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2018年9月29日 (土) 03:43時点における版
軍組織のような体育会系コミュニティにおいての「修正」とは、鉄拳制裁に代表される懲罰を加える事、あるいはシゴく事を指す。なお、前置きしておくが、以下に記すのはあくまでSRWやその原作(つまりフィクション)で用いられる「修正」の解説が目的であり、「修正」行為を過剰に賛美・正当化する意図は全く無いことに留意されたし。
『機動戦士ガンダム』にて出撃を渋るアムロ・レイに対してブライト・ノアが「修正」を加えた有名なシーンのように、軍などに置ける上官のような目上の人物が何かしら不始末をしでかした目下の人物に反省や奮起を促す意味で暴力を加えるのが基本である。続編『機動戦士Ζガンダム』では、それが頻繁に行われ、「修正」という言葉自体も登場している[1]。
SRWシリーズでは『スーパーロボット大戦F』のシナリオ「ネルフ襲撃」でブライト・ノアが戦いから逃げようとした碇シンジにした「修正」が有名である[2]。
無論、本人の意志はともかく、下手をすれば、私的な理由によるリンチや体罰になりかねない。現実的には非常に扱い所が難しく、かつ推奨できない手段である(詳しくは、余談の欄を参照)。
事実本来であれば、対象を最終的に奮起させるために、重大な怪我にならない程度に痛みを与えるのが基本である(よく「歯を食いしばれ」等と言われるのは、殴る意思表示の他、不意に舌を噛まない為の意味合いも有る)。 そして、何よりも「修正」した後のフォローが必要不可欠であり、最も留意すべき点である。徒に相手の心身にダメージを負わせた、あるいは「修正」をした者への反感を招いただけの結果にならないように、「修正」を行った側が、細かい配慮をしなくてはならない[3]。
繰り返すが、「修正」の目的は相手に反省と奮起を促す事にこそある。
原作における「修正」
- 機動戦士ガンダム
- 第9話「翔べ! ガンダム」にて上記のブライトによるアムロに対する「修正」があり、「二度もぶった…親父にもぶたれたことないのに!」の名言が生まれる。
- また、他の話ではカイがブライトとセイラに「修正」を食らっている。
- 機動戦士Ζガンダム
- 「修正」と言う言葉を有名にした作品だけに、とにかく「修正」場面が多い。
- 最も有名なのは第13話「シャトル発進」で自身をシャアだと認めたがらないクワトロをカミーユが殴り倒す場面で、「歯ぁ食い縛れ! そんな大人は『修正』してやる!」の言葉が登場する。クワトロことシャアは「これが……若さか……」とつぶやきながらブッ飛ぶ。
- 後に発表されたコミカライズ作品『機動戦士ΖガンダムDefine』では、命令違反を犯したカミーユに対してクワトロが咎めとして平手打ちをするという、原作への意趣返しのような修正シーンが存在する。
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- ジュドー・アーシタが妹のリィナを救うために独断での行動が多かった頃の第20話「泣き虫セシリア(前)」において、ウォン・リーから「修正」を受けている…のだが、ジュドーはウォンの平手を回避した上でカウンターで蹴りを叩きこんでいる。
- 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
- 第8話「策謀の宙域」で勤務をさぼっていたコウとキースにバニングが鉄拳制裁を加えている。
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
- 第16話「インド洋での死闘」で、シン・アスカが連合に強制労働されている民間人を救ったものの、アスラン・ザラの指示を無視した上に、既にモビルスーツへの抵抗力を持ち合わせていなかった連合基地に投降も呼びかけず一方的な攻撃を行い事実上の虐殺に近い結果を招いたため、殴られてしまった上に自身の行動を「ヒーローごっこ」と非難される事になった。
- しかし、アスラン自身が口下手な事や信頼関係が軽薄な事も祟って真意が伝わらず、自身の行動がやり過ぎである事を自覚していないシンは、ただアスランへの反感を募らせるだけで終わってしまった。
- 機動戦士ガンダム00
- 1st第14話「決意の朝」にて、女性との逢瀬という言語道断な理由で遅刻したパトリック・コーラサワーをカティ・マネキンが「二度もぶった」。
- だが、当のコーラサワーは反省どころかカティに一目惚れするという斜め上の展開に。
- 聖戦士ダンバイン
- 第23話「ミュージィの追撃」で、独断先行したリムル・ルフトがニー・ギブンに殴られる。
- 「けじめ」としてお互い了承済みとはいえ「少女が男にグーで殴られる」という、見ようによってはちょっと酷いシーン。
スパロボにおける「修正」
旧シリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦
- クワトロが仲間になると、原作通りカミーユが「修正」を加える。
- スーパーロボット大戦F
- 上記の「ネルフ襲撃」においてブライトのシンジに対する「修正」が起きる。
- スーパーロボット大戦F完結編
- 「灯火は炎となりて」にてMSを無断でブローカーに売り飛ばそうとしたビーチャ、モンド、エル、イーノの4人を(なお、ジュドーはこの事件には無関与である)ブライトが「修正」するシーンがある。
- また、前シナリオでア・バオア・クーの探索を許可していた場合、「復讐の刃」にてブライトがビーチャ達に「修正」される。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- 選択肢でクワトロが「シャアを名乗りたくない」との選択をすると、原作通りカミーユが「修正」を加える。原作再現イベントだが、隠しフラグとの二択になる為、見る人は少ない。また、そのカミーユもジュドー達がMSを盗んだ事を庇い、代わりにバニングに「修正」された。
- 当然、本来MSを盗んだジュドーが受けるべき罰はこの程度のものではなかったので(上記のビーチャ達の行動も同様である)、それを知って責任を感じたジュドーは借りを返すべく仲間になる。
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 原作の流れからゼロの正体がルルーシュであることをがZEXISのメンバーに発覚。この場は扇の判断(IFルート分岐の選択からの流れ)でその場を沈め、改めてルルーシュの口から全ての真相を伝えた。
- しかし、なおも迷走するルルーシュにカレンがルルーシュをゼロの仮面を付けた上でZEXISメンバーの前で「修正」を加える。もっとも、ルルーシュを「修正」できる人物はカレン以外適任者が全くいない、という事情も有る。
- その他にも、ジェラウドがユーサーへの不敬な発言や無断出撃をしたウェインを「修正」する場面がある。
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 第18話でブラックオックスに対し、正太郎が素手で修正を加えた。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦A
- 序盤のリアル系シナリオにおいて、無断出撃したDチーム3人と男主人公に「修正」が行われる。さすがのブライトも、女主人公には手は出せなかったか。
- 中盤の分岐におけるギガノスとの決戦後、理由はあれど一時的に敵側に所属したケーンに対し、示しをつける為にブライトが「修正」する。
- その後、リンダに救急箱を持たせるあたりは、ブライトらしいが。
- スーパーロボット大戦D
- 無断出撃したウッソに対してオリファーが「修正」を加える。原作再現である。
- スーパーロボット大戦W
- 第1部でブレスが独断行動で仲間を危機に晒したカズマを2回殴って修正しスペースマンの心得を説いた他、第2部ではカズマが自軍復帰の際に1年にも渡る音信不通で家族を心配させた事を理由にシホミより修正を受ける。SEで判断するに、鉄拳制裁である事が伺える。
- スーパーロボット大戦UX
- 脱走した一騎が自軍に戻った際にシンから「修正」される(というか、脱走した時から「修正」する気満々である)。その後「少しは周りに頼ることも覚えろ! 俺たちは、皆で戦ってるんだからな!」と言っているのでシンが本当に心配していた事が伝わる。(インターミッションでも誰よりも案じている)さらに、これでケジメがついたので、他のUXメンバーからも許される粋な計らいである。更に、一騎もシンの言葉を受けて大きく成長してくれる。
- 一騎は過去の過ちを「どうして誰も自分を咎めてくれないのか」「誰でもいいから思い切り叱ってほしい」と悔やみ続けており、総士とのクロッシングとこのイベントで過去が完全に精算されている為、近作における「修正」の規範のようなイベントになっている[4]。
- なお、このイベントではルナマリアが一貫してシンの宥め役となっており、「勝手な行動を取った子供を鉄拳制裁する父親と、それを宥める母親」という印象を持ったプレイヤーも多かった。
魔装機神シリーズ
- 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
- シュテドニアスルートにてロヨラに父・カークスを愚弄された事で暴走して味方を危機に曝したレミアをヤンロンが「修正」するシーンがある。
単独作品
- 新スーパーロボット大戦
- 宇宙編の後半、ブライトがリュウセイ・甲児・忍に行う。
- スーパーロボット大戦GC(XO)
- ジャブローにてアムロが昇格云々のイベントにて連邦士官に対して文句を付けたときにDチームが便乗して騒いだ為に激怒した連邦士官に4人とも「修正」される。
- 忍は褒めていたが、アムロは「僕は巻き込まれただけですよ」とボヤいていた。
- もっとも、殴られる直接の原因が変わっただけで最初にアムロが文句を付けたのが事の発端なのは変わらないため、どの道原作と同様に殴られていたと思うが…。
- また、中盤の北米レジスタンスからジュドー達がMSを盗むシナリオでは、その後カミーユに彼等が「修正」される。
関連作品
- バトルコマンダー 八武衆、修羅の兵法
- 特訓から逃げ出したピースに修正を行う「根性を叩き直す」というコマンドがある。使えばピースの根性値を高められるが、HPが減少する。
- バトルロボット烈伝
- オリジナルキャラであるリットン少佐が、ショウやカミーユに行う。
- 敵側ではゲラバがホーラやギャブレーに殴られていたが、これは修正というより単なる八つ当たりである。
- リアルロボット戦線
- カミーユが、原作同様「修正してやる!」というセリフと共にアムロに行う。
関連人物
- ブライト・ノア
- 原作でアムロを「修正」した事で有名だが、『F』においてはシンジを「修正」した。
- アムロ・レイ
- ファーストガンダムでブライトに「修正」され、名言を残す。『F』のシンジ「修正」イベントでシンジをネルフに連れていったのは『逆シャア』設定の彼であり、感慨深い物がある。
- 碇シンジ
- ブライトに「修正」される、というクロスオーバーをした。
- カミーユ・ビダン
- ハロを修理してミーティングに遅れた事でウォン・リーに「修正」を受ける。
- また、カミーユ自身もシャアを名乗らないクワトロに対して「修正」を行った。
- クワトロ・バジーナ
- こちらはカミーユから「修正」される。「修正」シーンのやりとりで、名言(迷言?)を残す。
- ウォン・リー
- カミーユを「修正」をした事で有名。もっとも、これにはウォンなりに、カミーユの増長を心配しての事でもあるのだが。
- また、カミーユと同様にジュドーも「修正」しようとしたが、返り討ちに遭っている。
- カツ・コバヤシ
- ガンダムMk-IIに乗って無断出撃した事により、養父のハヤトから「修正」を受ける。
- しかし、ハヤトの修正も虚しく宇宙に上がってからも(特にサラ絡みで)独断専行を起こす悪癖は最後の最後まで治らず、それが命取りとなってしまった。
- ハヤト・コバヤシ
- 無断出撃という、組織の統制を乱しかねない行いをした養子のカツを「修正」している。
- アスラン・ザラ
- 民間人救出の為とはいえ、既に抵抗力を失った地球連合軍の基地にモビルスーツで一方的な攻撃を行ったシンに対して、自らが力を持っている意味を自覚させる為に「修正」している。
- しかし、口下手で信頼関係が軽薄な事も祟り、シンの方は民間人を救った事に得意気になっていた為に、開き直られてしまうだけとなった。その後も、シンには言葉で理解させようとしているが、結局シンはアスランの言葉を頑なに聞き入れようとはしなかった。
- シン・アスカ
- 上記の行動からアスランに二度も修正を受ける。しかし、シンにとってアスランは「気に入らない存在」でしかなかった為に、ただ反感を募らせただけとなり、その後は諭されても考えを頑なに変えようとはしなかった。
- 結局その後、デュランダル議長の策略も有って、シンはアスランの言葉を殆ど聞き入れる事は無く溝を深めていく一方となり、後にステラの意識と邂逅する事でようやく自分自身を見つめ直す事になった。
- 一方で、原作終了後の設定で参戦したUXでは前述の通り修正する側に回っている。
余談
- 劇中ではその場で流されがちな事であるが、現実世界では「修正」は暴力行為であり傷害罪等に問われる可能性が有る、れっきとした犯罪行為である。たびたび問題視される学校や企業等で起きる「いじめ」「体罰」「パワハラ」に置き換えると理解しやすいと思われる。
- そもそも、相手に対して反省や改心、および奮起を促すのであれば、相手が理解できるように、あくまでも言葉で伝えていくべきであろう。
- 『劇場版 機動戦士Zガンダム』では、上記の事を憂慮した故か、エゥーゴ側キャラのTV版での「修正」シーンが削除されている。その一方でティターンズ側の理不尽な暴力シーンは、敵側であることを強調する為か、カットされなかった。
脚注
- ↑ 逆に、年下のカミーユが年上のクワトロに「修正」を加える事態も発生しているが。
- ↑ 上記の『機動戦士ガンダム』にてブライトがアムロに行った「修正」のオマージュで、『新世紀エヴァンゲリオン』の監督である庵野秀明監督の発案である事も知られている。
- ↑ 例えば『第3次スーパーロボット大戦α』にて三輪長官がアラスカ基地で一矢に行った一方的な暴力は、ほぼ「修正」の本来の目的を逸脱した私怨によるリンチであるといっていい。
- ↑ ちなみに、原作では一騎は「殴られる事無く独房送りにされる」に留まっている為、原作の設定を知るユーザーや視聴者からすれば、シンの存在が一騎にとってどれほど救われるか知る事になるだろう。