蒼き流星SPTレイズナー

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概要

高橋良輔監督のロボットアニメ作品第4弾。作品終盤、スポンサーの降板という憂き目にあったため打ち切られた非業の作品。しかしストーリーの完成度は高く、その後OVAで補完される。

リアルロボット物としては珍しく宇宙からの侵略者との戦いで、侵攻軍であるグラドス人と地球人との混血児であるアルバトロ・ナル・エイジ・アスカの苦悩と戦いを描いている。2部構成であり、1部は火星から地球への逃亡を主に描き、2部は地球を制圧したグラドス軍とレジスタンスとの戦いが描かれている。1部は当時の米ソ冷戦を描いていたりと現実世界を投影した世界観だが、2部はテコ入れによって当時流行っていた漫画『北斗の拳』を彷彿とさせるような雰囲気となっており、分かり易い悪役として配置された死鬼隊や彼らの駆る個性的なSPT、それらに対抗してヒーローロボットとしての立ち位置を一層強調されたレイズナーなど、スーパー系作品の要素も加味されている。

スパロボでは今のところ、第1部と第2部がきちんと分けて再現されたことは殆ど無く、どちらか片方にもう片方の設定が加えられている(出ているのが第1部のエイジなのに敵にル・カインが居る、逆にエイジは第2部なのにゲイルが出てくる等)。

登場人物(第1部)

スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。

地球

アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ
主人公。地球の危機を伝えに来た地球人とグラドス人のハーフ。主にレイズナーに搭乗。
アンナ・ステファニー
コズミック・カルチャー・クラブ(以下CCC)の参加者。心優しい少女で、皆がエイジに疑いの目を向ける中、最初からエイジを信じ、好意を寄せた。
デビッド・ラザフォード
CCCの参加者。仲間の死を目の当たりにしてエイジに辛く当たるが、やがて打ち解ける。ロアンと比べ行動派。主にベイブルに搭乗。
シモーヌ・ルフラン
CCCの参加者。勝ち気な少女で、エイジに惹かれたがその想いを素直にぶつけることは出来なかった。実は名家の出である。
ロアン・デミトリッヒ
CCCの参加者。デビットと比べ理論派で冷静。主にバルディに搭乗。
アーサー・カミングスJr.
CCCの参加者。最年長者として皆をリードしようと躍起になるが、リーダーの器とはとても言えなかった。
エリザベス・クレブリー
CCCの引率者。火星での数少ない生き残りであるアンナ、デビッドらを救う為エイジと共に火星の脱出を試みる。

グラドス

アーマス・ゲイル
中尉。ジュリアの婚約者でもあるエイジの士官学校の先輩で、エイジにとっては兄のような存在であるが、図らずも対決する事になる。
ゴステロ
大尉。地球人の抹殺を楽しみ、邪魔になれば部下であろうと殺す危険人物。ジュリアに横恋慕した因縁からゲイルとは険悪。
カルラ・エジール
少尉。ゲイルに密かに思いを寄せるゲイルの副官。
アルバトロ・ミル・ジュリア・アスカ
エイジの姉。
ギウラ
ジュリアのお目付け役を務めるグラドス士官。
グレスコ
グラドス軍提督。地球侵攻軍の総司令官。

その他

ケン・アスカ
SRW未登場。エイジとジュリアの父。作中では二人の回想ぐらいにしか出番がない。

登場人物(第2部)

地球

アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ
一人称が「僕」から「俺」になり、白兵戦でも積極的に戦うなど逞しさを身に着ける。
アンナ・ステファニー
第2部ではデビッドとともに反グラドス運動に身を投じており、非力ながらも地球の文化を守ろうとした。エイジとの関係は第1部よりも接近してジュリアと並ぶ第2部のヒロイン。
デビッド・ラザフォード
グラドス軍の本拠があるかつてのニューヨーク付近にてレジスタンスのリーダー格として活動。
シモーヌ・ルフラン
当初はルフラン侯爵家の立場を生かしてグラドスの協力者を装って反グラドス運動に協力していた。
アーサー・カミングスJr.
頼りなさげなのは相変わらずだが、ただ一人、最初から最後までロアンの事を信じていた。
エリザベス・クレブリー
レジスタンスの一員として地球製SPTの開発に従事する。
アルバトロ・ミル・ジュリア・アスカ
クスコの聖女として登場。終盤に重大な役割を果たすことになる。

グラドス

ル・カイン
グレスコの息子。グラドス軍の新たな司令官として手腕を振るう。
ゴステロ
サイボーグ化して復活し、死鬼隊の一人となっていた。
ボーン
死鬼隊の一人。
ゲティ
死鬼隊の一人。
マンジェロ
死鬼隊の一人。
ギウラ
文化矯正隊の指揮官として登場。
カルラ・エジール
第2部後半にクスコの遺跡採掘の指揮を執り、エイジと対決する。
グレスコ
グラドスの地球総督として登場。
ロアン・デミトリッヒ
ル・カインの腹心となり、地球人を裏切ったように思われたが…

登場メカ

スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。

SPT

レイズナー各機はV-MAX発動状態を別機体として区別する場合もある(など)。

レイズナー
グラドス軍の開発した試作機でエイジが奪取して以後、使用する事になる。機体にはグラドス創生の秘密が隠されていた。
強化型レイズナー
第2部でル・カインによってレイズナーが大破した後、地球側が復元した機体にレイズナーのデータを移し変えた。
レイズナーMk-II
本編未登場。変形可能。
ベイブル
エイジがレイズナーとともに持ち出した試作型SPT。近接型でデビッドが搭乗。
バルディ
エイジがレイズナーとともに持ち出した試作型SPT。遠距離支援型でロアンが搭乗。
ドール
第2部で地球側のレジスタンスが開発した地球製のSPT。
ブレイバー
第1部におけるグラドス軍の主力SPT。
ブルグレン
第1部でゴステロが搭乗したSPT。
ドトール
地上戦に秀でたSPT。
ディマージュ
空中戦に秀でたSPT。1・2部を通じてカルラが搭乗。
グライムカイザル
アーマス・ゲイルが搭乗した専用SPT。
ブラッディカイザル
グライムカイザルの同型機。ジュリアが搭乗。
ザカール
ル・カインの専用SPT。終盤にV-MAXを搭載し、エイジのレイズナーを大破に追い込んだ強敵。

MFマルチフォーム

ソロムコ
1・2部を通じて使用されたMF。
ガンステイド
終盤のクスコ遺跡の攻防戦でグラドス軍が使用。
ダルジャン
第2部のゴステロが搭乗。
エルダール
死鬼隊の一人であるボーンが搭乗した専用機。
ダンコフ
死鬼隊の一人であるゲティが搭乗した専用機。
ガッシュラン
死鬼隊の一人であるマンジェロが搭乗した専用機。途中で不完全ながらもV-MAXを搭載する。

TSテラー・ストライカー

ターミネーターポリス
第2部に登場した無人機。
スカルガンナー
第1部に登場した無人機。

艦艇その他

グラドス大型戦艦
グラドス軍新型巨大宇宙空母
グラドス・トライポッド・キャリア

主題歌とBGM

「メロスのように ~LONELY WAY~」
(歌:Airmail from NAGASAKI 作詞:秋元康 作曲:中崎達也 編曲:若草恵)
OP主題歌。戦闘BGMとして使用。
原作OPにおいてはサビの前に間奏を入れ、予告として本編シーン(ほぼ次回予告の焼き直し)を挿入する特徴的な演出がなされる。
「迫り来るものへ」
劇中BGM。SRWでもV-MAX時の戦闘BGMとして使用されている。
64まででは「V-MAX」と表記されていた。

登場作と扱われ方

新スーパーロボット大戦
初登場作品。エイジ達は第1部の姿だが、ル・カイン死鬼隊など第2部のキャラも登場する。
スーパーロボット大戦64
エイジ達は第2部の姿で登場。ムゲ帝国占領下の地球を舞台としてストーリーが始まり、グラドス軍はムゲ配下の地球占領軍という扱いのため、序盤はレイズナー第2部の物語が主要な軸となる。その一方ゲイルやジュリアとの戦闘など、第1部の物語も盛り込まれている。後半にかけてはクスコの聖女・ジュリアとグラドスの刻印が重要な役割を果たす。今の所、唯一レイズナーMk-IIが登場していない。
スーパーロボット大戦GC
作品中盤、ガンドール隊の地球への帰還後から登場。グラドス軍はその時点で地球を侵略している星間連合軍の一員であり、レジスタンス活動から刻印の発動までの第2部の展開が描写される。SPTが味方側では割と貴重なSサイズユニットのため、捕獲や敵機弱体化のために部位破壊を多用する戦法を重視する場合は重宝する。
スーパーロボット大戦XO
GCのリメイク作。序盤の追加サブシナリオで第1部の展開が一部再現されているが、第1部の顔グラフィックは用意されておらず、このシナリオでもエイジ達は第2部の姿である。
スーパーロボット大戦J
シリーズで初となるエイジ達の火星からの脱出劇を含め、第1部から第2部までほぼ全編が描かれている。エイジ達は第1部の姿で登場。(ただし取り扱い説明書内ではグラフィックが製品版と異なり第二部版に似た姿になっていた)尚、本作におけるグラドス軍ル・カイン)は非オリジナル敵の中で最後に戦う敵勢力の1つである。グラドス軍と木連が同盟を結ぶなど『機動戦艦ナデシコ』とのクロスオーバーが多い。

用語

SPT
MFマルチフォーム
TSテラー・ストライカー
V-MAX
コズミック・カルチャー・クラブCCC
グラドス軍
グラドス
グラドス軍の本星。
戦略ゲラン衛星
死鬼隊
レイ
レイズナーに搭載されている音声入力式のコンピュータ。パイロットが乗っていなくても、独自の思考回路によって行動することが出来る。レイズナーが破壊の危機に陥ると、もう1つの人格ともいうべき、第2コンピュータ「フォロン」が覚醒する。
フォロン
ケン・アスカによりグラドス創世の秘密がインプットされた、レイズナーの第2コンピュータ。レイズナーの破壊される確率が99.999%以上になると覚醒し、パイロットの意思を無視して独自の判断で行動する。原作第22話「フォロンとの対決」において、エイジにグラドス創世の秘密を教えた後、自らを封印する。
グラドスの刻印
第1部
原作において、火星でのコズミック・カルチャー・クラブのメンバーとエイジの出会いから、地球に辿り着きグラドスの本格侵攻寸前までのストーリーを指す。話数では第1話~第25話(25話は総集編)が第1部にあたる。
第2部
原作において、第1部終了時から最終話までの展開を指す。話数では第26話~第38話(及び最終話の完全版となるOVA)が該当。第1部終了時から3年が経過しており、その間に地球はグラドスの侵攻に屈し、完全な占領下に置かれている。その中でゲリラ活動に身を投じ、グラドス軍に抵抗するエイジと仲間達の物語が展開される。ル・カイン死鬼隊、クスコの聖女やグラドスの刻印など、スパロボでお馴染みのファクターの多くは第2部からの登場である。

主要スタッフ

制作会社
サンライズ(第3スタジオ)
監督
高橋良輔
キャラクターデザイン
谷口守泰
メカニカルデザイン
大河原邦男
音楽
乾裕樹

商品情報

DVD 蒼き流星SPTレイズナー

テレビシリーズ

DVDボックス

書籍

資料リンク