ヒュッケバインシリーズ

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ヒュッケバインシリーズ(Huckebein Series)

本項では、第4次を初出とする、パーソナルトルーパーヒュッケバインに端を発する、『ヒュッケバイン』の名を冠する機動兵器の総称として取り扱う。また、量産型ヒュッケバインMk-IIが『マシンセル』によって自己進化した『ベルゲルミル』についても簡潔に説明する。なお、ゲシュペンストシリーズとヒュッケバインシリーズの中間に位置するビルトシュバインについては、ゲシュペンストシリーズ及びビルトシュバインの項を参照されたし。

ヒュッケバインという名前は、第二次大戦末期にナチスドイツで開発されていた幻のジェット戦闘機Ta183Aの愛称「フッケバイン」のオマージュから来ている(英語風に発音するとヒュッケバイン)。なお、Ta183Aのフッケバインという愛称自体はヴィルヘルム・ブッシュの児童文学『ハンス・フッケバイン』に登場する、『醜い脚』という意味を持つ悪戯好きのカラスの名前に由来する。OGシリーズではそこから転じて、『災いを招く鴉』…即ち『凶鳥』という二つ名がヒュッケバインにつけられているという設定となった。

この二つ名が、ヒュッケバイン008Rのブラックホールエンジン暴走事故の前に名付けられたのか、事故後にそう名付けられたのかは不明。最初から『凶鳥』の二つ名で呼ばれていたならば、『敵対する者にとって凶事を呼び込む存在』という意味合いが込められていたのだろう。逆に、事故後に名付けられた場合は、事故によって大勢の職員の命が失われたという事実を忘れないように、十字架の如く背負った名前という風に解釈できる。

ゲシュペンストシリーズとは対照的に、機体コンセプトが二転三転しているのが特徴。初代はEOTを用いて高機動と高火力を実現した高級機、MK-IIは危険性を孕むEOTを使わない堅実な機体、Mk-IIIは『コアトルーパーシステム』によって様々な戦局に対応できる万能機となっている。機体コンセプトの変遷に伴ってか、機体の外見もシリーズを通してデザインが一定しない。その点においてもゲシュペンストシリーズとは対照的である。ハロウィン・プランなどで冷遇から巻き返したゲシュペンストシリーズと異なり、一部機体にフレームや技術が流用される以外はほとんど発展の動きがない、という部分も対照的。量産型Mk-IIは現在でも連邦軍の主力として長く運用されているが、Mk-Iはエンジンの危険性からマオ社に死蔵され、Mk-IIIは鋼龍戦隊で運用されているのみにとどまっていた。

そのためか、コンセプト的にほぼ完成したMk-III以後はほとんどシリーズの進展がなく、修羅の乱においてはMk-I・Mk-IIは性能不足による型落ちが否めなかった。そして封印戦争序盤、オーバーホール中に襲撃を受け、試作タイプはほぼ破壊されてしまった。なお、エクスバインに改修された009のほかに、『3号機』が現存していることが判明している。残存パーツは原型を残していたエクスバインの修復強化に流用され、アッシュとして生まれ変わることになる。

なお、現在ほとんどの公式メディアではエクスバインを除くヒュッケバインシリーズのイラストの削除、あるいは他の機体への差し替え等が行われており、機体の画が登場しなくなっている。詳細はヒュッケバイン問題を参照。

ヒュッケバインシリーズ一覧

ヒュッケバイン

詳しくは、ヒュッケバインの項を参照。初出は第4次で、リアル系主人公の最終搭乗機として登場した。ゲシュペンストなどのデータを元にEOTを惜しみなく盛り込んだ機体。ビルトシュバインの運用データとゲシュペンストMk-IIの量産化データを組み込み、コストダウンと汎用性を求めて3機がロールアウトした。フレームは機動性を重視した『Hフレーム』である。Hフレームは機動性に優れるがコストが高く剛性が低い事から、高機動の高級機に採用されている。

008L
リン・マオがデフォルトのパイロット。OGシリーズでは一時的にヴィレッタが借り受けたが、後にリンの手に戻っている。
008R
第4次に登場したヒュッケバインはこちらだと思われる(第4次のヒュッケバインの型式番号は「PTX-08R」)。ヒュッケバインに『バニシング・トルーパー(=失われし騎兵)』という不名誉な呼び名を背負う原因となった、『ブラックホールエンジン暴走事故』を引き起こした機体。その時のパイロットはライであり、彼はこの事故で左腕を失った。

ヒュッケバイン009

詳しくは、ヒュッケバイン009の項を参照。ブラックホールエンジンではなく、通常型のエンジンを搭載しているヒュッケバイン。火力は低いが基本性能は上記2機と同等。この機体の運用データは、後にMk-IIや量産型Mk-IIの開発に役立つ。

ヒュッケバインEX

詳しくは、ヒュッケバインEXの項を参照。通称『レッド』。部品を共有している為、外見こそヒュッケバインMk-IIと同じだが、設定上はヒュッケバイン008Lに大改修を施した機体である。

エクスバイン

詳しくは、エクスバインの項を参照。初出はスーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター。タイプ009の改造機で、Mk-IIとMk-IIIの中間に位置する。Mk-IIIのAMパーツのフィッティングテストのため開発された。OG外伝でその存在が示唆された。

ヒュッケバインMk-II

詳しくは、ヒュッケバインMk-IIの項を参照。初出はαで、リアル系主人公の初期搭乗機として登場する。初代ヒュッケバインの暴走事故を教訓に、解明済みのEOTのみを搭載した堅実な機体となっており、『グラビコン・システム』というEOTを搭載している。フレームには、ゲシュペンストシリーズに採用されている『G2フレーム』を使用している。

なお、本来G2フレームは『GIIフレーム』と表記するべきなのだが、『ジー・アイ・アイ』という誤読の防止の為、本項ではこちらの表記に統一させて頂く。

RTX-010-01
αのリアル系主人公が搭乗した機体。αでは後に破壊され、パーソナルファイターが互換性のあったMk-IIIのボディと合体した。OGシリーズではブリットに与えられた。
RTX-010-02
OGにのみ登場した。リンが、マオ社の社員全員の命と引き換えにコロニー統合軍に引き渡した。その後、ジーベルが罠に用いるが破壊される。そして、回収された部品はエルザムの手に渡り、ヒュッケバインMk-II・トロンベに改修された。
RTX-010-02T
上述の通り、回収された2号機のパーツを元に、G・ウォールからG・テリトリーへと強化し、テスラ・ドライブを追加搭載した。更に、分身能力まで備える大幅なカスタマイズを受けた機体。カラーリングは当然、黒・赤・金の所謂『トロンベカラー』である。
RTX-010-03
連邦軍の量産トライアルに提出された。仕様も量産可能な程度にデチューンされていた可能性がある。その後どうなったかは不明。最も謎の多いMk-IIである。他のシリーズはLRの2機までであるため、OG2ndで一言だけ語られる「3号機」とはおそらくこの機体のこと。ロブのセリフからすると、この機体にも何かしら手が加えられそうである。

ヒュッケバインMk-III

詳しくは、ヒュッケバインMk-IIIの項を参照。初出はαで、リアル系主人公の後期搭乗機として登場する。機体のコンセプトは『小型化されたSRX』である。最大の特徴は換装パーツを装備する事により、様々な局面に対応可能な『コアトルーパーシステム』である。なお、パーソナルファイターはMk-IIの物と互換性があり、αで初登場した際はMk-IIのパーソナルファイターと合体していた(Mk-IIIの体にMk-IIの頭が合体したことになるが、ゲームのグラフィックでは頭もMk-IIIである)。ちなみに、フレームは『Hフレーム』を採用しており、Mk-IIのように量産を前提としていない事が分かる。ヒュッケバインシリーズの中で、唯一確実に全滅してしまっている。

RTX-011L
αの主人公機として使用されたのはこちらである。αシリーズではその後、第2次αにてヴィレッタの手に渡り、マルチトレースミサイルのコンテナをテスラ・ドライブに換装して運用された。第3次αではマイが一時的に搭乗している。OGシリーズでは、『装甲値、最大EN+10%』という固有フル改造ボーナスを持つ。
RTX-011R
第2次αでアラドが搭乗したのはこちらである。後にレーツェルに託され、トロンベ仕様にカスタマイズされた。OG2では最初からレーツェルに託されており、条件次第ではトロンベ仕様からこちらに戻って入手可能。OGシリーズでは、『運動性、最大EN+10%』という固有フル改造ボーナスを持つ。
RTX-011RT
上記のタイプRをトロンベ仕様にカスタマイズした機体。第3次αではレーツェルの弟であるライが一時的に搭乗している。タイプRとの分かりやすい違いは、テスラ・ドライブを標準装備して飛行可能になった代わりに、コアトルーパーシステムによる換装が使用不可能になっているという点。OGシリーズでは、条件を満たしてタイプRを再入手した方が良い。

ガーバインMk-III

初出はスーパーロボット大戦OG ジ・インスペクターで、Mk-IIIにガーリオンの頭部や肩部を移植して偽装を施した機体。

AMパーツ

初出はαで、ヒュッケバインMk-III換装パーツとして登場。OGシリーズでは、AMガンナーは単独のユニットとして登場し、マップ内で合体する仕様に変更された。一方、AMボクサーは換装パーツのままで、インターミッションで換装して出撃させる。マップ内での取り外しは不可能。

AMガンナー
Mk-IIIの支援戦闘艇で、Mk-IIIとのドッキングにより、『ヒュッケバインガンナー』となる。OGシリーズでは修理装置補給装置を換装可能な単独のユニットである。
AMボクサー
元々はRWシリーズの2号機『R-SWORD』として開発されたものだったが、Mk-III用のAMパーツとして改修された経緯を持つ。MK-IIIとのドッキングにより、『ヒュッケバインボクサー』となる。
AMサーバント
開発計画が中断されていたAMパーツで、ゲーム中に直接は登場しない。第3次αで、ASソレアレスASアレグリアスに改造される際、ツグミがその設計思想を流用した。なお、本来はR-3の『ストライク・シールド』の流れを汲む、念動力者用のパーツと思われるが、エルマが電子制御する事によって、念動力者ではないセレーナが搭乗しても使用可能になっている。ちなみに、OGシリーズではAMサーバントについては全く言及されておらず、今後登場する可能性も充分に考えられる。

ヒュッケバインガンナー

ヒュッケバインMk-IIIAMガンナーのドッキング形態で、高機動砲撃戦を得意とする。αでは1人乗りだが、OGシリーズでは2人乗り。また、OGシリーズではMk-IIIにタイプLとタイプRの2種類が存在し、それぞれが異なる固有フル改造ボーナスを持つのだが、本機はAMガンナーの改造を引き継ぐ為、タイプLとタイプRの性能差は無い。

ヒュッケバインボクサー

ヒュッケバインMk-IIIとAMボクサーのドッキング形態で、近接格闘戦を得意とする。なお、改造は換装前のMk-IIIのものを引き継ぐ為、固有フル改造ボーナスを選択していた場合、それが影響する。タイプLならば特機並みの堅牢さを持ち、タイプRならばPT本来の運動性を持つ。

量産型ヒュッケバインMk-II

詳しくは、量産型ヒュッケバインMk-IIの項を参照。その名の通り、ヒュッケバインMk-II量産型である。初出はα外伝。コスト面の問題の為、EOTは使用していないが、テスラ・ドライブを標準装備している為、高い機動性と空中戦闘能力を持つ。フレームには、ゲシュペンストシリーズと同じ『G2フレーム』を採用している。αシリーズではV字アンテナとツインアイだったが、OGシリーズではアンテナは廃され、カメラアイもゴーグルタイプに改められ、いかにも『量産型』といった風情の外見になった。

サンドブラウン
ノーマルカラー。自軍に配備されるのはこれ。
ダークグレー
インスペクターが奪取し、量産化したタイプのもの。敵として登場する。
ブルー
新生教導隊がデータ採取用に使用したタイプのもの。スポット参戦時のみ使用可能。
スナイパーPT
OGクロニクル』に登場した、本機をベースにしたカスタム機。遠距離狙撃用に特化した改造が施されており、照準用スコープやスナイパーライフルを装備している。モーションデータにはオウカのものが使用されているようだ。

ベルゲルミル

詳しくはベルゲルミルの項を参照。量産型MK-IIがマシンセルによって自己進化した姿である。OGシリーズでは、イーグレットシリーズの機体にゲイム・システムが搭載されている。

ウルズ機
イーグレットシリーズのオリジネイターである、イーグレット・ウルズの搭乗機。機体色は青(OGシリーズ)。OGシリーズでは直接戦闘する事無く、ゼンガーの駆るダイゼンガーによって一刀両断された。
アンサズ機
イーグレット・アンサズの搭乗機。機体色は白(OGシリーズ)。α外伝とOGシリーズではウルズ機とアンサズ機のカラーが逆になっている。
スリサズ機
イーグレット・スリサズの搭乗機。機体色は赤。
量産型
イーグレットシリーズの生みの親である、イーグレット・フェフ博士やアギラ・セトメも搭乗した機体。機体色はゲームでは灰色、漫画『ロストチルドレン』に登場したシックス・スレイブを装備していないものは黒。

プファイルIII

量産型ヒュッケバインMk-IIのカスタム機。正式名称は量産型ヒュッケバインMk-II MHRDT3カスタム。

アッシュ

破壊されたエクスバインを、全損したヒュッケバインシリーズのパーツを寄せ集めて修繕した改造機。Mk-IIIのパーツが主に使われたためT-LINKシステムとウラヌス・システムを搭載している。初出撃の際は遠隔コントロールだったが、イングの念を受けてスリープしていたシステムが起動し、以後彼の搭乗機として運用されることになる。

エグゼクスバイン

アッシュの強化改修機であり、シリーズ6番目の機体。トロニウム・エンジンを搭載し、サーバントやリッパー系兵装、Rシリーズのデータを応用した念動誘導兵器を全身に搭載している。さらに、Mk-Iの主兵装を強化したBHBキャノンを装備しており火力は十分だが、出力バランスが取れておらず、イングの念で強引に制御している状態。Mk-IIIで一旦実現した「小型・高性能化したSRX」のコンセプトをさらに高めた機体となっている。なお、この機体はロールアウトしたわけではなく、戦闘中にイングが念で組み上げて完成させたという仰天の経緯がある。

ちなみに顔面部はSRX同様バンプレストロゴを象っている。

ガリルナガン

シリーズのデータを基にしたワンオフ機。コンセプトも性能もまるで違うが、素体の都合からこのシリーズに分類される。

関連機体

ビルトファルケン
ヒュッケバインシリーズと同じHフレームを使用。
ART-1
ヒュッケバインシリーズの技術も使用。
デュラクシール
OGシリーズでは堅牢で柔軟性あるフレームと高出力のジェネレータでも負荷しないヒュッケバインシリーズのデータに注目、そのデータを参考にして設計。

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