「傭兵」の版間の差分
(→概要) タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集 |
|||
4行目: | 4行目: | ||
特定の国家及びそれに類する存在の軍隊といった武力部門に所属せず、金銭等の契約によって雇用され、直接利害関係のない戦争に兵士として参加する事を生業とする。常に戦争状態の19世紀末までは重要な兵員。[[日本]]でも「[[忍者]]」や「浪人」が傭兵である。 | 特定の国家及びそれに類する存在の軍隊といった武力部門に所属せず、金銭等の契約によって雇用され、直接利害関係のない戦争に兵士として参加する事を生業とする。常に戦争状態の19世紀末までは重要な兵員。[[日本]]でも「[[忍者]]」や「浪人」が傭兵である。 | ||
− | 21世紀においては、大国やその連合同士の大規模戦争自体は沈静化しているが、現在でも『民間軍事会社(Private military company、PMC)』のような民間の傭兵専門の[[企業|会社]] | + | 21世紀においては、大国やその連合同士の大規模戦争自体は沈静化しているが、現在でも『民間軍事会社(Private military company、PMC)』のような民間の傭兵専門の[[企業|会社]]が存在しており、正規軍では手の届きにくい任務や、部隊を動かすだけのコストに見合わない任務を請け負う存在として重要性が高まっている。 |
− | 傭兵専門企業に所属する傭兵は、退役した兵士等の正規の軍にかつて携わった者や元[[警察官]] | + | 概ね傭兵の思想は「戦い」あって初めて成立する。「平和」とは真逆な位置付けな彼らだが、中には「戦い」を望む者の根絶を志す傭兵もいるので、一括りに纏めるには難しい立場でもある。また、傭兵専門の会社の業務には一般的な警備会社のような業務や要人だけに留まらない個人のボディーガード、兵器の整備等を扱う企業もある為、戦場に赴くだけが業務とは一概に言えない。 |
+ | |||
+ | 傭兵専門企業に所属する傭兵は、退役した兵士等の正規の軍にかつて携わった者や元[[警察官]]といった人物が多いとされ、最初から傭兵として入る者は少ないともされる。フィクションでは『[[フルメタル・パニック!]]』の[[ミスリル]]SRT、『[[ガンダムシリーズ]]』の[[サーペントテール]]や[[アリー・アル・サーシェス]]のように極めて高い戦闘力や判断力を持つ者が多いが、このようなキャラクター自体がフィクションの産物といっても過言ではない。…というのも、過去の戦争において戦場の主役は傭兵だったが、傭兵の基本スタンスは'''「命あっての物種」'''であり、(給与金が先払い制であったため)少し状況が悪くなると任務を放棄して逃げ出すものが殆どであった(ついでに言えば、傭兵と対峙する側も傭兵相手では大した手柄にならないことが多かったとされる)。これを解消するために軍隊という極めて規則が厳しい[[組織]]が誕生するようになった。 | ||
戦争や紛争を扱う作品に登場することが多く、アクの強いキャラクター(一匹狼や戦闘狂、奇人変人など)が多いのが特徴。普段は冴えない人物や至って普通の人物が突然、圧倒的な戦闘力を見せつけて実は『元傭兵』という設定もフィクションでは見受けられる。 | 戦争や紛争を扱う作品に登場することが多く、アクの強いキャラクター(一匹狼や戦闘狂、奇人変人など)が多いのが特徴。普段は冴えない人物や至って普通の人物が突然、圧倒的な戦闘力を見せつけて実は『元傭兵』という設定もフィクションでは見受けられる。 |
2023年2月16日 (木) 02:48時点における版
『傭兵(Mercenary)』とは、「雇われた兵士」を指す。
概要
特定の国家及びそれに類する存在の軍隊といった武力部門に所属せず、金銭等の契約によって雇用され、直接利害関係のない戦争に兵士として参加する事を生業とする。常に戦争状態の19世紀末までは重要な兵員。日本でも「忍者」や「浪人」が傭兵である。
21世紀においては、大国やその連合同士の大規模戦争自体は沈静化しているが、現在でも『民間軍事会社(Private military company、PMC)』のような民間の傭兵専門の会社が存在しており、正規軍では手の届きにくい任務や、部隊を動かすだけのコストに見合わない任務を請け負う存在として重要性が高まっている。
概ね傭兵の思想は「戦い」あって初めて成立する。「平和」とは真逆な位置付けな彼らだが、中には「戦い」を望む者の根絶を志す傭兵もいるので、一括りに纏めるには難しい立場でもある。また、傭兵専門の会社の業務には一般的な警備会社のような業務や要人だけに留まらない個人のボディーガード、兵器の整備等を扱う企業もある為、戦場に赴くだけが業務とは一概に言えない。
傭兵専門企業に所属する傭兵は、退役した兵士等の正規の軍にかつて携わった者や元警察官といった人物が多いとされ、最初から傭兵として入る者は少ないともされる。フィクションでは『フルメタル・パニック!』のミスリルSRT、『ガンダムシリーズ』のサーペントテールやアリー・アル・サーシェスのように極めて高い戦闘力や判断力を持つ者が多いが、このようなキャラクター自体がフィクションの産物といっても過言ではない。…というのも、過去の戦争において戦場の主役は傭兵だったが、傭兵の基本スタンスは「命あっての物種」であり、(給与金が先払い制であったため)少し状況が悪くなると任務を放棄して逃げ出すものが殆どであった(ついでに言えば、傭兵と対峙する側も傭兵相手では大した手柄にならないことが多かったとされる)。これを解消するために軍隊という極めて規則が厳しい組織が誕生するようになった。
戦争や紛争を扱う作品に登場することが多く、アクの強いキャラクター(一匹狼や戦闘狂、奇人変人など)が多いのが特徴。普段は冴えない人物や至って普通の人物が突然、圧倒的な戦闘力を見せつけて実は『元傭兵』という設定もフィクションでは見受けられる。
また、基本がロボット題材なので現実同等以上と思しき技術が広まっていながら荒廃した世界観の作品(『戦闘メカ ザブングル』『機動新世紀ガンダムX』等)でも、傭兵とも盗賊・ゴロツキとも峻別し難い、いわば前近代的な傭兵の香り漂うアウトロー層の存在は定番になっている。上述のような現代・近未来ベースにおける企業傭兵と演出・キャラ付けは異なりがちだが、腕利きで抜け目ないイメージはほぼ共通する。一方で、名無しの一般兵扱いで徒党を組んだ際には、凶悪さよりも一種の悲哀と愛嬌をもたらしつつ世界観を表現するやられ役を担わされている。
スパロボに登場した傭兵
版権作品
- 装甲騎兵ボトムズ
- 主人公であるキリコ・キュービィー他、多数の傭兵が登場する。
- 機動戦士Ζガンダム
- ヤザン・ゲーブルは『第3次α』において軍人から、一端の傭兵となっている。その他でも『EX』『COMPACT3』『X』『T』など、宇宙世紀ガンダムシリーズキャラクターの中で最もオリジナルの傭兵身分での登場が多い。
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- ラカン・ダカランが原作終了後の設定でも生存し、ヤザンと轡を並べる形で傭兵身分の作品が複数見られる。ヤザンと違いガンダムシリーズ内にそうした気配は無いという面では、非常にSRWオリジナル色が濃いガンダムキャラ。
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム(鋼鉄の7人)
- 『バカがボオルでやってくる!』にて、宇宙海賊クロスボーン・バンガード時代のウモン・サモンは傭兵と肩書きされている[1]。
- また、ローズマリー・ラズベリーも傭兵稼業。『鋼鉄の7人』では明確に金銭と騒動に惹かれて応諾した描写があり、続編『ゴースト』(SRW未参戦)では「史上最強の美女傭兵」を自称している。
- 機動新世紀ガンダムX
- ウィッツ・スーとロアビィ・ロイはフリーの傭兵だった。後にフリーデン専属となる。
- 機動戦士ガンダムSEED ASTRAY
- 叢雲劾は傭兵部隊サーペントテールを率いている。
- 機動戦士ガンダム00
- アリー・アル・サーシェスは民間軍事会社PMCトラストに雇われた傭兵。
- 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
- 主人公らが所属する鉄華団とその前身のクリュセ・ガード・セキュリティは民間軍事会社である。
- 銀河旋風ブライガー
- 主人公達「コズモレンジャーJ9」は多額の報酬で悪の裁きを請け負う仕事人集団。仕事は選ぶが、手を汚すことも辞さない傭われ者である。
- 獣装機攻ダンクーガノヴァ
- エイーダ・ロッサは『UX』では傭兵部隊アンノウン・エクストライカーズの一員となっている。
- マクロスFシリーズ、及びマクロス30 銀河を繋ぐ歌声
- 民間軍事会社であるS.M.Sが存在する。両作品とも主人公らはここの所属である。
- フルメタル・パニックシリーズ
- 主人公の相良宗介を始め、クルツ・ウェーバーなど、傭兵組織ミスリルの所属メンバーを中心に多数の傭兵が登場する。
- 『J』では獣戦機隊及びアラン・イゴール、『第3次Z 時獄篇』ではチームDなど、各原作的には毛色の違うチームがミスリル所属になっている事も。
- 電脳戦機バーチャロンシリーズ
- かつてハッター軍曹の所属していた限定戦争代行業者「S.H.B.V.D.」が存在する。SRWに登場するギル及びレドンは、部隊を裏切りダイモンに手を貸しているのだが…。
魔装機神シリーズ
- 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
- ルビッカ・ハッキネンとトーマス・プラットは傭兵である。
- スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD
- ジェン・デミン、ディーゴ・カムラッド、ムデカ・ラーベンス、マーガレット・ウォンが該当。
- また、これらの登場人物たちの所属するラングランのマルテナ社(民間軍事会社)から一般兵(傭兵)などが派遣されてくる。
バンプレストオリジナル
- グロフィス・ラクレインはゲスト(ゴライクンル)の傭兵である。アーチボルド・グリムズとムラタはDC残党の傭兵。
- アラセリ・ガルシアはイスルギ重工兼ガイアセイバーズ (OG)の傭兵。
- ファイヤバグは元ブリタニア・ユニオン所属の傭兵部隊。
- リチャード・クルーガー、サヤ・クルーガー、アニエス・ベルジュは傭兵部隊アンノウン・エクストライカーズ(後のアルティメット・クロス)のメンバー。
- なお、アルティメット・クロスは地球連邦軍の部隊となっているが、依頼主のオーダーに応じて行動するという方針は変わっていない為、プレイヤー部隊そのものが傭兵部隊という珍しい事になっている。
- UNDは複数の銀河に跨がって業務を行う宇宙規模の傭兵組織である。
作品単位の事例
- スーパーロボット大戦EX、第2次スーパーロボット大戦OG
- 地上人召喚事件により、ラングラン動乱の渦中に地上人(『EX』ではバイストン・ウェル関係者を含む)が大量に出現。多くの者が機動兵器と共に見知らぬラ・ギアスへ有無なく転移させられた境遇で、生存と地上帰還を目的に傭兵として戦乱に関わる者も少なくなかった。
余談
- 軍事評論家やサバイバルアドバイザーを称する人物の一部に『元傭兵』の経歴を持つとされる者が著書等で主張していたりするが、不透明な点があったりと実態は不明な者も多い。
脚注
- ↑ 宇宙世紀0087年舞台の『宇宙一の無責任ティターンズ~ウモン・サモンの日記~』(SRW未参戦)でも「傭兵をやることしか知らない男」とされており、当時既に傭兵として年余過ごしていた模様。