戦術指揮
戦術指揮はスーパーロボット大戦シリーズのシステムのひとつ。
味方ユニットを纏めて補助するという点は概ね共通しているが、「Zシリーズ」『スーパーロボット大戦X』といったB.B.スタジオ開発タイトルとエーアイ開発の任天堂携帯機シリーズとではそれぞれ根本的には異なる仕様のため、以下では別個に解説する。
B.B.スタジオ製タイトル(Zシリーズ・X・30)
着弾点指定型マップ兵器と同様に、指定した位置を中心とした範囲内の自機を除く味方のステータスを次回の自軍フェイズ開始時まで一時的に変化させるコマンドを行使できる特殊スキル。戦術指揮によるステータス上昇は本来のステータスの上限値を無視する。
Zシリーズ・X
攻撃指揮 | 格闘・射撃+15、命中+15 |
---|---|
防御指揮 | 防御+15、回避+15 |
特攻指揮 | 格闘・射撃+30、防御-40、回避-40 |
30
攻撃指揮 | 格闘・射撃+15、命中+15 |
---|---|
防御指揮 | 防御+20、回避+15 |
特攻指揮 | 格闘・射撃+30、防御-40、回避-20 |
再動などで使用者を複数回動かすことが可能なら、別々の内容の指揮ならば重複させて使用することも可能。
習得者
- ゼロ(ルルーシュ・ランペルージ)
- 『第2次スーパーロボット大戦Z破界篇』で登場した同キャラの専用技能。移動後使用可能で広範囲、さらに『破界篇』に限りエースボーナスで効果範囲が拡大する。ただ、これのせいでゼロの特殊技能枠が1枠埋まってしまっており、付けたい特殊技能が多い彼の育成の大きな妨げになっている。
- ちなみに、戦術指揮そのものが採用されていない『OE』ではガウェインおよび蜃気楼の武装「ドルイドシステム」のMAP攻撃版が代替を務める。
- 『第2次Z再世篇』以降はスキル枠自体が増えたため、ある程度融通が利くようになった。しかし、戦術指揮では経験値やPPが入らないため、育成の為には戦闘とのバランス取りを考える必要がある。
- なお、『第2次Z再世篇』での敵対時では代わって天才を所持している。
- 『第3次Z時獄篇』ではゼロのエースボーナスによって戦術指揮でPPが獲得出来るようになるため、育成との両立が容易となった。
- 『X』ではゼロがルルーシュ名で登場するが、基本的な内容は『Z』時代とほぼ同一。同作では移動後に使用不可能という制限があり、エースボーナスを取得することで解除される。
- 『30』では『X』とほぼ同仕様だが、防御指揮と特攻指揮の性能がやや変動した他、エースボーナスの変更で使い勝手も変わった。
- 『X』『30』では戦艦のExオーダー範囲を初期配置に収めるようにすれば「戦術指揮→行動回復→再び戦術指揮…」といった繰り返しで全ての味方を初手から強化したり、残った行動回数で自身が進撃する事も可能。
- 「覚醒」や類似の効果を持つ強化パーツを持たせるのも効果的。
エーアイ製タイトル(UX・BX)
B.B.スタジオ作品のものとは全く異なり、インターミッション画面で任意の指揮官を指定することでその指揮官が持っている特殊能力を全ユニットに付加することができるというシステム。『スーパーロボット大戦UX』『スーパーロボット大戦BX』において採用。
各キャラクターの能力はシナリオが進むにつれて追加され、最終的に3種類の指揮効果を得られる。また、戦闘開始時などに指示の台詞を発するキャラクターがその指揮官になる、という作用もある。なお、指揮官自体もシナリオが進むにつれて順次追加されるが、途中から明らかに指揮官とはいえないキャラクターにも適用され、それに際して表記も「戦術指揮/応援」へと変更される。
『UX』では担当者が戦闘員の場合は指揮官自体が出撃していないと効果が発揮しない。『BX』では戦闘員の担当者は出撃していなくても指揮効果を与えられるが、イベントで一時離脱する事がある場合にはその時点で効果が失われる。
『BX』では新たに「タクティカルサポートポイント(TSP)」と呼ばれる要素が追加。TSPは敵ユニット撃墜やターン経過で上昇し、一定値を超えると指揮効果がアップする(最大で2度・3段階目まで)。味方機が撃墜されるとTSPは減少するが、一旦上がった指揮効果が低下することはない。
なお、『UX』および『BX』の隠し要素の中には、特定のステージで特定の人物を戦術指揮/応援の担当者に指定する事が必須条件のものが存在する。詳細は、それぞれの「隠し要素」の頁を参照。
戦術指揮/応援の効果一覧
★付きは『BX』でTSPにより効果が上昇するもの。
- 対○○への攻撃・防御力上昇 ★
- 『BX』にのみ存在。小隊長能力にも見られた対特定陣営用のものだが防御力にも効果があり、特定の作品を除いた各陣営の指揮担当の一人が必ず有している。
- 格闘(射撃)武器の攻撃力上昇 ★
- プレイヤーフェイズ時の攻撃力上昇 ★
- EPで削りつつPPで纏めて撃墜したい場合に向いている。
- 反撃時の攻撃力上昇 ★
- 上のものとは逆にEPで反撃無双をしたい場合に向いている。
- 援護行動効果上昇 ★
- 全体攻撃時の攻撃力上昇 ★
- 防御力上昇 ★
- 回避率上昇 ★
- 『BX』では最終補正で、ハーフカット所持者には特に有益。
- 命中率上昇 ★
- こちらも『BX』では最終補正となる。
- CRT率上昇 ★
- 搭載・回収時の回復率上昇 ★
- 母艦の艦長・指揮官との兼任者が持っている事が多い。
- 防御スキル発動率上昇 ★
- 斬り払い、撃ち落とし、シールド防御、カウンターの発動率が上昇する(最大発動率は超えられない)。特殊回避は残念ながら対象外。
- 精神耐性
- 特殊スキルの「精神耐性」と同様の効果。
- スペック低下無効
- 特殊能力及び機体ボーナスで得られる「スペック低下無効」と同様の効果。
- 移動後変形可能
- 初期気力5上昇
- 気力限界10上昇
- 精神ポイント20上昇 ★
- 特殊スキルのSPアップとは違い、サブパイロットにも適応されるため効果が大きい。
- 『UX』では母艦より先に出撃したユニットには最大値にしか効果がない。
- 『BX』では表記上は出撃時にしか効果を発揮しないように見えるが、TSPが上昇するとその都度現在値が上昇し、実質的に60も使えるSPが増えることになる。
- 獲得経験値10%上昇
- HP(EN、MP)10%回復
- 毎ターンPP開始時に回復。要は味方全機にHP回復(EN回復)が+L1された状態になる。
- サイズ差無効/サイズ差無視
- 特殊スキルの「サイズ差無視」と同様の効果。
- 移動力1上昇
- 射程1上昇
- シナリオクリア時に資金+30000
- シナリオクリア時にスキルパーツ(アイテム)入手
- 入手されるパーツ(アイテム)はランダムで選択され、DLCや『UX』の味方フラグ獲得時・『BX』では高ランク部隊ポイント限定になるレアスキル系は対象外。
- バリア貫通/バリア無効
- 味方の全武器にバリア無効の効果が入る。
- 『BX』ではバグで味方側のバリアも無効になってしまう。
- 獲得資金10%上昇
- 資金上昇の効果は2倍が上限のため、幸運(祝福)で一遍に稼ぎに行く場合には相性が悪い。
- 連続ターゲット補正無効
- 特殊スキルの「連続ターゲット無効」と同様、連続ターゲット補正を無効化できる。
- 地形適応1段階上昇
- 『UX』にのみ存在。猛威を振るいすぎたためか『BX』では削除された。
戦術指揮官ないし応援担当者
☆付きは、非パイロットの指揮専任キャラ。また、応援枠のキャラはシナリオ開始冒頭の会話では「他のキャラが作戦を指示→応援担当が応援」となるパターンがある(指揮枠のキャラでも偶に他のキャラが会話に混ざる事がある)。
なお、今の所「応援枠が成立するきっかけが『ルリ』という名の人物」という共通点がある。
スーパー系
- 森次玲二
- 石神邦生
- 加藤久嵩
- 覇道瑠璃 ☆
- 覇道財閥の二代目総帥。酒癖が悪く、『UX』では宴会において酔った勢いで自らが戦術指揮官になる事を宣言し、さらにはどう考えても戦闘指揮官ではない人物さえも新たな戦術指揮官に任命してしまう。
- エイーダ・ロッサ
- 『UX』では酔った瑠璃…ではなくウィンフィールドによって戦術指揮官に任命されたが、元々R-ダイガンのパイロットで荒事慣れしているということもあり、普通に作戦を指揮している。
- リナ・デイヴィス ☆
- 『UX』では酔った瑠璃によって、戦術指揮官に任命された。
- シナリオ中はサイ、デントン、ホリーらが何らかのリアクションを示した後にリナがUXを応援するという体制になる事が多い。
- イルボラ・サロ
- 『UX』では途中で離脱し、ロミナに引き継ぐ。条件次第で復帰するが、戦術指揮要員としては復帰しない。
- ロミナ・ラドリオ
- ラドリオ星のプリンセス。『UX』ではイルボラの離脱後に、彼女が彼の跡を受け継ぐ形で戦術指揮官になる。
- スカーレット・ヒビキ ☆
- 原作では死亡してしまうのだが、『UX』では各作品に一人は戦術指揮キャラが必要というメタ的な事情で生存したと思われる。
- 由木翼
- 『BX』では原作終了後の設定の為、(死去したスカーレットの代わりに)戦術指揮官を担当する。
- 白鳥マリア
- 『BX』において初期から任命。最初の内は専任。バクリュウドラゴン加入後も司令室からの遠隔操縦の為指揮中も母艦から話す。彼女を選択した場合、他の地球防衛組の司令室メンバーも会話に加わる。
- 篠田俊太郎 ☆
- 『BX』において、大河の最終的な決定で姫木るる子と共に戦術指揮官に任命されている。
- 天海護
- 『BX』において、大河の最終的な決定で(いつの間にか)戦術指揮官に任命されていた。
- 大河幸太郎 ☆
- GGGの長官。『BX』において、本職の指揮官ではない者達を戦術指揮官に任命する件で最終的な決定を下している。大河自身も戦術指揮官を担当。
- ドリス・ウェイブ ☆
- 『BX』において、大河の最終的な決定で戦術指揮官に任命されている。
- ロッド・バルボア
- マノン
- 錦織つばさ ☆
リアル系
- ジョルディ・ボーダー
- ボーダー王国の嫡子。『BX』では忠臣アズベスの死後に、戦術指揮官も担当する。
- チュルル ☆
- 『BX』において、大河の最終的な決定で戦術指揮官に任命されている。なお、アズベスが戦術指揮時にも会話に参加することがある。
- アズベス ☆
- 『BX』において、デフォルトで登録される戦術指揮官の中で唯一途中で永久離脱する。
- ミスマル・ユリカ
- ナデシコの艦長。『BX』において、アキトと共にルリを戦術指揮官に推薦する。これが切っ掛けで、本職の指揮官ではない者達が戦術指揮官に任命されていく展開に…。
- ホシノ・ルリ
- ナデシコのオペレーター。『BX』において、ユリカとアキトから戦術指揮官に推薦される。こうして、ルリをはじめとして本職の指揮官ではない者達が戦術指揮官に任命されていく事になる。
- バーン・バニングス
- 『UX』・『BX』共に自部隊に参加した際に担当する。
- シーラ・ラパーナ
- 皆城総士
- ジークフリード・システムを駆使してファフナー部隊を指揮する少年。理論派の堅物のように見えて、感情的に行動しやすい一騎達に配慮した的確な指示を即興で与えられる柔軟性もある。
- ただし、逼迫した状態では判断が間一髪間に合わず犠牲を出してしまう場面も少なくなかった。また、ジークフリード・システムごとフェストゥムの手に落ちた際には、フェストゥムへの指揮を強制されたこともあった。
- 『UX』では、指揮下に年上が多いためか、原作では見られなかった敬語で指揮を飛ばす姿を拝める。酔っぱらった瑠璃によって指揮官とは程遠い者達が戦術指揮官に任命されていく光景には頭を抱えていた。
- 日野道生
- アマルガン・ルドル
- サコミズ・シンジロウ
- エレボス、フェイ・イェンHD、チャム・ファウ
- 『UX』において酔った瑠璃によって、戦術指揮官に任命された面々。余談だが、チャムは『UX』・『BX』双方において「私も戦術指揮をやってみたい」と願い出ている。
- ジェフリー・ワイルダー
- オズマ・リー
- ランカ・リー 、シェリル・ノーム ☆
- 民間人かつ何の説明もなく戦術指揮に任命されてしまっている(おそらく、チャム達と同じ理由)。ちなみに、この両名は「歌で応援している」という扱いである(残念ながらBGMは変わらない)。
- ミーナ・フォルテ ☆
- 『BX』において、大河の最終的な決定で戦術指揮官に任命されている。
ガンダムシリーズ
- スメラギ・李・ノリエガ
- ソレスタルビーイングの戦術予報士。それ故か、『UX』および『BX』では、本職の指揮官ではない者達が戦術指揮官になってしまう展開において重要な役割(?)を果たす。
- グラハム・エーカー
- 孔明リ・ガズィ ☆
- 『UX』では非常に優秀な戦術指揮効果を持っているので、クリアだけが目的ならば固定したままでも良いと言ってしまってもいいほどの存在である。
- しかし、その所為で隠し要素を軒並みへし折られたプレイヤーが続出した。まさに「孔明の罠」である。しかも攻略本においても隠し要素の解説で注意点に挙げられている。
- 司馬懿サザビー ☆
- 周瑜ヒャクシキ ☆
- 途中で離脱し、陸遜に引き継ぐ。
- 陸遜ゼータプラス ☆
- アスラン・ザラ
- オットー・ミタス
- オードリー・バーン☆
- 騎士アレックス
- 『BX』において最初に戦術指揮官を務める。
- フリット・アスノ
- 地球連邦軍の元・総司令官にしてベテランパイロット。『BX』ではパイロットへの復帰が終盤からなので、それまでは母艦ディーヴァのサブパイロットおよび戦術指揮官としての働きがメインとなる。
- ウェンディ・ハーツ☆
- 『BX』において、大河の最終的な決定で戦術指揮官に任命されている。
- ゼハート・ガレット
バンプレストオリジナル
- リチャード・クルーガー
- 『UX』序盤でパイロットとしては離脱。以降は戦術指揮専任となるが、途中で永久離脱し、アーニーに引き継ぐ。
- アニエス・ベルジュ
- 『UX』においてアーニーはサヤと共に周瑜から戦術指揮を学んでいる為、第2部においては会話上ではアーニーとサヤの二人で戦術指揮を執る形になる。さらに、第3部ではアーニー一人が戦術指揮する形になる。
- ユキ・ヒイラギ
- 『BX』において、大河の最終的な決定で戦術指揮官に任命されている。
- ファルセイバー