ジェニオン
ジェニオン(Genion)
- 登場作品:バンプレストオリジナル
- 分類:DEMシリーズ(対御使い用決戦兵器)
- 型式番号:DEM-03
- 全高:26.5m(ジェニオン) / 45.0m(ジェニオン・ガイ)/52.2m(ジェミニオン・レイ)
- 重量:76.6t(ジェニオン、ジェニオン・ガイ)/97.8t(ジェミニオン・レイ)
- 動力
- メイン:なし→スフィア「いがみ合う双子」
- サブ:TS-DEMON
- 開発者:AG
- 所属:無所属→Z-BLUE(チームDEM)→ヒビキ個人所有
- 主なパイロット
- メカニックデザイン:岡本光晴
第3次Zの主人公機。DEMコーポレーションが開発した次元力を使用した機動兵器群「ディメンション・エナジー・マシンナリィ」の試作3号機。
テスト中にエージェントロボ・AG諸共次元震に巻き込まれたが、陣代高校近辺で一時意識を失い、その間にマトリクスに接触してモニターとなったヒビキの呼びかけに応じて転移、彼の搭乗機としてなし崩し的に実戦投入されることとなった。ただ、別にヒビキを認証して動くタイプではないらしく、スズネ単独でも一応操縦は可能。
ヒビキのコールによって空間転送で現れるが、この時は魔法陣じみたオカルティックなゲートが展開される(恐らくAGの趣味)。また、ブーストアップ使用後のクールタイム中は呼び出せない。
陣代高校の防衛戦にて、ブロッケン伯爵に人質に取られたスズネを救出した際、安全確保のため同乗したまま戦闘を続行。その結果、ヒビキの精神状態に変化が起きたことで、隠されていた機能であるパニッシャーとグレイブの遠隔操作による攻撃パターン「ストームブリンガー」が解放。これを受けたAGとスズネ本人の要望により、パイロットシート後部にサブシートを増設して簡易的な複座機となった。
とはいえ、元々単座の機体であるため、コクピットは狭い(ヒビキがスズネに対して肩車をしているような状態になっている。ちなみにこういう構造である)。
次元力利用の第一段階である動力源としての使用を主眼に置いた開発ラインに置かれており、環境を問わず最大の能力を発揮する汎用機をコンセプトとしている(この点では、同じく次元力を動力としながらも攻防に応用したアークセイバーシリーズには及ばない)。
最大の特徴は、戦術システムである次世代型次元力制御機構、通称「TS-DEMON(ティーエス・デーモン)」。様々なレンジに適応した武装を持つが、その他に防御兵装として、次元獣の持つ能力である「D・フォルト」を装備している。また、戦場で確認される感情エネルギーの結晶物「Zチップ」の回収機能も存在。これは、DEMが商品開発の一環として組み込んだシステムである。
それ以外にも搭乗するパイロットを自動的にその深層心理に応じた形のパイロットスーツに着せ替える機能も搭載されている(「強くなる」という意識の強いヒビキは未来系ファンタジーの戦士を思わせるデザインのスーツを着用したが、スズネの場合はこの手のお約束からか、露出度がかなり高いスーツを着用するハメになった。恐らく自由奔放なアムブリエルの影響)。
元々は下記の、徒手空拳による戦闘を行う強襲機動兵器として設計・開発されており、こちらの姿はリミッターのかかった仮の姿。武装の集約された背部ブースターは、出力不足で動かせないパーツに武器及びブースターとしての機能を付加し、展開機構を組み込んだ上で背部にまとめたものである。
この状態は後述のG.A.I.モードに比べパワーで劣る分スピードで勝り、スフィア奪取後はヒビキのブーストアップと併用することで分身さながらの超高速戦闘を可能とする。
ジェニオン・ガイ(Genion G.A.I.)
TS-DEMONのセカンドモード、正式名称「グリッター・アルマメント・インフィニティ・モード」によって発動する強攻形態。「ガイ」は「GAI」と書き、「Glitter Armament Infinity(光り輝く無限の武器)」を略したもの。また「規格外」と「鎧」という意味も持たされている。命名者はAG。
パーソナルトルーパーを連想させるスマートなノーマルモードと異なり、全身が展開・肥大化してスーパーロボットと化している。背部ユニットのパーツを分割・装備して変形する形式であり、サイズは倍近く増えている。
設定画から推測するに、
- 下半身が前後逆転
- 肩部上のアーマーが外側に90度回転、側面のアーマーが上に跳ね上がり、ノーマルの腕が変形してその下に移動
- ブースター上部のパーツがガイの腕に変形して元の腕があった位置に移動(肩部後ろの接続ソケットはカバーで覆われる)、背部ブースターのカバー(表面アーマー下部とその側面にある小さなアーマー)が脚部に移動
- 膝部分のアーマーが倒れ、つま先が下方に展開、ガイの踵に変形
- アクセルグレイブの刀身部分が展開、ウイングに変形
- Dソリッドパニッシャーがブースターに変形
- サイドアーマーが後方へ移動
- ブースター中央のアーマーが上半身を覆うように展開、胸部のスフィア搭載部分が開放
- 頭部にヘルメットをかぶせるようにして、胸部アーマーに仕込まれている追加アーマーを装備
- 各部が展開、次元力を通して緑色に発光
というように変形しているらしい。
あくまで動力源としての使用にとどまったノーマルモードと違い、ガイは次元力の本領たる「事象の制御」を基本とした武装を多く持つ。また、胸部にスフィア封入用の球体パーツが存在するが、当初これは空っぽの飾りであった。
中枢制御システムである「TS-DEMON」には段階が存在し、これは搭乗者の意志や感情を読み取り、次元力をより強く引き出すセカンドモードの起動によって発動する。発動コード「フル・ブーストアップ」の音声認識により起動する。
最初の起動は偶然に近く、その後ヒビキとスズネ、AGはG.A.I.モードの起動条件を解明すべく躍起になっていたが、なかなかその条件が掴めずにいた。最終的には何度かの起動を経て、TS-DEMONをヒビキの精神状態によってモードシフトさせることで起動可能であることが判明した。
当初は引き出せる次元力の限界から、1~2分程度しか稼働できず一部のモードを使用できなかった。しかし、ガドライトとの最終決戦の際には最後のリミッターが解除されたことでセカンドモードの無制限稼働が一時的に可能になり(これは動力源の限界を超えたオーバーワークであり、ジェミニア撃墜後に停止している)、その後はジェミニア撃破時に奪い取った「いがみ合う双子のスフィア」によって次元力を無尽蔵に引き出せるようになった。それにより稼働時間と出力の問題は解消されている。
武装ユニットを展開・装備する変形シークエンスの関係で、ノーマルモードの武装は全て使用不可能(配置上、インパクトダガーだけは一応使えるが手のサイズが合わない)。徒手空拳と次元力の照射が攻撃手段となる。事象制御によりジェニオンよりも柔軟な動きが可能だが、スフィア奪取後は起動時間の制限こそなくなったものの出力が完全にオーバーフローしており、出力任せの力押しが精一杯である。唯一の例外は「ニーベルング・アナイレーション」。
惑星ジェミナイの科学の集大成であるジェミニス隊長機・ジェミニアに酷似したフォルムを持つ。そのため、ガドライト・メオンサムを始めとするジェミニスの人間は、この機体を自分達の誇りを汚す存在として忌み嫌っている。
AGによれば、ジェニオン・ガイは意図的にジェミニアに似せて作られ、類似性から来る収斂進化の利用(同様の性質を持つものは形も似通うということから、逆にジェニオン・ガイをジェミニアに似せることで同様の性質を持たせようとした)により、「いがみ合う双子のスフィア」を奪取するために作られたらしい。 事実として、ジェニオンはこのジェニオン・ガイこそが本来の姿であり、次元力の抽出が不完全であったためにリミッターを設け、ジェニオンとして運用していたという。つまり、この機体は「いがみ合う双子」を搭載した姿こそが想定された状態であり、ガドライトを倒したことで完全に完成したことになる。
なお、起動時のインフォメーションムービーに出て来る赤い文字列は「TS-DEMON GLITTER ARMAMENT INFINITY MODE APPROVED」。
開発経緯
ジェニオンとは、DEMコーポレーションの立案した「プロジェクト・ジェミニ」により、ジェミニアの「いがみ合う双子」のスフィアを奪うために外観を似せて作られたイミテーション機である。
パイロットとして選択されたスズネは元々解離性同一障害を患う二重人格者、つまり究極の二面性を持っていた。DEMはそれを知って彼女をパイロットに選択したが、たまたま居合わせたヒビキが先に登録システムに接触、ジェニオンのパイロットになってしまった。しかし、ヒビキの中にもまた「希望と絶望」という相反する感情が存在したため、AGは職務遂行のためヒビキをテストパイロットに選定。さらに保険として本来の乗り手であるスズネを丸め込み、二人がかりで擬似スフィアであるTS-DEMONを稼動させていた。 一人で乗っている時に起動しなかったのはこのためであり、TS-DEMONがセカンドモードへ移行するだけの出力は二人掛りでないと出せなかったのが原因。
変形能力を持たされていたのはジェミニスの目を欺くためと、スフィアの力を前提にしたGAIモードは擬似スフィアでは出力が足りなかったためである。そしてジェニオン・ガイの「ガイ」とは、「GAI」でも「鎧」でも規格「外」でもなく、「骸」。つまり、魂たるスフィアのない抜け殻である。形式番号のDEMとは「Diabolus Ex Machina」、機械仕掛けの悪魔という意味であった。
しかし、これもまた完全な真実というわけではなく、真の開発目的はその先にあった。
ジェミニオン・レイ(Geminion Ray)
ジェニオンの最終にして最強の形態。サード・ステージに覚醒した「いがみ合う双子」の力を最大限に発揮するための形態であり、武装はジェニオンの発展型となっている。TS-DEMONのサードモードである「戦術システム“ディアボロス・エクス・マキナ”」の起動により、「いがみ合う双子」による事象制御パターンをロードすることで変化する。
事象制御の度合いはより高まり、あらゆる面でジェニオン・ガイを大幅に凌駕する戦闘力を発揮。ジークンドーによる白兵戦闘を主体に、実体剣「フルアクセルグレイブ」や遠隔操作ユニット「ハウンド」を絡めて戦う。
AGが多元戦争で得たバルゴラ・グローリーのガナリー・カーバーのデータ(Sのものではなく、多元戦争当時のデータ)を組み込み、さらにトライアから齎されたリ・ブラスタのSPIGOTのデータにガンレオンの自律性を付与し、それらがヒビキの意志と、植えつけられたジェニオン自身の意志により変質・強化されることで誕生した。ジェニオン・ガイの状態からさらに変化することでこの姿になる。なお、あくまでパーツの組み換えによる変形だったジェニオン→ジェニオン・ガイの際と違い、法則を無視した完全な変容であり、全長・重量共にジェニオン・ガイをさらに上回っている。
AGの想定していた姿「ジェミニオン(Geminion)」はジェニオン・ガイ(骸)に「身」が入った、というネーミングであり、カオス・レムレースをヒトガタにしたかのような禍々しい機体だった(そのためジェニオン・ガイはカオス・レムレースに似た意匠を持たされている)が、ヒビキの意志に呼応した「いがみ合う双子」とジェニオンの意志を反映した結果、「いがみ合う双子」がオーバードライブを起こし、AGの想定していた「神をも恐れぬ最凶の機神」を通り越し、「禁忌の向こうにある希望」としてヒビキとジェニオン自身の意志を反映したさらなる変容を起こし、随所にジェニオンの意匠を残しつつも、ガイを超える巨躯へと変貌。完全にヒビキの力として生まれ変わり、全てを超えた新たな始まりたる存在「ジェミニオン・レイ」と命名された。「レイ」は恐らく「零」と「光」のダブルミーニング。ちなみにヒビキ自身は「ジェミニオン」の名を略称として使用している。
ジェニオンはいわば幼生、ジェニオン・ガイは蛹であり、この形態こそが真の「いがみ合う双子」の搭載機と言える。ちなみにこの変容にはヒビキだけでなく、植えつけられたジェニオン自身の意志も反映されているため、見方を変えればジェニオンも「ジェミニオン」の姿を嫌ったということになる。つまり、レイ化したのはある意味AGの自爆である。
全体的にはジェニオンを大型化したような印象で、頭部にはジェニオンの意匠が残っているが、ウイングの肥大化やがっしりとまとまった体躯など、オリジナル機であるジェミニアにより近くなっている。さらに、武装面では全く似ていなかったガイと異なり、「スフィアの力と、それを攻撃力に変える剣を用いた接近戦闘」など、こちらの面でもさらにジェミニアに近くなった。胸部のスフィア封入球体にはカバーがつけられている。
ジェニオン・ガイでは有り余るエネルギーに振り回され、それに指向性を与える単純なものであったのが、SPIGOTのデータを使用したことでそのエネルギーをダイレクトに攻撃力へと転換できるようになった。さらに事象制御により、その体躯に似合わず機敏かつジェニオン・ガイ以上に柔軟に動くことが可能で、格闘戦を主体とする他、加速する瞬間が見えないほどのスピードと、蹴り飛ばした相手に追いつけるほどの機動力も有する。さらに同じくリアクターの資質を持つスズネが同乗することで、より強力な攻撃が可能となる。
なお、ジェミニオン・レイに変形すると「変容」がパイロットにも影響するのかパイロットスーツの形状も変化する。
真相の真相
本来想定されていた「ジェミニオン」は、AGの人格ベースであるジエー・ベイベルが、カオス・レオー、カオス・アングイス、カオス・カペルのデータを使い、カオス・レムレースを再設計した機体。つまり、DEMコーポレーションという組織は最初から存在しておらず、「DEM-03」の形式番号が意味するのは、機械仕掛けの悪魔たるレムレースを発展させたカオス・レムレースの更に発展した姿、という意味である。実際、完成した本来の「ジェミニオン」の頭部はカオス・レムレースそのものだった。余談であるが、蛇や山羊は悪魔に相当するイメージを持つ。
ジエーは御使いと戦うための力を求め、スフィア・リアクターを使うことを考えた。しかし、良くも悪くも強い意志を持つリアクター達は、決して思い通りにはならないことを多元戦争で思い知らされたジエーは、その結論として、自身がリアクターになることを決め、ジェミナイにあった「いがみ合う双子」を奪い取るべくジェニオンを建造(当然、公言していた会社は出鱈目)。そのパイロットとして、裏人格にジ・エーデルの存在を持つスズネを選んだ。しかし、上記の通り偶発的な事態によりパイロットはヒビキになってしまった……というのが真相である。
ヒビキが接触した制御マトリクスの正体は、スズネの中で眠っていたジ・エーデルことアムブリエルをたたき起こすための「目覚まし時計」である黒の英知の一部。また、ジェニオン・ガイの武装名がすべて北欧神話由来なのは、神話にある神々の最終戦争、つまりラグナロクを望んでいたためである。そして、それらの名の由来は「神を害するもの」たる化け物たちであり、すなわち本機は「神殺しの刃」であると示していると思われる。
最終的にジェミニオン・レイは「いがみ合う双子」をラスト・ステージまで覚醒させ、至高神を乗っ取り超時空修復を成功させたものの大破し、その後一時行方不明になる。
実際はスコート・ラボに回収されており、トライアの手で可能な限りの範囲で修理され、ゲートトラベラーとなったヒビキの手に再び渡る事となった(スフィアの去就については不明だが、用語辞典を見る限り残ってはいるらしい)。
登場作品と操縦者
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 主人公機として第1話から早速登場。運動性・装甲とも高めだが、どちらかというと装甲の方が高い。装甲はスーパー系に匹敵するもののHPは及ばず、装甲の高いリアル系といった風情の機体であるため、ヒビキの能力と合わせて回避を主眼に運用するのがベター。P武器はどれもEN消費型なので、D・フォルトとの兼ね合いで序盤はガス欠になりがち。ENと運動性を優先的に改造していくといいだろう。
- 何気に地形適応がオールAであるため、設定通りどんな環境でもフルポテンシャルを発揮できるのが強みで、ヒビキの海適正を改善すれば水中での運用にも充分耐えうる。移動タイプに水を持たないのが惜しいところ。
- 中盤でジェニオン・ガイへの変形が可能となるが、満を持して任意変形可能となったその直後にジェミニアに一蹴される、というなかなか締まらないスタートとなる。さらに、当分の間はシリーズ屈指の1ターン制限の為にピンポイントな運用を迫られるのが難。ヒビキのスキルの構成からすると、単機突撃ではなく火力を強化しての援護攻撃が主な仕事となる。
- 変形後は運動性の高いスーパー系と言うべき機体に変貌、運動性と照準値以外が軒並み強化されサイズがLになる。これにより並のスーパー系を上回る装甲と高い運動性を両立することができるようになるが、ヒビキの能力がリアル系寄りなので実際はそこまでの堅さは無い。真価を発揮したいのならヒビキの徹底的な養成が必要だろう。
- なお、ガイになると武装全てがEN消費型になるので息切れには注意が必要。DECチャージャーなどをつけてやるといいだろう。
- DLC「アルティメット・バトル」では、スフィア奪取後の話であるため、時間制限がなくなりニーベルング・アナイレーションが追加された状態で使用可能。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 主人公機として続投し、ジェニオン・ガイも引き続き登場。後半で謎の全てが明かされる。
- 今回は最初から制限時間無しでGAIモード起動が使用可能だが、EN消費の重さもほぼそのままである為早めのカスタムボーナス取得が望まれる。ヒビキのEセーブ取得も早めに。立ち上がりの遅さを補うために闘争心も欲しい。
- 本作は全体的に敵が強くかなり攻撃を当ててくる(上にバリアを破ってくる)為、あまり素のジェニオンで戦うのは得策では無い。
- 第32話からはジェミニオン・レイに変形可能になる。必殺技の燃費こそやや悪化してしまうものの、汎用武器の性能はEN消費はそのままでジェニオン・ガイ以上。またGAIモードの気力制限が-20されるため立ち上がりが早くなる。さらに第46話で最強武器「ジ・オーバーライザー・アーク」が追加される。
- レイの状態では燃費の問題から、全体攻撃「ハウンドペネトレイター」を軸に立ち回り、ボス戦では必殺技で対応するのが基本となる。何より前述の通り今回の敵はかなり当ててくる事、そしてスフィア・アクト「いがみ合う双子」の効果を活かす為、こだわりが無い限りすぐ変形してしまうのが吉。有効活用できるようヒビキには気力限界突破も欲しい。また、他の上位変形機と違って変形してもENは回復しないのも下位形態にこだわる必要がない理由の一つ。
- 今回もDECチャージャーを装着したい所ではあるが、真ゲッター1やザンボット3等EN管理に苦しいユニットが多い本作では少々回すのは厳しいか。パラジウム・リアクターを装備してENの最大量を増やす、相方に補給装置持ちを選定するかレスキューユニットを装備させる、真ゲッタードラゴンのカスタムボーナスを利用するなどのフォローで対応したい。
- ちなみに、エンディングでは前述の通り修復されるが、条件は不明(至高神Zとヒビキの戦闘の有無だと推察されている)ながら修復されない場合が存在する。
単独作品
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- 「第3次Z時獄篇」発売記念キャンペーンにおいて、期間限定で本機のカードが配布された。さらに「第3次天獄篇」発売記念キャンペーンではジェニオン・ガイのLRカードの配布が行われている。
装備・機能
武装(ジェニオン)
- ニトロパイク
- 肩部内蔵のランチャーから、着弾後に爆発する小型の実体弾を射出する。ジェミニオン・レイ時はハーケンに変化。
- インパクトダガー
- サイドアーマーに内蔵されたダガーナイフ。エネルギーを纏わせ斬りつけた後、アッパー気味に掌底で追撃する。
- 収納されているアーマーはG.A.I.モード起動時には背後にまとめられる。
- ディメンションソリッドパニッシャー
- 背部ブースターに内蔵された二門の手持ち式の銃砲。逆手の状態でマウントされる。追い込むように連射した後、出力を上げ撃ち抜いてトドメ。ジェニオンの武装でもっとも射程が長いが、6発しかないので撃ちすぎに注意。
- ジェニオン・ガイ時は背部のブースターとなり、武器としては使用不能。実は本来の姿は遠隔誘導砲台であるが、TS-DEMONからエネルギーを受けているため、そのままだと離脱・展開してからジェニオンの手に収まるまでが限界。出力が上がると一時的に自在誘導が可能となる。ジェミニオン・レイ時はハウンドに変化する。
- アクセルグレイブ
- 背部ブースターに内蔵されたブレードから柄を伸ばし槍として使う。ブレードの固定を外した後、左手で競り出した柄を掴み、加速をかけて連撃で切り裂く。P属性で射程2の全体攻撃なので使い勝手がいいが、やや威力不足なのが難点。
- ジェニオン・ガイ時はウイングになる。また、これ自体がファンネルよろしく遠隔誘導兵器としても使用可能であり、パニッシャーをマウントしたまま射出する事でファンネルの如くオールレンジ攻撃を行う事も可能。さらに、両方を柄尻で接続することで自立起動するブーメランとしても使用できる他、その状態で伸張させることでダブルソードにもなる汎用性の高い武器。ジェミニオン・レイ時は腰に移動し、剣に変化する。
必殺技
- ストームブリンガー
- 時獄篇第4話で追加される必殺技。出力を全開にしてブレードにパニッシャーをマウントした状態で射出、本体の格闘と共にファンネルのように機動させての射撃を行いつつブレードを叩き込み、叩き込んだブレードを用いて連撃を喰らわせ、最後にゼロ距離からパニッシャーを連射する。その後トドメ演出として両腕に集中させたエネルギーを叩き込んで敵を消し飛ばす。
- 消費EN40・気力制限125と若干重いが、それに見合う威力はある。ヒビキはデフォルトで援護攻撃とサポートアタックを持つため、ボスの撃破に一役買ってくれる。射程が2あるのも地味に嬉しい。
- この技名の由来は小説『エルリック・サーガ』に出てくる「殺した者の魂を喰らう剣」の名前から取ったものと思われる。
- なお、スズネが戦闘服に着替えているか否かで途中の演出が若干異なる。着替えてないパターンは(おそらく)初回だけであるが、無料DLC「教師とパートナー」ではパイロット登録が一時解除されているので着替えてないパターンとなる。なおこの技のカットインで、スズネの横に出て来るのはヒビキのシートにある操縦桿と同じもの(外側にカバーがあるのが違い)。TS-DEMONの最大稼動が必要なため、スズネとの二人掛りでないと使用不能。
- 天獄篇中盤からしばらくの間、イベントで使用不可能になる。スズネ復帰時に気力制限が110に下がる。
- グリーフバニッシャー
- スズネの離反により「ストームブリンガー」が使用不可能となったのを受け、ヒビキがZ-BLUEメンバーと共に編み出したコンバットアクション。天獄篇中盤で追加される。
- グレイブを牽制用のブーメランとして投擲、相手が隙を作った所をヒビキお得意のジークンドーとブーストアップで怒涛の連撃を掛ける。さらに戻ってきたグレイブを双刀へと変形させ高速連続斬りで切り上げた後、相手の上を取って真っ二つにする。なおトドメ演出は無し。
- 鳴り物入りで追加される技ではあるものの、実は「ヴァナルガンド」と比べると完全に性能は下(気力制限が5低い位でEN消費は45で同じ・攻撃力は600下・射程もこちらの方が短い)。その為変形可能になるまでの繋ぎとして使用する事になる。ジェミニオン・レイ解禁時に気力制限が10下がるが、同時にジェニオン・ガイへの変形制限+ヴァナルガンドの使用制限が下げられるので、ますます使う機会が無くなってしまう。完全に趣味の技だがモーションは一見の価値あり。
- 機体にディメンションソリッドパニッシャーがあるためよくパニッシャーと間違えられるが、バニッシャーが正解である(Vanisher)。
武装(ジェニオン・ガイ)
ジェニオン・ガイの全武装及びジェミニオン・レイの一部の武装・技は基本的にTS-DEMONのモード名がそのまま流用されている。
- ヘルヘイム
- 胸部のクリスタルに次元力を集約し、エネルギーボールとして射出して敵機を打ち砕く。
- 名の由来は北欧神話に登場する亡者の国「ヘルヘイム」。ヘルヘイムはロキの子供であるヘルが管理する世界で、下記二つの由来である2体の怪物も同様にロキの子供である。
- ビルレスト
- ジェニオン・ガイ本体の倍はある、専用の超巨大武装ユニット。右腕にマウントして使用する、上部と側面に2種のエネルギーカノンを装備したブースター付きの打撃武器。先端部分はパイルバンカーの要領で打ち出すことが出来る。亜空間に収納されており、コールに応じて転送される。その本質は、スフィアから供給されるエネルギーに方向性を与えるためのデバイス。ジェミニオン・レイでは自前でスフィアの力を利用できるため使われない。
- 名の由来は北欧神話において、橋の中で最高のものとされる「ビルレスト」。「欺く道」という意味があり、神々が渡った後崩れ去るという。
必殺技
- ミドガルズオルム
- 機体のリミッターを解除して跳躍から強襲、敵の背後を取り左手に次元力を集中させ、指弾による衝撃波で敵を吹き飛ばし消滅させる。
- アクセルグレイブに比べると射程+2、威力+300、消費EN-5と完全上位互換。
- 名の由来は北欧神話に登場する毒をもった大蛇「ヨルムンガンド」の別名で、「ミッドガルドの大蛇」という意味。
- ヴァナルガンド
- 超巨大武装ユニット「ビルレスト」を転送・接続して行う当面の必殺技。2種のキャノン砲で牽制した後突撃、3連続でバンカーを叩き込んだ後、出力を全開にしてトドメを打ち込む。
- 名の由来は北欧神話に登場する魔狼フェンリルの別名。
- 射程がそこそこあるのでニーベルングよりも援護攻撃に使いやすい。時獄篇終盤まで及び天獄篇中盤~ジェミニオン・レイ解禁までは主にこの武装を使用することになる。
- ジェミニオン・レイ解禁時に気力制限が10下がる。
- ニーベルング・アナイレーション
- 時獄篇第58話クリア時に追加されるジェニオン・ガイの真の必殺技。「いがみ合う双子」の力を最大限に行使して発生した次元力を十二分に活かした攻撃。
- 次元力による遠隔爆破で相手の動きを止め、さらにジークンドーの連撃で相手を空中に吹き飛ばした後、「ミドガルズオルム」で(宇宙だろうと)地面に叩き落し、さらに追撃してその勢いで踏み潰す。トドメ演出では蹴り落としの勢いのまま敵を地中深くまで叩き落し、自身は脱出してさらに次元力による大爆発を起こす。
- 「ミドガルズオルム」で追撃する際、技名にもあるニーベルングの指輪一組を両手で鷲掴みにして吸収するかのようなカットインが入る。
- 初期攻撃力5800は正式参戦する機体の武装の中では五指に入る威力であるものの、その分必要気力140・EN消費80・射程1固定(気力はジェニオン・ガイ起動条件の都合上問題ないが)なのでボス相手に使うのが妥当。グランゼボーマや尸逝天に遠慮なく叩き込んでやろう。なお、アシュタンガ級やプレイアデス・タウラなど、あまりに大きな相手に使うと敵機に隠れてジェニオン・ガイが全く見えないことがある。こうなると迫力も半減である。
- 天獄篇では最初から使用可能だが、中盤「ストームブリンガー」と同じタイミングで使用不可能になる。スズネ復帰と共に気力制限が15も下がる。
- 名の由来は北欧神話で、冥界「ニブルヘイム」の別名に「滅殺」の意味の単語を付けた造語。訳すれば「冥界送り」と言ったところだが、歌劇「ニーベルングの指輪」もモチーフとされており、デモにはしっかり指輪が出てくる。
- なおこの話のモデルは、上記3つの武装のモチーフである異形らの父「ロキ」である。
武装・必殺武器(ジェミニオン・レイ)
- ニトロハーケン
- 背部ユニットのランチャーから次元力の糸で繋いだニードルを射出し、敵機に突き刺さったところで本体から糸越しにエネルギーを叩き込んで炸裂させ、更にニードルの先端に鉤状の次元力の刃を形成して引き裂く。
- ジェニオンの「ニトロパイク」の発展系だが、性能的にはジェニオン・ガイの「ヘルヘイム」に近い。
- ハウンド
- 肩部に装着された自律攻撃ユニット兼短距離転送ポータル。攻撃時はファング・ナックルよろしく獣のアギトを模したエネルギーをまとう。また、ジェミニオン・レイの転送移動用のデバイスとしても機能する。恐らく「Dソリッドパニッシャー」の発展型。
- フルアクセルグレイブ
- 「アクセルグレイブ」と「インパクトダガー」の発展型。ジェニオンのものとは違い剣になっており、柄を伸張することで槍にもなる。ジェニオンの時とは違い腰に装備されている。
必殺技
- ハウンドペネトレイター
- ハウンドを射出して敵を攻撃しつつ、転移を利用して敵のスキを突き、ジークンドーによる格闘攻撃を叩き込む。
- 「ミドガルズオルム」のアッパーバージョンで、EN消費25の全体攻撃の中では破格の性能。変形条件の都合上確実に発動しているヒビキのエースボーナスも合わされば雑魚戦はこれ一本で事足りる。
- 相手が2体の場合、フィニッシュのハイキックの前にサブユニットをローリングソバットで蹴り飛ばす動作が入る。
- バルムンク・エリミネーション
- ジェミニオン・レイ解禁時からの当面の必殺技。フルアクセルグレイブを用いた連続攻撃。
- グレイブで何度も斬り付けた後、槍に変形させたグレイブに引っ掛けて叩き付け、放り出したところに投げつけ、それを後ろから蹴って突き抜ける。トドメ演出ではそのまま切り返し、グレイブを投げつけたところにエネルギーボールを投射、圧縮転移させた敵が背後に落下した後、グレイブだけ転移で回収し一瞬で離脱する。
- EN消費が70と重めだが、その分バリア貫通(バリア貫通はジェニオン系統では貴重)・サイズ差補正無視が付いている。射程も1~3なので援護攻撃・再攻撃やボスへの一撃に向く。気力制限は130だが、変形制限が140なので、事実上気力制限はないのと同じ。ガイと比べるとアクションが滑らかになっているので、見比べてみるのも一興。
- ちなみにシフトモードでもある「バルムンク」とは上記の「ニーベルング」の歌に登場する剣の事。
- ジ・オーバーライザー・アーク
- 第46話で解禁される必殺技。「いがみ合う双子」の力を最大限に引き出し、事象制御でスピードとパワーと追従性を強化する。
- その性能を活かしてヒビキのジークンドーを100%トレースした格闘攻撃で敵を翻弄し、その後専用の柄(カオス・レムレースが持っていた杖の改良型)を転送してウイングを接続、次元力の刀身を出力して絶望のビジョンごと敵を木っ端微塵に粉砕する。
- ニーベルング・アナイレーション同様射程1の必殺武器だが、EN消費は嘗てのような驚異の120。Eセーブ込みでどうにか96であるため無駄撃ちは厳禁。また、地球製のスフィア搭載機なので定冠詞(THE)がついている。恐らく「ストームブリンガー」と「ニーベルング・アナイレーション」のあわせ技。
- 実は鳴り物入りの必殺技にも関わらずサイズ差補正無視もバリア貫通も付いていない。終盤のボスであるプロディキウムや至高神Zは3Lサイズなので、対策無しだと思ったよりダメージが入らない事も。
- 恐らく、ボス戦において「勇気」をかけて使用することが前提。重すぎるEN消費から見てもトドメ用の「決め技」になることが想定されていると思われる。
特筆機能
- TS-DEMON(ティーエス・デーモン)
- 次元力を抽出する動力源。「デモン」と略される。
- DEMが開発した戦術システム・次世代型次元力制御機構であるが、その正体は「いがみ合う双子」を模して造られた人造スフィアとも言うべき動力。
- ジェミニアから「いがみ合う双子」を奪った際にそのスフィアに同調、出力を制御するようになった。これにはヒビキが既に「いがみ合う双子」のリアクターの資格を持っていたことが影響している。本来は「いがみ合う双子」から次元力を抽出するためのシステムであり、それ単体で動力源として扱う場合は出力不足でジェ二オンのフルスペックを発揮できない。
- ジェニオンは元々単座の機体であるため、パイロット(ヒビキ)が起動・制御するのが通常であるが、スズネ搭乗後は基本的に彼女が制御している。
- 単純な動力としてのファーストモード、G.A.I.モードを起動するセカンドモードが存在。さらにセカンドモードは「ヘルヘイム」「ミドガルズオルム」「ヴァナルガンド」「ニーベルング」「バルムンク」の5種類のプログラムが存在し、それぞれを切り替えることでさまざまな形での事象制御を行う。当初は出力不足でニーベルングとバルムンクは封印されていたが、「いがみ合う双子」奪取とジェミニオン・レイの解放によりそれぞれ解禁されている。
- なお、この名前は略称であり正式名称は「Tactical System-Dimention Energy Manegement Operation Next」。
- Zチップ収集機能
- 戦場における感情の動きを感知してZチップを生成・収集する機能。ゲーム中では敵機を撃墜したり特定の条件をこなすことで手に入るが、設定上はそれらに伴う精神の動きをジェニオンが拾ってZチップにしていることになっている。
- 御使いとの決戦に備えてAGが組み込んだ機能であり、その意図は「存在しようとする力」を物質として収集・精錬し、「消滅しようとする力」との戦いに使用することにある。
特殊能力
- D・フォルト
- 1200以下の全属性ダメージを無効。ENを10消費。これのおかげで序盤はそれなりに守りが固いが、頼り過ぎるとあっさり落とされかねないので注意。特に天獄篇の中盤以降のは敵の火力過多とバリア貫通武器の増加により全く役に立たない。次元獣のものは全身をカバーする球体だったが、これとジェミニアのものは正面のみ。
- GAIモード発動
- 時獄篇第35話で追加され、気力140以上でジェニオン・ガイに変形可能になる。ただしたったの1ターンしか持たないので、使いどころは限られる……というか、下手をすると発動しないままクリアすることも多々ある。本格的に活用出来るのはガドライトとの決着がつく時獄篇第58話以降になる。
- 天獄篇では最初から使用可能。今回は制限も無いため、使いどころが限られて結局使わないといった事にはならない。32話で気力制限が-20され、120で発動可能になる。時獄篇では変形後も残っていたが、天獄篇でジェミニオン・レイが追加されると下記の「スフィア発動」と差し替えられる。
- スフィア発動
- 天獄篇第32話で追加され、気力140以上でジェミニオン・レイに変形可能になる。ただし、ジェニオン・ガイからしか変形できない事に注意。
- スフィア・アクト(いがみ合う双子)
- ジェミニオン・レイ時に追加される。気力150以上で「いがみ合う双子」が発動し、全ての味方パイロットの技量を+10する。敵側のスフィア・リアクターより気力制限が重く、効果も控えめなのは未熟ゆえか。カウンター・切り払い・シールド防御・再攻撃・クリティカル発生率など技量が絡む要素は多いので地味に役立つ。
- 一つ欠点があるとすれば「反骨心」持ちと相性が良くない事だが、終盤戦のボスはそれでも雀の涙くらいにしかならないため大して変わり無い。
- ちなみに他の搭載機同様、検索画面では「スフィア・アクト」で一括されている。
- 剣装備
- フルアクセルグレイブによって切り払いが発動可能。ジェミニオン・レイ限定の能力。ちなみに逆手持ちで払う。
移動タイプ
サイズ
- M /1L
- ジェニオン・ガイ変形時は機体サイズが2倍近くになり、サイズ1Lになる。ジェミニオン・レイもサイズ1L。
カスタムボーナス
- 移動力+1、特殊能力「EN回復(小)」取得
- ガンレオン、バルゴラ・グローリー、ブラスタ&リ・ブラスタと全く同じ。リアクト・マシンの共通事項なのだろうか?
- 時獄篇では進め方次第だが、1周目でも最速3話クリア時には取れる。EN消費型の武装が多く、これがあると運用がかなり楽になるため、優先的に取得したいところ。しかし、EN消費武装オンリーになるジェニオン・ガイでは心もとない。DECチャージャーがあると使いやすくなる。
- 天獄篇ではリンクボーナスやDLCを併用しなくとも最初から資金が最初から50万もあるため第1話クリア時に取れる。但しEN消費の悪さ自体は改善されていない為ヒビキのEセーブ習得や補給等のフォローは必須である。ジェニオン系統は欲しい強化パーツが多い為DECチャージャーは少々回しづらいか。補助GNドライブをつければENの回復量が大きく増えるので、こちらも検討の余地あり。
機体BGM
- 「瞳の中の明日」
- ヒビキの専用曲。Z主人公のお約束にたがわず、イベント用のダウナーアレンジ「心の底の昨日」が用意されている。
- 「禁忌という名の希望」
- ジェニオン・ガイ変形時はこちら。時獄篇第1話のシナリオタイトルでもある。「瞳の中の明日」がヒビキの曲ならばこちらはジェニオンの曲といったところか。
- 「太極のオーバーライザー」
- ジェミニオン・レイ変形時はこれになる。どこか暗いイメージのあった「禁忌という名の希望」とは違い、アップテンポで激しい曲調の曲。
対決・名場面
- 嵐の猛撃
- 時獄篇4話「学園都市防衛隊」より。人の命を徹底的に軽んじるブロッケンに激昂したヒビキ。その怒りはTS-DEMONを通じてジェニオンに伝わり、双子の青き片割れは新たな力を見せる。跳ね上がった出力を持ってジェニオンはグールを強襲、連続攻撃を持って空中要塞を撤退に追い込んだ。
- 覚醒の片割れ
- 時獄篇14話「光と闇の神話」より。再び街を襲う謎の敵集団。その指揮官たる女性の乗る有人機を猛追するジェニオンだが、「血塗られた目」を発症したヒビキはその力を思うように制御できず危機に陥る。カレンの介入で一撃こそしのいだものの、次撃が襲い来る。迫る死に対し、そんなものは受け入れないと叫ぶヒビキの意志に呼応し、TS-DEMONが新たな段階に移行。引き出された源理の力はジェニオンを真の姿へと覚醒させ、その力は指揮官機を一撃のもとに撃退した。
- 二つの力
- 時獄篇28話「闇の詩」より。墓穴特訓の最中に襲い来るアンナロッタ。アクエリオンEVOLの出撃直後、スズネの危機にヒビキもまた飛び出して来る。UGを迎え撃つため格納庫へ急ぐ二人だが、その中でスズネは繋いだ手を介してヒビキの意志と、己の心の底に潜む何かを感じ取る。そして出撃したヒビキは、対峙したアンナロッタに怒りを露にする。それを援護しようと、アクエリオンに乗るミコノがエレメント能力を行使。「繋ぐ力」によって接続された二つの意志、その力を受けた青き双子の片割れは、三度真の姿となる。それは一つになった意志のもと、UGの指揮官に襲い掛かる。
- The Quarreling Gemini
- 時獄篇58話「いがみ合う双子」より。時空修復を成功させた直後、その奇跡に怒りを以って現れたガドライト達ジェミニスと対峙するZ-BLUE。熾烈な戦いの中でアンナロッタを撃退し、敵戦力を削ることには成功するも、ガドライトはここに来てバアルを召喚し、Z-BLUEに二正面作戦を強いる。
- 前方にジェミニス、後方にバアル……追い込まれたZ-BLUEだが、シモンの力とゲッターエネルギーによって顕現した超銀河グレンラガンの登場により、戦況はまたしても逆転、Z-BLUEが一気に優勢となる。だが、次々と逆境を跳ね返す彼らの姿に苛立つガドライトは、感情のままに自分がやって来たこととその背景をまくし立てる。
- 母星を滅ぼされた怒りと、その元凶に立ち向かえない諦め……それゆえの嫉妬と八つ当たり。あまりにも矮小なその理由に、ヒビキもまた怒りを表す。お前を認めない―――その強い意志にTS-DEMONが引きずられ、青き双子の片割れは真の姿を現す。その心臓を破壊するほどの力をみなぎらせて。
- 似ているがゆえに惹かれ合い、似すぎたがゆえに憎み合う。表裏一体、光と闇、怒りと諦め、希望と絶望。相反しながらも切り離せない二つの意志。全てに決着をつけるべく、青と紫が激突する。
- 冥界送りの一撃
- 同上。死闘の末にガドライトを下したZ-BLUEだが、彼は未だスフィアの力で抵抗を図る。彼のスフィア「いがみ合う双子」は相反する意志の衝突を力としており、無力化するにはこれを意志で制御する「偽りの黒羊」が必要となる。しかし、かのスフィアはアサキムごとZONEに封印され、使うことが出来ない。
- 手詰まりかと思われたその時、アドヴェントが前に出る。その様子に何らかの真実を悟ったガドライトは激昂、アスクレプスを撃墜。だが、そのせいでガドライトは感情のバランスを崩し、「いがみ合う双子」が機能不全に陥る。
- 目の前で恩人とも言うべきアドヴェントを失ったヒビキは怒りのままにジェミニアを襲うが、ここに来て負荷のかかりすぎたTS-DEMONが停止。しかし、仇敵をまたも取り逃がすという絶望に抗うように叫んだヒビキの意志、すなわち絶望の中の希望に「いがみ合う双子」が応え、その力は新たな器たるジェニオン・ガイに宿る。そして、ついに完成を見た青き双子の片割れは、対面する片割れを乗り手の戦技とスフィアの力によるアクロバット・コンボで完全粉砕。仇敵の一人をこの世界から完全に葬り去ったのであった。
- 悲嘆滅却の猛撃
- 天獄篇第28話「闇の兄、光の弟」/第29話「深遠よりの目覚め」より。サイデリアルと戦うZ-BLUEの前に、バルビエルが現れる。彼がヒビキに突きつけたのは、自分達に従わねば離反したスズネを殺すが、従えば一部のエリアや要人を解放するという究極の選択。その迷いによって反作用に呑まれたヒビキだったが、仲間達の助力により復活。バルビエルに対するその怒りはヒビキに力を与え、それはジェニオンを新たな境地へ至らしめる。特訓に特訓を重ねて生み出した新たなる戦技は、怨嗟の魔蠍を狼狽させた。
- 希望と絶望の先に
- 天獄篇第32話「太極」より。バルビエルに拉致されたセツコを奪還した安堵も束の間、アドヴェントの敵対とその正体の発覚、さらにマキすらも敵であったという衝撃の連続に、疲弊しきったヒビキの精神は停止する。そんな彼に、AGは事前の契約通り戦わせるための処置を行う。ジェニオンの用意は既に出来た、後はヒビキがどうするかだと。
- 翠の地球を後にしたZ-BLUEの前に、インベーダー、宇宙怪獣、バスター軍団にロボット軍団に暗黒の軍団、そしてアムブリエル駆るジェミニアが襲来する。それを迎え撃つ中、いまだ意識の戻らないヒビキの乗るジェニオンがクロウに引っ張り出されて出撃。ヒビキの心にある絶望とは何なのか? その助けになるべく、タケルを通じて一行はヒビキの闇を垣間見る。
- 母に殺されそうになり、その彼女に目の前で死なれた……幼い心には重すぎたその一件は、いまだ彼を苛んでいた。仲間の声にも立ち上がることが出来ないほどに。しかし、絶望があるならば希望もある。それを導いたスズネの齎した光―――禁忌の向こうにある希望。意識を取り戻したヒビキの戦う意志は、バルゴラ、ガンレオン、リ・ブラスタのデータによって素地を与えられたジェニオンに伝わり、その姿を変貌させる。混沌の名を持つ悪魔を思わせる禍々しき姿、神をも恐れぬ最凶の機神―――ジェミニオンに。
- かと思われたその時、更なる変化が起きる。「いがみ合う双子」がヒビキの至った希望と絶望を超えた境地、そしてジェニオン自身の意志に応え、それは大いなる力を彼らに与えた。スフィアの輝きの中から現れたのは、ジェニオンの面影を残しつつもより力強く新生した蒼い機影。ジェミニアを文字通り一蹴したその強大極まる力は、全ての超越者にして始まりたる存在―――今こそ与えられしその名は、ジェミニオン・レイ。新たなる太極の化身が、宇宙の暗闇を切り裂き、反撃が始まる。
- THE OVER RIDE
- 天獄篇第46話「守るべき未来」より。メガラニカにてラプラスの箱を解放するミネバを守り展開するZ-BLUE。そこに、アムブリエル率いるサイデリアルの部隊が現れる。時間がないと口にしつつ迫るアムブリエルを撃退したのも束の間、アムロ達が何かを察知する。それは、多元戦争で使われたコロニーレーザー・グリプス2。
- 世界に開示される可能性と未来を守るため、Z-BLUEはバナージのユニコーンガンダムとリディのバンシィ・ノルンを起点にサイコ・フィールドを展開、レーザーを防御する。その中でヒビキは、アムブリエルとスズネを両方救うことを決断。どちらが本物だろうと、それは彼女達が決めること。そのためにも、生きなければならないのだと。完敗を喫したアムブリエルはスズネの心の奥へと去ったが、コロニーレーザーを防ぎきった直後に衝撃の事実が開示される。
- エルガンが準備し、イオリアがヴェーダの奥に隠していたそれは、人類がサイデリアルによって進化を監視されていたという事実だった。この事実に衝撃を受けつつも怒りと闘志を新たにするZ-BLUEの前に、アドヴェント率いるクロノ改革派が襲来。さらにサイデリアルのリアクター4人とアサキムも現れ、12のスフィアが一堂に会する。
- その中、意識を取り戻したスズネの駆るジェミニアが前に出るが、相容れないことを知ったアドヴェントはこれを無造作に撃墜。目の前で起きた事態を全霊で否定して絶叫するヒビキだったが、その瞬間彼の意志を受けた「いがみ合う双子」が応え、アドヴェントに対する否定で一致したそれぞれのリアクターの意志を受けた11のスフィアを統御。気がついた時には、ジェミニアがアスクレプスの前に出たところだった。この後に何が起きるのかを知っていたヒビキは無我夢中でジェミニオン・レイを割り込ませ、間一髪スズネのガードに成功する。そして、完全に意識の統合されたスズネがコクピットにテレポートで現れたことで、TS-DEMONがリアクターとそのパートナーの意志を受けて完全稼動。引き出された「いがみ合う双子」の真の力はジェミニオン・レイに全てを超える究極至高の剣を与え、その力はアスクレプスを一撃のもとに粉砕したのであった。
- 輝きの果てに
- 天獄篇第56話「覚醒」より。カオス・コスモスで真徒達を迎撃しつつ、トライアの指示に従い目標ポイントに急ぐリアクター達。アンゲロイ・アルカとASIの猛攻を掻い潜ってポイントを確保した後、トライアが次元力の真髄を語る。
- 次元力―――その本質は、この世に『在る』全てに宿る意志そのもの。物質のそれは普段表に出て来ないが、彼らは知っている。限界を超えた機体が乗り手の意志に応えるように戦ったことを、想いを託した一撃が敵を打ち破ったことを。そう、それこそがマシンの意志なのだと。
- が、その矢先にアドヴェントの駆るヘリオースが来襲。御使いの威圧を以ってZ-BLUEを屈服させんとするアドヴェントだったが、AGが仕掛けていたバインド・スペルで破られ、そのバインド・スペルもあまりの事態にキレた面々の怒りで破られる。一人だけ影響下になかったヒビキはまだ危機の渦中だったが、自分の命を己のものだと当然のように語るマキの言葉に反発して覚醒。希望でも絶望でもない、ただ己を貫く意志は、スフィアの輝きとなって迸る。
- チャンスは一度。Zクリスタルと4つのスフィアが繋がり、そこから引き出されたマシンの心はそのパートナー達に伝わる。生きるために戦い、融和することで広がり、切り開くことで進み、己の作り出した力で強くなる……その先に待つのは、手を取り合い共に生きるという生命の真理。
- ヒトの可能性を示すその名は、真化融合。マシンと己を一つにしたその力は、真徒達を圧倒し、今、進撃が始まる。
- 瞳の中の明日
- 天獄篇最終話「果てなき世界」より。至高神Zを死闘の果てに撃破したものの、宇宙の崩壊は止まらなかった。しかし、それで諦める者はZ-BLUEには一人もいない。すべきことはわかっている。時空修復だ。
- そのために、と前に出たジェミニオン・レイ。ヒビキの狙いは、「いがみ合う双子」の霊子に同調するスフィア・アクトで至高神Zを乗っ取り、人々の意志を集める器となること。しかし、それを行えばヒビキの存在は完全に消滅してしまう。互いの消滅が認められないヒビキとスズネの言い争いを見かね、Z-BLUEが集結する。「いがみ合う双子」のスフィア・リアクターはヒビキだけではない。相反する感情を超越して戦ってきたのは皆が同じ。だから、全員でスフィア・アクトを行使すると。理屈がどうであっても、「いがみ合う双子」のスフィア・リアクターはヒビキ一人。そんなことが出来るのか―――出来る。これまでの戦い、そしてメガラニカでの一件を経て、太極となったヒビキはその理由を知っていた。
- 12のスフィアは人間の感情を司る。その集合体にして、自らの意志を持つ至高神ソルの在り様は、矛盾を抱えて生きていく人間そのもの。スフィアの中でたった一つ、二種類の感情で稼動する「いがみ合う双子」は、人間の抱える矛盾そのものの表れ……言うなれば、ミニチュアになった太極そのもの。霊子に同調し、スフィアを統御するスフィア・アクトの意味は、人間がいつか真化を遂げられるという可能性。だからこそ相反する感情に、それを超えて戦ってきたZ-BLUEの意志に、「いがみ合う双子」は応えてくれる。
- 真の時空修復には並行世界全ての人の意志が必要だが、それを集めるには真化融合の力を以ってしても絶対的に足りない。しかし、ここにはまだ可能性があった。至高神Z……それを統べるアドヴェント。三人の御使いを吸収した彼は、人間の心を取り戻すことが出来る。最後に少しだけ、命の意味を思い出した「神になろうとした男」は、高次元生命体としての本来の役目を果たすため、至高神を器に人々の願いを受け止める。それを「いがみ合う双子」が引き出し、スフィアが応える。セツコが、ランドが、クロウが、アイムが、ユーサーが、ガドライトが、尸空が、バルビエルが、エルーナルーナが、ヴィルダークが、スフィアを通じて届けられた生命の力を引き出し、三人の特異点が至高神の心臓たる黒い太陽にそれを届ける。
- 迸る光と広がる闇、そして煌きながら元の姿へと戻っていく無数の可能性。それは、多元世界新生の産声。終焉の銀河に至るαより始まった神話は、天の獄炎を掃うZの名の下に終わりを迎える。神話の果てに、ヒトは無限の可能性を見た―――。
関連機体
- ジェミニア
- GAIモードのオリジナル機。外見だけではなく性能面でも似せられている。余談だが、ジェニオン・ガイの見た目はジェミ二アに似せられているが、ジェミ二アの方が30m近く全高が高く、重量も倍程度と大幅にデカい。
- 実際の外見はシルエット以外そんなに似ておらず、武装にいたっては全くの別物。レイの方はかなり似ている。
- DEM-00、DEM-01、DEM-02
- 兄弟機。実はDEM-00はレムレース試作型・DEM-01はレムレース・DEM-02はカオス・レムレースであり、カオス・レムレースと酷似した部分が多いのはその為。
- 本来のジェミニオンは人型のカオス・レムレースとも言える代物である。
余談
- 時獄篇のオリジナル要素にやたら「ジェ」が多かったためか、いまだに名前を「ジェミオン」と間違われることが多い。
- ジェニオン・ガイの武装名は全て北欧神話縛りだが、実はどれも「神を害する」存在の名前がつけられている。
- スフィアおよび太極の設定はロボットRPG『ゼノギアス』(SRW未参戦)に登場する「アニマの器」と「ゾハル」がモチーフだと推察されているが、このジェニオン&ジェニオン・ガイ&ジェミニオン・レイは同作の主役機・ヴェルトール&ヴェルトール・イド(セカンド)&ゼノギアスと至るところが酷似している。具体的には、以下の通り。
- 本体に比して大きすぎるバックパックを背負っている
- そのバックパックは変形形態の外装である
- 変形形態こそ本来の姿なのだが、その状態は非常に不安定であるため、リミッターをかけた通常形態が必要になっている
- レプリカに当たる機体で、オリジナルの機体が存在
- オリジナル機には12個ある特別な動力の一つが搭載されているが、レプリカの本機は持っていない
- 通常運用には不要なブラックボックスが多い
- 後にこれらは変形用の構造や、オリジナルに近しい機体能力を無理矢理再現するための機器だと判明する
- 乗り手の拳法をトレースして戦う
- 途中で一時的に(機体性能だけは)オリジナルに迫れる性能を発揮するモードを得る
- ちなみに、「ヴェルトール」という名前はドイツ語で全世界=宇宙を意味する。一方開発初期では「オーディン」という名称だったようだ
- この機体は「神を滅ぼす者の憑代」という不気味な名称で呼ばれたことがある。これはゼノギアス側がオマージュしている作品「ラグナロック・ガイ」からの引用でもあり、またジェニオンの武装名も連想させる
- 第二形態がさらに変貌した最終形態が存在する
- その最終形態はオリジナルが搭載していた動力の大元を唯一制することが出来る
- 最終形態には元の形態の名残が頭部以外あまり残っていない
- 本体に比して大きすぎるバックパックを背負っている
- ジェニオンの乗り手の二人も、「パートナーの最終的な生死」「相手は、運命に翻弄されて主人公にとって有益・不利益な行動をまちまちに取る」など、同作の主人公を思わせる要素が散見されている。なお、ゼノギアスの主人公は様々な衝撃的な設定や展開を抱えているが、これまたぴったりである(詳細はこちら)。
- また、『ゼノサーガ』では「かつて何らかのきっかけで起動してしまった宇宙の安全装置によっていつか到来するであろう破滅を回避するため、周期的に世界を巻き戻す」「その際の副作用で意思疎通の不能な怪物(元は人間)が発生、襲来する」という展開が背後で進行している。こちらはこちらでZシリーズの展開に近い。
- なお、天獄篇発売から27日後にはWiiUにてゼノシリーズ最新作である『ゼノブレイドクロス』が発売されている(さらに敵組織の構成がサイデリアルに酷似している)。偶然とは言え、つくづく縁のある作品である。
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