マジンガーシリーズ

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永井豪氏(ダイナミック企画・ダイナミックプロ)を原作者とするロボットシリーズ。TV放映された『マジンガーZ』を皮切りに、「1970年代のTVアニメといえばロボットアニメ(SFアニメ)」の風潮すら生んだほどの作品群である。主人公等のキャラクター描写やロボットアクション等は、ほぼ全てのロボットアニメに受け継がれる程の影響を与えており、現在では「元祖スーパーロボットと讃えられている。なお、漫画作品について、作風はもちろん、打ち切りに見舞われる等、アニメと比べて差違が大きいのが特徴。

1980年代中期にはリアルロボットの台頭も相まって存在感が薄くなっていたが、1990年代に誕生した『スーパーロボット大戦シリーズ』の中で御三家の地位を得ると、再び注目される。事実、ダイナミック企画側も「スパロボとその関連コンテンツが無ければ、マジンガーシリーズはそのまま終焉していた」と取れるコメントを発している。また、2000年代のマジンガーシリーズはほぼスーパーロボット大戦シリーズの影響を受けており、これは同じダイナミックプロ作品である『ゲッターロボシリーズ』も同様の傾向である。

作品リスト

TV放映作品

マジンガーZ
テレビアニメ第1弾。1972年(昭和47年)~1974年(昭和49年)放映。全92話。世界征服を企むDr.ヘル一派に、兜甲児と無敵のスーパーロボット・マジンガーZが挑む。
人が乗り込むという画期的な概念(それまでは鉄人28号のように遠隔操作が主流だった)を打ち出し、ロボットアニメーションに革命を起こした名作。
グレートマジンガー
テレビアニメ第2弾。1974年(昭和49年)~1975年(昭和50年)放映。全56話。マジンガーZに代わり、「戦闘のプロ剣鉄也グレートマジンガーミケーネ帝国の侵略に立ち向かう。
娯楽性の高い内容だが、ストーリーの展開など、大きな課題も残した。
UFOロボ グレンダイザー
テレビアニメ第3弾。1975年(昭和50年)~1977年(昭和52年)放映。全74話。
前2作と世界観を共有しつつも、「宇宙からの侵略者という新たな敵および主人公であるデューク・フリード宇宙人」という新たな試みがなされ、テレビアニメとしては初代に次ぐ放映期間となった。
真マジンガー 衝撃! Z編
テレビアニメ第5弾。2009年(平成21年)放映。全26話。ダイナミックな演出で知られる今川泰弘氏を監督に迎え、シリーズの原点である少年ジャンプ版をベースにアニメ化された。
スターシステムの様式なので、漫画『バイオレンスジャック』をはじめとする他の永井豪作品のキャラクターも登場する。

劇場公開作品

劇場版マジンガーシリーズ
「東映まんがまつり」で上映されたシリーズ作品。1973年(昭和48年)の『マジンガーZ対デビルマン』を皮切りに、1976年(昭和51年)の『決戦!大海獣』まで、全5作品が製作された。
作品の枠組みを超え、ダイナミックプロのヒーロー達が夢の共演を果たす。いわば、スーパーロボット大戦シリーズの一つの原点と言えるシリーズ。

OVA作品

マジンカイザー
初のOVA作品。2001年(平成13年)~2002年(平成14年)発表。全7話。究極の魔神・マジンカイザーを駆り、兜甲児と仲間達がDr.ヘル一派に挑む。
旧テレビシリーズ主演の石丸博也氏を同じく主演に迎え、ストーリーやキャラクターは原作版をベースにしているなど、話題性の多い作品。
マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍
OVA第2弾にして第1弾の続編。2003年(平成15年)発表。暗黒大将軍率いるミケーネ帝国に、さらなるパワーアップを果たしたマジンカイザーとマジンガー軍団が立ち向かう。
原作後半をベースに、ミケーネ帝国の圧倒的な強さや、多数のキャラクターが死亡する等、ハードで絶望感のある展開が特徴。
マジンカイザーSKL
OVA第3弾。2010年(平成22年)~2011年(平成23年)発表。全3話。遥か未来、太平洋上の奇械島を舞台に、マジンカイザーSKLが数々のと死闘を繰り広げる。
それまでのシリーズとは全く異なる世界観が構築され、激しいロボットバトルとアクションが全面に打ち出されている。マジンガーシリーズのアニメ作品で、兜甲児が登場しない唯一の作品。

漫画作品

グレートマジンガー (桜多吾作版)
同名アニメの基本設定をなぞりながら、作者独特の視点に基づいたストーリー展開でファン人気が高い。
真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍
『真マジンガーZERO』の続編。原典同様マジンガーがミケーネに追い詰められグレートマジンガーに助けられる。しかし、その際魔神パワーが完全解放され、世界を滅ぼす力と意思を持つ魔神「マジンガーZERO」へと変容してしまう。
また、グレートマジンガーがグレートブースターと融合進化した「グレートマジンカイザー」も登場する。

スパロボ未参戦作品リスト

TV放映作品

ゴッドマジンガー
テレビアニメ第4弾。1984年(昭和59年)放映。はるか古代を舞台に、救世主として召喚された現代の少年・火野ヤマトとゴッドマジンガーの活躍を描く。ファンタジックな雰囲気でシリーズでも異色の作品。永井豪氏による漫画も発表された。
主役機は『バトルコマンダー 八武衆、修羅の兵法』に「チーフマジンガー」のモチーフとして登場している。
なお、「テレビアニメ『マジンガーZ』および『グレートマジンガー』の続編として企画された作品は、『ゴッド・マジンガー』(中黒が入る)という名前だった」事が講談社発刊『鉄の城 マジンガーZ解体新書』にて明かされている。
マジンガーZIP!
日本テレビ系列の朝の情報番組『ZIP!』の『あさアニメ』で放送されている短編FLASHアニメ。同コーナーの前作『おはよう忍者隊ガッチャマン』のスタッフが制作しており、コメディ要素の強い作品である。

劇場公開作品

マジンガーZ INFINITY
2018年1月13日公開予定。時系列が兜甲児Dr.ヘルを倒してから10年が経過した未来を舞台にしている。

漫画作品

永井豪

思い出のK君
自叙伝と銘打たれた漫画。1979年(昭和54年)発表。永井氏自身の体験談として『マジンガーZ』のベースになった出来事が綴られる。
マジンサーガ
1990年(平成2年)発表。本作におけるマジンガーは巨大ロボットではなく、マジンガーの頭部を模した兜を甲児が装着することで「変身」および「巨大化」する。マジンガーシリーズでは唯一主人公格が巨大ロボットの概念に該当しない作品。
マジンガーの力で人類を滅ぼした甲児は、未来の火星へ飛ぶ。青年誌連載作品らしい大胆かつ壮大なストーリーが展開されたが、未完。2012年に出版された愛蔵版にて書き下ろしが追加されたが、やはり未完に終わっている。
なお、永井氏のあとがきによると「壮大な物語を描くのにかなり気を使い果たしてしまい継続が困難になった」との事。ただし、「『マジンガーZ』と同時期に手掛けていた作品である漫画『デビルマン』の執筆の方に力を入れてしまった為、マジン・サーガでは本格的なマジンガーの物語を描く意気込みはあった」と語っている。
Zマジンガー
1998年(平成10年)発表。ゼウスによって選ばれた兜甲児は、ゼウスが改造されたZマジンガーを駆り、オリンポスの神々を相手に戦いを挑む。『マジンサーガ』同様に愛蔵版が出ており、こちらは一応の完結を見た。
マジンカイザー 新魔神伝説
2001年(平成13年)発表。短編作品で、書籍としては『マジンカイザー MEMORIAL BOOK』並びに『マジンカイザー』コミカライズ版単行本に併録されている。
マジンガーを失った兜甲児の前にDr.ヘルの分身とも言える存在、Dr.ヘブンが現れ、新たなマジンガー「マジンカイザー」を託す。
真マジンガー 衝撃! H編
2009年(平成21年)発表。アニメ『真マジンガー』と並行して発表された読切作品で、後に大幅な加筆を施して単行本化された。
『真マジンガー』とは無関係で、どちらかというと原作版に近い設定。なお、「H編」というタイトルから容易に予想できる事だが、永井豪氏らしいお色気満載のストーリーが展開される。
激マン!! マジンガーZ編
2014年(平成26年)発表。原作版『マジンガーZ』の創作秘話を綴る自叙伝漫画であり、制作舞台裏やこぼれ話を交えてストーリーのリメイクシーンが展開されていく。
なお、氏の記憶を元にして描かれているためか記憶違いとされる場面もあり、氏は当シリーズを「ノンフィクションに極めて近いフィクション」と銘打っている。
グレンダイザーギガ
2014年(平成26年)発表。『UFOロボ グレンダイザー』のリメイク作品。

桜多吾作

マジンガーZ
同名アニメをベースにしているが、作者独特のストーリーが展開される。印象的なサイドストーリーも数多く発表された。
UFOロボ グレンダイザー
同じく同名アニメをベースにしている。フリード星の王子デューク・フリードは、グレンダイザーでベガ星連合軍から地球を守るが、戦いの果てには思わぬ結末が待っていた…。

その他作者

ジャンジャジャ~ン ボスボロットだい (作:真樹村正(現:どろんぱ))
1975年(昭和50年)発表。ボスボロットを主人公に据えたギャグ作品。アニメとも漫画とも関わり無い独自の世界観をもつ。
おなり~っ ボロッ殿だい
1976年(昭和51年)発表。『ボスボロットだい』の続編。開発者のアシモフくんに改造されボロッ殿となったボロットは、さらに破天荒な活躍を見せる。だが、その結末には予想だにしない展開が待ち受ける事に。
マジンカイザー (作:丸山功一)
スーパーロボット大戦F完結編』のアンソロジーコミックに収録。『グレート』に繋がらないパラレルワールドの作品で、カイザーに対しDr.ヘルのデビルマジンガーが現れる。シナリオを手掛けたのはダイナミックプロの団龍彦。
マジンカイザー (作:津島直人)
同名OVAのコミカライズ。原作をベースにしつつもオリジナルの展開を見せた。本作オリジナルの必殺技はSRWシリーズでも採用されている。
単行本には先の『マジンカイザー 新魔人伝説』も併録。
マジンカイザー対真ゲッターロボ (作画:Moo.念平 脚本:赤星政尚)
二見書房の『不滅のスーパーロボット大全』に収録。劇場版マジンガーシリーズの世界観で、マジンカイザーと真ゲッターロボの活躍が描かれる。
マジンガーエンジェル (作:新名照彦)
シリーズのヒロイン、さやかジュンひかるマリアの四人を主人公に据えた異色作。魔神天使と呼ばれるロボット軍団が侵略者に立ち向かう。本作に準拠したデザインの超合金玩具も発売された。
マジンガーエンジェル ツヴァイ
『マジンガーエンジェル』の続編。地球を襲うベガ星連合軍にマジンガーエンジェルが立ち向かう。
真マジンガーZERO (作画:余湖裕輝 脚本:田畑由秋)
アニメ『真マジンガー』と並行して発表された作品。無限にループする破壊と再生の世界観の中で、兜甲児とマジンガーの戦いが描かれる。
作風としては従来のマジンガーにゲッターシリーズの要素が加味されており、善悪を超越し、因果律さえコントロールする神の如き能力を発揮するマジンガーの扱いが特徴的。
中盤より他の永井作品のキャラが登場するようになり、甲児も司馬宙をなぞるようにサイボーグへと改造されて変身するようになる。
デビルマン対闇の帝王 (作:TEAM MOON)
『デビルマン』と『グレートマジンガー』のクロスオーバー作品。
マジンガーZ アルターイグニッション(作:衣笠遊)
2017年(平成29年)発表。
TVアニメ版をベースに兜十蔵Dr.ヘルに焦点を当てたストーリーが特徴。
マジンガーZ インターバルピース(作画:長田馨、脚本:小沢高広(うめ))
2017年(平成29年)発表。
Dr.ヘル及びミケーネとの戦いを終え「束の間の平和」を得た世界を舞台とした作品。

その他

マガジン・ノベルス・スペシャル スーパーロボット大戦 (著:団龍彦)
小説作品。ロボットによって支配されたはるか未来を舞台に、現代から召喚された甲児や鉄也およびゲッターチームが繰り広げる戦いと冒険のドラマ。
東映アニメ版をベースにしつつも、漫画版の『ゲッターロボ號』『真ゲッターロボ』の登場人物や設定も取り込んでいる。
なお、『グレンダイザー』の後日談なのでフリード星に帰還したデューク達は不在だが、グレンダイザーは意外な形で登場する。
マジンカイザー傳
1998年(平成10年)発表のドラマCD。ラジオ番組「ラジオ・スーパーロボット魂」において放送された。「真野晶」という少年が主人公であり、シリーズ屈指のハードな世界観で物語が展開する。他作品との繋がりはない。
主演は『赤ずきんチャチャ』などで有名な鈴木真仁氏。渡辺宙明氏や水木一郎氏など、お馴染みのスタッフの参加も話題性が高い。
猟界のゼーレン
2014年(平成26年)発表。ダイナミック・プロと電撃ホビーマガジンとのコラボレーションによるメディアミックスプロジェクト。随所にマジンガーシリーズへのセルフオマージュ要素が盛り込まれている。
ジェネラルギア 反撃の神機
2015年(平成27年)発表。ダイナミック・プロが企画・デザインを担当しD.C.T.,Inc.よりリリースされたロボットアニメスタイルのソーシャルゲーム。期間限定配信でマジンガーモチーフのメカが登場。

関連用語

マジンガー
本シリーズの主人公機の総称。
光子力エネルギー
マジンガー並びにそのサポートロボットの動力
超合金Z
マジンガー並びにそのサポートロボットの装甲材。改良品として「超合金ニューZ」「超合金ニューZα」がある。
ゲッターロボシリーズ
同じダイナミックプロ原作。競演もあり、スパロボでは設定面でも共有している。
破邪大星ダンガイオー
同作のスタッフは元々『マジンガーZ』のリメイク作品の企画のスタッフであった。
ロボットガールズZ
マジンガーシリーズのロボットが擬人化されて登場する作品。

商品情報

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