「スフィア」の版間の差分

提供: スーパーロボット大戦Wiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
 
(45人の利用者による、間の156版が非表示)
1行目: 1行目:
== スフィア(Sphere) ==
+
'''スフィア'''は「[[Zシリーズ]]」に登場するキーアイテムの一つで、崩壊・消滅した[[太極]]の意志の欠片。
崩壊・消滅した太極の意志の欠片。「十二の宝玉」とも呼ばれる大いなる力を引き出す鍵で、一時間軸の[[並行世界]]に一つしか存在しない(時空震動で[[多元世界]]となった場合、世界同士が融合するため、二つ以上のスフィアが一堂に会することはある)。
 
  
次元を超えたスフィアの争奪戦を「聖戦」、正式には「聖鍵戦争」という。これは太極の後継者争いとも言え、12のスフィアを手にした「最後の勝利者」が太極に至る事ができ、次元力を自在に行使出来るようになる。[[平行世界]]を彷徨う宿命を負わされた人物(「[[呪われし放浪者]]」と呼称される)は、太極に至ることで放浪と不死不滅の枷から解き放たれることができる。一つの平行世界に一つしかないという性質を鑑みると、この条件を満たせるのは事実上呪われし放浪者のみとなる(多元世界の住人にも可能性がないわけではないが)。
+
== 概要 ==
 +
「'''十二の宝玉'''」とも呼ばれる大いなる力を引き出す鍵で、一時間軸の[[並行世界]]に一つしか存在しない(時空震動で[[多元世界]]となった場合、世界同士が融合するため、二つ以上のスフィアが一堂に会することはある)。
  
 
名前は「[[黄道十二星座]]」の属する「黄道十二宮」から取られている。
 
名前は「[[黄道十二星座]]」の属する「黄道十二宮」から取られている。
  
スフィアという言葉自体は「球体」を意味する英語。
+
スフィアという言葉自体は「球体」を意味する[[英語]]。
  
== 性質 ==
+
== 基本性質 ==
スフィアの詳細に精通していると思しき[[アサキム・ドーウィン]]などの言や、作中の描写から推測すると、スフィアとは次のような性質を持つ存在であるらしい。
+
全部で12個が存在し、共鳴・覚醒させてセカンド・ステージに至らしめた人間を'''[[スフィア・リアクター]]'''と呼称する。[[黄道十二星座]]に対応した名を持ち、それぞれが対応する人間の精神の動きによって発動・行使される。ただし、感情や精神の動きを持っていれば'''人間でなくともリアクターとなり得る'''。
  
=== [[次元力]]を引き出せる ===
+
外見としては標準的なロボットのコクピットとだいたい同サイズの緑色の球体で、次元力を引き出すと翠緑の光を放つ。次元力を引き出すエンジンのような存在であるため、基本的に[[スフィア搭載機|機動兵器の動力として使用される]]が、覚醒が進めばそれ自体を兵器として使用することも出来る(劇中では無制限に撃てる時空震動弾としての使い方が多い)。
*当初は眠ったまま。機動兵器に搭載された上で、パイロットとなった人物が一定の条件を満たすことで目覚め、次元力を引き出す。
 
*かつてはひとつの何かであり、それは12の欠片(=スフィア)と幾多の英知に砕かれたという。この「幾多の英知」とは、スフィアが12の欠片として世界に散らばっていることからすると[[黒の英知]]であろう。
 
*力を引き出す鍵、つまりは次元力を操る鍵は「強い意志」。これは、ブラックホールに存在する「マイナスのオリジン・ロー」も同様。各スフィアに共鳴、覚醒するためにはスフィアに適した精神状態を保つ必要がある。
 
**精神状態によっては力を発揮できない。金への執着心で「折れない意思」以外に意識を向けさせることで過剰な力の発揮を抑えるクロウ、「相反する二つの意思」のうち片方の意思が強くなり過ぎて感情のバランスが崩れた事によってスフィアの制御を失ったガドライトがいる。
 
*同調率の上昇に伴って内在する因子が目覚め、一定の割合を超えると所持者は黒の英知を引き出せるようになる。
 
  
=== 生命体であり、意思、個性、性格、相性を備える ===
+
太陽の通り道である黄道の12星座に対応し、太陽に集約されたそれぞれの星座の次元力を引き出す効果を持つ。また、それには地球上にあることが最良<ref>星座を形作る星は、本来関係ない星々が地球上からは集まっているように見えているだけで、例えば極めて規則正しく並んでいるように見えるオリオン座の三ッ星ですら実際の位置はかなり離れている関係ない星がそう見えているだけである。従って他の惑星から見ればそれぞれの星座は別の形に見えてしまうし、仮にたまたま12星座が正しく見える惑星が他にあったとしても、太陽の見掛け上の通り道である黄道がこれら12星座に重なるとは限らない。スフィアが12星座に集約された太陽の次元力を引き出すものである以上、地球で最も効果を発揮するのは必然であるといえる。</ref>であり、そこに引き寄せられる。なので、地球に存在する可能性が高くなる。
*意志を持っている(「スーパーロボット大戦Z」のソフトバンククリエイティブの攻略本後書きにて寺田Pが明言)。
 
*生命体の進化に何らかの関わりを持つ。
 
*陰陽の側面を持つ太極の欠片であるため、星座で正対となっているスフィアは似た性質と相容れない性質が同居することになる。
 
*それぞれ、星座や[[タロット]]のアルカナに由来する固有の因果を持っている。モチーフとなった要素のうち、性格分類は能力、アルカナの寓画・寓意は属性、正位置・逆位置はリアクターの在り様を示す。スフィア同士が接触した時、相性が悪い場合は一方が一方の力を打ち消すが、相性がいい場合は互いに力を高め合い、源理の力を導くことも可能。逆に因果の干渉が起こらない場合は当然何も起こらない。
 
**確認されているのは、以下の3つ。
 
**#「知りたがる山羊はその好奇心で「偽りの黒羊」の嘘を暴く
 
**#「偽りの黒羊」はその嘘により「いがみ合う双子」の相反する感情を意思で自在に操り無効化する
 
**#「揺れる天秤」の折れない意志は「尽きぬ水瓶」の他者への慈愛をより大きなものとする
 
*スフィアが完全に目覚めていない、ファースト・ステージの状態で所持者を殺害した場合、スフィアはその人物から抜け落ち、別の宿主のところへ流れ着く。この場合、再度平行世界を巡り所持者を探し当てなければならない。またその際、前の所持者が非常に強い意志を持っていた場合、スフィア自体にその意志が影響を及ぼすこともある。
 
*反作用は最初に共鳴したスフィアのものであり、奪取したスフィアは含まれない。
 
*スフィアとの同調率が一定の度合いを越した兵器は、どこか生物的・有機的な性質を持つようになる。同調率の高い機動兵器は、機体もしくは武器の一部にクリスタル状のパーツがある。多くは緑色。ただし、機械的に力を引き出す場合はこの有機化が起こらない。これは同調率とは無関係で、力を引き出す方法の問題(スフィアの力を意思のみで引き出さないと起こらない)だが、力の優劣には関係しない(あくまで同調率の問題)。なお、機械的に力を引き出している機体にもクリスタル状のパーツは存在するが、これは次元力の影響である模様。
 
**力を使用する際に独特の共鳴音が鳴る(フォォォン、という音がフェードインし、同時に緑の光を放つ)。
 
*真の力を発揮することによって覚醒者には反作用として何らかの異常が発生する(「偽りの」黒羊を持つアイムは意味のあることが喋れなくなり、「傷だらけの」獅子に同調したランドは肉体的にも精神的にも激しい苦痛を感じた)。ただし、基本的に機動兵器に搭乗している時にしか起こらない(セツコは逆で、搭乗していない時に反作用が起きていた)。また、ガドライトや尸空、再世篇のセツコのように真の力を引き出しているにもかかわらず反作用らしきものが確認されていない場合もあるので、この反作用を乗り越えることがスフィアの覚醒の一つの段階であると思われる(おそらくサード・ステージへの移行段階)。
 
**反作用の正体はスフィアの持つ属性の顕在化。これはサード・ステージに移行することで「スフィア・アクト」として外界に適用可能(「偽りの黒羊」なら「意味のあることが喋れない(嘘か本当かわからない)→真偽の境界の歪曲」、「いがみ合う双子」なら「相反する感情のぶつかり合い→裏に隠れた感情の顕在化」、「沈黙の巨蟹」なら「感情を制する理性→精神運動の凍結」といった具合)。セカンド・ステージにおけるこれは一種の「最適化」であり、またスフィアが力を発揮するため、それに応じた精神状態を励起するためのアクションでもある。
 
  
=== 太陽系の地球でこそ、力を引き出せる ===
+
各リアクターは御使いからは専ら洗礼名で呼ばれる。この名前は全て黄道十二宮を守護する天使の名前から取られている(堕天した悪魔も設定されているが、これは関与しない模様)。
*[[太陽]]の通り道である黄道の12星座に対応し、太陽に集約されたそれぞれの星座の次元力を引き出す効果を持つ。また、それには[[地球]]上にあることが最良であり、そこに引き寄せられる。なので、どの世界においても地球に存在する(ただしこの条件の場合、12の星座のほかに同じく黄道に位置し、[[アスクレプス]]が関連すると思われるへびつかい座とへび座が含まれる)。
 
**ただし、「いがみ合う双子」だけはなぜかジェミナイに存在していた。逆説的に言えば、ジェミナイは時空を超えた地球であった可能性がある。
 
  
== 12のスフィア ==
+
十二星座の名前を持っているが、覚醒前の段階では外見も性質も同じなので区別がつかない。ただし、リアクター同士ならば相手のスフィアの名前を何となくのレベルで理解することが可能。
前述の通りスフィアの総数は12である(とされている)。再世篇にてユーサーにより、[[黄道十二星座]]に対応していることが明らかにされた。なお、セツコ、ランド、クロウ、ヒビキ共に初期誕生日と関連するスフィアの星座が一致しているが、スフィアを扱うにあたって関係あるかは不明(設定的に考えれば何のスフィアを扱うかの比喩であろう)。またスフィアそれぞれに属性があり、同調が進むと所持者はその属性に引きずられ、性質が変わって行く。
 
  
スフィア同士には相性があるらしく、「揺れる天秤」と「尽きぬ水瓶」の相性は良好で、逆に「偽りの黒羊」と「知りたがる山羊」との相性は最悪である。また、現在発覚しているスフィアの性質は、星座ごとの性格分類に近いもしくは逆の関係にあるものが多い。逆の性質も、自然が感じられなくなることで自然を愛する心が高まるという風に、マイナスの状況に追い込むことで因子を高めるための可能性もある。時獄編の時点によると「スフィアの代償は主に精神的な物」とのこと(ユーサーは表面的な変容が出てはいるものの、セツコやランドの症状はある程度は「そう強く思い込まされているだけ」の可能性がある)。ただ、大本の太極は陰陽、つまり相対する二つの要素の結合であるため、スフィアの反作用にも精神的なものと肉体的なもの、双方がある可能性が高い。
+
=== ステージ ===
 +
スフィアの覚醒段階を表す用語。全部で三段階あるが、三段階目は二つ存在する。
  
そして、スフィア所持者の性別と「十二宮」毎に割り振られている男性・女性の区分も一致していたが、[[尸空]]の登場で崩れている。「十二宮」は[[タロット]]とも関連があるが、こちらはどうやら同調者や覚醒し始めた状況と繋がっているようである。星座自体のモチーフも、覚醒条件と符合しているところがみられる。
+
ファースト・ステージではただの動力源であり、誰にでも使うことが出来る。
  
アサキムはさらに詳細不明の残り四つ(牡牛座・蠍座・射手座・魚座)のうち一つを所持している。タロットが所有者を表すとすると、可能性が高いのはタロットで悪魔と対の関係にある牡牛座辺りだろうか。蠍座だとしたら「悪魔」「死神」というおよそ最悪のイメージがそろうため、特に嫌な組み合わせである。
+
セカンド・ステージ以降は引き出した次元力による事象制御が可能となるが、このステージに至るにはスフィアの司る感情を精神の根幹に持つ、つまりはスフィアに適合した資質が必要となる。この資質を持ち、かつセカンド・ステージへ到達して初めてリアクターとなる。ただし、同時にリアクターはスフィアの属性に応じた反作用を受けることになるため、大半がここで脱落・死亡する。
  
このほかに有力視されているのが射手座。次から次へとスフィアの覚醒を促すアサキムの行動は'''射手座が司る性格分類そのもの'''であるほか、射手座の神話のケイローンは毒を受け、不死であるがゆえに苦しみ、最終的に不死身を捨てて死を選んでおり、不滅の呪縛を受け己の死を求めて彷徨うアサキムにこれでもかと言うほど合致している。
+
サード・ステージへ至るには、スフィアの司る感情を維持した上で反作用を受け、それに流されずスフィアに適合する精神状態を貫徹する必要がある。このステージへ至るとスフィアが完全に覚醒し、リアクターは搭載機に乗っていなくてもその力を引き出し、スフィア・アクトと言う事象干渉能力を操れるようになる。次元力の扱いに精通していればスフィアから無理矢理力を引き出すことも可能だが、スフィアと一体化するリアクターには劣る。
 +
ただし、この状態でも発動キーとなる精神状態が崩れるとスフィアは稼働不能になる他、'''スフィア側にリアクターが徹底的に合わせなければならない'''都合上、その精神的コンディションは基本的に悪くなり、最悪の場合ヴィルダークやガドライトのようにスフィアの属性に飲み込まれる(ヴィルダークなら「反抗心」によって最善の道に対して妥協が出来ず、ガドライトなら無意味・有害とわかっている=やりたくないのに行動に移してしまう)。
  
 +
真のサード・ステージへ至るには、スフィアの司る感情を維持した上で反作用を受け、それに流されずスフィアに適合する精神状態を貫徹し、'''さらにその精神状態を超越する境地へ至る'''必要がある。わかりやすく言えば通常のサード・ステージは「スフィアにリアクターが使われる」のに対し、こちらは「リアクターがスフィアを制御する」状態になる。
 +
スフィアではなくリアクター側がイニシアチブを取るため、精神的コンディションは基本的に良好だが、スフィア・アクトの使用、反作用の克服、事象制御の行使などは覚醒した時点ではセカンド・ステージよりマシなレベルであり、リアクターが次元力の扱いに熟練する必要がある。
 +
ただしここまで至れるリアクターはほとんどおらず(それこそスフィアの出どころである御使いですら知らないほど)、Z-BLUEに所属する4人のリアクターが天獄戦争においてこの境地に踏み入っている。
 +
この境地に至った場合、全てのスフィアの根幹に位置する「意思の力」により近づくことになる。
 +
 +
また、セカンド・ステージの状態である程度リアクターの成長が進むと、発動キーと同じ感情を感知出来るようになる。アイムはこれを利用し、戦域に満ちる「嘘」を自身のそれに同調させることで強引に「偽りの黒羊」をサード・ステージクラスの同調率まで引き上げるという荒業をやってのけた(アイム自身はセカンド止まりなので反作用はそのまま)。また、セツコは真っ当にリアクターとして成長したため、再世戦争の時点で反作用を克服しつつあり、悲しみの感情を感知する力を見せていた。
 +
 +
ちなみに、資質さえ持っていればリアクターでなくともスフィア・アクトを使用することは可能。この関係で、資質を持った人間(リアクターとリアクター候補)が同じ機体に乗っている場合、より強く力を引き出すことが出来る。天獄戦争最終局面では「相反する感情の衝突とその超越」を力とするいがみ合う双子の力を、Z-BLUE全員で引き出した事例が見られる。
 +
 +
=== 反作用 ===
 +
セカンド・ステージに移行したリアクターが、スフィアの力を引き出すことによって受ける弊害。様々な意味で生命に関わる重大なものが多いが、その本質はリアクターにスフィアが与える試練のようなもの。そのため、現状判明している反作用はスフィアとの共鳴状態の維持を妨げるような内容がほとんどである。
 +
 +
これを乗り越えることによってサード・ステージに移行する。より正確に言えば、反作用を乗り越える精神状態が、そのままサード・ステージへの移行条件になっている。反作用はサード・ステージに適した精神状態に近づくほどに弱まり、完全なサード・ステージに至ると克服する事が出来る(ランドやクロウのように反作用を一部しか克服していない場合もある)。バルビエルのようにセカンド・ステージ未満から一気にサード・ステージに駆け上がった場合、反作用がどのように作用するのかは不明。
 +
 +
=== スフィア・アクト ===
 +
サード・ステージに至ったスフィアが発現する事象制御能力。それぞれの属性に応じた能力が使用可能になる。使い手がサード・ステージのリアクターで無くとも、スフィアの扱いに精通している場合行使可能であるが、純粋なサード・ステージのリアクター程は使いこなせない模様。
 +
サード・ステージには細かな段階があり、これが一定のラインを超えると自由に行使可能になるが、それまでは条件が揃うたびに勝手に発動する。
 +
 +
この力には差異があり、反作用を押し付けて敵に効果を発揮するものとリアクターの精神を伝播させて味方に効果を発揮するものがある。スフィアによって方向性も様々な力を発揮する。
 +
 +
実は、基本的には「他人に害を与える力」が発現するのだが、「いがみ合う双子」「傷だらけの獅子」「悲しみの乙女」「揺れる天秤」の4つはリアクターが反作用を完全に克服したことによって、より広範なさらなる力を発揮するようになった。これは御使いにとっても想定外だったらしく、ドクトリンの戦闘台詞にそれをうかがわせるものがある。
 +
 +
=== 相性 ===
 +
スフィアはそれぞれ固有の因果を持ち、相性の良し悪しが存在する。相性が良いと共鳴が発生して互いの力を高めるが、悪いと一方が一方を無力化する。判明している相性は次の通り。
 +
 +
*「知りたがる山羊」は「偽りの黒羊」の嘘を好奇心で暴く
 +
*「偽りの黒羊」は「いがみ合う双子」の相反する感情を偽って無力化する
 +
*「悲しみの乙女」は「怨嗟の魔蠍」の憎しみを悲しみで包み、癒す
 +
*「傷だらけの獅子」は「欲深な金牛」の与える痛みに耐えることで互いの力を高める
 +
*「尽きぬ水瓶」は「揺れる天秤」の強い意思に触れることで自己犠牲の意志を強める
 +
 +
また、これ以外に「揺れる天秤」が「沈黙の巨蟹」に強いと推測されているが、尸空が苦手としていたのはクロウの意志であり、「スフィアは関係なくお前が気に入らない」と述べていた。後述の法則からすると相性関係はないらしい。
 +
 +
相性が悪くとも、リアクターの力の差が圧倒的な場合は無効化できないとされており、奪取したスフィアの力を機体の機能だけで引き出す場合も無効化は不可能と言及されている。なお、元々至高神ソルの感情の中核として、矛盾する感情を両立させる役割を果たしていた「いがみ合う双子」は相性に関係なく複数のスフィアの力を統合して使用する事が可能である。
 +
 +
複数のスフィアのリアクターとなるのは理論上は可能である(後述するルーツから考えれば、それぞれの感情・意思を最大限に保ちつつ、矛盾した相反する感情はいがみ合う双子の境地を持って両立させる)が、実際になれたのは特殊な出自を持つアサキムのみであり、実質は不可能。アサキムの例を見るに、その場合相性が悪いスフィア同士でも力を引き出すことは可能な様子。
 +
 +
作中で描かれるのは上記5つだけであるが、ここから「減衰・増幅対象になっているのは、その星座から左周りへ2,3,4番目にある星座のいずれかで重複しない」という共通点が垣間見られ、残りの相性もある程度推測できる可能性がある。
 +
 +
=== ルーツ ===
 +
Zシリーズの宇宙のひとつ[[カオス・コスモス]]において、全宇宙に先駆けて[[真化]]を遂げた生命体である[[御使い]]の誕生した[[惑星エス・テラン]]で創造された、次元力を制御するためのシステムたる人造神「'''[[至高神ソル]]'''」が自我に目覚め、御使いの行いを戒めるためと、己の存在への悔悟により自らを破壊した際に[[黒の英知]]と共に発生した12の断片で、それぞれがソルの感情の一つを司っている。人格の大元となる「いがみ合う双子」を中心核とし、11の感情を統合する形で成り立っている。
 +
 +
[[アイム・ライアード|アイム]]や[[ガイオウ]]の台詞に「'''ソルの記憶'''」「'''ソルの心'''」というワードがあり、何かの比喩と考えられていたが言葉通りのものであった。十二星座の名前は、各々の属性と対応する星座から御使いがつけた識別コードのようなもの。
 +
 +
また、リアクターそれぞれには、スフィアの本質を表した「洗礼名」が存在する。パターンは「(星宮の守護天使)・the・○○」。
 +
 +
超時空修復で[[至高神Z]]が消滅した際、リアクターを失っていた「偽りの黒羊」「欲深な金牛」「沈黙の巨蟹」「怨嗟の魔蠍」「立ち上がる射手」「知りたがる山羊」「尽きぬ水瓶」「夢見る双魚」は共に消滅している。残る「いがみ合う双子」「傷だらけの獅子」「悲しみの乙女」「揺れる天秤」がどうなったのかは不明だが、用語辞典では「消滅したのは8つ」と明言されているため、搭載機の中に未だ残っていると考えられる。
 +
 +
ちなみに、'''至高神ソルというシステムの完成時には存在しなかったイレギュラー要素'''。スフィアは「ソルの'''心'''」であり、自らの霊子と真化融合を果たしたソルが自我に目覚めて感情を芽生えさせ、それによって自らを破壊した経緯をかんがみても、元々は存在していなかったと推測される。
 +
 +
=== モチーフ ===
 +
設定のモチーフは前述の通り十二星座。この他、共通項の多さからタロットの大アルカナがある程度参考にされていると思われる。星座には性別の割り振りが存在するが、リアクターの条件とは関係ないようである。事実、スフィアにある程度精通したAGは当初「男性」の割り振りであるふたご座のスフィアの奪取を「女性」であるスズネに任せる心算でいた。
 +
 +
== スフィア一覧 ==
 +
星座の順に表記する。
 
=== 偽りの黒羊 ===
 
=== 偽りの黒羊 ===
リアクターは[[アイム・ライアード]][[アリエティス]]により運用が可能。'''「現実から逃避する意志」'''によって覚醒し、自身・他者問わず'''「嘘」'''によって活性化する。スフィアが存在していた世界は不明。
+
*星座:おひつじ座
 +
*リアクター:[[アイム・ライアード]]
 +
*搭載機:[[アリエティス]]
 +
*発動キー:「嘘」
 +
*反作用:「言語能力の混乱」
 +
*スフィア・アクト:「真偽の境界の歪曲」
  
同調が進むとリアクターは感情の高ぶりに伴って意味のある事が喋れなくなり、サード・ステージに入ると'''単語としてすら成立しなくなる'''。このためクロウをして「相当なもの」と言わしめたが、この反作用に限れば実は現状一番安全なスフィアだったりする(他のスフィアの反作用が肉体か精神への重大な負荷であるのに対し、このスフィアの反作用は比較的だがある意味非常に軽い上に感情が高ぶらなければ起きない、'''つまり感情の平静を保つこと自体が反作用対策になる'''ため。)。もっとも、最終的に誰も彼に見向きもしなくなれば「嘘」という概念自体が成立しなくなってしまうが。更に同調が進むと「'''真偽の境界の歪曲'''」が可能となり、自らの死を偽り、自身の嘘(=偽物。要は実体を伴った分身)をいくらでも生成できる能力を得ていた(明言されてはいないが恐らくサード・ステージにおけるスフィア・アクトだと思われる)。
+
アイムのいた世界に存在したスフィア。資質を持った人間を外から操り、器となる搭載機を作らせるなど危険な方向で確固たる意志を持っている。至高神ソルの「物事を偽る意志」「自己防衛」を司る。
  
'''機動兵器に搭載されていなくとも条件を満たした者が近くにいれば覚醒し、同調の度合いが低くても覚醒者を自分の意に添うように動かす'''など危険な方向で確固たる意思と力を持っており、アリエティス自体もこのスフィアがアイムと名乗る前の彼をコントロールして作らせた。そのため、決して肉体的ダメージがないからと言って本当に安全なスフィアというわけではない(むしろアイムを見てわかるように、嘘で塗り固められた人生を送り続ける事で、「嘘付き」と見做されて誰からも信用されなくなる為、ある意味では危険なスフィアとも言える。いくら一番安全といっても上記のようにあくまでも'''反作用でリアクターが受ける被害が一番軽いから'''に過ぎない。当のアイムは完全に開き直っていたのか全く気にしていない様子ではあったが。しかし上記のように同調が進めば死を偽れるようになる='''リアクターが自分の意思で文字通りの不死身になれる'''ため、生存性もスフィアの中では現状一番高い)。
+
嘘、つまり自分を偽る意志によって力を発揮する。反作用の正体は言葉を混乱させることで真実と嘘の境目をなくし、嘘をつけなくしてしまうこと。それをも超えて己を偽り続ける意志を貫徹することでサード・ステージに移行する。
  
対の位置にある「揺れる天秤」の力が「思考の貫徹=己を偽らない力」であるのに対し、こちらは「'''己を偽る力'''」と言える。「相反する感情を意志で制御する⇒己の意志を偽る」という側面から、「相反する感情の衝突=己の意志と向き合うこと」を力とする「いがみ合う双子」の力を完全に封じることが出来る。このスフィアの力を引き出すには「嘘をつく⇒己の知る真実とは違うことを自分の意志で口にする⇒己を偽る意志」が必要となるため、他者に嘘を暴かれて己の意識と向き合わされた時点で停止してしまう。そのため、真実を強制的に暴き立てて外界に開示する「知りたがる山羊」との相性が最悪。
+
真実の自分を暴かれると力が崩壊するため、あらゆる真実を好奇心で暴き出す「知りたがる山羊」との相性が悪く、再世戦争ではこの方法で無力化された。逆に、嘘をつくということは己の感情から逃避することでもあるため、相反する感情の両立を妨害することで「いがみ合う双子」を無力化することが出来る。ただし、「いがみ合う双子」が本当のアクトを発現している場合、マスターコアとしての機能により返り討ちにされる。
 +
相生関係のスフィアは不明。「本来持っている己を偽る」という意味では、人として生来持つ感情を抑圧することで稼働する「沈黙の巨蟹」と相性がいいと思われる。
  
アサキムに奪われたと思われていたが、再世篇では「自分が死んだ」という稀代の大嘘を実行して生存したアイム共々再登場を果たした。最後にはアサキムの「知りたがる山羊」によって無力化され、ユーサーに討たれたことでその手に渡った(スフィア・アクトの内容から殺しても死なないという性質を得られるので、サード・ステージへの移行段階に入って以降は無力化しないで奪う方法が存在するかは不明)。
+
反作用の内容だけなら一番安全であり、極まると己の死すらも嘘に出来るため、生存性もかなり高い。
 +
スフィア・アクトを発現すると目の前の現実すらも偽ることが出来、再世戦争ではアイムが実体を持った分身を多数出現させていた。
  
ちなみに「黒羊」と言うが、牡羊座は「白羊宮」である(黒毛と偽る羊⇒白毛の羊、ということか?)。
+
対極となる「揺れる天秤」に対し、このスフィアの力は文字通り「'''己を偽る力'''」と言える。
 +
 
 +
洗礼名は不明だが、守護天使の名前はマルキダエル。
  
 
;牡羊座(アリエス)
 
;牡羊座(アリエス)
 
:星座のモチーフは、継母の謀略によって生贄にされかけた兄妹を救うためにゼウスに遣わされた金の皮を持つ羊。
 
:星座のモチーフは、継母の謀略によって生贄にされかけた兄妹を救うためにゼウスに遣わされた金の皮を持つ羊。
:ちなみに、妹は羊に乗って逃げる際、あまりの速度に耐え切れずに転落死してしまった。「極めて危険な状況からの逃避」という点において、進退窮まってなお嘘をつき続けて現実から逃避しようとしたアイムと重なる。また、「双子」の一方を実質殺した、というのも意味深である。「'''神によって使わされた羊'''」という点から深読みすると、アイムのスフィア狩りはサイデリアルの指令によるものだった、いわば「加入試験」だった可能性がある。
+
:ちなみに、妹は羊に乗って逃げる際、あまりの速度に耐え切れずに転落死してしまった。「極めて危険な状況からの逃避」という点において、進退窮まってなお嘘をつき続けて現実から逃避しようとしたアイムと重なる。
 
:性格分類においては、「強い自意識」を司るとされ、自分を守るための意志が転じて嘘全般を力とすると思われる。
 
:性格分類においては、「強い自意識」を司るとされ、自分を守るための意志が転じて嘘全般を力とすると思われる。
 
:割り振りは男性。
 
:割り振りは男性。
 
 
;皇帝
 
;皇帝
 
:タロットでは「皇帝」のアルカナと関連付けられる。
 
:タロットでは「皇帝」のアルカナと関連付けられる。
 
:このカードのデザインは「社会的権力の象徴」を、正位置が'''「権威」「安定」「意思」「行動力」'''を意味し、更に逆位置が'''「無責任」「傲慢」「横暴」「傲岸不遜」'''を意味しているので安定した社会的地位に執着して嘘をつき続け、覚醒後は自分の意思で精力的に幾多の世界を渡り歩き、影響を考えずに嘘をまき散らして混乱を巻き起こし、傲慢・横暴・傲岸不遜で慇懃無礼を極めたアイムに相応しいと言える。
 
:このカードのデザインは「社会的権力の象徴」を、正位置が'''「権威」「安定」「意思」「行動力」'''を意味し、更に逆位置が'''「無責任」「傲慢」「横暴」「傲岸不遜」'''を意味しているので安定した社会的地位に執着して嘘をつき続け、覚醒後は自分の意思で精力的に幾多の世界を渡り歩き、影響を考えずに嘘をまき散らして混乱を巻き起こし、傲慢・横暴・傲岸不遜で慇懃無礼を極めたアイムに相応しいと言える。
 +
 +
=== 欲深な金牛 ===
 +
*星座:おうし座
 +
*リアクター:[[エルーナルーナ・バーンストラウス]]
 +
*搭載機:[[プレイアデス・タウラ]]
 +
*発動キー:「欲望」
 +
*反作用:不明
 +
*スフィア・アクト:「他者の力の強奪」
 +
 +
どこかの世界に存在したスフィア。プレイアデス・タウラの動力として未覚醒時から使用されていた。至高神ソルの「欲望」を司る。
 +
 +
何かに対する強い欲望によって力を発揮する。エルーナルーナは戦いに対する強い欲求によって力を行使している。その反作用は、欲望の根源をなくすことで、それをも越えて求める意志を促す「'''充足感の励起'''」だと思われる。
 +
 +
スフィア・アクトは他者の力を奪い取ること。機動兵器での戦闘では相手の機体のエネルギーを強制的に低下させるという形で現れる。そのため、「欲望のままに奪う」このスフィアは、「奪われる痛みに耐える」傷だらけの獅子との相性が良く、ぶつかると互いに力を上昇させる。
 +
 +
他者の力を欲望のままに奪うこのスフィアの力は、反対の位置の「怨嗟の魔蠍」に対し「'''他を求める力'''」と言える。
 +
 +
洗礼名は不明だが、守護天使の名前はアスモデル。
 +
 +
;牡牛座(タウラス)
 +
:星座のモチーフは、ニンフの女性エウロペに恋したゼウス(ギリシャ神話の主神)が変身した白い牡牛。
 +
:この牡牛はエウロペを乗せて孤島であるクレタ島へと連れ去り、そこで正体を現して求婚するというなかなか無茶なアクションを起こしている(ゼウスは女性絡みで無茶をすることが多い)。最初は牛のようなアーマーを着込み(さらに男と思われていた)、求める相手との激闘を以て素顔を見せ、欲求をさらけ出した彼女の動向を彷彿とさせる。
 +
:性格分類においては、「マイペースで頑固」という性格を司る。それは即ち他人のペースを一切気にしないということであり、転じて自己欲を優先する「欲深」とされると思われる。なお、'''おうし座は争いを嫌う'''が、エルーナルーナはバリバリの戦闘狂である。
 +
:割り振りは女性。
 +
:対の星座は蠍座。
 +
;教皇
 +
:タロットでは「教皇」と関連付けられる。
 +
:「教皇」の寓意は正位置が'''「慈悲」「連帯」「優しさ」「規律・法の遵守」'''、逆位置が'''「守旧性」「束縛」「独りよがり」「逃避」「おせっかい」'''。
 +
:このカードは「悪魔」と真逆の構図で描かれており、デザインには宗教的聖性や霊的象徴の協調などが暗示され、「救済」の寓意を持つカードである。また、法を記した書物を持たず霊性を司る十字架を携えるなど、教皇が人間を超越した法そのものであると暗示している。
 +
:No.5のカードであることを強く意識したデザインをしており、2つの柱とその真下に2人の従者(聖職者)、中央に教皇本人というトランプの5のような並びに固定されている。この3人は、教皇の力が精神・魂・肉体全てに及んでいることを示しているという(あくまで主役は教皇本人で対等ではない)。ちなみに、2人の聖職者は左右対称な点を除けば判を押したかのようにそっくりなデザインをしている。エルーナルーナは父親の安全という保守的な理由で戦っており、また身内に対しては争いを抑えたり連帯を重んじたりとその寓意に合致する性格を持っている。ついでに戦闘前台詞でランドからおせっかい呼ばわりされる場面がありこれも逆位置を思わせる。
  
 
=== いがみ合う双子 ===
 
=== いがみ合う双子 ===
リアクターは、[[ガドライト・メオンサム]][[ジェミニア]]により運用が可能。最終的に[[ヒビキ・カミシロ]]がガドライトから奪い取り、[[ジェニオン]]で運用されている。存在していた世界は不明。ジェミナイが存在していた世界にあったことは判明している。
+
*星座:ふたご座
 +
*リアクター:[[ヒビキ・カミシロ]]
 +
*搭載機:[[ジェニオン|ジェミニオン・レイ]]
 +
*発動キー:「相反する感情」
 +
*反作用:「精神崩壊」
 +
*スフィア・アクト:「霊子との同調」
 +
 
 +
[[惑星ジェミナイ]]に存在したスフィア。当初は[[ガドライト・メオンサム]]がリアクターであり、[[ジェミニア]]に搭載されていたが、[[時獄戦役]]末期にヒビキが奪取しリアクターとなった。至高神ソルの心の中核を為す。
 +
 
 +
反作用の正体は、相反する感情が大きくなりすぎて「ぶつかり合う」状態を維持できなくなり、プラスとマイナスの感情が互いを相殺し合ってゼロになったことによる「'''思考の消滅'''」である。ただし、外から喝を入れる、「揺れる天秤」の力で意志を励起するなど外部から復帰させる手段は多い。
 +
 
 +
スフィアの中で唯一、二つの感情を発動キーとしているのも特徴。ガドライトの場合は故郷を滅ぼされたことに対する「怒りと諦め」、ヒビキは運命に対する「希望と絶望」で稼動させている。相反する感情を両立させ、強い意志によって相克状態を超越、その先にある可能性を掴むことでサード・ステージに移行し、以後はその境地によって稼動する。これはリアクターに限らず人間ならば誰しもが至り得る境地であり、「二つの人格」を持つスズネや、[[マーグ]]の魂と闇の力を受け継いだ[[明神タケル|タケル]]も同様の境地に至り、力を手に入れている(そのためリアクターであるヒビキは、「いがみ合う双子のリアクターは、決して特別な資格ではない」と述べている)。その関係上、力を引き出せる人間がもっとも多いスフィアでもある。
 +
 
 +
前のリアクターであるガドライトはサード・ステージを自称し「表面化する感情の逆転」のスフィア・アクトを発現していたが、これは反作用を受けずにサード・ステージに移行したことによる半端物。サード・ステージに至るには、他のスフィア同様発動キーを満たして反作用を受ける状態になり、その上でそれを乗り越える意志が必要になるが、ガドライトはここに挑まなかったのが原因である。
 +
そして、誰にでも至り得るとは言っても、この境地にたどり着くのは並大抵では済まない精神力と意志の強さが必要とされるため、バルビエルは12の中でもっとも複雑な条件を持つこれを「欠陥スフィア」と評していた。
  
'''「相反する二つの意志」'''('''より正確には、ある感情の裏にある対極の意志。'''ガドライトの場合は'''「母星を失った憤怒とそれができない自分に対する諦観(プラスの中のマイナス)」'''、ヒビキの場合は'''「運命に屈する絶望とそれを覆す希望(マイナスの中のプラス)」''')によって覚醒・活性化する。同調が進むと、リアクターは活性化に使用される感情のうちマイナス面が増幅されていく。このため、力を引き出すには対極に存在するプラスの感情を自らの意志で無理やりにでも励起させねばならず、「サイデリアルに勝てない」という諦念を増幅されたガドライトは怒りの根源を「ジェミナイの滅亡」から「ジェミナイが滅び、地球が守られる理不尽」へと変えることで強引にスフィアを稼動させていたが、その結果行動が逆恨みからの八つ当たりと化し、引きずられる形で人間性そのものも、かつてとはかけ離れた退廃的なものへと変貌していった。
+
真のスフィア・アクトは、多元世界の万物万象すべてに宿る意志、即ち霊子とリンクし、それを仲間に伝播させる力。当然ながら仲間同士の意志もリンクするため、この力を受けた者は己の肉体や乗っているマシンをより直接的に操れるようになる(ゲーム中では技量の上昇という形で表される)。要は、[[真化#真化融合|真化融合]]を擬似的に起こす力である。
  
スフィア・アクトは「'''表面化する感情の逆転'''」であり、ガドライトはこの力で、他者の表面化しているもののさかしまに当たる感情(怒りなら恐れ、喜びなら悲しみなど)を顕在化させることで[[スペースノイド]]と[[アースノイド]]の対立を煽って開戦に仕向け、[[Z-BLUE]]の戦意を諦観へと変換した。実質、裏の欲求を表出化させるものであるため、能力解除後にもスイッチされた感情に対して違和感を感じることはない模様。また、本人の言や代償から、顕在化する感情は元の感情と同程度の強さとなる模様(要は絶対値が同じ)。
+
さらにこの力は他のスフィアに対して使用することも可能であり、共鳴条件や相性を無視して力を引き出す、あるいは抑え込むことが可能。ただし、リアクターの意志が完全に一致しない場合で複数の統合制御を行った場合、リアクターの心身に巨大な負担がかかる。
  
ただし、あまりに強い意志の持ち主に対しては完全に意志を交代させることは出来ず、スズネのように二面性を持つ人間の場合、隠されていた別の側面が出てくることもある。さらに感情の一部分のみを反転させることもできないため、連邦軍兵士が持っていた「[[ゼロ (コードギアス)|ゼロ]]に対する不信感」が「[[信頼]]」に反転したことで、ゼロは連邦軍に対してギアスを使うことなく撤退させることに成功している。
+
太極たる至高神ソルの存在は、多くの矛盾を孕みながら生きていく「人間」そのものであり、その核として矛盾を両立させるこのスフィアは太極の簡易版、つまりミニチュアとしての側面を持つ。そんなこのスフィアの力は、反対の位置にある「立ち上がる射手」とは逆、いわば「'''自分に打ち克とうとする力'''」と言える。言うなれば、いがみ合う双子の力を発揮する真のキーとは「'''克己心'''」言い換えれば「'''人間的な成長'''」であるといえる。
  
釣り合った二つの感情の衝突を力とするこのスフィアの特性は、さしずめ「'''対極を否定する力'''」と言える。
+
相反する感情のバランスが崩れると力が破壊されるため、その均衡を嘘でかく乱する「偽りの黒羊」に無力化される。しかしこれはセカンド・ステージの話であり、それを超越したサード・ステージに移行した後は無効となる。
  
力を引き出すために必要なのは「相反する意志の衝突⇒己の感情と向き合う意志」。そのため、「己の感情に向き合わず逃避する」ことを強制する「偽りの黒羊」との相性が最悪(感情の衝突自体が起きなくなる)。また、二つの感情が釣り合った状態でないとやはり停止してしまうため、リアクターは常に己の感情のバランスを保つ必要がある。絶えず己と向き合い、勝つことも負けることも許されないという意味では、ある意味リアクターにかかる精神的負担がもっとも大きいスフィアとも言える。さらに、偽りの黒羊同様にリアクターに対して勝手に「感情の反転」を発動している節がある(無駄な戦いを仕掛ける・特異点の情報をばらすなど、やらなくていいどころかやってはいけないことをやらかしている)。
+
洗礼名は「'''アムブリエル・ジ・オーバーライザー'''」。矛盾を乗り越えて生きる超越者である。
  
なお、このスフィアについては「双子」という名前、そしてガドライトとヒビキの存在から「'''一対であり、二つ存在するのではないか(ジェニオンは元々片割れを持っていたのではないか)'''」という説がまことしやかに囁かれているが、そうだとすると、半分ずつとは言え覚醒の条件を満たし、同じくリアクターの資質を持っていながら、ガドライトは自在に扱いこなし、ヒビキは扱うどころか存在自体気づかない、というのは明らかにおかしく、ジェミニアが無制限に稼動するのに対し、ジェニオン・ガイが出力不足でまともに運用できなかったことからも否定できる(半分ずつ持っていたとすると、スフィアは共鳴せずとも単純動力としては使用できる点から鑑みて、ジェミニアだけが稼動できてジェニオン・ガイが出力不足、という事態は普通ありえない)。スズネが乗った途端に出力が上昇した点や「欠片」なる何かを搭載しているらしい話からして、あるとすれば遠隔的・断片的に双子座の力を引き出す端末のようなものが搭載されていると思われる。
+
余談だが「いがみ合う」は漢字だと「啀み合う」と書く。
  
このスフィアには他との根本的な違いとして、'''地球ではない別の星に存在していた'''という点がある。
+
ちなみにガドライトのスフィア・アクトの正体は厳密には感情を逆転させるものではなく、'''表面化している感情に対して逆の感情を励起し、ぶつかり合わせる'''というもの。
 +
例えば劇中でも描写された元敵対勢力同士のぶつかり合いの場合、「遺恨を捨てて歩み寄る」という行動の裏には「必要がなければ歩み寄りたくなどない」という感情が存在する。そもそも人が何か行動を起こす時、強い意志を以てそれを行うのなら、本音では同じくらいそんなことはやりたくないと思っているのである(だからこそそれを実行するために「強い意志」がいる)。ガドライトの力はこの「意思の裏側の感情」、要は心の底の本音を引き出すため、まず抗いようがない。
  
 
;双子座(ジェミニ)
 
;双子座(ジェミニ)
 
:星座のモチーフは、カストールとポリデュークスという双子。
 
:星座のモチーフは、カストールとポリデュークスという双子。
:このうち、弟のポリデュークスは半人半神の不死身、カストールはただの人間であった(母レダの重複妊娠による別々の双子の片割れ同士であり、カストールは神の血を引かない)。ある日イリスとリュンケウスという別の双子との諍いの結果、カストールは殺されてしまい、ポリデュークスは大いに悲しんだ。そこで、ゼウスはポリデュークスの神性をカストールに分け与えたという。
+
:このうち、弟のポリデュークスは半人半神の不死身、カストールはただの人間であった(母レダの重複妊娠による別々の双子の片割れ同士であり、カストールは神の血を引かない)。ある日イリスとリュンケウスという別の双子との諍いの結果、カストールは殺されてしまい、ポリデュークスは大いに悲しんだ。そこで、ゼウスはポリデュークスの神性をカストールに分け与えたという。なお、カストールもポリデュークスも双子のもう一方は両方女性である。
 +
:性格分類においては、「'''社交性'''」を司るとされており、異なる他者とコミュニケーションを取るのが転じて相反する感情の両立を力とすると思われる。
 
:割り振りは男性。
 
:割り振りは男性。
:双子座やその神性は、カストールとポリデュークスの二人を合わせて一つである(片方の力がもう片方に宿った)ことも加味すると、'''一方(ガドライト)がマイナスの側面を満たし、その上でそれを奪ったもう一方(ヒビキ)がプラスの側面を満たして初めて完全に覚醒するとも取れる'''。これならば、「いがみ合う双子=全てが酷似し、それゆえに相容れない両者」という名前にも納得の行く説明となる。なお、奪取時において、ガドライトは心のバランスを崩され資格を喪失し、逆にヒビキはそれまでの「絶望の中の希望」と同時に「'''後一歩でガドライトを倒せる希望の前に立ちふさがる、ジェニオンが動かない絶望'''」という、ガドライトが担当していた「希望の中の絶望」の部分も満たしている。
 
:このことから、「マイナスの中のプラス」と「プラスの中のマイナス」という、真の意味で対極な二側面を得たことで正式な所有者としてスフィアが認めたとも考えられる(前述の通り双子座の神話でも、兄弟の諍いは別の双子と合わせて計4人で行われ、星座も二人でセットである)。仮にここまでやらないと覚醒しないのであれば、'''ある意味『尽きぬ水瓶』以上に覚醒が困難なスフィアと言える'''。
 
:性格分類においては、「社交性と神経質さの二面性」を司る。すなわち、相反する2側面を意味し、まさにその代償やスフィア・アクトを指し示していると言える。
 
 
 
;恋人
 
;恋人
 
:タロットでは「恋人」と関連付けられる。
 
:タロットでは「恋人」と関連付けられる。
 
:なお、このカードはウェイト版が一組の男女であるのに対し、マルセイユ版は男性一人に女性二人という構図の違いがあるが、どちらでも中心に天使が描かれる(ちなみに、タロットカードの主人公はあくまで人間であり、天使などはサポート役である)。マルセイユ版の二人の女性は、ある種の権力を有する立場から男性の意識・理性をつなぐ女性と情熱的アプローチで男性の無意識・本能をつなぐ女性とされ、天使は後者の味方であるという説もある。
 
:なお、このカードはウェイト版が一組の男女であるのに対し、マルセイユ版は男性一人に女性二人という構図の違いがあるが、どちらでも中心に天使が描かれる(ちなみに、タロットカードの主人公はあくまで人間であり、天使などはサポート役である)。マルセイユ版の二人の女性は、ある種の権力を有する立場から男性の意識・理性をつなぐ女性と情熱的アプローチで男性の無意識・本能をつなぐ女性とされ、天使は後者の味方であるという説もある。
 
:「恋人」の寓意は正位置が'''「絆」「趣味への没頭」「試練の克服」'''、逆位置が'''「不道徳」「空虚」「結婚生活の破たん」'''など。
 
:「恋人」の寓意は正位置が'''「絆」「趣味への没頭」「試練の克服」'''、逆位置が'''「不道徳」「空虚」「結婚生活の破たん」'''など。
:こうしてみるとわかるが、「自堕落で酒に溺れ」「確固たる目的を持たず」「恋人と死別した」ガドライトはウェイト版の逆位置、「多くの仲間と友を得」「オカルト趣味にのめりこみ」「テンシへの恐怖を乗り越えた」ヒビキはマルセイユ版の正位置が示す寓意とモチーフ、寓画に当てはまっている。
+
:こうしてみるとわかるが、「自堕落で酒に溺れ」「確固たる目的を持たず」「恋人と死別した」ガドライトはウェイト版の逆位置、「多くの仲間と友を得」「オカルト趣味にのめりこみ」「テンシへの恐怖を乗り越えた」ヒビキはマルセイユ版の正位置が示す寓意とモチーフ、寓画に当てはまっている。天獄篇では逆転し「恋愛問題に悩み」「過去の絶望に飲まれ」「マキとの関係が消滅した」ヒビキがウェイト版の逆位置、「父親となり」「裏で暗躍し」「諦めを乗り越えた」ガドライトがマルセイユ版の正位置に対応している。
 
:デザインに描かれる「天使」に関しても、「テンシ」に関わったことで全てを失ったガドライト、「テンシ」に関わったことで家族を失ったが多くの仲間、そしてパートナーを得たヒビキ、と対応している。
 
:デザインに描かれる「天使」に関しても、「テンシ」に関わったことで全てを失ったガドライト、「テンシ」に関わったことで家族を失ったが多くの仲間、そしてパートナーを得たヒビキ、と対応している。
 +
:また、双子は教皇・月・太陽など複数のタロットに登場する重要な要素であり、マルセイユ版において人間として最後に登場するのも男女の双子であるため、スパロボZを締める「人間」の役割としてはこれ以上ないスフィアと言える。
  
 
=== 沈黙の巨蟹 ===
 
=== 沈黙の巨蟹 ===
リアクターは[[尸空]][[尸逝天]]により運用が可能。ちなみに読み方は「ちんもくのきょかい」。
+
*星座:かに座
 +
*リアクター:[[尸空]]
 +
*宿主:[[尸逝天]]
 +
*発動キー:「虚無」
 +
*反作用:不明
 +
*スフィア・アクト:「感情の抑圧」
 +
 
 +
「[[鬼宿]]」が住んでいた世界に存在したスフィア。他のスフィアと異なり、伝説の生き物の死骸に寄生している。至高神ソルの「理性」を司る。わかりやすく言えば、このスフィア(の感情)があったためにソルは死を選べたのである。
 +
 
 +
発動キーの正体は「死への志向性」であり、分かりやすく言えば人間の心の中にある死の本能、心理学でいう「デストルドー」のことであり、Zシリーズの世界観で言う「消滅しようとする力」そのものである。
  
反作用などの詳細は不明。尸空の物腰と態度からすると、覚醒条件は'''「感情を制する理性」'''と推測できる。
+
自らの感情を抑圧し、己の精神を死に向かわせようとする意志によって力を発揮し、その中に己を保とうとする理性によってサード・ステージに移行する。そのため、活気や生命力に溢れた「生きている」人間では共鳴できず、意志そのものを持たない死者でも無理である。「沈黙の巨蟹」のリアクターとなり得る人間とは、生きたまま死を体現する存在……つまり「消滅しようとする力」を正しく導く「鬼宿」の人間='''生きたまま死んでいる人間達'''であり、尸空の場合は種族としての能力にスフィアが同調している。
 +
人として本来持っている感情を表に出さず、全ての行動を理性によって行うその姿は、何も知らない他者から見れば人間性の欠落した「虚無」の存在に見えるだろう。
  
対の位置にある「知りたがる山羊」が好奇心を力とするのに対し、精神の情動を破壊するこのスフィアの特性は「'''欲求を抑え付ける理性'''」と言える。
+
反作用は不明だが、発動キー、そして反作用の共通項である「リアクターの死に繋がる」リスクからすると'''「感情の増幅」'''だと思われる。感情任せの行動によって死のリスクを増やし、それに負けず己を抑制する意志によって覚醒するのだろう。
 +
スフィア・アクトは感情の動きの抑圧。相手の戦う意志や抗う精神を無力化し、耐性のない者が受け続けると意識を喪失する。特殊効果としてはSPが回復しなくなると言う形で表現されている。
 +
 
 +
相性関係は不明。
 +
ちなみにこのスフィアの発動キーとなっている「虚無」だが、スフィアの力の根幹に意志の力が介在することを考えると、より正確に言えばそれは「死を恐れず、自然なものとして受け入れる意志」だと思われる。尸空が天獄編において、度々内心の激情を抑え損なって表に出しかけているシーンがあるのがそれを裏付ける(つまり「死への恐れ=生きたいという欲求を理性で抑え付ける」ことが同調の条件と思われる)。
 +
裏を返せばそれができずに感情を表に出してしまえばこのスフィアは無効化されるため、人間としてもっとも根源的な感情である「欲望」を引っ張り出す「欲深な金牛」に弱いと考えられる。
 +
逆に全ての感情を己の中に仕舞い込むため、感情をリンクさせることで力を発揮する「悲しみの乙女」に強いと思われる(「悲しみの乙女」は他人のための悲しみによって力を発揮するが、悲しみという感情は基本的に自己完結するものであるため、それを心の中に抑え込まれると何もできなくなる)。
 +
 
 +
ひたすらに己の自我を抑え、理性で全ての行動を行おうとするこのスフィアは、対極にある「知りたがる山羊」とは逆の「'''欲求を制する理性'''」と言える。
 +
 
 +
洗礼名は「'''ムリエル・ザ・ゲート'''」。生と死の狭間に聳え立つ虚無の扉である。
  
 
;蟹座(キャンサー)
 
;蟹座(キャンサー)
 
:星座のモチーフは、英雄ヘラクレスによって踏み殺された化け蟹カルキノス。
 
:星座のモチーフは、英雄ヘラクレスによって踏み殺された化け蟹カルキノス。
 
:異父兄弟であるヒュドラ退治にやってきたヘラクレスを倒そうとしたがあっさりと踏み潰されてしまった。
 
:異父兄弟であるヒュドラ退治にやってきたヘラクレスを倒そうとしたがあっさりと踏み潰されてしまった。
:性格分類においては、「保守的」を司る。
+
:性格分類においては、「保守的」を司る。自己主張をせず明確な自我を有さないという気質に関連して、意思を無へと傾ける能力となると思われる。
:割り振りは女性。ただし、[[尸空]]は男性である。
+
:割り振りは女性。ただし、[[尸空]]は男性である。ちなみに、搭載機の尸逝天は幼生(子供)の存在が確認されているため『雌』の可能性がある。
 
 
 
;戦車
 
;戦車
 
:タロットでは「戦車」と関連付けられる。また、このカードのデザインは「宿命」「変容」を表しているとされる。
 
:タロットでは「戦車」と関連付けられる。また、このカードのデザインは「宿命」「変容」を表しているとされる。
:描かれているのは「若い王が乗り、四本の柱を持ち、二頭の馬を生やし、車輪が横向きに取り付けられた戦車」。このデザインは「人間の内面のさまざまな要素が一つの方向に揃う」ことを意味しているが、車輪が横向きであるため動けない。他のスフィアはタロットの寓意やデザインを意識した属性や力を持っていることを考えると、このスフィアのスフィア・アクトは特殊能力の効果と「沈黙」という名前、桂のリアクションからして、「'''人間の精神運動を停止させる'''」力なのかもしれない。
+
:「戦車」の寓意は正位置が'''「勝利」「征服」「行動力」「積極性」「解放」'''、逆位置が'''「暴走」「不注意」「身勝手」「挫折」「焦り」「好戦的」'''。
:タロットの正位置・逆位置共に、現状判明している尸空のキャラクターとは全く合致しない(辛うじて正位置の「征服」が当てはまる。逆位置の「好戦的」に当てはまる可能性もあるがこちらはこじつけの感が拭えない)ため、尸空と尸逝天は前のリアクターからスフィアを奪取したか、あるいはこれから奪取されるかの可能性が高い。
+
:描かれているのは「若い王が乗り、四本の柱を持ち、二頭の馬を生やし、車輪が横向きに取り付けられた戦車」。このデザインは「人間の内面のさまざまな要素が一つの方向に揃う」ことを意味しているが、車輪が横向きであるため動けない。これがつまり、全く動かない心→死の方向に精神を統一することで稼動する設定に繋がっていると見られる。
 +
:タロットの正位置・逆位置共に、尸空のキャラクターとは全く合致しない(辛うじて正位置の「征服」が当てはまる)上に性別の割り振りも違う。これはさそり座も同じであり、サイデリアルのリアクター達は神話や大アルカナのモチーフとはほとんど関係ない設定を組まれている(そもそもキャラの掘り下げが少ないせいもあるが)。
  
 
=== 傷だらけの獅子 ===
 
=== 傷だらけの獅子 ===
リアクターは[[ランド・トラビス]][[ガンレオン]]により運用が可能だが、制御には[[メール・ビーター]]が必要となる。存在していたのは『[[戦闘メカ ザブングル]]』『[[オーバーマン キングゲイナー]]」『[[∀ガンダム (TV)|∀ガンダム]]』の世界観を包括した「荒廃世界」。
+
*星座:しし座
 +
*リアクター:[[ランド・トラビス]]
 +
*搭載機:[[ガンレオン]]
 +
*発動キー:「忍耐」
 +
*反作用:「リアクターへの激痛」
 +
*スフィア・アクト:「生命力の励起」
  
'''「心身問わず痛みに伴う叫び」'''によって覚醒し、'''「痛みに抗う意志(要は根性)」'''によって活性化する。
+
荒廃世界に存在したスフィア。ガンレオンごと前のリアクターの元から漂流してきた。至高神ソルの「忍耐力」「生存本能」を司る。
  
対となる「尽きぬ水瓶」は己を省みない慈愛を力とするが、それに対応するこちらの特性は、'''「痛みに抵抗する力」'''と言える。
+
心身の痛みに耐えようとする意志によって力を発揮し、痛みに耐えるだけでなく、痛みに負けない強い意思を貫くことで真のサード・ステージへ移行する。
 +
また、ガンレオンの意志によって、メールが死亡した際に分離・融合して蘇生させた経緯があり、以後多元戦争終結までの間、機体とメールに分かれて存在していた。その関係か、このスフィアは起動するだけならメールでも可能。
  
同調が進むと覚醒者は次元力を使う度に反作用としてリアクターに激痛を伴う負荷がかかるが、一過性のものでアイムやセツコ、ユーサーのように深刻な状態にはならない(無論、力を使わなければ何も起こらないし、ガンレオンはそもそもマグナモードにならないと次元力を使えない)ため、「他のスフィアと比較すれば」という枕詞がつくものの現在判明しているスフィアの中では「偽りの黒羊」の次に安全である。
+
反作用はリアクターの心身にとんでもないレベルの激痛がかかるというもの。これに耐え切れず悲鳴を上げてしまうと、'''次元力を暴走させ時空震動を起こす'''という「揺れる天秤」並みの危険度を誇る。ただし次元力を使わなければ何も起きない。
  
ただ、「偽りの黒羊」と違い反作用の発生によって戦闘に支障をきたす危険性はこちらの方がずっと高く、その負荷も'''ランド自身の強靭な肉体と精神で何とかしのげている'''のであって、常人には耐えられない程の凄まじさであるため、やはり安全なスフィアというわけではない(そもそもスフィア自体が等しく危険物であるのだが)。なお、このスフィアは次元力の抽出をメールが、その制御をランドが行うため、二人揃っていないと運用できない。
+
スフィア・アクトは「激痛の伝播」だが、ランドは真のサード・ステージに至ったことにより、その痛みに耐える爆発的な生命の力を周囲に伝播させる能力として発現させた。特殊効果としては全味方パイロットの防御が上がるという形で表現。
 +
痛みに耐える生命の力によって発動するこのスフィアの力は、対極にある「尽きぬ水瓶」に対し、わかりやすく「'''痛みに抗う力'''」と言える。
  
ちなみに、このスフィアは現在登場しているスフィアの中では覚醒度が一番低い。ガンレオンの動力は明言されていないが、「燃料だってタダじゃない」というメールの戦闘台詞と、ランドの出身世界が「ザブングル」の世界観であることからして'''ウォーカーマシン同様のガソリンである可能性が高い'''。そうでなくとも、Z序盤の大時空震動の後、スフィアと同化したメールを欠いたまま戦闘に参加している=スフィアがなくても動き、戦える。つまり、このスフィアは他のスフィアと異なり'''リアクト・マシンの動力として機能していない'''のである(「悲しみの乙女」はガナリー・カーバーの動力として機能している)。再世篇における[[ZONE]]突入により進行してはいるが、それでもセカンド・ステージ止まりの模様。
+
その属性ゆえに、力を奪い取るという形で痛みを与えに来る「欲深な金牛」と相性が良く、ぶつかると互いの力を大きく高める。
 +
無力化関係は不明だが、忍耐とは簡単に言えば「我慢」であり、我慢することはつまり、受け入れつつも屈さない=己を守ることである。そのため、理不尽や痛みを与える存在に対して抗うことで力を発揮する「立ち上がる射手」に強いと思われる(「立ち上がる射手」は要するに納得できないものに抗うことで稼働するが、こちらとぶつかればそれに対して「我慢しろ」と言われる=納得できないものを受け入れるように抑え付けられる)。
 +
 
 +
洗礼名は「'''ウェルキエル・ザ・ヒート'''」。痛みと熱によって自らを鍛える鋼である。
  
 
;獅子座(レオ)
 
;獅子座(レオ)
:星座のモチーフは、英雄ヘラクレスによって討ち取られたネメアの森に住まう大獅子。
+
:星座のモチーフは、英雄ヘラクレスによって討ち取られたネメアの森に住まう人食いの大獅子。分厚い毛皮と甲羅のような筋肉で斬撃でも打撃でも'''傷つく事は無い'''という怪物。散々暴れまわり、ヘラクレスとの死闘でも武器を受け付けずに有利に戦うが、最終的にはヘラクレスに締め上げられて窒息死した。
:散々暴れまわった大獅子だったが、ヘラクレスとの死闘の果てに殺された。「暴れん坊」「人間に叩きのめされる」「死亡(から転じて断末魔)」といった点は、シエロに根性を叩き直された元ごろつきのランドが、痛みによる絶叫を上げたことでスフィアが覚醒したことと重なる。
+
:「暴れん坊」「人間に叩きのめされる」「死亡(から転じて断末魔)」といった点は、シエロに根性を叩き直された元ごろつきのランドが、痛みによる絶叫を上げたことでスフィアが覚醒したことと重なる。
 
:性格分類においては、大胆で激しいという性質とともに「力の象徴」を司っており、強い力を与えることが転じて痛みを引き金にすると考えられ、性質自体がランドの性格と一致している。
 
:性格分類においては、大胆で激しいという性質とともに「力の象徴」を司っており、強い力を与えることが転じて痛みを引き金にすると考えられ、性質自体がランドの性格と一致している。
 
:割り振りは男性。
 
:割り振りは男性。
 
 
;力
 
;力
 
:タロットでは「力」のアルカナと関連付けられる。
 
:タロットでは「力」のアルカナと関連付けられる。
:このカードは本能を象徴するライオンとその制御を象徴する女性が描かれており、ランドの性格はこのカードの正位置とも合致している。タロットも関連があるとするなら、おそらくメールがスフィアに取り込まれたのは偶然ではないと思われる。
+
:「力」の寓意は正位置が'''「強固な意志」「不撓不屈」「理性」「勇気」「冷静」'''、逆位置が'''「甘え」「人任せ」「優柔不断」「権勢を振るう」'''。
 +
:このカードは本能を象徴するライオンとその制御を象徴する女性が描かれており、ランドの性格はこのカードの正位置とも合致している。タロットも関連があるとするなら、おそらくメールがスフィアに取り込まれたのは偶然ではないと思われる。なお、ジ・エーデルはこのスフィアを奪う実験機として[[カオス・レオー]]を開発していたが、もしレーベンがリアクターとなっていたなら、女性に対応するのは恐らくエーデルだったと思われる。また、レーベンが'''逆位置に当て嵌まる'''のは何とも皮肉である(更にランドには獅子の名は相応しくないと言われてしまっている)。
  
 
=== 悲しみの乙女 ===
 
=== 悲しみの乙女 ===
リアクターは[[セツコ・オハラ]][[バルゴラ・グローリー]]が所持している武装「ガナリー・カーバー」により運用が可能。存在していたのは「宇宙世紀」の世界。
+
*星座:おとめ座
 +
*リアクター:[[セツコ・オハラ]]
 +
*搭載機:[[バルゴラ・グローリーS]]のナウティラス・カーバー
 +
*発動キー:「悲哀」
 +
*反作用:「五感の減衰」
 +
*スフィア・アクト:「感覚の同調」
 +
 
 +
宇宙世紀の世界に存在していたスフィア。機体そのものではなく武器の方に搭載されている。
 +
悲しみの感情によって力を発揮し、それに負けない強い意志によってサード・ステージへ移行する。至高神ソルの「悲しみ」を司る。
  
'''「絶望に伴う慟哭」'''によって覚醒し、自身・他者問わず'''「悲哀の感情」'''によって活性化する。
+
多元戦争時にリアクターとなったセツコは反作用によって味覚が消失し、視覚も消えつつあったが、それに負けずに戦う意志を貫徹したことで覚醒が進み、いち早くサード・ステージに足を踏み入れている。ただし、彼女だけは機体から降りているときにその症状が発生している。セカンドステージで発生する反作用はスフィアとの共鳴を妨げるものがほとんどである中、五感が減衰すればさらに悲しみに包まれるのでむしろ共鳴関係の維持を強制する効果ともとれる。ただ、怨嗟の魔蠍との関係を考え併せると、恐らくは自分のことで手一杯になってしまうような状況においても『他者を悲しみ、癒そうとする意思』を持ち続けることができるかということなのだと思われる。後述のスフィア・アクトや洗礼名のことも考え合わせると、このスフィアが要求する「悲哀」とは自らの不遇を嘆く感情では無く、他者の境遇を想い悲しみ、共感して力になろうとする感情であると考えられる。
  
同調が進むとリアクターの五感が失われていく。ただし他と異なり、機動兵器に搭乗していない時に起きる。戦闘中の感覚消失はそのまま死に直結する(=スフィアが目覚められない)ためと思われる。このスフィアに関してはバルゴラ製造時に何処かから持ち込まれたものと思われるが、由来は不明。
+
スフィア・アクトは感覚を他者にリンクさせること。いわばニュータイプの持つ感応能力の近縁種とも言える。この力で他者の悲しみに同調することで、出力を大幅に引き上げることが可能。
 +
セツコが再世篇で見せていた「悲しみの感情の探知」はこれの片鱗であり、連獄篇では一気にサード・ステージに移行した影響で居合わせた全員の悲しみにリンクした結果、異様なローテンションに陥った反面戦闘力が爆発的に上昇していた(ゲーム的には気力限界を振り切って200になる)。
 +
なお通常のサード・ステージの場合どうなったのかは不明だが、フェイクの力がSPの減少であることから、悲しみを伝播させ心を疲弊させるものだと思われる(この場合だと、「怨嗟の魔蠍」は憎しみを癒されるのではなく、疲れ切った心が憎しみを維持できなくなる)。
  
登場したスフィアの中では真っ先にサード・ステージの兆候を見せており、再世篇のセツコは反作用を受けている描写がないほか、スフィア・アクトの片鱗と思しき「'''他者の悲しみを感知する'''」能力を見せている。
+
洗礼名は「'''ハマリエル・ザ・スター'''」。悲しみという闇の中に光る星である。
  
 
;乙女座(ヴァルゴ)
 
;乙女座(ヴァルゴ)
:星座のモチーフは正義と天文の女神アストライアー(冥王ハーデスに誘拐されて娶られてしまった、春と花の女神ペルセポネという説もある)。
+
:星座のモチーフは正義と天文の女神アストライアー(冥王ハーデスに誘拐されて娶られてしまった、春と[[花]]の女神ペルセポネという説もある)。
:彼女は争いを続け神に見放されつつある人間を最後まで信じて地上に残った女神であるが、やがて絶望してしまう。流される血で人間に絶望するという展開はまさに上官や想い人の死とレーベンの悪意に絶望して覚醒した彼女と重なる。ペルセポネにしても、レーベンとのやり取りと似た「親切にしてくれたので信じてみたが、実は不可逆な状況に追い込むための罠だった」という流れが存在している(ペルセポネの場合は母・デメーテルの怒りのサボタージュで地上が大変なことになったため、ハーデスが折れてめでたく帰還と相成ったものの本心では離れたくなかった彼の罠に嵌められて冥界のザクロを四粒食べてしまい、一年の内四ケ月を冥界で過ごす羽目になった)。
+
:彼女は争いを続け神に見放されつつある人間を最後まで信じて地上に残った女神であるが、やがて絶望してしまう。流される血で人間に絶望するという展開はまさに上官や想い人の死とレーベンの悪意に絶望して覚醒した彼女と重なる。ペルセポネにしても、レーベンとのやり取りと似た「親切にしてくれたので信じてみたが、実は不可逆な状況に追い込むための罠だった」という流れが存在している(ペルセポネの場合は母・デメーテルの怒りのサボタージュで地上が大変なことになったため、ハーデスが折れてめでたく帰還と相成ったものの本心では離れたくなかった彼の罠に嵌められて冥界のザクロを四粒食べてしまい、一年の内四ヶ月を冥界で過ごす羽目になった)。
 
:性格分類においては、「自然を愛する心」を司っており、自然=周囲を感じられなくなることで自然を求める意思が強化されるために力が引き出されると思われる。
 
:性格分類においては、「自然を愛する心」を司っており、自然=周囲を感じられなくなることで自然を求める意思が強化されるために力が引き出されると思われる。
 
:割り振りは女性。
 
:割り振りは女性。
:グローリーのガナリー・カーバーは一応「ノーティラス⇒オウムガイ」がモデルとなっているのだが、全体的なシルエットは魚に近い。乙女座は占星術上魚座の対極に位置するため、ガナリー・カーバーの形状もそれに関連していると思われる。
 
 
 
;隠者
 
;隠者
:タロットでは「隠者」のアルカナと関連付けられる。
+
:タロットでは「隠者」のアルカナと関連付けられる。
:この隠者のモチーフは三つのヘルメスが合わさった「ヘルメス・トリスメギストス」であり、3機の[[バルゴラ]]を統合した[[バルゴラ・グローリー]]と無縁ではないだろう。仮にもし「3機の情報の統合」が覚醒の前提条件であるなら、'''製造したメーカーはある程度このことを知っていた可能性が高い'''(3機存在しなければ覚醒自体不可能になる)。
+
:「隠者」の寓意は正位置が'''「経験則」「思慮深い」「思いやり」「単独行動」'''、逆位置が'''「閉鎖性」「消極的」「誤解」「悲観的」'''。
 +
:この隠者のモチーフは三つのヘルメスが合わさった「ヘルメス・トリスメギストス」であり、3機の[[バルゴラ]]を統合した[[バルゴラ・グローリー]]のモデルとなったことを推察させる。
  
 
=== 揺れる天秤 ===
 
=== 揺れる天秤 ===
リアクターは[[クロウ・ブルースト]][[ブラスタ]]および[[リ・ブラスタ]]により運用が可能。存在していた世界は正確には不明だが、恐らく西暦か『[[コードギアス 反逆のルルーシュ|コードギアス]]』の世界だと思われる。
+
*星座:てんびん座
 +
*リアクター:[[クロウ・ブルースト]]
 +
*搭載機:[[リ・ブラスタT]]
 +
*発動キー:「意志」
 +
*反作用:「判断力の消滅」
 +
*スフィア・アクト:「意志力の伝播」
  
'''「折れることのない強い意志」'''によって覚醒及び活性化(クロウの場合は「借金を返済する意志」)する。
+
西暦世界に存在していたスフィア。[[クロノ]]保守派が保持していたものをエルガン・ローディックが持ち出し、カルロス・アクシオン・Jrを経てスコート・ラボに持ち込まれた。至高神ソルの「判断力」を司る。
  
同調が進むとリアクターは次元力行使の際、思考が固定されて正常な判断が出来なくなる。さらに、意志の遂行を阻む者は味方だろうと排除すると推測されている。この際、暴走したキャラを止める際の鉄板である「仲間の呼び掛け」は一切効果がなかった。ただしクロウの場合、金に対する執着がそのまま残るため、同調率が上がると小銭の落ちる音を鳴らす「CDS(コイン・ドロップ・システム)」で自意識を保っている。
+
「迷いの中でも折れることのない強い意志」によって力を発揮し、それに振り回されず判断力と己を保とうとする意志によってサード・ステージに移行する。
  
なお、嘘を力とする「偽りの黒羊」の対の位置にあり、その特性は「'''己を偽らない力'''」と言える。
+
このスフィアの真の力は「天秤」の名の通り、皿にものを乗せてその重さを量るように、感情に揺れても迷っても折れることだけはない強い意志によって物事を比較し、その本質を見極めることにある。スフィア・アクトはその、本質を見抜く強い意志力を他者に伝播させること。本質を見抜くことが転じて正確な狙いを定めることに繋がると思われる。
  
このスフィアは[[カルロス・アクシオン・Jr.]]が[[トライア・スコート]]の元へ「VX」として持ち込み、さらに元を辿れば[[エルガン・ローディック|エルガン]]が[[アクシオン財団]]に持ち込んだものである。エルガンの元の所属を考えると[[クロノ]]が保有していたのかも知れない。<br />「金の音で正気に戻す」というあまりにバカバカしい対応策や、あっさり対処されたことから見落とされがちだが、「反作用に自分の意思で対処する」ことが出来ないため、実は現状判明している中ではトップクラスに危険なスフィアである([[ゼロシステム]]を極端にしたような状態となる他、間接的にだが'''反作用の被害が他者に及ぶ''')。しかもクロウの場合、'''借金がないと制御できない'''という事になり、挙句の果てに'''当人もそれを理解している'''。覚醒と活性化の条件が現状判明しているスフィアで'''一番易しい(方向性すら問わない)'''ことの代償なのだろうか?
+
反作用の正体は、リアクターの意志を目の前の感情に向けさせることで本質から目を逸らさせるというもの。クロウは[[ジェラウド・ガルス・バンテール]]との戦いでこの状態に陥ったが、当人曰くジェラウドの生き様に嫉妬を抱いたことが原因。感情に流され判断能力を喪失し、その状態で固定されてしまうのが暴走の原因である。これに負けず直感力を維持し、真実や本質を見切ろうとする強い意志を貫くことによってサード・ステージへと移行する。ただし、反作用の性質上リアクター単身で対処するのはほぼ不可能に近い。
  
力を引き出すためには前述の通り、何でもいいのでとにかく強く折れない意志を保つ必要がある。このように力を引き出す手段は単純だが停止する条件もまた単純で、何かに負けて意志が折れた時点で停止してしまう。
+
クロウは再世戦争でこの問題を解決するため、筋金入りの守銭奴という自身の性格を利用して、コクピット内に金の音を鳴らす「コイン・ドロップ・システム」を採用することで反作用に対処。天獄戦争でサード・ステージに至ったが、再世戦争終盤の時点でアクトの片鱗を見せており、ゼロ・レクイエムが何のために行われているのかを察知していた。
  
性格分類においては、自由を愛し執着しない「無頓着」を司るが、逆に言えば「自由に執着している」ということである。このため、自由(=自分の意思による選択)に縛られ、それを阻む全てを拒絶し、迷いを生む要素を全てシャットアウトする性質があると思われる。それでもなおコインの音で意志を取り戻せるのは、借金という不自由の象徴を連想させるためと考えられる。また、コインは「自由を阻む」という意志を持ってないことも、彼の耳に届く理由であると考えられる。なおクロウは後に、「敵を倒す」という一点にのみ意識を集中することで、スフィアの力を最大に引き出しつつ自意識を保つ「アンブレイカブル・フルクラム」という攻撃を編み出している。
+
このスフィアが求める意志とは、上述した通り迷いの中でも折れない意志だが、言い換えれば'''リアクターは心の中に迷いを抱えている必要がある。'''何の迷いも躊躇いもないまっすぐな、要はシンプルに強い意志ではリアクター足り得ないのである(つまり「迷っても揺らいでもそれを表に出さず、乗り越える強い意志」が必要)。そのため、自己犠牲による慈愛(=死への迷いと、その先にある希望)を力とする「尽きぬ水瓶」とは「迷いの中の決意」という形で発動キーが共通するため相性が良い。
  
互いに「自己選択に伴う強い意志」をキーとするためか「尽きぬ水瓶」との相性が良好。
+
洗礼名は「'''ズリエル・ジ・アンブレイカブル'''」。揺らがぬ精神で道を切り拓く意志である。
  
 
;天秤座(リーブラ)
 
;天秤座(リーブラ)
187行目: 317行目:
 
:割り振りは男性。
 
:割り振りは男性。
 
:占星術上において天秤座は牡羊座と対の関係にあたる。それに迎合したかのように、このスフィアと「偽りの黒羊」は覚醒と活性化の条件だけでなく、反作用までもが見事に対極である(強い意志があれば簡単に力を得られる一方で、反作用が最も危険で対策も難しい「揺れる天秤」と、常に嘘を吐き続けなければならない一方で、反作用が最も安全で感情が高ぶらなければ発生さえしない「偽りの黒羊」)。
 
:占星術上において天秤座は牡羊座と対の関係にあたる。それに迎合したかのように、このスフィアと「偽りの黒羊」は覚醒と活性化の条件だけでなく、反作用までもが見事に対極である(強い意志があれば簡単に力を得られる一方で、反作用が最も危険で対策も難しい「揺れる天秤」と、常に嘘を吐き続けなければならない一方で、反作用が最も安全で感情が高ぶらなければ発生さえしない「偽りの黒羊」)。
 
+
:性格分類においては「個人主義」を司り、これが迎合せず己を貫くことを力とすると思われる。
 
;正義
 
;正義
 
:タロットでは「正義」のアルカナと関連付けられる。
 
:タロットでは「正義」のアルカナと関連付けられる。
 
:そのため、このスフィアにとっての正義とは「どんな形であれ'''折れることのない強い意志のこと'''」である可能性は高く、それを証明できる者が力を引き出せるということかもしれない(実際、クロウの意志の強さは全編を通じて随所で描写されている)。このカードには天秤が描かれているが、左右の皿のサイズが異なっている。公平とは対称でないことを示しており、割に合わない借金を背負うが、それがないと己を保てないクロウをイメージさせる。
 
:そのため、このスフィアにとっての正義とは「どんな形であれ'''折れることのない強い意志のこと'''」である可能性は高く、それを証明できる者が力を引き出せるということかもしれない(実際、クロウの意志の強さは全編を通じて随所で描写されている)。このカードには天秤が描かれているが、左右の皿のサイズが異なっている。公平とは対称でないことを示しており、割に合わない借金を背負うが、それがないと己を保てないクロウをイメージさせる。
:ちなみに、「正義」の正位置は'''「公正」「誠意』(例:借金を全うに返済する意思)'''を意味し、逆位置は'''「不均衡」「被告人」(例:借金を返せない人)'''を意味する。
+
:ちなみに、「正義」の正位置は'''「公正」「誠意」(例:借金を全うに返済する意思)'''を意味し、逆位置は'''「不均衡」「被告人」(例:借金を返せない人)'''を意味する。
 
:また、天秤は弁護士の象徴である。すなわち、'''片方には罪(例:過ぎた力を求める)、片方には罰(例:借金を負う)'''が乗せられるということである。借金に縛られないと主体性を維持できないクロウが過ぎた自由や力などを求める限り、決して借金から逃げられないということなのだろうか。
 
:また、天秤は弁護士の象徴である。すなわち、'''片方には罪(例:過ぎた力を求める)、片方には罰(例:借金を負う)'''が乗せられるということである。借金に縛られないと主体性を維持できないクロウが過ぎた自由や力などを求める限り、決して借金から逃げられないということなのだろうか。
 +
 +
=== 怨嗟の魔蠍 ===
 +
*星座:さそり座
 +
*リアクター:[[バルビエル・ザ・ニードル]]
 +
*搭載機:[[アン・アーレス]]
 +
*発動キー:「憎悪」
 +
*反作用:不明
 +
*スフィア・アクト:「憎悪の励起」
 +
 +
バルビエルが住んでいた世界に存在していたスフィア。至高神ソルの「憎悪」を司る。
 +
 +
読んで字のごとく、憎しみの感情によって力を発揮する。その憎しみが薄れれば力は弱まり、なくなれば崩壊する。知的生命体ならば誰もが抱く感情であるため、相性はさほど選ばないことが特徴。
 +
 +
スフィア・アクトは他者の抱える憎悪、あるいは劣等感や嫉妬心といった負の感情を暴走させ理性を失わせる力だが、元から他人を憎むという行為から無縁な[[ガルガンティア船団]]のような人間達には効かず、バルビエルの場合ナノマシンを併用している関係で月光蝶やトランザムバーストにも弱い。また、ハマーンのような精神の強靭な相手、あるいはプライドの高い相手には跳ね除けられることもあり、字面ほど万能な力ではない。端的にいうと、憎しみという火種を燃え上がらせる能力であり、火種はもちろんのこと燃え続けられる環境と焼くべき対象がなければ機能しない。さらに言うと、燃え上がらせた後のコントロールもできない。
 +
 +
ゲーム上では装甲値減少という形で再現されている。Zシリーズの世界観ではパイロットの意思が機体に影響を与えるため、己の身を省みない程の他者への憎悪を励起させられることが転じて、機体の防御の力(装甲値)を下げているという事なのかもしれない。
 +
 +
憎しみに生きることを悲しみ、心を癒そうとする「悲しみの乙女」との相性が致命的に悪い。
 +
 +
反作用は不明だが、人為的にこの力を引き出していたクラヴィアが解放後に記憶を失ったことからして、恐らく憎しみの根源たる過去を失わせる「'''記憶喪失'''」だと思われる。そして、記憶を奪われてもなお憎しみを持続させるだけの強い意思によってサード・ステージに移行する。Zシリーズには登場していないが、「[[宇宙の騎士テッカマンブレード]]」の[[Dボゥイ]]が終盤に陥った状況に似ていると考えられる。
 +
 +
周囲に対して「あらゆるものを求める欲求」を力とする「欲深な金牛」に対し、このスフィアはいわば「'''他を拒絶する力'''」と言える。
 +
 +
洗礼名は「'''バルビエル・ザ・ニードル'''」。人の憎しみを煽り立てる毒針である。
 +
 +
;蠍座(スコーピオ)
 +
:星座のモチーフは、狩人オリオンの傲慢に怒った女神の使いで、オリオンを刺し殺した蠍(この蠍、一説では妹・アルテミスがオリオンとゴールインするのを阻止したかったアポロンが、オリオン暗殺計画の要として用意した工作員であるとも)。
 +
:星座になった後の話として、自らの父がアポロンだと認めさせるため、太陽の馬車を無理やり運転して黄道を走ったパエトーンがさそり座に差し掛かった際、馬の足を刺したために馬車が制御不能となり、天地の破壊を恐れたゼウスによってパエトーンは殺された、というものがある。
 +
:性格分類においては、「探究心と持久力」を司る。決めた一つをひたすら求める気質は世の中と折り合いをつけることができず、報われない結果から嫉妬などを糧とする憎悪へと転じるものと思われる。
 +
:割り振りは女性だが、バルビエルは男性である。ちなみに、そのバルビエルが翠の地球で行動していた時にセツコから付けられた呼び名が「オリオン」であり、アン・アーレスに乗り換えた時に名乗りを上げている。これは、「蠍によってオリオンが殺された」という神話を意識したシーンとも見られる。また、オリオンはヘーリオスに盲目を治してもらったことがあるが、絶望の闇に染まった所をヘリオースのパイロットであるアドヴェントが属する御使いに救ってもらったところと重なるといえる。神話の蠍を使わしたのが神であるというところも、御使いの走狗となっているバルビエルの境遇を思わせる。
 +
;死神
 +
:タロットでは「死神」に関連付けられ、このカードは「人間としての過去と未来の消滅」「静止」を暗に表しているとされる。ちなみに、「死神」というのは通称に過ぎず、このカードのみ名前というものが存在しない。
 +
:「死神」の寓意は正位置が'''「終末」「破滅」「離散」「死の予兆」'''、逆位置が'''「再スタート」「新展開」「挫折からの復帰」'''。サイデリアルの侵攻で全てを失ったものの、御使いに見込まれて新たな道を歩み始め、最終的にはヴィルダークに引導を渡されたバルビエルの人生に合致している。また、バルビエルという名前は洗礼名であったことから、彼という個人を定義する名はないということになる。
 +
:なお、このカードに描かれる死神とは、ウェイト版においては[[アポカリュプシス|黙示録]]に現れる「第四の騎士」であるとされる。この騎士は、疫病をまき散らして死をもたらすとされる。
 +
 +
=== 立ち上がる射手 ===
 +
*星座:いて座
 +
*リアクター:[[次元将ヴィルダーク]]
 +
*宿主:ヴィルダークの肉体
 +
*発動キー:「反抗心」
 +
*反作用:不明
 +
*スフィア・アクト:「重圧による力の制限」
 +
 +
どこかの世界に存在していたスフィア。前のリアクターから次元将ヴィルダークが奪取し、自身が新たなリアクターとなった。至高神ソルの「反抗心」を司る。ちなみに「いて」ではなく「しゃしゅ」と読む。
 +
 +
他者へ抗おうとする意志によって活性化する。ゆえに力が崩壊する条件も簡単で、他者へ屈服したり畏怖を抱くと力が崩壊する。反作用は不明だが、同調を妨害するような現象であることと発動キーから推測が可能。反抗心とは基本的に格下が格上に抱くものなので、その逆である「'''恐怖心の励起'''」だと思われる。
 +
 +
スフィア・アクトは攻撃的なプレッシャーにより、他者の力の発揮を妨げる力。己の中の意思の衝突を乗り越えようとする「いがみ合う双子」の対極にあるこのスフィアの力は、言うなれば「'''他者に打ち勝とうとする力'''」と言える。
 +
仮に真のサード・ステージに至っていた場合、洗礼名と合わせて他人の闘争心を煽り立てる力になったと推定できる。
 +
 +
洗礼名は「'''アドナキエル・ザ・ジェネラル'''」。己を旗頭に他者を率いて戦う将である。
 +
 +
;射手座(サジタリウス)
 +
:星座のモチーフは弓の名手であったケンタウルスの青年・ケイローン。
 +
:アポロンとアルテミスから数々の叡智を授かり、それを以ってカストール(双子座)やアスクレピオス(蛇遣い座)などの後の英雄達の師となったが、ヘラクレスの放った毒矢が偶然刺さってしまい、苦しみに耐えかねて不死の権能をプロメテウスに渡して落命した。余談だが、プロメテウスはそれ以前に'''禁忌を犯したことで神の怒りに触れ、永きに渡り苛まれ続ける刑罰を受けている'''(プロメテウスはこの時点で既に不死だったという説がある)。強引ではあるが、元居た世界の叡智の結晶である次元将の力を授かり、様々なリアクターの(表向きは)トップに立ち、同胞と相対して追放されたアドヴェントにその権能を奪われる様は神話と重なるとみることもできる。
 +
:性格分類においては、「発展願望」を司る。それは「納得できないことには一切従わない」性格であることから、反抗心を力とすると思われる。
 +
:割り振りは男性。
 +
;節制
 +
:タロットでは「節制」に関連付けられる。
 +
:「節制」の寓意は正位置が'''「調和」「節度」「献身」'''、逆位置が'''「浪費」「消耗」「生活の乱れ」'''。
 +
:このカードは水瓶座と関連があるとされ、描かれている女性は「相反する二つの要素を結びつける仲介者」という役割を持ち、また翼を持つことから「天使」とされている。実際、彼が仕掛けた戦いは自身が擁するリアクターと拮抗しうるリアクター3人がぶつかり合う舞台であったといえる。また天使の絵は、(少なくとも表向きは)御使いらに使われる身であるという立場と合致する。もしくは、世俗的な要素とは無縁、という意味では彼自身を暗示しているとも取れる。命はもとより未来さえも捨てて宇宙を救おうとする様は正位置に、そのために犠牲を払って突き進み、止まれなくなった姿は逆位置に合致するといえる。
  
 
=== 知りたがる山羊 ===
 
=== 知りたがる山羊 ===
リアクターは[[アサキム・ドーウィン]][[シュロウガ]]によって運用されている。
+
*星座:やぎ座
 +
*リアクター:不明
 +
*搭載機:不明
 +
*発動キー:「好奇心」
 +
*反作用:不明
 +
*スフィア・アクト:「他者の情報の公開」
 +
 
 +
どこかの世界に存在していたスフィア。前のリアクターから[[アサキム・ドーウィン]]が奪取し[[シュロウガ]]に搭載され、後にアサキムがリアクターとなった。至高神ソルの「好奇心」を司る。
 +
 
 +
ありとあらゆる知識を求める好奇心によって力を発揮する。前のリアクターはアサキムと接触した際、彼のことを知り過ぎたためにその心の底にあった闇に触れてしまい、死亡したらしい。アサキム曰く「[[アカシックレコード]]」に接触するキーであるとの事。
 +
 
 +
好奇心とは知らない事柄に対して抱くものであるため、それを妨害する反作用は「'''知識の無差別な収集'''」であると思われる(知らないほうがいい様な、知れば気の狂いかねない、いわゆる[[クトゥルフ神話|「SAN値の減る」]]情報も引き寄せる)。
 +
スフィアとは全く関係無いが、[[コードギアス 反逆のルルーシュ|コードギアス]]の[[マオ]]が[[ギアス]]の暴走で精神を病んでしまったのがこれに近いだろう。敵が行使するスフィア・アクトで発動する「バリア無効化」からもそれは推察される。本来知るべきではないことから身を守るフィルターを失ってしまうのだろう。また、前述のアサキムが以前の所有者から本スフィアを奪った状況にも合致する。
  
覚醒条件および反作用は不明。'''「好奇心」'''によって活性化し、あらゆる嘘を暴き真実を強引に曝す。
+
スフィア・アクトはあらゆる真実を公開すること。そのあくなき知識欲は「偽りの黒羊」の嘘を暴いて無力化してしまう。フェイクの方は「バリア無効化」という形でこれを表現している。アサキムはこの力とシュロウガの機能を合わせることで、アカシック・レコードへのアクセスを可能とした。
  
嘘をキーとする牡羊座のスフィア「偽りの黒羊」とは相性が悪く、このスフィアの力によってアイムは無力化してしまった。アサキムの前の資格者は不明であるが、女性であったことが彼自身の口により明かされている。曰く、アサキムの闇を覗いてしまったが故に取り込まれてしまったらしい。対の位置にある「沈黙の巨蟹」に対して、好奇心を力とするこちらは「'''理性を凌駕する欲求'''」と言える。
+
相対する「沈黙の巨蟹」が「意欲を相殺する理性」とするなら、暴いてはいけないものを暴くこのスフィアは「'''理性を超越する欲求'''」といえる。
  
スフィア・アクトは明言されていないが、「偽りの黒羊」を無効化したのみならずアイムの過去を居合わせたZEXISの面々にまで見せたことを考えると、「'''対象の情報の強制開示'''」だと思われる。
+
洗礼名は不明だが、守護天使の名前はハナエル。
  
 
;山羊座(カプリコーン)
 
;山羊座(カプリコーン)
 
:星座のモチーフはヤギ頭の牧神アイギパーン。ただし下半身は魚となっている。
 
:星座のモチーフはヤギ頭の牧神アイギパーン。ただし下半身は魚となっている。
 
:これはアイギパーンが魚に変身したことによるもので、その経緯についてはティターン神族との戦いの際に威嚇のために海に潜った時の姿という説と嵐の怪物テュポーンが襲来した際に変身もおぼつかないほど慌ててナイル川に逃げ込んだ時の姿という説が存在する。確証はないものの、前者の説は「深淵を覗き込んだ」といえることから、アサキムの前の所持者を彷彿とさせる。ちなみに、パーンは「Panic」の語源である。
 
:これはアイギパーンが魚に変身したことによるもので、その経緯についてはティターン神族との戦いの際に威嚇のために海に潜った時の姿という説と嵐の怪物テュポーンが襲来した際に変身もおぼつかないほど慌ててナイル川に逃げ込んだ時の姿という説が存在する。確証はないものの、前者の説は「深淵を覗き込んだ」といえることから、アサキムの前の所持者を彷彿とさせる。ちなみに、パーンは「Panic」の語源である。
:性格分類においては、「下心のない信頼関係を重んじる」ことを司り、転じて嘘を暴くことを力とすると思われる。
+
:性格分類においては、「下心のない信頼関係を重んじる」ことを司り、転じて嘘を暴くことを力とすると思われる。
 
:割り振りは女性。
 
:割り振りは女性。
 
 
;悪魔
 
;悪魔
 
:タロットでは「悪魔」のアルカナと関連付けられる。
 
:タロットでは「悪魔」のアルカナと関連付けられる。
 
:この悪魔のデザインは山羊頭の悪魔バフォメットであるが、統一性のない姿は「訳が分からない」という印象を抱かせるものである。それゆえに「混沌」「葛藤」「暴力」を象徴しており、まさしくアサキムを指すのにふさわしいと言える。
 
:この悪魔のデザインは山羊頭の悪魔バフォメットであるが、統一性のない姿は「訳が分からない」という印象を抱かせるものである。それゆえに「混沌」「葛藤」「暴力」を象徴しており、まさしくアサキムを指すのにふさわしいと言える。
 
:また、「悪魔」の正位置は'''「堕落」「裏切り」'''、逆位置は人に知恵を与えた者として'''「覚醒」「新たな出会い」'''も意味し、これもまた世界をまたいでリアクターたちに出会って手段を選ばずスフィアの覚醒を促すアサキムらしい。さらにいうとシュロウガのデザインモチーフはサイバスター+悪魔である。
 
:また、「悪魔」の正位置は'''「堕落」「裏切り」'''、逆位置は人に知恵を与えた者として'''「覚醒」「新たな出会い」'''も意味し、これもまた世界をまたいでリアクターたちに出会って手段を選ばずスフィアの覚醒を促すアサキムらしい。さらにいうとシュロウガのデザインモチーフはサイバスター+悪魔である。
 +
:ちなみにこのスフィアは、一部のプレイヤーから「連想できる要素(正位置と逆位置そのままな経歴を有し、更には性別の割り振りと性格分類も一致している)の多い[[ツィーネ・エスピオ]](の並行同位体)が前のリアクターだったのでは?」という憶測が立てられていた。 彼女の機体のカオス・カペルはこのスフィアを再現する実験機だったので当たらずとも遠からずだが。
 +
:余談だが実は'''[[エツィーラ・トーラー]]の経歴もこのスフィアと「悪魔」のアルカナにそっくり当てはまる'''(未来予測の力を持つ、知識欲の塊、暴いてはならない真実に辿り着く、堕落の末に破滅的思考に行きつく)。何の因果か[[ジュモーラ|搭乗機]]も山羊モチーフである上、「第3次α」のキーワードは「アカシックレコード」である。
  
 
=== 尽きぬ水瓶 ===
 
=== 尽きぬ水瓶 ===
リアクターは[[ユーサー・インサラウム]][[聖王機ジ・インサー]]によって運用が可能。存在していた世界はインサラウム。
+
*星座:みずがめ座
 +
*リアクター:キング・インサラウム1世→[[ユーサー・インサラウム]]
 +
*搭載:[[聖王機ジ・インサー]]
 +
*発動キー:「愛」
 +
*反作用:「生命力減衰」
 +
*スフィア・アクト:不明
 +
 
 +
[[聖インサラウム王国]]に存在していたスフィア。王国の開祖であるキング・インサラウム1世が最初のリアクターだが、1世が殺されず天寿を全うしたため、ユーサーが目覚めさせるまでまた眠っていた。至高神ソルの「愛」を司る。
  
'''「深く大きな慈愛と、それに伴う何らかの強い感情」'''によって覚醒し、'''「自己犠牲の意志」'''によって活性化する。
+
他者への深く大きな愛によって力を発揮するが、要求されるレベルが高く、個人へのそれではなく国や組織のような大きなものに対する、自己犠牲を前提とした愛である必要がある。その反面、引き出される力は12個の中でもっとも大きく、セカンド・ステージの状態ですら次元将に匹敵するレベルの出力を誇る。
  
同調が進むとリアクターは意識を保つのも難しいほどの痛みとともに肉体が崩壊していく。この性質上、「悲しみの乙女(人間性喪失)」や「傷だらけの獅子(痛み)」と同時に因子を高める可能性が考えられるが'''覚醒者に襲い掛かる反作用の危険度はこちらの方が遥かに高い(反作用が慢性的である上に制御できない)'''。その対価なのか、スフィアの中でも飛びぬけて強い次元力を発揮できる。最後にはアサキムにユーサーが討たれたことで、「偽りの黒羊」ともどもその手に渡った(黒の騎士団ルートでは失敗)。その性質上、[[火星]]でユーサーが演じた姿…… すなわち'''民を顧みない暴君には決して力を引き出すことができない。'''
+
その性質を体現したかのように、反作用を受けると肉体が少しずつ崩壊していき、サード・ステージに到達するには命を投げうつ事もいとわぬ強い意志が必要。一度リアクターとなってしまうと'''サード・ステージに到達しなければ絶対に死ぬ'''というとんでもないスフィアであり、ユーサーは反作用を抑えきれず何度も意識不明に陥っていた。
  
他のスフィアの反作用は通常主に精神的なものであり特定の条件を踏めば回避できるのだが、このスフィアは肉体に甚大な被害を及ぼす上に回避不可能、更に命にも関わる。これは、司る属性が「'''己を省みない強い意志'''」であるため。反作用の正体はスフィアの司る属性がリアクターに跳ね返ることで起きる最適化現象なのだが、このスフィアの場合、属性が跳ね返ることによって「'''次元力と引き換えに肉体を破壊する'''」という形で現れるのである。その関係上'''サード・ステージに突入できなければスフィアを奪われなくてもいずれ死ぬ'''という、リアクターの視点から見れば12のスフィアの内もっとも危険な性質を持つ。逆に言うと、それをも良しとするほどの慈愛の心がなければ覚醒できないということである。
+
この事から、前のリアクターであったキング・インサラウム1世はどれほどの大人物であったのかとユーザー間で話題になっている。
  
激痛を伴うという点では「傷だらけの獅子」と被るが、これは占星術において獅子座と水瓶座が対の関係にあるためと思われる。それを指し示すように同じ激痛を伴う反作用でもそれ以外は相違点が多く、双方のリアクターもあらゆる点が正反対となっている(心身ともに暑苦しい荒くれ者のランドと、穏やかで爽やかな美丈夫のユーサー)。対となる「傷だらけの獅子」に対し、慈愛を力とするこちらの特性は「'''痛みを受け入れる力'''」と言える。
+
要求されるのが強い意志で共通している「揺れる天秤」との相性がよく、互いに共鳴して力を高める。
  
互いに「自己選択に伴う強い意志」をキーとするためか「揺れる天秤」との相性が良好。二つの意思が同じ方向に揃うことで、オリジン・ローの本質を引き出すことが出来る。
+
スフィア・アクトは不明だが、フェイクの能力が「EN回復封印」であることと、「いがみ合う双子」の例、そして再世篇のユーサーのエースボーナスから考えれば、恐らく「他者に力を与える」能力であろうと考えられる。
 +
 
 +
洗礼名は不明だが、守護天使の名前はガムビエル。
  
 
;水瓶座(アクエリアス)
 
;水瓶座(アクエリアス)
 
:星座のモチーフは、ゼウスの給仕を務めた美少年ガニメーデスが持っていた、神の酒ネクタールが溢れ出る水瓶。
 
:星座のモチーフは、ゼウスの給仕を務めた美少年ガニメーデスが持っていた、神の酒ネクタールが溢れ出る水瓶。
:ガニメーデスが給仕となる際、地上に残す両親が深く悲しむことを心配したという。ちなみに、女好きのゼウスが彼を給仕にしたのは'''美女と見紛うほどに美しいから'''。喪失の悲しみやそれに対する慈愛は、民を失うことによる強い悲しみとその民への慈愛で覚醒に至ったユーサーと重なる。
+
:ガニメーデスが給仕となる際、地上に残す両親が深く悲しむことを心配したという。喪失の悲しみやそれに対する慈愛は、故郷を離れる羽目になった挙句に民を失うことによる強い悲しみとその民への慈愛で覚醒に至ったユーサーと重なる。ちなみに、女好きのゼウスが彼を給仕にしたのは'''美女と見紛うほどに美しいから'''
:性格分類においては、「自己愛」を司っており、独善性が転じて(一方的な)自己犠牲を力とすると思われる。マリリンも、ユーサーの行動を独りよがりだと評している。
+
:性格分類においては、「自己愛」を司っており、独善性が転じて(一方的な)自己犠牲を力とすると思われる。<ref>マリリンも、自身が死んで悲しむであろう人たちを慮らないユーサーの行動を独りよがりだと評している。</ref>
 +
:「精神的な痛みに耐える生命力」をテーマとする獅子座の対の位置にあるこのスフィアの特性は、「命を削る肉体崩壊の痛み」といえる。
 
:割り振りは男性。
 
:割り振りは男性。
 
 
;星
 
;星
 
:タロットでは「星」のアルカナと関連付けられる。
 
:タロットでは「星」のアルカナと関連付けられる。
 
:このカードのデザインは「直感」と「肉体」が女性によって結びつけられる様子を表しており、エスターへの語りかけなどで本来持つ洞察力が行動に結びついたユーサーを表していると言える。
 
:このカードのデザインは「直感」と「肉体」が女性によって結びつけられる様子を表しており、エスターへの語りかけなどで本来持つ洞察力が行動に結びついたユーサーを表していると言える。
:「星」のタロットが示す寓意は。正位置が'''「希望」「ひらめき」「願いが叶う」'''、逆位置は'''「失望」「無気力」「高望み」'''。
+
:「星」のタロットが示す寓意は正位置が'''「希望」「ひらめき」「願いが叶う」'''、逆位置は'''「失望」「無気力」「高望み」'''。
:そしてそんな正位置の寓話に合わせたかの如く、聖王機ジ・インサーはインサラウムにおいて'''希望'''と幸福の象徴だった。
+
:そしてそんな寓意に合わせたかの如く、当初のユーサーはその弱気さから'''失望'''され、また自身も'''無気力'''であり、聖王機ジ・インサーはインサラウムにおいて'''希望'''と幸福の象徴であった。
  
== 未登場の星座 ==
+
=== 夢見る双魚 ===
=== 牡牛座 ===
+
*星座:うお座
;牡牛座(タウラス)
+
*リアクター:アサキム・ドーウィン
:星座のモチーフは、ニンフの女性エウロペに恋したゼウス(ギリシャ神話の主神)が変身した白い牡牛。
+
*搭載機:[[シュロウガ・シン]]
:この牡牛はエウロペを乗せて孤島であるクレタ島へと連れ去り、そこで正体を現して求婚するというなかなか無茶なアクションを起こしている(ゼウスは女性絡みで無茶をすることが多い)。タロットの寓意と寓画、そしてこのモチーフからして、このスフィアを持つ何者かはサイデリアルのトップであり、シンカ(神化)を遂げて「神」になっ(てしまっ)た誰か(恐らく女性)の可能性が高い。こう聞くと、まるでそれは[[イルイ・ガンエデン]]である(奇しくも、時の牢獄はバラルの結界同様、外敵を排斥するための地球封印である)。
+
*発動キー:「[[夢]]」
:性格分類においては、「深慮」を司る。
+
*反作用:不明
:割り振りは女性。
+
*スフィア・アクト:不明
:対の星座は蠍座。
 
:誰かを想うあまりに暴走して遠く離れた場所に連れ去った、という点からして、エタニティ・フラット(次元の壁による多次元との隔絶と、それによるバアルからの守護)を起こしたのはこのスフィアのスフィア・アクトである可能性が高く、恐らくこのスフィアの力は「次元・空間を操る力」だと思われる。深慮(頑固でスローペースとも)という性格分類にしても、次元・空間をある状態に固定する能力とすれば合致する。そうであるとするならば、アサキムとシュロウガを不滅の呪いに落としたのはこのスフィアであると思われる。
 
:ちなみに、'''牡牛座は争い事を嫌う'''。
 
 
 
;教皇
 
:タロットでは「教皇」と関連付けられる。
 
:このカードは「悪魔」と真逆の構図で描かれており、デザインには宗教的聖性や霊的象徴の協調などが暗示され、「救済」の寓意を持つカードである。
 
  
=== 蠍座 ===
+
どこかの世界に存在していたスフィア。[[アサキム・ドーウィン]]が所持しており、[[シュロウガ]]に搭載されている。後にアサキムがリアクターとなった。至高神ソルの「想像力」を司る。
ジェミニスが第3次Zにおける続投組の記憶封印に関して「針」という単語を使っていたことと、蠍座が「他人の財産を奪う」ことを示していることから、このスフィアが記憶を封印する力を持つと考えられている。
 
  
;蠍座(スコーピオ)
+
夢、つまり何かを望む意志によって力を発揮する。眠った時に見るそれではなく、未来への展望や目的などの漠然としたそれである。ゆえに力が崩壊する条件も簡単で、破れるか叶うかして夢を見なくなると力が崩壊する。アサキム=シュロウガは一時期[[ZONE]]に封印された際の自問自答から得た「自身の存在の確立」という目的が共鳴条件になっている。
:星座のモチーフは、狩人オリオンの傲慢に怒った女神の使いで、オリオンを刺し殺した蠍(この蠍、一説では妹・アルテミスがオリオンとゴールインするのを阻止したかったアポロンが、オリオン暗殺計画の要として用意した工作員であるとも)。
 
:星座になった後の話として、自らの父がアポロンだと認めさせるため、太陽の馬車を無理やり運転して黄道を走ったパエトーンがさそり座に差し掛かった際、馬の足を刺したために馬車が制御不能となり、天地の破壊を恐れたゼウスによってパエトーンは殺された、というものがある。
 
:性格分類においては、「探究心と持久力」を司る。
 
:割り振りは女性。
 
  
;死神
+
スフィア・アクトは不明。到来していない事象、現実には存在しない物事に意識が向けられるという点からして、'''「未来予測」'''の力であると考えられる。星座配置で対極にある「悲しみの乙女」の力が悲しみの感情への同調、つまり過去の出来事を力とするのに対し、未来を夢見るこのスフィアの力は「'''未来を求める力'''」と言える。
:タロットでは「死神」に関連付けられ、このカードは「無名」「静止」を暗に表しているとされる。
+
一方でフェイク=通常のサード・ステージの力は運動性の減少と言う形で現れること、反作用そのままではないことを考えると、恐らくは「'''自身の持つイメージの貼り付け'''」だと思われる。相手の予測した内容を書き換えることで対応を誤らせ、回避を妨害するのだと考えられる。
:なお、このカードに描かれる死神とは、ウェイト版においては[[アポカリュプシス|黙示録]]に現れる「第四の騎士」であるとされる。
 
  
=== 射手座 ===
+
先へと進む行動力と想像力がないと、夢を見る力が発揮できないため、反作用はそれを妨害する「'''想像力の減退'''」だと考えられる。
「相反する感情の衝突」を力とする「いがみ合う双子」の対の位置にある。<!--対の性質を持つというスフィアの特徴と性格分類から考えると、その能力は「抑制の開放」と思われる。即ち、相反する意思のスイッチである双子座に対して、射手座はぶつかり合って拮抗・抑圧されている何かを解き放つものと推測される(射手座は心の赴くままに行動するという性格がある)。-->
 
  
;射手座(サジタリウス)
+
シュロウガの誕生に関係する[[サイバスター]]と[[マサキ・アンドー]]に関連する要素である「未来予測≒ラプラスコンピュータ・デモンタイプ」「先へ進む行動力≒マサキの行動力と起点の良さ」「夢≒[[スーパーロボット大戦F]]([[スーパーロボット大戦F完結編|F完結編]])におけるマサキの[[精神コマンド]]」など、スフィア関連の設定が組み込まれる以前から当てはまるものばかりである。
:星座のモチーフは弓の名手であったケンタウルスの青年・ケイローン。
 
:アポロンとアルテミスから数々の叡智を授かり、それを以って後の英雄達の師となったが、ヘラクレスの放った毒矢が偶然刺さってしまい、苦しみに耐えかねて不死の権能をプロメテウスに渡して落命した。余談だが、プロメテウスはそれ以前に'''禁忌を犯したことで神の怒りに触れ、永きに渡り苛まれ続ける刑罰を受けている'''(プロメテウスはこの時点で既に不死だったという説がある)。
 
:性格分類においては、「発展願望」を司る。
 
:割り振りは男性。
 
  
;節制
+
ちなみにシュロウガとうお座には一見何の関連もないように思えるが、うお座のモチーフの一つであるエロースは古代の記述において全能の神とされていた(加えて両者とも「他人の感情に干渉する」権能を持つ)ことから、かつての至高神ソルと同質の存在であるシュロウガと共通する要素があると言える。
:タロットでは「節制」に関連付けられる。
 
:このカードは水瓶座と関連があるとされ、描かれている女性は「相反する二つの要素を結びつける仲介者」という役割を持ち、また翼を持つことから「天使」とされている。
 
  
=== 魚座 ===
+
洗礼名は不明だが、守護天使の名前はバキエル。
このスフィアの力は「'''意志の方向性の誘導'''」と考えられており、「血塗られた目」の発症者を巻き込んだ次元震はこのスフィアが原因と見る向きもある。
 
  
 
;魚座(パイシーズ)
 
;魚座(パイシーズ)
:星座のモチーフは、宴に乱入してきた怪物テュポーンから逃げる際、魚に変身した後はぐれないように互いをリボンで結んだアフロディーテとエロースの親子。アフロディーテが変身した魚の方は「みなみの魚座」とされることもある。
+
:星座のモチーフは、宴に乱入してきた怪物テュポーンから逃げる際、魚に変身した後はぐれないように互いをリボンで結んだアフロディーテとエロースの親子。アフロディーテが変身した魚の方は「みなみの魚座」とされることもある。目の前の危機から逃れることが、転じて現実から目を逸らすこととなり、そこから対応アルカナの「月」のカードにおいて、寓画の月が示す「真実への導きを与える、無名無形の見えざるもの」との関連付けから「夢」というキーが設定されたと思われる。
:性格分類においては、「感情の豊かさ」を司る。
+
:性格分類においては、「感情の豊かさ」を司る。また、「'''不安、障害、犠牲的奉仕'''」といった特性もある。
:それに加え、対となる「悲しみの乙女」の特性は感覚という肉体的・物質的な性質の変容だったことからすると、こちらは感情という精神的・非物質的な性質に何かしら影響を与える能力を持つ可能性が考えられる。
+
:なお、12星座としてもそれに関連付けられるタロットとしても、12種の中では最後に位置している。実際、名前が判明したのは最後だった。
:この星座の性格は「'''不安、障害、犠牲的奉仕'''」である。
 
 
 
 
;月
 
;月
:タロットでは「月」と関連付けられる。
+
:タロットでは「月」と関連付けられる。
 
:このカードは双子を示す複数の要素や本能と理性の葛藤を示しているとされる。割り振りは女性。
 
:このカードは双子を示す複数の要素や本能と理性の葛藤を示しているとされる。割り振りは女性。
:「月」のタロットが示す寓意は正位置が'''「不安定」「隠れた危険」(「隠れた敵」とも)「猶予なき選択」'''、逆位置が'''「過去からの脱却」「失敗に繋がらない過ち」'''。
+
:「月」のタロットが示す寓意は正位置が'''「不安定」「隠れた危険」(「隠れた敵」とも)「現実逃避」「猶予なき選択」'''、逆位置が'''「過去からの脱却」「失敗に繋がらない過ち」「未来への希望」「すぐれた直感」'''。
:明言されていないが、正位置の「隠れた危険」やタロットが「双子」と関わること、そして本能と理性の葛藤、というファクターから、スズネが所持しているのではないか、という見かたもあるが、逆に交際開始の時期が判然とせず、また「恋人」の寓画で天使(=テンシ?)が味方する立ち位置にあるマキが所持者では? という意見もある。
+
:エピソードが何も語られないのでどのような運命にあったのか不明。アサキムと照らし合わせると、正位置は自身の空虚さから目を背け、御使いの言いなりにスフィアを狩集めるしかない境遇、逆位置は無限獄からの解放を求めて流浪し、最後の最後にZ-BLUEに敗北したものの大願を果たした結末に符合する。
 +
 
 +
== 特殊能力「スフィア・アクト」 ==
 +
第3次Z時獄篇で初登場した、スフィアの力を表現した特殊能力。再世篇までは主に、パイロット側の[[SP回復]]によって表現されていた。
 +
「いがみ合う双子」「怨嗟の魔蠍」に関してはシナリオ中でも度々登場する。再世篇での「偽りの黒羊」および「知りたがる山羊」もスフィア・アクトと思われる特殊能力を披露しているが、特殊能力としては採用されていない。
  
=== 蛇遣い座 ===
+
天獄篇ではスフィア名で表記されるが、検索画面では「スフィア・アクト」でまとめられている。
スフィアは12個存在する、とされているが、時獄篇で示唆された情報を信じるならば、どうやら忘れ去られたロストナンバーのスフィアが存在しているらしい。最有力候補と目されているのは蛇遣い座のモチーフであるアスクレーピオスを元ネタとすると思われる[[アスクレプス]]とその乗り手である[[アドヴェント]]。ただし、この星座は十二宮ではないため対応するタロットが存在しない。
 
  
;蛇遣い座(オフューカス)
+
;スフィア・アクト(いがみ合う双子)
:13番目の黄道上の星座。蠍座・射手座・天秤座に隣接する。
+
:1.時獄篇の[[ジェミニア]]の能力。気力130以上で発動し、EP開始時に全敵パイロットの気力を-3する。
:十二星座には数えられないが、占いによっては含まれていることもある。この星座をまたぐ形で蛇座が存在し、二つで一組とされることもある。
+
:2.[[ジェニオン|ジェミニオン・レイ]]の能力。気力150以上で発動し、全自軍パイロットの技量を+10する。
:十三星座占いの性格分類においては、「理性と正義感を重んじる意志」を司る。
+
:3.擬似タイプ、ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵パイロットの気力を-3する。
:星座のモチーフは、ギリシャ神話に登場する名医アスクレーピオス。
+
;スフィア・アクト(沈黙の巨蟹)
:ケイローンから医術を学んだアスクレーピオスは数々の病を治して名医となったが、人を救うことに懸命になるあまり死者の蘇生という禁忌に踏み込んでしまう。これに怒った冥府の神ハーデスの抗議を受け、ゼウスはやむなくアスクレーピオスを殺したが、その才能を惜しんで空に上げ、星座とした。
+
:[[尸逝天]]の能力。気力130以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵パイロットのSP回復を無効にする。[[イノベイター]]、[[SP回復]]などのスキル、「わかめパン」などの強化パーツや歌による回復も無効。ゼル・ビレニウムが持つ擬似タイプも同効果。天獄篇では発動気力が140に上昇している。
:スフィアの覚醒の状況は元となった星座の神話に由来するが、この場合アスクレーピオスは一度神の意志によって死を迎え、その後星座となっていることからして、リアクターが死を迎えることが覚醒の条件とも考えられる。
+
;スフィア・アクト(欲深な金牛)
:一体化しているへび座はアスクレーピオスの使いであり、またアスクレーピオス自身の化身ともされている。
+
:[[プレイアデス・タウラ]]の能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットのENをEP開始時に-40する。ゼル・ビレニウムが持つ擬似タイプも同効果。
 +
;スフィア・アクト(怨嗟の魔蠍)
 +
:[[アン・アーレス]]の能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットに装甲ダウンの効果を与える。ゼル・ビレニウムが持つ擬似タイプも同効果。
 +
;スフィア・アクト(傷だらけの獅子)
 +
:[[ガンレオン]]の能力。気力150以上で発動し、全自軍パイロットの防御を+10する。
 +
;スフィア・アクト(悲しみの乙女)
 +
:[[バルゴラ・グローリーS]]の能力。気力150以上で発動し、全自軍パイロットの回避を+10する。
 +
;スフィア・アクト(揺れる天秤)
 +
:[[リ・ブラスタT]]の能力。気力150以上で発動し、全自軍パイロットの命中を+10する。
 +
;スフィア・アクト(立ち上がる射手)
 +
:[[次元将ヴィルダーク]]の能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットの最終与ダメージを0.9倍にする。ゼル・ビレニウムが持つ擬似タイプも同効果。
 +
;スフィア・アクト(偽りの黒羊・擬似)
 +
:[[ゼル・ビレニウム]]の能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットに照準値ダウンの効果を与える。
 +
;スフィア・アクト(傷だらけの獅子・擬似)
 +
:ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットにフェイズごとに最大HPの10%のダメージを与える。
 +
;スフィア・アクト(悲しみの乙女・擬似)
 +
:ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットのSPをフェイズごとに-5させる。
 +
;スフィア・アクト(揺れる天秤・擬似)
 +
:ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットの移動力を-3させる。
 +
;スフィア・アクト(知りたがる山羊・擬似)
 +
:ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットのバリアを発動させなくする。
 +
;スフィア・アクト(尽きぬ水瓶・擬似)
 +
:ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットのENを回復させなくする。
 +
;スフィア・アクト(夢見る双魚・擬似)
 +
:ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットに運動性ダウンの効果を与える。
  
 
== 人造スフィア ==
 
== 人造スフィア ==
 
人の手でスフィアを模して作られた次元力制御システム。オリジナルには及ばないものの、何れも強力なパワーを有する。
 
人の手でスフィアを模して作られた次元力制御システム。オリジナルには及ばないものの、何れも強力なパワーを有する。
  
人の手で造られた模造スフィアに対しても干渉可能。逆に、模造スフィアが何らかの属性を模していた場合、相性の悪いスフィアは無力化されることもある。
+
ジ・エーデル、アンブローン、AGのDEMコーポレーションらも人造のスフィアを開発し、次元力を行使できる。人造のスフィアではオリジナルには及ばないにしても、安定性に優れていると言い切れる。Zの段階でジ・エーデルがオリジナル(乙女座と獅子座)を奪取する機会がめぐっても、それをしなかった理由は「'''オリジナルのスフィアは強大な力を行使できる半面、不安定な一面もある'''」ことを理解していたからだと思われる(それ以前に、リアクターをマシンごと抹殺し、かつその時点で新しい搭載機を用意していないと逃げられるので物理的に不可能だったと思われるが)。
 
 
ジ・エーデル、アンブローン、AGのDEMコーポレーションらも人造のスフィアを開発し、次元力を行使できる。人造のスフィアではオリジナルには及ばないにしても、安定性に優れていると言い切れる。Zの段階でジ・エーデルがオリジナル(乙女座と獅子座)を奪取する機会がめぐっても、それをしなかった理由は「'''オリジナルのスフィアは強大な力を行使できる半面、不安定な一面もある'''」ことを理解していたからだと思われる。
 
  
 
;[[ZONE]]
 
;[[ZONE]]
:[[聖インサラウム王国|インサラウム]]で開発された、地脈から次元力を吸い上げる装置。
+
:[[聖インサラウム王国|インサラウム]]で開発された、地脈から次元力を吸い上げる装置。これは機械的に次元力を吸収する装置であり、意思の力に性能は左右されない。
 
;ディメンション・エクストラクター
 
;ディメンション・エクストラクター
:スフィアの力のうち、「次元力を引き出して強化する」という側面のみを再現した模造品。
+
:スフィアの力のうち、「次元力を引き出して強化する」という側面のみを再現した模造品。次元力をどれだけ引き出せるかがパイロットの意思の力に左右される点でスフィアに近い。AGはこれの改良型を独自に開発している。
 
;[[カオス・レムレース]]
 
;[[カオス・レムレース]]
:[[ジ・エーデル・ベルナル|ジ・エーデル]]が開発した機体。機体自体が人造のスフィアであり、サード・ステージの事象制御を可能としている。
+
:[[ジ・エーデル・ベルナル|ジ・エーデル]]が開発した機体。機体自体が人造のスフィアであり、サード・ステージの事象制御を可能としている。乙女座と獅子座のスフィアを参考にしているが、事象制御に関しては属性に縛られるスフィアよりも自由度が高い。
 
;TS-DEMON
 
;TS-DEMON
:[[ジェニオン]]の動力。「いがみ合う双子」を模したイミテーションであるが、属性をもコピーしており僅かながらオリジナルの持つ「表面化する感情の反転」を備える。ただし、肝心の出力はかなり低い。
+
:[[ジェニオン]]の動力で、AGが自作した模造スフィア。覚醒段階を模したモードシフト機能がある。あくまで「いがみ合う双子のスフィアから次元力を抽出する」ための機関であったため、単独の出力はかなり低くジェ二オンのフルスペックを発揮できなかった。後に「いがみ合う双子」を奪取し、スフィアの制御機関としての機能を発揮するようになる。
 
+
;サイデリアル製人造スフィア
== メモ ==
+
:天獄篇で修復されたジェミ二アが搭載。地球よりも数段次元科学の進んだサイデリアルの技術力で造られた機関であるため、スフィア搭載機であるジェミ二アの性能をかなりのレベルで再現できていた。ただしあくまで基本性能の復元に留まり、回復力の再現はできず、D・フォルトを展開するだけの出力は確保できなかった様子。
*スフィアを目覚めさせた人物を「[[スフィア・リアクター]]」と呼ぶ。スフィアによっては所持する者と力を引き出す者が違う場合もある。
+
;フェイク・スフィア
**完全に目覚めたスフィアの所持者を機動兵器ごと殺害することにより、殺害した者はそのスフィアを所持することが出来る。また殺されずに天命を全うした場合、器の機動兵器ごとその場に残って眠りにつき、次なるリアクターを待ち続ける。
+
:[[アドヴェント]]が作り出したスフィアのコピー品。スフィアのルーツである至高神ソルを作り出した存在の作品だけあり、スフィア・アクトすら使用できるほど完成度が高い。
**スフィアの移動はセカンド・ステージ以降のリアクター間でしか起こらない。ただし例外的な事象として、資格者が複数同時に存在し、かつリアクターがスフィアを制御できなくなり、その場に別の資格者が存在し、その資格者がセカンド・ステージのリアクターと同等の条件を備え、さらに搭乗機同士が似た特質を持っているなど、いくつかの条件が整った場合、リアクターが生存したままスフィアが奪われる場合もある(「いがみ合う双子」でこの現象が確認されている)。
 
**スフィア・リアクター達(アサキム含む)は心の奥底の部分に底知れぬ闇を持つようになる。
 
*第2次Z再世篇おける[[ズール皇帝]]の発言をそのまま受け取れれば、スフィアそのものはただの道具、アイテムと捉えられる。
 
*バルゴラ一号機以降のセツコの機体及びアリエティス、尸逝天が撃墜された際には「機体が爆散した後光る球体が何処かに飛び去る」というアニメーションになる。
 
*ガナリー・カーバー(グローリー)は、コアとなっているスフィア部分がカーバーを取り込み、元来の機能に近い状態に再構成したものである。またアリエティスは全身が結晶体で覆われている他、コアである「偽りの黒羊のスフィア」はアイムを乗っ取る形で機体を作らせた。さらにシュロウガが現在の姿になったのは、スフィアに過度に関わったためとされている。ここからすると、スフィアとは本来「生命体」だったのかも知れない。それを証明するかのように、「傷だらけの獅子のスフィア」の器として造られたガンレオンは、自意識と魂を宿すほか、明らかに生命体と思しき行動を取っている。
 
*ガイオウの台詞に「12の鍵、ソルの記憶…! 全て俺が喰らう!」というものがある。12の鍵=ソルの記憶という意味での発言だとすればスフィアの集合体を指す言葉の一つという事になり、「記憶=意思=心」と解釈すれば「ソル=太極」と考えられる。[[アイム・ライアード]]の台詞「御使いはソルの心を集めて、全ての宇宙を!」にある「ソルの心」も「ソルの記憶」と同じ意味と思われる。なおソルとは[[ラテン語]]で「太陽」を意味し、すなわち「黄道十二星座を統べる存在」であることは考えやすい。また、時獄篇で登場した[[アスクレプス]]は否応なしに、黄道十二星座にあわせて13番目の星座とされることもある「蛇遣い座」を想起させる上、専用曲が「THE SON OF '''SUN'''」と思わせぶりなネーミングである。
 
**さらに、その乗り手であるアドヴェントは自らを「忘れ去られた最後の一人」と称しており、ますます13番目のスフィアの存在を匂わせている。
 
*12個目も存在、或いは発現すると、呼称が「トレミーの48星座」へと変わる可能性がある。
 
  
 
== 関連人物 ==
 
== 関連人物 ==
 
;[[アサキム・ドーウィン]]
 
;[[アサキム・ドーウィン]]
:死ねない身体となり、平行世界を彷徨う運命(本人曰く「無限獄」)を負わされた人物。太極に至り不死の運命から逃れるため、スフィアの所持者を追い続けている。そして、第2次Zにおいてついにその目的の一つを遂げ、「偽りの黒羊」「尽きぬ水瓶」(黒の騎士団ルートでは両方とも失敗)「知りたがる山羊」そしてもう一つ、計4つものスフィアを入手するが、その戦いで次元の狭間に閉じ込められた。
+
:「夢見る双魚」のリアクター。死ねない身体となり、平行世界を彷徨う運命(本人曰く「無限獄」)を負わされた人物。太極に至り不死の運命から逃れるため、スフィアの所持者を追い続けている。そして、第2次Zにおいてついにその目的の一つを遂げ、「偽りの黒羊」「尽きぬ水瓶」(黒の騎士団ルートでは両方とも失敗)を手に入れたことで計4つものスフィアを所持するが、その戦いで次元の狭間に閉じ込められた。天獄戦争で復活し、その意志によって4つのスフィアのリアクターとなった。
 
;[[ギリアム・イェーガー]]
 
;[[ギリアム・イェーガー]]
:アサキム同様、平行世界を彷徨う運命を負わされていた。この運命から逃れるため、かつて至高天(=太極)を目指すべくスフィア争奪戦に参加していたことを仄めかす発言がある。後述のように、広大且つ恒常的に正と負の影響をもたらす「太陽」のアルカナに関連する可能性があるが、他のアルカナに比べるとやや関連が薄い。ただし、様々な世界で活躍する反面、ネオ・アクシズやシャドウミラーという悪の組織を招くきっかけになっているあたり、決して外れてはいない。
+
:アサキム同様、平行世界を彷徨う運命を負わされていた。この運命から逃れるため、かつて至高天(=太極)を目指すべくスフィア争奪戦に参加していたことを示唆する発言がある。また、太極という単語をスパロボ上で始めて口にした人物である。(口にしたのはZ発売1年前のOGs内)過去に偽名で「アポロン」「ヘリオス」という太陽に関連したワードを使っており、広大且つ恒常的に正と負の影響をもたらす「太陽」のアルカナに関連する可能性があるが、他のアルカナに比べるとやや関連が薄い。ただし、様々な世界で活躍し正義のヒーローとも言える性格を持つ反面、ヒーロー戦記ではラスボスであったり、OGではシャドウミラーという悪の組織を招く原因になったりたりするなど負の一面も持ち合わせているあたり、決して外れてはいない。
 
;[[ダークブレイン]]
 
;[[ダークブレイン]]
:「至高天」を目指して[[OGシリーズ|OG世界]]にその姿を現す。
+
:OG世界にスフィア、もしくはその近似要素が存在することを最初に示唆した存在。「十二の鍵」を結集させる事で至れるという「至高天」を目指して[[OGシリーズ|OG世界]]にその姿を現す。当初はZシリーズに関りがあるとされていたが、現状においてはスフィアと同種の存在であることが有力。
 +
;[[御使い]]
 +
:[[至高神ソル]]を創造した高次元生命体。至高神再誕を目的に、アサキムやサイデリアルに全スフィアの収集を命じた。
  
== 関連する用語 ==
+
== 関連用語 ==
 
;[[太極]]
 
;[[太極]]
:スフィアの根源たる概念。万物全ての始まりにして終わりの真理。
+
:スフィアの根源たる人造神「至高神ソル」の異称。
 
;[[次元力]]
 
;[[次元力]]
 
:スフィアによって引き出される「次元を越える、あるいは越えた力」。恒星を起源とし、星座などの概念から物質まで、あらゆるものに宿る「存在の力」。アークセイバーの機動兵器やシュロウガはこれを動力に稼働している。
 
:スフィアによって引き出される「次元を越える、あるいは越えた力」。恒星を起源とし、星座などの概念から物質まで、あらゆるものに宿る「存在の力」。アークセイバーの機動兵器やシュロウガはこれを動力に稼働している。
 
;[[無限力]]
 
;[[無限力]]
:[[Zシリーズ]]の前シリーズである第2の王道シリーズの旧[[αシリーズ]]の根幹をなす概念。次元力と似た性質を持ち、太極同様「正」と「負」に分かれている。
+
:[[Zシリーズ]]の前シリーズである第2の王道シリーズ・[[αシリーズ]]の根幹をなす概念。次元力と似た性質を持ち、こちらは「正」と「負」に完全に分かれている。
 
;[[スフィア・リアクター]]
 
;[[スフィア・リアクター]]
:スフィアを所持し、その力を扱う人物のこと。再世篇ではクロウ、セツコ、ランド/メール、アイム、ユーサー、アサキム、時獄篇ではさらにガドライト→ヒビキ、尸空が該当する。
+
:スフィアを所持し、共鳴する事でその力を扱う人物のこと。
 +
;[[スフィア搭載機]]
 +
:スフィアを搭載した機動兵器の総称。
 
;[[カオス・レムレース]]
 
;[[カオス・レムレース]]
:[[ジ・エーデル・ベルナル]]の機体。「人の手による鍵」「人造のスフィアのようなもの」と称される。
+
:[[ジ・エーデル・ベルナル]]の機体。「傷だらけの獅子」「悲しみの乙女」のデータを元にしており、「人の手による鍵」「人造のスフィアのようなもの」と称される。
 +
;[[ネオ・リアクター]]
 +
:[[アドヴェント]]がスフィアの力を引き出す為だけに生み出した人造生命。フェイク・スフィアを所持する。
  
 
== 余談 ==
 
== 余談 ==
*アークセイバーシリーズはその全てがジ・インサーを源流としたコピー機の側面を持ち、限定的ながら次元力制御を可能としている。後に、アークセイバーの機体は搭乗者の意思に反応して出力を高める疑似スフィアとでもいうべきDエクストラクターを搭載し、さながら量産型スフィア搭載機になっている。ちなみにアークセイバーシリーズは[[黄道十二星座|誕生月の星座]]と関連がある誕生石をモチーフにしてある。
+
*アークセイバーシリーズはその全てがジ・インサーを源流としたコピー機の側面を持ち、限定的ながら次元力制御を可能としている。後に、アークセイバーの機体は搭乗者の意思に反応して出力を高める疑似スフィアとでもいうべきDエクストラクターを搭載し、さながら量産型スフィア搭載機になっている。ちなみにアークセイバーシリーズは[[黄道十二星座|誕生月の星座]]と関連がある誕生石をモチーフにしている。
*シリーズ第1作のZ発売前に、「今回のロボットには何か路線があるのか?」などといった記者の質問を受けた際、寺田Pより「主人公機の武器は聖闘士星矢のような昔のジャンプのノリ」という回答があったが、ノリどころかそのまんまである(特に[[尸逝天]])。
+
*シリーズ第1作『Z』発売前に、「今回のロボットには何か路線があるのか?」などといった記者の質問を受けた際、寺田Pより「主人公機の武器は聖闘士星矢のような昔のジャンプのノリ」という回答があったが、ノリどころかそのまんまである(特に[[尸逝天]])。加えて言うなら、黄金聖闘士らの立ち位置やその力なども割と似ている(例を挙げると、双子座は聖人と讃えられたが闇に堕ちた男と悪党だったが正義に目覚めた男、天秤座は使い手・聖衣ともに苦労性、乙女座は五感閉鎖に関する技などを持つ)。
 +
**シリーズ開始時、『[[α]]』における「[[クロスゲート]]」「[[サイコドライバー]]」のポジションとして考案されたもの。人間の場合そのキャラクターが死ねばそこまで、ということで、「大きな力の源であり個人でない何か→狙ったり狙われたりする『物体』が望ましい」として考案された。形状は球が完全な形であることと、デザインとして組み込みやすいために「スフィア」となった。その上で、キャラクターやマシンのモチーフにも引っ張れる、という理由から十二星座がモチーフとされた経緯がある。<ref>[http://srw-z3-tengoku.suparobo.jp/special/interview02.php SPECIAL | 第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇] 2019年6月3日閲覧。</ref>余談だが、アドヴェントが「αから始まりΩに至るはずだったが、それが少し変化してZとなった」と述べているが、この話と絡むのかは不明。
 
*12基+1基からなり、超常の領域から無尽蔵にエネルギーを引き出し全てが機能し揃うことで宇宙全体の命運を握るアイテムで、適合するパイロット&機動兵器と融合することで効果を発揮、機体を変質させて生物的な意匠をもたらすという設定は、『ゼノギアス』(SRW未参戦)のアニマの器と良く似ているといわれる。
 
*12基+1基からなり、超常の領域から無尽蔵にエネルギーを引き出し全てが機能し揃うことで宇宙全体の命運を握るアイテムで、適合するパイロット&機動兵器と融合することで効果を発揮、機体を変質させて生物的な意匠をもたらすという設定は、『ゼノギアス』(SRW未参戦)のアニマの器と良く似ているといわれる。
 +
*スフィアとリアクターの設定はタロットの大アルカナと星座の神話をモチーフにしていると推測されていたが、尸空、バルビエルの登場で瓦解している。ただ、新地球皇国の首都が明らかに「塔」を意識したネーミングであることからも、アルカナ・神話が設定元であるのは間違いなく、なぜこの2人だけ違うのかは不明。
 +
**バルビエルの場合、『連獄篇』の展開からユーザーに対してのブラフを持たせた可能性はある。
 +
**ネオ・リアクターにも男女が存在し、こちらは星座から関連付けされるタロットの男女割り振りに完全に対応している。
  
== 資料リンク ==
+
== 脚注 ==
*{{検索|スフィア}}
+
<references/>
  
 
{{バンプレストオリジナル}}
 
{{バンプレストオリジナル}}
 
{{DEFAULTSORT:すふいあ}}
 
{{DEFAULTSORT:すふいあ}}
 
[[Category:動力・エンジン・エネルギー]]
 
[[Category:動力・エンジン・エネルギー]]
 +
[[Category:スーパーロボット大戦Z]]
 +
[[Category:第2次スーパーロボット大戦Z]]
 +
[[Category:第3次スーパーロボット大戦Z]]
 
[[Category:Zシリーズ]]
 
[[Category:Zシリーズ]]

2024年4月17日 (水) 14:37時点における最新版

スフィアは「Zシリーズ」に登場するキーアイテムの一つで、崩壊・消滅した太極の意志の欠片。

概要[編集 | ソースを編集]

十二の宝玉」とも呼ばれる大いなる力を引き出す鍵で、一時間軸の並行世界に一つしか存在しない(時空震動で多元世界となった場合、世界同士が融合するため、二つ以上のスフィアが一堂に会することはある)。

名前は「黄道十二星座」の属する「黄道十二宮」から取られている。

スフィアという言葉自体は「球体」を意味する英語

基本性質[編集 | ソースを編集]

全部で12個が存在し、共鳴・覚醒させてセカンド・ステージに至らしめた人間をスフィア・リアクターと呼称する。黄道十二星座に対応した名を持ち、それぞれが対応する人間の精神の動きによって発動・行使される。ただし、感情や精神の動きを持っていれば人間でなくともリアクターとなり得る

外見としては標準的なロボットのコクピットとだいたい同サイズの緑色の球体で、次元力を引き出すと翠緑の光を放つ。次元力を引き出すエンジンのような存在であるため、基本的に機動兵器の動力として使用されるが、覚醒が進めばそれ自体を兵器として使用することも出来る(劇中では無制限に撃てる時空震動弾としての使い方が多い)。

太陽の通り道である黄道の12星座に対応し、太陽に集約されたそれぞれの星座の次元力を引き出す効果を持つ。また、それには地球上にあることが最良[1]であり、そこに引き寄せられる。なので、地球に存在する可能性が高くなる。

各リアクターは御使いからは専ら洗礼名で呼ばれる。この名前は全て黄道十二宮を守護する天使の名前から取られている(堕天した悪魔も設定されているが、これは関与しない模様)。

十二星座の名前を持っているが、覚醒前の段階では外見も性質も同じなので区別がつかない。ただし、リアクター同士ならば相手のスフィアの名前を何となくのレベルで理解することが可能。

ステージ[編集 | ソースを編集]

スフィアの覚醒段階を表す用語。全部で三段階あるが、三段階目は二つ存在する。

ファースト・ステージではただの動力源であり、誰にでも使うことが出来る。

セカンド・ステージ以降は引き出した次元力による事象制御が可能となるが、このステージに至るにはスフィアの司る感情を精神の根幹に持つ、つまりはスフィアに適合した資質が必要となる。この資質を持ち、かつセカンド・ステージへ到達して初めてリアクターとなる。ただし、同時にリアクターはスフィアの属性に応じた反作用を受けることになるため、大半がここで脱落・死亡する。

サード・ステージへ至るには、スフィアの司る感情を維持した上で反作用を受け、それに流されずスフィアに適合する精神状態を貫徹する必要がある。このステージへ至るとスフィアが完全に覚醒し、リアクターは搭載機に乗っていなくてもその力を引き出し、スフィア・アクトと言う事象干渉能力を操れるようになる。次元力の扱いに精通していればスフィアから無理矢理力を引き出すことも可能だが、スフィアと一体化するリアクターには劣る。 ただし、この状態でも発動キーとなる精神状態が崩れるとスフィアは稼働不能になる他、スフィア側にリアクターが徹底的に合わせなければならない都合上、その精神的コンディションは基本的に悪くなり、最悪の場合ヴィルダークやガドライトのようにスフィアの属性に飲み込まれる(ヴィルダークなら「反抗心」によって最善の道に対して妥協が出来ず、ガドライトなら無意味・有害とわかっている=やりたくないのに行動に移してしまう)。

真のサード・ステージへ至るには、スフィアの司る感情を維持した上で反作用を受け、それに流されずスフィアに適合する精神状態を貫徹し、さらにその精神状態を超越する境地へ至る必要がある。わかりやすく言えば通常のサード・ステージは「スフィアにリアクターが使われる」のに対し、こちらは「リアクターがスフィアを制御する」状態になる。 スフィアではなくリアクター側がイニシアチブを取るため、精神的コンディションは基本的に良好だが、スフィア・アクトの使用、反作用の克服、事象制御の行使などは覚醒した時点ではセカンド・ステージよりマシなレベルであり、リアクターが次元力の扱いに熟練する必要がある。 ただしここまで至れるリアクターはほとんどおらず(それこそスフィアの出どころである御使いですら知らないほど)、Z-BLUEに所属する4人のリアクターが天獄戦争においてこの境地に踏み入っている。 この境地に至った場合、全てのスフィアの根幹に位置する「意思の力」により近づくことになる。

また、セカンド・ステージの状態である程度リアクターの成長が進むと、発動キーと同じ感情を感知出来るようになる。アイムはこれを利用し、戦域に満ちる「嘘」を自身のそれに同調させることで強引に「偽りの黒羊」をサード・ステージクラスの同調率まで引き上げるという荒業をやってのけた(アイム自身はセカンド止まりなので反作用はそのまま)。また、セツコは真っ当にリアクターとして成長したため、再世戦争の時点で反作用を克服しつつあり、悲しみの感情を感知する力を見せていた。

ちなみに、資質さえ持っていればリアクターでなくともスフィア・アクトを使用することは可能。この関係で、資質を持った人間(リアクターとリアクター候補)が同じ機体に乗っている場合、より強く力を引き出すことが出来る。天獄戦争最終局面では「相反する感情の衝突とその超越」を力とするいがみ合う双子の力を、Z-BLUE全員で引き出した事例が見られる。

反作用[編集 | ソースを編集]

セカンド・ステージに移行したリアクターが、スフィアの力を引き出すことによって受ける弊害。様々な意味で生命に関わる重大なものが多いが、その本質はリアクターにスフィアが与える試練のようなもの。そのため、現状判明している反作用はスフィアとの共鳴状態の維持を妨げるような内容がほとんどである。

これを乗り越えることによってサード・ステージに移行する。より正確に言えば、反作用を乗り越える精神状態が、そのままサード・ステージへの移行条件になっている。反作用はサード・ステージに適した精神状態に近づくほどに弱まり、完全なサード・ステージに至ると克服する事が出来る(ランドやクロウのように反作用を一部しか克服していない場合もある)。バルビエルのようにセカンド・ステージ未満から一気にサード・ステージに駆け上がった場合、反作用がどのように作用するのかは不明。

スフィア・アクト[編集 | ソースを編集]

サード・ステージに至ったスフィアが発現する事象制御能力。それぞれの属性に応じた能力が使用可能になる。使い手がサード・ステージのリアクターで無くとも、スフィアの扱いに精通している場合行使可能であるが、純粋なサード・ステージのリアクター程は使いこなせない模様。 サード・ステージには細かな段階があり、これが一定のラインを超えると自由に行使可能になるが、それまでは条件が揃うたびに勝手に発動する。

この力には差異があり、反作用を押し付けて敵に効果を発揮するものとリアクターの精神を伝播させて味方に効果を発揮するものがある。スフィアによって方向性も様々な力を発揮する。

実は、基本的には「他人に害を与える力」が発現するのだが、「いがみ合う双子」「傷だらけの獅子」「悲しみの乙女」「揺れる天秤」の4つはリアクターが反作用を完全に克服したことによって、より広範なさらなる力を発揮するようになった。これは御使いにとっても想定外だったらしく、ドクトリンの戦闘台詞にそれをうかがわせるものがある。

相性[編集 | ソースを編集]

スフィアはそれぞれ固有の因果を持ち、相性の良し悪しが存在する。相性が良いと共鳴が発生して互いの力を高めるが、悪いと一方が一方を無力化する。判明している相性は次の通り。

  • 「知りたがる山羊」は「偽りの黒羊」の嘘を好奇心で暴く
  • 「偽りの黒羊」は「いがみ合う双子」の相反する感情を偽って無力化する
  • 「悲しみの乙女」は「怨嗟の魔蠍」の憎しみを悲しみで包み、癒す
  • 「傷だらけの獅子」は「欲深な金牛」の与える痛みに耐えることで互いの力を高める
  • 「尽きぬ水瓶」は「揺れる天秤」の強い意思に触れることで自己犠牲の意志を強める

また、これ以外に「揺れる天秤」が「沈黙の巨蟹」に強いと推測されているが、尸空が苦手としていたのはクロウの意志であり、「スフィアは関係なくお前が気に入らない」と述べていた。後述の法則からすると相性関係はないらしい。

相性が悪くとも、リアクターの力の差が圧倒的な場合は無効化できないとされており、奪取したスフィアの力を機体の機能だけで引き出す場合も無効化は不可能と言及されている。なお、元々至高神ソルの感情の中核として、矛盾する感情を両立させる役割を果たしていた「いがみ合う双子」は相性に関係なく複数のスフィアの力を統合して使用する事が可能である。

複数のスフィアのリアクターとなるのは理論上は可能である(後述するルーツから考えれば、それぞれの感情・意思を最大限に保ちつつ、矛盾した相反する感情はいがみ合う双子の境地を持って両立させる)が、実際になれたのは特殊な出自を持つアサキムのみであり、実質は不可能。アサキムの例を見るに、その場合相性が悪いスフィア同士でも力を引き出すことは可能な様子。

作中で描かれるのは上記5つだけであるが、ここから「減衰・増幅対象になっているのは、その星座から左周りへ2,3,4番目にある星座のいずれかで重複しない」という共通点が垣間見られ、残りの相性もある程度推測できる可能性がある。

ルーツ[編集 | ソースを編集]

Zシリーズの宇宙のひとつカオス・コスモスにおいて、全宇宙に先駆けて真化を遂げた生命体である御使いの誕生した惑星エス・テランで創造された、次元力を制御するためのシステムたる人造神「至高神ソル」が自我に目覚め、御使いの行いを戒めるためと、己の存在への悔悟により自らを破壊した際に黒の英知と共に発生した12の断片で、それぞれがソルの感情の一つを司っている。人格の大元となる「いがみ合う双子」を中心核とし、11の感情を統合する形で成り立っている。

アイムガイオウの台詞に「ソルの記憶」「ソルの心」というワードがあり、何かの比喩と考えられていたが言葉通りのものであった。十二星座の名前は、各々の属性と対応する星座から御使いがつけた識別コードのようなもの。

また、リアクターそれぞれには、スフィアの本質を表した「洗礼名」が存在する。パターンは「(星宮の守護天使)・the・○○」。

超時空修復で至高神Zが消滅した際、リアクターを失っていた「偽りの黒羊」「欲深な金牛」「沈黙の巨蟹」「怨嗟の魔蠍」「立ち上がる射手」「知りたがる山羊」「尽きぬ水瓶」「夢見る双魚」は共に消滅している。残る「いがみ合う双子」「傷だらけの獅子」「悲しみの乙女」「揺れる天秤」がどうなったのかは不明だが、用語辞典では「消滅したのは8つ」と明言されているため、搭載機の中に未だ残っていると考えられる。

ちなみに、至高神ソルというシステムの完成時には存在しなかったイレギュラー要素。スフィアは「ソルの」であり、自らの霊子と真化融合を果たしたソルが自我に目覚めて感情を芽生えさせ、それによって自らを破壊した経緯をかんがみても、元々は存在していなかったと推測される。

モチーフ[編集 | ソースを編集]

設定のモチーフは前述の通り十二星座。この他、共通項の多さからタロットの大アルカナがある程度参考にされていると思われる。星座には性別の割り振りが存在するが、リアクターの条件とは関係ないようである。事実、スフィアにある程度精通したAGは当初「男性」の割り振りであるふたご座のスフィアの奪取を「女性」であるスズネに任せる心算でいた。

スフィア一覧[編集 | ソースを編集]

星座の順に表記する。

偽りの黒羊[編集 | ソースを編集]

アイムのいた世界に存在したスフィア。資質を持った人間を外から操り、器となる搭載機を作らせるなど危険な方向で確固たる意志を持っている。至高神ソルの「物事を偽る意志」「自己防衛」を司る。

嘘、つまり自分を偽る意志によって力を発揮する。反作用の正体は言葉を混乱させることで真実と嘘の境目をなくし、嘘をつけなくしてしまうこと。それをも超えて己を偽り続ける意志を貫徹することでサード・ステージに移行する。

真実の自分を暴かれると力が崩壊するため、あらゆる真実を好奇心で暴き出す「知りたがる山羊」との相性が悪く、再世戦争ではこの方法で無力化された。逆に、嘘をつくということは己の感情から逃避することでもあるため、相反する感情の両立を妨害することで「いがみ合う双子」を無力化することが出来る。ただし、「いがみ合う双子」が本当のアクトを発現している場合、マスターコアとしての機能により返り討ちにされる。 相生関係のスフィアは不明。「本来持っている己を偽る」という意味では、人として生来持つ感情を抑圧することで稼働する「沈黙の巨蟹」と相性がいいと思われる。

反作用の内容だけなら一番安全であり、極まると己の死すらも嘘に出来るため、生存性もかなり高い。 スフィア・アクトを発現すると目の前の現実すらも偽ることが出来、再世戦争ではアイムが実体を持った分身を多数出現させていた。

対極となる「揺れる天秤」に対し、このスフィアの力は文字通り「己を偽る力」と言える。

洗礼名は不明だが、守護天使の名前はマルキダエル。

牡羊座(アリエス)
星座のモチーフは、継母の謀略によって生贄にされかけた兄妹を救うためにゼウスに遣わされた金の皮を持つ羊。
ちなみに、妹は羊に乗って逃げる際、あまりの速度に耐え切れずに転落死してしまった。「極めて危険な状況からの逃避」という点において、進退窮まってなお嘘をつき続けて現実から逃避しようとしたアイムと重なる。
性格分類においては、「強い自意識」を司るとされ、自分を守るための意志が転じて嘘全般を力とすると思われる。
割り振りは男性。
皇帝
タロットでは「皇帝」のアルカナと関連付けられる。
このカードのデザインは「社会的権力の象徴」を、正位置が「権威」「安定」「意思」「行動力」を意味し、更に逆位置が「無責任」「傲慢」「横暴」「傲岸不遜」を意味しているので安定した社会的地位に執着して嘘をつき続け、覚醒後は自分の意思で精力的に幾多の世界を渡り歩き、影響を考えずに嘘をまき散らして混乱を巻き起こし、傲慢・横暴・傲岸不遜で慇懃無礼を極めたアイムに相応しいと言える。

欲深な金牛[編集 | ソースを編集]

どこかの世界に存在したスフィア。プレイアデス・タウラの動力として未覚醒時から使用されていた。至高神ソルの「欲望」を司る。

何かに対する強い欲望によって力を発揮する。エルーナルーナは戦いに対する強い欲求によって力を行使している。その反作用は、欲望の根源をなくすことで、それをも越えて求める意志を促す「充足感の励起」だと思われる。

スフィア・アクトは他者の力を奪い取ること。機動兵器での戦闘では相手の機体のエネルギーを強制的に低下させるという形で現れる。そのため、「欲望のままに奪う」このスフィアは、「奪われる痛みに耐える」傷だらけの獅子との相性が良く、ぶつかると互いに力を上昇させる。

他者の力を欲望のままに奪うこのスフィアの力は、反対の位置の「怨嗟の魔蠍」に対し「他を求める力」と言える。

洗礼名は不明だが、守護天使の名前はアスモデル。

牡牛座(タウラス)
星座のモチーフは、ニンフの女性エウロペに恋したゼウス(ギリシャ神話の主神)が変身した白い牡牛。
この牡牛はエウロペを乗せて孤島であるクレタ島へと連れ去り、そこで正体を現して求婚するというなかなか無茶なアクションを起こしている(ゼウスは女性絡みで無茶をすることが多い)。最初は牛のようなアーマーを着込み(さらに男と思われていた)、求める相手との激闘を以て素顔を見せ、欲求をさらけ出した彼女の動向を彷彿とさせる。
性格分類においては、「マイペースで頑固」という性格を司る。それは即ち他人のペースを一切気にしないということであり、転じて自己欲を優先する「欲深」とされると思われる。なお、おうし座は争いを嫌うが、エルーナルーナはバリバリの戦闘狂である。
割り振りは女性。
対の星座は蠍座。
教皇
タロットでは「教皇」と関連付けられる。
「教皇」の寓意は正位置が「慈悲」「連帯」「優しさ」「規律・法の遵守」、逆位置が「守旧性」「束縛」「独りよがり」「逃避」「おせっかい」
このカードは「悪魔」と真逆の構図で描かれており、デザインには宗教的聖性や霊的象徴の協調などが暗示され、「救済」の寓意を持つカードである。また、法を記した書物を持たず霊性を司る十字架を携えるなど、教皇が人間を超越した法そのものであると暗示している。
No.5のカードであることを強く意識したデザインをしており、2つの柱とその真下に2人の従者(聖職者)、中央に教皇本人というトランプの5のような並びに固定されている。この3人は、教皇の力が精神・魂・肉体全てに及んでいることを示しているという(あくまで主役は教皇本人で対等ではない)。ちなみに、2人の聖職者は左右対称な点を除けば判を押したかのようにそっくりなデザインをしている。エルーナルーナは父親の安全という保守的な理由で戦っており、また身内に対しては争いを抑えたり連帯を重んじたりとその寓意に合致する性格を持っている。ついでに戦闘前台詞でランドからおせっかい呼ばわりされる場面がありこれも逆位置を思わせる。

いがみ合う双子[編集 | ソースを編集]

惑星ジェミナイに存在したスフィア。当初はガドライト・メオンサムがリアクターであり、ジェミニアに搭載されていたが、時獄戦役末期にヒビキが奪取しリアクターとなった。至高神ソルの心の中核を為す。

反作用の正体は、相反する感情が大きくなりすぎて「ぶつかり合う」状態を維持できなくなり、プラスとマイナスの感情が互いを相殺し合ってゼロになったことによる「思考の消滅」である。ただし、外から喝を入れる、「揺れる天秤」の力で意志を励起するなど外部から復帰させる手段は多い。

スフィアの中で唯一、二つの感情を発動キーとしているのも特徴。ガドライトの場合は故郷を滅ぼされたことに対する「怒りと諦め」、ヒビキは運命に対する「希望と絶望」で稼動させている。相反する感情を両立させ、強い意志によって相克状態を超越、その先にある可能性を掴むことでサード・ステージに移行し、以後はその境地によって稼動する。これはリアクターに限らず人間ならば誰しもが至り得る境地であり、「二つの人格」を持つスズネや、マーグの魂と闇の力を受け継いだタケルも同様の境地に至り、力を手に入れている(そのためリアクターであるヒビキは、「いがみ合う双子のリアクターは、決して特別な資格ではない」と述べている)。その関係上、力を引き出せる人間がもっとも多いスフィアでもある。

前のリアクターであるガドライトはサード・ステージを自称し「表面化する感情の逆転」のスフィア・アクトを発現していたが、これは反作用を受けずにサード・ステージに移行したことによる半端物。サード・ステージに至るには、他のスフィア同様発動キーを満たして反作用を受ける状態になり、その上でそれを乗り越える意志が必要になるが、ガドライトはここに挑まなかったのが原因である。 そして、誰にでも至り得るとは言っても、この境地にたどり着くのは並大抵では済まない精神力と意志の強さが必要とされるため、バルビエルは12の中でもっとも複雑な条件を持つこれを「欠陥スフィア」と評していた。

真のスフィア・アクトは、多元世界の万物万象すべてに宿る意志、即ち霊子とリンクし、それを仲間に伝播させる力。当然ながら仲間同士の意志もリンクするため、この力を受けた者は己の肉体や乗っているマシンをより直接的に操れるようになる(ゲーム中では技量の上昇という形で表される)。要は、真化融合を擬似的に起こす力である。

さらにこの力は他のスフィアに対して使用することも可能であり、共鳴条件や相性を無視して力を引き出す、あるいは抑え込むことが可能。ただし、リアクターの意志が完全に一致しない場合で複数の統合制御を行った場合、リアクターの心身に巨大な負担がかかる。

太極たる至高神ソルの存在は、多くの矛盾を孕みながら生きていく「人間」そのものであり、その核として矛盾を両立させるこのスフィアは太極の簡易版、つまりミニチュアとしての側面を持つ。そんなこのスフィアの力は、反対の位置にある「立ち上がる射手」とは逆、いわば「自分に打ち克とうとする力」と言える。言うなれば、いがみ合う双子の力を発揮する真のキーとは「克己心」言い換えれば「人間的な成長」であるといえる。

相反する感情のバランスが崩れると力が破壊されるため、その均衡を嘘でかく乱する「偽りの黒羊」に無力化される。しかしこれはセカンド・ステージの話であり、それを超越したサード・ステージに移行した後は無効となる。

洗礼名は「アムブリエル・ジ・オーバーライザー」。矛盾を乗り越えて生きる超越者である。

余談だが「いがみ合う」は漢字だと「啀み合う」と書く。

ちなみにガドライトのスフィア・アクトの正体は厳密には感情を逆転させるものではなく、表面化している感情に対して逆の感情を励起し、ぶつかり合わせるというもの。 例えば劇中でも描写された元敵対勢力同士のぶつかり合いの場合、「遺恨を捨てて歩み寄る」という行動の裏には「必要がなければ歩み寄りたくなどない」という感情が存在する。そもそも人が何か行動を起こす時、強い意志を以てそれを行うのなら、本音では同じくらいそんなことはやりたくないと思っているのである(だからこそそれを実行するために「強い意志」がいる)。ガドライトの力はこの「意思の裏側の感情」、要は心の底の本音を引き出すため、まず抗いようがない。

双子座(ジェミニ)
星座のモチーフは、カストールとポリデュークスという双子。
このうち、弟のポリデュークスは半人半神の不死身、カストールはただの人間であった(母レダの重複妊娠による別々の双子の片割れ同士であり、カストールは神の血を引かない)。ある日イリスとリュンケウスという別の双子との諍いの結果、カストールは殺されてしまい、ポリデュークスは大いに悲しんだ。そこで、ゼウスはポリデュークスの神性をカストールに分け与えたという。なお、カストールもポリデュークスも双子のもう一方は両方女性である。
性格分類においては、「社交性」を司るとされており、異なる他者とコミュニケーションを取るのが転じて相反する感情の両立を力とすると思われる。
割り振りは男性。
恋人
タロットでは「恋人」と関連付けられる。
なお、このカードはウェイト版が一組の男女であるのに対し、マルセイユ版は男性一人に女性二人という構図の違いがあるが、どちらでも中心に天使が描かれる(ちなみに、タロットカードの主人公はあくまで人間であり、天使などはサポート役である)。マルセイユ版の二人の女性は、ある種の権力を有する立場から男性の意識・理性をつなぐ女性と情熱的アプローチで男性の無意識・本能をつなぐ女性とされ、天使は後者の味方であるという説もある。
「恋人」の寓意は正位置が「絆」「趣味への没頭」「試練の克服」、逆位置が「不道徳」「空虚」「結婚生活の破たん」など。
こうしてみるとわかるが、「自堕落で酒に溺れ」「確固たる目的を持たず」「恋人と死別した」ガドライトはウェイト版の逆位置、「多くの仲間と友を得」「オカルト趣味にのめりこみ」「テンシへの恐怖を乗り越えた」ヒビキはマルセイユ版の正位置が示す寓意とモチーフ、寓画に当てはまっている。天獄篇では逆転し「恋愛問題に悩み」「過去の絶望に飲まれ」「マキとの関係が消滅した」ヒビキがウェイト版の逆位置、「父親となり」「裏で暗躍し」「諦めを乗り越えた」ガドライトがマルセイユ版の正位置に対応している。
デザインに描かれる「天使」に関しても、「テンシ」に関わったことで全てを失ったガドライト、「テンシ」に関わったことで家族を失ったが多くの仲間、そしてパートナーを得たヒビキ、と対応している。
また、双子は教皇・月・太陽など複数のタロットに登場する重要な要素であり、マルセイユ版において人間として最後に登場するのも男女の双子であるため、スパロボZを締める「人間」の役割としてはこれ以上ないスフィアと言える。

沈黙の巨蟹[編集 | ソースを編集]

  • 星座:かに座
  • リアクター:尸空
  • 宿主:尸逝天
  • 発動キー:「虚無」
  • 反作用:不明
  • スフィア・アクト:「感情の抑圧」

鬼宿」が住んでいた世界に存在したスフィア。他のスフィアと異なり、伝説の生き物の死骸に寄生している。至高神ソルの「理性」を司る。わかりやすく言えば、このスフィア(の感情)があったためにソルは死を選べたのである。

発動キーの正体は「死への志向性」であり、分かりやすく言えば人間の心の中にある死の本能、心理学でいう「デストルドー」のことであり、Zシリーズの世界観で言う「消滅しようとする力」そのものである。

自らの感情を抑圧し、己の精神を死に向かわせようとする意志によって力を発揮し、その中に己を保とうとする理性によってサード・ステージに移行する。そのため、活気や生命力に溢れた「生きている」人間では共鳴できず、意志そのものを持たない死者でも無理である。「沈黙の巨蟹」のリアクターとなり得る人間とは、生きたまま死を体現する存在……つまり「消滅しようとする力」を正しく導く「鬼宿」の人間=生きたまま死んでいる人間達であり、尸空の場合は種族としての能力にスフィアが同調している。 人として本来持っている感情を表に出さず、全ての行動を理性によって行うその姿は、何も知らない他者から見れば人間性の欠落した「虚無」の存在に見えるだろう。

反作用は不明だが、発動キー、そして反作用の共通項である「リアクターの死に繋がる」リスクからすると「感情の増幅」だと思われる。感情任せの行動によって死のリスクを増やし、それに負けず己を抑制する意志によって覚醒するのだろう。 スフィア・アクトは感情の動きの抑圧。相手の戦う意志や抗う精神を無力化し、耐性のない者が受け続けると意識を喪失する。特殊効果としてはSPが回復しなくなると言う形で表現されている。

相性関係は不明。 ちなみにこのスフィアの発動キーとなっている「虚無」だが、スフィアの力の根幹に意志の力が介在することを考えると、より正確に言えばそれは「死を恐れず、自然なものとして受け入れる意志」だと思われる。尸空が天獄編において、度々内心の激情を抑え損なって表に出しかけているシーンがあるのがそれを裏付ける(つまり「死への恐れ=生きたいという欲求を理性で抑え付ける」ことが同調の条件と思われる)。 裏を返せばそれができずに感情を表に出してしまえばこのスフィアは無効化されるため、人間としてもっとも根源的な感情である「欲望」を引っ張り出す「欲深な金牛」に弱いと考えられる。 逆に全ての感情を己の中に仕舞い込むため、感情をリンクさせることで力を発揮する「悲しみの乙女」に強いと思われる(「悲しみの乙女」は他人のための悲しみによって力を発揮するが、悲しみという感情は基本的に自己完結するものであるため、それを心の中に抑え込まれると何もできなくなる)。

ひたすらに己の自我を抑え、理性で全ての行動を行おうとするこのスフィアは、対極にある「知りたがる山羊」とは逆の「欲求を制する理性」と言える。

洗礼名は「ムリエル・ザ・ゲート」。生と死の狭間に聳え立つ虚無の扉である。

蟹座(キャンサー)
星座のモチーフは、英雄ヘラクレスによって踏み殺された化け蟹カルキノス。
異父兄弟であるヒュドラ退治にやってきたヘラクレスを倒そうとしたがあっさりと踏み潰されてしまった。
性格分類においては、「保守的」を司る。自己主張をせず明確な自我を有さないという気質に関連して、意思を無へと傾ける能力となると思われる。
割り振りは女性。ただし、尸空は男性である。ちなみに、搭載機の尸逝天は幼生(子供)の存在が確認されているため『雌』の可能性がある。
戦車
タロットでは「戦車」と関連付けられる。また、このカードのデザインは「宿命」「変容」を表しているとされる。
「戦車」の寓意は正位置が「勝利」「征服」「行動力」「積極性」「解放」、逆位置が「暴走」「不注意」「身勝手」「挫折」「焦り」「好戦的」
描かれているのは「若い王が乗り、四本の柱を持ち、二頭の馬を生やし、車輪が横向きに取り付けられた戦車」。このデザインは「人間の内面のさまざまな要素が一つの方向に揃う」ことを意味しているが、車輪が横向きであるため動けない。これがつまり、全く動かない心→死の方向に精神を統一することで稼動する設定に繋がっていると見られる。
タロットの正位置・逆位置共に、尸空のキャラクターとは全く合致しない(辛うじて正位置の「征服」が当てはまる)上に性別の割り振りも違う。これはさそり座も同じであり、サイデリアルのリアクター達は神話や大アルカナのモチーフとはほとんど関係ない設定を組まれている(そもそもキャラの掘り下げが少ないせいもあるが)。

傷だらけの獅子[編集 | ソースを編集]

  • 星座:しし座
  • リアクター:ランド・トラビス
  • 搭載機:ガンレオン
  • 発動キー:「忍耐」
  • 反作用:「リアクターへの激痛」
  • スフィア・アクト:「生命力の励起」

荒廃世界に存在したスフィア。ガンレオンごと前のリアクターの元から漂流してきた。至高神ソルの「忍耐力」「生存本能」を司る。

心身の痛みに耐えようとする意志によって力を発揮し、痛みに耐えるだけでなく、痛みに負けない強い意思を貫くことで真のサード・ステージへ移行する。 また、ガンレオンの意志によって、メールが死亡した際に分離・融合して蘇生させた経緯があり、以後多元戦争終結までの間、機体とメールに分かれて存在していた。その関係か、このスフィアは起動するだけならメールでも可能。

反作用はリアクターの心身にとんでもないレベルの激痛がかかるというもの。これに耐え切れず悲鳴を上げてしまうと、次元力を暴走させ時空震動を起こすという「揺れる天秤」並みの危険度を誇る。ただし次元力を使わなければ何も起きない。

スフィア・アクトは「激痛の伝播」だが、ランドは真のサード・ステージに至ったことにより、その痛みに耐える爆発的な生命の力を周囲に伝播させる能力として発現させた。特殊効果としては全味方パイロットの防御が上がるという形で表現。 痛みに耐える生命の力によって発動するこのスフィアの力は、対極にある「尽きぬ水瓶」に対し、わかりやすく「痛みに抗う力」と言える。

その属性ゆえに、力を奪い取るという形で痛みを与えに来る「欲深な金牛」と相性が良く、ぶつかると互いの力を大きく高める。 無力化関係は不明だが、忍耐とは簡単に言えば「我慢」であり、我慢することはつまり、受け入れつつも屈さない=己を守ることである。そのため、理不尽や痛みを与える存在に対して抗うことで力を発揮する「立ち上がる射手」に強いと思われる(「立ち上がる射手」は要するに納得できないものに抗うことで稼働するが、こちらとぶつかればそれに対して「我慢しろ」と言われる=納得できないものを受け入れるように抑え付けられる)。

洗礼名は「ウェルキエル・ザ・ヒート」。痛みと熱によって自らを鍛える鋼である。

獅子座(レオ)
星座のモチーフは、英雄ヘラクレスによって討ち取られたネメアの森に住まう人食いの大獅子。分厚い毛皮と甲羅のような筋肉で斬撃でも打撃でも傷つく事は無いという怪物。散々暴れまわり、ヘラクレスとの死闘でも武器を受け付けずに有利に戦うが、最終的にはヘラクレスに締め上げられて窒息死した。
「暴れん坊」「人間に叩きのめされる」「死亡(から転じて断末魔)」といった点は、シエロに根性を叩き直された元ごろつきのランドが、痛みによる絶叫を上げたことでスフィアが覚醒したことと重なる。
性格分類においては、大胆で激しいという性質とともに「力の象徴」を司っており、強い力を与えることが転じて痛みを引き金にすると考えられ、性質自体がランドの性格と一致している。
割り振りは男性。
タロットでは「力」のアルカナと関連付けられる。
「力」の寓意は正位置が「強固な意志」「不撓不屈」「理性」「勇気」「冷静」、逆位置が「甘え」「人任せ」「優柔不断」「権勢を振るう」
このカードは本能を象徴するライオンとその制御を象徴する女性が描かれており、ランドの性格はこのカードの正位置とも合致している。タロットも関連があるとするなら、おそらくメールがスフィアに取り込まれたのは偶然ではないと思われる。なお、ジ・エーデルはこのスフィアを奪う実験機としてカオス・レオーを開発していたが、もしレーベンがリアクターとなっていたなら、女性に対応するのは恐らくエーデルだったと思われる。また、レーベンが逆位置に当て嵌まるのは何とも皮肉である(更にランドには獅子の名は相応しくないと言われてしまっている)。

悲しみの乙女[編集 | ソースを編集]

宇宙世紀の世界に存在していたスフィア。機体そのものではなく武器の方に搭載されている。 悲しみの感情によって力を発揮し、それに負けない強い意志によってサード・ステージへ移行する。至高神ソルの「悲しみ」を司る。

多元戦争時にリアクターとなったセツコは反作用によって味覚が消失し、視覚も消えつつあったが、それに負けずに戦う意志を貫徹したことで覚醒が進み、いち早くサード・ステージに足を踏み入れている。ただし、彼女だけは機体から降りているときにその症状が発生している。セカンドステージで発生する反作用はスフィアとの共鳴を妨げるものがほとんどである中、五感が減衰すればさらに悲しみに包まれるのでむしろ共鳴関係の維持を強制する効果ともとれる。ただ、怨嗟の魔蠍との関係を考え併せると、恐らくは自分のことで手一杯になってしまうような状況においても『他者を悲しみ、癒そうとする意思』を持ち続けることができるかということなのだと思われる。後述のスフィア・アクトや洗礼名のことも考え合わせると、このスフィアが要求する「悲哀」とは自らの不遇を嘆く感情では無く、他者の境遇を想い悲しみ、共感して力になろうとする感情であると考えられる。

スフィア・アクトは感覚を他者にリンクさせること。いわばニュータイプの持つ感応能力の近縁種とも言える。この力で他者の悲しみに同調することで、出力を大幅に引き上げることが可能。 セツコが再世篇で見せていた「悲しみの感情の探知」はこれの片鱗であり、連獄篇では一気にサード・ステージに移行した影響で居合わせた全員の悲しみにリンクした結果、異様なローテンションに陥った反面戦闘力が爆発的に上昇していた(ゲーム的には気力限界を振り切って200になる)。 なお通常のサード・ステージの場合どうなったのかは不明だが、フェイクの力がSPの減少であることから、悲しみを伝播させ心を疲弊させるものだと思われる(この場合だと、「怨嗟の魔蠍」は憎しみを癒されるのではなく、疲れ切った心が憎しみを維持できなくなる)。

洗礼名は「ハマリエル・ザ・スター」。悲しみという闇の中に光る星である。

乙女座(ヴァルゴ)
星座のモチーフは正義と天文の女神アストライアー(冥王ハーデスに誘拐されて娶られてしまった、春との女神ペルセポネという説もある)。
彼女は争いを続け神に見放されつつある人間を最後まで信じて地上に残った女神であるが、やがて絶望してしまう。流される血で人間に絶望するという展開はまさに上官や想い人の死とレーベンの悪意に絶望して覚醒した彼女と重なる。ペルセポネにしても、レーベンとのやり取りと似た「親切にしてくれたので信じてみたが、実は不可逆な状況に追い込むための罠だった」という流れが存在している(ペルセポネの場合は母・デメーテルの怒りのサボタージュで地上が大変なことになったため、ハーデスが折れてめでたく帰還と相成ったものの本心では離れたくなかった彼の罠に嵌められて冥界のザクロを四粒食べてしまい、一年の内四ヶ月を冥界で過ごす羽目になった)。
性格分類においては、「自然を愛する心」を司っており、自然=周囲を感じられなくなることで自然を求める意思が強化されるために力が引き出されると思われる。
割り振りは女性。
隠者
タロットでは「隠者」のアルカナと関連付けられる。
「隠者」の寓意は正位置が「経験則」「思慮深い」「思いやり」「単独行動」、逆位置が「閉鎖性」「消極的」「誤解」「悲観的」
この隠者のモチーフは三つのヘルメスが合わさった「ヘルメス・トリスメギストス」であり、3機のバルゴラを統合したバルゴラ・グローリーのモデルとなったことを推察させる。

揺れる天秤[編集 | ソースを編集]

西暦世界に存在していたスフィア。クロノ保守派が保持していたものをエルガン・ローディックが持ち出し、カルロス・アクシオン・Jrを経てスコート・ラボに持ち込まれた。至高神ソルの「判断力」を司る。

「迷いの中でも折れることのない強い意志」によって力を発揮し、それに振り回されず判断力と己を保とうとする意志によってサード・ステージに移行する。

このスフィアの真の力は「天秤」の名の通り、皿にものを乗せてその重さを量るように、感情に揺れても迷っても折れることだけはない強い意志によって物事を比較し、その本質を見極めることにある。スフィア・アクトはその、本質を見抜く強い意志力を他者に伝播させること。本質を見抜くことが転じて正確な狙いを定めることに繋がると思われる。

反作用の正体は、リアクターの意志を目の前の感情に向けさせることで本質から目を逸らさせるというもの。クロウはジェラウド・ガルス・バンテールとの戦いでこの状態に陥ったが、当人曰くジェラウドの生き様に嫉妬を抱いたことが原因。感情に流され判断能力を喪失し、その状態で固定されてしまうのが暴走の原因である。これに負けず直感力を維持し、真実や本質を見切ろうとする強い意志を貫くことによってサード・ステージへと移行する。ただし、反作用の性質上リアクター単身で対処するのはほぼ不可能に近い。

クロウは再世戦争でこの問題を解決するため、筋金入りの守銭奴という自身の性格を利用して、コクピット内に金の音を鳴らす「コイン・ドロップ・システム」を採用することで反作用に対処。天獄戦争でサード・ステージに至ったが、再世戦争終盤の時点でアクトの片鱗を見せており、ゼロ・レクイエムが何のために行われているのかを察知していた。

このスフィアが求める意志とは、上述した通り迷いの中でも折れない意志だが、言い換えればリアクターは心の中に迷いを抱えている必要がある。何の迷いも躊躇いもないまっすぐな、要はシンプルに強い意志ではリアクター足り得ないのである(つまり「迷っても揺らいでもそれを表に出さず、乗り越える強い意志」が必要)。そのため、自己犠牲による慈愛(=死への迷いと、その先にある希望)を力とする「尽きぬ水瓶」とは「迷いの中の決意」という形で発動キーが共通するため相性が良い。

洗礼名は「ズリエル・ジ・アンブレイカブル」。揺らがぬ精神で道を切り拓く意志である。

天秤座(リーブラ)
星座のモチーフは、乙女座のモチーフであるアストライアーが持っていた善悪を測る天秤。
幾度となく善悪を測り続けてもなお悪化していく世界に絶望したアストライアーは、とうとうその天秤を捨ててしまう。幾度となく心を揺らされ、やがて心根をゆがめる宿敵によって覚醒したクロウに重なる。セツコ(乙女座)が最終的に彼を気にするのも運命だろうか。どちらかといえば、同じような名前を持つこの人の所有物、という方がしっくりくるが。
割り振りは男性。
占星術上において天秤座は牡羊座と対の関係にあたる。それに迎合したかのように、このスフィアと「偽りの黒羊」は覚醒と活性化の条件だけでなく、反作用までもが見事に対極である(強い意志があれば簡単に力を得られる一方で、反作用が最も危険で対策も難しい「揺れる天秤」と、常に嘘を吐き続けなければならない一方で、反作用が最も安全で感情が高ぶらなければ発生さえしない「偽りの黒羊」)。
性格分類においては「個人主義」を司り、これが迎合せず己を貫くことを力とすると思われる。
正義
タロットでは「正義」のアルカナと関連付けられる。
そのため、このスフィアにとっての正義とは「どんな形であれ折れることのない強い意志のこと」である可能性は高く、それを証明できる者が力を引き出せるということかもしれない(実際、クロウの意志の強さは全編を通じて随所で描写されている)。このカードには天秤が描かれているが、左右の皿のサイズが異なっている。公平とは対称でないことを示しており、割に合わない借金を背負うが、それがないと己を保てないクロウをイメージさせる。
ちなみに、「正義」の正位置は「公正」「誠意」(例:借金を全うに返済する意思)を意味し、逆位置は「不均衡」「被告人」(例:借金を返せない人)を意味する。
また、天秤は弁護士の象徴である。すなわち、片方には罪(例:過ぎた力を求める)、片方には罰(例:借金を負う)が乗せられるということである。借金に縛られないと主体性を維持できないクロウが過ぎた自由や力などを求める限り、決して借金から逃げられないということなのだろうか。

怨嗟の魔蠍[編集 | ソースを編集]

バルビエルが住んでいた世界に存在していたスフィア。至高神ソルの「憎悪」を司る。

読んで字のごとく、憎しみの感情によって力を発揮する。その憎しみが薄れれば力は弱まり、なくなれば崩壊する。知的生命体ならば誰もが抱く感情であるため、相性はさほど選ばないことが特徴。

スフィア・アクトは他者の抱える憎悪、あるいは劣等感や嫉妬心といった負の感情を暴走させ理性を失わせる力だが、元から他人を憎むという行為から無縁なガルガンティア船団のような人間達には効かず、バルビエルの場合ナノマシンを併用している関係で月光蝶やトランザムバーストにも弱い。また、ハマーンのような精神の強靭な相手、あるいはプライドの高い相手には跳ね除けられることもあり、字面ほど万能な力ではない。端的にいうと、憎しみという火種を燃え上がらせる能力であり、火種はもちろんのこと燃え続けられる環境と焼くべき対象がなければ機能しない。さらに言うと、燃え上がらせた後のコントロールもできない。

ゲーム上では装甲値減少という形で再現されている。Zシリーズの世界観ではパイロットの意思が機体に影響を与えるため、己の身を省みない程の他者への憎悪を励起させられることが転じて、機体の防御の力(装甲値)を下げているという事なのかもしれない。

憎しみに生きることを悲しみ、心を癒そうとする「悲しみの乙女」との相性が致命的に悪い。

反作用は不明だが、人為的にこの力を引き出していたクラヴィアが解放後に記憶を失ったことからして、恐らく憎しみの根源たる過去を失わせる「記憶喪失」だと思われる。そして、記憶を奪われてもなお憎しみを持続させるだけの強い意思によってサード・ステージに移行する。Zシリーズには登場していないが、「宇宙の騎士テッカマンブレード」のDボゥイが終盤に陥った状況に似ていると考えられる。

周囲に対して「あらゆるものを求める欲求」を力とする「欲深な金牛」に対し、このスフィアはいわば「他を拒絶する力」と言える。

洗礼名は「バルビエル・ザ・ニードル」。人の憎しみを煽り立てる毒針である。

蠍座(スコーピオ)
星座のモチーフは、狩人オリオンの傲慢に怒った女神の使いで、オリオンを刺し殺した蠍(この蠍、一説では妹・アルテミスがオリオンとゴールインするのを阻止したかったアポロンが、オリオン暗殺計画の要として用意した工作員であるとも)。
星座になった後の話として、自らの父がアポロンだと認めさせるため、太陽の馬車を無理やり運転して黄道を走ったパエトーンがさそり座に差し掛かった際、馬の足を刺したために馬車が制御不能となり、天地の破壊を恐れたゼウスによってパエトーンは殺された、というものがある。
性格分類においては、「探究心と持久力」を司る。決めた一つをひたすら求める気質は世の中と折り合いをつけることができず、報われない結果から嫉妬などを糧とする憎悪へと転じるものと思われる。
割り振りは女性だが、バルビエルは男性である。ちなみに、そのバルビエルが翠の地球で行動していた時にセツコから付けられた呼び名が「オリオン」であり、アン・アーレスに乗り換えた時に名乗りを上げている。これは、「蠍によってオリオンが殺された」という神話を意識したシーンとも見られる。また、オリオンはヘーリオスに盲目を治してもらったことがあるが、絶望の闇に染まった所をヘリオースのパイロットであるアドヴェントが属する御使いに救ってもらったところと重なるといえる。神話の蠍を使わしたのが神であるというところも、御使いの走狗となっているバルビエルの境遇を思わせる。
死神
タロットでは「死神」に関連付けられ、このカードは「人間としての過去と未来の消滅」「静止」を暗に表しているとされる。ちなみに、「死神」というのは通称に過ぎず、このカードのみ名前というものが存在しない。
「死神」の寓意は正位置が「終末」「破滅」「離散」「死の予兆」、逆位置が「再スタート」「新展開」「挫折からの復帰」。サイデリアルの侵攻で全てを失ったものの、御使いに見込まれて新たな道を歩み始め、最終的にはヴィルダークに引導を渡されたバルビエルの人生に合致している。また、バルビエルという名前は洗礼名であったことから、彼という個人を定義する名はないということになる。
なお、このカードに描かれる死神とは、ウェイト版においては黙示録に現れる「第四の騎士」であるとされる。この騎士は、疫病をまき散らして死をもたらすとされる。

立ち上がる射手[編集 | ソースを編集]

  • 星座:いて座
  • リアクター:次元将ヴィルダーク
  • 宿主:ヴィルダークの肉体
  • 発動キー:「反抗心」
  • 反作用:不明
  • スフィア・アクト:「重圧による力の制限」

どこかの世界に存在していたスフィア。前のリアクターから次元将ヴィルダークが奪取し、自身が新たなリアクターとなった。至高神ソルの「反抗心」を司る。ちなみに「いて」ではなく「しゃしゅ」と読む。

他者へ抗おうとする意志によって活性化する。ゆえに力が崩壊する条件も簡単で、他者へ屈服したり畏怖を抱くと力が崩壊する。反作用は不明だが、同調を妨害するような現象であることと発動キーから推測が可能。反抗心とは基本的に格下が格上に抱くものなので、その逆である「恐怖心の励起」だと思われる。

スフィア・アクトは攻撃的なプレッシャーにより、他者の力の発揮を妨げる力。己の中の意思の衝突を乗り越えようとする「いがみ合う双子」の対極にあるこのスフィアの力は、言うなれば「他者に打ち勝とうとする力」と言える。 仮に真のサード・ステージに至っていた場合、洗礼名と合わせて他人の闘争心を煽り立てる力になったと推定できる。

洗礼名は「アドナキエル・ザ・ジェネラル」。己を旗頭に他者を率いて戦う将である。

射手座(サジタリウス)
星座のモチーフは弓の名手であったケンタウルスの青年・ケイローン。
アポロンとアルテミスから数々の叡智を授かり、それを以ってカストール(双子座)やアスクレピオス(蛇遣い座)などの後の英雄達の師となったが、ヘラクレスの放った毒矢が偶然刺さってしまい、苦しみに耐えかねて不死の権能をプロメテウスに渡して落命した。余談だが、プロメテウスはそれ以前に禁忌を犯したことで神の怒りに触れ、永きに渡り苛まれ続ける刑罰を受けている(プロメテウスはこの時点で既に不死だったという説がある)。強引ではあるが、元居た世界の叡智の結晶である次元将の力を授かり、様々なリアクターの(表向きは)トップに立ち、同胞と相対して追放されたアドヴェントにその権能を奪われる様は神話と重なるとみることもできる。
性格分類においては、「発展願望」を司る。それは「納得できないことには一切従わない」性格であることから、反抗心を力とすると思われる。
割り振りは男性。
節制
タロットでは「節制」に関連付けられる。
「節制」の寓意は正位置が「調和」「節度」「献身」、逆位置が「浪費」「消耗」「生活の乱れ」
このカードは水瓶座と関連があるとされ、描かれている女性は「相反する二つの要素を結びつける仲介者」という役割を持ち、また翼を持つことから「天使」とされている。実際、彼が仕掛けた戦いは自身が擁するリアクターと拮抗しうるリアクター3人がぶつかり合う舞台であったといえる。また天使の絵は、(少なくとも表向きは)御使いらに使われる身であるという立場と合致する。もしくは、世俗的な要素とは無縁、という意味では彼自身を暗示しているとも取れる。命はもとより未来さえも捨てて宇宙を救おうとする様は正位置に、そのために犠牲を払って突き進み、止まれなくなった姿は逆位置に合致するといえる。

知りたがる山羊[編集 | ソースを編集]

  • 星座:やぎ座
  • リアクター:不明
  • 搭載機:不明
  • 発動キー:「好奇心」
  • 反作用:不明
  • スフィア・アクト:「他者の情報の公開」

どこかの世界に存在していたスフィア。前のリアクターからアサキム・ドーウィンが奪取しシュロウガに搭載され、後にアサキムがリアクターとなった。至高神ソルの「好奇心」を司る。

ありとあらゆる知識を求める好奇心によって力を発揮する。前のリアクターはアサキムと接触した際、彼のことを知り過ぎたためにその心の底にあった闇に触れてしまい、死亡したらしい。アサキム曰く「アカシックレコード」に接触するキーであるとの事。

好奇心とは知らない事柄に対して抱くものであるため、それを妨害する反作用は「知識の無差別な収集」であると思われる(知らないほうがいい様な、知れば気の狂いかねない、いわゆる「SAN値の減る」情報も引き寄せる)。 スフィアとは全く関係無いが、コードギアスマオギアスの暴走で精神を病んでしまったのがこれに近いだろう。敵が行使するスフィア・アクトで発動する「バリア無効化」からもそれは推察される。本来知るべきではないことから身を守るフィルターを失ってしまうのだろう。また、前述のアサキムが以前の所有者から本スフィアを奪った状況にも合致する。

スフィア・アクトはあらゆる真実を公開すること。そのあくなき知識欲は「偽りの黒羊」の嘘を暴いて無力化してしまう。フェイクの方は「バリア無効化」という形でこれを表現している。アサキムはこの力とシュロウガの機能を合わせることで、アカシック・レコードへのアクセスを可能とした。

相対する「沈黙の巨蟹」が「意欲を相殺する理性」とするなら、暴いてはいけないものを暴くこのスフィアは「理性を超越する欲求」といえる。

洗礼名は不明だが、守護天使の名前はハナエル。

山羊座(カプリコーン)
星座のモチーフはヤギ頭の牧神アイギパーン。ただし下半身は魚となっている。
これはアイギパーンが魚に変身したことによるもので、その経緯についてはティターン神族との戦いの際に威嚇のために海に潜った時の姿という説と嵐の怪物テュポーンが襲来した際に変身もおぼつかないほど慌ててナイル川に逃げ込んだ時の姿という説が存在する。確証はないものの、前者の説は「深淵を覗き込んだ」といえることから、アサキムの前の所持者を彷彿とさせる。ちなみに、パーンは「Panic」の語源である。
性格分類においては、「下心のない信頼関係を重んじる」ことを司り、転じて嘘を暴くことを力とすると思われる。
割り振りは女性。
悪魔
タロットでは「悪魔」のアルカナと関連付けられる。
この悪魔のデザインは山羊頭の悪魔バフォメットであるが、統一性のない姿は「訳が分からない」という印象を抱かせるものである。それゆえに「混沌」「葛藤」「暴力」を象徴しており、まさしくアサキムを指すのにふさわしいと言える。
また、「悪魔」の正位置は「堕落」「裏切り」、逆位置は人に知恵を与えた者として「覚醒」「新たな出会い」も意味し、これもまた世界をまたいでリアクターたちに出会って手段を選ばずスフィアの覚醒を促すアサキムらしい。さらにいうとシュロウガのデザインモチーフはサイバスター+悪魔である。
ちなみにこのスフィアは、一部のプレイヤーから「連想できる要素(正位置と逆位置そのままな経歴を有し、更には性別の割り振りと性格分類も一致している)の多いツィーネ・エスピオ(の並行同位体)が前のリアクターだったのでは?」という憶測が立てられていた。 彼女の機体のカオス・カペルはこのスフィアを再現する実験機だったので当たらずとも遠からずだが。
余談だが実はエツィーラ・トーラーの経歴もこのスフィアと「悪魔」のアルカナにそっくり当てはまる(未来予測の力を持つ、知識欲の塊、暴いてはならない真実に辿り着く、堕落の末に破滅的思考に行きつく)。何の因果か搭乗機も山羊モチーフである上、「第3次α」のキーワードは「アカシックレコード」である。

尽きぬ水瓶[編集 | ソースを編集]

聖インサラウム王国に存在していたスフィア。王国の開祖であるキング・インサラウム1世が最初のリアクターだが、1世が殺されず天寿を全うしたため、ユーサーが目覚めさせるまでまた眠っていた。至高神ソルの「愛」を司る。

他者への深く大きな愛によって力を発揮するが、要求されるレベルが高く、個人へのそれではなく国や組織のような大きなものに対する、自己犠牲を前提とした愛である必要がある。その反面、引き出される力は12個の中でもっとも大きく、セカンド・ステージの状態ですら次元将に匹敵するレベルの出力を誇る。

その性質を体現したかのように、反作用を受けると肉体が少しずつ崩壊していき、サード・ステージに到達するには命を投げうつ事もいとわぬ強い意志が必要。一度リアクターとなってしまうとサード・ステージに到達しなければ絶対に死ぬというとんでもないスフィアであり、ユーサーは反作用を抑えきれず何度も意識不明に陥っていた。

この事から、前のリアクターであったキング・インサラウム1世はどれほどの大人物であったのかとユーザー間で話題になっている。

要求されるのが強い意志で共通している「揺れる天秤」との相性がよく、互いに共鳴して力を高める。

スフィア・アクトは不明だが、フェイクの能力が「EN回復封印」であることと、「いがみ合う双子」の例、そして再世篇のユーサーのエースボーナスから考えれば、恐らく「他者に力を与える」能力であろうと考えられる。

洗礼名は不明だが、守護天使の名前はガムビエル。

水瓶座(アクエリアス)
星座のモチーフは、ゼウスの給仕を務めた美少年ガニメーデスが持っていた、神の酒ネクタールが溢れ出る水瓶。
ガニメーデスが給仕となる際、地上に残す両親が深く悲しむことを心配したという。喪失の悲しみやそれに対する慈愛は、故郷を離れる羽目になった挙句に民を失うことによる強い悲しみとその民への慈愛で覚醒に至ったユーサーと重なる。ちなみに、女好きのゼウスが彼を給仕にしたのは美女と見紛うほどに美しいから
性格分類においては、「自己愛」を司っており、独善性が転じて(一方的な)自己犠牲を力とすると思われる。[2]
「精神的な痛みに耐える生命力」をテーマとする獅子座の対の位置にあるこのスフィアの特性は、「命を削る肉体崩壊の痛み」といえる。
割り振りは男性。
タロットでは「星」のアルカナと関連付けられる。
このカードのデザインは「直感」と「肉体」が女性によって結びつけられる様子を表しており、エスターへの語りかけなどで本来持つ洞察力が行動に結びついたユーサーを表していると言える。
「星」のタロットが示す寓意は正位置が「希望」「ひらめき」「願いが叶う」、逆位置は「失望」「無気力」「高望み」
そしてそんな寓意に合わせたかの如く、当初のユーサーはその弱気さから失望され、また自身も無気力であり、聖王機ジ・インサーはインサラウムにおいて希望と幸福の象徴であった。

夢見る双魚[編集 | ソースを編集]

  • 星座:うお座
  • リアクター:アサキム・ドーウィン
  • 搭載機:シュロウガ・シン
  • 発動キー:「
  • 反作用:不明
  • スフィア・アクト:不明

どこかの世界に存在していたスフィア。アサキム・ドーウィンが所持しており、シュロウガに搭載されている。後にアサキムがリアクターとなった。至高神ソルの「想像力」を司る。

夢、つまり何かを望む意志によって力を発揮する。眠った時に見るそれではなく、未来への展望や目的などの漠然としたそれである。ゆえに力が崩壊する条件も簡単で、破れるか叶うかして夢を見なくなると力が崩壊する。アサキム=シュロウガは一時期ZONEに封印された際の自問自答から得た「自身の存在の確立」という目的が共鳴条件になっている。

スフィア・アクトは不明。到来していない事象、現実には存在しない物事に意識が向けられるという点からして、「未来予測」の力であると考えられる。星座配置で対極にある「悲しみの乙女」の力が悲しみの感情への同調、つまり過去の出来事を力とするのに対し、未来を夢見るこのスフィアの力は「未来を求める力」と言える。 一方でフェイク=通常のサード・ステージの力は運動性の減少と言う形で現れること、反作用そのままではないことを考えると、恐らくは「自身の持つイメージの貼り付け」だと思われる。相手の予測した内容を書き換えることで対応を誤らせ、回避を妨害するのだと考えられる。

先へと進む行動力と想像力がないと、夢を見る力が発揮できないため、反作用はそれを妨害する「想像力の減退」だと考えられる。

シュロウガの誕生に関係するサイバスターマサキ・アンドーに関連する要素である「未来予測≒ラプラスコンピュータ・デモンタイプ」「先へ進む行動力≒マサキの行動力と起点の良さ」「夢≒スーパーロボット大戦FF完結編)におけるマサキの精神コマンド」など、スフィア関連の設定が組み込まれる以前から当てはまるものばかりである。

ちなみにシュロウガとうお座には一見何の関連もないように思えるが、うお座のモチーフの一つであるエロースは古代の記述において全能の神とされていた(加えて両者とも「他人の感情に干渉する」権能を持つ)ことから、かつての至高神ソルと同質の存在であるシュロウガと共通する要素があると言える。

洗礼名は不明だが、守護天使の名前はバキエル。

魚座(パイシーズ)
星座のモチーフは、宴に乱入してきた怪物テュポーンから逃げる際、魚に変身した後はぐれないように互いをリボンで結んだアフロディーテとエロースの親子。アフロディーテが変身した魚の方は「みなみの魚座」とされることもある。目の前の危機から逃れることが、転じて現実から目を逸らすこととなり、そこから対応アルカナの「月」のカードにおいて、寓画の月が示す「真実への導きを与える、無名無形の見えざるもの」との関連付けから「夢」というキーが設定されたと思われる。
性格分類においては、「感情の豊かさ」を司る。また、「不安、障害、犠牲的奉仕」といった特性もある。
なお、12星座としてもそれに関連付けられるタロットとしても、12種の中では最後に位置している。実際、名前が判明したのは最後だった。
タロットでは「月」と関連付けられる。
このカードは双子を示す複数の要素や本能と理性の葛藤を示しているとされる。割り振りは女性。
「月」のタロットが示す寓意は正位置が「不安定」「隠れた危険」(「隠れた敵」とも)「現実逃避」「猶予なき選択」、逆位置が「過去からの脱却」「失敗に繋がらない過ち」「未来への希望」「すぐれた直感」
エピソードが何も語られないのでどのような運命にあったのか不明。アサキムと照らし合わせると、正位置は自身の空虚さから目を背け、御使いの言いなりにスフィアを狩集めるしかない境遇、逆位置は無限獄からの解放を求めて流浪し、最後の最後にZ-BLUEに敗北したものの大願を果たした結末に符合する。

特殊能力「スフィア・アクト」[編集 | ソースを編集]

第3次Z時獄篇で初登場した、スフィアの力を表現した特殊能力。再世篇までは主に、パイロット側のSP回復によって表現されていた。 「いがみ合う双子」「怨嗟の魔蠍」に関してはシナリオ中でも度々登場する。再世篇での「偽りの黒羊」および「知りたがる山羊」もスフィア・アクトと思われる特殊能力を披露しているが、特殊能力としては採用されていない。

天獄篇ではスフィア名で表記されるが、検索画面では「スフィア・アクト」でまとめられている。

スフィア・アクト(いがみ合う双子)
1.時獄篇のジェミニアの能力。気力130以上で発動し、EP開始時に全敵パイロットの気力を-3する。
2.ジェミニオン・レイの能力。気力150以上で発動し、全自軍パイロットの技量を+10する。
3.擬似タイプ、ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵パイロットの気力を-3する。
スフィア・アクト(沈黙の巨蟹)
尸逝天の能力。気力130以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵パイロットのSP回復を無効にする。イノベイターSP回復などのスキル、「わかめパン」などの強化パーツや歌による回復も無効。ゼル・ビレニウムが持つ擬似タイプも同効果。天獄篇では発動気力が140に上昇している。
スフィア・アクト(欲深な金牛)
プレイアデス・タウラの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットのENをEP開始時に-40する。ゼル・ビレニウムが持つ擬似タイプも同効果。
スフィア・アクト(怨嗟の魔蠍)
アン・アーレスの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットに装甲ダウンの効果を与える。ゼル・ビレニウムが持つ擬似タイプも同効果。
スフィア・アクト(傷だらけの獅子)
ガンレオンの能力。気力150以上で発動し、全自軍パイロットの防御を+10する。
スフィア・アクト(悲しみの乙女)
バルゴラ・グローリーSの能力。気力150以上で発動し、全自軍パイロットの回避を+10する。
スフィア・アクト(揺れる天秤)
リ・ブラスタTの能力。気力150以上で発動し、全自軍パイロットの命中を+10する。
スフィア・アクト(立ち上がる射手)
次元将ヴィルダークの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットの最終与ダメージを0.9倍にする。ゼル・ビレニウムが持つ擬似タイプも同効果。
スフィア・アクト(偽りの黒羊・擬似)
ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットに照準値ダウンの効果を与える。
スフィア・アクト(傷だらけの獅子・擬似)
ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットにフェイズごとに最大HPの10%のダメージを与える。
スフィア・アクト(悲しみの乙女・擬似)
ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットのSPをフェイズごとに-5させる。
スフィア・アクト(揺れる天秤・擬似)
ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットの移動力を-3させる。
スフィア・アクト(知りたがる山羊・擬似)
ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットのバリアを発動させなくする。
スフィア・アクト(尽きぬ水瓶・擬似)
ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットのENを回復させなくする。
スフィア・アクト(夢見る双魚・擬似)
ゼル・ビレニウムの能力。気力140以上で発動し、自身から10マス以内に存在する敵ユニットに運動性ダウンの効果を与える。

人造スフィア[編集 | ソースを編集]

人の手でスフィアを模して作られた次元力制御システム。オリジナルには及ばないものの、何れも強力なパワーを有する。

ジ・エーデル、アンブローン、AGのDEMコーポレーションらも人造のスフィアを開発し、次元力を行使できる。人造のスフィアではオリジナルには及ばないにしても、安定性に優れていると言い切れる。Zの段階でジ・エーデルがオリジナル(乙女座と獅子座)を奪取する機会がめぐっても、それをしなかった理由は「オリジナルのスフィアは強大な力を行使できる半面、不安定な一面もある」ことを理解していたからだと思われる(それ以前に、リアクターをマシンごと抹殺し、かつその時点で新しい搭載機を用意していないと逃げられるので物理的に不可能だったと思われるが)。

ZONE
インサラウムで開発された、地脈から次元力を吸い上げる装置。これは機械的に次元力を吸収する装置であり、意思の力に性能は左右されない。
ディメンション・エクストラクター
スフィアの力のうち、「次元力を引き出して強化する」という側面のみを再現した模造品。次元力をどれだけ引き出せるかがパイロットの意思の力に左右される点でスフィアに近い。AGはこれの改良型を独自に開発している。
カオス・レムレース
ジ・エーデルが開発した機体。機体自体が人造のスフィアであり、サード・ステージの事象制御を可能としている。乙女座と獅子座のスフィアを参考にしているが、事象制御に関しては属性に縛られるスフィアよりも自由度が高い。
TS-DEMON
ジェニオンの動力で、AGが自作した模造スフィア。覚醒段階を模したモードシフト機能がある。あくまで「いがみ合う双子のスフィアから次元力を抽出する」ための機関であったため、単独の出力はかなり低くジェ二オンのフルスペックを発揮できなかった。後に「いがみ合う双子」を奪取し、スフィアの制御機関としての機能を発揮するようになる。
サイデリアル製人造スフィア
天獄篇で修復されたジェミ二アが搭載。地球よりも数段次元科学の進んだサイデリアルの技術力で造られた機関であるため、スフィア搭載機であるジェミ二アの性能をかなりのレベルで再現できていた。ただしあくまで基本性能の復元に留まり、回復力の再現はできず、D・フォルトを展開するだけの出力は確保できなかった様子。
フェイク・スフィア
アドヴェントが作り出したスフィアのコピー品。スフィアのルーツである至高神ソルを作り出した存在の作品だけあり、スフィア・アクトすら使用できるほど完成度が高い。

関連人物[編集 | ソースを編集]

アサキム・ドーウィン
「夢見る双魚」のリアクター。死ねない身体となり、平行世界を彷徨う運命(本人曰く「無限獄」)を負わされた人物。太極に至り不死の運命から逃れるため、スフィアの所持者を追い続けている。そして、第2次Zにおいてついにその目的の一つを遂げ、「偽りの黒羊」「尽きぬ水瓶」(黒の騎士団ルートでは両方とも失敗)を手に入れたことで計4つものスフィアを所持するが、その戦いで次元の狭間に閉じ込められた。天獄戦争で復活し、その意志によって4つのスフィアのリアクターとなった。
ギリアム・イェーガー
アサキム同様、平行世界を彷徨う運命を負わされていた。この運命から逃れるため、かつて至高天(=太極)を目指すべくスフィア争奪戦に参加していたことを示唆する発言がある。また、太極という単語をスパロボ上で始めて口にした人物である。(口にしたのはZ発売1年前のOGs内)過去に偽名で「アポロン」「ヘリオス」という太陽に関連したワードを使っており、広大且つ恒常的に正と負の影響をもたらす「太陽」のアルカナに関連する可能性があるが、他のアルカナに比べるとやや関連が薄い。ただし、様々な世界で活躍し正義のヒーローとも言える性格を持つ反面、ヒーロー戦記ではラスボスであったり、OGではシャドウミラーという悪の組織を招く原因になったりたりするなど負の一面も持ち合わせているあたり、決して外れてはいない。
ダークブレイン
OG世界にスフィア、もしくはその近似要素が存在することを最初に示唆した存在。「十二の鍵」を結集させる事で至れるという「至高天」を目指してOG世界にその姿を現す。当初はZシリーズに関りがあるとされていたが、現状においてはスフィアと同種の存在であることが有力。
御使い
至高神ソルを創造した高次元生命体。至高神再誕を目的に、アサキムやサイデリアルに全スフィアの収集を命じた。

関連用語[編集 | ソースを編集]

太極
スフィアの根源たる人造神「至高神ソル」の異称。
次元力
スフィアによって引き出される「次元を越える、あるいは越えた力」。恒星を起源とし、星座などの概念から物質まで、あらゆるものに宿る「存在の力」。アークセイバーの機動兵器やシュロウガはこれを動力に稼働している。
無限力
Zシリーズの前シリーズである第2の王道シリーズ・αシリーズの根幹をなす概念。次元力と似た性質を持ち、こちらは「正」と「負」に完全に分かれている。
スフィア・リアクター
スフィアを所持し、共鳴する事でその力を扱う人物のこと。
スフィア搭載機
スフィアを搭載した機動兵器の総称。
カオス・レムレース
ジ・エーデル・ベルナルの機体。「傷だらけの獅子」「悲しみの乙女」のデータを元にしており、「人の手による鍵」「人造のスフィアのようなもの」と称される。
ネオ・リアクター
アドヴェントがスフィアの力を引き出す為だけに生み出した人造生命。フェイク・スフィアを所持する。

余談[編集 | ソースを編集]

  • アークセイバーシリーズはその全てがジ・インサーを源流としたコピー機の側面を持ち、限定的ながら次元力制御を可能としている。後に、アークセイバーの機体は搭乗者の意思に反応して出力を高める疑似スフィアとでもいうべきDエクストラクターを搭載し、さながら量産型スフィア搭載機になっている。ちなみにアークセイバーシリーズは誕生月の星座と関連がある誕生石をモチーフにしている。
  • シリーズ第1作『Z』発売前に、「今回のロボットには何か路線があるのか?」などといった記者の質問を受けた際、寺田Pより「主人公機の武器は聖闘士星矢のような昔のジャンプのノリ」という回答があったが、ノリどころかそのまんまである(特に尸逝天)。加えて言うなら、黄金聖闘士らの立ち位置やその力なども割と似ている(例を挙げると、双子座は聖人と讃えられたが闇に堕ちた男と悪党だったが正義に目覚めた男、天秤座は使い手・聖衣ともに苦労性、乙女座は五感閉鎖に関する技などを持つ)。
    • シリーズ開始時、『α』における「クロスゲート」「サイコドライバー」のポジションとして考案されたもの。人間の場合そのキャラクターが死ねばそこまで、ということで、「大きな力の源であり個人でない何か→狙ったり狙われたりする『物体』が望ましい」として考案された。形状は球が完全な形であることと、デザインとして組み込みやすいために「スフィア」となった。その上で、キャラクターやマシンのモチーフにも引っ張れる、という理由から十二星座がモチーフとされた経緯がある。[3]余談だが、アドヴェントが「αから始まりΩに至るはずだったが、それが少し変化してZとなった」と述べているが、この話と絡むのかは不明。
  • 12基+1基からなり、超常の領域から無尽蔵にエネルギーを引き出し全てが機能し揃うことで宇宙全体の命運を握るアイテムで、適合するパイロット&機動兵器と融合することで効果を発揮、機体を変質させて生物的な意匠をもたらすという設定は、『ゼノギアス』(SRW未参戦)のアニマの器と良く似ているといわれる。
  • スフィアとリアクターの設定はタロットの大アルカナと星座の神話をモチーフにしていると推測されていたが、尸空、バルビエルの登場で瓦解している。ただ、新地球皇国の首都が明らかに「塔」を意識したネーミングであることからも、アルカナ・神話が設定元であるのは間違いなく、なぜこの2人だけ違うのかは不明。
    • バルビエルの場合、『連獄篇』の展開からユーザーに対してのブラフを持たせた可能性はある。
    • ネオ・リアクターにも男女が存在し、こちらは星座から関連付けされるタロットの男女割り振りに完全に対応している。

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 星座を形作る星は、本来関係ない星々が地球上からは集まっているように見えているだけで、例えば極めて規則正しく並んでいるように見えるオリオン座の三ッ星ですら実際の位置はかなり離れている関係ない星がそう見えているだけである。従って他の惑星から見ればそれぞれの星座は別の形に見えてしまうし、仮にたまたま12星座が正しく見える惑星が他にあったとしても、太陽の見掛け上の通り道である黄道がこれら12星座に重なるとは限らない。スフィアが12星座に集約された太陽の次元力を引き出すものである以上、地球で最も効果を発揮するのは必然であるといえる。
  2. マリリンも、自身が死んで悲しむであろう人たちを慮らないユーサーの行動を独りよがりだと評している。
  3. SPECIAL | 第3次スーパーロボット大戦Z 天獄篇 2019年6月3日閲覧。