ガイアセイバーズ (OG)

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ガイアセイバーズは『第2次スーパーロボット大戦OG』に登場する勢力。

概要

地球連邦政府大統領の直轄部隊。『修羅の乱』後、当時の連邦政府大統領であるグライエン・グラスマンと、その補佐官であるアルテウル・シュタインベックの二人が中心になって設立し、大統領の意向に直接反映させる形で活動する軍事組織の為、地球連邦軍からは完全に独立した別組織となっている。その為、基本的に大統領以外の命令を受け付ける事は無い。正式に存在が公表されるまでは「GS」のコードネームで呼ばれていた。新西暦50年代にはシュワルツ・V・ブランシュタイン率いる同名の部隊が存在しており、テロ組織「バディム」を壊滅させた実績を持つが、こちらは知名度が低いのか秘匿部隊だったのか、話題に上ったことはない。

DC戦争』中にディバイン・クルセイダーズの本拠地として利用され旧アイドネウス島の名で呼ばれていた「グランド・クリスマス」に本拠地を置き、各部隊は「セイバー」と呼称され、上位のものから順にアルファ~デルタとなるギリシャ文字の名称のコードがつけられている。連邦政府のみで無く、イスルギ重工からも多大な支援を受けていた事で、最新鋭のリオンシリーズを主戦力としていた他、独自の新型機動兵器の開発とテスト運用もを行っていた。人員に関しても人格は二の次にして練度の高い兵員や優秀な技術力を備えた研究者を揃えており、兵力を補うべく無人運用の機動兵器も積極的に取り入れていた事で、連邦軍より規模は少数ながらも総合的には鋼龍戦隊にも引けを取らない非常に強力な軍事組織となっていた。更に権限を確立させる為、「GS特権(The privilege of the GAIA SABERS)=PGS」と呼ばれる特殊権利までも持つ予定で、実現すれば実質的に地球連邦軍を傘下に収める事になったと言えるが、作中では審議中であり叶うことはなかった。GS兵(緑服)の服装は『OG外伝』におけるクライ・ウルブズのものと同じ。また艦長やオペレーターも平時のクライウルブズと同じ軍服であるほか、黒いバイザーを着用している[1]

一方、前々から連邦軍内はおろか一部の政府官僚の間においても、組織の内情についてキナ臭い噂が多かった様である。そしてそれは決して風評被害などでは無く、実態はアルテウルによる、彼個人の野望を実現するための道具に過ぎず、最上位の「オメガ・セイバー」でアルテウルの素性を知っていたアーマラ・バートンすらこの事を知らなかった。

劇中の様相

封印戦争』の開戦前は「GS」のコードネームで呼ばれる以外は詳細不明の勢力として扱われていたが、ゲストの襲撃に呼応して姿を現し、世界各地で悉く撃退するという華々しい戦果でデビューを飾る。

初戦でのアピールが功を奏し民衆からの人気も上々ではあったのだが、それから間もなくアルテウルの企みにより鋼龍戦隊に大統領のグラスマン暗殺の汚名を被せ、以後彼等とは敵対。一応、連邦軍とは非公式ながらも鋼龍戦隊の処遇に関する協定を双方の最高責任者同士の間で結ばれるのだが、アルテウルが独自の行動を取るにつれ連邦軍との足並みが乱れ始める。そして、ゲストやルイーナとの戦いが激化する中、地球の状況も全く顧みようとしない形でアルテウルが協定を無視して鋼龍戦隊へ攻撃を仕掛けさせた結果、鋼龍戦隊側からは完全に敵と見なされ、連邦軍側とも実質的に決裂状態となる。

戦いが終盤へと差し掛かった時期、グランド・クリスマスヘ突入した鋼龍戦隊によってアルテウル及び主要な部隊長を失い、組織としての主体を喪失。更には「バラルの園」を巡る戦いの直後、アルテウルの正体が判明した為、彼と特に関係の深かった者は全員が逮捕された事が述べられている。

封印戦争の終結後、所属していた下士官の去就は不明だが、おそらく連邦軍に吸収され帰順するかノイエDC残党と同様に反連邦組織になるかのどちらかになる。また、保有していた戦力は量産型ジンライ、ほぼ廃棄状態のメディウス・ロクスゴラー・ゴレム隊が運用しているキャニスを除いて連邦軍に接収され正式採用されている。

登場作品

単独作品

スーパーロボット大戦DD
2022年3月のイベント「ラスト・オブ・バニシングトルーパー」に登場。

OGシリーズ

第2次スーパーロボット大戦OG
『OG外伝』から張られていた伏線を回収する形でついに登場。平たく言えば「OG版ティターンズ」である。

関連人物

主要構成員のほとんどが、過去何らかの形で鋼龍戦隊のメンバーや関係者達と対立していた等、浅からぬ因縁を持った人物達である(そのためカチーナに「看板に偽りありまくりじゃねえか!」と評されている)。

前述にある通り、全員がアルテウル個人の目的達成の為の駒に過ぎず、彼らによって行われる戦いは殆ど結末が決められた茶番であり、最終的にアルテウルに散々弄ばれる形でメンバーの大半は死亡し、彼らが生み出した成果は全て彼に利用され、生き残った者達も用済みとして始末されてしまった。

シュワルツ・V・ブランシュタイン
新西暦50年代におけるガイアセイバーズの最高指揮官。ゲームに登場した方の部隊とは無関係。
グライエン・グラスマン
最高責任者。しかしアルテウルによって謀殺され、その罪は鋼龍戦隊に擦り付けられる事となる。
アルテウル・シュタインベック
連邦政府特次副大統領にして司令官。実質的な指揮を執るも、次第に不可解な行動が目立ち身内からも疑われる様になる。その正体は…
ニブハル・ムブハル
大統領補佐官。アルテウルの副官役。彼の謀略にも加担していたが最終的に用済みとして彼に始末された。
カーリー・ナウマン
旗艦「エア・クリスマス」艦長。本性を現したアルテウルに一矢報いるべく、エア・クリスマスごと彼に自爆特攻を敢行し散った。
エグレッタ・ウーノ
アルファ・セイバー隊長。ガイアセイバーズの中でも特に鋼龍戦隊に対する復讐心が強い。最期はグランド・クリスマスでの決戦で、特に付け狙ったイングの手で「終焉」を迎える事となる。
イーグレット・イング
元アルファ・セイバー。彼がガイアセイバーズから脱走した事で、『第2次OG』の物語が始まる。戦争終結後はPTXチームに加入する。
イーグレット・フェフ
エグレッタ達マシンナリー・チルドレンの生みの親(ただしイングは別の技術込み)。グランド・クリスマスでの決戦で戦死するが、アルテウルの正体を知っていた可能性がある。
ドゥバン・オーグ
ベータ・セイバー隊長。終盤で自身の「運命」を知って離脱し、最終的に願い叶う事なく果ててしまったと思われたが、思わぬ形で復活を遂げる事となる。
アリエイル・オーグ
元ベータ・セイバー。序盤で脱走し、鋼龍戦隊に合流する。戦争終結後はATXチームに加入する。
アルベロ・エスト
ガンマ・セイバー隊長。元クライ・ウルブズ隊長。終盤でエルデに銃撃され、機体に取り込まれてしまう。
ムラタ
アルベロ死亡後のガンマ・セイバー隊長。リシュウの元弟子(破門同然)。グランド・クリスマスでの決戦の前哨戦で敗死。
シエンヌ・アルジャンシアン・アルジャンシオ・アルジャン
スクールの出身でガンマ・セイバー所属。現在の自分達の立場に胡坐をかき、度々鋼龍戦隊と戦うもその都度敗北し、最期は全員グランド・クリスマスでの決戦の前哨戦で敗死する。
反逆者となった鋼龍戦隊を負け組と嘲笑していたが、実は自分達が茶番を演じているとは夢にも思っていなかった。
カオル・トオミネ
デルタ・セイバー責任者。中盤で(エルデの暗躍もあって)ジンライを奪われ、終盤でグランド・クリスマスに向かう鋼龍戦隊を迎撃するも敗北。
アーマラ・バートン
オメガ・セイバー隊長。全セイバー中最高位に位置し、単独で行動する事が多い。最終的にアルテウルに見捨てられる形で死亡したと思われたが、『魔装機神F』にて生存が判明、更に『OGMD』で鋼龍戦隊に合流する事となる。
ミツコ・イスルギ
イスルギ重工社長として、ガイアセイバーズに新型兵器の製造・提供を行っている。
良心的な人間では無いが、時には鋼龍戦隊にとって得になる行動(スレイベガリオンの派遣など)をとっている為、「敵」かと言われたら微妙。
アラセリ・ガルシア
イスルギ重工からの出向。序盤から登場するも、最期は完成したハイペリオンの前に敗北。ガイアセイバーズの名有りキャラとしては最初の脱落者となる。なお、厳密にはセイバーへの組みこみ前に戦死しているため、ガイアセイバーズ所属と言えるかは微妙。
スレイ・プレスティ
アラセリの部下であったが、出向前にチームから外されたため、僅差でガイアセイバーズ所属にならなかった。中盤で鋼龍戦隊に合流。
ミタール・ザパト
ツェントル・プロジェクト責任者。エルデと共にプロジェクトを進めるが、やがてAI1の処遇を巡って利害関係が破綻、最期は彼女に射殺される。
エルデ・ミッテ
ツェントル・プロジェクト研究要員。自身の最高傑作であるAI1の為に上述の通りミタールを射殺した他、アルベロやトオミネ、果てはドゥバンまでも利用して歪んだ愛情のままに暴走する。
最終的にAI1そのものを肥大化させるも敗北、AI1にすら見限られる形で地獄へと落ちていったが、結局彼女もアルテウルの掌の上で踊らされていたに過ぎなかった。
エリック・ワン
ツェントル・プロジェクト研究要員。内実は鋼龍戦隊寄りであり、アリエイルの脱走を手助けする。終盤で鋼龍戦隊に合流。
フェリオ・ラドクリフ
リ・テクノロジスト。アルテウルの援助を受けて研究を進めていた。南極のを開いた事で生死不明となる……しかし
エンジ・オヅヌ
プロジェクト・イデアランツ責任者。物語開始以前に謀殺されたが、その意志はアリエイルに受け継がれた。

運用戦力

エア・クリスマス
旗艦。
レリオン
リオンシリーズ最新型。ガイアセイバーズで優先的に運用されている。
サイリオン
カリオン系列の最新型。
82式戦車ガヴァメント
グランド・クリスマスの防衛戦力として配備されている戦車。

アルファ・セイバー

隊長はエグレッタ。エグレッタ以下隊員は全員マシンナリー・チルドレンで構成されており、イングも元はこの部隊所属。 脱走兵であるイングや、エグレッタに因縁を持つゼンガーを執拗に狙う。

キャニス
主力量産機。ゲストの機体であるレストジェミラのコピー。
キャニス・アルタルフ
エグレッタ専用機。キャニスの改造機でバルゴラに似た特徴を持つ。

ベータ・セイバー

隊長はドゥバン。隊員は通常の一般兵士。アリエイルも元はこの部隊所属。 脱走兵であるアリエイルの他、アレス・ガイストの真の力を解放するべく、ペルゼイン・リヒカイトもターゲットに定めている。

アレス・ガイスト
ドゥバン専用機。プロジェクト・イデアランツで開発されたエンジ・オヅヌの遺産。

ガンマ・セイバー

隊長はアルベロ。アルベロ死後はムラタが引き継いだ。シエンヌシアンシオのマッド・ドッグスも所属。隊員は通常の一般兵士。 メディウス・ロクスに搭載されているAI1を進化させんとするエルデの意向で、戦闘データ取得のためにヒューゴアクアが駆るTEアブゾーバーを狙う。

メディウス・ロクス
アルベロ専用機。ツェントル・プロジェクトの試作5号機。
ガーリオン・カスタム“無明”
ムラタ専用機。アルベロ死亡後隊長に就任。
ケルベリオン・パッセケルベリオン・プレザンケルベリオン・アヴニール
それぞれシエンヌ、シアン、シオ専用機。

デルタ・セイバー

責任者はカオル。ガイアセイバーズ唯一の完全な無人機部隊。DGGより自身が開発したジンライが有用であることを証明するべく、DGGとそのパイロットたちを狙う。市民を巻き込む市街戦も展開するなど、手段を選ばぬところがある。

ジンライ量産型ジンライ
DGG3号機とその量産型。カオルが運用する。後にジンライは鋼龍戦隊に鹵獲されて生まれ変わる

オメガ・セイバー

隊長はアーマラ。アーマラ以外の隊員は存在しない、実質彼女のワンマンアーミー。アルテウル直属の親衛隊であり、他の部隊よりも命令権が上。アルテウルの意向により、イングを執拗に狙う。

ガリルナガン
アーマラ専用機。アストラナガンを思わせる特徴を備えた出所不明の機体で、フレームの都合上ヒュッケバインシリーズの傍流に当たる。

関連機体

NVユニット
フェリオから設計図を託されたエリックが制作。ガイアセイバーズが活用するつもりだったが鋼龍戦隊が奪取、本来の目的の元運用される事となる。
ガルベルス
ツェントル・プロジェクトの試作10号機にして完成形。当初の予定に反してAI1を搭載する事となる。
AI1
本来は人工知能に過ぎなかったが、エルデによってクロスゲートのエネルギーとアレス・ガイストを取り込んだ結果、異形の兵器へと変貌を遂げた。
アダマトロン
アルテウルがAI1、クロスゲート、そしてナシム・ガンエデンを融合させ生み出した「新人祖」。

余談

  • OGシリーズにおける『第2次OG』を表すエピソードタイトルは「EPISODE 3 THE GAIA SAVIOUR」(ザ・ガイアセイバー)。一方ガイアセイバーズの当事者は「地球圏を守る新たな剣」「地球を守護する剣」などの自称しており、こちらの英語表記は「Gaia Sabers」。名称はおそらく「剣の複数系」と「救世主達」のダブルミーニングであろう。
  • また、やはり因果なのか、ユーゼスの初出である『スーパーヒーロー作戦』において、ユーゼスは「ガイアセイバーズ」という全く同じ名前の部隊と決戦を行い、敗北している。
  • そもそも「ガイアセイバー」という名称の由来は、かつてSFCで発売されたコンパチヒーローシリーズのRPG第二弾『ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦』であり、同作はあまりの出来の悪さからクソゲーの烙印を押されてしまった作品として悪名高く、それに関連して皮肉ったプレイヤーも多いだろう。

話題まとめ

  • ユーゼスが率いる組織なのにネオバディムではないのは間違いなく何故かバディム姓を名乗ったかつての女主人公のせいであろう。メタ視点を抜きに考えるとこの名前もまたユーゼスの虚憶と思われる。
  • ウルトラ警備隊ネタ、自作自演な要素から浦沢直樹の漫画であり映画化もされた『20世紀少年』の友民党とよく似ている。
  • ギリアムの視点で見るとウルトラ警備隊の制服を着た者と戦うというかつてのトラウマを抉りかねない事になった上に、そのトップはウルトラマンに歪んだ憧憬を持つ人物であり、挙句の果てにその歪んだ憧憬が反映された機体(しかもその機体の元ネタとギリアムは声が同じ)と戦う事になるというあんまりな目に遭った事になる…
  1. 設立に深く関わったアルテウルの素性を考えると、その姿はちょっとしたウルトラ警備隊である。