孫光龍

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孫光龍(そん がんろん)(Son Ganron)

サトー・スズキ、アラン・ハリスなど孫光龍を含めて8つ以上の偽名を持ち、それらの名を使って20世紀初頭などに「バラル」のエージェントとしてグリムズ財団を始めとした全世界の戦争屋の間で暗躍していた。本名は「アクラヴ・アヴォット」。本名を呼んでいい人物はナシム・ガンエデンの巫女のイルイV・Bの二人のみ。ガンエデンにより不老不死に近い身体と、念動力を身につけた。性格は飄々とした紳士で、自分の能力に見合った人物に忠誠を尽くす。白い紳士服の胸のポシェットに白い百合を飾っている

第3次スーパーロボット大戦α第2次スーパーロボット大戦OGでは白いスーツに青いシャツ、黄色のネクタイという出で立ちだが、原点である龍虎王伝奇ではスーツもシャツもネクタイも全て白で統一していて、胸元に百合の花も無い。また、顔立ちも微妙に異なっている。

超機人 龍虎王伝奇

バラル側の超機人と、反乱を起こした「四神の超機人」龍王機虎王機らの抗争に参加。自身が手懐けた「四霊の超機人」「真・龍王機」を駆り、龍虎王に選ばれた稲郷隆馬文麗と合間見える。絶対的な能力を持って隆馬と交えるが、最後は互いの超機人が相討ち同然になる。脱出したところに駆け付けたV・Bとの戦いでは、V.Bに致命傷を与えたデヴォラを殺し、自身はV・Bのチャクラムを顔面に受けた。そして、大地の崩壊と共に一旦は姿を消すが…

第3次スーパーロボット大戦α

龍虎王伝奇二部で自身はほぼ復活していたようだがおそらくその後の飛麗達との戦いから受けた傷を回復するのに年月を費やした為、ナシム・ガンエデンの復活に乗り遅れた。そして自身が目覚めた頃には既にナシムに自分に見合った能力がないと分かると、彼はゼ・バルマリィ帝国(以下、バルマー)に降り、その配下となる。その辺りの背景については説明されてないが、少なからずもう一つのガンエデンであるゲベル・ガンエデンと銀河の災厄「アポカリュプシス」の存在は知っていた模様。そして「真・龍王機」を駆り、過去との邂逅した超機人「龍王機」に選ばれたクスハ・ミズハに興味を持ち、彼女に超機人の宿命として戦いを強制する。そしてバルマー本星に辿り付いた彼は、ゲベル・ガンエデンは既に「ケイサル・エフェス」という存在になっていたこと知り、今度はバルマーを滅亡させるべく様々な陰謀を廻らせる。「αナンバーズ」にSRXの「トロニウム」とアヤ・コバヤシを解放させ、エツィーラ・トーラーと共謀しているように見せかけて、彼女の性格である知識欲を利用してケイサル・エフェスの存在を教えては、逆にその性格を利用してエツィーラを間接的に謀殺する。自分はケイサル・エフェスの僕として忠誠を尽くす。だが、その理念はかつて自身を追い詰めた稲郷隆馬の子孫の弟子たるゼンガー・ゾンボルトレーツェル・ファインシュメッカーに「逃避」と否定され、最期は新たな「四神の超機人」となった「真・龍虎王」とクスハ・ミズハらαナンバーズによって討たれ、その逃避の人生に幕を下ろした。

OGシリーズ

OGシリーズでもガンエデン妖機人、超機人の物語が本格的に扱われるようになり、彼も再び登場。真・龍王機]]から応龍皇と名を改めた相棒と共に鋼龍戦隊の前に立ち塞がる。シナリオでは、何故かハッピーという言葉を度々使う、テレビのリポーターや司会者の真似事をする、倒される際にも笑いながら長々と負け惜しみをするなど、飄々としているというより飄軽な性格であり、加えてキャラクター図鑑には快楽主義者とも書かれており、龍虎王伝奇、第3次αのどちらとも異なる性格となっている(ある意味この人物に通ずる面がある)。また、地球の守護者としての自覚や自負も龍虎王伝奇と比べると極めて希薄になっている。

登場作品と役柄

αシリーズ

第3次スーパーロボット大戦α
プロフィールは上記参照。クスハ以外の主人公でも立ち位置は同じ。念動力により命中率が高いため、攻撃が非常に当たりやすい。彼の場合は前座の立場。精神コマンド脱力を持っているのは彼のやる気の無さを象徴している。

OGシリーズ 

第2次スーパーロボット大戦OG
今回はガンエデンとの戦いの前に登場するが、最終盤に1度しか戦えない。[[
決戦シナリオでは龍虎王伝奇の登場人物で、OGに子孫が登場しているキャラクター達(稲郷、ブランシュタイン、グリムズの一族)の名を口にする。この際にレーツェルとライがブランシュタイン家の名が出たことに驚愕しており、どうやらαシリーズと違いOGシリーズではブランシュタイン家にバラルとの因縁が伝承されていないようだ(マイヤーがそのことを伝える前に死んでしまった、という可能性もある)。

パイロットステータス設定の傾向

精神コマンド

脱力 集中 直感 感応 かく乱 

特殊技能

念動力L8 底力L7 強運 見切り 気力+ (ダメージ)

小隊長能力

「回避率+10%」 経験値+20%」

人間関係

イルイ・ガンエデン
かつては僕だったが、彼女にガンエデンとしての能力がないとわかると、彼のほうから縁を断ち切る。イルイは彼を頼っていたようだが最終的に彼を見限ったことがクスハ編以外の最終話でレーツェルの口から語られている。光龍の本名を呼んでいい数少ない人物の1人。
クスハ・ミズハ
クスハの主人公における巨悪。他の主人公とは違い、決着は最終話まで持ち越しとなる。超機人龍王機」に選ばれた宿命として、彼女に戦いを強制する。
ブルックリン・ラックフィールド
同じく超機人虎王機」に選ばれた宿命として戦う。光龍の興味はクスハに向けられており、ブリットを敢えて入念に傷つけることによって、クスハの怒りを掻き立てサイコドライバーとしての力を発揮させた。
リュウセイ・ダテ
クスハと同じく、念動力者(サイコドライバー)として彼に興味を持ち、その能力を開花すべく行動する。
ゼンガー・ゾンボルト
稲郷隆馬の子孫であるリシュウ・トウゴウの弟子。彼の剣太刀にかつての隆馬を思い起こす。
レーツェル・ファインシュメッカー
ライディース・F・ブランシュタイン
ブランシュタイン家とは長きに渡り因縁を持ち、彼らの存在を敵視する。
クォヴレー・ゴードン
間接的に彼(ディス・アストラナガン)の能力を引き出した。
ハザル・ゴッツォ
バルマーにおける上司であるが、所詮小物以下と見ていた。
エイス・ゴッツォ
ゴレー・ゴレム隊を実質的に彼が指揮していたのを看破しており、彼に同調してついにバルマー本星に導かれる。そこで彼の陰謀劇が始まる。
エツィーラ・トーラー
知識欲に駆られた彼女を利用し、同調する振りしながら利用していた。
リシュウ・トウゴウ
光龍にも因縁深い稲郷家の末裔。第2次OGで遂に対峙する。稲郷家との対決はこれで3度目となる。
稲郷隆馬
超機人龍虎王龍王機)」に選ばれた存在。反旗した龍虎王に戦いを挑む。だが、彼には退屈な存在であったようだ。
文麗
同じく超機人虎龍王虎王機)」に選ばれた存在。反旗した虎龍王に戦いを挑む。
飛麗
隆馬と文麗の孫であるが、彼との因縁は描かれなかった。
V・B
ドイツ人のエージェント。ヨーロッパからの因縁であり、彼女には誰にもない魅力に惚れ込んでいた。彼女は死の直前に自分の本名を語った。その後、アクラヴは彼女の遺体を回収するが…。
デヴォラ
光龍の部下の女性。デヴォラは光龍を愛していたがその報いは得られず、光龍が愛しているV・Bに強い嫉妬を抱くようになる。隙をついてV・Bに致命傷を与えるが、それによって光龍の逆鱗に触れて殺される。光龍曰く、人間は捨てたが女は捨てきれなかった。
クラウス・ブランシュタイン
ライエルザムレーツェル)の先祖。彼と関わる前に雑誌が休刊したので因縁に関しては不明。だがブランシュタイン家では彼との抗争が記録しており、第3次αではレーツェルは光龍の存在を知っていた。だが第2次OGでは逆に全く知らなかった。
ジェイベズ・グリムズ
OG2に登場するアーチボルドの先祖であり、超機人雀武王雀王機)」の搭乗者。超機人を発掘するためにサトー・スズキの偽名で接触し、彼を利用していた。
エドワード・グリムズ
ジェイベズの孫であるが、彼との因縁は描かれなかった。

版権作品の人間関係

ビッグ・ファイア
非公式ではあるが、富士原昌幸氏による同人誌『スーパーロボット大戦嵐-龍王逆襲-』では太古の昔から彼とは深い縁があった。

名台詞

龍虎王伝奇

「な~に言ってんの。キミたちと同じ限りある命さ。もっとも、その限りってところに、だいぶ幅があるけどね」
グリムズ男爵の部下によって機関銃でハチの巣にされながら平然としていた為に「不死身か」と言われ、それへの返しの言葉。不死であることは否定しつつも、人間とは違う存在という点は否定していない。
「僕の本当の名前を口にしていいのはV・Bと『神の子(イルイ)』だけなんだ」
部下のデヴォラに自分の名前を呼ばれて、その返しの言葉。自らの主の巫女であるイルイと同等、或いはそれ以上にV・Bを特別に想っていることが伺えるが、このことがデヴォラの嫉妬心に火を点けてしまうことになる。ちなみに、第2部で部下に「アヴォット」と呼ばれているが全く気にしていない。また、龍王逆襲でイルイに本名を呼ばれているが特に訂正も求めていなかった。もしかしたらガンエデン抜きでイルイを気に入っていたのかもしれない。
「でも僕は、暑苦しい奴が嫌いでね」
稲郷隆馬の口上を聞いての一言。後の龍王逆襲でも口にしており、どうやら相当嫌いなようだ。
「さあて…君たちの限りある命、どこまで保つかな?」
龍鱗機3枚で龍虎王を撃墜し、落下した機体を真・龍王機の爪の先で摘まんでの一言。後に戦闘台詞にも採用される。
「いや…せっかくだが、僕にはもう心に決めた相手がいてね」
「それに、君達ふたりの旅立ちを邪魔するほど野暮じゃないんだ」
隆馬と文麗の仲を茶化しつつ、V・Bへの想いも現れている言葉。ちなみに、ここでの「旅立ち」とは「あの世行き」ということである。この直後に瀕死の龍虎王に龍王雷槍を放つ。
「デヴォラ…僕はね。龍王機以上に大切なものを失ってしまったよ」
V・Bに致命傷を負わせ、撤退を進言したデヴォラへの返答。この直後にデヴォラを手刀の一撃で殺害する。この会話からもV・Bに心底惚れ込んでいたことが分かる。
「ふふ…V・B…君は実にいい女だね……。もう離さないよ…」
デヴォラの殺害直後、気を抜いていた光龍の顔面にV・Bのチャクラムが叩きこまれる。さしもの光龍もこれには動揺していたが、V・Bに声を掛けられると、微笑みを浮かべてこの言葉を贈った。暑苦しいのは嫌いらしいが、本人は中々に情熱的な人物である。

αシリーズ

「フフ…君達が四神の龍王機と虎王機に選ばれた者か…」
「僕の名前は孫光龍」
「ついでだ。君達が最も知りたいであろうことも答えてあげよう」
「こいつは龍王機…。お察しの通り、超機人の一体だ」
「教えてあげるよ、クスハ・ミズハ」
「君の龍王機は『青龍』の超機人…。そして、僕の龍王機は『応龍』の超機人。言わば真の龍王機なんだ」
「そう…。超機人には幾つかのランクがあってね」
「君達の龍王機と虎王機、そして、過去に失われた雀王機、武王機で『四神』の超機人」
「他にも『四凶』や『四罪』なんてのもある。中でも最上位に君臨するのが…」
「この応龍を始めとする『四霊』の超機人なのさ」
第3次αにて、クスハ達の前に姿を見せた時の台詞。龍虎王伝奇でも人物名以外殆ど同じ台詞がある。
「君に良く似た男を真・龍王機は知っていると言っている」
「そして、君もね。もっとも、そちらの場合は女性だったが」
第3次αのクスハルート第10話「龍を喰らうもの」より。初対面したゼンガーとレーツェルに対して、過去の人物を仄めかすような台詞を言い放つ。
「その代償が、今の君達のいる場所だ。これが無限力の仕打ちだよ」
「守るべき人達も守るべき世界も既に過去のもの…。君達のやったことは無意味だったのさ」
熟練度57以上、総ターン数420以下が到達条件である真の最終話「今遥か遠い彼方…」にて。1万2千年の時を超えながらもアカシック・レコードに打ち勝ったαナンバーズに対して、上の台詞を突き付けた。
「レーツェル・ファインシュメッカー…いや、エルザム・V・ブランシュタイン!この僕が弱虫だと…!」
最終決戦に敗れ、レーツェルから厳しい非難を浴びた際の台詞。「弱虫」という言葉に感じ入るものが有るのか、過剰に反応し怒りを露わにする。レーツェルの本名を曝したのは図星を突かれ反論出来ないがゆえの、せめてもの意趣返しか?
「馬鹿め…馬鹿めが!人間の力が神や悪魔にかなうわけがない!」
「αナンバーズ!僕はここで倒れるが、お前たちもここで死ぬ!」
「ケイサル・エフェスの手により、この宇宙は生まれ変わるのだからな!」
余りにも卑小な呪詛の言葉を残し、孫光龍は銀河に散った。

OGシリーズ

「今のうちに修理・補給してきてもいいよ」
「あ、トイレに行ってもチャンネルはそのままでね。はははっ」
第2次OGでのメタ爆発な発言。一体誰に向けて言っているのだろうか…
「良い子はねんねしな、ってね」
応龍豪雷槍を使用する時の台詞。永遠に眠らせる気満々である。元ネタは「日本むかしばなし」のOP。

もう一つの結末~『スーパーロボット大戦嵐-龍王逆襲-』~

第3次αでは最終話であっけない最期を遂げた孫だが、そんな彼にはもう一つの結末が存在する。それが『超機人 龍虎王伝奇』の作者であり光龍と真・龍王機の産みの親である富士原昌幸氏によって描かれた同人誌・『スーパーロボット大戦嵐-龍王逆襲-』である。

同作において光龍が戦いに加わっていた目的は、真・龍王機の力の源である『龍玉』の力を取り戻す事であり、その為にバルマーやケイサル・エフェスに加担していた。αナンバーズと[[ケイサル・エフェスの最終決戦においてイデオンガンの直撃を受けるも生き延び、ついに龍玉の力を完全に取り戻した孫は、地球圏に帰還したαナンバーズの前に現れ、自らの真意を明かし、真・龍王機改め応龍王と共に、αナンバーズに真の最終決戦を挑む。

龍玉の真の力はイデにも匹敵するあまりにも強大な無限力であり、その圧倒的な力でαナンバーズを圧倒するが、αナンバーズの窮地にある人物の導きによって未来世界からロランガロードジロン、そして未来世界のゼンガー・ゾンボルト達が、地球バイストン・ウェルラ・ギアスからはJ9大作ショウマサキバーニィウッソシーブックトビア達、かつてαナンバーズの面々と共に戦った仲間達が次々と駆けつける。

かつてない壮絶な死闘の末、光龍と応龍王は敗北。己の敗北を、自らの運命を受け入れ、その生涯に幕を下ろすのだった。

尚、同作において過去に光龍と真・龍王機から竜玉のエネルギーを奪い去り、未来世界の面々やバイストン・ウェルの面々を現代へと導いて影でαナンバーズを助けたのは、αシリーズの当初の構想において非常に重要な役目を担うはずだった「あの人物」である。

龍王逆襲の台詞

「そんな時君たちはこう思うのさ。『本当の力はこんなもんじゃない、あれさえあれば』ってね」
「龍王逆襲」にてキラに対して。詭弁でしかないのだが、ロボットどころか大抵のバトルものにこの台詞が当てはまってしまう。さらに言えば、言われた当人であるキラは「DESTINY」序盤にて全くこの通りの状況に陥ってしまう。
「僕はね……暑苦しい奴が嫌いなんだよ」
「そんな奴らが群れをなしているのを見るとね、踏みにじってやりたくなるのさ! どんな手を使ってでもね!」
応龍王顕現時に吐露した本音。
(全ての始まりたる者……この世界にまだ未練を残していたとはね)
(いいだろう。今度こそ決着をつけてやるよ)
α外伝・第2次αのメンバー達が駆け付けたのを眺めて、再会の叶わなかった永年の宿敵の姿を見出す。
(困ったな……そんなんじゃないってのに)
(そういう暑苦しいのは、嫌いなんだけどな)
応龍王撃破直後、超機人達の魂からの語りかけを受けて、帽子で隠した目の下に涙を浮かべながら。
「あの日……キミに遅れを取った日から、僕はついにキミに勝てなかった」
「ったく……それならそれで最期までいてくれれば……まあ、いいか」
今は閉ざされた……他の世界の僕は、まだ諦めてないからね
あそこにはキミはもちろん、彼らのほとんどがいない。ねえ、ビッグ・ファイア……」
「龍王逆襲」での散り際の台詞。「αナンバーズのほとんどがいない、(αシリーズの終結時点では)閉ざされた世界」とは、もしや……