「シュウイチロウ・ユキムラ」の版間の差分
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セレスチアル・リアクターと完全に同調した事で人間性が一切排除されたユキムラは'''人間でありながら人間味が一切無く、純粋な狂気と破壊本能のみで行動しており'''、それがまた彼の恐ろしさや不気味さを醸し出している(更に狂気に満ちた本性でありながら常に冷静、かつ理知的に思考し、行動しており、非常に奸知に長けているのだから余計に恐ろしく、始末が悪い)。その膨張した破壊本能は'''世界そのものの滅却を求めるまでに至っており'''、ユキムラは自身に関して「'''既に人間はやめている'''」と語っている。まさに'''人の皮を被った悪魔'''と呼ぶに相応しい人物と言える。 | セレスチアル・リアクターと完全に同調した事で人間性が一切排除されたユキムラは'''人間でありながら人間味が一切無く、純粋な狂気と破壊本能のみで行動しており'''、それがまた彼の恐ろしさや不気味さを醸し出している(更に狂気に満ちた本性でありながら常に冷静、かつ理知的に思考し、行動しており、非常に奸知に長けているのだから余計に恐ろしく、始末が悪い)。その膨張した破壊本能は'''世界そのものの滅却を求めるまでに至っており'''、ユキムラは自身に関して「'''既に人間はやめている'''」と語っている。まさに'''人の皮を被った悪魔'''と呼ぶに相応しい人物と言える。 | ||
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2015年9月17日 (木) 16:09時点における版
シュウイチロウ・ユキムラ(Shuichirou Yukimura)
- 登場作品:バンプレストオリジナル
- 声優:西村朋紘
- 本名:シュウイチロウ・ソガ
- 種族:地球人
- 性別:男
- 年齢:不詳(28歳前後?)
- 所属:地球連邦軍⇒ロゴス⇒独自行動
ネメシスシリーズの製作者である科学者。元々は地球連邦軍の軍医だった。ちなみに本名は「シュウイチロウ・ソガ」であり、「ユキムラ」は死んだ母親方の姓である。
幼い頃に父のセイジュウロウによってオリジン・ユニットに接続されたことで人格が豹変し、「より強いものを破壊する事」「敵対する者を滅ぼす事」を行動原理とするようになった。
ロゴスを利用して父と共にネメシスシリーズを開発し、地球圏の戦乱の影で諸勢力を利用しつつ暗躍。ネメシスシリーズ『アスカロン』を駆り、地球圏最強の部隊であるAフォースに何度も戦いを仕掛ける。
終盤には鳥の人の頭部に搭載されていたオリジン・ユニットを入手し、このオリジン・ユニットを組み込んだ最後のネメシス『アゾエーブ』を完成させ、そのままアゾエーブと共にソガの前から姿を消し、海底に身を潜めていた。その後、全ての敵勢力がAフォースと真聖ラーゼフォンとなった綾人によって消滅した事をうけ、最終話にて彼らの前に姿を現し、自身の破壊本能によってオリジン・ユニットが生成した負の無限力『破滅の波導』を放ち『ゼロポイント・ブレイク』を引き起こし、SC2の世界はおろか全ての平行世界を滅亡させるというスパロボ史上類を見ない大破局を引き起こした。
混沌空間での最終決戦でもAフォースと真聖ラーゼフォンを圧倒し、再び破滅の波導を放って全てを無に帰せんとするも、自らの死を省みずに特攻してきたケイジ・タチバナと相討ちになり乗機のアゾエーブ、そしてケイジと彼の乗機の天羽々斬共々完全に消滅し、最期を遂げた。
人物像
所謂マッドサイエンティストであるが、他のバンプレストオリジナルのマッドサイエンティストキャラと比べると、明らかに毛色の違う人物である。
バンプレストオリジナルキャラの悪役にはマッドサイエンティストが多いが、彼らの目的は割と単純なものが多く(例を挙げると、世界征服の野望に燃えるアードラー、自分を認めなかった神聖ラングラン王国への復讐に燃えるゼツ、自身の創造した新人類による地球支配を目論むフェフ、AI1の成長を死の間際まで見届けたエルデ、絶望の未来から逃避して自己の快楽や欲望を満たす為に全てを弄び嘲笑するジ・エーデル、因果律を支配し自らの滅びの運命を改竄し神になろうと画策するユーゼス、ル=コボルを打倒し自らの滅びの運命に抗わんとするイスペイル、神のごとき傲慢さと究極のエゴイズムで全存在の頂点を名乗る御使い)、彼らにはどこか俗っぽさや人間臭さが感じられるが、ユキムラにはそれらが一切感じられない。
セレスチアル・リアクターと完全に同調した事で人間性が一切排除されたユキムラは人間でありながら人間味が一切無く、純粋な狂気と破壊本能のみで行動しており、それがまた彼の恐ろしさや不気味さを醸し出している(更に狂気に満ちた本性でありながら常に冷静、かつ理知的に思考し、行動しており、非常に奸知に長けているのだから余計に恐ろしく、始末が悪い)。その膨張した破壊本能は世界そのものの滅却を求めるまでに至っており、ユキムラは自身に関して「既に人間はやめている」と語っている。まさに人の皮を被った悪魔と呼ぶに相応しい人物と言える。
また何よりも特筆すべきは(最終的に修復されたとはいえ)、彼が「自らの意志と力で全ての平行世界を滅亡させた」点が挙げられる(ただし、彼の力すら超えた世界に対しては、その存在を完全には否定できない)。ここまでの事態はスパロボはおろか二次創作作品全体を見てもほとんど例がなく(暴挙と言えるような事態は大抵惑星上での世界征服、銀河消滅の危機、歴史改変、最悪でも全宇宙崩壊止まり)、あのイデですら一つの宇宙すべてを因果地平の彼方に飛ばしたレベルに留まったことを考慮すればいかに狂った力であるかがわかるだろうか。
これまでのスパロボシリーズのラスボスでも、ケイサル・エフェスやペルフェクティオは劇中の舞台となっている宇宙を滅ぼそうとしたが、未然にαナンバーズやブルー・スウェア(鋼龍戦隊)によって防がれている(ペルフェクティオに関しては物語が開始する以前から数え切れないほどの宇宙を滅ぼしていると思われるが、少なくとも平行世界全てを滅亡させてはいない)。しかし、ユキムラは劇中の舞台となったSC2世界の宇宙はおろか、全ての平行宇宙の滅亡を一旦ではあるが成し遂げてしまっている。その為、彼はユーザーからはケイサル・エフェスやペルフェクティオと同格の存在として扱われることも多い(ペルフェクティオとは「最終決戦の最後の最後まで優勢を保ち、自軍部隊を絶望の底へと追いやりながらも、土壇場で一人の人物による特攻を受けて撃破された」という点も共通している)。
更に彼の滅びを求める行動はセレスチアル・リアクターの接続による人格への影響という事を含めても、「全てが只の人間であるユキムラ自身の意思」と言う点も今までにないものであろう(Zシリーズの戦いの黒幕と言える御使い達は全ての宇宙の破滅を招く根源的災厄であったが、本人たちにはその自覚すら無かった)。永遠に続く闘争の世界を求めるヴィンデル・マウザー、安寧を貪る民衆に絶望し支配欲に溺れたルド・グロリアなど、普通の人間である他の作品のラスボス達はある種の人間らしい欲望を叶えるために行動していた。
以上を踏まえても、生身の人間でありながら人智を超越した力を得た上で、その力を用いて劇中の舞台となっている世界を完全に滅ぼしたバンプレストオリジナルキャラは、ユキムラ以外には例が無い。おまけに彼は異星人や人智を越えた存在ではなく、取り立てて特殊な生まれでもない、一人の地球人である。そういった意味でも、彼は歴代バンプレストオリジナルキャラのラスボスの中でも、特に異端の存在であるといえる。
しかし、ここまで圧倒的な存在となったユキムラでも、彼はあくまでも命ある者「人間」であるという事実には変わりなく、命ある者の宿命たる「死」から逃れることだけはできなかったのである。
『オリジン・ユニット』と『バジュラクイーン』、ユキムラとグレイス
非常に興味深いのが、ユキムラが全ての世界を破滅へと追い込むにあたって、『マクロスゼロ』に登場する「鳥の人」を用いたという点である(正確には鳥の人に搭載されていたオリジン・ユニット)。原作であるマクロスシリーズでは、鳥の人に関する設定はSC2の製作時期・発売時点ではほとんど明かされておらず、2008年に放送された『マクロスF』にてようやく秘密が解明される事となった。
『マクロスF』には鳥の人のオリジナルとも言うべき「バジュラクイーン」が登場するが、TV版の劇中にそれを手にし、一体化した同作の悪役であり黒幕であるキャラクターのグレイス・オコナーは、その力を全宇宙、そして全ての平行世界の支配に用いようとした。彼女は自身をサイボーグ化している為、肉体こそほぼ機械同然であるものの、その思想や性分は曲がりなりにも「人間」そのものであり、「破壊」などは望まず、あくまで「支配」に執着し続けており(グレイス自身は人間が持つ「感情」を蔑んでいたが、結局のところ彼女自身は人間が持つ「欲望」に突き動かされているのは皮肉な話である)、この事はTV版『マクロスF』の小説でも「彼女を動かすのが、俗な野望でしかないのは、やはり肉を持って生まれてしまったが故に越えられない業とでもいうべきものであるのかもしれない」と述べられている。
これらをユキムラが目指したものと対比させた場合、彼はグレイスと同等の圧倒的な力を得た上で、特殊な肉体改造を自身に施さず(セレスチアル・リアクターへの接続は、人体改造のそれとは大きく異なっている)、生身の人間のままでありながら人間性を捨て去って完全な「破壊者」と化し、純粋な破壊本能に従って全てを滅亡させた。
どのような身に成り果てても「人間」であり、最期まで俗な欲望に突き動かされて銀河の支配者になろうとしたグレイスと、人間でありながら「人間」を捨て去り、最期まで破壊本能のままに破壊者として全てを滅ぼそうとしたユキムラ。まさにユキムラはグレイスとは対極の存在であるといえる。
彼が述べた通り、万物には破壊へのエントロピーが存在するため、物理学的・量子力学的に「破壊・消滅」と「創造・構築」では必要となるエネルギー量は等級ではなく、後者の方が比較にならないほど膨大となる。 神名綾人は後者の管理者にあたり、グレイスの場合は、力の方向性としては前述とは更に異なる対象物への「維持」「管理」を重視した事になっている。ユキムラの場合は前者に全てを委ねた事で破壊に有利なエントロピーの在り方を利用し、仲間を守り世界を維持する事に力を割いていた真聖ラーゼフォンを追い詰める程の、莫大な破壊エネルギーを吐き出していたのである。
登場作品と役柄
- スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd
- 前述の通り、アスカロンを駆り、度々Aフォースに挑んでくる。ラスボスでもあり、最終決戦ではアゾエーブに搭乗。ちなみにHPは歴代最高の80万である。
人間関係
- セイジュウロウ・ソガ
- 実の父親。
- ケイジ・タチバナ
- 互いにオリジン・ユニットに適応でき、ネメシスシリーズの機体を駆る者同士であり、宿敵である。
- バレンティナ・レアニカ
- 綾人を救う為に遥と共に特攻してきた彼女をゴミのように爆殺した。
版権作品との人間関係
地球圏の戦乱の影で、多くの人類勢力を利用しては暗躍している。Aフォースの敵対勢力で彼に関わった勢力や人物の多くは彼に利用されるだけ利用され、最後は滅亡へと追いやられている。バンプレストオリジナルの敵対組織ではシャドウミラーやデュミナス一味なども多くの版権作品の敵対勢力と手を結んでいたが、ユキムラは彼らとは違い、身一つで彼らと接触しては、思うが侭にいい様に利用した。
- ロード・ジブリール
- スポンサーだが、ユキムラにとって彼は体の良い操り人形に過ぎず、利用するだけ利用し、裏切った。
- ショット・ウェポン
- 学生時代の頃からの旧知の仲。
- バーン・バニングス
- ドレイクやショットの戦死後に彼を拾い、彼をセレスチアル・リアクターに接続して強化し、手駒として利用した。
- ムゲ・ゾルバドス
- 小百合に憑依した彼にアスカロンを提供し、協力し合うも、実際はユキムラの方が彼を捨て駒扱いにしていた。
- ハマーン・カーン
- 彼女をも利用せんとマクロスを取引材料に交渉を行うが、Aフォースに阻止された。
- マクロスのクルー、ダンナーベースのメカニック達
- 南アタリア島、及びマクロスを占領した際、グローバル艦長を筆頭とするマクロスのクルーやダンナーベースのメカニック達を人質に取り、酷使した。
- 葉月考太郎、レディ・アン
- マクロスのクルーやダンナーベースのメカニック達と同じく、彼らも人質に取る。
- 藤原忍
- ケイジや小百合、雅人の事などで因縁もあり、彼はAフォースのメンバーの中でも人一倍ユキムラを敵視している。
- エルフィ・ハディヤット
- 世界を滅ぼされた挙句、バレンティナや親友である遙を殺された事でユキムラに対して激怒する。
- ヒイロ・ユイ
- 彼を「コロニーの一兵士」と嘲笑しており、ユキムラのそのあまりにも恐ろしい戦いぶり、そしてゼロシステムを以ってしても勝利の未来を全く見出せない異質さは、ヒイロを心胆から戦慄させた。
- 神名綾人
- 真聖ラーゼフォンとなり、世界創世の神となった彼は、倒すべき竜を求めて彷徨い続けるユキムラにとって最後の標的となった。真聖ラーゼフォンの登場に無様に怯えきって恐怖し、取り乱したエルデとは異なり、ユキムラは真聖ラーゼフォンすらも圧倒し、彼をトドメを刺す寸前まで追い詰めた。SC2の世界観において、ラーゼフォンシステムとオリジン・ユニットは、対極に存在する「対存在」である。
- ひびき洸
- ユキムラによって放たれた破滅の波導の第一射を食い止める綾人を援護すべく、歌エネルギーによって完全解放されたムートロンエネルギーの力で綾人と共に破滅の覇導からAフォースを救ったが、その代償はあまりにも大きいものだった…。
- シーラ・ラパーナ、リン・ミンメイ、サラ・ノーム、ラクス・クライン
- 彼女達の力もあって破滅の波導の第一射からAフォースは守られた。しかし、その代償として彼女達と世界は…
- 紫東遙
- 綾人を救う為にバレンティナと共に特攻してきた彼女をゴミのように爆殺した。
名台詞
- 「犠牲…? 犠牲という言葉の意味はあなたこそ最もご存知のはずですがね…」
- 第1話にて、試作機の性能を試したいがためだけにジブリールの私兵を犠牲にしたことを、セイジュウロウに非難された際の反論。
- 「フフフ…さあ、本格的なゲームの開始といこうじゃないか、A3の諸君…。」
- グザードの自爆によって雅人の父親を含む市民12万人の命諸共U2エリアを消し飛ばし、まんまとA3を罠に陥れ、ムゲと共に不敵に嗤う。
- 「…ふざけた事を言わないでいただきたいものですな、教授。いくら人知を超えたオーパーツであれ、それが人の人生を直接狂わせることなどありえません…。すべては人の…人が選んだ行動の結果なのですよ…!あなたは自分で自分の人生を決めたのです。この研究に一生を捧げるという人生をね…そして、当然あなたも覚えておいでのはず。この私という人物を生み出したのも…他ならぬ、あなたなのだという事を…!」
- オリジン・ユニットを通してのセイジュウロウとの会話。この言葉の真相は後々判明していくこととなる。
- (ふ…覇道か…くだらんな)
(破滅へ向けて突き進むこの世を支配したところで、意味など無い事がわからんとはね…) - ドレイク軍との通信を打ち切った直後。
- 「ふふ…ええ、それが私の生きる道です。モノとヒトを壊し尽くすのがね…」
- マクロス内にてグローバルに語った自身の生き様。最終話にてその道は結実することとなる…
- 「07Aより02。最後の命令を与える。ハイスコアを狙え。ゲームオーバーまで戦闘を続行せよ。」
- マクロスを巡るAフォースとの攻防戦の際、アスカロン2号機で戦うネメシス兵に下した命令。全ての命を何とも思わないユキムラに、グローバル達は戦慄する…。なお、この直前にはバーンがユキムラによって半ば捨て駒同然にされ、戦死している。
- 「私のようになるかね?人である事をやめて…!」
- 鳥の人を巡るAフォース・アクシズ軍・ユキムラの三つ巴の攻防戦の際にケイジに対して。「人」であることを捨て去った彼の戦い方は既に人間の「それ」ではなく、ヒイロをも戦慄させ、ゼロシステムもまた、ユキムラに勝利する未来を示すことが出来なかった。
- 「新たな力を得るたびに破壊すべき新たな宿敵を求め続ける…倒すべき竜を求め続ける…。そんな私の人生も、やっと終着駅に辿り着いたようだ。くっくっく…。なにしろ、この私は今、神すら滅ぼせる悪魔の力を手に入れ…そして目の前には、今から世界を作り直そうとしている機械の神そのものがいるのだから…」
- 最終話でアゾエーブを駆り、Aフォースと真聖ラーゼフォンとなった綾人の前に姿を現した際の台詞。「神」をも殺せる力を手に入れたユキムラにとって既にAフォースは眼中に無く、標的は「神」となった綾人ただ一人だった。MXにおいて真聖ラーゼフォンの参戦に無様に怯えきって恐怖し、取り乱したエルデとは異なり、ユキムラは「神をも殺せる」と狂気の悦びに打ち震える。
- 「なあに、君達は私の放った一撃を幸運にも防いだのだよ。ありとあらゆる力をやっとかき集めてね。ククク…。防げなかったのは…世界の方さ」
- 破滅の波導を防げなかったのは世界という事実。それが意味するものは…
- 「こいつと一体化した私にはもうすべてが理解できる…。時空間構造に穴を開け、新たな平行宇宙を生成する…偉大で愚かな祖先達が造り上げたこのオリジン・ユニットは最初はそういう代物だったのだよ。どうやっても敵わぬ恐怖が星界の果てより到来した時、新たな平行宇宙を作り出してそこへと移民し、逃げ込むためのね…」
「だが、ある日誰かが気付いたんだろう。それだけの力があるなら、そもそも逃げる必要などない。その力を使い…相手を滅ぼした方が早い。くっくっく…今も昔も、人の考える事は同じだ。人が火薬を手にした時、いったい何のためにそれを使った?人は原子力を手に入れていったい最初に何を作り出した?」 - ユキムラの語るオリジン・ユニットの真相。破壊の化身と化した彼にとって、それはあまりにも見合った力だった。ユキムラの語る通り、人類は火薬を手にした時、初めてそれを使ったのは戦争の為であり、人類が原子力を初めて手にした時、最初に作り出したのは、人類史上初めて戦争に使用された核兵器であり、広島と長崎を焼き尽くした大量殺戮兵器・原子爆弾だった。人類は、昔から強大な力を戦いの為に行使してきた。その様は、今も昔も何一つ変わらないものだった。その事実を、ユキムラは残酷に突きつける。そして、ユキムラがここで言及している、人が火薬を手にした時に、そして原子力を手にした時に犯した所業。それは、「我々プレイヤー」の現実世界においても存在する、変え様が無い過去の事実である。
『マクロスF』では、鳥の人のオリジナルである「バジュラクイーン」を手にしたグレイス・オコナーがその力で宇宙の支配を目論んだのに対し、彼はそのコピーとも言うべき存在である「鳥の人」の力を、破壊の為だけに用い、全てを滅ぼした。 - 「時空間の基本構造は瓦解した。すべては始原の混沌へと還ったのだよ。…君達を除いてね」
- 全ての平行世界は滅亡した。スパロボ史上かつて無い絶望が、Aフォースを包む。
- 「勘違いをしていないかね?同等のエネルギーを作り出せたとしてもこのネメシスに立ち向かえるわけではない。この世で最も優勢な力は破壊へと向かうパワーなのだ。あまねく宇宙はすべて、滅びの方向へのベクトルを最初から内包しているのだからね。宇宙とはそういうものなのだよ!私はその力の具現者にすぎん!くくく…!」
- 無限力を全て「破壊」の方向へと委ねたユキムラ。その結果が、全ての平行世界の滅亡だった…
- 「ふ…いつにも増して気丈な事だ。だが言ったはずだがね。もはや君達になど興味はないのだよ。それに…。」
「さっきのエネルギーでこの空間を形成し、崩壊から彼らを守っているのは君の力だろう?君さえ倒せば、彼らに成す術などない。ククク…!」 - 世界を滅ぼされた事への怒りを露にするAフォースなど、既にユキムラにとっては眼中に無い存在だった。ユキムラは虫の息となった綾人にトドメを刺さんとする。真聖ラーゼフォンを遙かに凌駕する巨体のアゾエーブが彼を羽交い絞めにする光景は、見る者全てを絶望させるのにはあまりにも充分な光景である。
- 「これだからゴミは困る…オリジン・ユニットの接続ラインがいくつか切れてしまったじゃないか」
- 綾人を救う為に特攻してきた遙とバレンティナを爆殺し、顔色一つ変えずに言い放った台詞。世界を滅ぼされ、大切な仲間を二人も殺された事で、Aフォースの面々の怒りは頂点に達した。
- 「やる気かね…やれやれ。滅ぶべき運命が理解できんとは…。仕方ない…オリジン・ユニットの自己修復機能が働くまでしばらく相手をしてさしあげよう。時空間崩壊波は使えずとも、このオリジン・ユニットには…この最後のネメシス『アゾエーブ』には悪魔の力が備わっているのだから!」
- この台詞と共に守るべきもの、帰るべき世界を失ったAフォースとの最終決戦の幕が切って落とされた。
- 「今なら私にもわかる…。マヤン島の伝承に残るという滅びの歌とは何だったのかを…。それはこの兵器の事ではない。この兵器を作り出した人類の憎しみや恐れ…恐怖そのものだ!それこそが滅びの歌なのだよ! 遥かな太古から、人類という種は滅びの歌を歌い続けてきたのだ。見たまえ!この私を! 見たまえ!このマシンを!! この私こそ…そしてこのマシン、アゾエーブこそが! 今なお残る、その歌の残響なのだ! 残るは貴様達…! 貴様達さえ片付けばこの宇宙の滅却は終わる!」
- 最終決戦にて。そこにいたのは確かに人間だった。そして、そこに在ったのは全ての破壊のみを存在理由とする本物の悪魔だった……。
- 「貴様…こそ…!消えろぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
- ケイジと相討ちになる寸前の最期の台詞。最期の瞬間まで、その狂気の力で全てを圧倒したユキムラだったが、彼も「死」の運命にだけは逆らう事が出来なかった。
関連機体
- アスカロン
- ネメシスシリーズの量産機体。7番機はユキムラ自身が搭乗し、専用のカスタマイズが施されている。
- アゾエーブ
- ユキムラが最後に搭乗するネメシスシリーズの完成機。最後にして、最凶・最悪のドラゴンスレイヤー。オリジン・ユニットを搭載し、全てを破壊する可能性を秘めた悪魔の機体。
余談
- ファンからはSC2の文字のフォントの影響からか「コキムラ」と呼ばれる事もある。
- 何の因果か、ケイジと同じ声の平行世界の番人にとっても明確な敵と言える存在となっている。
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