ドルチェノフ

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ドルチェノフ
外国語表記 Dorchenov
登場作品 機甲戦記ドラグナー
声優 飯塚昭三
種族 地球人
性別
所属 ギガノス帝国
軍階級 中佐→総統
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概要

ギガノス帝国の幹部。

専用の黄色いカラーリングのダインを持ち、叛乱を起した青年将校と同じダインで決闘を挑み倒す等、メタルアーマーのパイロットとしては並以上の実力を持っている。

帝国内では強硬派の代表格で、マスドライバーによる地球全面攻撃を強くギルトールに勧めていたが、33話にてギルトールが反対した為に銃を持ち出して彼をなかば脅迫してマスドライバー使用の許諾を得ようとする。しかし彼の意に反して全く臆することなく向かってきたギルトールに気おされ、思わず引き金を引いてしまい、図らずも彼を殺害してしまったため(よく誤解されているが、最初から殺そうと考えて殺したわけではない。更にこのときマイヨ・プラートに罪を被せたのは彼本人ではなく彼が引き連れていた部下のとっさの機転によるものである)、半ばなし崩し的にギガノス帝国総統となった。

すでに後戻りの出来なくなったドルチェノフは、ギガノスの実権を奪ったが、33話終盤でマイヨによるマスドライバー破壊により地球への全面攻撃は早々と頓挫。戦局も地球連合軍に次第に押されていったドルチェノフは、ギガノス機動要塞による巻き返しを図り、更にはアオイ・ワカバを人質に取る事で、ケーン・ワカバドラグナー1型カスタムを戦力として収める事に成功するも、それでも地球連合軍の勢いを止める事までは出来ず、マイヨの介入も受けた事で、ギガノス機動要塞はその機能を停止させていく事になり、更にはミンと白兵戦による死闘を演じる中、通信回線がアクシデントで開いてしまった事で、ギルトールの殺害に関する真実が知れ渡ってしまう。

完全に追い詰められたドルチェノフは、乗機のダインを自爆させてマイヨの猛追を振り切った後、ギルガザムネに搭乗して迎え撃ち、ミンやプラクティーズの機体を蹴散らしていくが、ケーンとマイヨによる連携でギルガザムネは大破し、満身創痍の状態でドルチェノフはその場を何とか逃げ切る。しかし、ケーン達の攻撃によって、ドルチェノフは機能停止したギルガザムネから脱出する事が出来なくなってしまい、最後は酸欠状態に陥って、自らによって統治されたギガノスの幻想を見ながら、月面の引力に引かれて落下していくギガノス機動要塞と運命を共にした。

作中におけるラスボスという立ち位置ながらも、窮地に陥って敵対するマイヨに命乞いをしたり、感情的で不用意な発言をたびたびして最終的には将兵の信用を失う等、いまいち小物としか言いようがない言動が目立つ。「徹底的な人望の無さ」「素晴らしいというべき器の小ささ」「降ってわいた権力の座」「情けない最期」と、まさに小悪党の中の小悪党に相応しい要素を持ち合わせていると断言できよう。

登場作品と役柄

他作品の協力者からも内心小馬鹿にされていたり、利用するはずが利用されていたりとやはり常に小物感が拭えない存在となっている。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦A
初登場作品。原作と異なり序盤から登場し、マイヨに嫌味を浴びせたり、マスドライバーの無断使用をギルトールから詰問されたりしている。最終的にマスドライバーの件に加え、独断でシャドウミラー達と結託した事ををギルトールに追及されて逆上し彼を射殺。自らマイヨに罪を着せてギガノス帝国の総統に成り代わる。
ガンダムW』のデキムからも捨て駒としか見られておらず、挙句は『Gガンダム』のウォンにいいように利用されていた。決着は分岐先のデビル機動要塞ルートで付けることになり、今作で登場しないウルベの役割も一部担っている。
なお、本作では中佐から総統という不自然な特進について、影でシャドウミラーの工作があったことをマイヨが指摘している。

単独作品

スーパーロボット大戦MX
本作も序盤から登場し、マイヨを「裏切り者の息子」と侮辱したりくだらない作戦を与えたりと、ギガノス帝国に蔓延る腐敗した上層部の象徴として扱われている。
今回は人類同士の戦いのラスボスとして登場する為かストーリー的には比較的目立ち、戦闘前台詞が案外多い。
スーパーロボット大戦GCXO
ジオン公国と同調。最期はハマーンとの決戦の最中に増援として乱入してくるが、そこで討たれて戦死する。例によって例の如く小悪党扱いで、ある攻略本にはギワザデスバンと並ぶ小物扱いを受けている。特にGCではハマーンが撃墜されてからのこのこやって来るため、小物感が強い。
スーパーロボット大戦Card_Chronicle

パイロットステータス設定の傾向

精神コマンド

MX
狙撃根性必中不屈熱血気合

特殊技能(特殊スキル)

APORTABLE
底力L5、切り払いL5
MX
底力L9、援護攻撃L4
GCXO
底力L8、援護(攻撃のみ)L3、指揮L4

人間関係

ギルトール
主君。しかし、戦争の方針で食い違う事になり、脅しで自らの主張を通そうとしたが、彼の思わぬ反撃の末に殺害してしまう。
マイヨ・プラート
気に入らない存在。ギルトール元帥殺害の罪を着せるが、終盤、見事に逆襲される。
アオイ・ワカバ
彼女を人質に取り、ケーンを裏切らせる。
ケーン・ワカバ
彼の母親のアオイを人質に取り、裏切らせるが、やはり終盤に逆襲される。
リー・スー・ミン
彼女の罠にまんまとハマり、自分の悪行をペラペラと喋ってしまう。
ハイデルネッケン
SRW未登場。腹心の部下で、直接会う場面は無いが、ドルチェノフ同様に姑息な策略を得意とする。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

デキム・バートンウォン・ユンファシーマ・ガラハウ
Aでは彼らと手を組むが、全員から内心見下されていた。
ギレン・ザビ
GCXOでの同盟相手で、彼と同調していくが…。
ハマーン・カーン
GCXOにて彼女を焚きつけ、利用しようとした。

リアル系

草壁春樹
MXでは彼と手を組むが内心では「木連の亡霊」と蔑み、その存在を疎んじている。
北辰
MXでは彼ら北辰衆を「小間使い」呼ばわりし、体よく利用するつもりだったが、逆に利用された結果に終わる。

バンプレストオリジナル

ヴィンデル・マウザー
Aでは彼らシャドウミラーと結託するが、やはり利用されていたにすぎなかった。最も彼もドルチェノフとは違う意味で「小悪党」に相応しい人物ではあるが。

名台詞

「閣下…!我らの覚悟をただのこけおどしとお思いですか!?」
33話でギルトールに銃を突きつけた際の台詞で、結果的には抵抗したギルトールともみ合った末に彼を射殺してしまう。
「動くなプラート大尉!貴様を元帥閣下暗殺の容疑で逮捕する!」
ギルトールを自身が射殺した事に呆然とする中、部下の機転によってマイヨを犯人扱いとし彼に銃を突きつけた際の台詞。
「ま、待ってくれ!ワシと組んでこのギガノス帝国を手にせんか! 悪いようにはせんぞ、どうだ?プラート大尉…」
33話の終盤でマスドライバーが爆発した事により搭乗機のダインが破損して行動不可能になり、さらにマイヨのファルゲンによって追い詰められた際の台詞。ドルチェノフの小物振りを強く象徴している台詞で、当然マイヨはこの命乞いを聞かずにとどめを刺そうとし、部下の助けによってなんとか窮地を逃れる体たらくであった。
「フフフ…ワシは愉しみの為には骨身を惜しまんのだ」
42話でケーンとドラグナーを投降させる為、ケーンの母親であるアオイに連合軍の投降を認める放送をさせた際の台詞。しかし本来はそんな事をする状況でもなく、ドルチェノフの大局の見えなさが露呈している。
「ハハハハハッ!見ろ!遂にドラグナーが投降してきたぞ!自分達の運命の先を読んだか?連合軍の旗印は私の手中に落ちたぞ!ハハハハッ!」
42話ラスト、ケーンとドラグナーの投降に喜んだ際の台詞で、直後に連合軍の廃棄衛星による機動要塞攻撃も失敗した事もあってドルチェノフにとっては得意の絶頂ともいえる瞬間であるが、ドラグナー1機の投降で戦争全体の大局が変わる筈も無く、運命の先を読めていなかったのはドルチェノフの方であった。
ちなみに味方の高官に「こんな年端もいかない少年に頼った姑息な作戦で帝国の栄光を汚すくらいなら潔く降伏すべき」と批判されると、逆上して彼を射殺してしまっている。総統の器ではない。
「貴様は死刑にしてやる!死刑だ!!死刑だ!!死刑だ!!!」
47話でミンに追い込まれ、ギルトール元帥の死の真相をポロッと話しかけてしまい、それをミンに問いただされた時に必死に否定すると同時に吐き出した台詞。台詞だけなら引退した某プロレスラーを彷彿とさせるが、吐き出した様は総統はおろか1部隊を指揮する資格が無いような只の駄々っ子みたいな醜態を晒している。
「フフフフ、覚悟を決めたか。いかな死刑囚も最後の望みは叶えてやらねばならんな。それほど聞きたくば冥土の土産に聞かせてやろう!」
「まずマイヨ・プラート大尉だが、奴は現場に居合わせただけだ。奴は犯人ではない。だが奴は、一言も弁明せんで国家に対する重罪人に自ら成り下がりおったわ」
「元帥を射殺したのは貴様が言うとおり、ズバリこのワシだ!しかし、ワシは元帥射殺を後悔はしとらんぞ。全ては国家のためにやったことだ。帝国を守るためにはやむを得ん処置だと、今でも思っておる」
「ギルトール元帥は間違っておった!奴は統一帝国ギガノスの長として相応しくない男だった。その証拠はいくつもある!例えば、マスドライバーの件も然り、あれをフルに用いれば連合軍など瞬く間に蹴散らしギガノスを勝利に導いたものを、奴はそれを却下しおった」
「『地球を壊してはならぬ!』奴は口を開くとそればかりほざいておったわ!それが甘いというのだ!戦には勝つか負けるか!この2つしかない!その価値ある勝利を掴むためには、あらゆる手段を講じなければならんのだ!」
「重ねて言うがギルトールは三軍を率いるには相応しくない男だったのだ。そして事は起こるべくして起こった」
ミン「聞いてりゃあんたがそれに相応しいように聞こえるけど…」
「まぁさにその通りだ!ワシが帝国を導くことにより、間違いなく勝利を掴むであろう!フフフフフ…」
同上。致命傷を負ったフリをしたミンの演技に騙され、それまで必死に否定していたギルトール暗殺の真相をいい気になってぺらぺら喋り出す。この発言は偶然入っていたマイクにより機動要塞全域に流され、残っていた将兵は次々に逃亡してしまった。
「強い相手には怯え、弱い相手には尊大に出る横暴さ」「相手の安い芝居に騙され余計な発言をする軽率さ」「主君の思想を理解せず、あまつさえ主君を侮辱し自分の方がトップとして相応しいと放言する傲慢さ」「真相を知ったら誰も服従しないカリスマの無さ」、ドルチェノフの無能・小悪党ぶりの集大成ともいえる台詞といっても過言ではない。
「蒼き鷹も丸焼きになればただの焼き鳥だな!」
同上。ファルゲンとの一騎打ちに負けるが、最後のあがきで自機のダインをファルゲンに組み付かせ自爆装置を作動。自分はコクピットから逃げて形勢逆転とばかりに言い放った台詞。一方のマイヨはダインに阻まれ脱出できず、成す術もなく爆発に巻き込まれてしまう…のだが次の話では彼もファルゲンも全くの無傷であった。セーフティーシャッターもびっくりである。
スパロボでは対マイヨの戦闘台詞になっている。
「ぬぅぅ、どいつもこいつも役に立たん奴らめ!この要塞は無敵なのだ!それにワシは撤退命令など出しておらんぞ!ギガノス魂はどうしたというのだ!?」
最終話。ファルゲンの進攻を止められない自軍の様子をモニター越しに見て焦る。むしろ「ギガノス魂」を持つ将兵は上の発言を聞いたからこそ撤退したわけだが、ドルチェノフ自身は知る由もなかった。
『MX』ではマイヨに「貴様に魂を語る資格はない!」と断じられてしまっている。
「勇猛なる全将兵の諸君、我が統一帝国は不滅だ!そうだとも…勇猛精鋭なる諸君らがおる限り、忠勇なる諸君らがおる限り!統一帝国…統一帝国ギガノスは常に…!諸君らと共に邁進するのみである…!と…と…統一帝国ギガノスに…栄光と勝利を…!!」
同上。ギルガザムネのコックピットに閉じ込められて。酸欠によって意識が朦朧とした彼は、大勢の兵士と軍旗に囲まれる中で自分が指導者として演説する幻を見ながら要塞と共に滅んでいくのであった。

スパロボシリーズの名(迷)台詞

A(PORTABLE)

「そうそう、降下前に予防接種を受けた方がいいぞ?わしらスペースノイドは、地球の病原菌に対する免疫が弱いという説があるからな。ギガノスの蒼き鷹がアレルギーにでもなったら大変だ。ハッハッハッ…!」
リアル系第2話「妹たちの戦い」or「ギガノス包囲網」より。地球へ降下するマイヨをD兵器追跡任務から解任すると共に嫌味を浴びせる。
「毒をもって毒を制すだ」
第5話「二人の艦長」or「ロンド・ベルvsナデシコ」より。デビルガンダム捕獲をグン・ジェム隊に担当させるに際し、「ギガノスの汚物」と蔑まれる彼らを任命する事に難色を示す部下に対して。
グン・ジェム隊の性質を端的に示した、ドルチェノフにしてはまともな台詞ではあるが、中佐の彼が大佐であるグン・ジェムの人事権を握っているというおかしな事になっている。
「フフ…いいぞ!これで労せずロンド・ベル隊が我がものになるかもしれん!いいぞ、ヴィンデルよ!ワハハハハハ!」」
第25話「星灯りの小夜曲」or「スターライト・セレナーデ」より。自分も同じ目に遭う可能性を考慮せず、ロンド・ベルに武装解除を要求するシャドウミラーを見て大はしゃぎ。
「そうだ、いいぞ!これでデビルガンダムの本当の復活だ! 機動要塞は、今やデビル機動要塞となって、ギガノスの超兵器と化したのだ!」
「ハハハハハ! ハァッハッハッハハ!」
同上。デビルガンダムが再起動を果たし、ギガノス機動要塞を取り込み、デビル機動要塞となった事に対して悦に浸りながら高笑いをあげる。今作に登場しない黒幕を意識した台詞回しなのがミソ。

MX(PORTABLE)

「不服そうだな?だが、ワシとて意味もなく宇宙科学研究所を攻撃対象として選んだわけではない。あそこを攻めれば、D兵器を搭載したネェル・アーガマが現れ、事が有利に進むかも知れん」
第6~8話「仮面の下の悲しき瞳」より。連邦軍への協力者に対する見せしめのため、民間施設である宇宙科学研究所を制圧する作戦に難色を示すマイヨに対して。マイヨには内心で「ならば正面からあの艦を攻撃すれば済む話ではないか」と呆れられ、カールには「恥知らずな作戦」と憤慨される。
「ば、馬鹿な!たったあれだけの数で前衛部隊を全て撃破するとは…!!や、奴らは化け物か!?そ、それとも…やり込み派か!?
第46~48話(『PORTABLE』では第47~49話)「Starlight serenade」前半ステージより。4機の偵察部隊(D-2カスタムD-3カミーユの搭乗機(インターミッションで乗り換えが可能なので、Ζガンダム以外の機体でも可)、ゲッターG)で前衛部隊を壊滅させた場合に発生するメタフィクショナルな台詞。初回プレイ時に全滅させるには少々厳しい戦力ではあるが、このメンバーを一軍で使っていれば、充分に狙える。特に、D-3のEWACを活用しながらゲッターチーム以外の3人をメインにして戦えば、かなり楽に立ち回れる。
「夢想家が戯言を!いつの時代も力こそが人を導くものなのだ!それをワシが教えてくれる!」
同話に於けるクワトロとの戦闘前会話。彼を『赤い彗星』と呼称した上で、上述の台詞を叩きつける。
「このギルガザムネにワシの腕があれば、まさに鬼に金棒よ!」
同話に於けるゲッターチームとの戦闘前会話。意気揚々とギルガザムネの威容を誇るも、彼らから権力欲にとり憑かれた小物ぶりを「確かにこいつの権力欲は人の道から外れてやがるぜ」「百鬼帝国の方がマシ」と酷評され、激昂する。

搭乗機体

ダイン
黄色のカラーリングをした専用機。
ギルガザムネ
終盤に搭乗。

余談

  • ドルチェノフ役の飯塚昭三氏は、番組序盤でDチームの3人に戦士としての心得を叩き込んだ恩師ともいうべき人物・チェホフ中尉(SRW未登場)も担当しており、同一作品内において全く異なるポジションで、主人公達と深く関わるキャラを演じる事となった。