現れないことに困惑する。
非の打ちどころしかない完璧な失言だったのだが、最もドルチェノフが愚かしいのは、史上最強の電子戦専用機であるD-3が居るというのにケーン達の前で真実を明かしたこと。結果としてD-3によって機動要塞中に失言は拡散され、総統として完全に失墜したのだった。失言の最中にケーン達がボロを出しかけたシーンもあり、原作以上にドルチェノフの愚かしさが際立つシーンとなった。
「夢想家が戯言を!いつの時代も力こそが人を導くものなのだ!それをワシが教えてくれる!」
同話に於けるクワトロとの戦闘前会話。彼を『赤い彗星』と呼称した上で、上述の台詞を叩きつける。
しかし夢を語らなくなり力で人を導こうとしたシャアの末路を知っていれば、この台詞は道化でしかない。
「このギルガザムネにワシの腕があれば、まさに鬼に金棒よ!」
同話に於けるゲッターチームとの戦闘前会話。意気揚々とギルガザムネの威容を誇るも、彼らから権力欲にとり憑かれた小物ぶりを「確かにこいつの権力欲は人の道から外れてやがるぜ」「(同じ鬼なら)百鬼帝国の方がマシ」と酷評され、激昂する。

GC/XO

「ふん、ハマーンがやられたか! まあよい、これでジオンもこのワシのものよ!」
第41話「戦士、再び…」より。ハマーンの情緒的な死の後にむさいオッサンが漁夫の利目当てにノコノコ出てくるのだから興醒めである。

搭乗機体

ダイン
黄色のカラーリングをした専用機。
MXではギルトール暗殺後のシナリオで搭乗するがカラーリングは一般機と共通。
ギルガザムネ
終盤に搭乗。金色のフレームにダークグレーの装甲というカラーリングの専用機。困ったことにセンサーの欠陥は改修されておらず、敗北する事になった。

余談

  • ドルチェノフ役の飯塚昭三氏は、番組序盤でDチームの3人に戦士としての心得を叩き込んだ恩師ともいうべき人物・チェホフ中尉(SRW未登場)も担当しており、同一作品内において全く異なるポジションで、主人公達と深く関わるキャラを演じる事となった。
  • 小説版には未登場だが、その役割の幾つかはオリジナルキャラのクレスタ・ラナ・ギルトールに引き継がれている。

脚注

  1. ちなみに同作では敵ながら精神コマンドが設定されているが、ドルチェノフは先述の通りを習得できていない。敵対するマイヨは習得の常連であることから、マイヨの魂習得はドルチェノフのこの発言に対する皮肉ともとれる。
  2. なおハイデルネッケンはギルガザムネ撃墜時には脱出しており、その後宇宙に上がったドラグナーを追って輸送船に乗りこむが、そこにマイヨとプラクティーズが現れ、マイヨを騙し討ちにしようとして返り討ちに遭い、ミンからも見限られあえなく戦死している。