尸空
尸空 | |
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読み | しくう |
登場作品 | |
声優 | 坂口候一 |
デザイン | 大籠之仁(スタジオG-1 NEO) |
初登場SRW | 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇 |
SRWでの分類 |
パイロット ラストボス |
プロフィール | |
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種族 | 人間(鬼宿) |
性別 | 男 |
年齢 | 不詳(壮年) |
所属組織 | サイデリアル |
所属部隊 | 鬼宿 |
資格 |
スフィア・リアクター(沈黙の巨蟹) 鬼宿総領兼最高司祭 |
尸空は『第3次スーパーロボット大戦Z』の登場人物。
概要[編集 | ソースを編集]
星間軍事連合「サイデリアル」の三大幹部の一人で、サイデリアルの所属部隊の一つ「鬼宿」の総領にして最高司祭を務める男。12のスフィアの一つ、かに座のスフィア「沈黙の巨蟹」のサード・ステージのリアクターでもある。
オレンジのサングラスと黒いスーツに革靴、赤いシャツ、白いネクタイと言った不気味なカラーリングの出で立ちが特徴的。またバルビエルの発言によれば実は盲目であるらしい。
人物[編集 | ソースを編集]
性格は寡黙そのもので口調や態度も淡々としており、他者からの挑発や侮蔑にも全く反応しない事から情動の動きが無きに等しいが、その身から発せられる殺気は「底なしの暗さ」と例えられる程凄まじく「殺し屋」「死の使い」と称されている。また、戦闘や任務においても常に感情を表に出すことなく淡々と遂行し、この「任務」の中には「裏切り者の粛清」も含まれているが「標的以外は殺さない」というポリシーがある[1]。
一見人間味を感じられない男だが、他者に対して口数が少ないながらも皮肉を言う場面もある。また、感情が死んでいるように見えるのは意志力で情動を抑殺しているだけで、無意識に笑ったり動揺したりと、当人曰く「未熟」な面も見られる。
前述の粛清の任務の為に暗殺者としても活動しており、対人戦闘力に関してZ-BLUEでも上位に位置するクロウが「攻撃のモーションが読めない」と苦戦する程、生身の戦闘力も強い。ちなみに彼の武器は手刀であり、現世とは別の理を宿すことでただの手刀が対象を容易に切り裂くとともに、生命の灯火を消す凶器となる。
来歴[編集 | ソースを編集]
元々鬼宿は銀河辺境に存在した種族であり、人間のみならずありとあらゆる物全てに存在する「消えようとする力の結晶」つまり「死」を司る一族である為、ある意味本物の「死神」の一族と言える存在。しかし「鬼宿」はその特異な力に目を付けたサイデリアル、引いては御使いの勝手な理屈で滅ぼされてしまい、尸空を始めとする生き残りはサイデリアルの一部隊に組み込まれてしまう。
その為一族を滅ぼしたのみならず、「鬼宿」の使命である「自然な『死』を迎えた魂と『消滅しようとする力』を正しく導く」事を「自分達から命を奪いに行き、結果報われない魂と『消滅しようとする力』だけが増えて最終的に宇宙の大崩壊に繋がる」事へ歪めた御使いに対しては内心強い怒りがあり、次元将ヴィルダーク、エルーナルーナ・バーンストラウスと共に御使いに対しての反抗の機会を伺っていた。そして時が来れば次元将であるヴィルダークに自らのスフィアや集めたスフィアを差し出すという計画を立てていた。
本編開始以前には「いがみ合う双子」のスフィアとそのリアクターであるガドライトを組織に迎えるべく部隊を率いて惑星ジェミナイを襲撃・滅亡させ、脱出してきていた彼らをサイデリアルの一部隊「ジェミニス」として吸収。その後、哀しみのサクリファイの命令で「時獄」の監視役として送り込まれたガドライトが、独自の行動を見せて彼女の意に反した行動を取った事で粛清対象となった為、「ジェミナイド達の希望であるアンナロッタを処刑する」と言う命令をサクリファイから受けて、任務遂行の為に地球を訪れ、ガドライト敗北の後に彼女を処刑。その後、時獄の崩壊直前にZ-BLUEの前に現れ、刃を交えた後、その強さゆえに地球人が滅びることになる、と告げて一旦姿を消すもサイデリアルの地球侵攻に伴い再び出現。
その後幾度となくZ-BLUEと交戦するが、最期は2回目のラース・バビロンでの決戦に敗れ、かねてからの計画通りに自身の「沈黙の巨蟹」と「御使いの打倒」をヴィルダークに託し死亡。しかしその魂は「鬼宿」の異能の力によって生死の狭間に留まっており、スフィアに宿ったリアクター達の魂と共に超時空修復に力を貸す。最終的にスフィアが砕け散った事によって「沈黙の巨蟹」からも解放され、新たな地平へと旅立って行った。
登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]
Zシリーズ[編集 | ソースを編集]
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 初登場作品。担当声優の坂口氏は本作でスパロボ初出演。
- 第49話終了時に「???」名義で顔を出した後、エピローグで対決。3ターンの時間制限つきだが1ターン目から動きだす為、撃墜はそこまで難しくはない。ただし、機体の能力でSPが回復しなくなるので攻撃を始めたターンで撃墜すべし。また、別に倒す必要も無く4ターン目でイベントが発生して終了となる。
- なお、本編ではエピローグまで「???」名義だが、それより前にプレイできるボーナスシナリオ「ラスト・デイ」で名前バレしている。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- プロローグ2話で登場し、敵ユニットとしては13話から登場。様子見だった時獄篇や手を抜いていた連獄篇とは違い、今回は気を抜けば容易に撃墜されてしまう強さを誇る為油断は厳禁。特に15話ではエルーナルーナとバルビエルとも同時に相手をしなければならず、48話ではこの3人の後ろにヴィルダークが控えている為今作屈指の難所。
- 広域殲滅特化の機体に乗っているためか、トロフィー「マルチクラッシュ」のマークになっている。
- 第3次スーパーロボット大戦Z連獄篇
- 第8話で登場。撤退条件が厳しいため、基本的に倒すことは出来ない。
パイロットステータス[編集 | ソースを編集]
能力値[編集 | ソースを編集]
回避が低い以外は総じて高水準。地形適応はオールSだが、尸逝天がオールAなので総合適応はA止まり。時獄篇では直前のボス2人がより手強く、そもそも本人が手を抜いていた為少し強いぐらいの相手でしかない。連獄篇も時獄篇と同様だが、天獄篇では本気を出した尸逝天共々Z-BLUEに襲い掛かってくる。
しかし天獄篇では何故か本人の地形適応がオールAになっている(尸逝天もオールAだが、最終戦ではS-アダプターを装備している為オールS)。
精神コマンド[編集 | ソースを編集]
特殊スキル[編集 | ソースを編集]
- 第3次Z時獄篇
- 極、底力L8、カウンターL9、気力+ボーナス、精神耐性、精密攻撃、2回行動、マルチターゲット
- 大ボス恒例の「極」は言うまでもなく、今までボトムズ系のキャラのみが所持していたZシリーズ仕様の「精密攻撃」がとにかく脅威。クリティカルが出ようものならスーパー系ですら一撃で落とされる可能性があるため対処は怠らないように。尸逝天に「対精神攻撃」があるため「精神耐性」が半分死んでいるが、総じて優秀なラインナップ。
- 第3次Z連獄篇
- 見切り、底力L3、カウンターL3、気力+ (ダメージ)、精神耐性、プレッシャーL2、マルチターゲット
- 連獄篇ではこのラインナップ。極が見切りに、気力+ボーナスがダメージにランクダウンし、尸逝天も回復能力が消えている、と明らかに手を抜いている状態。それでも、自軍の戦力が貧弱なこともあり倒せる相手では通常ない。
- 第3次Z天獄篇
- 極、底力L5、カウンターL9、気力+ボーナス、精神耐性、プレッシャーL4、マルチターゲット、2回行動/3回行動
- 天獄篇ではこちら。「精密攻撃」の代わりに得た「プレッシャー」によって、彼の技量を上回るか射程9以上の武器で攻撃しない限りは数値以上の硬さや鋭さを誇る(反骨心でも相殺しきれない)。この能力と機体のサイズ差(2L)もあって、底力のレベルが低下したにも関わらずしぶとさは三幹部随一なので、長射程の武器で攻撃するか彼の技量を上回る事が出来るエース達の波状攻撃で片を付けてしまいたい。
エースボーナス[編集 | ソースを編集]
- 気力130以上で、自軍フェイズ開始時に「必中」がかかる
- ガドライトと同じボーナス。『時獄篇』ではハードモードでもレベル75(=撃墜数75)で登場する為実際には習得しない。
- しかし『天獄篇』では正式に採用されており、しかも今回は3回行動を所持している為一度発動してしまえばMAP兵器を絡めた回避不能の攻撃が3連発で襲ってくる。発動を許さず総攻撃で手番を回さないようにしたい。
人間関係[編集 | ソースを編集]
- 尸刻
- 副官にして、実の妹。全幅の信頼を寄せている。
- 皇帝アウストラリス
- 新地球皇国皇帝。立場上は目上だが明確な上下関係は存在せず「同志」と言える関係。最期はラース・バビロンでの決戦にて彼に自らの命とスフィア、そして御使いの打倒を託した。
- エルーナルーナ・バーンストラウス
- 同僚で新地球皇国軍の総司令官、そして目的を同じくする「同志」でもある。彼女と同時期に地球に侵攻し、最期は共に自分の命とスフィアをアウストラリスに捧げた。
- バルビエル・ザ・ニードル
- 同僚。減らず口の多い彼とはお互いにあまり反りが合わない模様で、言葉少なに痛罵を浴びせては彼をキレさせることもしばしば。
- 彼の事は「同僚」と見ても「同志」とは見ておらず、最終戦で彼が撃墜された際には「独りよがり」と評している。
- 哀しみのサクリファイ
- サイデリアルの真の統括者であり、ヴィルダーク達と共に打倒を誓った御使いの一人。時獄戦役において尸空が地球を訪れたのは、彼女から「時獄の監視者」として送りこまれたにも関わらず暴走するガドライトへの制裁として「アンナロッタの処刑」を命じられたからである。
- アンナロッタ・ストールス
- サクリファイからの命令によってジェミニス最後の女である彼女を処刑しているが、ガドライトと彼女の子供は手にかけておらず、ジェミナイドの未来は絶えることはなかった。
- ガドライト・メオンサム
- かつて彼らジェミナイドの母星であるジェミナイを部隊を率いて滅ぼし、リアクターである彼を組織に迎えている。
- ガドライトにとって尸空は母星を滅ぼしただけでなく愛する女性を殺害した仇敵であるが、彼女のお腹の中の娘達の事は見逃した事でジェミニスの希望が繋がれた件については感謝している模様。
- ヒビキ・カミシロ
- 「いがみ合う双子」のリアクターとなって間もない彼を「まだサイデリアルに迎えるには足りない」とあしらう。その一方、戦闘台詞では「お前は何だ?」と違和感を覚えている様子。
- クロウ・ブルースト
- 「揺れる天秤」のリアクターで天獄篇における事実上のライバル。スフィア同士の相性以前に強い意志に満ちた彼の存在を個人的に嫌っており、彼と対峙する際は感情を乱される。
- 実は互いに「折れない意志で生きている」同類。尸空が彼を嫌うのは同族嫌悪に近い。
- アサキム・ドーウィン
- リアクター達からスフィアを奪う彼の存在は知っており、ラース・バビロンでは一度戦闘する。
版権作品との人間関係[編集 | ソースを編集]
- 桂木桂
- 彼を「始原の特異点」と呼んだことで怒りを買う。だが、その諦めない姿勢には好感を持っていたようで、彼とオルソンの攻撃を受けて撤退する際には笑みを浮かべていた。
- 熱気バサラ
- 妹と同様に彼の歌に対し悪い感情は持っておらず特殊戦闘台詞で「いい歌だな」と評している。
名台詞[編集 | ソースを編集]
戦闘台詞[編集 | ソースを編集]
文面だけだと分かりづらいが、感情そのものをどこかに忘れたかのように淡々としており、情動を感じさせない台詞が多い。
- 「お前達は、やりすぎた」
- 開始台詞の一つ。Z-BLUEがエタニティ・フラットを覆し、アンチスパイラルを打倒した事はサイデリアルに、ひいては御使いに目を付けられる事に繋がるが故の発言であると思われる(既に御使いの一人であるアドヴェントがZ-BLUEに深く関わっているが、尸空は彼の正体を知らず、そもそもこの時点のアドヴェントは御使いから追放されて「クロノ」の改革派として動いている)。
- 「絶…陰…亜…業…獄…終」
- 「尸獄門」発動時。これは、鬼宿の人間が死の力を扱う際に口にする「歌」である。尸刻もこの歌で死の力を操り、敵の生命力を奪い取ることが出来る。
- 「まさか、ゲッター線とはな」
- 真ゲッターロボとの戦闘時。サイデリアルではゲッター線を力に変えるという発想は普通はしないようだ。
- 「死の方が、お前を拒絶しているか」
- 対キリコ。生命を生から死へと導く事を使命とする鬼宿にとって異能生存体の力はこう見えるようだ。
- 「妙だな…お前は何だ?」
- 対ヒビキ。「いがみ合う双子」のリアクターとなったヒビキには、尸空から見ても妙な部分があるようだが……。ミスリルルート13話でもC.C.がヒビキを見て「お前は何だ?」とその本質そのものを問うている。天獄篇で、この違和感の正体が明かされる。
- 「揺れる天秤…。お前だけは倒すしかない」
- 対クロウ。御使いとは別の意味で敵意を剥き出しにしているのが窺える。アクシオ・スコートSPに乗っている時もこの台詞が出る。
- 「消えろ、クロウ・ブルースト」
- こちらは冥逝孔使用時の台詞。敵には珍しい「武器使用時の特殊台詞」だが、冥逝孔自体の使用頻度が高くないので、狙わないとまず見られないレア台詞。
- 実はこれだけ妙に感情が入っており、クロウ相手だと虚無を通せないという背景が表れている。
- 「こういう交渉の方法もあるか」
- 対ロジャー被弾時。少しだけ表情が変わっているので、呆れていたのかある意味感心したのか。
- 「俺の…戦いも…終わるか…」
- 天獄篇最終戦での撃墜時。
時獄篇[編集 | ソースを編集]
- 「俺が来た理由は一つしかない。ジェミナイド最後の女、アンナロッタ・ストールスを処刑するためだ」
- 本編での初登場時。突然の来訪に狼狽するガドライトをよそに、「御使い」からの任務を遂行すべく淡々とジェミナイド滅亡の宣告を下す。連獄篇でのガドライトの言動からおそらく、彼が本来の任務から外れぬように本人にとっても、そしてジェミニスにとっても絶対に失えない存在であるアンナロッタの命を楯にされていたと思われる。
- 「運命は変わらんよ。人の手では。だが、もし…それが起きるなら…」
- パラダイムシティにて、一世一代のネゴシエイトに臨むロジャーを見て。かつて「人を超えた存在」によって運命を歪められた男は人の手では変えられない運命と、それを可能とすることの意味……その先にあるものを知りつつ、箱庭の街から運命を決する交渉を見守る。
- 「殺してはいない。俺の任務はアンナロッタ・ストールス…お前の処刑だけだ」
「完全母系遺伝の種族ジェミナイド…その最後の生き残りの女…お前を処刑すれば、その血は絶える」
「これが天意に背いたお前達の末路だ」 - 第58話「いがみあう双子」クリア時、アンナロッタの前に現れての処刑宣告。完全母系遺伝とは、どんな交配の組み合わせでも必ず女性側の遺伝子が優先される遺伝形態であり、要は母親がジェミナイドでなければ子供はその特徴を受け継げないということ。これにより、仮に部下達に子供が出来たとしても絶対に「ジェミナイド」ではない事から、彼らは完全なる滅亡を迎えることが確定してしまった……と思われたが実は彼女のお腹の中の子供は無視し、しかもそれが双子の娘だった為ジェミニスの希望は繋がれる事となった。
- なお、居合わせた部下達も任務に関係ないという理由で敢えて殺さずに気絶させているのは、前述の通り彼自身のポリシーからアンナロッタ以外の命を奪う気が無かったからである。
- 「未熟だな…。その程度では、俺達と肩を並べるにはまだかかりそうだ」
- 「動き出す刻、そして…」にて対峙したヒビキを評していわく。事実、サイデリアルのスフィア・リアクターは全員がサード・ステージに達しており、その力の恐ろしさは天獄篇で発揮される事となる。
- 「…仲間という言葉は似つかわしくないが、同じ組織の一員ではある」
- 同上。ガドライトの仲間かと問われて。境遇を考えれば、ガドライトも「同志」になれる可能性はあったはずだったが……。
- 「3分で任務を遂行する。行くぞ」
- Z-BLUEと対峙し部隊を展開して。新たなリアクターを擁し、エタニティ・フラットを覆し、「真化」の道をひた走る存在……Z-BLUEの力を見極めるべく、死を齎す巨蟹「尸逝天」が動き出す。
- 「静止した生命…時の牢獄…。確かにつまらん世界だろうな…だが、それは楽園と言ってもいい。そこから脱する事を選んだのを後悔するんだな」
- 初戦闘時。エタニティ・フラットによる緩慢なる破滅を「楽園」と言い切っている辺り、今後地球はおろか宇宙に何が起こるのかを知っていたようだ。
- ヒビキ「やるぞ…! お前を倒して、血塗られた目の真実を解き明かしてやる!」
尸空「後悔するぞ…」 - ヒビキとの戦闘前会話の末尾。知れば確実に後悔する、知らない方が良かったと嘆くことになる。
- 「…お前達は弱くはない」
「だが、それ故に滅びることになる」 - 去り際。力を持ってしまったがゆえに地球人は滅びると宣告し、「沈黙の巨蟹」は姿を消す。そして、アオの星にさらなる戦乱が襲い掛かる…。
連獄篇[編集 | ソースを編集]
- 「俺は依頼を遂行するだけだ」
- 第8話「尸魂の徒」にて。アドヴェントからの勧誘を一蹴して。依頼と言っていることからして、ミドリの星に来たのは鬼宿本来の任務ではなかったようだ。
- 「お前は賢いな」
「よくそこまで口が回る」 - 第11話「揺れる天秤、揺れない意志」冒頭のシナリオデモで、ギルターの長口舌を言葉少なに皮肉る。
- 「クロウ・ブルースト。お前は危険な男だ」
「他のリアクターはともかく、揺れる天秤のお前は恭順の意を示さないようなら抹殺する以外の道はない」 - 同話中のイベントでアクシオ・スコートSPを追い込みながら。この台詞は「揺れる天秤」は強い意思を力とするため、そのリアクターが恭順を拒否した場合は無理に従えると意志が折れる→リアクターの資格を失ってスフィアが逃げるので意味が無い、という事実を示している。
天獄篇[編集 | ソースを編集]
- 「ザ・ヒート……」
「なるほど……。これが因果というものか」
「お前は……いいな」 - 第13話「大気圏突入」にてランドを見て曰く。さすらいの修理屋の自称は、偶然にもそのスフィアに与えられた洗礼名だった。
- 「無口な奴でな。俺達が紹介しよう」
- 第15話「ラース・バビロン攻略戦」で、新たに出現したストラウスに驚くZ-BLUE一同を前にしても沈黙を貫く本人についての発言。当然バルビエルからは「あんたに言われちゃ、ストラウスも終わりだな」と皮肉られる事に。
- 実際ストラウスことエルーナルーナは無口とは程遠い人物であり、当然尸空もその事は知っているので尚更である。
- 「同じ生命だ。変わりはない」
- 同じく15話より、アマタに「人を虫けらみたいに言うな!」と言われた際の返し。ゼロからも「言う人間の違いによって、これだけ言葉の意味が変わるとはな」と突っ込んでいた通り、生命の価値を対等に見ている、という意味では間違ってはいないのだが…(鬼宿が生命の死を、飽くまで対等な立場で司るという見方も出来るが)。
- 「以前にも言ったような気がするが、そういった関係ではない。あれは妹だ」
「驚く程の事か?」 - 離脱ルート第23話「マーズ・エンカウント」で尸刻が撤退した際、「自分の女がやられても虚無か」と言われて。死の化身のような男にいきなり人間味が出てきた場面である。ちなみに「以前」というのは第13話「大気圏突入」でのこと。なお離脱ルートを通らなかった場合は第30話「闇の中の真実」で出る。
- ちなみにサイデリアル内部でもこのことについては周知させていなかったらしく、幹部でもダバラーン・タウは兄妹関係を知らなかった。
- 「クロウ・ブルースト…! その強い意志は、俺の存在を乱す…!」
- 第30話「闇の中の真実」にて。
- 「生命を送るのは俺達の生業だ」
「鬼宿は生命の力が散る時に生まれる力を、正しい方向に導く事を司る…」
「その通りだ。沈黙の巨蟹のスフィアは、俺の鬼宿としての力に同調している。死とは肉体を失う事……。その喪失感は何物にも代えがたい……。それは最も深い虚無だ」 - ミスリルルート第37話にて、クロウと対峙した際に語った「鬼宿」と「沈黙の巨蟹」について。
- 死んで自分の肉体を失うことは、死者からすれば己自身を失うことに等しい。すなわち存在の消失によって心に生ずる空白こそが尸空の言う「虚無」そのものであり、「沈黙の巨蟹」が求める感情なのである。
- 「俺の受けた任務はジェミニスが天意に背いた場合、最後の女であるアンナロッタ・ストールスを処刑することだ」
「それ以外は知ったことではない」 - 48話にて判明した事実。彼女以外のジェミナイド、特にジェミナイド再興の可能性になりうる子供を見逃した事は、ある意味「命令違反」と言えるがそれを見逃したのは彼自身の流儀だけでなく、御使いへの意趣返しも幾分か含まれていると思われる。
- 「虚無は無ではない。俺も生きている」
- 第48話でのクロウとの戦闘前会話にて、自身の殺気を感じ取ったクロウへの返し。「沈黙の巨蟹」もスフィアである以上、人間の感情を動力としているのは同じ。即ち、死者ゆえの無ではなく、生者ゆえの虚無。あるべきものが存在しない空白を抱えて歩み、しかし呑まれることなく生き続ける強い意志こそが、「沈黙の巨蟹」のスフィア・リアクターの力。だからこそ、生きるための強い意志を求める「揺れる天秤」とは似通いながらも相容れない。生と死、相反する両面で強い意志を貫く両者が、ラース・バビロンで激突する。
- 「哀れだな、バルビエル。お前の独りよがりにそのスフィアは渡せない」
- 第48話でバルビエルが先に撃墜された場合の独白。同様の場面でエルーナがバルビエルはこれ以上スフィアの力を引き出すことは出来ないと評する事からすると、自分の憎しみを晴らすためだけに戦うバルビエルの限界を見抜いた台詞ととれる。
- 「俺の戦いは終わっても、俺達の戦いは終わらない」
- 第48話で一時後退する際に。スフィアをヴィルダークに差し出すことによって尸空は死ぬが、御使いとの戦いは力と意志を継承したヴィルダークが担うことになる、という話である。
- 「…クロウ・ブルースト…。俺もお前と同じなんだよ」
- 最期。自らの命と願いを「同志」に託し、「沈黙の巨蟹」は深い虚無へと還っていった。
- 「お前と同じ」というのは、尸空の持つ「虚無であろうとする意志」が、クロウの持つ「己を貫こうとする意志」と根源的には同一である、という意味である――が、大体のプレイヤーは「まさか、こいつも借金してるのか?」と思ったことだろう。
- 「まだだ」
「ここは滅しようとする力と存在しようとする力とが交わる場所だ…お前には、まだやるべき事がある…」 - 第57話「真化、その意味」/「終焉の宇宙」クリア時、力尽きて死に行くヴィルダークの魂の前に現れて、無へと帰らんとする彼の魂を押し止める。
- 尸空「お前たちの生命は、まだ輝いている」
ヴィルダーク「その光ある限り、全力で生きろ」 - エンディングにて。
- 「特に言うことはない。だが、ゲームは続けてくれ。それだけだ」
- 中断メッセージより。三行ほど沈黙を貫いた後で。らしいというか、なんというか。
搭乗機体[編集 | ソースを編集]
- 尸逝天
- 死を司る一族である「鬼宿」の総領に受け継がれて来た至宝であり、正体は生と死の狭間に存在する巨大生物の死骸。
余談[編集 | ソースを編集]
- 搭乗機の尸逝天はかに座中心領域が名の由来だが、本人も「尸」の「空」と同じくかに座の中心領域が由来となっている。
- 「鬼宿」とはかに座の中心領域にある、星宿の二十八宿の一つで、万事進むに大吉とされる吉方位。中国の思想では死者の魂が集う場所とされている。この中には「鬼」「積尸気」「灌」「外厨」「天記」「天狗」「天社」の7つの星官が存在している。
脚注[編集 | ソースを編集]
- ↑ アンナロッタを粛清する際、その場に居合わせていた部下達は気絶させるに留め、そして彼女が身ごもっていた子供を見逃したのはこれが理由。
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