ジェニオン
ジェニオン(Genion)
- 登場作品:バンプレストオリジナル
- 分類:ディメンション・エナジー・マシンナリィ
- 型式番号:DEM-03
- 全高:26.5m(ジェニオン) / 45.0m(ジェニオン・ガイ)
- 重量:76.6t
- 動力
- メイン:TS-DEMON→スフィア「いがみ合う双子」
- サブ:なし→TS-DEMON
- 開発者:DEMコーポレーション
- 所属:無所属→Z-BLUE(チームDEM)
- 主なパイロット
- メカニックデザイン:岡本光晴
第3次Zの主人公機。DEMコーポレーションが開発した次元力を使用した機動兵器群「ディメンション・エナジー・マシンナリィ」の試作3号機。1号機、2号機については不明。
テスト中にエージェントロボ・AG諸共次元震に巻き込まれたが、陣代高校近辺で一時意識を失い、その間にマトリクスに接触してモニターとなったヒビキの呼びかけに応じて転移、彼の搭乗機としてなし崩し的に実戦投入されることとなった。ただ、別にヒビキを認証して動くタイプではないらしく、スズネ単独でも一応操縦は可能。
ヒビキのコールによって空間転送で現れるが、この時は魔法陣じみたオカルティックなゲートが展開される。また、ブーストアップ使用後のクールタイム中は呼び出せない。
陣代高校の防衛戦にて、ブロッケン伯爵に人質に取られたスズネを救出した際、安全確保のため同乗したまま戦闘を続行。その結果、ヒビキの精神状態に変化が起きたことで、隠されていた機能であるパニッシャーとグレイブの遠隔操作による攻撃パターン「ストームブリンガー」が解放。これを受けたAGとスズネ本人の要望により、パイロットシート後部にサブシートを増設して簡易的な複座機となった。
とはいえ、元々単座の機体であるため、コクピットは狭い(ヒビキがスズネに対して肩車をしているような状態になっている。このコクピットからか、ユーザーからは「ゴーダンナーのようだ」という感想が見受けられている。もっとも向こうとは男女・メインとサブの位置関係が逆だが)。
次元力利用の第一段階である動力源としての使用を主眼に置いた開発ラインに置かれており、環境を問わず最大の能力を発揮する汎用機をコンセプトとしている(この点では、同じく次元力を動力としながらも攻防に応用したアークセイバーシリーズには及ばない)。
最大の特徴は、戦術システムである次世代型次元力制御機構、通称「TS-DEMON(ティーエス・デーモン)」。様々なレンジに適応した武装を持つが、その他に防御兵装として、次元獣の持つ能力である「D・フォルト」を装備している。また、戦場で確認される感情エネルギーの結晶物「Zチップ」の回収機能も存在。これは、DEMが商品開発の一環として組み込んだシステムである。
それ以外にも搭乗するパイロットを自動的にその深層心理に応じた形のパイロットスーツに着せ替える機能も搭載されている(「強くなる」という意識の強いヒビキは未来系ファンタジーの戦士を思わせるデザインのスーツを着用したが、スズネの場合はこの手のお約束からか、露出度がかなり高いスーツを着用するハメになった。ただ、このことからいわゆる「裏スズネ」が本来の意識ではないか、と指摘する向きもある)。
元々は下記の、徒手空拳による戦闘を行う強襲機動兵器として設計・開発されており、こちらの姿はリミッターのかかった仮の姿。武装の集約された背部ブースターは、出力不足で動かせないパーツに武器及びブースターとしての機能を付加し、展開機構を組み込んだ上で背部にまとめたものである。
この状態は後述のG.A.I.モードに比べパワーで劣る分スピードで勝り、スフィア奪取後はヒビキのブーストアップと併用することで分身さながらの超高速戦闘を可能とする。
ジェニオン・ガイ(Genion G.A.I.)
TS-DEMONのセカンドモード、正式名称「グリッター・アルマメント・インフィニティ・モード」によって発動する強攻形態。「ガイ」は「GAI」と書き、「Glitter Armament Infinity(光り輝く無限の武器)」を略したもの。また「規格外」と「鎧」という意味も持たされている。命名者はAG。
パーソナルトルーパーを連想させるスマートなノーマルモードと異なり、全身が展開・肥大化してスーパーロボットと化している。背部ユニットのパーツを分割・装備して変形する形式であり、サイズは倍近く増えている。
設定画から推測するに、
- 下半身が前後逆転
- 肩部上のアーマーが外側に90度回転、側面のアーマーが上に跳ね上がり、ノーマルの腕が変形してその下に移動
- ブースター上部のパーツがガイの腕に変形して元の腕があった位置に移動(肩部後ろの接続ソケットはカバーで覆われる)、背部ブースターのカバー(表面アーマー下部とその側面にある小さなアーマー)が脚部に移動
- 膝部分のアーマーが倒れ、つま先が下方に展開、ガイの踵に変形
- アクセルグレイブの刀身部分が展開、ウイングに変形
- Dソリッドパニッシャーがブースターに変形
- サイドアーマーが後方へ移動
- ブースター中央のアーマーが上半身を覆うように展開、胸部のスフィア搭載部分が開放
- 頭部にヘルメットをかぶせるようにして、胸部アーマーに仕込まれている追加アーマーを装備
- 各部が展開、次元力を通して緑色に発光
というように変形しているらしい。
あくまで動力源としての使用にとどまったノーマルモードと違い、ガイは次元力の本領たる「事象の制御」を基本とした武装を多く持つ。また、胸部に緑のクリスタル状のパーツが存在するが、当初はスフィア搭載機ではなかった(後に搭載することになるが)。武装ユニットを展開・装備する変形シークエンスの関係で、ノーマルモードの武装は全て使用不可能(配置上、インパクトダガーだけは一応使える)。徒手空拳と次元力の照射が攻撃手段となる。
中枢制御システムである「TS-DEMON」には段階が存在し、これは搭乗者の意志や感情を読み取り、次元力をより強く引き出すセカンドモードの起動によって発動する。発動コード「フル・ブーストアップ」の音声認識により起動する。
最初の起動は偶然に近く、その後ヒビキとスズネ、AGはG.A.I.モードの起動条件を解明すべく躍起になっていたが、なかなかその条件が掴めずにいた。最終的には何度かの起動を経て、TS-DEMONをヒビキの精神状態によってモードシフトさせることで起動可能であることが判明した。ただ、それまでの起動には全てスズネが介在しており、アクエリア市での戦闘ではミコノのエレメント能力「繋ぐ力」により、ヒビキとスズネの精神をダイレクトに接続することで起動している。
また「スズネ出撃」では、ヒビキが乗り込んだ瞬間いきなり起動しており、G.A.I.モードの発動にはヒビキとスズネ、両方の存在が必須であると思われる。
当初は引き出せる次元力の限界から、1~2分程度しか稼働できず一部のモードを使用できなかった。しかし、ガドライトとの最終決戦の際には最後のリミッターが解除されたことでセカンドモードの無制限稼働が一時的に可能になり(これは動力源の限界を超えたオーバーワークであり、ジェミニア撃墜後に停止している)、その後はジェミニア撃破時に奪い取った「いがみ合う双子のスフィア」によって次元力を無尽蔵に引き出せるようになった。それにより稼働時間と出力の問題は解消されている。
惑星ジェミナイの科学の集大成であるジェミニス隊長機・ジェミニアに酷似したフォルムを持つ。そのため、ガドライト・メオンサムを始めとするジェミニスの人間は、この機体を自分達の誇りを汚す存在として忌み嫌っている。
AGの推測によれば、ジェニオン・ガイは意図的にジェミニアに似せて作られ、類似性から来る収斂進化の利用(同様の性質を持つものは形も似通うということから、逆にジェニオン・ガイをジェミニアに似せることで同様の性質を持たせようとした)により、「いがみ合う双子のスフィア」を奪取するために作られたらしい。 事実として、ジェニオンはこのジェニオン・ガイこそが本来の姿であり、次元力の抽出が不完全であったためにリミッターを設け、ジェニオンとして運用していたという。つまり、この機体は「いがみ合う双子」を搭載した姿こそが想定された状態であり、ガドライトを倒したことで完全に完成したことになる。
なお、顔面部はツインアイとなっている。ジェニオンの状態ではツインアイの上からゴーグル状のマスクパーツが被せられているが、ジェニオン・ガイに変形する際にバックパックのヘルメットパーツをその上から被せるため、ツインアイの上にゴーグルを被せ、さらにその上からツインアイのヘルメットを被る、という訳の分からない構造となっている。
なお、起動時のインフォメーションムービーに出て来る赤い文字列は「TS-DEMON GLITTER ARMAMENT INFINITY MODE APPROYED」。
ジェニオンとジェミニア
色々と似ている二つの機体だが、実は単純な姿以外にも共通項がある。
- 全体フォルム(ウイング、胸部のスフィア封入用球体、手足の形状)
- パイロットの戦技をトレースできる柔軟な機体構造
- パイロットは男、そのパートナーは女性(ヒビキとスズネ、ガドライトとアンナロッタ)
- パートナーの存在がパイロットの精神に影響を与えている
- パイロットが両方とも「テンシ」に関わったことで一度全てを失った(ヒビキは諦めず、ガドライトは諦めた)
など、主に関連要素の方に共通する部分が多い。
登場作品と操縦者
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 主人公機として第1話から早速登場。運動性・装甲とも高めだが、どちらかというと装甲の方が高い。装甲はスーパー系に匹敵するもののHPは及ばず、装甲の高いリアル系といった風情の機体であるため、ヒビキの能力と合わせて回避を主眼に運用するのがベター。P武器はどれもEN消費型なので、D・フォルトとの兼ね合いで序盤はガス欠になりがち。ENと運動性を優先的に改造していくといいだろう。
- 何気に地形適応がオールAであるため、設定通りどんな環境でもフルポテンシャルを発揮できるのが強みで、ヒビキの海適正を改善すれば水中での運用にも充分耐えうる。移動タイプに水を持たないのが惜しいところ。
- 中盤でジェニオン・ガイへの変形が可能となるが、満を持して任意変形可能となったその直後にジェミニアに一蹴される、というなかなか締まらないスタートとなる。当分の間はシリーズ屈指のターン制限の為にピンポイントな運用を迫られるのが難。ヒビキのスキルの構成からすると、単機突撃ではなく火力を強化しての援護攻撃が主な仕事となる。
- 変形後は運動性の高いスーパー系と言うべき機体に変貌、運動性と照準値以外が軒並み強化されサイズがLになる。これにより並のスーパー系を上回る装甲と高い運動性を両立することができるようになるが、ヒビキの能力がリアル系寄りなので実際はそこまでの堅さは無い。真価を発揮したいのならヒビキの徹底的な養成が必要だろう。
- なお、ガイになると武装全てがEN消費型になるので息切れには注意が必要。DECチャージャーなどをつけてやるといいかもしれない。
- DLC「アルティメット・バトル」では、スフィア奪取後の話であるため、時間制限がなくなりニーベルング・アナイレーションが追加された状態で使用可能。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 主人公機として続投し、ジェニオン・ガイも引き続き登場。今回は秘められた「真実」が明かされることに。PV2ではブーストアップが組み込まれ大きくモーションが変化した「ストームブリンガー」を披露。
- スパログで寺田Pの口からガイとは違う形態が登場することが語られている。
単独作品
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- 「第3次Z時獄篇」発売記念キャンペーンにおいて、期間限定で本機のカードが配布された。
装備・機能
武装・必殺武器(ジェニオン)
- ニトロパイク
- 肩部内蔵のランチャーから、着弾後に爆発する小型の実体弾を射出する。
- インパクトダガー
- サイドアーマーに内蔵されたダガーナイフ。エネルギーを纏わせ斬りつけた後、アッパー気味に掌底で追撃する。
- 収納されているアーマーはG.A.I.モード起動時には背後にまとめられる。
- ディメンションソリッドパニッシャー
- 背部ブースターに内蔵された二門の手持ち式の銃砲。逆手の状態でマウントされる。追い込むように連射した後、出力を上げ撃ち抜いてトドメ。ジェニオンの武装でもっとも射程が長いが、6発しかないので撃ちすぎに注意。
- ジェニオン・ガイ時は背部のブースターとなり、武器としては使用不能。
- アクセルグレイブ
- 背部ブースターに内蔵されたブレードから柄を伸ばし槍として使う。ブレードの固定を外した後、左手で競り出した柄を掴み、加速をかけて連撃で切り裂く。P属性で射程2の全体攻撃なので使い勝手がいい。
- ジェニオン・ガイ時はウイングになる。また、これ自体がファンネルよろしく遠隔誘導兵器としても使用可能であり、パニッシャーをマウントしたまま射出することでそれこそファンネルのようなオールレンジ攻撃が可能。さらに、両方を柄尻で接続することで自立起動するブーメランとしても使用できる他、その状態で伸張させることでダブルソードにもなる汎用性の高い武器。
- ストームブリンガー
- 時獄篇第4話で追加される必殺技。出力を全開にした後ブレードとパニッシャーを組み合わせ射出、ビットのように機動させて牽制射撃しつつブレードを叩き込み、叩き込んだブレードを引き抜きつつ連撃を喰らわせ、続けてゼロ距離からパニッシャーを連射する。トドメ演出として両腕に集中させたエネルギーを叩き込んで敵を消し飛ばす。
- 消費ENは40、気力制限は125と若干重いが、それに見合う威力はある。ヒビキはデフォルトで援護攻撃とサポートアタックを持つため、ボスの撃破に一役買ってくれる。射程が2あるのも地味に嬉しい。
- この技名の由来は小説『エルリック・サーガ』に出てくる「殺した者の魂を喰らう剣」の名前から取ったものと思われる。
- なお、スズネが戦闘服に着替えているか否かで途中の演出が若干異なる。着替えてないパターンは(おそらく)初回だけであるが、無料DLC「教師とパートナー」ではパイロット登録が一時解除されているので着替えてないパターンとなる。
- 天獄篇ではモーションが大きく変わり、アリオスガンダムさながらの超高速戦闘を披露している。出力を全開にした後跳躍、グレイブを両方とも射出・接続してブーメランとして投げつけつつそれを追ってブースト。相手がブーメランを避けたところに飛び込んでニーキック→ローリングソバット→次元力の掌底とつなぎ、吹っ飛んだ相手に戻って来たブーメランが直撃するタイミングでパニッシャーを砲撃。しかる後、ヒビキがジェニオンごとブーストアップを発動、残像を置き去りにするほどの超高速連撃を叩き込み、背後に回った後ブーメランを掴んで柄を伸張。スピードを維持したまま相手の周囲を超高速で旋回しながら斬り上げ、トドメにグレイブで真っ二つにして〆る。
武装・必殺武器(ジェニオン・ガイ)
- ヘルヘイム
- TS-DEMONをヘルヘイム・モードにシフト、胸部クリスタルに次元力を集約、エネルギーボールとして射出して敵機を打ち砕く。
- 名の由来は北欧神話に登場する亡者の国「ヘルヘイム」。ヘルヘイムはロキの子供であるヘルが管理する世界で、下記二つの由来である2体の怪物も同様にロキの子供である。
- ミドガルズオルム
- TS-DEMONをミドガルズオルム・モードにシフト、機体のリミッターを解除して突撃、敵の背後を取る。しかる後、左手に次元力を集中、指鉄砲で敵を消滅させる。第14話での顔見せ時に披露した技はこれ。
- 名の由来は北欧神話に登場する毒をもった大蛇「ヨルムンガンド」の別名で、「ミッドガルドの大蛇」という意味。
- ビルレスト
- ジェニオン・ガイ本体の倍はある、専用の超巨大武装ユニット。右腕にマウントして使用する、上部と側面に2種のエネルギーカノンを装備したブースター付きの打撃武器。先端部分はパイルバンカーの要領で打ち出すことが出来る。亜空間に収納されており、スズネのコールに応じて転送される。形状は完全な線対称で、側面のキャノンを除けば上下にも対称なので、「強化用のパーツなのでは」と見る向きもある。
- 名の由来は北欧神話において、橋の中で最高のものとされる「ビルレスト」。「欺く道」という意味があり、神々が渡った後崩れ去るという。
- ヴァナルガンド
- 超巨大武装ユニット「ビルレスト」を召喚。TS-DEMONをヴァナルガンド・モードにシフトし、2種のカノンで牽制した後突撃、3連続でバンカーを叩き込んだ後、出力を全開にしてトドメを打ち込む。
- 名の由来は北欧神話に登場する魔狼フェンリルの別名。
- 射程がそこそこあるのでニーベルングよりも援護攻撃に使いやすい。終盤まではターン制限の問題で、ジェニオン・ガイでは主にこの武装を使用することになる。
- ニーベルング・アナイレーション
- 第58話で追加される最強技。TS-DEMONをニーベルング・モードにシフト、「いがみ合う双子」の力を限界まで行使することで膨大な次元力を抽出、それを攻撃と駆動系の強化にまわすことで、ヒビキのジークンドーを完全トレースしたアクロバティックな格闘コンボを繰り出す。
- まず指パッチンで敵を遠隔爆破、その間に間合いを詰めて裏拳で吹き飛ばし、そこから飛び込んで左回し蹴り→着地しつつ右のローリングソバットで吹き飛ばす→さらに飛び込み蹴り→両掌底→右ローリングソバットで空中に吹き飛ばした後、ジャンプで肉薄しつつ「いがみ合う双子」を解放、それを表すニーベルングの指輪一組を両手で鷲掴みにして吸収、ミドガルズオルムで地面に叩き落し、螺旋軌道で追撃してその勢いで踏み潰す。トドメ演出では蹴り落としの勢いのまま敵を地中深くまで叩き落し、最後に自分だけ脱出して指パッチンで爆砕する。
- 威力はケタ違いだが追加が遅く、使えるのは実質第59話・最終話・エピローグの3ステージ。おまけに消費が80と重く、射程も1なのでボス戦向き。グランゼボーマや尸逝天に遠慮なく叩き込んでやろう。なお、アシュタンガ級など、あまりに大きな相手に使うと敵機に隠れてジェニオン・ガイが全く見えないことがある。こうなると迫力も半減である。
- 名の由来は北欧神話で、冥界「ニブルヘイム」の別名に「滅殺」の意味の単語を付けた造語。訳すれば「冥界送り」と言ったところだが、歌劇「ニーベルングの指輪」もモチーフとされており、デモにはしっかり指輪が出てくる。
- なおこの話のモデルは、上記3つの武装のモチーフである異形らの父「ロキ」である。
特筆機能
- TS-DEMON(ティーエス・デーモン)
- 次元力を抽出する動力源。「デモン」と略される。
- DEMが開発した戦術システム・次世代型次元力制御機構であるが、その正体は「いがみ合う双子」を模して造られた人造スフィアとも言うべき動力。現在存在する人造スフィアの中では恐らくカオス・レムレースに比肩するレベルであるが、属性まで模しているあたり完成度はかなり高い模様。
- ジェミニアから「いがみ合う双子」を奪った際にそのスフィアに同調、出力を制御するようになった。これにはヒビキが既に「いがみ合う双子」のリアクターの資格を持っていたことが影響しているが、それ以外にも何かしらの要因があることが推測されている。本来は「いがみ合う双子」から次元力を抽出するためのシステムであり、それ単体で動力源として扱う場合は出力不足でジェ二オンのフルスペックを発揮できない。
- ジェニオンは元々単座の機体であるため、パイロット(ヒビキ)が起動・制御するのが通常であるが、スズネ搭乗後は基本的に彼女が制御している。
- 単純な動力としてのファーストモード、G.A.I.モードを起動するセカンドモードさらにセカンドモードは直接攻撃に転用する「ヘルヘイム」、機動性を強化する「ミドガルズオルム」、オプション武装のビルレストを召喚・使用する「ヴァナルガンド」、機体本体の攻撃性能をブーストする「ニーベルング」の4種類が存在し、それぞれを切り替えることでさまざまな形での事象制御を行う。当初は出力不足でニーベルングは封印されていたが、「いがみ合う双子」奪取により解禁されている。実はこれ自体もスフィアの覚醒進度を模しており、動力として利用するファースト・ステージ、意志の力で次元力を引き出すセカンド・ステージを模倣している。
- なお、この名前は略称であり正式名称は不明。恐らく和名を訳した「Tactics System-Dimention Energy contorol Mechanism Of Next genelation」だと思われる。
- また、「いがみ合う双子」は二つ存在し、その片割れを改造したのがこれではないか(あるいは片割れを元々搭載していたのではないか)、という説もあるが、時獄篇においてはその辺りも含めDEMONの謎は全く明かされておらず、天獄篇での真相解明が待たれる。
特殊能力
- D・フォルト
- 1200以下の全属性ダメージを無効。ENを10消費。これのおかげで序盤はそれなりに守りが固いが、頼り過ぎるとあっさり落とされかねないので注意。次元獣のものは全身をカバーする球体だったが、これとジェミニアのものは正面のみ。
- GAIモード起動
- 第35話で追加され、気力140以上でジェニオン・ガイに変形可能になる。ただし、追加当初はたったの1ターンしか持たない。本格的に活用出来るのはガドライトとの決着がつく第58話以降になる。
移動タイプ
サイズ
- M / L
- ジェニオン時はMだがジェニオン・ガイ変形時はLになる。
カスタムボーナス
- 移動力+1、特殊能力「EN回復(小)」取得
- 時獄篇のボーナスで、ガンレオン、バルゴラ・グローリー、ブラスタ&リ・ブラスタと全く同じ。リアクト・マシンの共通事項なのだろうか?
- 進め方次第だが、1周目でも最速3話クリア時には取れる。EN消費型の武装が多く、これがあると運用がかなり楽になるため、優先的に取得したいところ。しかし、EN消費武装オンリーになるジェニオン・ガイでは心もとない。DECチャージャーがあると使いやすくなる。
機体BGM
- 「瞳の中の明日」
- ヒビキの専用曲。Z主人公のお約束にたがわず、イベント用のダウナーアレンジ「心の底の昨日」が用意されている。
- 「禁忌という名の希望」
- ジェニオン・ガイ変形時はこちら。時獄篇第1話のシナリオタイトルでもある。「瞳の中の明日」がヒビキの曲ならばこちらはジェニオンの曲といったところか。
対決・名場面など
- 嵐の猛撃
- 時獄篇4話「学園都市防衛隊」より。人の命を徹底的に軽んじるブロッケンに激昂したヒビキ。その怒りはTS-DEMONを通じてジェニオンに伝わり、双子の青き片割れは新たな力を見せる。跳ね上がった出力を持ってジェニオンはグールを強襲、連続攻撃を持って空中要塞を撤退に追い込んだ。
- 覚醒の片割れ
- 時獄篇14話「光と闇の神話」より。再び街を襲う謎の敵集団。その指揮官たる女性の乗る有人機を猛追するジェニオンだが、「血塗られた目」を発症したヒビキはその力を思うように制御できず危機に陥る。カレンの介入で一撃こそしのいだものの、次撃が襲い来る。迫る死に対し、そんなものは受け入れないと叫ぶヒビキの意志に呼応し、TS-DEMONが新たな段階に移行。引き出された源理の力はジェニオンを真の姿へと覚醒させ、その力は指揮官機を一撃のもとに撃退した。
- The Quarreling Gemini
- 時獄篇58話「いがみ合う双子」より。時空修復を成功させた直後、その奇跡に怒りを以って現れたガドライト達ジェミニスと対峙するZ-BLUE。熾烈な戦いの中でアンナロッタを撃退し、敵戦力を削ることには成功するも、ガドライトはここに来てバアルを召喚し、Z-BLUEに二正面作戦を強いる。
- 前方にジェミニス、後方にバアル……追い込まれたZ-BLUEだが、シモンの力とゲッターエネルギーによって顕現した超銀河グレンラガンの登場により、戦況はまたしても逆転、Z-BLUEが一気に優勢となる。だが、次々と逆境を跳ね返す彼らの姿に苛立つガドライトは、感情のままに自分がやって来たこととその背景をまくし立てる。
- 母星を滅ぼされた怒りと、その元凶に立ち向かえない諦め……それゆえの嫉妬と八つ当たり。あまりにも矮小なその理由に、ヒビキもまた怒りを表す。お前を認めない―――その強い意志にTS-DEMONが引きずられ、青き双子の片割れは真の姿を現す。その心臓を破壊するほどの力をみなぎらせて。
- 似ているがゆえに惹かれ合い、似すぎたがゆえに憎み合う。表裏一体、光と闇、怒りと諦め、希望と絶望。相反しながらも切り離せない二つの意志。全てに決着をつけるべく、青と紫が激突する。
- 冥界送りの一撃
- 同上。死闘の末にガドライトを下したZ-BLUEだが、彼は未だスフィアの力で抵抗を図る。彼のスフィア「いがみ合う双子」は相反する意志の衝突を力としており、無力化するにはこれを意志で制御する「偽りの黒羊」が必要となる。しかし、かのスフィアはアサキムごとZONEに封印され、使うことが出来ない。
- 手詰まりかと思われたその時、アドヴェントが前に出る。その様子に何らかの真実を悟ったガドライトは激昂、アスクレプスを撃墜。だが、そのせいでガドライトは感情のバランスを崩し、「いがみ合う双子」が機能不全に陥る。
- 目の前で恩人とも言うべきアドヴェントを失ったヒビキは怒りのままにジェミニアを襲うが、ここに来て負荷のかかりすぎたTS-DEMONが停止。しかし、仇敵をまたも取り逃がすという絶望に抗うように叫んだヒビキの意志、すなわち絶望の中の希望に「いがみ合う双子」が応え、その力は新たな器たるジェニオン・ガイに宿る。そして、ついに完成を見た青き双子の片割れは、対面する片割れを乗り手の戦技とスフィアの力によるアクロバット・コンボで完全粉砕。仇敵の一人をこの世界から完全に葬り去ったのであった。
関連機体
- ジェミニア
- ジェニオン・ガイと類似した外見を持つ機体。その関連性は現時点では詳細不明。外見だけではなく、次元力による事象制御を機能として組み込んでいる点、搭乗者の格闘技術(ジェミ二アの場合はジェミ二ス発祥のコマンドアーツ、ジェニオン・ガイの場合はヒビキが学んだジークンドー)を再現可能な機体構造など機能面でも非常に似ている。余談だが、ジェニオン・ガイの見た目はジェミ二アに似せられているが、ジェミ二アの方が30m近く全高が高く、重量も倍程度と大幅にデカイ。
- なお似ているとは言われているが、実際の外見は全体的なフォルム以外そんなに似ておらず、武装にいたっては全くの別物。
- ディオスク
- ジェミニアのベースになったジェミニスの機動兵器。ジェニオン時のフォルムはむしろコイツに近い。
- アスクレプス
- ジェニオンと類似した外見を持つ機体。アドヴェントの乗るクロノ改革派のフラグシップ機。武装の傾向はどちらかというとこの機体に近い。
- 次元獣ダモン
- 次元獣の一種。TS-DEMONというOS名やD・フォルトの搭載から作中では関連性が疑われているが、時獄篇の時点でははぐらかされている。
- DEM-01、02
- 兄弟機。詳細は不明。
- カオス・レムレース
- 機体そのものが人造のスフィアという機動兵器。必殺技に共通する点があり、頭部のシルエットもジェニオン・ガイに酷似している。
余談
- ジェニオン・ガイの最強技「ニーベルング・アナイレーション」のモチーフは上記の通り北欧神話と歌劇「ニーベルングの指輪」であるが、歌劇の方は簡単に言うとこんな話である。
- 第1幕。ライン河には黄金が眠っている。愛のよろこび(精神的な快楽)を捨てたものだけがこれから指輪を作り上げ、世界を手に入れることが出来る。ニブルヘイムからやって来た小人のアルベリヒは、この黄金をラインの乙女から奪い取り、指輪を作り上げた。
- 第2幕。神々の王オーディンは巨人達に城を作らせた。だが、報酬として男神達はオーディンの妻の妹であるフリッカを担保としていた。そこに、火の神ローゲがラインの黄金から作られた指輪をフリッカの代償として提示する。
- 第3幕。ニブルヘイムの王となっていたアルベリヒだが、ローゲに引っ掛けられて捕まってしまう。
- 第4幕。財宝と指輪を奪われたアルベリヒは、指輪に「所持者は不幸の末に死ぬ」という呪いをかける。巨人の双子の兄ファゾルドはあくまでフリッカに拘るが、弟ファフナーは財宝を優先。そして、指輪を得た巨人達は突然争い、ファフナーはファゾルドを殴り殺す。神々は事が済んだと喜んだが、オーディンはただ一人、呪いの凄まじさに恐怖していた。
- ジェニオン・ガイの武装名は全て北欧神話縛りだが、実はどれも「神を害する」存在の名前がつけられている。
- スフィアおよび太極の設定は『ゼノギアス』(SRW未参戦)に登場する「アニマの器」と「ゾハル」がモチーフだと推察されているが、このジェニオン&ジェニオン・ガイは同作の主役機・ヴェルトール&ヴェルトール・イドと至るところが酷似している。具体的には、以下の通り。
- 本体に比して大きすぎるバックパックを背負っている
- そのバックパックは変形形態の外装である
- 変形した姿が本来の姿で、通常の姿は不具合を補うためのリミッター
- ブラックボックスが多い
- レプリカに当たる機体で、オリジナル機が存在
- 乗り手の拳法をトレースして戦う
- ノーマルモードは一見すると変形するように見えない
- 途中で一時的に(機体性能だけは)オリジナルに迫れる性能を発揮するモードを得る
- オリジナル機には12個ある特別な動力の一つが搭載されているが、レプリカの本機は持っていない
- 本体に比して大きすぎるバックパックを背負っている
- ちなみに、「ヴェルトール」という名前はドイツ語で宇宙を意味する。Zシリーズの展開にちらほら絡むタロットカードの最終アルカナ「世界」には宇宙という意味合いが含まれるのも興味深い。
- さらに乗り手の二人も、「パートナーの最終的な生死」「相手は、運命に翻弄されて主人公にとって有益・不利益な行動をまちまちに取る」など、同作の主人公を思わせる要素が散見されている。なお、主人公は「実は多重人格」「神に選ばれた特殊な存在」「パートナーが精神を乗っ取られて敵になる」など衝撃な設定を抱えているが、今後どうなるのだろうか。
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