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2018年5月9日 (水) 00:02時点における版
自機が次の戦闘で敵ユニットを撃墜したとき、獲得資金が2倍になる精神コマンド。サブパイロットがかけた場合でもメインパイロットに効果が有り、小隊制を採用する作品の場合は所属小隊全員に効果が有る。略字は「幸」。
特徴
ボス敵や戦艦等の高額資金ユニットの撃墜を狙う際は、この精神コマンドを使用することにより獲得資金を大幅に増やすことができる。一度に複数の敵機を撃墜した場合は、撃墜したすべてのユニットについて獲得資金が2倍になる。「幸運」+「熱血」または「魂」をかけてマップ兵器で大量の敵ユニットを撃墜するのは、スパロボプレイヤーにとって資金稼ぎの基本とされている。ただし、獲得資金に上限が設定されていたり、マップ兵器で敵を倒すと通常撃墜時の半分等に減らされる作品もある。
ほとんどの作品において、「幸運」をかけた次の戦闘では敵機を撃墜できなくても効果は消滅する。こうなると精神ポイントの無駄使いになってしまうので、確実にトドメを刺せる状況であることを事前に確認し、戦闘前にクイックセーブで保険を掛けておくことが重要となる。しかし『NEO』を期に、資金を獲得できなかった場合には消費されず効果が保存されるシリーズも出るようになっている。
かつては入手資金に(古くは経験値にも)ボーナスを計上できる唯一の手段として、パイロット選定の際、非常に重要視される精神コマンドだった。その後、実質的な上位精神コマンドである「祝福」が定着し、相対的に重要度が下がった。多数のパイロットが(複合精神コマンドとしての)「愛」[1]を持つ作品では、更にその傾向が強まる。しかし、現在は小隊制の作品が増え、全体攻撃やダブルアタック、コンボ等で資金を持った強めのザコ小隊を一掃する方が稼げる場合も増えているため、それらの精神コマンドより少ない精神ポイントで使用できる場合が多い「幸運」の重要性も高まっている。
現在は精神コマンド以外で資金ボーナスを得る手段も増加しており、それらとは効果が重複・乗算されない場合が多い。しかし、そのような手段の効果を重複させて資金ボーナスを「幸運」・「祝福」と同等以上に上げられる場合は稀であるため、往時には及ばずとも一定の地位は保たれているといえる。
登場作品
獲得資金と経験値に補正がかかる作品
『F』より前の作品では、次の戦闘での獲得資金と獲得経験値が2倍になる。「努力」登場以前の幸運持ちは、レベルアップの点でも優遇されていた。
- 第3次スーパーロボット大戦
- 初出。消費SP20。
- 第4次スーパーロボット大戦(S)
- 消費SPが40となった。また「奇跡」の効果の1つにもなっている。
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
- SFC時代の『LOE』の移植という事もあって、13年ぶりに経験値2倍の効果が復活した。
資金のみに補正がかかる作品(即時消費)
『F』以降のほぼすべての作品では、基本的な消費SPは40で獲得資金のみ2倍。獲得経験値2倍の効果は「努力」へと分割された。消費SPが個別設定の場合は、10~40位と差が大きい。
- スーパーロボット大戦F
- 本作より効果が「努力」と分離され、獲得資金のみ2倍となった。
- 無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ
- 戦闘勝利時の獲得資金を1.5倍にする。他作品と異なり、戦闘終了時まで有効。ハーケン・ブロウニング専用。消費SPは30で、味方全員に効果。
- ちなみに、無限のフロンティアシリーズでは祝福が存在しない。
- 無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ
- 前作と同じ効果。ハーケン専用。消費SPは40とやや増加。支援攻撃フィニッシュ(獲得資金1.3倍)とも重複可能。「修練」や支援効果など他にも幸運の使用手段が増えたため、単独での使用頻度は落ちた。
資金のみに補正がかかる作品(獲得するまで持続)
- スーパーロボット大戦NEO
- 1度だけ敵撃破時の獲得資金が2倍になる。敵を仕留め損なっても、撃破して資金を獲得するまで持続する仕様がシリーズで初めて採られた。Lv1~3のレベル制で、レベルが上がると消費SPが減る(Lv1で消費SP20)。
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- 『NEO』の仕様に加え、素材・強化パーツのドロップ率を上昇させる効果が加わった。
- スーパーロボット大戦BX
- 任天堂携帯機シリーズでは初の撃破し損ねても持続する仕様。また援護攻撃で敵を撃破した場合には資金2倍の効果を受けた上で持続するバグがある。
- スーパーロボット大戦V
- こちらでも撃破し損ねても持続する仕様。
関連作品
- リアルロボット戦線
- 消費SP40、入手金額2倍。資金を得るまでは効果は消えない。
主な使用者
幸運に恵まれた人物が覚える事が多いが、必ずしもそうとは限らない。また、倍の資金が得られるという特性からか、大企業の御曹司といった人物が覚える場合も。複数乗りスーパーロボットでは誰か一人が覚えるパターンも多い。
- ジュドー・アーシタ
- 敵ユニットを上手く誘導し、「幸運」+「熱血」、または「魂」を使用したΖΖガンダムのマップ兵器「ハイメガキャノン」で資金を荒稼ぎする事が可能。
- しかし、作品によっては覚えていないことも。現在では「祝福」のレギュラー化や、小隊制では「幸運」が小隊全体に有効になっていることにより、相対的に彼自身の「幸運の」出番は少なくなった。
- 神隼人 / 神隼人 (OVA)
- ゲッター系2号機のパイロット。TV版ラストにおいてミチルのハートを射止めた為か、あるいは原作漫画、OVAにおいて「ゲッターチームで常に最後まで一人だけ生き残る」宿命を負っている所以か、ゲッターチームにおける「幸運」担当は隼人であることが多い。
- 1号機の流竜馬が熱血を早期に覚えるため、彼が幸運を覚えるとボス専用ユニットと化す。OVA版では、真ドラゴンに乗り換えれば、マップ兵器があるので雑魚相手にも役立つ。なお、『A』など作品によっては竜馬が幸運を覚える場合もある。
- 弓さやか
- 支援メカのアフロダイAやダイアナンAでマジンガーZと共に序盤から参戦するが、いかんせん攻撃力に乏しく、「幸運」を活かすにはダメージ調整や乗り換えを必要とした。
- 小隊制の場合は、所属小隊全体に有効なのでそのような問題は解決。なお、単機出撃作品では現在「祝福」に変更されていることが多い。
- エルピー・プル、バーナード・ワイズマン
- 「幸運」初出の第3次以来、登場すれば「熱血」と共に高確率で習得する。(プルは「祝福」に差し替えの場合も多い。)
- 「原作準拠の死亡展開を振り払えるスパロボ補正持ち」の代表格でもあり、そうした由来で幸運を習得する(と思われる)元祖にあたる2人とも言える。
- 神勝平
- かつては「ザンボットチームに『幸運』は無理」と製作側に言われていた。『A』では、原作で生き残れた事を考慮してか「幸運」を習得した。
- なお、『A PORTABLE』では新たに設定された勝平のエースボーナスが「幸運をかけると『不屈』も発動する」というもので、精神コマンドの略字表示が「不幸」になってしまう。
- テリー・サンダースJr.
- 「死神サンダース」のジンクスを第08MS小隊に入ってからそれを吹き飛ばせたためか、最後の最後に覚える。「不屈」も覚えるので、わざと「不幸」にすることも可。
- ブルース・カール・バーンステイン
- 消費が30と少なく使いやすい。原作でもカジノで路銀を稼いでいたし、運もギャンブラーの実力のうちといったところか。
- ガロード・ラン
- サテライトキャノンやツインサテライトキャノンに幸運をかけると、一気に資金を稼ぐことができる。惚れた少女とは最終的に結ばれた彼にふさわしい精神コマンドである。
- 『Z』の場合、「幸運」無しでも「エースボーナス+強運+隊長効果+シャイア・トーブかエルチ・カーゴ(アイアン・ギアー艦長時のみ)の隣接」で獲得資金が2倍に達する。
- 『第2次Z』でも、エースボーナスが「気力120以上で自軍フェイズ開始時に『幸運』が掛かる」という、強運すら霞む「幸運」の化身っぷりである。
- パトリック・コーラサワー
- 劇中にて戦闘時に撃墜されても奇跡的に生還を遂げたり、最終的に自身よりも階級が上になる意中の女性と結婚できた経歴に由来するのだろう。
- ちなみに、「幸運」の消費は僅か20。さすが、「幸せのコーラサワー」の自称は伊達ではない。
- 『第3次Z』では上記のガロードのエースボーナスを継承している。
- エリヤ、ナリア
- 「幸運強化兵」であるためか当然のように覚える。
- 近藤剣司
- 原作で最後まで生存できたためか、最後に覚える精神コマンドが幸運である。ちなみに、最初に覚えるのが「不屈」である。
- 光司鉄也
- 『L』では最初期から習得し、序盤のボスキラーとして活躍する。精神コマンドの並び順故に「ド不幸」である。
- カッツェ
- がめつい商人なので覚えるのは必然か。ただし、彼女がメインパイロット時のデリンガーは非常に弱いので敵の撃破に苦労する。
- マサキ・アンドー
- 活用用途はジュドーのそれと一緒。彼が「幸運」を持っている理由は『魔装機神II』で判明する。
- モニカ・グラニア・ビルセイア
- 『第2次OG』では、なんとエースボーナスで毎ターン必ず幸運が発動する。ガロードのそれと違い気力制限が無い点が恐ろしいところである。
- タスク・シングウジ
- 常に己の勝負運を試そうとしている、根っからのギャンブラー。『OG2』ではエースボーナスでSP消費を25から15に減らすことができる。
同じ・または類似する効果を含む要素
精神コマンド
- 祝福
- 指定した味方一人に「幸運」をかける。小隊制の場合は1小隊全体に有効。実質的に上位互換だが、消費ポイントは当然「幸運」より多め。
- 希望
- 『Z』で登場。指定した1小隊全体に「気合」「祝福(=幸運)」「応援」「友情」をかける。
- 愛
- 『R』以後の多数作品で採用されている複合版のみ。
- 奇跡
- 現在は登場自体が稀。
- 修練
- 『無限のフロンティアEXCEED』で登場。幸運と努力が同時にかかる。
特殊技能
- 社長
- 獲得資金が少し増加する。現行作品では強運に取って代わられている。
- 強運
- 社長のリネーム版。「幸運」と重複するのは、『IMPACT』等ごく一部限定。ただし、『COMPACT3』や『無限のフロンティア』シリーズでは本当に「幸運」の効果がかかる。後者については1作目では錫華姫、『EXCEED』では楠舞神夜が習得。
- メイルライダー
- 『クロスアンジュ』のパイロット専用のスキル。(その境遇はともかく)効果は強運と同様。
- 一攫千金 / 一挙両得
- 強運の『魔装機神II』版。こちらは「幸運」と重複する。
- ラッキースター
- 『X』で新登場したスキル。出撃時に「幸運」をかける。
強化パーツ
- ゴールドエンブレム
- 『第2次Z再世篇』以降のZシリーズに登場する「エンブレム」の一つで、装備者の敵撃墜時の獲得資金が常時2倍となる。
- 幸運と効果が重複し、その際は4倍の資金が得られる。
- プラーナコンバーター
- 『第3次Z』のDトレーダー取り扱いパーツ。気力150以上で獲得資金・PP・Zチップが2倍となる。
- 以降の作品でも同一の内容で搭乗。
- フェアリーブレス
- 『V』のファクトリー取り扱いパーツ。出撃ユニット全員に幸運が掛かる。
- あまりにも稼げるためか、次作の『X』では削除された。代用として、上記の特殊スキル「ラッキースター」が登場。
その他
- エースボーナス
- 多くの作品ではエースボーナスに獲得資金増加の特典がある、しかし、幸運と重複しない場合が多い。
- 小隊長能力 / 隊長効果 / 艦長効果
- 一部キャラに、獲得資金を増加させる能力が設定されている。これも原則、「幸運」とは重複しない。
- お気に入り
- 特典の一つとして、指定した作品の基礎獲得資金を増加させる効果がある。他の要素と違い、幸運とも効果が重複する。
- 商魂
- 『EXCEED』の琥魔の支援効果。発生確率50%。
- バサラの歌
- 『第2次Z再世篇』以降、「DYNAMITE EXPLOSION」使用時に対象に「幸運」他の効果をかける。
幸運の効果と無関係な要素
特殊技能や精神コマンドの中には、語感やイメージから「幸運」の効果を持っているように見えるが、実際には無関係のものが幾つか存在する。
- ラッキー
- 特殊技能。言葉の意味合いからして「幸運」に関連した技能に見えるが、全く別物。
- 幸運強化
- 「幸運」強化兵であるエリヤ・ナリア専用の特殊技能。これも「幸運」とは完全に別物。
- 勇気 / 奇襲
- 「愛」や「奇跡」のような複合精神コマンド。しかし、これらには「幸運」や「努力」の効果は無い。
余談
- 「不屈」と同時に「幸運」かけた時の表記が「不幸」となるのは、有名。前述の神勝平のエースボーナスは明らかにこの事を意識している。
- もちろん別にパイロットへ悪影響があるわけではなく、プレイヤーの気分の問題。なお、「努力」か「必中」等もかけると間に「努」「必」が入って解消される。
- 『Z』や『K』以降のシリーズでは精神コマンドの略字の表記方法が変更されており、「不屈」と「幸運」だけかけても「不幸」と言う並びにはならない場合がある。
- 『無限のフロンティアシリーズ』に至っては、そもそも略字表記になっていない。
- 『V』では代わりに、習得精神が「不屈」→「幸運」の順であるため何もしなくても縦読みで「不幸」になるパイロットが出る事態が発生している。