「熱血ロボ ゲキ・ガンガー3」の版間の差分
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− | [[木連]]においては、[[地球]]および[[火星]]からの放逐時に民間人が持ち出した『ゲキ・ガンガー3』以外に娯楽作品が無かったため、困窮した生活を送る人々の間に浸透し、時を経て「聖典」とまで呼ばれる程の影響力を持つようになった。木連のエリートである優人部隊は自身の「推し」(当時そんな言葉は無かったが)であるゲキガンチームのパイロットスーツを纏い、ゲキ・ガンガーに酷似した[[ジンシリーズ]]に乗る<ref> | + | [[木連]]においては、[[地球]]および[[火星]]からの放逐時に民間人が持ち出した『ゲキ・ガンガー3』以外に娯楽作品が無かったため、困窮した生活を送る人々の間に浸透し、時を経て「聖典」とまで呼ばれる程の影響力を持つようになった。木連のエリートである優人部隊は自身の「推し」(当時そんな言葉は無かったが)であるゲキガンチームのパイロットスーツを纏い、ゲキ・ガンガーに酷似した[[ジンシリーズ]]に乗る<ref>そのため、第16話『「僕達の戦争」がはじまる』では、九十九と月臣が会話するシーンが、彼らの推しであるケンとジョーそっくりに描かれるという演出が挟まっている。</ref>。それどころか、木連に住む人々の思想形成にまで影響を及ぼしており、特にアニメ内の「勧善懲悪」主義が木連のタカ派軍人達に与えた影響は大きかった。木連軍人の代表・[[草壁春樹]]の政治思想や地球に対する偏見は基本的にこのアニメによって形成されたものである<ref>ちなみに、[[木連]]が[[劇中劇|ロボットアニメ作品]]『ゲキ・ガンガー3』を[[戦意高揚]]の道具(いわゆる、プロパガンダ)として使用した様に、'''現実世界においても第二次世界大戦期の国家がアニメーション作品([[童話]]や[[漫画]]も含む)を戦意高揚の道具として使用した例が存在している'''。</ref>。そのような点から言えば、『ゲキ・ガンガー3』は地球-木連間の戦争の遠因になっていると言えなくもないが、「良いも悪いもリモコン(で操縦する人間)次第」である[[鉄人28号]]の例がある様に、「本来は純粋な娯楽作品である『ゲキ・ガンガー3』を[[戦意高揚]]の道具として使用する人物およびその行為こそに問題がある」と言うべきであろう。 |
上記のようなバックボーンのおかげで、『ゲキ・ガンガー』一辺倒に凝り固まった木連軍人の価値基準は容易には揺らがなかった。ところが、物語の最終局面における[[テンカワ・アキト|アキト]]から[[ミスマル・ユリカ|ユリカ]]への[[告白シーン|告白]]において、彼が語ったゲキ・ガンガーへの想いとその先へ踏み出すべきとする発言が若手将校の心を動かす切っ掛けとなり、その後の「熱血クーデター」に繋がることになる。 | 上記のようなバックボーンのおかげで、『ゲキ・ガンガー』一辺倒に凝り固まった木連軍人の価値基準は容易には揺らがなかった。ところが、物語の最終局面における[[テンカワ・アキト|アキト]]から[[ミスマル・ユリカ|ユリカ]]への[[告白シーン|告白]]において、彼が語ったゲキ・ガンガーへの想いとその先へ踏み出すべきとする発言が若手将校の心を動かす切っ掛けとなり、その後の「熱血クーデター」に繋がることになる。 | ||
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クーデターの成功後は、『ゲキ・ガンガー』を政治的な扇動に用いてきた草壁が失脚し、また木連に[[地球]]の文化が流入することになる。その結果、[[続編]]『[[劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-]]』の頃までには、木連内部における『ゲキ・ガンガー』熱はかなり薄まったようである。 | クーデターの成功後は、『ゲキ・ガンガー』を政治的な扇動に用いてきた草壁が失脚し、また木連に[[地球]]の文化が流入することになる。その結果、[[続編]]『[[劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-]]』の頃までには、木連内部における『ゲキ・ガンガー』熱はかなり薄まったようである。 | ||
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『ナデシコ』の作風は「一見明るいオタク的なロボットアニメだが、本質は暗くシビア」というものであり、「勧善懲悪」という分かりやすいテーマを掲げているスーパーロボット作品である『ゲキ・ガンガー3』は、必ずしも肯定的には描かれていない。「過去に死亡した仲間が復活する」「[[正義]]が悪を倒す事で、ハッピーエンドで完結する」という内容の最終回はその象徴的な話であり、「[[ダイゴウジ・ガイ|ガイ]]や[[白鳥九十九|白鳥]]が死亡し、決して戻ってこない」「[[木星蜥蜴]]は絶対悪ではなく、最終的には和平を結ぶ」という『ナデシコ』の話と真っ向から対立する。ただ、全否定もされておらず「あまりに非現実的だが、それに憧れる気持ちは間違っていない」と言う形で肯定されている。 | 『ナデシコ』の作風は「一見明るいオタク的なロボットアニメだが、本質は暗くシビア」というものであり、「勧善懲悪」という分かりやすいテーマを掲げているスーパーロボット作品である『ゲキ・ガンガー3』は、必ずしも肯定的には描かれていない。「過去に死亡した仲間が復活する」「[[正義]]が悪を倒す事で、ハッピーエンドで完結する」という内容の最終回はその象徴的な話であり、「[[ダイゴウジ・ガイ|ガイ]]や[[白鳥九十九|白鳥]]が死亡し、決して戻ってこない」「[[木星蜥蜴]]は絶対悪ではなく、最終的には和平を結ぶ」という『ナデシコ』の話と真っ向から対立する。ただ、全否定もされておらず「あまりに非現実的だが、それに憧れる気持ちは間違っていない」と言う形で肯定されている。 |
2023年12月12日 (火) 20:24時点における版
熱血ロボ ゲキ・ガンガー3(ねっけつロボ ゲキ・ガンガー スリー)とは、『機動戦艦ナデシコ』作中において放送された架空のロボットアニメ。
概要
所謂劇中劇。正式には、初期タイトルは『ゲキ・ガンガー3』で、第27話以降の放映時間変更時に『熱血ロボ』をタイトルに冠するようになった(という設定)。
内容は『ゲッターロボ』を主体として、1970年代のロボットアニメや特撮などの要素が多く取り入れられている。人気を博し、後にスピンオフ作品としてOVA『ゲキ・ガンガー3 熱血大決戦!!』が製作された。また、テーマ曲「レッツゴー ゲキ・ガンガー3」はヒーローアニメ・往年のスーパーロボットアニメのOP曲を彷彿とさせる出来で、これまた人気が高い。本編では未採用であった「飛翔け!ゲキ・ガンガー3」等の楽曲も含め、『ナデシコ』のアルバムCDに本編の楽曲と同格の扱いで収録されている。
スタッフは『ナデシコ』とは別チームが担当しており、また声優は『ナデシコ』と共通している(『ナデシコ』の脇役を演じる声優が『ゲキガン』では主役になっているなど、その配役は逆となっている)。
設定
(『ナデシコ』世界における)21世紀末のアニメ業界では、もはや全てのパターンが出尽くし、究極的なマンネリ状態に陥っていた。そこで原点回帰として、1970年代の熱血アニメをモチーフとして制作されたのが本作である。当時ほとんどロストテクノロジーとなっていたセル画技術などを駆使しているなど、かなり力を入れて作られた作品である。しかし、人気は振るわず、放送時間変更の上、第39話で打ち切りになった。その後、再放送によって人気が出た(以上の設定は、フィルムブックやムック本などに記載されている設定。本編では出てこない)。
『ゲキ・ガンガー』が制作されたのが2096年で、『ナデシコ』本編は2196年以降の話である。にも関わらず、主人公のテンカワ・アキトとダイゴウジ・ガイがのめり込んでファンになっており、特に全話をナデシコ艦内に持ち込んでいたガイの影響で、作中では序盤から頻繁に登場する。物語開始から100年前の古い作品なのですでに著作権フリーにでもなっているのか、作中では頻繁にフィギュアやシール、ゆるキャラのようなぬいぐるみが登場しており、劇場版では地球でもグッズが普通に売られている。
木連においては、地球および火星からの放逐時に民間人が持ち出した『ゲキ・ガンガー3』以外に娯楽作品が無かったため、困窮した生活を送る人々の間に浸透し、時を経て「聖典」とまで呼ばれる程の影響力を持つようになった。木連のエリートである優人部隊は自身の「推し」(当時そんな言葉は無かったが)であるゲキガンチームのパイロットスーツを纏い、ゲキ・ガンガーに酷似したジンシリーズに乗る[1]。それどころか、木連に住む人々の思想形成にまで影響を及ぼしており、特にアニメ内の「勧善懲悪」主義が木連のタカ派軍人達に与えた影響は大きかった。木連軍人の代表・草壁春樹の政治思想や地球に対する偏見は基本的にこのアニメによって形成されたものである[2]。そのような点から言えば、『ゲキ・ガンガー3』は地球-木連間の戦争の遠因になっていると言えなくもないが、「良いも悪いもリモコン(で操縦する人間)次第」である鉄人28号の例がある様に、「本来は純粋な娯楽作品である『ゲキ・ガンガー3』を戦意高揚の道具として使用する人物およびその行為こそに問題がある」と言うべきであろう。
上記のようなバックボーンのおかげで、『ゲキ・ガンガー』一辺倒に凝り固まった木連軍人の価値基準は容易には揺らがなかった。ところが、物語の最終局面におけるアキトからユリカへの告白において、彼が語ったゲキ・ガンガーへの想いとその先へ踏み出すべきとする発言が若手将校の心を動かす切っ掛けとなり、その後の「熱血クーデター」に繋がることになる。
クーデターの成功後は、『ゲキ・ガンガー』を政治的な扇動に用いてきた草壁が失脚し、また木連に地球の文化が流入することになる。その結果、続編『劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』の頃までには、木連内部における『ゲキ・ガンガー』熱はかなり薄まったようである。
なお、「『ゲキ・ガンガー』の世界では『機動戦艦ナデシコ』のアニメ作品が放映されている」という設定になっている模様。『ナデシコ』本編の第14話「『熱血アニメ』でいこう!」は正月放映にあわせた総集編(通常の放映枠が特番で使えず早朝放映となったため、見逃しても問題がないようにという配慮)になっているのだが、この回は通常のOP(とCM)が終わった後のAパート冒頭で、今度は「『ゲキ・ガンガー』のOP」が始まり、本編も「『ゲキ・ガンガー』の登場人物であるジュンペイが、『機動戦艦ナデシコ』を見ようとしたら総集編であることを嘆く」という設定で物語が始まるという、非常に手の込んだつくりになっている。また、同エピソードでは「キョアック星の王子アカラが『ナデシコ』に出てくるエステバリスのディストーションフィールド・アタックを参考にしてゲキ・ガンガーに攻撃してくる」という筋書きになっているが、これは前掲の通り、『ナデシコ』に登場する木連がゲキ・ガンガーの機体を模倣してジンを作っていることの伏線とも取れる。『ゲキ・ガンガー』のOPはすべて1970年代をイメージした画風・フォントになっている。
『ナデシコ』の作風は「一見明るいオタク的なロボットアニメだが、本質は暗くシビア」というものであり、「勧善懲悪」という分かりやすいテーマを掲げているスーパーロボット作品である『ゲキ・ガンガー3』は、必ずしも肯定的には描かれていない。「過去に死亡した仲間が復活する」「正義が悪を倒す事で、ハッピーエンドで完結する」という内容の最終回はその象徴的な話であり、「ガイや白鳥が死亡し、決して戻ってこない」「木星蜥蜴は絶対悪ではなく、最終的には和平を結ぶ」という『ナデシコ』の話と真っ向から対立する。ただ、全否定もされておらず「あまりに非現実的だが、それに憧れる気持ちは間違っていない」と言う形で肯定されている。
こうした『ゲキ・ガンガー3』の複雑な立ち位置は、最終回を見たアキトの「そりゃあ、ひどい話だった」「ひどい話だったけど、ゾクゾクした。ゲキ・ガンガーを好きだった俺の気持ち、熱血を信じた俺の気持ちを信じたい」という台詞に象徴されている。
ゲキ・ガンガーの各形態・パイロット
各形態
- ゲキ・ガンガー
- ゲッター1に相当する空中戦・汎用形態。
- ウミガンガー
- 海戦・スピード形態。モチーフはゲッター2。
- リクガンガー
- 陸戦・肉弾戦形態。モチーフはゲッター3(通常形態はゲッターポセイドン)。
- ゲキ・ガンガーV
- 海燕ジョー死亡後に登場する新型ゲキ・ガンガー。旧ゲキ・ガンガーよりも大型化し、各部が角ばったデザインになっている。ゲキ・ガンガーの発展型的なフォルムだがウミガンガーやリクガンガーに相当する形態があるかは不明。超熱血クラッカー、ゲキガ・スピンなどコン・バトラーVがモチーフと思わしき武器を持つ。
- ドラゴンガンガー
- ゲキ・ガンガーVの強化形態の一つ。しかし、設定画のみで番組内には登場していなかった。オモイカネデバッグ作業のイメージ空間で実体化したゲキ・ガンガーに対し、アキトはこの機体のイメージで対抗している。
- 「登場予定が打ち切りで中止になった幻のメカ」という点から、モチーフはレイズナーMk-IIと思われる。
各パイロット
括弧内は担当声優並びにその人が演じる『ナデシコ』の登場人物。
- 天空ケン(真殿光昭 / ムネタケ・サダアキ)
- ゲキ・ガンガー3のメインパイロットで熱血リーダー担当。流竜馬がモデル。
- 『BX』では、台詞のみ登場。
- 海燕ジョー(小野健一 / プロスペクター)
- ウミガンガーのメインパイロットで二枚目・クール担当。神隼人がモデル。
- 大地アキラ(飛田展男 / ウリバタケ・セイヤ)
- リクガンガーのメインパイロットで力持ち担当。巴武蔵がモデル。
- 竜崎テツヤ(松本保典 / 秋山源八郎)
- ジョーが死亡した後の交代要員。モデルはいないが、キャラクター的には剣鉄也に近い。名前は竜崎一矢からと思われる。
ゲキ・ガンガーの武装
ガイ機の技名(およびアキト機の技の一部)にはゲキ・ガンガーの武装名が用いられている。基本的に全て、ゲキ・ガンガーのメイン形態であるゲキ・ガンガー3で使用する技である。
なお、元一朗ら木連軍人もジンシリーズの武装を使用する際に下記の技名を叫ぶことがある。
- ゲキガンフレア
- アキト機およびガイ機のエステバリスにおけるディストーションアタックの名称。
- ゲキ・ガンガー3の必殺技で、敵の前線指揮官であるアカラの乗機・ビッグアカラスペシャルにゲキガンソードを破られ、追い詰められたゲキ・ガンガーが発動させた。
- 「3人が同時にボタンを押さなければ、エネルギーが暴走して機体が爆発」という、本機の原型となったロボットの必殺技のオマージュ設定が用いられている。ちなみに被害はゲッターロボ以上。
- ダブルゲキガンフレア
- ガイ機とアキト機によるディストーションアタック同時攻撃。本来はゲキ・ガンガー3最終話でゲキ・ガンガーVと旧ゲキ・ガンガーの使用した合体攻撃。九十九と元一朗の同時重力波砲「ダブルゲキガンファイヤー」がこれと同じモチーフかは不明。
- ゲキガンパンチ
- ガイ機エステバリスのワイヤード・フィスト。本来はロケットパンチそのもので、無論ワイヤーなど存在しない。ジンシリーズ標準装備のロケットパンチ使用時もこの技名が叫ばれる。
- ゲキガンソード
- ガイ機のイミディエットナイフ。本来はゲキガニウム合金製の長剣で、ナイフのような小ぶりな剣ではない。「ゲキガンソード・熱血斬り」などのバリエーション技も存在する。
- なお、アキト的には熱血斬りはフィールドランサーの方であるらしく、原作でもフィールドランサーの初装備の際に「熱血斬り、できるの?」と聞いたりしている。また『W』のガイはフィールドランサーを「スーパーゲキガンソード」等と呼称している。
- ゲキガンビーム
- ガイ機のラピッドライフル。マジンガーZの「光子力ビーム」そのままの技で、目から発射する。ライフルの方は実弾だが、本来は名称通り「ビーム」。一部ではゲキガンライフル表記。台詞としても「ゲキガンライフル」と呼ばれる場合もある。
- ゲキガンシュート
- 詳細不明。原作ではアキトがフィールドランサー使用時に、SRWでは元一朗ら木連軍人が重力波砲(グラビティブラスト)発射の際に叫ぶ。原典ではどのような武装なのだろうか?
SRWでの扱い
基本的に木連の思想形成のバックボーンであるという設定がそのまま流用されている。各種スーパーロボット作品由来のネタについては完全にスルーされている。『ナデシコ』初参戦が報じられた頃は「隠し要素として『ゲキ・ガンガー』のキャラやユニットも登場するのでは?」とファンの間で噂されたこともあったが、流石にそのようなことはなく、『ゲキ・ガンガー3』は現在に至るまで一貫して“劇中劇”として取り扱われている。ただし、BGMは『W』で戦闘BGMとして採用されている。
また、『ゲキ・ガンガー3』のようなスーパーロボットが多く登場している事、フラグによってはガイや白鳥が(まさに『ゲキ・ガンガー3』の作中のように)死なずに済む事、そもそもスパロボで『ナデシコ』のハードな部分があまり描かれない事etc.から、原作における「全肯定も全否定もされない複雑な立ち位置」はあまり再現されない。『W』の決戦に象徴されるように、むしろ全面的に肯定される事が多い。アニメ作品としての評価としては、他作品のキャラクターからも「王道で面白かった」と評価される事が多い。その意味では、『ゲキ・ガンガー3』はスパロボ補正の恩恵にあずかっているとも言えるが、逆に大事な所を再現されないと言う意味では逆補正と言えなくもない。
COMPACTシリーズ
- スーパーロボット大戦IMPACT
- ほぼ原作通りのポジション。本作では「ゲッターなどより本作の方が先発で、アニメで放送されていたものに現実の技術が追いついた」という設定。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦A
- 原作での『ゲキ・ガンガー』のマラソン鑑賞会が再現される。
- 冷やかな反応も多かったが、リリーナ・ドーリアンは「交渉相手方の『聖典』とも呼ばれるものならば」と鑑賞会に率先して参加。しかも、妙にマニアックなところに気付く。
- スーパーロボット大戦R
- 『無敵鋼人ダイターン3』のギャリソン時田が子供の時に再放送を見ていたという年齢設定を活かしたクロスオーバーがある。再放送なのだから、55歳のギャリソンが幼少期に見ていても不思議ではない。
- スーパーロボット大戦J
- アキトに勧められて観たアーサー・カミングスJr.がはまるイベントがある。後半のナデシコルートで観賞会を行った際は「単純明快で面白かった」「今の時代にない物を感じた」とかなりの大好評となり、特にカティア・グリニャールやドモン・カッシュが内容に感動するのが印象的。
- また、同ルートでは兜甲児(と明言していないが恐らくボスも)が昔『ゲキ・ガンガー』にはまっていたことが判明する(ちなみに同年代の紫雲統夜は見ていなかったとのこと)。
- スーパーロボット大戦W
- 『ゲキ・ガンガー』を木星圏に持ち込んだのは『機動戦士ガンダムSEED』のキャプテンG.G.という衝撃のクロスオーバーがなされている。
- なお、彼が木連の人間に渡したのが『ゲキ・ガンガー』だった理由については、後に驚愕の真実が語られることになる。しかも熱血クーデターとキョアック星人そのもの(下手をすると更に上を行く邪悪)であるガルラ大帝国の侵攻がモロに重なったものだから地球と木連がその場でほぼ和解してしまう。
- 本作での『ゲキ・ガンガー』は原作と同等以上にシナリオに絡むキーワードになっており、『ゲキ・ガンガー』に関する要素は一番充実している。『ナデシコ』関係のユニットのBGMは「レッツゴー ゲキ・ガンガー3」が採用されるなど充実している。その代わり、『ナデシコ』系BGMとして定番の「You Get to Burning」が今回は採用されず、『ゲキ・ガンガー』関連の充実した作り込みの割を食う格好となった。
- 他にも終盤で使用可能になるアキトとのダブルゲキガンフレアのカットインで一瞬映るガイの格好(『ナデシコ』本編第17話「それは『遅すぎた再会』」でムネタケの妄想に現れた時の衣装)は、『ゲキ・ガンガー3』の主人公である天空ケンのパイロットスーツを模したもの。
- スーパーロボット大戦BX
- 映画『ソレスタルビーイング』と並んで、勧善懲悪のヒーロー作品として語られている。
- アキトが最終回を見る場面もあるなど、『ナデシコ』の作品としてのシリアスな面が再現されているため扱いは原作に準じている。今回も他作品のキャラクターから面白かったと好意的に評価される場面がある。
VXT三部作
- スーパーロボット大戦V
- 劇場版設定だが、『MX』と違い名前が度々挙がる。今作でも『W』同様にジョージ・グレンが木連に伝えたことが用語辞典で示唆されており、またブラックノワールが自分のゲームにおいて望んだ「ヒーローの役」を生み出すためのアイテムでもあったと語っている。
- ファクトリーの会話イベントでは、ナイン達からガイの人物像を聞かれたアキトが、まずは「『ゲキ・ガンガー3』を全話、観る事から始めよう」と口にしている。
単独作品
- スーパーロボット大戦MX
- 劇場版設定のためほぼ関わらない。ゲッタードラゴンのシャインスパークに興味を抱いたサブロウタが、ゲキ・ガンガーの技に喩えて詳細を訊ねてくる程度。
スパロボに登場するゲキガン用語
- 海燕ジョー
- ウミガンガーのパイロット。『ゲッターロボ』で例えると神隼人に当たるキャラクター。作中で非業の死を遂げる(実は生きている)ため、熱狂的ファンが葬式を実施したというガルマ・ザビやマーグ、ボクシング漫画『あしたのジョー』のライバルキャラクター・力石徹の様な設定が存在する。
- 『ナデシコ』本編において海燕ジョーのファンであるヒカルの台詞でチラッと言及される他、『J』ではガイ生存フラグを満たすとジョーが復活した際の台詞「本物の地獄はこんなものじゃなかったぜ!」(『ゲキ・ガンガー』最終話でジョーが発したとされる台詞)を放って部隊に復帰、アキトがその点を指摘している。
- なお、『ナデシコ』劇中では彼の死亡と復活劇はガイと九十九の死亡シーンと対比させている。
- 国分寺ナナコ
- 本作のヒロイン。ゲッターチームで言うところの早乙女ミチルのポジション。木連の軍人にとっては崇拝の対象としての域に達しているキャラクターであるが、ミナトと知り合い彼女の素晴らしさを知った九十九は元一朗に「ナナコさんは所詮二次元の女性だ!」と言い放つ(『ナデシコ』第24話「どこにでもある『正義』」より)。
- 『A』等でも再現されるこの一言は、元一朗が九十九に引き金を引く決定的な動機となる。『BX』ではスキルアイテムとしてブロマイドが登場。
- キョアック星人
- 本作の敵となる異星人。『ゲッターロボ』で例えると恐竜帝国や百鬼帝国に当たる。幹部であるアカラ王子は変装して地球人の生活を知った結果、彼らが「愛」を持つ事に驚くなど長浜作品のライバル的な要素を持つ。本作はこの異星人から地球を守るという勧善懲悪の王道に乗っ取ったストーリーであり、木連軍人の思想に大きな影響を与えている。『W』ではキョアック星人よりも極悪な異星人としてガルラ大帝国が登場したため、地球と木連の和解に繋がった。
- アクアマリン
- 第33話「聖少女アクアマリンの微笑み」に登場するという設定のゲストキャラクター。異星人の美少女というグレンダイザー系ゲストキャラの設定と、姉に戦いを強要されるコマンダー・アイサーの設定を混ぜて作られていると思われる。本作でも悲劇のヒロインという扱いで、アキトは彼女の大ファン。
- 彼女そっくりのアクア・クリムゾンにアキトが誘惑され大混乱に陥るという展開は『J』や『W』で再現される。
- 劇場版が参戦している『V』ではアクアマリンの名前こそ出ないが、アキトと『勇者特急マイトガイン』の胡蝶とのクロスオーバーで意外な形でピックアップされる。
- 『ゲキ・ガンガー3』全話一挙上映
- 地球と木連の和平の前祝いとしてナデシコ内で開催された「ゲキガン祭(ノリはほとんど同人即売会)」のメインイベントである原作上映会。『A』『R』『J』『BX』で行われた。『A』『R』では生真面目なリリーナも参加している。
- ちなみに原作で上映されていたのは「ゲキ・ガンガー3 特別編集版熱闘篇!」と題した九十九入魂のダイジェスト版である(『J』でもこのダイジェスト版を上映している)。
- 欠番(幻の第○話)
- 木連では地球からの脱出の際に持ち出した全話のうち、第9話「キョアック星からの逃亡者」、第13話「聖夜の悲劇!サタン・クロックM!!」および前出のアクアマリンの登場話である第33話が欠けた状態となってしまっており、地球で現存していることを知った九十九は狂喜した。
- なお、設定資料などで確認できるこれら3話のシナリオは、全て狙ったように敵方であるキョアック星人と地球人の融和や戦いへの疑問を思わせる内容であるため、軍上層部による情報統制の匂いもするが、何分視聴者の憶測に過ぎないため真相は不明。
- 第27話以降とアキト
- 前述したように、同作は第27話以降に放送時間帯が変更された(その際、本作のタイトルは『ゲキ・ガンガー3』から『熱血ロボ ゲキ・ガンガー3』に変更)という設定。アキトはガイに聞かされるまでそれを知らず、第27話以降はガイのコレクションで初めて視聴する事になった(前出のアクアマリンの登場話も放送時間帯変更後の第33話であるため、少なくとも『ナデシコ』第10話「『女らしく』がアブナイ」の時点で『ゲキ・ガンガー』第33話を視聴している事が分かる)。
- ただ、その後も「最終回を見ちゃうと『自分の中のゲキ・ガンガー』も終わっちゃう気がする」という理由から、最終話(第39話)だけは未視聴のままであった。『ナデシコ』終盤、九十九との交流によって初めて最終回を見る決心をし、その視聴が最後のユリカに対する告白の台詞に繋がる。
- その最終回は月面での最終決戦中、メカ怪獣軍団の猛攻によって窮地に立たされたゲキ・ガンガーVの下に、死んだはずの海燕ジョーが何の説明もなくゲキ・ガンガー3に搭乗して駆けつけ、ゲキ・ガンガーVとゲキ・ガンガー3のWゲキガンファイヤーによってキョアック星人を全滅、平和が訪れるといったもの。ガイや九十九、その他多くの人々の死を目の当たりにしてきたアキトは、このご都合主義の展開がどうしても受け入れられず「そりゃあ、もうひどい話だった」と評した。その一方で、本当にそうであったら良かったという願いや憧れから、ゲキ・ガンガー3とゲキ・ガンガーVの両者が並び立って戦い誰も不幸にならない結末を掴み取る様を「ひどい話だったけど……ゾクゾクした」と好意的に受け止めてもいる。
- なお、アキトが見ていたのは再放送版なので、放送時間帯の変更は無関係のはずである。おそらくは、「アキトが視聴した再放送版は何らかの都合で2クールで打ち切りになり、タイトル変更後の3クール目は放送されなかった」と言う所だろうか。現実においても地方局のアニメ再放送等の場合、編成の都合でこのような事態が発生する事はままある。
- ついでに、「初回放送時は不振で打ち切りの憂き目に遭ったものの、再放送が切っ掛けで再評価され人気を博した」という設定は、おそらく『機動戦士ガンダム』や『宇宙戦艦ヤマト』等のアニメ作品が人気を博した背景が元ネタだろう。
- SRWでは、『R』にてギャリソン時田が子供の頃にファンだったという設定に活かされている。
関連項目
- ジンシリーズ
- 基本的にゲキ・ガンガー3をモデルにした造形になっている。パイロットスーツもゲキ・ガンガー3のパイロットの恰好を真似したものになっている。また、九十九など一部のパイロットは、コクピットに愛用のゲキガングッズを置いている。
- ゲッターロボ
- ゲキ・ガンガー3各形態をはじめとして最も分かり易い元ネタ。ただし、ゲッター2およびゲッター3相当の形態が得意とする地形が入れ替わっているなど、ずらした点もある。
脚注
商品情報
以下は本作のOVAを収録した商品