「スーパーロボット大戦NEO」の版間の差分

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2012年7月21日 (土) 00:55時点における版

  • 発売日:2009年10月29日
  • 機種:Wii
  • 開発:さざなみ
  • 販売:バンダイナムコゲームス
  • 定価:8,379円(税込)
  • CERO区分:A(全年齢対象)

概要

Wii初のスパロボ。
戦闘グラフィックはXO以来となる、3Dポリゴンを採用している。パイロットカットインXOと同様に2Dが用いられている。また、ゲームシステム自体も過去のスパロボから大きく変更された独自のものになっている。
開発の有限会社さざなみには、サンライズ英雄譚を手掛けたスタッフが多く在籍しており、母艦システムや対空属性など同ゲームからの影響が顕著である。サンライズ英雄譚+従来のスパロボ/2=本作と言うところ。

主題歌は美郷あきが担当。(CMソング限定などではない)ゲーム中に使用される主題歌に「JAM Project」以外の歌手が起用されるのは本作が初めてである。 90年代のアニメを思わせる曲に仕上がっており、本作の参戦作品の毛色にマッチしていることもあってか評価は高いようである。

主要新システム

  • マップシステム面
    • マップやマップ上のユニットも3Dとなった。建物はマップ上でも物理判定を持った遮蔽物として扱われ、ユニットの移動や攻撃に影響を与える。
    • マップにマス目の概念が無くなり360度の任意の角度を取って移動するシステムを採用。スパロボシリーズにおいて過去に同様のユニット移動制を採用した作品にはRTS(リアル・タイム・ストラテジー)であるScramble Commanderシリーズなどがあるが所謂ターン制のスパロボにおいては本作が初となる。
    • マップ仕様・移動システムの仕様変更に関係して同じ数値の射程・移動力でもユニットのサイズ差が移動・攻撃範囲に大きく影響するようになった。
    • ユニットの武器属性に射線の概念を導入。通常属性の武器では建物など遮蔽物を越えての攻撃が出来なくなり「曲射」と呼ばれる属性を持つ武器で遮蔽物を飛び越えて攻撃できる。
  • 戦闘システム面
    • 新システム「包囲システム」が登場。Zであった「プレースメント補正」を昇華したもので攻撃対象ユニット周囲の四分割された「被包囲エリア内」に味方ユニットを配置する事で攻撃を行うユニットの攻撃力・命中率に補正がかかる。当然敵軍にも適用されるので突出すると包囲効果により思わぬ危険を招きかねない。
    • 新システム「押し出しシステム」が登場。「押出」属性を持った武器で攻撃した対象ユニットをノックバックさせることが可能。その際、障害物にぶつける・高所から落とすなどにより更なるダメージを与えられる。また相手の使用武器の射程外に押し出せれば、当然反撃を受けないで済む。「押出」はレベル制(最大L3)で高レベルほどノックバック距離が伸びる。ただし押し出し武器に援護攻撃することはできないし、押し出し武器を援護防御することもできない。
    • 武器属性に「突破攻撃」が登場。過去作品にいくつか見られた移動型のマップ兵器をシステム化したもの。今作のマップ兵器もそうなのだが対象は敵のみで味方ユニットにはダメージを与えない。
    • 武器属性の大幅な変更。ビームや実弾の区分、サイズ差補正無視やバリア貫通などがない代わりに「ファイア」「対空」「ロックオン」など独自の武器特性が設定されている。
    • 全機体が援護攻撃援護防御可能。ただし、それぞれ1ターン1回ずつの制限がある。また、今作では「自分の近くにいる機体」だけでなく「敵の近くにいる機体」も援護攻撃に参加できる。
    • 今作ではステージ初めの出撃ユニット選択という概念がない。ステージの最初に強制出撃機体がマップ上に登場するが、その他の機体は全て母艦に乗船している。そして、ステージ中に好きなユニットを任意のタイミングで母艦から自由に発進させることができる。ただし、1つのマップに登場可能な自軍ユニット数は12体である。すでにマップ上に登場しているユニットを母艦に戻せば登場枠が1つ空くので、母艦内に乗船している任意の機体をマップに1つ発進させることができる。この「ユニット入れ替え」が今作では攻略の肝になる。
    • 合体可能なユニットが合体すると、登場枠に空きができるため新たにマップにユニットを発進させることができる。このシステムにより、今作では合体するとステージ終了まで分離ができなくなった
    • 敵ユニットの詳細な能力を見ることができず(「偵察」の精神コマンドもない)、実際に戦って敵の能力を覚えるようなゲーム性になっている。
  • ユニット・パイロット面
    • パイロットのパラメーターは簡略化され、「命中」・「回避」・「攻撃」・「防御」の4種類しか存在しない。数値基準は大幅に改訂され、今までのように100~300の範囲内ではなく、10~30程度の範囲におさまっている(つまり、数値基準が今までの10分の1となっている)
    • ユニットのパラメータも簡略化された。パイロットと同じく「命中」・「回避」・「攻撃」・「防御」の4種類が用意され、数値基準も10~30程度の範囲内である。ユニットとパイロットのそれぞれのパラメータを合計すると戦闘の使用される基準数値になる。地形適正の概念もなく、飛行・地上・両方の3種類しかない。
    • 精神コマンドの仕様が大きく変更。レベル制(最大L3まで)となりレベル上昇によって効果が変化する(例:熱血は消費SPが増える代わりに攻撃力UP、必中は消費SPが減る)。また行動後や敵軍フェイズでの反撃時にも精神コマンドが使用できるようになった。
    • 精神コマンドを使用するためのSP(精神ポイント)や、気力、ENの仕様も大きく変わり、手軽に回復・上昇ができるようになった。その結果、今までより長いターンの戦闘が可能となっている
    • また、精神コマンドの数もキャラによって異なっており基本的に単機および複数人搭乗機のメインパイロットは4つ、ゲッターやゴールド3兄弟などパイロットが切り替えできるキャラは各自3つ、サブパイロットおよびエルドランシリーズの2&3号機のパイロットは2つとなっている。
      • シナリオ開始時のSPは最大値ではなくパイロットごとに設定された一定値で(ほとんどのユニットは20)、自軍ターン開始時の自然回復とダメージを受けたり与えたりする度に増えるシステムとなっている。
      • ターンの開始時に、SP、ENが回復し、気力が自動的に上昇する。また、SPは敵からダメージを受けた際にも上昇する。
      • 補給を受けても気力が減らなくなった。また、移動後の補給が可能になった。
      • 母艦に乗船していても気力が減らない。母艦に載っていてもターンの開始時に自動的に行われる気力上昇の恩恵も受ける。(ただし、上昇量は半分になる)
    • 弾薬の概念がなくなり、全てENで管理するようになった
    • 修理・補給・魔法といった補助系能力が、パイロットのレベルではなくユニットの武器改造によって効果が増えるシステムとなっている。
    • 回復系の強化パーツが使い捨てではなく、1シナリオ1回の再利用可。

留意すべき点

  • システム面
    • 乱数が保存される。同じ行動を取ると同じ結果になるため、中断セーブしてやり直す場合は行動やその手順を変える必要がある。
    • クイックロードがない。中断セーブ自体の速度は速いもののやり直す場合はリセットしなくてはならない。
    • 連続ターゲット補正が採用されている。上述の包囲システムとあわせて単機突撃による無双戦法を取りづらくなっている。
    • マップ兵器及びその亜種である突破攻撃全て敵味方識別可、移動後使用不可となっている。
    • 幸運及び祝福は、敵を撃破し損ねても効果が持続する。
    • 母艦から降ろしたユニットは、必ずしも移動する必要は無い。
    • 合体変形でユニットサイズが大きくなる場合、ユニットが密集しているなど周囲にスペースがない場合は実行不可。
  • 音関連
    • 必殺技使用時のBGMが変更可能となった。ただし一部の武装については必殺技BGMの設定に関係なく固有のBGMが流れる。
    • BGMの音量設定が存在するが、デフォルトの最大設定でも戦闘時のBGMは音量が小さい。

難易度

さほど難しくはないが、新しいシステムに慣れるまで時間がかかると思われる。よく説明書を読もう。

演出面

本作の戦闘アニメ演出は「MAPアニメ」と「拡大アニメ」に大別される事に。「MAPアニメ」は戦闘画面への切り替わりが無くマップ上でシームレスに攻撃アクションに移る。「拡大アニメ」は従来通りの戦闘画面に移っての3Dアニメ演出となる。

また本作ではシリーズで初めてCRIソフトウェアのミドルウェアを採用しており(外伝作品では『無限のフロンティア』で採用されている)、これらはカットインの挿入シーンをストリーミングムービーで流す際にも用いられている。

オリジナルBGMが非常に凝っており、サブタイトル時のタイトルバックBGMが多数用意されており、そのシナリオの内容に合わせた雰囲気のタイトルジングルが流れる。また特定の参戦キャラが登場するときのみ流れる、原作BGMと勘違いされるほど作品にマッチした曲が存在するなど、音楽面の評判は総じて高い(代表例としてリュウ・ドルク関連シーンで流れる『宿命のライバル』、安倍晴明関連シーンで流れる『忍び寄る妖気』『鬼火ゆらめく行脚』など)。特に、エルドランシリーズの最強技はトドメを刺すと原作どおりにBGMが終了するという凝りっぷりである。

カットインはZなどと比べると画質が荒く、動きのパターンも少ない(上述したようにカットインはストリーミングムービーを流しているため)。絵自体が微妙なものもありBGMとは逆に評判は良くない。ただしガンバルガーブライガーのブライカノンなど一部は好評を得ている。

参戦作品

新規参戦は★の8作品。

新規参戦枠が半分以上を占めた異色のラインナップとなっている。2000年代の作品は『新ゲッターロボ』『完全勝利ダイテイオー』のみである。
少年を主人公にした作品が中心である事と、ガンダムシリーズがリアル系に含むべきかが怪しい『機動武闘伝Gガンダム』のみという点が大きな特徴である(Gガンダムをスーパー系にカウントした場合は、リアル系作品が一切登場しないラインナップになる為、文字通りの「スーパーロボット」大戦という事になる)。ただし、αシリーズに登場した鋼鉄ジーグのような、ユニット性能的に『リアル系』と括る事が出来るユニットはちゃんと存在する。また、声付きのスパロボとしては宇宙世紀系のガンダムが参戦していない現在唯一の作品でもある。

初の試みとして地球人類間戦争を描く作品が参戦していない点が挙げられる。敵ロボットに人間が搭乗していない作品が比較的多く、更に人間が搭乗している場合でも、異世界人や宇宙人が敵となっている作品が殆どである。分かりやすい悪役(侵略者)ばかりなので、これがストーリーに今までのシリーズとは異なる雰囲気を出している。
また、母艦となる戦艦が極端に少ないのも特徴。参戦アニメ内では『戦国魔神ゴーショーグン』のグッドサンダーや、『NG騎士ラムネ&40』のスタン帆船、『完全勝利ダイテイオー』のゴクラクルーザーが母艦の候補として想定されていたが、これらはゲーム中に登場せず、W以来となるオリジナルの母艦が一隻登場するのみである(旧シリーズでは当然だったりしたが)。また『ラムネ&40』からハルク砲艦アックスボンバー号も登場しているがこちらは母艦扱いではない(ただし、1ステージのみ天音の体調不良によりイオニアが使えない事態となったため、同艦が母艦扱いとなるステージがある)。

作品選考に関しては寺田プロデューサーいわく、20代の開発スタッフの意見を重視・尊重し、「その世代にとって懐かしい作品」を意識した結果、1990年代に放映されていたアニメ作品が多く参戦したとのことである。このことは公式ブログを参照されたし。

あらすじ

国家を越えた平和憲章が締結され、新たな年号『未来世紀(フューチャー・センチュリー)』の制定された時代……。
しかし国家間の戦争が絶えても、争いそのものが絶えたわけではなかった。
Dr.ヘルによる『ヘル戦争』やミケーネ帝国の侵攻、ヌビア・コネクションドクーガの暗躍、さらにはデビルガンダム事件など、人類は数多くの危機に晒されてきた。だがその度に正義のスーパーロボット達が戦い、その野望を挫き、世界の平和は保たれてきた。
そしてFC.61年、地球の平和を乱す、新たなる危機が迫ろうとしていた……。

世界観

世界観/NEOを参照。

バンプレストオリジナル

登場メカ(オリジナル)

主人公及び関連人物の機体
シグザール
本作品の主人公機。アースティアより齎された人型機動兵器。剣術と魔法で戦うスタイルで主な武器はエネルギーソースにもなっている武具“アームドファントマ”で繰り出す「シグ・ブレード」や胸から光の矢を放つ魔法攻撃「シグ・ガバリー」。”シグ・オニキス”と呼ばれる手の平大の水晶体に姿を変えることが可能。
イオニア
シグザールと共に出現した本作品の母艦。神殿のような外観が特徴で、生体コアとなった稲葉天音とリンクすることで起動し、以降天音は実質的な艦長としてこのイオニアを介して意思疎通を行う。運搬と後方支援を主としているため武装は最低限のもののみ。シグザールと同様に手の平大の水晶体(イオ・オニキス)に変化する事が可能。
メルヴェーユ
シャーリィ・ルノイエが搭乗する人型機動兵器。外見はネコ耳を装着した人型で、魔女のホウキの様に長身のブースター兼ライフル”フォルトゥシャス”に跨って飛行する。武器は魔法攻撃を主体としているが、得意技はフォルトゥシャスで加速・急接近して飛び蹴りを叩き込む格闘攻撃「ミーティア・サンクション」。

登場人物(オリジナル)

主人公及び関連人物
稲葉駆(いなば かける)
本作の主人公。17歳の高校生で、陸上部のスプリンター。抜群の身体能力を持ち、人情に熱い自信家であるが天然ボケするなど頭の回転は良くない模様。両親は父母共に海外へ。声の担当は川原元幸氏。
稲葉天音(いなば あまね)
駆の弟で10歳の小学生。思いやりのある芯のしっかりした子供。外見は女の子っぽく、そのことにコンプレックスを抱いている。母艦イオニア」の生体コアとなり以降の意志疎通はイオニアの立体画像を介する。声の担当は日高のり子氏で、ミーナ・ライクリング以来となるオリジナルキャラクターの声を担当。
シャーリィ・ルノイエ
アースティアからやってきた19歳の考古学者の女性。愛称は「シャル」で、本編では愛称でのみ呼ばれる。可憐な姿とは対照的に気が強く行動派でエルンスト機関に単身乗り込む無鉄砲さも。他人には中々心を開かないが、一度心を許した相手には敬意を表す。声の担当は伊藤静氏で、長年の夢であったスパロボ出演が本作で実現した。
ブラス・ルノイエ
シャルの実兄である考古学者兼科学者。元々はエルンスト機関の研究者であったが、キャオスとの考え方の違いから同機関を退く。なお本作のオリジナルキャラで唯一戦闘を行う場面やDVEが存在せず、声優が設定されていない。
敵勢力(エルンスト機関
キャオス・レール
エルダー・スプリガン』と呼ばれる長命種族の女性で、346歳。アースティアの科学機関「エルンスト」の創始者にして統率者。世界を侵略者から守るという使命を持つというが・・・? 声の担当は川村万梨阿氏。
リバリス・ムイラブ
21歳の男性。エルンスト機関の戦闘部隊隊長。統率者であるキャオスを尊敬し、命を投げ打ってまで守る忠誠心をもつ。性格は自信家だが、隊長を務めるだけあり戦闘技術は優れている。声の担当は伊藤健太郎氏。
敵勢力(夜明けのたてがみ
ザンパ
ペンギンの様な外見をした生物でハーフビーストと呼ばれる。盗賊団「夜明けのたてがみ」のボスで小物的な存在である。ハーフビーストである事に誇りを持っており侮辱されると烈火の如く怒り狂う。しかし情に熱い一面も持ち恩義を受けると最大限の敬意を払う。声の担当は千葉繁氏。
あまりにも世界観に馴染みすぎているので、『リューナイト』もしくは『ラムネ&40』の登場人物だと思ったプレイヤーも多いらしい。
歴史上の人物
ラルヴァ
古代の錬金術師にして天才科学者。声の担当は野沢那智氏。

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ゲーム中データ

分類 記事
全話一覧 全話一覧/NEO
隠し要素 隠し要素/NEO
精神コマンド 精神コマンド/NEO
強化パーツ 強化パーツ/NEO
特殊能力 特殊能力/NEO
特殊技能
(特殊スキル)
特殊技能/NEO
メカ&キャラクターリスト メカ&キャラクターリスト/NEO
その他オプション オプション/NEO

関連用語

アームドファントマ
禁忌の秘宝。莫大なエネルギーを秘め、その力を引き出せれば亜空間ゲートをこじ開けることも可能。
エルンスト機関
古代科学研究機関。一般層にはほとんど知られていない。
夜明けのたてがみ
ザンパをボスとする盗賊団。
ハーフビースト
本編で登場する獣人的な生物。ザンパしか存在が確認されておらず詳細不明。

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ゲーム本体

攻略本


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