ヴァン

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ヴァン
外国語表記 Van
登場作品 ガン×ソード
声優 星野貴紀
初登場SRW スーパーロボット大戦K
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
種族 人間(惑星EI・改造人間
性別
資格 オリジナル7
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ヴァンは『ガン×ソード』の主人公

概要

常にテンガロンハットと黒のタキシードに身を包む流浪の男。長身痩躯で猫背、いつも眠たそうにボーッとしたさえない風貌の持ち主であるが、オリジナル7であるためか身体能力は高く、常に持ち歩いている蛮刀で敵を圧倒している。

また、その蛮刀をV字型に振りかざすことで、オリジナル7の一体であるダン・オブ・サーズデイを呼び寄せる事ができる。

第1話にてウェンディ・ギャレットと出会い、兄ミハエルを捜す彼女と共に改めて旅に出ることになり、ヴァンが探しているカギ爪の男とその一派との戦いへと身を投じていくことになる。

人物

生まれつき天涯孤独の無頼の徒であったが、ヨロイの技術者であったエレナにヨロイ乗りの才能を見いだされダンのテストパイロットを担当、オリジナル7の一人であるガドヴェドの指導を受けた。そしてエレナの優しさに触れた彼は相思相愛となり、結婚式を挙げることになるはずだった。

しかし、式の途中にカギ爪の男によってエレナと共に瀕死の重傷を負う。エレナの望みによってヴァンは改造手術を受け復活したが、その手術後にエレナは死亡した。

それ以来、最愛の女性を(結果的にではあるが)殺害したカギ爪の男を「この手で」殺すためだけに生きる復讐者となる(常にタキシード姿をしているのは、この結婚式に起因している)。その境遇故か、怨敵であるカギ爪の男に遭遇した際には何が何でも殺そうと躍起になり、主人公にあるまじき殺意と憎しみに満ちた笑顔を見せた[1]。また、復讐を否定する言葉と考えを嫌っている。

エレナが死してもなお彼女を愛しており、その愛故に童貞を貫き、ファサリナの誘惑を跳ね除けたりする。逆に他の女性への関心が希薄であり、女性の名前をなかなか覚えられなかったりする。

それ以外にも強烈な味覚音痴故に料理には常に大量の調味料をかけて食べる、変なタイミングで敬語を使う等、独特な個性を持つ。

実は元々生身でヨロイを動かせる電気体質(つまりネオ・オリジナル)だったらしく、更に改造手術を受けたことにより最終局面でオーバーフロウという現象を引き起こした。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦K
初登場作品。童貞発言や調味料の乱用の食事シーンは再現されているが、物語の最後でようやく覚えたはずのカルメンの名前を早々に覚えたり、エルドラメンバーを救援する際に「心意気にうたれた」と発言する等、原作の彼とは違う行動や言動が目立つ。
パイロットとしては機体性能共々優秀であり、序盤で仲間になる割には息切れを起こすことなく最後まで使える。原作イメージ通り、格闘値はトップクラス。ダンもアタックコンボが非常に優秀なので、早々にスキルパーツでアタックコンボを養成してやりたい(ヴァン自身はアタックコンボの習得が遅い上にレベル1止まりである)。パイロット時は顔グラが2回も変わるなど、待遇はかなり良い。「オリジナル笑顔」も「神は裁き」のカットインでしっかり再現されている。
なお今回「ダリウス狩りのヴァン」など、スパロボオリジナルの通り名がついた。

単独作品

スーパーロボット大戦T
声付きで参戦。後述するように彼を演じた星野貴紀氏にとっては念願のスパロボ初参加となる。今回は3話と最序盤からの参戦となる。
「部隊名のヴァン」を名乗る台詞もあるため、部隊名を変更すれば任意の二つ名を名乗らせるお遊びも可能。

パイロットステータス

能力値

技量が高く、格闘値はトップクラスの高さを誇る。反面、回避が低い。

精神コマンド

K
不屈必中直撃熱血気合
T
必中閃き鉄壁加速覚醒

特殊スキル

K
斬り払いYII、オーバーフロウ、カウンター底力L8、インファイトL8、援護攻撃L1、援護防御L1、アタックコンボL1
接近戦向けのスキルを取得しており、終盤に追加されるオーバーフロウによってさらに火力を叩きだせる。なお、彼を象徴する「リベンジ」は残念ながら採用されてないため、持っていない。
T
オーバーフロウ、YII底力L7、気力+(DEF)
第41話で増援として登場時にオーバーフロウが追加される。

エースボーナス

気力170以上で反撃時、与ダメージ1.4倍
T』で採用。反撃時限定だが、竜馬の与ダメージ1.3倍を超える強烈なボーナス。フルカウンターを付けると最大限に活かせる。
但しヴァンは気力限界突破をLv1すら習得していない為、活用するなら「ソルジャーメダリオン」等の気力上限を上げる強化パーツを付けるか、気力限界突破の最大習得は必須。YIIが気力に応じるタイプの技能なので、一挙両得である。
発動条件が「反撃時」なのがポイントであり、敵のフルカウンターで無理やり発動させることも可能。そもそも気力の関係で基本ダメージが高いだけでなく、YIIやオーバーフロウによる与ダメージ上昇(すべて合わさって1.694倍)も加算されてこの状態のヴァンの火力は凄まじい事になる。

人間関係

ウェンディ・ギャレット
旅の仲間。兄を探す目的にヴァンに付いて来る。道中幾度かの衝突もあったが、次第に信頼関係を築いていく事となる。
エレナ
ヴァンが愛した女性で、優秀な科学者でもあった。流浪の身のヴァンに人の温かさを教える。幸せの絶頂期に結婚し、彼の妻になるはずだったが、その夢は命ごと無慈悲にカギ爪の男の凶刃に打ち砕かれてしまう。
死した現在でも最愛の人だが、その死についてはきちんと受け容れており、その事実も含めてヴァンにとっては最も大切な原動力(良い意味でも悪い意味でも)として今も心中に輝き続けている。
カギ爪の男
エレナの仇。ヴァンが彼に抱く憎しみの感情は筆舌に尽くし難い。
カルメン99
旅の仲間。付き合いは長いが、名前を覚えてもらえない。最終話では実はヴァンに惚れていた事が判明する。
ジョシュア・ラングレン
旅の仲間。だが、彼のその性格を心底迷惑がっていて、置いていこうとした事もある上に友人扱いされても否定していた。しかし、次第に彼のことを信頼するようになったらしく、最終話での別れのシーンでヴァンが見せた態度は間違いなく友人のそれであった。
エルドラメンバー
旅の仲間で、苦手だが認めている。自称「ヴァンの師匠」である。
プリシラ
旅の仲間で、優秀なヨロイ乗りだったためか、珍しくすぐ名前を覚える。彼女自身はヴァンに恋心を抱いている。
レイ・ラングレン
『カギ爪の男を殺す』という同じ目的を持つ人物。だが、相容れずに互いに衝突する。
ガドヴェド・ガオード
古い知人であり、信頼していた男だったが、目指すものの違いから敵対する。流石に事の元凶が彼と知った時のショックは大きかった模様。
ファサリナ
ヴァン曰く「掴みどころが無くて胸糞が悪い」「カギ爪と戦っているようだ」との事。また、彼女がカギ爪の男の狂信者である事を見破った他、彼女から貞操を狙われるが見事に拒絶した(後述)。

他作品との人間関係

スーパー系

猿渡ゴオ
K』ではヴァンの復讐に理解を示しつつも、その復讐心を諌めようとする。
藤村静流
『K』では珍しく女性でありながら彼女の名前をいち早く覚える。プリシラ同様優秀なロボット乗りだったため。あるいは静流の名前を覚えてなくて「私を誰だと思っているの?」と怒られたのだろう。もちろん周囲に突っ込まれた。
ローサ・ベルニコフ
『K』では序盤から度々彼女に素行を諌められる。それでも名前を覚えた描写はない。
ディック・アルカイン
『K』ではさほど絡むわけではないが、ヴァンを「ミスター・ガンソード」と呼ぶ。ヴァン本人も「ガンソードのヴァンか…」とこの呼び名に満更でも無い模様。ちなみにガンソードのヴァンは漫画版の設定で、この作品では漫画版の呼び名が幾つか使われる。
サコン・シロウ
『K』では彼を「メガネ」呼ばわりしているが、科学者として信頼している様子を見せる。
ミラ・アッカーマン
『K』では彼女のリハビリを手伝った。
マックス・ジュニア
『K』では彼の暴走を「俺だって似たようなもの」と唯一肯定したが、寝床(ダンナーベース)を破壊されたので容赦なく敵対。
剣鉄也
T』では鉄也がINFINITY設定で既婚者であるため、何かと気を遣っている。当たり前にある夫婦と生まれてくるであろう子供を素直に祝福し、幸福を祈る。

ガンダムシリーズ

シン・アスカ
『K』では過去の自分を省みてヴァンの復讐心を良く理解していた。
ドモン・カッシュ
『T』で共演。彼もまた身内の復讐へ燃えた男である。そして愛する者がいる同志。ドモンからは復讐を肯定され、ヴァンもまた愛を貫き通すドモンに尊敬を抱いている。ただしヴァンのマイペース振りにはドモンも度々困惑気味だった。

リアル系

皆城総士
『K』の中盤では自由奔放に戦っていることを彼に毒づかれてしまう(ヴァンがその場にいない時ではあるが)。
遠見真矢
彼女の本質を見抜く能力故に、『K』では苦手意識を持っていた。
ゲオルグ
『K』では彼と対決した際に打倒ラ・カンに燃える彼に好感を抱くが、ちょっと変な意味に受け取られてしまい、微妙に逆ギレしてしまう。
カシマル・バーレ
『K』では二度にわたって彼のオーバースキル攻撃を打ち破って見せた。
テンカワ・アキト
『T』にて共演する自身と同じ復讐鬼。ヴァンとは「黒衣を身に纏っている」「敵の手により愛する人と引き離された」「改造人間」「味覚がおかしい」[2]など、多くの共通点を持つ。ヴァン自身もそれを自覚した言動を見せる。
ホシノ・ルリ
『T』にて共演。復讐鬼となってしまったアキトをわかってあげられる人として度々気にかけられる。ヴァンは例によって最初は名前を覚えず「妖精艦長さん」と呼んでいたが、ユリカを奪った相手に対する憎悪を抑えているルリをいつしか名前で呼ぶようになった。
キリコ・キュービィー
ヴァン本人より無愛想すぎる彼を最初は「可愛くない奴」と苦言を評したが、愛する女を守る為に戦う彼の姿を見て考え直している。
ラダァ・ニーバ
『T』にてフィアナを連れ去った彼に対し、激しい怒りをあらわにしていた。もっともフィアナは死んでいないため、「今回は半殺しで済ませてやる」と言っていたが、もし死なせていたならば…その後の展開は想像するに難くはないだろう。

バンプレストオリジナル

ミスト・レックス
ヴァンの復讐を「ただの復讐じゃない」と解釈をしているが、ヴァンはそんな彼の言葉に度々呆れ返っている。また、彼に復讐心の空しさを説かれる場面もあるが、その際には彼に対して大いに激怒している(後述)。
サイゾウ・トキトウサギリ・サクライ
上の何やら宣っているミストとは違って「復讐が虚しいかどうかは本人が決めることだから口出ししない方がいい」と冷静な対応を取り、場面ごとに全力でサポートする。

名(迷)台詞

「すいません…」
度々言う謝罪の言葉。いつも妙なタイミングで言うのがお約束。
「うまーい!」
「からーい!」
「あまーい!」
「好きだー!」
調味料をありったけにかけた料理を食べた際の反応。大抵叫んでいる。
「俺は童貞だ!」
第1話、ウェンディがお嫁さんになると言って断る為に言った台詞で、ヴァンを象徴する発言。ここまで言っといて、ウェンディが「私だって…」と言いかけると「言うな、はしたない!」と止める。
放送当時、視聴者の度肝を抜き、同時にヴァンのファンを生み出した正に名言であった。この台詞によってヴァンはファンの間で「童帝」という異名を得る。
CERO的に流石にマズすぎた為かボイスが付いたTでも残念ながら(?)DVEとはならなかったが…。
「あのなぁ…そういうもんじゃないんだ。お嫁さんってのは…幸せで、幸せで、幸せの絶頂の時になるもんなんだ」
上記の続き。ウェンディを諭そうと話した、お嫁さんについてのヴァンなりの考え。
「自分を曲げたお前に、もう二度とラッキーはやらない!」
第1話の敵ラッキー・ザ・ルーレットに発した台詞。ラッキーは「相手には正面から向き合う」というポリシーの元、持ち前の運で困難を切り抜けてきた男だが、背後からヴァンを銃撃してしまった彼はそれを自ら破ってしまった。この後、その行動に激怒したヴァンはウェンディの村を襲撃したラッキーを妨害し、蛮刀を用い愛機を召喚する――。このシーン以降は視聴者が抱いていた印象を180度ひっくり返す、衝撃の展開の連続だった。
『T』では「ラッキーはやらない!」の部分のみをダン召喚時のアニメーションにて発言する。
「チェーストォォォッ!」
ヴァンが戦闘中に良く叫ぶセリフだが、別に示現流を習得しているわけではない。劇中ではこれ以外に「ちぇぇぇあ!」「チェェェスッ!」「チェス」などのパターンがある。
「…いいな、それ。よし…!今日から俺は『夜明けのヴァン』だ!」
第1話ラスト、上ってくる朝日を見たウェンディの「今日のは特別。あなたが連れてきたんだわ」の言葉を受けて閃いた通り名。本編では2番目に名乗った通り名である(1番目は「ただのヴァン」)。気に入ったようで、次の回だけでなく第13話でも再び名乗っている。
「いいや、お前はもう流されない!」
「流れぬ夢を見ろ。鉄の墓標の下で」
第2話の敵「バロン・メイヤー」の駆るメタルグルー(共にSRW未登場)に止めを刺し、「我らの夢が流れてしまう」とうろたえるバロンに対しての〆の台詞。キザな言い回しと共にメタルグルーはその名の如く鉄の膠を纏った墓標と化した。
「へっ、まったく…変なジジイ共だ。な?」
第3話。ブッチの駆るバッドローズ(SRW未登場)に苦戦しながらも「皆の思い出を守る」ために戦うネロ達を見て、ピンクアミーゴに向かって呟いた台詞。この後ダンを呼び出し、格納庫に残っていたピンクアミーゴをエルドラIVに向かって投げつけてエルドラVへと合体させた。この行動や決着時の表情や様子から察するになんだかんだでネロ達のことを気に入ったらしい。『K』でもこの台詞があるが、携帯機スパロボでは表情や様子を出すのが難しかったためか、この後、ヴァン自らネロ達を気に入ったと発言した。[3]
「いや…それ、ヨロイじゃないだろ」
第6話、ダンを奪うため自身を狙いに来たバカップル、クラットとバニーの自称ヨロイ「ラブデラックス」(ハングライダーと分離する改造オープンカー)を見ての一言。
「おい、てめえの女を危険に巻き込むな、守ってやれ」
同話、しつこく自身を追うクラットに対しての説教。エレナを失った身であるためか、恋人持ちに対しては優しい面を持つ。
「いや…だからヨロイじゃないってそういうの…」
同話、あわや粛正されそうになったクラットとバニーを渋々ながら助けに現れ、街のマフィアであるトニー・モンタナの乗るヨロイ「トニー3000」(案の定、改造オープンカー)を見ての一言。拍子抜けして帽子の向きを元に戻した上、BGMの調子まで狂ってしまった。とりあえず、EIにおけるヨロイの定義はかなり曖昧な様子。
「お前らの理屈はわかった。だから今度は俺の理屈を聞かせてやる!俺はお前を叩きのめし、カギ爪の男の居場所を聞き出し、地獄の底まで追いかける!」
「お前らの都合なんざ知るかぁ!そうしないと俺が、この俺の気が済まないんだ!あぁそうさ!これが俺の欲望だ!俺の未来だ!俺が俺の勝手にして、何が悪い!?」
第7話、カギ爪の男の大義を名分に復讐に生きる事を糾弾してきたジョー・ラッツに対して。台詞からも分かるとおり、この時のヴァンは「復讐=生き続ける理由」となっている。
「…ヴァン・ザ・ナイスガイだ」
第8話。ジョシュアと出会った際の自己紹介。気に入ったのか、6話でクラットから貰った「いい人ヴァン」を英訳している。
「やれやれ…やっぱり楽して儲けられる話ってのは無いもんだな!」
第10話アイキャッチ直前の台詞。この場面の前までやる気の無さそうな素振りを見せていたが、口でこう言いつつも待ってましたと言わんばかりの不敵な笑みを浮かべている。
「…いた! 見つけた! アヒャヒャッヒャッハァ…!!」
第13話。カギ爪の男の姿を見て、主人公とは思えない狂気に満ちた笑顔と笑い声を挙げる。
「ガドヴェド、俺はさあ…あんたが好きだったよ。てめえの掟を頑固に守るあんたが。今でもそうだ。だから、あんたが邪魔なら、力づくで押し通る!」
同話。ガドヴェド戦で圧倒されうろたえるヴァン。そこで偶然、仇であるカギ爪の男を目撃し、あの殺意に満ちた笑顔とともに自分を取り戻す。
「いつか、同じ夢の話をしよう」
ガドヴェド戦直後のヴァンの台詞。避けられない決闘だったとはいえ、無頼の彼が例外的に信頼したガドヴェドが相手だっただけに、哀愁に満ちた言葉である。
「…よし、今日から俺は『夜明けのヴァン』だ」
同話ラスト。再び旅に同行する決意をしたウェンディと共に朝日を見て最初の呼び名に戻すことにした。以降、自称する時はこの通り名をたびたび使用している。物語の転換点となるエピソードという事もあり前半の〆に相応しい爽やかな場面。
「素晴らしい事じゃないか! このまま置いていこう」
第14話。怪我で入院したジョシュアの治療に、時間が掛かると聞いた時の台詞。非常に良い笑顔で爽やかに言ってのけた。
「俺はあいつを守れなかった。やっと見つけた一番…大切な…」
「俺は何もできない! 生きてるだけだ! ダンに乗るために改造までして! でも駄目だ! 逃げ回るだけだ! それしかないだろう! でもそれの何が悪い!? 生きてるだけで何が悪い!? これ以上俺に何をしろっていうんだ! 俺に!!」
第16話、ウーに敗れ、死の恐怖を覚えてしまったヴァンは先を急ごうとするが、逃げたい本心をウェンディに見抜かれ、そこで初めて弱音を吐く。柄にもなく取り乱してしまったため、ウーに勝った後に口止め料としてパズルを譲っている。
「エレナ、俺は死にたくないらしい。ウェンディにも言われたよ。俺は…逃げる。仇討ちはおしまいだ。おまえとも…あぁ、でも、今の俺はお前が手伝ってくれたおかげなんだよな。お前はもう俺の中にしかいない、俺といっしょに…いっしょ…なら…」
(いじっていたパズルが解け、夜が明ける)
「あああぁぁぁぁぁぁ!!! ああぁぁ!! だぁぁっ!! わぁぁぁぁっ!! ああぁっ! くそぉっ!!! エレナァァァっ!!! 愛してるッ!! おまえに夢中だ!! エレナアアァァァァァァァアアア!!!!」
同話、ウーに惨敗した後、恐怖と苦悩を経て、夜明けと共に覚醒したヴァンは想い人に高らかに愛の告白を叫ぶ。そして彼らの言う「ヨロイと人の心の合体」の境地へと到達した瞬間でもあった。以後、ダンを起動する際に電磁シールドが発生するようになる。
「斬りたきゃ斬れ! 殺したきゃ殺せ! だがな……お前には無理だ!誰にもできない……俺とエレナを離すことだけは!」
同話。新たな境地へと至ったヴァンは、ウーとの再戦で堂々と啖呵を切り、圧倒する。
「これだぁぁぁっ!!わかったぁ!操ろうと思い過ぎちゃいけない!プリシラのあれみたいなもんだ!考えるなってそういうことか、ガドウェド!俺はダンだ!そうか、そういうことか!」
上記の直後、電磁シールドを会得した際に。まさに「ヨロイと人の心の合体」を体現した瞬間である。
「いや…その…なんだ…前から言おうと思ってたんだが…」
「俺…亀苦手なんだ…」
同話ラスト。ウェンディカメオに言った台詞。それまでにも苦手そうな描写はあったが、全26話中16話目にて初めて打ち明けたという所がポイント。ウェンディに心を許した証でもある。
「本当にそう思うのなら、最後のケリは自分でつけるんだな」
「おまえは幸せだ。お前の女は生きてるんだからな」
第17話にて、夫婦喧嘩のおかげで水着王国まで作ったキャサリン・ナカタの事を悔やむマンソンに対して。ヴァンなりの気遣いと羨望が見て取れる。
「悪いな、俺童貞なんだ。てめえに俺の純潔は渡せねえな!」
第21話、戦いながら誘惑してきたファサリナに対しての台詞。男らしい。多分童貞が美女に言ってみたいセリフのベスト3には入る。
『T』でも対ファサリナの特殊台詞として前後に分けて採用されている。
「残念だが約束したんだ、ウェンディとな。ぶん殴るってぇよ!!」
「だいたいてめえがさらわれるから、俺はこんなとこまで来るはめになったんだ! さっさとウェンディのとこへ帰れ!」
「あいつが勝手に来たんだよ! それに! いつまでもガキ扱いして甘やかすのもいい加減にしろ! 妹離れができないお兄ちゃん!」
第23話、宇宙空間においてのミハエルとの戦闘にて繰り広げた論戦の一部…というか口喧嘩の領域。ちなみに谷口監督が携わった作品ではこういう口喧嘩シーンが頻繁に入る。
「エレナは死んだ!お前が殺したんだ!俺からエレナの死まで奪う気か!死んだ奴はな、絶対に生き返らねぇんだ!俺はそんな与太話を聞きにきたんじゃねえ! 俺は、お前を、ぶっ殺しに来たんだ!」
「俺の話を聞けぇ!エレナの仇ぃいいいいっ!!」
第26話(最終回)にて、死んだ恋人を生き返らせるというカギ爪に対して発した台詞。カギ爪からすれば別に不思議でない理屈を理解できないヴァンの発言に、カギ爪はヴァンを「バカ」と認識した。しかしその「馬鹿さ」故に無意識に「カギ爪の目的=エレナの死やそれに始まる自分の道の否定」という真理を突いている様子が窺える。
(走馬灯を見ながら)
「これ…ヤバイだろ、ヤバイって…コレ」
(ウェンディの姿が浮かび上がる)
「あ、コイツ…覚えてるかな、ちゃんと…お嫁さんってのは…幸せで…幸せで…幸せの絶頂の時に…!!」
(脳裏にエレナが浮かび上がる)
「エレナァァァーッ!!」
オーバーフロウ覚醒時の叫び。ヴァンは成長するたびにエレナの名前を叫んでいる。この時ヴァンとヨロイ、そして展開がピークに達した。
「決まってるだろう!! それは、お前が俺を怒らせたからだ!!」
直後、カギ爪の男から「なんでこんなことをするのか」と言われた際の返しの叫び。どことなく『ジョジョの奇妙な冒険』第3部の主人公、空条承太郎の台詞を彷彿とさせる。
そして「その台詞」を示すかのように、カギ爪の男の計画は完全に瓦解するのであった。
「チェェェェェェストォォォォォッ!!」
同話、エルドラソウルの援護を受けてバースデイを一刀両断した絶叫。この後、内部に乗り込んでカギ爪の男を真っ二つにした。上半身のずれ落ちるカギ爪の亡骸には目もくれず、ヴァンは切り捨てると同時に踵を返してその場を去る。復讐は、あまりにもあっさりと終わりを告げた……。
「ああ、ありがとな。カルメン」
同じく、カルメン99と別れる際に。ヴァンが初めてカルメンの名前を口にした瞬間だった。
「お前…背、伸びたか?」
同話、ウェンディに対して。上の台詞と合わせてエレナしか見ていなかったわけでもないようだ。
「すみません、何か食い物とミルクを…」
最終回エピローグ、数年後に偶然ウェンディと再会したときの台詞。ここからエンディングロールが流れる。
『K』ではエンディングにてミロード村を訪れた際に発した。

スパロボシリーズの名(迷)台詞

特殊戦闘台詞 

「あ、アイツは…!」
「カメは苦手なんだが…!!」
ガイキングに登場するドメガとの戦闘時に発する台詞。魔獣とはいえやっぱり亀は苦手のご様子。
「こんにちは!『カウボーイのヴァン』です!」
『T』でのならず者相手の戦闘台詞。まさかの『カウボーイビバップ』とのクロスオーバーであり、更にドヤ顔で自己紹介口調である。
ならず者の方にも、「あいつが『無職のヴァン』か!」という戦闘台詞が存在するため、EP時にならず者の攻撃→ヴァンの反撃で繋がるとプレイヤーに笑いが起こることに…。
「すみません。どちら様でしょうか?」
『T』での正体不明の敵との戦闘台詞。戦闘中に挨拶する辺り何ともズレている。
「アキトには悪いが、こいつは俺が殺る!」
『T』での対北辰の特殊台詞。奪い続けることで悦に浸る北辰に退くことなく蛮刀を向ける。

携帯機シリーズ 

「理屈は知らんがどこにいようと、俺が呼べばダンは飛んで来るんだ…」
『K』第12話「蠢く翳・前編」より。もう一つの地球はおろかダリウス界でも平然とダン・オブ・サーズデイを呼び出していたことについて問われて。ダンはどこにでも来る、その移動先がどこだろうと飛影の様にどこでも行けるらしい。
「見りゃ分かんだろ」
「しつこいって。いるっつってんだろ」
「ええい!さっきから何だ、てめえは! 同化したいんじゃないのか!?」
『K』第15話「前編 悲しみの飛翔・前編」におけるフェストゥムとの戦闘前会話。フェストゥムの三度にも及ぶ「『あなたはそこにいますか?』」という呼びかけに対して。本来フェストゥムの問いかけに反応してしまうと同化の恐れがあるため非常に危険なのだが、ヴァンは全く意に介さない。理屈は不明だが、「バカ」もしくは改造人間には通じないのだろうか。『蒼穹のファフナー メモリアルブック』でスタッフの一人が同じ発言をしているが、これによるとバカ(≒ごちゃごちゃと考えない人間)には通じない、というのはあながち間違いでもない模様。これを参考にしたのか、偶然かは不明だが。
「あんたの生き方に文句をつけるつもりはない…。俺だって似たようなもんだしな」
「だがよ…。だからってねぐらをぶっ壊されて黙っているほど俺は大人じゃないんだよ!」
『K』第16話「激闘!ダンナーベース」より、マックスとの戦闘前会話。
「打倒ラ・カンに燃える執念深いオヤジか…敵ながら、あんたにはシンパシーを感じるぜ!」
『K』第23話「結成!ディガルド討伐軍」におけるゲオルグとの戦闘前会話にて。ヴァンもカギ爪の男への復讐に燃える男だからだろうが、当のゲオルグからは「男同士で気持ちの悪い事を言うな」と返され、ヴァンも「俺まで気持ち悪くなってきた」などとのたまい、色々と台無しになる。
「あのファフナーの女、苦手だ…」
『K』第24話「オーバーデビルクライシス・前編」より。遠見真矢は自分の心に思ってることに気付くので苦手なのだろう。
「俺にも何か苦手なものがあったはずだが、今の俺にはそんな物関係ねえ!」
「俺の心の中は、エレナでいっぱいに満たされてるんだ!!」
「エレナ!エレナ!エレナーッ!!」
『K』第26話アークエンジェルルート「絶望の中で掴んだ光」より。ヴァン復活の後、リオンネッターオーバースキルを使ったカシマルへのセリフ。これでオーバースキルを破った。
「てめえが言うんじゃねえっ!」
『K』第27話アークエンジェルルート「幸せへのカウントダウン」より。「復讐心は悲しみの連鎖を生むだけですよ」と自身に説教するミストに対して激怒して発した台詞。確かに、(ミスト自身復讐はよくないこととわかっているとはいえ)イディクスを相手にして幾度となく復讐心を暴発させて一人突撃しては勝手にピンチになって味方に散々迷惑をかけているミストに復讐の虚しさを説かれたら、激怒してしまうのも頷ける話である。しかもこの場面以前にミストはヴァンに対して「ヴァンさんの復讐はただの復讐だと思っていませんから(ヴァンの復讐を)邪魔するつもりはありません」とヴァンの復讐を肯定する発言をしており、ミストのヴァンに対する説教の説得力の無さが一層引き立っている(加えて、彼は後にカギ爪の男を討ち果たし復讐を成就したヴァンに対して真っ先にヴァンの復讐の成就を祝福するような発言をしている)。
「てめえが何者かは知らねえが、陰険なやり方が気に入らねえ!」
『K』第35話「Another Sphere」でのダイモンとの戦闘前会話。ヴァンの言うとおり、確かにダイモンはかなり陰険である。しかしダイモンはそんなヴァンに対して「ネズミの中のネズミ」と容赦なく嘲笑する。
「…俺の戦いは終わった。お前と戦う義理はねえ…だがな、あの星がなくなったら、俺の住む所がなくなっちまう。そいつはちょっと都合が悪い…」
「あいにく俺はまだ死にたくないんでね。だからてめえを倒して、あの星を守る事にした!」
『K』最終話「心からの…」にて、ル=コボルとの最終決戦における戦闘前会話。

単独作品 

「おかわりを! おかわりをくれぇぇぇぇぇぇっ!!」
『T』ボーナスシナリオ「楽園グルメ紀行」エンドデモより、ホイ・コウ・ロウにより料理として成立するギリギリのバランスを保ちながらヴァンの口に合うように濃い味付けをされたユーリンチーを食して。あまりの美味さなのか、オリジナル笑顔になっている。
「馬鹿か、お前は?」
「そいつは、お前のタキシードだろ? 花嫁を迎えに行くための」
「お前もお嫁さんもお互いに生きてんだ。行けよ」
『T』46話 闘志、氷原に燃ゆる。ユリカを遂に取り戻したアキトは彼女に何も告げずに去ろうとする。その背中を全てを奪われた男の言葉が繋ぎ留めた。原作を知っていると、このセリフで涙腺を刺激されないユーザーはいないだろう……

搭乗機体

ダン・オブ・サーズデイ

余談

  • 漫画版のヴァンは人間の三大要求の塊という設定。『K』でこの漫画版の呼び名が使用されたが、本人に漫画版の設定は無い。
    • また、DVD映像特典の『ガン×ソードさん』では無職扱いだったり、作中3回も殺されたり、チンピラ扱いだったりととても本編の主人公とは思えない扱いを受けている(最も『ガン×ソードさん』自体がそのような扱いのキャラばかりなのだが)。
  • ヴァン役の星野貴紀氏はヴァン同様長身(190センチ)かつ痩躯の体格で、イベントに参加する際にヴァンのコスプレで(蛮刀は自分で製作)登場、『ヴァンがいる』とファンやスタッフ関係者に大絶賛された。
  • 星野氏は『K』発売後にスパロボラジオにゲスト出演しているが、ボイスのない作品のため戦闘キャラを演じながら収録に参加していないという異例の形での登場となった。本人によれば、「収録できなかったことは非常に残念だった」とのこと。しかし『T』で声つき初参戦することになり、Twitterでは「俺はスパロボのヴァンだ」と喜びを爆発させた。

脚注

  1. その際、仇に披露した笑顔はファンの間で「オリジナル笑顔」と呼称されている
  2. もっとも味覚に関しては、アキトの場合後天性であるという違いがある。アキトは元料理人であることもあってかヴァンの食事には苦言を呈している。
  3. 言うまでもなく、多くのユーザーから改悪扱いされている。

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