ゲンナジー・I・コズイレフは「魔装機神シリーズ」の登場人物。
概要
魔装機操者として地上からラ・ギアスに召喚されたロシア人で、マサキの後を継いでジャオームの操者となる。ミドルネームの「I」は長らく何の略なのか明かされていなかったが、2011年12月発売のOGクルセイド第4弾でカード化された際に「イワノフ」であることが明かされている。
良いガタイ、濃い顔付きと印象に残りやすい見た目とは裏腹に無口で存在感がない(本人も自覚している)ため、ゲーム中での出番は全体的に乏しい。特に初登場の『EX』ではキャラ付けも薄く、その存在感は希薄なことこの上なかったが、『LOE』ではそれを逆手にとったネタが多く追加されており、存在感のなさを前面に押し出したことで逆に目立っていた。
実は水泳のオリンピック金メダリストであるという設定があり、腕っ節が強かったり、特訓の際には突如鬼コーチと化したりと「アスリート」というイメージを与えるエピソードも多い。その一方、周囲からは評判の良くないシュメルの絵画に強烈な共感を示したり、数少ない台詞にロシア文学の影響が見られたりと、芸術家肌な一面もある。また、ルート次第では彼と真反対の性格であるミオとくっつく(相方に認定される)場合もあり、極めて独特なセンスの持ち主であるといえる。
登場作品と役柄
- スーパーロボット大戦EX
- 初登場作品。リューネの章で登場するが、ジャオームの性能が低いので、恐らく魔装機勢の中では二軍落ち最有力候補。リューネを「ちゃん」付けで呼ぶなど、後のOGシリーズとは性格が若干異なるが、そもそも会話での登場自体がほとんどなく、キャラクターの設定がまだ固まっていなかったものと思われる。
- 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
- 一応第一章から登場するが、存在感の薄さは相変わらず(魔装機神隊が全員集合しているはずのすき焼きパーティーにおいても、彼だけは一切登場しない)。上述の存在感のなさネタが本格的に登場してくるのは第二章からになる。
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
- すき焼きパーティの際、ゼノサキス家に上がりこんでいる場面が追加され、すき焼きパーティに参加することができた。
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD
- ミオから「歩くステルス」という不名誉なあだ名をつけられてしまった。しかも、存在感がないのをいいことにテュッティがミオに胸を揉まれているのをガン見していたり、ギドがゲンナジーのステルス性に発奮して特殊技能を習得する始末。また、霍奕の細胞のドレップ・フィールズとキャラが似ていることも作中でネタにされた。
- また、ティアンがウーフに深手を負わされた際にミオの口から治癒術を使えることが明らかになっている。
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
- 一応続投だが、参入するのはシュテドニアスルートのみ、他のルートでは別行動中なので新キャラのトレイスがジャオームに搭乗する。近接攻撃射程は短いが、火力はこちらが上。今作ではアンティラス隊の魔装機操者はほぼ全員に専用BGMが容易されたのだが、ゲンナジーだけは「終わりなき戦い」のままである……下記の『第2次OG』で意気投合した人物との共通点を強調するためだろうか。
- その影の薄さは敵にも有効らしく、戦闘前会話では動揺する人物もいた。そしてとうとうその影の薄さを活かした隠し専用スキル「潜入行動」を習得するに至る。また、トレイスからは終話直後に一瞬で姿を消したため、「本当に今話していたんだろうか」などと幻影扱いされてしまった。
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END
- 今作ではジャオーム共々最後まで使用可能。シナリオ上では相変わらずの影薄キャラだが、今回はもっと影の薄い人が登場する。
- 第2次スーパーロボット大戦OG
- PV4で登場。ラッセルと地味な者同士の友情を結ぶ。ヤンロンとの会話シーンも増えている。なお、水泳選手という設定を反映してか、地形適応が海A。…カナヅチも海Aだが。
パイロットステータス設定の傾向
- 魔装機神シリーズ
-
- I
- 能力値はさほど高くないが、「気合」と「熱血」を習得するため、ヤンロン型の必殺技ファイターとして使っていくことも可能。愛機ジャオームの徹底強化は必須。ただ、必殺技は格闘属性であるのに射撃の伸びが著しいと、いまいち噛み合わない。
- II
- 能力値がバランス型となり、ジャオームの性能をフルに発揮できるようになった。精神コマンドも優秀。「努力」があるので育てやすく、後半はデフォルトで「魂」を習得するので、最終的な攻撃力は高い。
- III
- 能力値は格闘主体。「集中」を習得するが、元の回避能力がそこまで高くないため、反撃主体の戦法をとらせるには不向き。Lv 29で「魂」を習得するが、「潜入行動」取得後は、消費量の高い「魂」に頼る必要性が皆無になってしまう。スキル「潜入行動」と「隠れ身」を併用したバックアタック(背面攻撃)の前に敵はいない。弱点は必殺技の射程のみ。
- OGシリーズ
- 『第2次OG』での地形適正は上述の金メダリストの件が反映され、「宇宙」以外すべてAとなっている。宇宙だけがBなのは地上にあげる予定がなかったからだろう。
- EX
- ド根性、気合、必中、てかげん、信頼、熱血
- EX(PS)
- ド根性、気合、必中、てかげん、鉄壁、熱血
- 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
- 根性、加速、熱血、気合、友情、ひらめき
- 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD
- 根性、集中、努力、鉄壁、魂、自由選択
- 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
- 根性、集中、後援、隠れ身、魂、自由選択
- OG2nd
- ド根性、気合、必中、てかげん、鉄壁、不屈(ツイン)
- EX(PS)
- 切り払いL8
- LOE
- 気配察知、再攻撃、切り返し、底力、2回行動
- 潜入行動
- 魔装機神シリーズの専用スキル。精神コマンド「突破」と同様、ZOEを無効化して移動可能。また敵の「気配察知」も無効化する。
パイロットBGM
- 「終わりなき戦い」
- 『LOE』における汎用戦闘BGM。他のアンティラス隊メンバー全員に専用BGMがついた『POJ』でも、ゲンナジーはこれのまま。最終作の『COE』でもつかないまま。
人間関係
- マサキ・アンドー
- ジャオームの前の操者だが、特に絡みはない。彼に忘れられているときもあり、『I』の第二章冒頭で現有戦力確認において、危うく頭数に入れ損ねられた。
- リューネ・ゾルダーク
- 部隊内の腕相撲勝負で彼女に敗北。瞬殺されるザッシュ共々、リューネの腕っ節の強さの引き立て役であるが、リューネ以外には全勝している。
- モニカ・グラニア・ビルセイア
- 『OGDP』にて彼女とアハマドを戦闘させると「風の魔装機操者は風来坊」と評するのだが、ゲンナジーだけ除外されている。
- ホワン・ヤンロン
- 春秋戦争を戦い抜いた仲。
- ミオ・サスガ
- あるエンディングでは漫才の相方に認定する。ミオはゲンナジーのことを「ゲンちゃん」と呼ぶ。「シュテドニアス南北戦争」終結後、彼女に気配を絶つ方法を伝授した。
- プレシア・ゼノサキス
- 必殺技特訓においては、彼女に対し鬼コーチぶりを遺憾なく発揮。魔装機神シリーズで彼が最も喋る場面でもある。
- サナン・ティアンプラサート
- 『II』で彼が重傷を負った時には、ゲンナジーも動揺を見せており、最初期からの仲間としての友情を感じさせる。
- アハマド・ハムディ
- 『III』で彼とデメクサと偶然再会した際、自分たちの奇妙な身の上を語り合った。
- ギド・ゼーホーファー
- ゲンナジーの気配を断つ技能に触発されて諜報員時代の勘を取り戻す(=特殊スキルを習得する)。あまりに気配を断つことに長けているため、ゲンナジーの過去を疑っていた(が、「存在感がないだけ」と返された)。
- レミア・ザニア・ヴァルハレヴィア
- 今は亡きカークス将軍の愛娘。好みのタイプであり、遠くから静かに彼女のことを見守っている。
- トレイス・クオ・ハイネット
- ジャオームの操者として隊に参加することになった後輩。一目で気に入り、彼女の力となることを決めたようだ。
神聖ラングラン王国
- シーエ・デメクサ
- 『I』の第二章で行方を絶った彼の居所を唯一把握していた。しかし、居場所を聞かれないと教えないという結構酷い仕打ちをする。
バゴニア連邦共和国
- シュメル・ヒュール
- ゲンナジーは彼の芸術センスを解する数少ない人物で、シュメルから喜ばれていた。『III』で彼の命を奪った原因であるガッツォーの派生機に怒りを表す場面がある。
- エリス・ジェスハ
- 魔装機を降りた赤面症バージョンの彼女に対しボソリと「…可愛い」と呟く。とはいえフラグが立つことは全くなし。
- ロヨラ・ブラックバーン
- ゲンナジーの存在に全く気付かないのか、序盤の戦闘前会話では何故か動揺することが多い……ラセツのように、ロヨラも何かの奇妙な苦手項目を持つのだろうか?
- 「報復と報国」ではロヨラの凶行をラスコーリニコフ(小説『罪と罰』の主人公)に例える。
- ウーフ、ヌル・ツーホーク
- ティアンの死の原因を作った人物たち。普段静かなゲンナジーも彼らに対しては熱い一面を見せる。
テロ組織
- ドレップ・フィールズ
- キャラが似ていることでミオからネタにされる。
- バッシュ・ザレイド
- 初対決ではゲンナジーの存在感の薄さを視現忌避の魔術と勘違いしている。
アルメラ共和国
- サキト・アサギ、フィリス・ジャラヴ、タムドル・オーレイ
- 『COE』では序盤で彼らと合流する。なお、タムドルに関しては彼も空気扱いしていた。
鋼龍戦隊
- ラッセル・バーグマン
- 『第2次OG』で似た者同士仲良くなる。これを受けてなのか、『POJ』ではゲンナジーだけ専用BGMを用意してもらえなかった(ラッセルも未だに汎用BGMがデフォルトである)。
名台詞
共通
- 「フ…」
- たまにニヒルに笑う。
- 「俺もいるぞ」
- 誰もゲンナジーの存在に気づかないときにこっそり発言。この後にたいていミオがボケる。
戦闘台詞
- 「悪徳は喜劇にして悲劇……全ての悪をここに集め!死せる魂として浄化せん!」
「ゴーゴリに捧ぐ……死せる魂!」
- 必殺技「死せる魂」使用時の台詞。技名の元ネタはロシアの小説家ニコライ・ゴーゴリが書いた長編小説『死せる魂』より。『LOE』での『罪と罰』といい、ゲンナジーは文学にも精通しているのかもしれない。
- 「あらゆる概念は抽象化され、形態のゼロとして構成される!」
- 必殺技「スプレマティズム」使用時の台詞。
旧シリーズ
- 「すまんな、存在感がなくて」
- リューネにいた事を驚かれた際。影の薄いキャラの元はこの発言からかもしれない。
- 「はいれる? 『はいられる』だろう。『ら』抜き言葉は美しくないぞ」
- リューネの言葉遣いを指摘して。この頃は今ほど厳格ではなかったが、言葉遣いに厳しいあたりに後のキャラ性も見いだせる。そのためか、『第2次OG』でも同様の台詞がある。
- ちなみに実はこれ、指摘のほうが間違っていたりする。「入れる」は「『ら』抜き言葉」ではなく「可能動詞」である。可能動詞は歴史も古く、使用が公的にも認められている。『第2次OG』でも修正されなかった。
魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
- 「むう……罪にはふさわしい罰を与えんとな……」
- 「魔装機神の名にかけて」で出撃した際の台詞。『LOE』中において、ゲンナジー初のまともな台詞。また、彼が『LOE』で習得する必殺技に『罪と罰』がある。
- リューネ「ゲンナジー、あんたなんか知らない?」
ゲンナジー「……知っている」
リューネ「やっぱりね、ゲンナジーが知ってるわけないか……って、ええっ!?ゲ、ゲンナジー、今なんて言ったの!?」
ゲンナジー「デメクサがどこにいるか、知っているぞ」
リューネ「うそ……」
ミオ「ちょっとゲンちゃん!知ってるなら、なんで今まで黙ってたのよ!?」
ゲンナジー「聞かれなかったからな」
- ゲンナジーの存在感の薄さを象徴するような会話。他ルートではデメクサは「聞かれなかった」ために最後まで消息不明ということに……。
- 「む……好みのタイプだ……」
- 脱走してきたエリスの姿を目撃して。彼女が魔装機を降りた際にはかわいいとつぶやいている。レミアに対しても同じ発言をしている。
- 「おう!すばらしい!」
「はい、こんな素晴らしい絵を見たのは始めてです!」
「このゲンナジー、久々に芸術に感動いたしました。ぜひ、私にもこの極意をお教えください!」
- 「復讐鬼ゼツ」でのシュメルの絵を見た感想。この発言がきっかけでゲンナジーはシュメルに気に入られ技を伝授された。
- 「シャキッとせんか、シャキッと!!そんな事で一人前の魔装機操者と言えるか!!」
- プレシアの特訓の際に。何かのスイッチが入ったかのような変貌ぶり。
- 「政府から要請が来たぞ。ルザック州のバゴニア国境で、バゴニア軍が妙な動きを見せているらしい。調査に向かってくれということだ」
- ラングランからの依頼を報告に現れて。ミオからは長いセリフを言ったので驚かれた。
- ミオ「何言ってるのよ! ゲンちゃんには、このあたしがついてるでしょ!」
ゲンナジー「ふ……ミオ、俺にほれるなよ」
ミオ「な~にしょってるかな、この男は」
- エリスがロドニーとくっついて寂しがっていたところをミオが慰めた時のもの。冗談なのか本気なのかさっぱりわからない。
魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD
- 「ティアン……くっ、俺がもっとしっかりとどめておけば……」
- ティアンがポゼッションで封印を成し遂げた後に現れ。ティアンの治療にあたっていたが彼の思いに押し切られてしまったのかもしれない。
- 「別に、意識しているワケではないからな。コツなどと言われても困る。まぁ、強いて言うなら無心になる事か」
「集中と言い換えても構わん。要は雑念を捨てればいいんだからな」
- ゲンナジーの語る人に気づかれなくなる方法。
魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
- (……幸せそうだな)
- ロドニーを尻に敷くエリスを見て。一目ぼれだったがその思いは本物だったのだろう。
- 「周囲や他人を観察するのは得意でな。行動や考えはある程度推測できる」
- ファングからセニアの居場所を聞かれた際、なぜ分かったのかとレミアに聞かれて。彼の特技とも言えるのだがあまり活かしてはいない様である。
- 「シュメル師範の命を奪った機体……見逃してはおけん!」
- ガッツォー+との戦闘前会話。
- 「陽炎稲妻水の月……」
- 形は見えてもとらえることのできないもののたとえ。最新鋭魔装機に挟まれ旧型のジャオームの運用に苦しむトレイスにミオから聞いた日本の比喩表現を助言として贈っている。
魔装機神F COFFIN OF THE END
- 「……気付いたか。俺はゲンナジー・I・コズイレフだ。追われているなら手を貸そう」
- 初登場台詞。追い詰められたサキトとフィリスの前に颯爽と現れる。ルートによっては彼が今作で初めて登場する前作キャラであり、新キャラたちにベテランの貫録を見せつけるが……。
- 「…………俺は……選び忘れられていた、か?」
- 第18話「結界維持装置攻略戦」で囮役の適正があるにも関わらず選ばれなかった。今作でも結局はこんな扱い。
OGシリーズ
- 「特訓ならば、俺も付き合おう」
- 鋼龍戦隊を地上に送り返した後、ミオの修行話が上がった際に。突然の登場にミオも驚いていた。
搭乗機体
- ジャオーム
- 陽炎の魔装機。マサキから引き継ぎ、『III』のルート次第ではトレイスが引き継ぐが、『F』で再び搭乗する。
余談
- 愛機ジャオームは『魔装機神』の主人公マサキがサイバスター以前に乗っていた機体であるため、寺田PはSFC版『魔装機神LOE』プレイ時に「なんで主人公の機体にこんなオッサンが乗るんだよ」と思ったことを、『熱血!必中!ボイス・スパログ!~魔装機神II篇~』で語っている。もっとも、ゲンナジーとジャオームの組み合わせはそれ以前の『EX』が初出である。
- 「ジャオームに可愛い女の子か美男子を乗せたい」という寺田氏の念願は『III』で叶うことになる。トラウマを背負った男装の麗人というこれまた直球に少し遠い変化球だが……可愛い女の子や美々しい男子を乗せたいという氏の要求全てに応えている。