「スフィア」の版間の差分

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:星座のモチーフは弓の名手であったケンタウルスの青年・ケイローン。
 
:星座のモチーフは弓の名手であったケンタウルスの青年・ケイローン。
 
:アポロンとアルテミスから数々の叡智を授かり、それを以ってカストール(双子座)やアスクレピオス(蛇遣い座)などの後の英雄達の師となったが、ヘラクレスの放った毒矢が偶然刺さってしまい、苦しみに耐えかねて不死の権能をプロメテウスに渡して落命した。余談だが、プロメテウスはそれ以前に'''禁忌を犯したことで神の怒りに触れ、永きに渡り苛まれ続ける刑罰を受けている'''(プロメテウスはこの時点で既に不死だったという説がある)。強引ではあるが、元居た世界の叡智の結晶である次元将の力を授かり、様々なリアクターの(表向きは)トップに立ち、同胞と相対して追放されたアドヴェントにその権能を奪われる様は神話と重なるとみることもできる。
 
:アポロンとアルテミスから数々の叡智を授かり、それを以ってカストール(双子座)やアスクレピオス(蛇遣い座)などの後の英雄達の師となったが、ヘラクレスの放った毒矢が偶然刺さってしまい、苦しみに耐えかねて不死の権能をプロメテウスに渡して落命した。余談だが、プロメテウスはそれ以前に'''禁忌を犯したことで神の怒りに触れ、永きに渡り苛まれ続ける刑罰を受けている'''(プロメテウスはこの時点で既に不死だったという説がある)。強引ではあるが、元居た世界の叡智の結晶である次元将の力を授かり、様々なリアクターの(表向きは)トップに立ち、同胞と相対して追放されたアドヴェントにその権能を奪われる様は神話と重なるとみることもできる。
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:ただし、別の説ではケイローンをモデルとしているのはケンタウルス座であり、この星座のモチーフは弓という概念を発明したクロートスであるという説が有力。
 
:性格分類においては、「発展願望」を司る。それは「納得できないことには一切従わない」性格であることから、反抗心を力とすると思われる。
 
:性格分類においては、「発展願望」を司る。それは「納得できないことには一切従わない」性格であることから、反抗心を力とすると思われる。
 
:割り振りは男性。
 
:割り振りは男性。

2024年12月3日 (火) 22:43時点における最新版

スフィアは「Zシリーズ」に登場するキーアイテムの一つで、崩壊・消滅した太極の意志の欠片。

概要[編集 | ソースを編集]

十二の宝玉」とも呼ばれる大いなる力を引き出す鍵で、一時間軸の並行世界に一つしか存在しない(時空震動で多元世界となった場合、世界同士が融合するため、二つ以上のスフィアが一堂に会することはある)。

名前は「黄道十二星座」の属する「黄道十二宮」から取られている。

スフィアという言葉自体は「球体」を意味する英語

基本性質[編集 | ソースを編集]

全部で12個が存在し、共鳴・覚醒させてセカンド・ステージに至らしめた人間をスフィア・リアクターと呼称する。黄道十二星座に対応した名を持ち、それぞれが対応する人間の精神の動きによって発動・行使される。ただし、感情や精神の動きを持っていれば人間でなくともリアクターとなり得る

外見としては標準的なロボットのコクピットとだいたい同サイズの緑色の球体で、次元力を引き出すと翠緑の光を放つ。次元力を引き出すエンジンのような存在であるため、基本的に機動兵器の動力として使用されるが、覚醒が進めばそれ自体を兵器として使用することも出来る(劇中では無制限に撃てる時空震動弾としての使い方が多い)。

太陽の通り道である黄道の12星座に対応し、太陽に集約されたそれぞれの星座の次元力を引き出す効果を持つ。また、それには地球上にあることが最良[1]であり、そこに引き寄せられる。なので、地球に存在する可能性が高くなる。

各リアクターは御使いからは専ら洗礼名で呼ばれる。この名前は全て黄道十二宮を守護する天使の名前から取られている(堕天した悪魔も設定されているが、これは関与しない模様)。

十二星座の名前を持っているが、覚醒前の段階では外見も性質も同じなので区別がつかない。ただし、リアクター同士ならば相手のスフィアの名前を何となくのレベルで理解することが可能。

ステージ[編集 | ソースを編集]

スフィアの覚醒段階を表す用語。全部で三段階あるが、三段階目は二つ存在する。

  • ファースト・ステージ

デフォルトの状態。ただの動力源であり、誰にでも使うことが出来る。

  • セカンド・ステージ

リアクターを得て覚醒を始めた段階。引き出した次元力による事象制御が可能となり、それぞれの属性に沿った能力を発揮し始めるが、反作用が発生するためリアクターの任意で力を行使することは基本的に不可能。 強引に使うことも出来なくはないが、その場合スフィア側に完全に主導権を委ね「スフィアに使われる」状態に陥る。

  • サード・ステージ

リアクターが反作用に適応し、能力の行使が安定した段階。スフィアの司る感情を維持した上で反作用を受け、それに流されずスフィアに適合する精神状態を貫徹する必要がある。このステージへ至るとスフィアが完全に覚醒し、リアクターは搭載機に乗っていなくてもその力を引き出し、スフィア・アクトと言う事象干渉能力を操れるようになる。 ただし、この状態でも発動キーとなる精神状態が崩れるとスフィアは稼働不能になる他、スフィア側にリアクターが徹底的に合わせなければならない都合上、その精神的コンディションは基本的に悪くなり、最悪の場合ヴィルダークやガドライトのようにスフィアの属性に飲み込まれる(ヴィルダークなら「反抗心」によって最善の道に対して妥協が出来ず、ガドライトなら無意味・有害とわかっている=やりたくないのに行動に移してしまう)。 また同じ理由で、スフィアの力の行使はリアクターの意志で行えるとは言え、厳密に言えばリアクターがスフィアに「力を発揮する媒介」として使われている状態であるため、引きあって元に戻ろうとする性質上このステージに到達しても遅かれ早かれ結局は死が待っている。

  • 真のサード・ステージ

リアクターがスフィアの要求する条件を乗り越え、至高神ソルに近づいた段階。 スフィアの覚醒の最終段階であり、ここに至るにはサード・ステージの条件を満たした上で、さらにその精神状態を超越する境地へ至る必要がある。わかりやすく言えば通常のサード・ステージと逆で、こちらは「リアクターがスフィアを制御する」状態になる。 スフィアではなくリアクター側がイニシアチブを取るため、精神的コンディションは基本的に良好だが、よほど次元力に精通していない限りはスフィア・アクトの使用、反作用の克服、事象制御の行使と言った次元力の扱いは、覚醒した時点ではセカンド・ステージよりマシなレベル。その代わり頭打ちがなく、熟練次第ではあらゆる事象をその手に握ることができる。 ただしここまで至れるリアクターはほとんどおらず(それこそスフィアの出どころである御使いですら知らないほど)、Z-BLUEに所属する4人のリアクターが天獄戦争においてこの境地に踏み入っている。 この境地に至った場合、全てのスフィアの根幹に位置する「意思の力」により近づくことになるため、スフィア・アクトおよびそれぞれの発動キーが全て似たり寄ったりになる。

反作用[編集 | ソースを編集]

セカンド・ステージに移行したリアクターが、スフィアの力を引き出すことによって受ける弊害。様々な意味で生命に関わる重大なものが多いが、その本質はスフィアの属性が顕在化したことでスフィア・アクトをリアクター自身が受けている状態。このため、スフィアとの同調を維持するのが難しくなり、必然的に生存率が下がる。

これを乗り越えることによってサード・ステージに移行する。より正確に言えば、反作用を乗り越える精神状態が、そのままサード・ステージへの移行条件になっている。反作用はサード・ステージに適した精神状態に近づくほどに弱まり、完全なサード・ステージに至ると克服する事が出来る(ランドやクロウのように反作用を一部しか克服していない場合もある)。バルビエルのようにセカンド・ステージ未満から一気にサード・ステージに駆け上がった場合、反作用がどのように作用するのかは不明。

言い換えれば、リアクターは反作用から逃れるべく、スフィアに適応するよう自分の心を作り替えていくことになる。この時反作用に対してどう向き合い克服するか、つまり「スフィアに自分を適応させる」のか「反作用を恐れず己の在り方を貫徹する」のかで最終的に移行するステージが決まる。

スフィア・アクト[編集 | ソースを編集]

サード・ステージに至ったスフィアが発現する事象制御能力。それぞれの属性に応じた能力が使用可能になる。使い手がサード・ステージのリアクターで無くとも、スフィアの扱いに精通している場合行使可能であるが、純粋なサード・ステージのリアクター程は使いこなせない模様。 サード・ステージには細かな段階があり、これが一定のラインを超えると自由に行使可能になるが、それまでは条件が揃うたびに勝手に発動する。

スフィアによって方向性は異なるが原理は全て同じで、リアクターの精神状態を周囲に伝播させて影響を及ぼす。一種の法則改変に近い形で事象の書き換えを行うが、その方向性はスフィアの属性とリアクターの精神状態に左右されるため、サード・ステージではスフィアの属性をそのまま伝播させた「害をなす力」、真のサード・ステージではリアクターの境地を伝播させる「加護を与える力」が顕在化する。これはフェイク・スフィアの仕様やガドライトの様子を見る限りでは、スフィアが発する力に対して「単純に指向性を持たせる」か「精神を繋ぐ媒介として使う」かの違いだと思われる。

実は、基本的には「他人に害を与える力」が発現するのだが、「いがみ合う双子」「傷だらけの獅子」「悲しみの乙女」「揺れる天秤」の4つはリアクターが真のサード・ステージに至ったことで「加護を与える力」が発現するようになった。これは御使いにとっても想定外だったらしく、ドクトリンの戦闘台詞にそれをうかがわせるものがある。

セカンド・ステージの状態である程度リアクターの成長が進むと、発動キーと同じ感情を感知出来るようになる。アイムはこれを利用し、戦域に満ちる「嘘」を自身のそれに同調させることで強引に「偽りの黒羊」をサード・ステージクラスの同調率まで引き上げるという荒業をやってのけた(アイム自身はセカンド止まりなので反作用はそのまま)。また、セツコは真っ当にリアクターとして成長したため、再世戦争の時点で反作用を克服しつつあり、悲しみの感情を感知する力を見せていた。

ちなみに、資質さえ持っていればリアクターでなくともスフィア・アクトを使用することは可能。この関係で、資質を持った人間(リアクターとリアクター候補)が同じ機体に乗っている場合、より強く力を引き出すことが出来る。天獄戦争最終局面では「相反する感情の衝突とその超越」を力とするいがみ合う双子の力を、Z-BLUE全員で引き出した事例が見られる。

相性[編集 | ソースを編集]

スフィアはそれぞれ固有の因果を持ち、相性の良し悪しが存在する。相性が良いと共鳴が発生して互いの力を高めるが、悪いと一方が一方を無力化する。判明している相性は次の通り。

  • 「知りたがる山羊」は「偽りの黒羊」の嘘を好奇心で暴く
  • 「偽りの黒羊」は「いがみ合う双子」の相反する感情を偽って無力化する
  • 「悲しみの乙女」は「怨嗟の魔蠍」の憎しみを悲しみで包み、癒す
  • 「傷だらけの獅子」は「欲深な金牛」の与える痛みに耐えることで互いの力を高める
  • 「尽きぬ水瓶」は「揺れる天秤」の強い意思に触れることで自己犠牲の意志を強める

また、これ以外に「揺れる天秤」が「沈黙の巨蟹」に強いと推測されているが、尸空が苦手としていたのはクロウの意志であり、「スフィアは関係なくお前が気に入らない」と述べていた。後述の法則からすると相性関係はないらしい。

相性が悪くとも、リアクターの力の差が圧倒的な場合は無効化できないとされており、奪取したスフィアの力を機体の機能だけで引き出す場合も無効化は不可能と言及されている。なお、元々至高神ソルの感情の中核として、矛盾する感情を両立させる役割を果たしていた「いがみ合う双子」は相性に関係なく複数のスフィアの力を統合して使用する事が可能である。

複数のスフィアのリアクターとなるのは理論上は可能である(後述するルーツから考えれば、それぞれの感情・意思を最大限に保ちつつ、矛盾した相反する感情はいがみ合う双子の境地を持って両立させる)が、実際になれたのは特殊な出自を持つアサキムのみであり、実質は不可能。アサキムの例を見るに、その場合相性が悪いスフィア同士でも力を引き出すことは可能と思われる。

ルーツ[編集 | ソースを編集]

Zシリーズの宇宙のひとつカオス・コスモスにおいて、全宇宙に先駆けて真化を遂げた生命体である御使いの誕生した惑星エス・テランで創造された、次元力を制御するためのシステムたる人造神「至高神ソル」が自我に目覚め、御使いの行いを戒めるためと、己の存在への悔悟により自らを破壊した際に黒の英知と共に発生した12の断片で、それぞれがソルの感情の一つを司っている。人格の大元となる「いがみ合う双子」を中心核とし、11の感情を統合する形で成り立っている。

アイムガイオウの台詞に「ソルの記憶」「ソルの心」というワードがあり、何かの比喩と考えられていたが言葉通りのものであった。十二星座の名前は、各々の属性と対応する星座から御使いがつけた識別コードのようなもの。

また、リアクターそれぞれには、スフィアの本質を表した「洗礼名」が存在する。パターンは「(星宮の守護天使)・the・○○」。

超時空修復で至高神Zが消滅した際、リアクターを失っていた「偽りの黒羊」「欲深な金牛」「沈黙の巨蟹」「怨嗟の魔蠍」「立ち上がる射手」「知りたがる山羊」「尽きぬ水瓶」「夢見る双魚」は共に消滅している。残る「いがみ合う双子」「傷だらけの獅子」「悲しみの乙女」「揺れる天秤」がどうなったのかは不明だが、用語辞典では「消滅したのは8つ」と明言されているため、搭載機の中に未だ残っていると考えられる。

ちなみに、至高神ソルというシステムの完成時には存在しなかったイレギュラー要素。スフィアは「ソルの」であり、自らの霊子と真化融合を果たしたソルが自我に目覚めて感情を芽生えさせ、それによって自らを破壊した経緯をかんがみても、元々は存在していなかったと推測される。

モチーフ[編集 | ソースを編集]

設定のモチーフは前述の通り十二星座。この他、共通項の多さからタロットの大アルカナがある程度参考にされていると思われる。星座には性別の割り振りが存在するが、リアクターの条件とは関係ないようである。事実、スフィアにある程度精通したAGは当初「男性」の割り振りであるふたご座のスフィアの奪取を「女性」であるスズネに任せる心算でいた。

スフィア一覧[編集 | ソースを編集]

星座の順に表記する。

偽りの黒羊[編集 | ソースを編集]

アイムのいた世界に存在したスフィア。至高神ソルの「防衛本能」を司る。

反作用を受けると発する言葉が意味をなさない単語の羅列となり、悪化すると単語ですらない音の連なりになる。資格者となったアイムを操ってアリエティスを建造させるなど、このスフィア自体が意志を持っているような様子が見られたが、そんな反作用の正体は「自他の意志の混同」。

外に出る言葉を歪めることで「嘘か本当かわからない」状態にする=嘘をつくことを妨害するのが反作用であると考えられていたが、そもそも反作用とはリアクターの内面に作用するものであることを考えると、その本質は「自他の意志の境界を歪めることで、リアクター自身にも何が嘘で何が本当かわからない状態に陥れる」というものだと思われる。

アイムの意志を取り込んでアリエティスを建造させたのも、いわばスフィア≒ソルの意志とアイムの意志を混同させることで、アイム自身にも自分が自分の意志で動いているのか、誰かに動かされているのか全くわからない状態にした(=自分の真意を自分ですらわからなくさせた)、ということだろう。 アイム自身、元々は小心者で虚栄心が強い人間だったため、

結果としてリアクターは他人は元より自分の中ですら真偽の判別ができない極限状態に陥るが、そんな状態でも偽りを貫徹することでサード・ステージに移行する。

このスフィアが求める「嘘」とは、ただ他人を騙したり嘘をついたりと言ったものではなく、真実の自分を確固たるものとしたうえで偽りの仮面を被り演じ抜く意志力を示している。即ち、真に偽るべきはリアクター自身であり、版権作品で言えばゼロレクイエム時のルルーシュが近いか。 アイムの場合は「ハーマル・アルゴー」としての自分を隠し遠ざけるためにスフィアの力を使っており、結果的に反作用の効果は言語の混乱だけで済んでいたが、同じ理由でサード・ステージへの到達は失敗に終わっている。 真のサード・ステージに至るには、真実の自分をありのままに認めた上で偽りの仮面を被り通す、乱暴に言えば極限まで強がりその姿勢を崩さないだけの意志力が必要となる。

意志力の境界線を歪めることで稼働するこのスフィアは、その力を波及させることによって、相反する意志の均衡を保つことで稼働する「いがみ合う双子」を無力化することができる。しかし、あらゆる真実を好奇心のままに暴き立て知らしめる「知りたがる山羊」に対しては、仮面の下の素顔を白日の下に曝されることで嘘が成立しなくなり、力を失ってしまう。「揺れる天秤」と異なり仮面そのものを剥がされてしまうのである。

相生するスフィアは不明。このスフィアは本来あるべき自分を隠し、虚偽で作った別の人物像を被せて演じることで力を発揮する。それは言い換えれば、自分の中の感情すらも偽り本音を徹底的に覆い隠すことに繋がるため、「沈黙の巨蟹」と相性がいいと考えられる。

対極となる「揺れる天秤」に対し、このスフィアの力は文字通り「己を偽る力」と言える。

洗礼名は不明だが、守護天使の名前はマルキダエル。

牡羊座(アリエス)
星座のモチーフは、継母の謀略によって生贄にされかけた兄妹を救うためにゼウスに遣わされた金の皮を持つ羊。
ちなみに、妹は羊に乗って逃げる際、あまりの速度に耐え切れずに転落死してしまった。「極めて危険な状況からの逃避」という点において、進退窮まってなお嘘をつき続けて現実から逃避しようとしたアイムと重なる。
性格分類においては、「強い自意識」を司るとされ、自分を守るための意志が転じて嘘全般を力とすると思われる。
割り振りは男性。
皇帝
タロットでは「皇帝」のアルカナと関連付けられる。
このカードのデザインは「社会的権力の象徴」を、正位置が「権威」「安定」「意思」「行動力」を意味し、更に逆位置が「無責任」「傲慢」「横暴」「傲岸不遜」を意味しているので安定した社会的地位に執着して嘘をつき続け、覚醒後は自分の意思で精力的に幾多の世界を渡り歩き、影響を考えずに嘘をまき散らして混乱を巻き起こし、傲慢・横暴・傲岸不遜で慇懃無礼を極めたアイムに相応しいと言える。

欲深な金牛[編集 | ソースを編集]

どこかの世界に存在したスフィア。プレイアデス・タウラの動力として未覚醒時から使用されていた。至高神ソルの「欲望」を司る。

何かに対する強い欲望によって力を発揮する。エルーナルーナは戦いに対する強い欲求によって力を行使している。

反作用がスフィアの同調を切るような内容であること、死に至りかねない危険度を持つことを考えると、恐らくは「充足感の励起」だと思われる。現状に安寧し、それ以上を求めさせないことで進歩を封じ、以て緩慢な死へと追いやるのだろう。

一見すると何が危険なのかわかりづらいが、充足感を得る=満足のボーダーラインが引き下げられるということは、すなわち「このくらいでもいい」と不足を妥協してしまうことに繋がる。これが続くと最終的に自身の命すらも妥協してしまい、死に至る。日常生活ですら妥協が続けば遠からず死ぬのだから、戦場でそうなった場合の結果は自明である。

スフィア・アクトは文字通り他人の力を奪い取ることであり、戦場においては機動兵器のエネルギーを消耗させる形で発揮される。

このスフィアが求める「欲望」とは、文字通り欲し、求め、手に入れようとする意志力である。つまりただ欲望を抱くのではなく、それを満たすための行動を実行に移すことでリアクターたり得る。よってこのスフィアの力は「欲望のままに他者から奪い取る」ことで発揮されるため、奪われる痛みを忍耐の糧とする「傷だらけの獅子」と相生する。

相克するスフィアは不明。このスフィアは欲望によって稼働するが、欲望とは現状に対する精神的な不足や空白に起因する情動である。言い換えればその「不足」を埋められてしまうと力が崩壊するため、それを無限の慈愛によって補って来る「尽きぬ水瓶」に弱いと思われる。「尽きぬ水瓶」は自己犠牲の愛によって力を発揮するため、奪い取ることで痛みを与えるこのスフィアは暖簾に腕押しの状態となる上、際限なく溢れる水を奪い切れず折れてしまうのである。

逆に、欲望のままに他者から何かを奪うことで発揮されるその力は、言い換えれば他人のことを一切気にせず己のペースに巻き込むことであるため、他人のための悲しみを力とする「悲しみの乙女」に強いと考えられる(他人の心にリンクし、悲しみを表面化させる「悲しみの乙女」に対し、こちら側が干渉して他人どころではなくしてしまう/悲しみを共有する姿勢を無視して突き進み、力を発動させない)。エルーナルーナはこの性質に心を飲まれていた節があり、ダバラーンに対して強い思慕を寄せていたにも関わらず、当のダバラーン側の想いに一切気づいていなかった。

他者の力を欲望のままに奪うこのスフィアの力は、反対の位置の「怨嗟の魔蠍」に対し「他を求める力」と言える。

洗礼名は不明だが、守護天使の名前はアスモデル。

牡牛座(タウラス)
星座のモチーフは、ニンフの女性エウロペに恋したゼウス(ギリシャ神話の主神)が変身した白い牡牛。
この牡牛はエウロペを乗せて孤島であるクレタ島へと連れ去り、そこで正体を現して求婚するというなかなか無茶なアクションを起こしている(ゼウスは女性絡みで無茶をすることが多い)。最初は牛のようなアーマーを着込み(さらに男と思われていた)、求める相手との激闘を以て素顔を見せ、欲求をさらけ出した彼女の動向を彷彿とさせる。
性格分類においては、「マイペースで頑固」という性格を司る。それは即ち他人のペースを一切気にしないということであり、転じて自己欲を優先する「欲深」とされると思われる。なお、おうし座は争いを嫌うが、エルーナルーナはバリバリの戦闘狂である。
割り振りは女性。
対の星座は蠍座。
教皇
タロットでは「教皇」と関連付けられる。
「教皇」の寓意は正位置が「慈悲」「連帯」「優しさ」「規律・法の遵守」、逆位置が「守旧性」「束縛」「独りよがり」「逃避」「おせっかい」
このカードは「悪魔」と真逆の構図で描かれており、デザインには宗教的聖性や霊的象徴の協調などが暗示され、「救済」の寓意を持つカードである。また、法を記した書物を持たず霊性を司る十字架を携えるなど、教皇が人間を超越した法そのものであると暗示している。
No.5のカードであることを強く意識したデザインをしており、2つの柱とその真下に2人の従者(聖職者)、中央に教皇本人というトランプの5のような並びに固定されている。この3人は、教皇の力が精神・魂・肉体全てに及んでいることを示しているという(あくまで主役は教皇本人で対等ではない)。ちなみに、2人の聖職者は左右対称な点を除けば判を押したかのようにそっくりなデザインをしている。エルーナルーナは父親の安全という保守的な理由で戦っており、また身内に対しては争いを抑えたり連帯を重んじたりとその寓意に合致する性格を持っている。ついでに戦闘前台詞でランドからおせっかい呼ばわりされる場面がありこれも逆位置を思わせる。

いがみ合う双子[編集 | ソースを編集]

  • 星座:ふたご座
  • リアクター:ヒビキ・カミシロ
  • 搭載機:ジェミニオン・レイ
  • 発動キー:「相反する感情」
  • 反作用:「精神崩壊」
  • スフィア・アクト:「表面化する感情の逆転」→「霊子との同調」

惑星ジェミナイに存在したスフィア。当初はガドライト・メオンサムがリアクターであり、ジェミニアに搭載されていたが、時獄戦役末期にヒビキが奪取しリアクターとなった。至高神ソルの心の中核を為す。

反作用の正体は、相反する感情が大きくなりすぎて「ぶつかり合う」状態を維持できなくなり、プラスとマイナスの感情が互いを相殺し合ってゼロになったことによる「思考の消滅」である。ただし、外から喝を入れる、「揺れる天秤」の力で意志を励起するなど外部から復帰させる手段は多く、リアクターが慣れて来ると「強制的な気絶」という形で発現する。

スフィアの中で唯一、二つの感情を発動キーとしているのも特徴。ガドライトの場合は故郷を滅ぼされたことに対する「怒りと諦め」、ヒビキは運命に対する「希望と絶望」で稼動させている。相反する感情を両立させ、強い意志によって相克状態を超越、その先にある可能性を掴むことでサード・ステージに移行し、以後はその境地によって稼動する。これはリアクターに限らず人間ならば誰しもが至り得る境地であり、「二つの人格」を持つスズネや、マーグの魂と闇の力を受け継いだタケルも同様の境地に至り、力を手に入れている(そのためリアクターであるヒビキは、「いがみ合う双子のリアクターは、決して特別な資格ではない」と述べている)。その関係上、力を引き出せる人間がもっとも多いスフィアでもある。 だが、誰にでも至り得るとは言っても、この境地にたどり着くのは並大抵では済まない精神力と意志の強さが必要とされるため、バルビエルは12の中でもっとも複雑な条件を持つこれを「欠陥スフィア」と評していた。

通常のスフィア・アクトは、リアクターの持つ「相反する感情の励起」を他人に伝播させる、つまり表面化している感情に対して逆の感情を励起し、ぶつかり合わせるというもの。 劇中でも描写された元敵対勢力同士のぶつかり合いの場合、「遺恨を捨てて歩み寄る」という行動の裏には「必要がなければ歩み寄りたくなどない」という感情が存在する。そもそも人が何か行動を起こす時、強い意志を以てそれを行うのなら、本音では同じくらいそんなことはやりたくないと思っているのである(だからこそそれを実行するために「強い意志」がいる)。このスフィア・アクトはここで言う「意思の裏側の感情」、要は心の底の本音を引き出すため、まず抗いようがない。

真のスフィア・アクトは、多元世界の万物万象すべてに宿る意志、即ち霊子とリンクし、それを仲間に伝播させる力。当然ながら仲間同士の意志もリンクするため、この力を受けた者は己の肉体や乗っているマシンをより直接的に操れるようになる(ゲーム中では技量の上昇という形で表される)。要は、真化融合を擬似的に起こす力である。

さらにこの力は他のスフィアに対して使用することも可能であり、共鳴条件や相性を無視して力を引き出す、あるいは抑え込むことが可能。ただし、リアクターの意志が完全に一致しない場合で複数の統合制御を行った場合、リアクターの心身に巨大な負担がかかる。

太極たる至高神ソルの存在は、多くの矛盾を孕みながら生きていく「人間」そのものであり、その核として矛盾を両立させるこのスフィアは太極の簡易版、つまりミニチュアとしての側面を持つ。そんなこのスフィアの力は、反対の位置にある「立ち上がる射手」とは逆、いわば「自分に打ち克とうとする力」と言える。言うなれば、いがみ合う双子の力を発揮する真のキーとは「克己心」言い換えれば「人間的な成長」であるといえる。

相反する感情のバランスが崩れると力が破壊されるため、その境界線を嘘によって操り歪める「偽りの黒羊」と相性が悪く、力を無効化されてしまう。逆に、心の中の感情や意志に対して逆の方向性を励起するその力は、言い換えれば一つの感情に対して「だが」「しかし」と否定を突きつけ諦めさせる力としても働くため、忍耐を力とする「傷だらけの獅子」を無効化できると思われる。あちらの力は痛みに耐える意志力で以て発揮されるが、それに対して「痛みに屈し悲鳴を上げる」感情を励起されてしまえば致命傷となり得るのである。

相生するスフィアは不明。このスフィアの力は、簡潔に言えばポジとネガ、両極の感情を併存させることによって成り立つ。よって、「夢想に沿わない現実」「現実離れした夢想」という二つの要素によって成り立つ「夢見る双魚」と相性がいいと思われる。あちらの力はいわば想像力であるため、その力を受けることによって二つの感情が明確化され、併存が容易になる。逆にこちらの力を与えることによって二つの要素の並立が強くなり、結果として互いに力を高め合うことになる。

洗礼名は「アムブリエル・ジ・オーバーライザー」。矛盾を乗り越えて生きる超越者である。

余談だが「いがみ合う」は漢字だと「啀み合う」と書く。

双子座(ジェミニ)
星座のモチーフは、カストールとポリデュークスという双子。
このうち、弟のポリデュークスは半人半神の不死身、カストールはただの人間であった(母レダの重複妊娠による別々の双子の片割れ同士であり、カストールは神の血を引かない)。ある日イリスとリュンケウスという別の双子との諍いの結果、カストールは殺されてしまい、ポリデュークスは大いに悲しんだ。そこで、ゼウスはポリデュークスの神性をカストールに分け与えたという。なお、カストールもポリデュークスも双子のもう一方は両方女性である。
性格分類においては、「社交性」を司るとされており、異なる他者とコミュニケーションを取るのが転じて相反する感情の両立を力とすると思われる。
割り振りは男性。
恋人
タロットでは「恋人」と関連付けられる。
なお、このカードはウェイト版が一組の男女であるのに対し、マルセイユ版は男性一人に女性二人という構図の違いがあるが、どちらでも中心に天使が描かれる(ちなみに、タロットカードの主人公はあくまで人間であり、天使などはサポート役である)。マルセイユ版の二人の女性は、ある種の権力を有する立場から男性の意識・理性をつなぐ女性と情熱的アプローチで男性の無意識・本能をつなぐ女性とされ、天使は後者の味方であるという説もある。
「恋人」の寓意は正位置が「絆」「趣味への没頭」「試練の克服」、逆位置が「不道徳」「空虚」「結婚生活の破たん」など。
こうしてみるとわかるが、「自堕落で酒に溺れ」「確固たる目的を持たず」「恋人と死別した」ガドライトはウェイト版の逆位置、「多くの仲間と友を得」「オカルト趣味にのめりこみ」「テンシへの恐怖を乗り越えた」ヒビキはマルセイユ版の正位置が示す寓意とモチーフ、寓画に当てはまっている。天獄篇では逆転し「恋愛問題に悩み」「過去の絶望に飲まれ」「マキとの関係が消滅した」ヒビキがウェイト版の逆位置、「父親となり」「裏で暗躍し」「諦めを乗り越えた」ガドライトがマルセイユ版の正位置に対応している。
デザインに描かれる「天使」に関しても、「テンシ」に関わったことで全てを失ったガドライト、「テンシ」に関わったことで家族を失ったが多くの仲間、そしてパートナーを得たヒビキ、と対応している。
また、双子は教皇・月・太陽など複数のタロットに登場する重要な要素であり、マルセイユ版において人間として最後に登場するのも男女の双子であるため、スパロボZを締める「人間」の役割としてはこれ以上ないスフィアと言える。

沈黙の巨蟹[編集 | ソースを編集]

  • 星座:かに座
  • リアクター:尸空
  • 宿主:尸逝天
  • 発動キー:「虚無」
  • 反作用:不明
  • スフィア・アクト:「感情の抑圧」

鬼宿」が住んでいた世界に存在したスフィア。他のスフィアと異なり、伝説の生き物の死骸に寄生している。至高神ソルの「理性」を司る。わかりやすく言えば、このスフィア(の感情)があったためにソルは死を選べたのである。

スフィアは共通項として特定の感情に依存して稼働する性質があるが、このスフィアはそれを否定しているかのように見える。しかし実際にはそうではなく、「感情を制する理性」こそがこのスフィアの発動キーである。要するに抑圧対象の感情・情動を持たない存在ではリアクター足りえないのである。尸空の場合、己が鬼宿として司る「消滅しようとする力」の結晶、即ち「死」というもっとも大きな虚無によってリアクターとなっている(尸空曰く「死とは肉体を失うことであり、何にも代えがたいその喪失感こそが最大の虚無」とのこと)。

このスフィアが求める「虚無」、即ちリアクターに要求される精神状態は「あるべきものがない空虚」としての虚無の心であり、それを維持するために感情を押さえつけねじ伏せるだけの意志力が必要となる。よって、「そもそも何もない」ただの無ではダメなのである。 尸空自身も「虚無は無ではない。俺も生きている」と述べている他、クロウも「虚無ってのは無とは違う。その中には確かに自分ってものが存在する」と言及している。そこにあるべきものがないという虚無感、そこにあったものを失って生ずる空虚さこそがこのスフィアの本質なのである。

反作用は恐らく「情動の増幅」だと思われる。感情任せの行動を行わせることで死のリスクを増やし、それに振り回されず己を律する意志によってサード・ステージへと移行する。

スフィア・アクトは他者の感情の動きを抑圧する力。これを受ける方は「底なしの暗い穴に心が吸い込まれる」ような感覚を覚えることになる。

相性関係は不明。 このスフィアは情動を律する理性によって稼働するが、これは見方を変えると「死に対する恐怖を抑制し、それを自然なものとして認める意志」とみられる。尸空が天獄篇において度々、わずかに内心の激情をうかがわせる場面があったこともそれを裏付ける。言い換えればそれを保てず、感情を表に出してしまうと力が崩壊し同調が切れてしまうため、想像力によって死への恐れを呼び覚ます「夢見る双魚」に弱いと思われる。そもそも想像するという行為は生存のための行動でもあるため、このスフィアにとっては天敵と言える。

感情を表に出さず、理性のみで全てを支配するこのスフィアの力は、言い換えれば感情に依拠する力を否定することにも繋がる。感情とは意志力で励起できるものであるため通常はせめぎ合いになるが、それを燃料とするようなスフィアの場合致命傷となる。そのため、「感情に揺れても迷ってもブレることのない意志力」によって稼働する「揺れる天秤」に強いと考えられる。あちらの力は己の感情=先入観に流されず物事の本質を見抜く意志で発揮されるため、一見すると相性がよさそうに思えるが、前提条件として己を揺るがそうとする感情が必要になるため、それを吸い込み虚無にしてしまうこのスフィアに無効化されるのである。イメージ的には天秤の皿から重りを取り去って傾きを止めてしまう形になるか。こうなると「支点」であるリアクターの精神は完全に動きが止まり、力を発動できなくなってしまう。 ただし、肝心の尸空はクロウに対する同族嫌悪で同調の維持に度々失敗しており、相性関係だけが全てではないことを示してもいる。

ひたすらに己の自我を抑え、理性で全ての行動を行おうとするこのスフィアは、対極にある「知りたがる山羊」とは逆の「欲求を制する理性」と言える。

洗礼名は「ムリエル・ザ・ゲート」。生と死の狭間に聳え立つ虚無の扉である。

蟹座(キャンサー)
星座のモチーフは、英雄ヘラクレスによって踏み殺された化け蟹カルキノス。
異父兄弟であるヒュドラ退治にやってきたヘラクレスを倒そうとしたがあっさりと踏み潰されてしまった。
性格分類においては、「保守的」を司る。自己主張をせず明確な自我を有さないという気質に関連して、意思を無へと傾ける能力となると思われる。
割り振りは女性。ただし、尸空は男性である。ちなみに、搭載機の尸逝天は幼生(子供)の存在が確認されているため『雌』の可能性がある。
戦車
タロットでは「戦車」と関連付けられる。また、このカードのデザインは「宿命」「変容」を表しているとされる。
「戦車」の寓意は正位置が「勝利」「征服」「行動力」「積極性」「解放」、逆位置が「暴走」「不注意」「身勝手」「挫折」「焦り」「好戦的」
描かれているのは「若い王が乗り、四本の柱を持ち、二頭の馬を生やし、車輪が横向きに取り付けられた戦車」。このデザインは「人間の内面のさまざまな要素が一つの方向に揃う」ことを意味しているが、車輪が横向きであるため動けない。これがつまり、全く動かない心→死の方向に精神を統一することで稼動する設定に繋がっていると見られる。
タロットの正位置・逆位置共に、尸空のキャラクターとは全く合致しない(辛うじて正位置の「征服」が当てはまる)上に性別の割り振りも違う。これはさそり座も同じであり、サイデリアルのリアクター達は神話や大アルカナのモチーフとはほとんど関係ない設定を組まれている(そもそもキャラの掘り下げが少ないせいもあるが)。

傷だらけの獅子[編集 | ソースを編集]

  • 星座:しし座
  • リアクター:ランド・トラビス
  • 搭載機:ガンレオン
  • 発動キー:「忍耐」
  • 反作用:「リアクターへの激痛」
  • スフィア・アクト:「生命力の励起」

荒廃世界に存在したスフィア。ガンレオンごと前のリアクターの元から漂流してきた。至高神ソルの「忍耐力」「生存本能」を司る。

心身の痛みに耐えようとする意志によって力を発揮し、痛みに耐えるだけでなく、痛みに負けない強い意思を貫くことで真のサード・ステージへ移行する。 また、ガンレオンの意志によって、メールが死亡した際に分離・融合して蘇生させた経緯があり、以後多元戦争終結までの間、機体とメールに分かれて存在していた。また、メールの方も偶然ながら「成長しない体」や「ランドへの疑念」と言ったネガティブな事象を心の底に隠して強がっていた経緯から、起動させ力を引き出すことが可能。

反作用はリアクターの心身にとんでもないレベルの激痛がかかるというもの。これに耐え切れず悲鳴を上げてしまうと、次元力を暴走させ時空震動を起こすという「揺れる天秤」並みの危険度を誇る。ランドにしてもその頑健極まる肉体とド根性によって何とか耐えている状態だが、次元力を使わなければ反作用は起きない。多元戦争以前は反作用が発生するとともに時空震動を引き起こしていたが、「痛みに伴う悲鳴を攻撃に変換する」ペイン・シャウターの存在を考えると、マグナモードがシエロによって機械的に封印されていた=セーフティ機構が正常に働かず次元力を攻撃に転用できなかったための暴走と思われる。

スフィア・アクトは「激痛の伝播」だが、ランドは真のサード・ステージに至ったことにより、その痛みに耐える爆発的な生命の力を周囲に伝播させる能力として発現させた。特殊効果としては全味方パイロットの防御が上がるという形で表現。 痛みに耐える生命の力によって発動するこのスフィアの力は、対極にある「尽きぬ水瓶」に対し、わかりやすく「痛みに抗う力」と言える。

その属性ゆえに、力を奪い取るという形で痛みを与えに来る「欲深な金牛」と相性が良く、ぶつかると互いの力を大きく高める。 無力化関係は不明だが、忍耐とは簡単に言えば「我慢」であり、我慢することはつまり、受け入れつつも屈さない=己を守ることである。そのため、理不尽や痛みを与える存在に対して抗うことで力を発揮する「立ち上がる射手」に強いと思われる(「立ち上がる射手」は要するに納得できないものに抗うことで稼働するが、こちらとぶつかればそれに対して「我慢しろ」と言われる=納得できないものを受け入れるように抑え付けられる)。

洗礼名は「ウェルキエル・ザ・ヒート」。痛みと熱によって自らを鍛える鋼である。

獅子座(レオ)
星座のモチーフは、英雄ヘラクレスによって討ち取られたネメアの森に住まう人食いの大獅子。分厚い毛皮と甲羅のような筋肉で斬撃でも打撃でも傷つく事は無いという怪物。散々暴れまわり、ヘラクレスとの死闘でも武器を受け付けずに有利に戦うが、最終的にはヘラクレスに締め上げられて窒息死した。
「暴れん坊」「人間に叩きのめされる」「死亡(から転じて断末魔)」といった点は、シエロに根性を叩き直された元ごろつきのランドが、痛みによる絶叫を上げたことでスフィアが覚醒したことと重なる。
性格分類においては、大胆で激しいという性質とともに「力の象徴」を司っており、強い力を与えることが転じて痛みを引き金にすると考えられ、性質自体がランドの性格と一致している。
割り振りは男性。
タロットでは「力」のアルカナと関連付けられる。
「力」の寓意は正位置が「強固な意志」「不撓不屈」「理性」「勇気」「冷静」、逆位置が「甘え」「人任せ」「優柔不断」「権勢を振るう」
このカードは本能を象徴するライオンとその制御を象徴する女性が描かれており、ランドの性格はこのカードの正位置とも合致している。タロットも関連があるとするなら、おそらくメールがスフィアに取り込まれたのは偶然ではないと思われる。なお、ジ・エーデルはこのスフィアを奪う実験機としてカオス・レオーを開発していたが、もしレーベンがリアクターとなっていたなら、女性に対応するのは恐らくエーデルだったと思われる。また、レーベンが逆位置に当て嵌まるのは何とも皮肉である(更にランドには獅子の名は相応しくないと言われてしまっている)。

悲しみの乙女[編集 | ソースを編集]

宇宙世紀の世界に存在していたスフィア。機体そのものではなく武器の方に搭載されている。 悲しみの感情によって力を発揮し、それに負けない強い意志によってサード・ステージへ移行する。至高神ソルの「悲しみ」を司る。

多元戦争時にリアクターとなったセツコは反作用によって味覚が消失し、視覚も消えつつあったが、それに負けずに戦う意志を貫徹したことで覚醒が進み、いち早くサード・ステージに足を踏み入れている。ただし、彼女だけは機体から降りているときにその症状が発生している。セカンドステージで発生する反作用はスフィアとの共鳴を妨げるものがほとんどである中、五感が減衰すればさらに悲しみに包まれるのでむしろ共鳴関係の維持を強制する効果ともとれる。

怨嗟の魔蠍やサクリファイとの関係を考え併せると、恐らくは自分のことで手一杯になってしまうような状況においても『他者を悲しみ、癒そうとする意思』を持ち続けることができるかということなのだと思われる。後述のスフィア・アクトや洗礼名のことも考え合わせると、このスフィアが要求する「悲哀」とは自らの不遇を嘆く感情では無く、他者の境遇を想い悲しみ、共感して力になろうとする感情(俗な言い方をすれば同情)であると考えられる。

スフィア・アクトは感覚を他者にリンクさせること。いわばニュータイプの持つ感応能力の近縁種とも言える。この力で他者の悲しみに同調することで、出力を大幅に引き上げることが可能。 セツコが再世篇で見せていた「悲しみの感情の探知」はこれの片鱗であり、連獄篇では一気にサード・ステージに移行した影響で居合わせた全員の悲しみにリンクした結果、異様なローテンションに陥った反面戦闘力が爆発的に上昇していた(ゲーム的には気力限界を振り切って200になる)。 なお通常のサード・ステージの場合どうなったのかは不明だが、フェイクの力がSPの減少であることから、悲しみを伝播させ心を疲弊させるものだと思われる。

このスフィアの力は他者に対しての悲しみで発揮されるが、それはいわば相手を理解し受け入れようとする姿勢によって成り立つため、憎悪によって他人を拒む「怨嗟の魔蠍」を無力化してしまう(通常のアクトの場合だと、憎しみを抱く心そのものを疲弊させてへし折るのだと思われる)。

逆に、相手に構わず己の欲望のみにまい進する「欲深な金牛」とぶつかった場合、あちらのペースに巻き込まれて無効化されると思われる。

洗礼名は「ハマリエル・ザ・スター」。悲しみという闇の中に光る星である。

乙女座(ヴァルゴ)
星座のモチーフは正義と天文の女神アストライアー(冥王ハーデスに誘拐されて娶られてしまった、春との女神ペルセポネという説もある)。
彼女は争いを続け神に見放されつつある人間を最後まで信じて地上に残った女神であるが、やがて絶望してしまう。流される血で人間に絶望するという展開はまさに上官や想い人の死とレーベンの悪意に絶望して覚醒した彼女と重なる。ペルセポネにしても、レーベンとのやり取りと似た「親切にしてくれたので信じてみたが、実は不可逆な状況に追い込むための罠だった」という流れが存在している(ペルセポネの場合は母・デメーテルの怒りのサボタージュで地上が大変なことになったため、ハーデスが折れてめでたく帰還と相成ったものの本心では離れたくなかった彼の罠に嵌められて冥界のザクロを四粒食べてしまい、一年の内四ヶ月を冥界で過ごす羽目になった)。
性格分類においては、「自然を愛する心」を司っており、自然=周囲を感じられなくなることで自然を求める意思が強化されるために力が引き出されると思われる。
割り振りは女性。
隠者
タロットでは「隠者」のアルカナと関連付けられる。
「隠者」の寓意は正位置が「経験則」「思慮深い」「思いやり」「単独行動」、逆位置が「閉鎖性」「消極的」「誤解」「悲観的」
この隠者のモチーフは三つのヘルメスが合わさった「ヘルメス・トリスメギストス」であり、3機のバルゴラを統合したバルゴラ・グローリーのモデルとなったことを推察させる。

揺れる天秤[編集 | ソースを編集]

西暦世界に存在していたスフィア。クロノ保守派が保持していたものをエルガン・ローディックが持ち出し、カルロス・アクシオン・Jrを経てスコート・ラボに持ち込まれた。至高神ソルの「判断力」を司る。

「迷いの中でも折れることのない強い意志」によって力を発揮し、それに振り回されず判断力と己を保とうとする意志によってサード・ステージに移行する。

このスフィアの真の力は「天秤」の名の通り、皿にものを乗せてその重さを量るように、感情に揺れても迷っても折れることだけはない強い意志によって物事を比較し、その本質を見極めることにある。スフィア・アクトはその、本質を見抜く強い意志力を他者に伝播させること。本質を見抜くことが転じて正確な狙いを定めることに繋がると思われる。

反作用の正体は、リアクターの意志を目の前の感情に向けさせることで本質から目を逸らさせるというもの。クロウはジェラウド・ガルス・バンテールとの戦いでこの状態に陥ったが、当人曰くジェラウドの生き様に嫉妬を抱いたことが原因。感情に流され判断能力を喪失し、その状態で固定されてしまうのが暴走の原因である。周囲の声や状況の変化はちゃんと認識しているが、それを行動に反映させることは一切できない。仲間に止められようが自分が死のうが、クロウ自身の言葉を借りれば「それがどうした!」と突き進んでしまうのである。

これに負けず直感力を維持し、真実や本質を見切ろうとする強い意志を貫くことによってサード・ステージへと移行する。ただし、反作用の性質上リアクター単身で対処するのはほぼ不可能に近い。クロウは再世戦争でこの問題を解決するため、筋金入りの守銭奴という自身の性格を利用して、コクピット内に金の音を鳴らす「コイン・ドロップ・システム」を採用することで反作用に対処。天獄戦争でサード・ステージに至ったが、再世戦争終盤の時点で力の片鱗を見せており、ゼロ・レクイエムが何のために行われているのかを察知していた。

このスフィアが求める意志とは、上述した通り迷いの中でも折れない意志だが、言い換えればリアクターは心の中に迷いを抱えている必要がある。何の迷いも躊躇いもないまっすぐな、要はシンプルに強い意志ではリアクター足り得ないのである(反作用による暴走状態がまさにこの状態。つまり「迷っても揺らいでもそれを表に出さず、乗り越える強い意志」が必要)。そのため、自己犠牲による慈愛(=死への迷いと、その先にある希望)を力とする「尽きぬ水瓶」とは「迷いの中の決意」という形で発動キーが共通するため相性が良い。「尽きぬ水瓶」の力は自己犠牲による慈愛だが、これは見方を変えると「死に対する恐れと、それを乗り越えて己を擲つ意志力」となるため、己の感情に流されず、揺れても迷っても最後にはあるべき場所に立ち返るという点で共鳴するのである。

逆に、力を発揮するための前提となる感情の動き自体を止めてしまう「沈黙の巨蟹」に弱いと思われる。ただし、実際にクロウが尸空と対峙した際にはあちらが同族嫌悪によりたびたび同調の維持に失敗しかけており、相性関係だけでは勝負は決まらないことを示してもいる。

一方で「知りたがる山羊」に対しては強いと思われる。「本質を見抜こうとする意志」と「真実を暴き立てる好奇心」は一見相性がよさそうに見えるが、「知りたがる山羊」の力は「知りたい」という感情に裏打ちされたものである。言い方を変えると「知りたいことだけ知りたい」「知らせたいことだけ知らせたい」という在り方なのだが、このスフィアとぶつかった場合、通常のサード・ステージならば目の前の物事に思考を固定されて「知りたいのに知れない」状態になり、真のサード・ステージならばいやおうなしに本質を直視させられ「知りたくないのに知らされる」状態にされることで好奇心のコントロールを奪われ、無力化されてしまう。

洗礼名は「ズリエル・ジ・アンブレイカブル」。揺らがぬ精神で道を切り拓く意志である。

天秤座(リーブラ)
星座のモチーフは、乙女座のモチーフであるアストライアーが持っていた善悪を測る天秤。
幾度となく善悪を測り続けてもなお悪化していく世界に絶望したアストライアーは、とうとうその天秤を捨ててしまう。幾度となく心を揺らされ、やがて心根をゆがめる宿敵によって覚醒したクロウに重なる。セツコ(乙女座)が最終的に彼を気にするのも運命だろうか。どちらかといえば、同じような名前を持つこの人の所有物、という方がしっくりくるが。
割り振りは男性。
占星術上において天秤座は牡羊座と対の関係にあたる。それに迎合したかのように、このスフィアと「偽りの黒羊」は覚醒と活性化の条件だけでなく、反作用までもが見事に対極である(強い意志があれば簡単に力を得られる一方で、反作用が最も危険で対策も難しい「揺れる天秤」と、常に嘘を吐き続けなければならない一方で、反作用が最も安全で感情が高ぶらなければ発生さえしない「偽りの黒羊」)。
性格分類においては「個人主義」を司り、これが迎合せず己を貫くことを力とすると思われる。
正義
タロットでは「正義」のアルカナと関連付けられる。
そのため、このスフィアにとっての正義とは「どんな形であれ折れることのない強い意志のこと」である可能性は高く、それを証明できる者が力を引き出せるということかもしれない(実際、クロウの意志の強さは全編を通じて随所で描写されている)。このカードには天秤が描かれているが、左右の皿のサイズが異なっている。公平とは対称でないことを示しており、割に合わない借金を背負うが、それがないと己を保てないクロウをイメージさせる。
ちなみに、「正義」の正位置は「公正」「誠意」(例:借金を全うに返済する意思)を意味し、逆位置は「不均衡」「被告人」(例:借金を返せない人)を意味する。
また、天秤は弁護士の象徴である。すなわち、片方には罪(例:過ぎた力を求める)、片方には罰(例:借金を負う)が乗せられるということである。借金に縛られないと主体性を維持できないクロウが過ぎた自由や力などを求める限り、決して借金から逃げられないということなのだろうか。
余談だが天秤は十二星座の中で唯一の「道具」である。クロウが主体性を持たず常に何かに縛られようとするのは、どこまでも「道具」である天秤の在り方が元ネタなのだろうか?

怨嗟の魔蠍[編集 | ソースを編集]

バルビエルが住んでいた世界に存在していたスフィア。至高神ソルの「憎悪」を司る。

読んで字のごとく、憎しみの感情によって力を発揮する。その憎しみが薄れれば力は弱まり、なくなれば崩壊する。知的生命体ならば誰もが抱く感情であるため、相性はさほど選ばないことが特徴。

スフィア・アクトは他者の抱える憎悪、あるいは劣等感や嫉妬心といった負の感情を暴走させ理性を失わせる力だが、元から他人を憎むという行為から無縁なガルガンティア船団のような人間達には効かず、バルビエルの場合ナノマシンを併用している関係で月光蝶やトランザムバーストにも弱い。また、ハマーンのような精神の強靭な相手、あるいはプライドの高い相手には跳ね除けられることもあり、字面ほど万能な力ではない。端的にいうと、憎しみという火種を燃え上がらせる能力であり、火種はもちろんのこと燃え続けられる環境と焼くべき対象がなければ機能しない。さらに言うと、燃え上がらせた後のコントロールもできない。

ゲーム上では装甲値減少という形で再現されている。Zシリーズの世界観ではパイロットの意思が機体に影響を与えるため、己の身を省みない程の他者への憎悪を励起させられることが転じて、機体の防御の力(装甲値)を下げているという事なのかもしれない。

憎しみに生きることを悲しみ、心を癒そうとする「悲しみの乙女」との相性が致命的に悪い。また、憎しみを強く抱くということは、言い換えれば過去や現在に拘り、先へ進むことを止めることでもある。言い換えれば未来へのビジョンを持たないということでもあるため、夢想を力とする「夢見る双魚」に強いと思われる。過去とそこに根差す目の前の今に目を向けさせ、想像力の発揮を阻害させるのだろう。

反作用は不明だが、人為的にこの力を引き出していたクラヴィアが解放後に記憶を失ったことからして、恐らく憎しみの根源たる過去を失わせる「記憶喪失」だと思われる。そして、記憶を奪われてもなお憎しみを持続させるだけの強い意思によってサード・ステージに移行する。Zシリーズには登場していないが、「宇宙の騎士テッカマンブレード」のDボゥイが終盤に陥った状況に似ていると考えられる。

周囲に対して「あらゆるものを求める欲求」を力とする「欲深な金牛」に対し、このスフィアはいわば「他を拒絶する力」と言える。

洗礼名は「バルビエル・ザ・ニードル」。人の憎しみを煽り立てる毒針である。

蠍座(スコーピオ)
星座のモチーフは、狩人オリオンの傲慢に怒った女神の使いで、オリオンを刺し殺した蠍(この蠍、一説では妹・アルテミスがオリオンとゴールインするのを阻止したかったアポロンが、オリオン暗殺計画の要として用意した工作員であるとも)。
星座になった後の話として、自らの父がアポロンだと認めさせるため、太陽の馬車を無理やり運転して黄道を走ったパエトーンがさそり座に差し掛かった際、馬の足を刺したために馬車が制御不能となり、天地の破壊を恐れたゼウスによってパエトーンは殺された、というものがある。
性格分類においては、「探究心と持久力」を司る。決めた一つをひたすら求める気質は世の中と折り合いをつけることができず、報われない結果から嫉妬などを糧とする憎悪へと転じるものと思われる。
割り振りは女性だが、バルビエルは男性である。ちなみに、そのバルビエルが翠の地球で行動していた時にセツコから付けられた呼び名が「オリオン」であり、アン・アーレスに乗り換えた時に名乗りを上げている。これは、「蠍によってオリオンが殺された」という神話を意識したシーンとも見られる。また、オリオンはヘーリオスに盲目を治してもらったことがあるが、絶望の闇に染まった所をヘリオースのパイロットであるアドヴェントが属する御使いに救ってもらったところと重なるといえる。神話の蠍を使わしたのが神であるというところも、御使いの走狗となっているバルビエルの境遇を思わせる。
死神
タロットでは「死神」に関連付けられ、このカードは「人間としての過去と未来の消滅」「静止」を暗に表しているとされる。ちなみに、「死神」というのは通称に過ぎず、このカードのみ名前というものが存在しない。
「死神」の寓意は正位置が「終末」「破滅」「離散」「死の予兆」、逆位置が「再スタート」「新展開」「挫折からの復帰」。サイデリアルの侵攻で全てを失ったものの、御使いに見込まれて新たな道を歩み始め、最終的にはヴィルダークに引導を渡されたバルビエルの人生に合致している。また、バルビエルという名前は洗礼名であったことから、彼という個人を定義する名はないということになる。
なお、このカードに描かれる死神とは、ウェイト版においては黙示録に現れる「第四の騎士」であるとされる。この騎士は、疫病をまき散らして死をもたらすとされる。

立ち上がる射手[編集 | ソースを編集]

  • 星座:いて座
  • リアクター:次元将ヴィルダーク
  • 宿主:ヴィルダークの肉体
  • 発動キー:「反抗心」
  • 反作用:不明
  • スフィア・アクト:「重圧による力の制限」

どこかの世界に存在していたスフィア。前のリアクターから次元将ヴィルダークが奪取し、自身が新たなリアクターとなった。至高神ソルの「反抗心」を司る。ちなみに「いて」ではなく「しゃしゅ」と読む。

他者へ抗おうとする意志によって活性化する。ゆえに力が崩壊する条件も簡単で、他者へ屈服したり畏怖を抱くと力が崩壊する。反作用は不明だが、同調を妨害するような現象であることと発動キーから推測が可能。反抗心とは基本的に格下が格上に抱くものなので、その逆である「恐怖心の励起」だと思われる。

スフィア・アクトは攻撃的なプレッシャーにより、他者の力の発揮を妨げる力。己の中の意思の衝突を乗り越えようとする「いがみ合う双子」の対極にあるこのスフィアの力は、言うなれば「他者に打ち勝とうとする力」と言える。 仮に真のサード・ステージに至っていた場合、洗礼名と合わせて他人の闘争心を煽り立てる力になったと推定できる。

洗礼名は「アドナキエル・ザ・ジェネラル」。己を旗頭に他者を率いて戦う将である。

射手座(サジタリウス)
星座のモチーフは弓の名手であったケンタウルスの青年・ケイローン。
アポロンとアルテミスから数々の叡智を授かり、それを以ってカストール(双子座)やアスクレピオス(蛇遣い座)などの後の英雄達の師となったが、ヘラクレスの放った毒矢が偶然刺さってしまい、苦しみに耐えかねて不死の権能をプロメテウスに渡して落命した。余談だが、プロメテウスはそれ以前に禁忌を犯したことで神の怒りに触れ、永きに渡り苛まれ続ける刑罰を受けている(プロメテウスはこの時点で既に不死だったという説がある)。強引ではあるが、元居た世界の叡智の結晶である次元将の力を授かり、様々なリアクターの(表向きは)トップに立ち、同胞と相対して追放されたアドヴェントにその権能を奪われる様は神話と重なるとみることもできる。
ただし、別の説ではケイローンをモデルとしているのはケンタウルス座であり、この星座のモチーフは弓という概念を発明したクロートスであるという説が有力。
性格分類においては、「発展願望」を司る。それは「納得できないことには一切従わない」性格であることから、反抗心を力とすると思われる。
割り振りは男性。
節制
タロットでは「節制」に関連付けられる。
「節制」の寓意は正位置が「調和」「節度」「献身」、逆位置が「浪費」「消耗」「生活の乱れ」
このカードは水瓶座と関連があるとされ、描かれている女性は「相反する二つの要素を結びつける仲介者」という役割を持ち、また翼を持つことから「天使」とされている。実際、彼が仕掛けた戦いは自身が擁するリアクターと拮抗しうるリアクター3人がぶつかり合う舞台であったといえる。また天使の絵は、(少なくとも表向きは)御使いらに使われる身であるという立場と合致する。もしくは、世俗的な要素とは無縁、という意味では彼自身を暗示しているとも取れる。命はもとより未来さえも捨てて宇宙を救おうとする様は正位置に、そのために犠牲を払って突き進み、止まれなくなった姿は逆位置に合致するといえる。

知りたがる山羊[編集 | ソースを編集]

  • 星座:やぎ座
  • リアクター:不明
  • 搭載機:不明
  • 発動キー:「好奇心」
  • 反作用:不明
  • スフィア・アクト:「他者の情報の公開」

どこかの世界に存在していたスフィア。前のリアクターからアサキム・ドーウィンが奪取しシュロウガに搭載され、後にアサキムがリアクターとなった。至高神ソルの「好奇心」を司る。

ありとあらゆる知識を求める好奇心によって力を発揮する。前のリアクターはアサキムと接触した際、彼のことを知り過ぎたためにその心の底にあった闇に触れてしまい、死亡したらしい。アサキム曰く「アカシックレコード」に接触するキーであるとの事。

好奇心とは知らない事柄に対して抱くものであるため、それを妨害する反作用は「知識の無差別な収集」であると思われる(知らないほうがいい様な、知れば気の狂いかねない、いわゆる「SAN値の減る」情報も引き寄せる)。 スフィアとは全く関係無いが、コードギアスマオギアスの暴走で精神を病んでしまったのがこれに近いだろう。敵が行使するスフィア・アクトで発動する「バリア無効化」からもそれは推察される。本来知るべきではないことから身を守るフィルターを失ってしまうのだろう。また、前述のアサキムが以前の所有者から本スフィアを奪った状況にも合致する。

スフィア・アクトはあらゆる真実を公開すること。そのあくなき知識欲は「偽りの黒羊」の嘘を暴いて無力化してしまう。フェイクの方は「バリア無効化」という形でこれを表現している。アサキムはこの力とシュロウガの機能を合わせることで、アカシック・レコードへのアクセスを可能とした。

相対する「沈黙の巨蟹」が「意欲を相殺する理性」とするなら、暴いてはいけないものを暴くこのスフィアは「理性を超越する欲求」といえる。

洗礼名は不明だが、守護天使の名前はハナエル。

山羊座(カプリコーン)
星座のモチーフはヤギ頭の牧神アイギパーン。ただし下半身は魚となっている。
これはアイギパーンが魚に変身したことによるもので、その経緯についてはティターン神族との戦いの際に威嚇のために海に潜った時の姿という説と嵐の怪物テュポーンが襲来した際に変身もおぼつかないほど慌ててナイル川に逃げ込んだ時の姿という説が存在する。確証はないものの、前者の説は「深淵を覗き込んだ」といえることから、アサキムの前の所持者を彷彿とさせる。ちなみに、パーンは「Panic」の語源である。
性格分類においては、「下心のない信頼関係を重んじる」ことを司り、転じて嘘を暴くことを力とすると思われる。
割り振りは女性。
悪魔
タロットでは「悪魔」のアルカナと関連付けられる。
この悪魔のデザインは山羊頭の悪魔バフォメットであるが、統一性のない姿は「訳が分からない」という印象を抱かせるものである。それゆえに「混沌」「葛藤」「暴力」を象徴しており、まさしくアサキムを指すのにふさわしいと言える。
また、「悪魔」の正位置は「堕落」「裏切り」、逆位置は人に知恵を与えた者として「覚醒」「新たな出会い」も意味し、これもまた世界をまたいでリアクターたちに出会って手段を選ばずスフィアの覚醒を促すアサキムらしい。さらにいうとシュロウガのデザインモチーフはサイバスター+悪魔である。
ちなみにこのスフィアは、一部のプレイヤーから「連想できる要素(正位置と逆位置そのままな経歴を有し、更には性別の割り振りと性格分類も一致している)の多いツィーネ・エスピオ(の並行同位体)が前のリアクターだったのでは?」という憶測が立てられていた。 彼女の機体のカオス・カペルはこのスフィアを再現する実験機だったので当たらずとも遠からずだが。
余談だが実はエツィーラ・トーラーの経歴もこのスフィアと「悪魔」のアルカナにそっくり当てはまる(未来予測の力を持つ、知識欲の塊、暴いてはならない真実に辿り着く、堕落の末に破滅的思考に行きつく)。何の因果か搭乗機も山羊モチーフである上、「第3次α」のキーワードは「アカシックレコード」である。

尽きぬ水瓶[編集 | ソースを編集]

聖インサラウム王国に存在していたスフィア。王国の開祖であるキング・インサラウム1世が最初のリアクターだが、1世が殺されず天寿を全うしたため、ユーサーが目覚めさせるまでまた眠っていた。至高神ソルの「愛」を司る。

他者への深く大きな愛によって力を発揮するが、要求されるレベルが高く、個人へのそれではなく国や組織のような大きなものに対する、自己犠牲を前提とした愛である必要がある。その反面、引き出される力は12個の中でもっとも大きく、セカンド・ステージの状態ですら次元将に匹敵するレベルの出力を誇る。

その性質を体現したかのように、反作用を受けると肉体が少しずつ崩壊していき、サード・ステージに到達するには命を投げうつ事もいとわぬ強い意志が必要。一度リアクターとなってしまうとサード・ステージに到達しなければ絶対に死ぬというとんでもないスフィアであり、ユーサーは反作用を抑えきれず何度も意識不明に陥っていた。この事から、前のリアクターであったキング・インサラウム1世はどれほどの大人物であったのかとユーザー間で話題になっている。

死の恐怖を乗り越え、守るべきもののために己の全てを投げ捨てる覚悟を決めた時、サード・ステージに移行する。真のサード・ステージに至るには、さらにそこから「己を粗末にせず、誰かのために生きる覚悟」を決める必要がある。

スフィア・アクトは不明だが、スフィア・アクトは不明だが、フェイクの能力が「EN回復封印」であることと、「いがみ合う双子」の例、そして再世篇のユーサーのエースボーナスから考えれば、恐らく「他者に力を与える」能力であろうと考えられる。通常の力の場合は活動エネルギーを消耗させるものとして働くため、エースボーナスという形でこの力を発現していたユーサーは真のサード・ステージに片足を突っ込んでいた可能性が高い。

自己犠牲を前提とした慈愛の心は、大切なもののため、己の死をも受け入れ、成すべきことのために自分の全てを投げ出す覚悟に依拠する。そのため、どれほど揺れても迷っても最後には「やるべきことという本質」に回帰する「揺れる天秤」と相性が良く、互いに力を高め合うことができる。言い換えればその慈愛の心がわずかでも自分に向いてしまうと同調が切れてしまうため、死の恐怖を無理矢理励起させようとする「立ち上がる射手」に弱いと思われる。

あちらが真の力を発揮していれば「他者の闘志を湧き立たせる」力になるため相性が良くなるように思えるが、反抗心に依拠する闘志とはすなわち「生きて戦う覚悟」であり、このスフィアの求める自己犠牲の愛とは逆の境地である。

洗礼名は不明だが、守護天使の名前はガムビエル。

水瓶座(アクエリアス)
星座のモチーフは、ゼウスの給仕を務めた美少年ガニメーデスが持っていた、神の酒ネクタールが溢れ出る水瓶。
ガニメーデスが給仕となる際、地上に残す両親が深く悲しむことを心配したという。喪失の悲しみやそれに対する慈愛は、故郷を離れる羽目になった挙句に民を失うことによる強い悲しみとその民への慈愛で覚醒に至ったユーサーと重なる。ちなみに、女好きのゼウスが彼を給仕にしたのは美女と見紛うほどに美しいから
性格分類においては、「自己愛」を司っており、独善性が転じて(一方的な)自己犠牲を力とすると思われる。[2]
「精神的な痛みに耐える生命力」をテーマとする獅子座の対の位置にあるこのスフィアの特性は、「命を削る肉体崩壊の痛み」といえる。
割り振りは男性。
タロットでは「星」のアルカナと関連付けられる。
このカードのデザインは「直感」と「肉体」が女性によって結びつけられる様子を表しており、エスターへの語りかけなどで本来持つ洞察力が行動に結びついたユーサーを表していると言える。
「星」のタロットが示す寓意は正位置が「希望」「ひらめき」「願いが叶う」、逆位置は「失望」「無気力」「高望み」
そしてそんな寓意に合わせたかの如く、当初のユーサーはその弱気さから失望され、また自身も無気力であり、聖王機ジ・インサーはインサラウムにおいて希望と幸福の象徴であった。

夢見る双魚[編集 | ソースを編集]

  • 星座:うお座
  • リアクター:アサキム・ドーウィン
  • 搭載機:シュロウガ・シン
  • 発動キー:「
  • 反作用:不明
  • スフィア・アクト:不明

どこかの世界に存在していたスフィア。アサキム・ドーウィンが所持しており、シュロウガに搭載されている。後にアサキムがリアクターとなった。至高神ソルの「想像力」を司る。

夢、つまり何かを望む意志によって力を発揮する。眠った時に見るそれではなく、未来への展望や目的などの漠然としたそれである。ゆえに力が崩壊する条件も簡単で、破れるか叶うかして夢を見なくなると力が崩壊する。アサキム=シュロウガは一時期ZONEに封印された際の自問自答から得た「自身の存在の確立」という目的が共鳴条件になっている。

スフィア・アクトは不明。到来していない事象、現実には存在しない物事に意識が向けられるという点からして、「未来予測」の力であると考えられる。星座配置で対極にある「悲しみの乙女」の力が悲しみの感情への同調、つまり過去の出来事を力とするのに対し、未来を夢見るこのスフィアの力は「未来を求める力」と言える。 一方でフェイク=通常のサード・ステージの力は運動性の減少と言う形で現れること、反作用そのままではないことを考えると、恐らくは「他者のイメージへの干渉」だと思われる。相手の予測した内容を書き換えることで対応を誤らせ、回避を妨害するのだと考えられる。

先へと進む行動力と想像力がないと、夢を見る力が発揮できないため、反作用はそれを妨害する「想像力の減退」だと考えられる。その上で夢想を抱き続けることでサード・ステージに移行し、その際に夢に溺れるのではなく、しっかりと地に足をつけて「夢を見続ける」という在り方を感得することで真のサード・ステージに移行する。

夢を見ることはつまり未来へ意識を向けることだが、その意志力が過去や現在に向いてしまうと力が崩壊する。そのため、憎悪という形で過去への執着を強要する「怨嗟の魔蠍」に弱いと思われる。さらに、未来を思う、想像するという行為は、すなわち事象を予測し、可能性を考慮し、未来に備えるためのものである。突き詰めればそれは生存のため、死を回避するためのものであるため、死のイメージを書き込んで感情を呼び起こし/想像力を掻き立てることで虚無を埋め尽くし、「沈黙の巨蟹」を無効化できると考えられる。

相生するスフィアは不明。このスフィアが求める「夢」は、現実と夢想という二つの要素によって成り立っている。つまり「現実離れした夢想」と「夢想に合致しない現実」の二つであり、現実から目を背け夢に溺れても、夢を見ることを諦め現実で妥協しても、このスフィアは停止してしまう。よって、リアクターとなるには「現実を見据えた上で夢想を抱く」という相反する境地が必要になるため、同様のロジックで稼働する「いがみ合う双子」と相性がいいと思われる。

シュロウガの誕生に関係するサイバスターマサキ・アンドーに関連する要素である「未来予測≒ラプラスコンピュータ・デモンタイプ」「先へ進む行動力≒マサキの行動力と起点の良さ」「夢≒スーパーロボット大戦FF完結編)におけるマサキの精神コマンド」など、スフィア関連の設定が組み込まれる以前から当てはまるものばかりである。

洗礼名は不明だが、守護天使の名前はバキエル。

魚座(パイシーズ)
星座のモチーフは、宴に乱入してきた怪物テュポーンから逃げる際、魚に変身した後はぐれないように互いをリボンで結んだアフロディーテとエロースの親子。アフロディーテが変身した魚の方は「みなみの魚座」とされることもある。目の前の危機から逃れることが、転じて現実から目を逸らすこととなり、そこから対応アルカナの「月」のカードにおいて、寓画の月が示す「真実への導きを与える、無名無形の見えざるもの」との関連付けから「夢」というキーが設定されたと思われる。
性格分類においては、「感情の豊かさ」を司る。また、「不安、障害、犠牲的奉仕」といった特性もある。
なお、12星座としてもそれに関連付けられるタロットとしても、12種の中では最後に位置している。実際、名前が判明したのは最後だった。
シュロウガとうお座には一見何の関連もないように思えるが、うお座のモチーフの一つであるエロースは古代の記述において全能の神とされていたことから、かつての至高神ソルと同質の存在であるシュロウガと共通する要素があると言える。また、エロースは「他者の感情に干渉する」権能を持っており、他人のイメージを書き換えるスフィア・アクト、他のリアクターの感情を呼び起こし獲物としての覚醒を促すアサキムの立ち回りに通じるものがある。
タロットでは「月」と関連付けられる。
このカードは双子を示す複数の要素や本能と理性の葛藤を示しているとされる。割り振りは女性。
「月」のタロットが示す寓意は正位置が「不安定」「隠れた危険」(「隠れた敵」とも)「現実逃避」「猶予なき選択」、逆位置が「過去からの脱却」「失敗に繋がらない過ち」「未来への希望」「すぐれた直感」
エピソードが何も語られないのでどのような運命にあったのか不明。アサキムと照らし合わせると、正位置は自身の空虚さから目を背け、御使いの言いなりにスフィアを狩集めるしかない境遇、逆位置は無限獄からの解放を求めて流浪し、最後の最後にZ-BLUEに敗北したものの大願を果たした結末に符合する。
正位置の「隠れた危険」、逆位置の「未来への希望」「すぐれた直感」から「夢」というキーワードが設定されたのだと思われる。

特殊能力「スフィア・アクト」[編集 | ソースを編集]

第3次Z時獄篇で初登場した、スフィアの力を表現した特殊能力。再世篇までは主に、パイロット側のSP回復によって表現されていた。 「いがみ合う双子」「怨嗟の魔蠍」に関してはシナリオ中でも度々登場する。再世篇での「偽りの黒羊」および「知りたがる山羊」もスフィア・アクトと思われる特殊能力を披露しているが、特殊能力としては採用されていない。

天獄篇ではスフィア名で表記されるが、検索画面では「スフィア・アクト」でまとめられている。

スフィア・アクト(いがみ合う双子)
1.時獄篇のジェミニアの能力。気力130以上で発動し、EP開始時に全敵パイロットの気力を-3する。
2.ジェミニオン・レイの能力。気力150以上で発動し、全自軍パイロットの技量を+10する。
3.擬似タイプ、ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵パイロットの気力を-3する。
スフィア・アクト(沈黙の巨蟹)
尸逝天の能力。気力130以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵パイロットのSP回復を無効にする。イノベイターSP回復などのスキル、「わかめパン」などの強化パーツや歌による回復も無効。ゼル・ビレニウムが持つ擬似タイプも同効果。天獄篇では発動気力が140に上昇している。
スフィア・アクト(欲深な金牛)
プレイアデス・タウラの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットのENをEP開始時に-40する。ゼル・ビレニウムが持つ擬似タイプも同効果。
スフィア・アクト(怨嗟の魔蠍)
アン・アーレスの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットに装甲ダウンの効果を与える。ゼル・ビレニウムが持つ擬似タイプも同効果。
スフィア・アクト(傷だらけの獅子)
ガンレオンの能力。気力150以上で発動し、全自軍パイロットの防御を+10する。
スフィア・アクト(悲しみの乙女)
バルゴラ・グローリーSの能力。気力150以上で発動し、全自軍パイロットの回避を+10する。
スフィア・アクト(揺れる天秤)
リ・ブラスタTの能力。気力150以上で発動し、全自軍パイロットの命中を+10する。
スフィア・アクト(立ち上がる射手)
次元将ヴィルダークの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットの最終与ダメージを0.9倍にする。ゼル・ビレニウムが持つ擬似タイプも同効果。
スフィア・アクト(偽りの黒羊・擬似)
ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットに照準値ダウンの効果を与える。
スフィア・アクト(傷だらけの獅子・擬似)
ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットにフェイズごとに最大HPの10%のダメージを与える。
スフィア・アクト(悲しみの乙女・擬似)
ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットのSPをフェイズごとに-5させる。
スフィア・アクト(揺れる天秤・擬似)
ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットの移動力を-3させる。
スフィア・アクト(知りたがる山羊・擬似)
ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットのバリアを発動させなくする。
スフィア・アクト(尽きぬ水瓶・擬似)
ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットのENを回復させなくする。
スフィア・アクト(夢見る双魚・擬似)
ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットに運動性ダウンの効果を与える。

人造スフィア[編集 | ソースを編集]

人の手でスフィアを模して作られた次元力制御システム。オリジナルには及ばないものの、何れも強力なパワーを有する。

ジ・エーデル、アンブローン、AGのDEMコーポレーションらも人造のスフィアを開発し、次元力を行使できる。人造のスフィアではオリジナルには及ばないにしても、安定性に優れていると言い切れる。Zの段階でジ・エーデルがオリジナル(乙女座と獅子座)を奪取する機会がめぐっても、それをしなかった理由は「オリジナルのスフィアは強大な力を行使できる半面、不安定な一面もある」ことを理解していたからだと思われる(それ以前に、リアクターをマシンごと抹殺し、かつその時点で新しい搭載機を用意していないと逃げられるので物理的に不可能だったと思われるが)。

ZONE
インサラウムで開発された、地脈から次元力を吸い上げる装置。これは機械的に次元力を吸収する装置であり、意思の力に性能は左右されない。
ディメンション・エクストラクター
スフィアの力のうち、「次元力を引き出して強化する」という側面のみを再現した模造品。次元力をどれだけ引き出せるかがパイロットの意思の力に左右される点でスフィアに近い。AGはこれの改良型を独自に開発している。
カオス・レムレース
ジ・エーデルが開発した機体。機体自体が人造のスフィアであり、サード・ステージの事象制御を可能としている。乙女座と獅子座のスフィアを参考にしているが、事象制御に関しては属性に縛られるスフィアよりも自由度が高い。
TS-DEMON
ジェニオンの動力で、AGが自作した模造スフィア。覚醒段階を模したモードシフト機能がある。あくまで「いがみ合う双子のスフィアから次元力を抽出する」ための機関であったため、単独の出力はかなり低くジェ二オンのフルスペックを発揮できなかった。後に「いがみ合う双子」を奪取し、スフィアの制御機関としての機能を発揮するようになる。
サイデリアル製人造スフィア
天獄篇で修復されたジェミ二アが搭載。地球よりも数段次元科学の進んだサイデリアルの技術力で造られた機関であるため、スフィア搭載機であるジェミ二アの性能をかなりのレベルで再現できていた。ただしあくまで基本性能の復元に留まり、回復力の再現はできず、D・フォルトを展開するだけの出力は確保できなかった様子。
フェイク・スフィア
アドヴェントが作り出したスフィアのコピー品。スフィアのルーツである至高神ソルを作り出した存在の作品だけあり、スフィア・アクトすら使用できるほど完成度が高い。

関連人物[編集 | ソースを編集]

アサキム・ドーウィン
「夢見る双魚」のリアクター。死ねない身体となり、平行世界を彷徨う運命(本人曰く「無限獄」)を負わされた人物。太極に至り不死の運命から逃れるため、スフィアの所持者を追い続けている。そして、第2次Zにおいてついにその目的の一つを遂げ、「偽りの黒羊」「尽きぬ水瓶」(黒の騎士団ルートでは両方とも失敗)を手に入れたことで計4つものスフィアを所持するが、その戦いで次元の狭間に閉じ込められた。天獄戦争で復活し、その意志によって4つのスフィアのリアクターとなった。
ギリアム・イェーガー
アサキム同様、平行世界を彷徨う運命を負わされていた。この運命から逃れるため、かつて至高天(=太極)を目指すべくスフィア争奪戦に参加していたことを示唆する発言がある。また、太極という単語をスパロボ上で始めて口にした人物である。(口にしたのはZ発売1年前のOGs内)過去に偽名で「アポロン」「ヘリオス」という太陽に関連したワードを使っており、広大且つ恒常的に正と負の影響をもたらす「太陽」のアルカナに関連する可能性があるが、他のアルカナに比べるとやや関連が薄い。ただし、様々な世界で活躍し正義のヒーローとも言える性格を持つ反面、ヒーロー戦記ではラスボスであったり、OGではシャドウミラーという悪の組織を招く原因になったりたりするなど負の一面も持ち合わせているあたり、決して外れてはいない。
ダークブレイン
OG世界にスフィア、もしくはその近似要素が存在することを最初に示唆した存在。「十二の鍵」を結集させる事で至れるという「至高天」を目指してOG世界にその姿を現す。当初はZシリーズに関りがあるとされていたが、現状においてはスフィアと同種の存在であることが有力。
御使い
至高神ソルを創造した高次元生命体。至高神再誕を目的に、アサキムやサイデリアルに全スフィアの収集を命じた。

関連用語[編集 | ソースを編集]

太極
スフィアの根源たる人造神「至高神ソル」の異称。
次元力
スフィアによって引き出される「次元を越える、あるいは越えた力」。恒星を起源とし、星座などの概念から物質まで、あらゆるものに宿る「存在の力」。アークセイバーの機動兵器やシュロウガはこれを動力に稼働している。
無限力
Zシリーズの前シリーズである第2の王道シリーズ・αシリーズの根幹をなす概念。次元力と似た性質を持ち、こちらは「正」と「負」に完全に分かれている。
スフィア・リアクター
スフィアを所持し、共鳴する事でその力を扱う人物のこと。
スフィア搭載機
スフィアを搭載した機動兵器の総称。
カオス・レムレース
ジ・エーデル・ベルナルの機体。「傷だらけの獅子」「悲しみの乙女」のデータを元にしており、「人の手による鍵」「人造のスフィアのようなもの」と称される。
ネオ・リアクター
アドヴェントがスフィアの力を引き出す為だけに生み出した人造生命。フェイク・スフィアを所持する。
十二の鍵
OGシリーズダークブレインカドゥム・ハーカームが言及する謎の概念。何らかの形でクロスゲートに干渉できる能力を示しているようだが、現在のところ詳細は不明。
関連ワードとしてスフィア同様「太極」が言及されているため、そのものでないにしても全くの無関係ではないと思われるが……(OGシリーズから見て「前世」に当たるαシリーズよりもZシリーズの方がさらに前に当たることが示唆されているため、スフィアのうち8つは既に存在しない)。

余談[編集 | ソースを編集]

  • アークセイバーシリーズはその全てがジ・インサーを源流としたコピー機の側面を持ち、限定的ながら次元力制御を可能としている。後に、アークセイバーの機体は搭乗者の意思に反応して出力を高める疑似スフィアとでもいうべきDエクストラクターを搭載し、さながら量産型スフィア搭載機になっている。ちなみにアークセイバーシリーズは誕生月の星座と関連がある誕生石をモチーフにしている。
  • シリーズ第1作『Z』発売前に、「今回のロボットには何か路線があるのか?」などといった記者の質問を受けた際、寺田Pより「主人公機の武器は聖闘士星矢のような昔のジャンプのノリ」という回答があったが、ノリどころかそのまんまである(特に尸逝天)。加えて言うなら、黄金聖闘士らの立ち位置やその力なども割と似ている(例を挙げると、双子座は聖人と讃えられたが闇に堕ちた男と悪党だったが正義に目覚めた男、天秤座は使い手・聖衣ともに苦労性、乙女座は五感閉鎖に関する技などを持つ)。
    • シリーズ開始時、『α』における「クロスゲート」「サイコドライバー」のポジションとして考案されたもの。人間の場合そのキャラクターが死ねばそこまで、ということで、「大きな力の源であり個人でない何か→狙ったり狙われたりする『物体』が望ましい」として考案された。形状は球が完全な形であることと、デザインとして組み込みやすいために「スフィア」となった。その上で、キャラクターやマシンのモチーフにも引っ張れる、という理由から十二星座がモチーフとされた経緯がある。[3]余談だが、アドヴェントが「αから始まりΩに至るはずだったが、それが少し変化してZとなった」と述べているが、この話と絡むのかは不明。
  • 12基+1基からなり、超常の領域から無尽蔵にエネルギーを引き出し全てが機能し揃うことで宇宙全体の命運を握るアイテムで、適合するパイロット&機動兵器と融合することで効果を発揮、機体を変質させて生物的な意匠をもたらすという設定は、『ゼノギアス』(SRW未参戦)のアニマの器と良く似ているといわれる。
  • スフィアとリアクターの設定はタロットの大アルカナと星座の神話をモチーフにしていると推測されていたが、尸空、バルビエルの登場で瓦解している。ただ、新地球皇国の首都が明らかに「塔」を意識したネーミングであることからも、アルカナ・神話が設定元であるのは間違いなく、なぜこの2人だけ違うのかは不明。
    • バルビエルの場合、『連獄篇』の展開からユーザーに対してのブラフを持たせた可能性はある。
    • ネオ・リアクターにも男女が存在し、こちらは星座から関連付けされるタロットの男女割り振りに完全に対応している。

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 星座を形作る星は、本来関係ない星々が地球上からは集まっているように見えているだけで、例えば極めて規則正しく並んでいるように見えるオリオン座の三ッ星ですら実際の位置はかなり離れている関係ない星がそう見えているだけである。従って他の惑星から見ればそれぞれの星座は別の形に見えてしまうし、仮にたまたま12星座が正しく見える惑星が他にあったとしても、太陽の見掛け上の通り道である黄道がこれら12星座に重なるとは限らない。スフィアが12星座に集約された太陽の次元力を引き出すものである以上、地球で最も効果を発揮するのは必然であるといえる。
  2. マリリンも、自身が死んで悲しむであろう人たちを慮らないユーサーの行動を独りよがりだと評している。
  3. SPECIAL | 第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇 2019年6月3日閲覧。