木星
- 外国語表記:Jupiter
- 分類:太陽系第5惑星(木星型惑星)
- 軌道長半径:5.20260 AU
- 離心率:0.04851
- 衛星の数:65(イオ、ガニメデ etc)
- 直径:142,984km
- 半径:69,911 ± 6km(平均)
- 表面積:6.21796 × 1010km2
- 体積:1.43128 × 1015km3
- 質量:1.8986 × 1027kg
- 平均密度:5.515 g cm−3
- 重力:2.34G(地球での平均基準)
- 公転周期:11.86155年
- 自転周期:9時間55.5分
概要
太陽から5番目に位置する、太陽系最大の惑星。厚い大気を持つガス型惑星で、その大半が水素で構成されているため、「(質量が足りず)太陽になりそこねた星」と言われることもある。イオ、ガニメデを始めとするおよそ60以上もの衛星を有する。
その巨大な質量ゆえに重力も非常に強く、地球の約2.4倍。接近してくる隕石や彗星のほとんどは木星の重力に引きこまれていく。ロボットアニメ、漫画においてもこの木星の強い重力を機体などの設定に生かしていることがある(メッサーラ、クロスボーン・ガンダムなど)。ガスを主成分とする木星型惑星であり、まともな地面すら無く到底生物が住めるような場所では無い。人間が居住している作品であっても大抵の場合は過酷な環境とされている。
なお、高重力環境が必要な何かをしにいく場合を除けば、宇宙世紀において木星に行く目的はほぼ「核融合エンジンの動力源となるヘリウム3(ヘリウムの同位体)の採集」である。ヘリウム3を使う核融合は現実でも理論は確立されており、廃棄物の少なさ・反応開始条件の緩さなど総合的に見て最もバランスが良い反応と目されているが、燃料となるヘリウム3が地球上にほぼ存在せず、人工的な精製も極めて困難と言う問題がある。これを採取しに木星まで行くのである。
しかし、これらの設定が作られた時よりももっと後に、ヘリウム3は月面上に豊富に存在することが明らかになっており、今から新しい世界観の設定を作るのであれば、核融合の燃料は月面基地にでも行って採取すれば済むため、木星まで行く必要は特に無い。ちなみにヘリウム3採取船ジュピトリスは全長2km。
ロボットアニメ作品における木星(およびその衛星)に関しては、地球人等の行為によって変容あるいは破壊される等、太陽系の惑星の中でも受難が際立つ傾向にある。地球と月、そしてその間の宙域が大部分である宇宙世紀においては最遠の辺境である。
宇宙世紀ガンダムシリーズでは木星でニュータイプに覚醒する人物が多い。漫画『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』(SRW未参戦)においては、それに関する答えが出されている。同作設定によれば、作中に登場する作家「ヨシユキ・トミノ」こそが地球人類最初の木星帰りであるとされている。 宇宙世紀の木星圏においてはニュータイプ能力に関しても早い段階から超能力として研究されていたようで、木星出身のパプテマス・シロッコが地球圏の人間が単にプレッシャー等の曖昧な表現をする現象を『サイキック・インプレッション』『サイコ・ヒット』と言及しており、後の時代には同じく木星帰りのフォンセ・カガチがサイコミュに適性のある人間を「サイキッカー」として政治・軍事両面で利用している。
『銀河旋風ブライガー』においては大アトゥーム計画の要として爆破された。木星の残骸を材料とする多くの新天体が地球軌道上に創造されたことにより、後のJ9シリーズは「太陽系内に多彩な有人惑星が存在する」という独特の世界観となっている。
木星を舞台とする作品
- 機動戦士ガンダム
- ジオンのニュータイプ戦士シャリア・ブルが木星帰り。また、レビル将軍の乗艦には木星の衛星である「アナンケ」の名前が付けられている。
- 機動戦士Ζガンダム
- パプテマス・シロッコが木星帰り。
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- 最終回でジュドー・アーシタとルー・ルカが旅立っていった。
- 機動戦士Vガンダム
- ザンスカール帝国のフォンセ・カガチが木星帰り。また、ザンスカールの艦船には主に木星の衛星の名前(アマルテア、アドラステア他)が用いられている。
- 機動戦士ガンダム00
- 西暦2110年頃、木星探査計画が行われた。真の目的はガンダムの動力源「GNドライヴ」の開発であった。
- また、劇場版では木星宙域にELSの大群が出現した際に、木星の衛星イオおよびガニメデが破壊され消滅している。
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム、機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人
- 本作品の敵である木星帝国の本拠地。
- 機動戦艦ナデシコ
- 木連の本拠地。
- 宇宙大帝ゴッドシグマ
- 厳密には木星ではなく、衛星のイオが舞台として登場する。
- 銀河旋風ブライガー
- ガリレオ・コネクションの本拠地として登場。最終的にヌビア・コネクションのカーメン・カーメンが大アトゥーム計画の一環として木星の爆破を実行。
- 勇者王ガオガイガー
- ザ・パワーが眠っている。機界31原種との最後の決戦場。
- トップをねらえ!
- 宇宙怪獣殲滅の為、バスターマシン3号のコアとなる。
- 真ゲッターロボ 世界最後の日
- コーウェンとスティンガーによって木星がゲッター太陽化し、寄生されてしまう。
- 勘違いしやすいが、真ゲッター1と真ドラゴンのファイナルゲッタートマホークで真っ二つにされたのは木星ではない。
- 無限のリヴァイアス
- 尾瀬イクミの故郷。小説版では、ゲドゥルト内で活動するための耐圧服産業でも有名とされている。
- 宇宙戦艦ヤマト2199
- ガミラスの前線基地が設置されていた浮遊大陸に波動砲を初めて使用、大陸そのものを消滅させてしまう。
登場作品
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- ジュピトリアンの本拠地。木星繋がりで、シロッコとカガチが所属している。
- スーパーロボット大戦α外伝
- 新西暦世界でカーメン・カーメンが大アトゥーム計画の準備のために、木星へ向かって大アトゥームの秘術で眠りにつく。その後、未来世界にて目覚め、計画を実行に移そうとする。
- 第2次スーパーロボット大戦α
- 木星帝国の本拠地。主人公の中ではアイビス・ダグラスのみ序盤の展開で木星に行くことになる。
- 第3次スーパーロボット大戦α
- 機界31原種との決戦が行われる他、後半でバスターマシン3号となる。
- なお、『クロスボーン』が参戦していないため『第2次α』に登場していた木星帝国に関する言及は無い。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦D
- インベーダーがゲッター太陽を目論んだことで、インベーダーを殲滅すべく、真ドラゴンとバトル7らブルー・スウェアが派遣された。流石に真っ二つにはされず、ゲッター太陽化も阻止される。
- スーパーロボット大戦W
- 機界31原種との決戦が行われる。
- スーパーロボット大戦BX
- 原種とも交戦するが、原種との決着は惑星ランプレートへと持ち越される。原種を退けた後、ELSとの決戦となる。
単独作品
- 新スーパーロボット大戦
- エイジとジュリアの父であるケン・アスカは、木星調査の際に遭難し、グラドス軍に助けられた事になっていた。
- 原作では木星ではなく月の調査だったが、『新』の世界観では月は開拓済みなので、設定が変更されたと思われる。
- スーパーロボット大戦V
- 新正暦世界では、ヤマトが初のワープで火星から木星への転移に成功する。その後、木星帝国のバイオ脳研究基地でアマクサとの戦いになる。
- さらに現地にいたキンケドゥの情報で『宇宙戦艦ヤマト2199』の原作通りガミラスの浮遊大陸攻略戦の流れになる。
関連人物
- オオタコウイチロウ
- カルネアデス計画の発案者。
- 獅子王絆
- 墜落事故により木星の中にて藻屑となったが…?
- ジョージ・グレン
- 『機動戦士ガンダムSEED』シリーズ(コズミック・イラ)における人類初の木星の到達者。
- クラックス・ドゥガチ
- 木星圏に国家を創り上げた。
関連用語
- ブラックホール爆弾
- 木星をコアとした移動航行艦、別名「バスターマシン3号」。その名の通りブラックホールを発生させる爆弾である。
- ザ・パワー
- 木星に存在する超エネルギー。
- コスモザウルス
- エルダー軍の主力兵器で、木星の大赤斑を利用して生み出す。
- 木星帝国
- 長年にわたりクラックス・ドゥガチによって木星開発が進められてきたが、地球に憎悪を抱く彼によって木星帝国が建国される。
- 木連
- 木星を本拠地に持つ勢力……なのだが、流石に人が居住しているのは木星圏の衛星や小惑星と、その周りに浮かぶ市民船に限られる。
- ジュピトリアン
- 木星に本拠地を持つザンスカール帝国(原作ではサイド2に所在)を中心とした勢力。
- 大アトゥーム計画
- カーメン・カーメンが企てた「木星を核融合爆発させ、それで生じた破片とガスを使用してヌビア教徒の新天地となる数十個の地球型惑星を創造し、それ以外の人類の抹殺を図る」計画。
- GNドライヴ
- 私設武装組織ソレスタルビーイングが保有する機動兵器ガンダムの動力源。木星といった高重力下の環境でしか製造ができない。