ロジャー・スミス

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ロジャー・スミス(Roger Smith)

THE ビッグオー』、『THE ビッグオー 2nd SEASON』の主人公

パラダイムシティでも指折りのネゴシエイター。世間から黒いメガデウスと呼ばれるビッグ・オーを操縦するメモリーを持つドミュナス(操縦者)。かつては軍警察に在籍していた事もあり、その手のコネには強い。ダストンはその時の上司である。

劇中では凄腕の交渉人と言われている割に、成功率は6割程度。ビッグ・オーを持ち出して力ずくで解決する事が多いため「交渉しない交渉人」などと呼ばれることもある。しかし、ベックアレックスなどロジャーを利用するか陥れる前提で接触を図ってくる者、シュバルツ・バルトのような無茶すぎる依頼、イールを初めとする異形の怪獣といった事情のせいでもある。相手が誠意を持って交渉に応じる相手ならば意外と成功率は高く、漫画版では、学校の立ち退き問題でパラダイム側のネゴシエイターと対決し、その手腕に感服させるシーンなどがある。

性格は一見紳士的でクールに見えるが、実際はかなり短気で頑固者でお人好し、しかし女性と老人は大切にする…と人間味に溢れるエセ紳士である。
様々な拘りを持つが、中でも黒に強い拘りを示す。車や服……果ては家人の服まで全てを黒色でコーディネイトしている。
苦手な物は地下とトマト、バーコードで、過去にトラウマがある。漫画版だとべックもトラウマ。トマトに関しては彼がトマト(元老院議員のクローン人間)だからだと思われたが、終盤にて否定されたので単に好き嫌いなのかもしれない。しかし、トマトのメモリーをなぜか持っており、彼がトマトだという暗示だったと思われる。そして、それ故にトマトが嫌いなのかもしれない。バーコードに関してもトマトと同様。テーブルナイフのギザギザ部分を見たり、ビッグ・オーのディスプレイに少し表示されただけで茫然自失に陥った。

作中で最も謎の多い人物であり、130kgもするドロシーを軽々と抱えたり、垣間見た本来の歴史や別の歴史では浮浪者、死人であったり、何人もの「ロジャー」が存在するかのような描写、更には工場で大量生産されている(名前からしてRoger Smith、つまり「R・スミス」である)など、人間かどうかも疑わしい人物である。これらの謎は暗示こそされているものの最後まで明らかにされておらず、視聴者の判断に任せられている。

登場作品と役柄

Zシリーズ

スーパーロボット大戦Z
初の声付き(宮本氏はこれがスパロボ初参加)で登場。ネゴシエイター特殊技能として実装され、他ユニットの修理費を0にするZEUTHの切り札。最初からガードを持っており、ビッグ・オーもシールドを持つ為に驚異的な硬さを誇るが、ブロッキング底力が無い為、防御面を高めたいのならばパイロット養成が必要。ガードだけで事足りると思うなら、攻撃に偏重した育成をするという手もある。
隊長能力クリティカル率+30%、精神コマンドを覚える……と、高い攻撃力を持つが、ビッグ・オーは対空面に弱点を抱えているので、優先的に強化パーツを付けた方が良い。後半、ビッグ・オーのサブパイロットにドロシーが加入するので、ビッグ・オーの弱点もカバーできる。
D程ではないが交渉成功率は低い上に、今回もドロシーから服装について最低の烙印が押されている。終盤ではコペルニクス会談の進行役を任されている他、作中でも最重要の存在との交渉を行う事になるキーパーソン。彼の選択によりENDポイントが-15されてしまう場合がある為、エンディングを大きく左右するキャラクターになっている。ちなみにどういうわけか、戦う機会のない万丈に対しての戦闘台詞が存在する。
第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
他のZEUTHメンバーに数話遅れて合流。既に各地で新帝国インペリウムが破壊の限りを尽くしていたため、ネゴシエイターとして活躍の余地はなかった。ZEXISのメンバーにZEUTHのメンバーを紹介をするのもロジャーの役目。パイロットとしての基本能力に変化はないが、エースボーナスでネゴシエイターのスキルが強化される。反面、ファイナルステージを撃てないので攻撃力は低下。
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
ドロシーと一緒の汎用新カットインが追加された。黒の騎士団ルートではゼロの正体へと辿り着き、更には万丈と共にシャーリーを助けるなどの活躍を見せる。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦D
初登場。原作再現は殆どされないが、出番は多い。ザンスカール帝国ズール皇帝との交渉に失敗するなど、残念な事に原作以下の交渉成功率を誇るが、展開上、当然とも言える。しかし、ネゴシエイターとして無能という風には描かれておらず(そもそも、超一流のネゴシエイターだったからこそリガ・ミリティアに雇われた)、序盤ではトレーズとの交渉に成功してリガ・ミリティアとOZトレーズ派の地上部隊の共闘路線を確立し、さらにトレーズからの依頼でOZの反トレーズ派の地上部隊の8割との交渉を成功させたと発言しており、後の展開から残りも交渉に成功したと思われる。彼がいなければノヴァンブル条約の実現には時間がかかっていたのは間違いなく、ブルー・スウェアの陰の立役者と言える。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

ビッグ・オーに合わせたかの能力で射撃格闘両方ともこなせ、防御も高い。また、スーパー系にしては技量も高め。地形適応の適応は低め。

精神コマンド

スーパー系向きの精神コマンドを取りそろえる。Zシリーズではを持つ。

D
必中不屈鉄壁熱血気合覚醒
Z
必中不屈気合直撃
第2次Z
必中不屈気合直撃覚醒

特殊技能(特殊スキル)

底力援護攻撃援護防御シールド防御ネゴシエイターガード戦意高揚
Zシリーズから実装された、ロジャー専用特殊能力「ネゴシエイター」を持つのが特徴。なお、発動条件は「ロジャーと戦闘すること」なので、再世篇でのバサラの歌に対しても発動する。激しい曲調の音楽は嫌いなんだろうが、そんなことしたら熱心なファン達の怒りを買うのは確実だろう…。また、底力はD以外デフォルトでは所持していない。第2次Z再世篇に至ってはスーパー系の主役陣で唯一人底力を持っていない。そんなに底力出すのが嫌か。

小隊長能力(隊長効果)

Z
クリティカル率+30%

固有エースボーナス

第2次Z
特殊スキル『ネゴシエイター』の気力低下-5。

人間関係

R・ドロシー・ウェインライト
とある事件の依頼主。依頼料を払うアテがないので、ロジャー邸に住み込み依頼料を返す事に決め、ノーマンの後押しもあり、無理矢理住み着く。ロジャーは彼女の人間の常識をはずれた感性に辟易しているようだが、一方で、共に生活する中での見せだした変化に興味と喜びを感じている節がある。肉体的にも精神的にもまず恋愛関係たりえないが、彼女を喪失した際にはロジャーは激しく落ち込みを見せ、日頃の掛け合いなども見ると、少々凸凹だが、無二のパートナーであると言える。
エンジェル
1stシーズンでは互いに利用しあう側面が強かったが、2ndシーズンでは協力しあうことが多く、最終的に恋愛に近い関係になる。ロジャー最大の仕事の相手でもある。
ノーマン・バーグ
執事であり、ビッグ・オーの整備担当でもある。
ダン・ダストン
軍警察時代の上司で親友。時折、軍警察の体質や現状に対する愚痴を言いに、度々ロジャー邸に訪問する。ロジャーはあまり昔の話はしたくないようだが、互いに、酒を呑む際の最良の友人ではある模様。
ビッグ・イヤー
パラダイムシティの情報屋。酒場に居つき、報酬と引き換えにロジャーに情報を提供する。付き合いは長い模様。
シュバルツ・バルト
過去に固執する事をよしとしないロジャーに対し、過去に絶対的な真実を求める彼とは根本的に思想が食い違う。好敵手という程交戦を重ねているわけではないが、ザ・ビッグの操縦者として対決は避けられない関係である。
ジェイソン・ベック
好敵手……というより、犬猿の仲といった関係。漫画版では敵同士でありながら共に酒を酌み交わす仲だったが、後に「ある出来事」をきっかけに彼の存在がトラウマと化す。
アレックス・ローズウォーター
『2nd SEASON』にてロジャーと本格的に対立する。黒を基調にした紳士服、セダン、そしてビッグ・オーの持ち主であるロジャーに対し、彼は礼服、オープンカー、そして愛機のビッグ・ファウ、共に白を基調としている。
アラン・ゲイブリエル
『2nd SEASON』から登場。ロジャーに対して異常な憎悪と殺意を抱いており、彼を苦しめるためなら手段を選ばない。
R・インストル
Act:06ゲスト。ビストロ「アマデウス」でピアニストをしているロジャーの顔なじみ。天才科学者アマデウスが作り上げたアンドロイドであり、繊細なタッチで鍵盤を弾く奇跡の指の持ち主だが、彼のメモリーには秘密が…。

他作品との人間関係

スーパー系

ダイナミック系

デューク・フリード
Dでは異星人でありながらペルフェクティオとの戦いに同行する彼に感心し、フリード星絡みの交渉を最低限の必要経費のみで引き受けることを約束した。…必要経費だけでかなりかさみそうだが。
独眼鬼
Zでは依頼主だったがクビにされてしまう。ちなみにロジャーはそうでもないが、独眼鬼の方には十分な伏線になった。

富野作品

神勝平
Zでは親しいのだが、割と彼に小馬鹿にされる場面もチラホラ。ある場面にて彼に「へぼネゴシエイター」と罵声を浴びせられる場面も。
キラー・ザ・ブッチャー
Zでは彼と初めて対決した際、勝平から彼らガイゾックの非道ぶりを聞いていたので「知性の欠片も感じない輩」と容赦なく罵倒した。
破嵐万丈
色々と似た者同士。ZSPDではバトルシアターのみ、彼との特殊戦闘台詞が存在している(後述)。

その他のスーパー系

クライン・サンドマン
Zでは色々とウマが合い、仲が良い。そしてドロシーにロジャー共々最低の烙印を押されてしまう。

ガンダムシリーズ

宇宙世紀ガンダムシリーズ

シャア・アズナブル
Dではトレーズとマックスも交えてオールバック紳士仲間。色々と頼りにされるが、時にはがっかりされる事も。
パプテマス・シロッコ
Zでは彼に「女性の口説き方がなっていない」と皮肉を言う。
ヤザン・ゲーブル
ベック役の大塚氏が演じているため、Zでは声優ネタで「声を聞いていると不愉快になる」と言われる。
クロノクル・アシャー
Dではリリーナと共に彼に交渉するが、「ロジャーの話術は胡散臭い」と信用してもらえなかった。
ドゥカー・イクアルベオ・ピピニーデン
Dにおいて停戦を申し出るロジャー達に対し、マリア主義を独り善がりに押し通し、停戦をしようとしない彼らに激怒していた。

アナザーガンダムシリーズ

トレーズ・クシュリナーダ
Dにおける交渉相手にして、雇い主。そして、共にドロシーから服装の趣味について最低の烙印を押されている。
リリーナ・ドーリアン
Dでは共に交渉に赴いたりする。彼女の単刀直入な交渉術にロジャーは頭を痛めていた。
フィクス・ブラッドマンザイデル・ラッソ
ZではD.O.M.E.にて言い争う彼らの姿に、「政治のトップに立つ人間でありながら知性が感じられない」と厳しく断じた。

正暦作品

ロラン・セアック
純粋で真っ直ぐな彼に対して、「私は黒が好きだが、君のような人間にはやはり白が似合う」という言葉を送り、「黒と白の競演」を果たした。
グエン・サード・ラインフォード
Zでは彼に対して好意的だったが、終盤の彼の行為には失望していた。ZSPDでは万丈と共にある用件で彼を訪ねる。
ギム・ギンガナム
Zでは彼にそれなりの敬意を表してか御大将と呼ぶ。他作品キャラで彼を御大将と呼ぶのはロジャーだけである。

ガンダムSEEDシリーズ

ユウナ・ロマ・セイラン
Zでは彼の「ジブリールはオーブにいない」という言い訳を酷評する。

リアル系

富野作品

アスハム・ブーンケジナン・ダッド
Zではシベ鉄の線路を勝手に使用したりバザーで値切りまくっていた為、彼らに「ブラックメン」と呼称され、要注意人物扱いされている。

その他のリアル系

オルソン・D・ヴェルヌ
Zにおいて彼にと密会するための交渉を依頼された。
マシュー
Zにおいて、ロジャーの紳士の定義を知りたがる。
マオ
第2次Z破界篇終盤で、エリア11を訪れたロジャーを挑発。流石のネゴシエイターも彼の能力の前には対応できなかったが、それでもその後に彼を「何らかの方法で相手の心を読むことが出来る」者であるという推測を即座に立ている。
ユーフェミア・リ・ブリタニア
直接面識はないが、テレビ中継で「行政特区日本」設立の提唱をした彼女を高貴で信頼できる人物と評価した。それ故、彼女が日本人虐殺命令を下したときは驚愕したが、それでも自分の見解を信じ、彼女に何か異変が起きたことを感じ取っており、第2次Z再世篇では推測レベルではあるが他人を操るギアスの存在に自力で辿り着く。
シャーリー・フェネット
第2次Z再世篇では展開次第で万丈と共に彼女の命を救う。
ロロ・ランペルージ
再世篇では展開次第で彼のシャーリー殺害を阻止し、彼に説教を行う。

バンプレストオリジナル

ランド・トラビス
彼が記憶喪失になった頃からの縁。酒飲み仲間でオッサン仲間(恐らくロジャーは否定する)。
セツコ・オハラ
ランド同様に記憶喪失になった彼女を保護している。
レーベン・ゲネラール
エーデルへの忠誠心を声高に叫ぶ彼を「最早病気の質」と評する。
黒のカリスマジ・エーデル・ベルナル
パラダイムシティにて、彼の挑発めいた言葉を毅然と撥ね付けている。
ノワール7
彼らの生き様に大きな感銘を受ける。
クロウ・ブルースト
第2次Z破界篇ではスフィアの脅威に怯む事無く、「借金返済の為に戦い続ける」と断言した彼に半ば呆れながらも、「誠実な男」と賞賛した。…が、彼の借金エピソードについては完全に話の種扱いにしている(さすがにトライアに無理矢理200万Gの借金を背負わされたのを目の前で見た時には絶句していたが)。
アイム・ライアード
第2次Z破界篇より時空振動でべック共々ZEXIS世界に飛ばされてきた当初は彼によって保護されていたが、後にその目論見を看破し袂を分かつ。ロジャーの言動は、アイムに明確な屈辱を与えた模様。
再世篇終盤では大技「ファイナルステージ」をアイムの駆るアリエティスにぶつける。

名台詞

THE ビッグオー

(私の名は、ロジャー・スミス。この記憶喪失の街には、必要な仕事をしている)
Act:01、スモッグ立ち込めるパラダイムシティにて。愛車を走らせ、取り引きの場に向かうロジャーのこの独白で物語は始まる。
「これは取引だ。違うか?フェアな取引は、お互いの札を見せ合うことだ。ミスター・ベック」
Act:01、ドロシーを人質にするべックを前にし。
「やれやれ、こらえ性のないクライアントは困る」
「これであなたは自由だ。もっとも、あの父親の前では、いささか不自由でしかないようだがね」
(交渉の元には誠意というものが必要だ。今回のケースでは、双方にそれが欠如していた。ネゴシエーションとは、プロとプロが交わすべきもの)
「犯罪者も、プロたるべきだと思わんか?ノーマン!」
自宅に戻り、ネクタイを外した後、八つ当たりのごとくノーマンに渡して。
ドロシー「お返しとかしないの?」
ロジャー「気楽に言うな。いちいちミサイルを持ち歩かないんだ、私は」
Act:01、ソルダーノを看取った後、ベックの一味に襲撃された時の掛け合い。この掛け合いの後、ロジャーはドロシーを囮にし、腕時計で愛車である黒のセダンを遠隔操作、内蔵されていたロケット弾を発射する。
ドロシー「どうするの?」
ロジャー「決まっているさ。契約通りに姉上を取り戻しにいく」
ドロシー「クライアントはもう死んだのよ」
ロジャー「生きていようと死のうと契約は全うする、それが俺の流儀だ。それに…」
ドロシー「それに?」
ロジャー「たった今、君と契約することにした」
Act:01、『お姉様』ことドロシー1がパラダイムシティに出現し、セダンで向かう際の掛け合い。ロジャーの仕事に対するプロとしてのプライドが感じられる。まるでゴルゴ13みたいである。ちなみに、なぜかこの場面では一人称が『私』ではなく『俺』になっている。
「新人か。私の顔くらい覚えておいて損はないぞ」
Act:01、通路封鎖する軍警官に対して。いくらロジャーが元軍警察とは言え、顔パスにも限度がある。
「ビッグ・オー!ショータイム!!」
この台詞でビッグ・オーが地面から出てくるのは定番である。
「ビッグ・オー! アクション!!」
ビッグ・オー起動の際の台詞。これも定番である。
「命の恩人に礼儀知らずだな」
Act:02より。ドロシー1との戦闘終了後、ビッグオーを連衡しようとする軍警察に対して。この台詞の後、ディスプレイでしっかりと昼食の用意をしているノーマンの姿にも注目。
「勇敢なる軍警察も、地下は怖いとか?」
ビッグ・オーから降りて飛ばされた軍帽を投げながらダストンに軽い皮肉を言うロジャー。軍帽をかぶりながら、「地下のメモリーを持っている奴を見つけ出してやる」と言い返す彼の態度にロジャーはやれやれ、と苦笑するのだった。
(この街は、記憶を失なった街。地下にはかつて、交通機関があったらしいのだが、今地下にいるのは亡霊だけだ。迷い込んだら、二度と外には出られないと恐れられている迷宮…私はそれを利用している)
パラダイムシティの地下鉄を利用し、ビッグ・オーを輸送する際の独白。
「ドロシー、目を覚ますんだ!君がドロシーなんだ!君自身でいろ!!」
べックの策略で強制的にドロシー1の動力回路にされたドロシーを救い出す際の台詞。ビッグ・オーから降り、生身で回線チューブを引き千切りながらロジャーはドロシーに呼びかける。
「自分で言っただろ?『私を守れ』、って」
捨て身でドロシーを救い出したロジャー。Act:01にて、「生きていようと死んでいようと契約は全うする」と言った彼の流儀は決して口だけのものではない、と言える場面だろう。
「ネゴシーエションの相手に値しない者は、こうするまでさ」
ドロシーを利用したベック一味に対し、ロジャーはサドン・インパクトの応用で一味が乗っているワゴンごとダストンら軍警察に引き渡す。
ロジャー「この家には、ルールがあるんだドロシー。ここにいるなら、それを一つずつ守る義務がある」
ドロシー「どんなルール?」
ロジャー「その1、この家にいる者は皆、服は黒い色を着る
Act:02ラスト、ロジャーは契約金を払う目的で自宅に住み着くことになったドロシーに対し、当家のルールを守るように言う。
太字の部分に対し、ドロシーは無表情で「最低だわ」と呆れるのだった。
「そのラインは見覚えがある。人を利用していただけなんだな、ミス・ケイシー」
Act:03、ピンクのライダースーツ姿で現れたパワーマネジメント社の女性ケイシー・ジェンキンズ=エンジェルとエレクトリック・シティの地下で再開した時に。
「……とんだ堕天使だ」
実はパワーマネジメント社の人間ではなかったエンジェルに対して呆れるロジャー。なお、彼女が逃亡する際にもこの台詞を言うが、その時のロジャーの表情は苦笑いであった。
「ドロシー、君は怖さなんかを感じる必要はないんだ」
Act:04、アーキタイプにメモリーが反応して怯えるドロシーに対して。
「お前が何者で、いつか、どこからここに来ているのかは知らないが、少なくとも神ではあるまい!!」
Act:04、アーキタイプと対峙する際に。
「ドロシー、よく見ていたまえ!あれは、君とは無関係のバケモノだ!!ビッグ・オー、お前の仲間でもないぞ!遠慮する事はないっ!!」
Act:04、ロジャーはこの台詞でドロシーとビッグ・オーを鼓舞しながら、ミサイル・パーティーでアーキタイプを破壊する。
「依頼人が上等なスーツを着ている場合、大抵が似たような態度を取る。特に、弁護士という人種は最悪だ」
「この屋敷にはいくつかルールがあってね。礼儀と誠意…まずそれを欠いた人間にはお引取り願う事にしている
人工の自然と太陽の光に満ちた都市・イーストタウンから来た、Act:05の依頼人である弁護士リック・フレイザーに対し、ロジャーは自身の拘りを言う。
「この街にもいつか太陽が昇る…そう信じている若者は素晴らしい」
Act:05ラスト、リックの弟であり、行方不明だった軍警官のボニーの生存を確認、フレイザー老婦人の元に送り届けた後、ダストンに向けて。
(私は、爽やかな寝覚めを、とても大切な事だと考えている。だが残念な事に、彼女の極端すぎるレパートリーはその妨げでしかない。だったら…)
Act:06、ドロシーの極端かつ激しいピアノの演奏にとうとう堪忍袋の緒が切れたロジャーは自身の拘りを込めた独白と共に、彼女を旧友であるR・インストルのいるビストロ『アマデウス』へとベンツを走らせる。
「確かに彼のピアノは、君の弾くピアノほど譜面に正確ではない。ただ…」
「譜面に誠実なんだ」
ドロシーがR・インストルの弾くソナタを聞き入る時、ロジャーは彼の演奏の特徴を説明する。
「パラダイムに捨てられたのは、君の父親じゃない。君の父親を殺した男だ。そうだろう?ギーゼング!」
アマデウスの助手だったギーゼングの策略により、インストルは巨大ロボ・コンスタンスの起動用ユニット・インストルメントにされてしまう。パラダイム社への復讐のためだけにインストルを利用せんと企むギーゼングに対し、ロジャーは静かに怒りを燃やす。
「インストル!アマデウスはけして、君を起動用のインストルメントとは考えていない!だったら君を、人に似せて創ったりしない!」
ピアニストではなかった自身の真実を悟り、絶望するインストル。悲しみと共にコンスタンスを走らせ、アマデウス社を破壊せんとする彼にロジャーは説得を試みるが、頑なに閉ざされた彼の心には届かなかった。
「ドロシー!君との契約は、必ず果たそう!!」
ロジャーはインストルを力づくでも止めようとビッグ・オーを召還する。
コンスタンスのパナソニック・マシンの超振動に苦戦するものの、インストルのレッスンによるドロシーの演奏によりコンスタンスは動きを止める。ロジャーはドロシーと交わした契約『インストルを救い、彼のような演奏をする』を果たすため、ミサイル・パーティでコンスタンスのパナソニック・マシンを破壊する。
(私は、爽やかな寝覚めをとても大切にしている。そしてここ何日かは、とても爽やかな寝覚めを迎えていた)
(インストルの指は、アマデウス以外の誰かではけして手をつけられない関与だった。そのインストルに、ピアニストとしての記憶がある。それこそが…)
Act:07ラストの独白。かろうじて両腕部が修復されたインストルはドロシーによるリハビリの助けもあって、再び繊細なソナタを弾けるように戻る。しかし、午後1時になった途端、いつものようにドロシーの激しいレパートリーが響き、爽やかな寝覚めを楽しむ時間はあっさりと終わりを迎えるのだった…。
「生きるということは、なりふりかまわないことじゃないのかな?」
Act:07、深海に沈んだ摩天楼のある一室で、エンジェルと共にマリンスノーを眺めながら。
「海の神!この中にどんなメモリーが眠っていたかはわからないが、それを利用する者は、私の敵だ!!」
Act:07、ダゴンをサドン・インパクトで破壊する時に。
「猫は貴重な生き物だ。ある意味、私や君よりも価値がある。それを捨てるなど考えられない。飼い主に返す事がベストだ。情が移るほど…」
Act:08、捨て猫であるペロを飼い主に返すよう、ドロシーに促すロジャー。しかし、台詞を言い終える前にドロシーに「あなたが飼い主に交渉して」と言い返されてぐうの音も出なくなるのだった。
「ドロシー…ネゴシエイターの基本は、まず相手の気持ちを尊重する事なんだ。つまり、今回のケースでは、その意味でも…」
ペロの飼い主を名乗るフェリー夫妻。ロジャーは彼らと交渉した後、ドロシーにペロを引き渡すように言う。しかし…
「私の主義に反するが…仕方ないな!」
ペロとドロシーを攫った生体科学者ユージーン・グラントのアジトに潜入時、警報装置がエンジェルに反応し、警備兵が襲い掛かる。このロジャーの台詞はエンジェルに拳銃を手渡された時のもの。
エンジェル「あくまで人を撃たないわけ?」
ロジャー「それが紳士というものだ」
エンジェルからの拳銃を手にしつつも、火災報知器を狙い、警備兵を素手で気絶させたロジャーとエンジェルの掛け合い。
ロジャー「では、誰かがこれを売ってほしいと言った時、あなたが今の値段を言ったとしましょう。すると、相手は喜んで金を払う。あなたはどう思います?『しまった。もっと高い金額を要求するんだった』、とね…そう思うに違いありません」
ワイズ「むう…」
ロジャー「どうです?誘拐犯も同じです。犯人の要求を鵜呑みにする限り、息子さんは永久に開放されません」
ワイズ「では、どうする?」
ロジャー「値切るんです。値切って値切って、息子さんには『たったこれだけの価値しかない』と犯人に思わせるのです。犯人はプロだ、商品を傷つけることはしません。それが、フランシスを助け出す唯一の方法です」
ワイズカンパニー総裁ダンディ・ワイズの一人息子にして次期グループ総帥候補のフランシスを救い出す際、身代金を商品の値段に例えて、10万ドルの黄金の像を見ながらネゴシエイトの仕方を彼に伝える時に。
なお、ロジャーが提案した計画は、彼の存在に気づいたベックが計画変更したことにより、あっさりと潰されてしまうのだった。
「チンピラが…私の忍耐にも限度というものがある」
Act:09、ベックビクトリーデラックスの頭部コックピットを握りながら、べックがドロシーを利用した事に激怒するロジャー。それでも殺さずに軍警察に突き出すのはロジャーなりの紳士のたしなみか。
「私のへそ曲がりに意味などない。君にはわからない感情だよ」
Act:11、パラダイム社の創設記念日でもあるヘブンズデイに沸き立つ街並みに不快感を隠しきれないロジャー。
ネゴシエイションの帰りに偶然会ったドロシーに「ヘブンズデイは嫌いなの?」と問われてこの台詞を言う。
(老人達は、それが何を讃える歌なのかも知らず、しかしあの楽譜を歌っているという。時折出会うメモリーのかけらは、余計な事を思い起こさせる)
この街で幸せを感じようとするなら、ふと現れるメモリーに抗わない事…ロジャー・スミスの法則)
Act11、パラダイム社に突き出された脅迫文と共に出された、光照らす小屋と木の絵の楽譜。ロジャーはかつて教会だった廃墟にてその絵に似たステンドグラスを見ながらこの独白を言う。太字はロジャーの自宅にて。
「チャンスは自分で掴むものだ。アーティストなら」
路上ライブの傍らで清掃車のバイトで生計を立て、恋人のローラのためにプレゼントを買おうとするオリバー。ある晩、彼はバイトの帰りにサンタの服装をした老人に緑の宝石・デモンシードを手渡されるが、盲目のローラには意味がないものだった。
オリバーは高値でロジャーにこの宝石を引き換えようとするが、ロジャーはこの台詞で拒否した。
青春…それは、ふりかかる現実を有り余る勢いで押し切る事
オリバーに対して、サックスの才能がないと言い切ったドロシーに告げたロジャー・スミスの法則その2。
ちなみにその1は前述の独白で述べているので、ドロシーには意味不明だったりする。
「私への報酬のはずはないか…」
Act:12、アレックス・ローズウォーターの秘書にまで上り詰めたエンジェルからマイクル・ゼーバッハ(=シュバルツ・バルト)宛ての退職金を手渡された時に。その一般社員が受け取れると思えない高額さにロジャーは苦笑するのだった。
「雨の中、傘をささずに踊る人間がいてもいい…自由とはそういうことだ!」
ビッグ・オー!!ショータイム!!
1stシーズン最終話であるAct:13ラストより、R・Dとの邂逅の後、異国のメガデウスであるカルノー、フーシェ、ロベスピエールと対峙しながら言った台詞で、自由という抽象的なものを的確に表した名言。ロジャーのこの力強い叫びと共に物語は一旦幕を閉じる。
なお、この台詞はZにてジ・エーデル・ベルナルに対しても放たれており、この前後の会話におけるロジャーの返答はジ・エーデルにも予想できないものであった。なお、元ネタはミュージカル映画の傑作として知られる『雨に歌えば』(ちなみにこの映画自体、1920年代のアメリカのポピュラーソングを元ネタにしたもの)である。

THE ビッグオー 2nd SEASON

「これが私の答えだ!人は、記憶に支配されて生きる者では、ないっ!!」
Act:14、カルノー、フーシェ、ロベスピエールと交戦する際に。しかし…
「この私は…誰だ!?」
戦いの最中、ロジャーはパラダイムシティの真実、40年前の出来事、自分自身の存在意義に疑問を感じてしまう。そのメモリーに対する恐れが頂点に達した時、コックピットだったものがトマトの山に変化し、そして…。
(ここはどこだ…?私の知っているパラダイムシティではないのか…?)
(私はなぜここにいる…?私は、戦いをしていたはず…)
異国のメガデウスとの戦いの最中、意識を失ったロジャーは現代のニューヨークに似た街に迷い込み、パラダイムシティではない場所をひとり彷徨う。
(ここは私の知らない街だ。私のみすぼらしい服はまるで流行遅れの形…いや、逆なのかもしれない。いずれにしてもここは、私の知らない時間。私の知らないメモリーだ。私は…何者なのだ…?)
(軍警察で、ダン・ダストンの部下として、パラダイムシティの治安を守る仕事に私は最後まで誇りを持つことができず、ある事件を契機に、私は軍警察を去った。その私が彼…ビッグ・オーに出会ったのは、そのすぐ後のことだった)
かつての家だった銀行から追い出され、浮浪者として夜の街をさ迷い歩くロジャーの独白。スラム街の路地裏からスポットライトが当たり、劇場に似た場所となる。
「大いなるO…。ビッグ・オー…」
劇場に似た場所での回想シーンにて、ノーマンの口から初めてビッグ・オーの存在を知った時に呟いた言葉。Oには略号として「原点」「正規の」「特大」などの意味がある。また、日本語の「王」とかけられているのかもしれない。
(ビッグ・オーは、私を待っていた。だが、それが本当の事であったという証も失った。私のメモリーは、最初から間違ったものだったのか?私は幻の中で、いったい誰を演じていたのだ…?
劇場に似た舞台での回想から新聞の漫画のページに変わり、やがてパラダイムシティでの記憶に変わり、40年前の記憶に変わり…『すべてが幻ならば、自分は何者なのか?パラダイムシティという世界で誰を演じてきたのか?』と、次第にロジャーは混乱してゆく。
「この私…ロジャー・スミスという男の歴史は、至ってつまらないものだった。孤児院で育ち、裕福な福祉課の元に、教育を受ける権利を得て…!メモリー…忌まわしい偽りの足枷!そんなもの…消えてしまえっ!!
存在意義を失ってしまったその言葉と共にゴードン、トマト、クローン、そして認識バーコードのメモリーが浮かび上がる。それすらも偽りだったのか、と己自身を見出せなくなってしまったロジャーはひとり、夜の公園のベンチで慟哭する……
(私がこの街を知らないのと同じく、この街もまた私を知らない。私はこの街にいる価値も意味もない存在でしかない)
(パラダイムシティのネゴシエイター…ロジャー・スミスという名前の男…ビッグ・オーと共になる者…私はそれらを演じる俳優でしかなかった。役を奪われれば、その世界に存在する価値すら…
映画館で『Winter night Phantom』を観た後、雨のチャイナタウンを歩くロジャー。嫌いな人種であるチンピラにどつかれて、みすぼらしい姿がより惨めになる様は、まるで売れない役者のようであった。
「今は何て名前で、どんな役を演じているのかね?エンジェル」
「私の役は、今度は軍人かね?ハハハ…ハッハッハ…ハッハッハッハ…!」
チャイナタウンで軍服姿のエンジェルと再会したロジャー。軍警察とは違うものの、組織に誇りを見出せなかった彼にとって痛烈な皮肉に感じたのか、気でもふれたように笑ってしまう。
「今度はいったい、どんなシーンなんだね?私は軍人か…戦場で罪なき子供に銃を向けるのか?」
地下トンネルを移動するセダンの中で、ロジャーはエンジェルに『今度の役柄』に対する皮肉を言う。
(私はわかった。私が戦うべき相手と、私がずっと怯えていた、私自身の中にある恐怖。私はその存在をずっと認めていなかった)
戦うべき相手を、見ないふりをしてきたのだ!!
セダンの中、地下深くに向かうロジャーは混乱するメモリーの中、不確かなものでしかない、『恐怖』という理屈ではない根源的な感情に支配される。やがて、ふとしたきっかけから、この台詞と共に己自身と戦うことを決意する。
「ドロシー・ウェインライト…私をロジャー・スミスと呼んだな、ドロシー。私は、ロジャー・スミスを演じていいのだな?」
ロジャーの名を呼ぶドロシーの声を聴いた瞬間、彼のいた場所はセダンから街角へと変わる。
「その通りだ、R・ドロシー・ウェインライト。君がそう呼ぶ限り、私はロジャー・スミスなのだ!!」
メモリーの世界と思わしき場所で自分のアイデンティティに悩んだ後、『役柄を失った浮浪者』だった者の衣を脱ぎ捨てて、再び『パラダイムのネゴシエイター・ロジャー・スミス』としてドロシーに対して叫んだ台詞。
(ロジャーの法…この屋敷に黙って通していい客は女性に限る。ルールはルール。確かに、R・ドロシーは法に従っていた)
Act:15の依頼人であるフィッツ・ジェラルドを前にして。なお、当話の依頼は、彼女の夫であるパラダイムの元老院議員であるロスコー・ジェラルドの護衛である(最終的にロスコーはアラン・ゲイブリエルに殺害されてしまうが…)。
「アレックス、あの異国から来た3体のメガデウスで何をしようとしているのかは知らないが、世界を再び暗黒に戻すメモリーを利用しようとするなら、私は断固戦う!!」
Act:16、パラダイム本社にてアレックスと対峙した時に。この台詞に対し「ふん、君に何ができる?君に何の力がある?」と冷笑された後、ロジャーはその答えはこれだといわんばかりに微笑み、ビッグ・オーを召還する。
(お前の求める真実とは、単にお前自身が思い描いていた物でしかないのか?そう考えたほうが、今の私の心を穏やかにさせてくれる。だが……この地下深き所に眠っていたものが、果たしてシュバルツの言う真実だったのか?あのドロシーの自我を奪おうとしたおぞましい物が、メガデウス…ビッグ・オーのアーキタイプだとするなら…)
Act:17、Act:04の回想を交えながら再びパラダイムの地下深くに移動する時の独白。
「ただ名を呼ぶだけの歪な偽者などに、ビッグオーは従わない!」
Act:18より。ベックはロジャーを模した人形を利用してビッグ・オーを海深くに沈めようとするが、人形が海に沈んだ途端動きが止まる。愕然とするベックに、ロジャーは服を調えながらこの台詞でその答えを言う。
「う~ん、ノーマンには悪いが、たまにはこういうのも…うん、うん…どうした?冷めてしまうぞ?」
Act:20、エンジェルと共に立ち寄ったパーラーにてステーキを口にしながら。
「私は運命論者などではないよ。確かに私は、今の私の知らないメモリーによってビッグオーと出会った。だが、それはそれまでの事。出会った後に、私とビッグ・オーがどうするか、何を目的に生きていくかは私自身が決める事だ。たとえ……ハッ!?」
たとえ…私が…トマトの一つだったとしても…
上記の台詞の後、エンジェルに「メガデウスのドミュナスとして生まれた事が自らの運命だとしたら?」と問われた後、この台詞で自身の決心を語ろうとする。が、運命を切り開くつもりで右手のテーブルナイフを構えた瞬間、そのギザギザ部に目が入り、やがてバーコード、そしてトマト=クローンの群れへと変わってゆく。太字の部分で自身の決意が揺らぎだすロジャーに対し、エンジェルは優しくナイフを持つ手を抑えるのだった。
「魂のない機械にしては頑張っているじゃないか。だがこの地上には法がある。このロジャーの法が!!」
Act:20、ボナパルトとの交戦時に。エセ紳士、ここに極まる。それでいいのか地上。
「そろそろ墓に戻ってもらおうか!」
「塵は塵に、灰は灰に!」
ボナパルトを葬らんとクロムバスターを放とうとするロジャー。しかし、ビッグ・オーの動きに異変が…
「トマト…!?」
「私は…トマト…ひとつ…」
「私は…私は、メガデウスのドミュナス…」
ボナパルトと交戦していたはずのビッグ・オーは機能停止してしまい、ディスプレイに「CAST IN THE NAME…」と表示されていた文字がバーコードの群れに変わる。それを見たロジャーは、自身の奥底に眠るメモリーへの恐怖に支配されてしまう…。
「お前には不似合いな時計だ!」
ビッグ・オーから離脱し、ドロシーを無残に破壊せんとしたアランとの格闘の最中、その様をロジャーに見せ続けた左腕を抑え、自身が身に着けているものと同系の時計を見て。
「ビッグ・オー、これまでは私が君を動かしていた。しかし、君は初めてアクションを促した。そうなのか?」
「君が答えてくれない事を、私は不愉快には思っていない。君の事は、私が一番知っている!ビッグ・オー、アクション!!」
Act:21、ドロシーの救出後、再びビッグ・オーに乗り込んでビッグ・ファウを迎え撃つ時に。
「もしかしたら…もしかしたら、そういうことになったかもしれない。それが私の答えだ。ずるいなどと言わないでほしい。今の私にとって、ひとつの真実を断言することはできないのだ」
Act:24より、物言わぬ人形となってしまったドロシーからの「難しい質問」に対する彼なりの答え。Act:09で質問された時にはぐらかしていたが、当話でドロシーが制御装置をアレックスに抜かれて機能停止している間に答えた。
「銃を持たない主義は撤回しないよ、エンジェル」
「迎えに来た、帰ろう。あなたもだ、ご老人」
Act:25より。地下深くに向かい、エンジェルの危機を救うために現れたロジャー。上の台詞どおり、銃は使わずに時計のワイヤーでヴェラを止めている。
「女性に暴力を振るう事も、私の主義に反する。できれば、もう抵抗しないでいただきたい」
ヴェラはナイフを構えてロジャーを殺そうとするが、懐から取り出した「METROPOLIS」でそれを防ぎ、鳩尾を与えてからこの台詞を言う。
「君は自分が何者かを知っている。この私は、自分が何者なのかすらわからない」
「だが、わかっている事もある!お前がその力を得るまでにしてきた事は、他の誰が許してもこの私が絶対に許さないという事だ!!
Act:25ラスト、パラダイムシティから現れ、ビッグ・ファウ、そしてアレックスと対峙する際に。
「アレックス!人が抱く怒りの大きさというものを、味わうがいいッ!!」
Act:26、自らが神にならんがためにメモリーを弄び続けたアレックスに向かい、ロジャーはその怒りとともにビッグ・オーを走らせ、ビッグ・ファウに拳をぶつける。
(ビッグ・オー…それが君の望みか?そうすれば、私も君とひとつの存在になるのか?私はずっと、君と共にあった…そうだろう?)
(そうだ…それが私の選択だ…)
Act:26、ビッグ・ファウに敗れ海深く沈みゆくビッグ・オー。コックピット内で、ロジャーはドロシーに似た声を聞く。やがて、そこから多数のコードが現れ、彼をアランのように機関に取り込もうとする。しかし、上部のモノローグを受けると共にコードは収まるのだった。
(切られれば血を流し、有り余る欠陥を持つこの私が、ずっとこの姿…『ロジャー・スミス』という男であり続けていたのであったら…私は一体、何者だったのだ…?)
海底の更なる闇へと沈んでいくビッグ・オー。コックピット内も浸水していく中、薄れる意識のロジャーが見たものは…
「待て、ビッグ・オー。これは私の仕事なのだよ」
「エンジェル! 人にとって、メモリーは大切なものだ。それがあるから人は自分の存在を確認できる。それが失われれば、人は不安から逃れられない。だが聞いてくれ! いまここに生きている人間は、決して過去のメモリーだけが形作っているものではない。この私は、己がどういう存在なのかもわからない。私には、自分自身のメモリーすらないのだ。だが、おそらく私は、自分自身の意思で、メモリーを消し去ったのだ。その選択をしたのは、私自身だ。私自身のために、今と、そしてこれからを生きるために。自分という存在を信じたいがために!」
「エンジェル! 私のメモリーの中にある君を、私は決して失いはしない。私とふれあった、自分のすべきことに信念をもっていた君を、誰よりも自分自身を愛していた君を、そして、その気持ちが揺らいでいた、エンジェルという女を。自分自身の存在を否定してはいけない。人として生きるんだ」
2ndシーズン最終話であるAct:26のラストシーンより。ビッグ・ヴィヌスに搭乗しパラダイムシティのすべてを文字通り白紙のごとく消滅させていくエンジェル。ロジャーはビッグ・オーのコックピットから身を乗り出し、最後の『交渉』に挑む。宮本氏渾身の長台詞である。Zではビッグヴィヌスが登場せず、さらにエンジェルやパラダイムシティの設定が原作と異なるため、異なるシチュエーションで再現されている。

迷台詞

私の机には決して手を触れぬ事、これが一番重要なんだ!」
Act:08、ドロシーが雨の中、猫を連れてきた後、書斎を荒らされた際にノーマンに怒鳴りながら言ったルールの一部。
「少し留守にするとこの有様だ。これは特に気に入っていた砂時計だったんだ。砂の色具合、まさに芸術だった!」
ロジャーが荒らされた書斎、特に砂時計を壊されたのに憤慨する台詞。
「習慣というものは大事なものだ、R・ドロシー。だが、それは人の行動を律するものであってはならない。習慣とルールとは違う。私だってたまには、ゆっくり昼過ぎまで眠っていたいというささやかな…」
Act:15、ビッグ・オーの整備をするノーマンの手伝いの後、いつもの習慣で白エプロン姿のままピアノを弾いたドロシーに対して。台詞を言い終える前に9時のベルが鳴り響いてしまい、ドロシーは客人を向かいいれるためその場を去るのだった。
(たまには、昼過ぎまでゆっくり眠っていたっていい。それが自由な人間というものだ)
Act:18冒頭より。ドロシーのピアノで起こされたロジャーはピアノを縛り上げて弾けないようにしてしまう。ロジャーは寝ぼけ眼のままパラダイムシティのドームを建設した日系企業・ヨシフラヤカモト工業へとセダンを走らせる。
「ところで…さっきの文字、なんて書いてあったのですか?」
ヨシフラヤカモト工業の入口に置かれていた衝立、特にそれに施された『記憶』という文字が気になったロジャー。彼は依頼人である法律顧問らにその文字の意味を聞くが当の社員らは「どうぞどうぞ、こちらへ!プリーズ、プリーズ!」と聞き入れてくれなかった。
「ね、ネゴシエイターが暴力的な実力行使をするのは、最後の手段だぞ?」
Act:18、閉じ込めていたカプセルを素手で割り救出するドロシーに対して呆気にとられる際に。
「い、いくら何でももっと優しい方法があるだろう!?その…マウス・トゥ・マウスとか…」
Act:26より、ビッグ・ファウとの決闘の最中、コックピットが浸水し、死を覚悟していたロジャーを、排水のため酸素ボンベを握りつぶして助けたドロシーに対して。手加減を知らないアンドロイドに何を期待していたのやら。

スパロボシリーズの名台詞

戦闘台詞

「黒はいい黒は…。だが乗り手がな」
ブラック・ドミを始めとする黒い機体色と対した時に発生。
「君の声を聞いていると不快になる。よって力で排除させてもらおう!」
Zランドルート第37話でヤザンと交戦したときの台詞。声優がベックと同じであることからの声優ネタ
「噂の破嵐万丈だろうと、邪魔はさせない!」
「私は金持ちが好きではないのでな!」
ダイターン3破嵐万丈)と戦わせると言う。
「どうした、破嵐万丈?君の力はその程度か?」
「こちらにはサングラスの用意もある。日輪は怖くない」
ビッグオーがダイターン3に小ダメージを受けたり避けたりすると言う。
「噂以上だな、破嵐万丈…!だが、ここからだ!」
ビッグオーがダイターン3に中ダメージを受けると言う。
「いかんな…やはり、太陽は眩しい」
ビッグオーがダイターン3に大ダメージを受けると言う。
「私の勝ちだ!破嵐万丈!!」
ダイターン3がサドン・インパクトの攻撃に受けられると言う。

インターミッション・戦闘マップ

「50文字以内で説明~」
この台詞はカプコンのゲーム『逆転裁判』に由来する。ロジャーが発する理由は後述。なおブッチャーも同じ台詞を言っている。
「あれが交渉のつもりだとしたら、私は自分の仕事の誇りを汚された気分だよ…」
先述のユウナの「ジブリールはオーブにはいない」という言い訳を聞いた際の台詞。ロジャーの言うとおりで、これ以上の下策はなかっただろう。
「許せない輩を説き伏せるのではなく、力で叩きのめす…。そんな自由があってもいい」
指令クラスター上空にて、全ての黒幕であるジ・エーデルと対峙して。悪辣極まりない存在であるジ・エーデルを叩きのめすと宣言したZEUTHのメンバーにロジャーも喜んで同意した。
「ザ・ヒート…ランド・トラビス。君の熱さに敬意を表する」
ZEUTHに敗れてもなお、時空修復の妨害を行うジ・エーデルを止めるために命がけで行動したランドに対して。
「相手を利用しようと考える者が交渉など、おこがましいのだよ」
「それはネゴシエイターである私への冒涜に等しい」
第2次Z破界篇で自身を利用しようとしたアイムの目論見を看破し、彼の十八番であった話術の稚拙さを指摘する。
「世迷い言なら、またにしてもらおう、アイム・ライアード。私達も暇ではないのだ」
ロジャーとの交渉術に敗れた腹いせで、「呪われし放浪者」との表現を用いてZEUTHの面々を嘲笑うアイムからの挑発に動じる事無く、彼の「世迷い言」を一蹴する。
ドロシー「ロジャー・・・あなたの観察眼もあてにならないわね」
ロジャー「私は今でもユーフェミア副総督に対する見解を変えるつもりはない」
ドロシー「負け惜しみ?」
ロジャー「そうではない。ただ私はこの結果に納得できないだけだ」「何故彼女があのような凶行に至ったか・・・。私はその真実を知りたい」
行政特区日本の式典会場でユーフェミアが虐殺を引き起こしたことを知った後の会話。自分が絶対の自信を持って下した人物像とは全くかけ離れた行動を起こした彼女に何か異変が起きたことを察した。
「支配欲、攻撃性、孤独、後悔、退廃…彼女は既に理性を失っている」
最終決戦で、グレート・アクシオンを駆り出陣してきたシオニーの精神状態を冷静に分析する。
「ザ・ビッグ……燃える街……崩壊する世界……メトロポリス……ゴードン・ローズウォーター……」
「この光景……これは私のメモリーの奥底なのか!?」
ルーク・アダモンとの対峙にて。これらのキーワードに該当し、なおかつZシリーズの関連美項目と言えば黒歴史。もしかすると、ロジャーは前のループ……「果てなき戦いの環へ」の顛末を何らかの形で記憶していたのかもしれない。しかしそうだとすると、本気でロジャーが人間ではない可能性が……。
「待ちたまえ!」
「何故、騙されていたと決めつける?」
「確かにゼロは我々に秘密にしていたことが幾つかある」
「だが、その事情も考慮せず、一方的に攻め立てるのはフェアではない」
再世篇第49話シナリオエンドデモ(シャーリー生存時)にて、ゼロの真相を知り彼を一方的に攻め立てる黒の騎士団をロジャーはこの言葉で宥める。

スパロボシリーズの迷台詞

「女性の口説き方がなってないな、シロッコ!」
パプテマス・シロッコと対決させた時に、稀に聞ける台詞。しかし、当の本人が多くの女性から「あんた最低だわ」と言われている以上、シロッコにしてみれば心外、プレイヤーにしてみれば「お前が言うな」である。

余談

カプコンのゲーム『逆転裁判』シリーズの主人公・成歩堂龍一はロジャーに似ている(『逆転裁判』は2001年発売、『ビッグオー』より後)。上記の「50文字以内で~」など、ネタにされる事も多い。

話題まとめ

資料リンク