「哀しみのサクリファイ」の版間の差分

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:登場はしていないが、いくつかのインターミッション開始前に彼女の呟きが謎のメッセージとして表示される。
 
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2015年7月8日 (水) 20:15時点における版

哀しみのサクリファイ(Sacrifi of Sadness)

御使い」の一人にして、哀しみを司るモノ。美しい翠の髪の女神の姿をしている。真化しない種と、御使いの行いの双方をいつも哀しんでいる。

御使いの意見に反したため、カオス・コスモスの次元牢に閉じ込められている。怒りのドクトリンバアルとなる可能性を持った種を滅殺して回る一方で、真化の可能性を持った種を己の裁量で守ろうとし、地球の指標としてZ-BLUEとなった面々に烙印を刻んだ。そして新世時空震動により、真化の要素たる5要素の因子を持つ者達を火の文明の世界に送り込み、蒼の地球に自らが見出した者達と共に配置、時の牢獄によって静止した楽園を作り上げようとした。蒼の地球に集められたZ-BLUEの記憶を封じていた「針」の正体は、おそらくサクリファイの何らかの能力だと思われる。

翠の地球にドクトリンの注意を集め、蒼の地球に楽園を作り上げた。しかし、監視者として送り込んだガドライトは、その意志を外れて蒼の地球を滅ぼそうと動き出したため、やむなく鬼宿の隊長尸空に命令し、ジェミナイド最後の希望アンナロッタを排除させた。この様に、目的の障害となる者は容赦なく始末する等、冷酷な面も窺える(恐らく、それを命令した自分を哀しんでいるのだろう)。

御使いの中では唯一の穏健派かと思われたが、やはり他の御使い同様に強い傲慢と独善に染まっており、完全に人間を見下している。「哀しみ」を司るが、あくまでも己のもの(要は自分の行為が理解されず報われないことへの哀しみ)でしかないため他者を理解できない。そのため、己を理解しなかったZ-BLUEを敵と定め、自らドクトリンの元に戻った。

惑星エス・テランでは、アンゲロイ・アルカを多く差し向けてくるが、その中でZ-BLUEと戦うアサキムの姿を見て命の意味を思い出し、自分達に御使いになる資格が無かった事、そして人は結局神にはなれない事を悟るが、御使いの存在意義を否定したため突如現れたアドヴェントに吸収され消滅する最期を遂げた。その後、同じく吸収されたドクトリン、テンプティ、アサキムと共に至高神Z誕生の生贄となる。

名前の由来は「犠牲」「生贄」を意味する「Sacrifice」。

登場作品と役柄

Zシリーズ

第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
破界事変においてZEUTHの一部メンバーがADWへと転移したのは、彼女が刻んだ烙印が原因である。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
登場はしていないが、いくつかのインターミッション開始前に彼女の呟きが謎のメッセージとして表示される。
本作における最大の危機である時の牢獄を作り出した元凶にして、時獄篇における真の黒幕。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
序盤にも一度登場しており、終盤で次元牢にてZ-BLUEと対面する。前述した通り己を理解しないZ-BLUEを一方的に敵として定めるが、彼らとアサキムの生命を賭けた戦いを見せられた際に、自分達の行いが誤ちであった事を悟り謝罪するが、直後にアドヴェントに吸収された。
御使いの中では唯一CVが無い。

人間関係

喜びのアドヴェント
同胞。御使いの存在意義を否定した為、彼に至高神Z誕生の生贄として吸収されてしまう。
怒りのドクトリン
同胞。意見に反したため次元牢に閉じ込められてしまうが、Z-BLUEを敵と定めた後、自ら彼の元に戻る。
楽しみのテンプティ
同胞。
アサキム・ドーウィン
至高神再誕の為、彼にすべてのスフィアの収集を命じた。終盤、自身の庭で戦う彼の姿と言葉から、御使いが失った生命の意味を思い出す。
セツコ・オハラ
他者の悲しみを感じ取れる彼女をリアクターの洗礼名「ハマリエル・ザ・スター」の名で呼ぶ。しかしセツコと違い、サクリファイは自分の悲しみしか理解できない。
ランド・トラビスクロウ・ブルースト
セツコ同様、彼等の名も洗礼名で呼ぶ。
ガドライト・メオンサム
「時獄の監視者」として蒼の地球に送り込むが、彼がその命令に背いたため、彼の希望であるアンナロッタの処刑を決定した。
尸空
ジェミニスが命令に背いた場合、ジェミナイド再興の希望であるアンナロッタを処刑するよう命令した。
次元将ヴィルダーク
彼にサイデリアルの統率者として、スフィアの収集を命じていた。表向きは御使いに従っていたが、その裏では御使いに対する反抗を企てていた。

他作品との人間関係

ハーデス神トワノ・ミカゲ宇宙魔王ズール皇帝
偏った真化を遂げた者達。真化の意味を理解できず、間違った方向へ真化の道を進んだ彼らの存在を憂えている。
しかし御使いも彼らと同様、精神構造は身勝手かつ自己中心的であり、そのため真化の真理を理解していない存在である。
チームDダンクーガノヴァエレメントアクエリオンシモングレンラガン、並行世界のガンダムタカヤノリコガンバスター
それぞれ順に、「獣の血」「水の交わり」「風の行く先」「火の文明」のシンボルとして蒼の地球に引き込んだ。
桂木桂
「原初の特異点」である彼を他の御使いから隠すために、自身の裁量で蒼の地球に引き込む。
ゼウス神
天獄篇序盤で彼に干渉・妨害したのは、恐らく彼女だと思われる。

名台詞

時獄篇

いずれも彼女の呟きによるもの。

獣の血水の交わり風の行く先火の文明、そして、太陽の輝き
終天の静穏を、あなた達に……
第1話「禁忌という名の希望」より。
楽園の監視者 哀しき残され人
だから、せめてあなた達だけでも……
第15話「終末を抱いた神話」より。この話で、シンカの1つ「水の交わり」にあたるアクエリオンEVOLが初登場して、彼等が蒼の地球へと転移する事態が起こる。
廻る宇宙、廻る生命
誰もがそこから抜け出ることを願う
それがシンカへの道……
第34話「輪廻の宇宙」より。
静謐な時の流れ
誰にも侵されぬ安寧の日々
何故… 何故あなた達は、それを拒む?
第49話「開かれる扉」より。何故、自身が蒼の地球に与えた慈悲を人類が受け入れてくれないのか、どうやら本気で理解できていないらしい。
可能性という名の絶望
進化という名の滅亡
扉は開けられ、未来は閉ざされる
私には、もう救えない……
第59話「決戦の銀河」より。

天獄篇

至高神ソル…。それは私達が生み出した新たな太陽…1億2000万年前、私達を御使いへと生まれ変わらせたオリジン・ローを制御するためのシステム…」
第58話「哀しき墓守」より。至高神の正体をゼロに聞かれた際の台詞。ここで太極=至高神ソルの正体は、御使いが無限のオリジン・ローを生み出す為に、自分達の理想のとして作り出したシステムである事が判明する。
「あなた達は…私の気持ちを何もわかってくれない…」
「私達のやってきた事は間違いではなかった…。私の行為こそが誤りだった…あなた達のような未熟な種に私を理解してもらおうとした事は無駄でした」
「何故、御使いである私が、あなた達と共に歩まねばならないのです…あなた達は私の慈悲を受け、永遠の中で生きていきさえすれば、よかったのです」
「私は…あなた達の存在を認めません」
同上。やはり彼女も他の御使いと変わらず、自分達以外の生命を見下す傲慢と独善に凝り固まっていた。尤も、その慈悲永遠とは程遠い牢獄でしか無い…。所詮、相手を対等に理解しようとしないのに理解など得られるわけがないのである。
「私は生まれた場所へと帰ります。そして、そこで御使いとしての使命を果たします」
「真化に足を踏み入れたあなた達の精神を直接支配する事はできません…。あなた達は自らの意志で進むのを止めなさい」
「それが、あなた達に唯一出来る償いです」
「さようなら、ハマリエル。あなたなら、私の哀しみを理解してくれると思ったのですが、それは幻想でした」
「私はエス・テランに帰ります」
同上。自身の哀しみを理解してくれない「悲しみの乙女」のリアクターに一方的な決別を告げる。上述の通り、彼女の哀しみは自身にとっての哀しみでしかないので他者の悲しみをも理解するセツコでも理解するのは到底不可能でしかない。
「そこが私達の生まれた星…。そこに生きる人類が四人の御使いとして昇華した地…それは、この宇宙における天の川銀河の太陽系第3惑星…」
「そう…。私達は、あなた達と同じ地球人なのです」
同上。御使いが誕生した惑星エス・テランは、カオス・コスモスにおける地球であり、御使いはその星における地球人全て(正確にはエス・テランに存在した全ての生命)が一つに融合・4人に分離した存在である事が明かされる。
「あなた達とアサキム・ドーウィンの戦いを見て、私は命の意味を思い出しました」
「それは、1億2000万年前に私達が捨ててしまった大切なものなのです」
「認めます……私は、御使いとなったことを後悔しています」
「人は神にはなれない……私達は永遠を手にする資格はなかったのです…」
第60話「永遠へ」 より。その直後…。

関連機体

至高神Z
アドヴェントが完成させた新たな至高神。この為に生贄として捧げられる事になる。

余談

  • 上記の通り、彼女がエタニティ・フラットの仕掛け人であるが、時の牢獄はOGでのナシム・ガンエデン、魔装機神でのヨーテンナイが企んだ計画と類似する点がみられる。それは、形は異なるがいずれも「地球を封鎖して人の進化を停滞させる」ということ。また、この3名は「神の代理人たる存在で、エゴの下に主人公に敵対し、敗れた後は新たなる神を自称する存在によって利用される」という共通点がある。また、ガンエデンが座していた塔の名前「バラル」とは混沌という意味であり、ヨーテンナイが座していた「調和」の塔とは対義語になる。そして、サクリファイが座していた原初の宇宙「カオス・コスモス」は、それぞれ「混沌」と「調和」を意味しているなど、浅からぬ関係性が感じられる。加えて、サクリファイの行った行為はガンエデンのように問題の直視を避けた押しつけがましい善意であり、ヨーテンナイのように自分を憐れんで他者を拒絶する悪意でもあるといえる。