「フェストゥム」の版間の差分
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**もっともフェストゥム側の武器にもVPS装甲をも無効化するものは存在するし、元々モビルスーツは装甲が高くないので、強敵相手だとダメージを受けて同化されてしまうケースはあり得るが。 | **もっともフェストゥム側の武器にもVPS装甲をも無効化するものは存在するし、元々モビルスーツは装甲が高くないので、強敵相手だとダメージを受けて同化されてしまうケースはあり得るが。 | ||
*これらがシステムと設定が同調するように意図的になされたクロスオーバーのための仕様調整なのかは不明だが、裏付ける会話は存在している。 | *これらがシステムと設定が同調するように意図的になされたクロスオーバーのための仕様調整なのかは不明だが、裏付ける会話は存在している。 | ||
− | + | *『音楽劇 蒼穹のファフナー』においては特殊メイクとマントで扮したダンサーによって表現されていた。 | |
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2017年8月10日 (木) 13:09時点における版
フェストゥム(Festum)とは、『蒼穹のファフナー』に登場する敵勢力。
概要
身体の99%が珪素で構成されたシリコン生命体と認識されていた。自分以外の知性体を同化する特性を持ち、それが人類にとっては種の生存そのものを脅かす侵略行為となっている。
フェストゥムは「コア」と呼ばれる中枢部位をもっており、そこを破壊すればその個体を崩壊させることができる。コア以外の部位は破壊されてもほぼ無尽蔵の再生が可能。なお、高度なコアは生成に時間がかかるような描写もあり、その結果、ある程度は「消耗」を起こす。だが、宇宙の圧倒的範囲を勢力とし、時間という概念を気にする必要がないフェストゥムには本来、それを意識する必要が無い。
また、フェストゥムはその肉体を様々な物質で自由に構成し直すことができ、やろうと思えば人間と同じような炭素性の身体を構成したり、肉体に気体分子を選び、大気として揺蕩う形で存在することも可能で、その物質的物理的な法則などを捻じ曲げることさえできる。彼らが珪素の肉体を好んでいるのはそれが宇宙で最もありふれた物質だからということに過ぎない。さらには彼らは「無」となることや、無から有へと転位することすら行なってみせる。
フェストゥムは個という概念を持たず、それどころか自身が生命体という認識や概念すらなく、当然の自然現象というような認識だったようだ(一番近いのは「流れ」や「温度差」だろうか、コアは温度が高い場所で、そこから熱が外部へ広がってゆくようなもの)。個々のフェストゥムは一つの集合意思の端末であるが、母体となったミール毎に内包している情報や行動の基準にある程度差がある(『マクロスF』のバジュラによく似ている仕組みを持っている)。当然、同化を受けた人間は個人としての意識は消えて、フェストゥムの集合意思に組み込まれ、場合によっては同時に肉体までも消失してしまう。フェストゥムには様々な形態があるが、人間に語りかけてくるのはスフィンクス型と特別な個体のみ。能力ごとに特化させているのかもしれない。
フェストゥム究極の目的は「超次元へのシフト」であり、現時点で彼らがその手段と考えているのは「相を転位させて完全な無、真空すらも存在しない無の次元となることで現宇宙という法則の檻を外す」というようなものらしい。しかし、それも成功している訳ではなく「では全宇宙を巻き込んで行なえば、邪魔な低次元である現宇宙をまるごと退かす事が出来るだろう」というのが、フェストゥム全体における主流の考えである。一方で、フェストゥムがこの宇宙で拡大してゆく過程に、新しい情報や現象、手段の発見を求めている亜流も同時に含まれ、それが様々な可能性を生むこととなった。
前日談である『RIGHT OF LEFT』の終盤まで海中に入れなかったが、生物を理解することで代謝機能を学習したため克服されてしまう。以後は基本的にどのような環境でも活動できる様になった。
なお、フェストゥムとはラテン語で「祝福」「祝祭」(英語のfestivalと同じ)を意味し、人類への各種の攻撃は当初は敵対行動としての行為ではなかった。人類の遺伝子内に因子として眠る超古代ミールを感じ取り、同化に応じない(「あなたはそこにいますか?」にYESと答えない)と攻撃されるのも対象を異常を起こした個体、即ちバグや癌細胞の類と認識して駆除し、同化もミールの因子を持つ人類を共に超次元へシフトさせようという善意(=祝福)に過ぎなかった。
共通の攻撃
ワームスフィアー現象
「球状に空間のねじれを発生させ、内部の物体を範囲内の空間ごとゼロ次元方向へ向かって捩じり切る」「見た目の上では黒い力場に沿って内部の物体が全て消失する」と言った具合。この手の攻撃のお約束通り一撃必殺の威力を持ち、基本的にワームスフィアーは攻撃対象を包むように突如力場が発生するために回避も困難(フェストゥムが黒く光るため、攻撃の開始は確認可能)。他の作品ならば必殺技になってもおかしくないこの攻撃をフェストゥムは当たり前のように乱発してくる。ファフナーはワームスフィアーに対する防御力を持つが、それでも最初期はノートゥングモデルですら一撃で大破する程であった。
時系列が進むとファフナーの防御力も向上して通常のワームスフィアー一発で大破することはなくなる。だがフェストゥム側も攻撃手段を向上させ、ワーム・ショットやワーム・カッター、緑色の高威力版など様々な応用版を繰り出すようになる。
自爆
撃破された個体が崩壊前に行う最後っ屁。発動できない状況(同化される、跡形もなく吹き飛ぶ等)でなければほぼ確実に発動し、両断すれば両方の部位が起爆する。単なる自爆ではなく自身にワームスフィアーを放つため、接近戦では撃破しても退避が遅れると相討ちに持ち込まれたり、最悪の場合脱出しても手遅れになることも。スパロボでは演出のみ再現されている。
同化
詳細は同化の項目を参照。接触した相手に緑色の結晶体を生成、同化を開始する。何とかして振りほどくか、自我を奪われる前に自爆して道連れにするしかない。
登場作品
携帯機シリーズ
トドメ演出の無い武器で撃墜すると、ワームスフィアー現象を発生させて消滅する。
- スーパーロボット大戦K
- 初登場作品。
- 本作においてフェストゥムが敵ユニットとして登場するのは、全てルート選択によるステージとなっている。そのため、ルート選択の仕方によってはファフナーを一度もフェストゥムと戦わせずにゲームをクリアできる。これは、読心能力のあるフェストゥムの登場回数を増やすと『蒼穹のファフナー』以外の作品が活躍し辛くなるためと見られている。
- ただし、肝心の「読心」の補正が小さく、ユニット・パイロットともに能力が大して高くない。同化が効くのもファフナーのみで、ファフナーでない方が楽に戦えるという、原作での脅威が影も形もない有様である。
- 本作では擬態獣との関連を持たせようとした節があるが、伏線が回収されないまま終わっている。
- スーパーロボット大戦UX
- 似たような存在のELSとバジュラと共演。第50話「恋離飛翼~サヨナラノツバサ~」ではELSとともにクイーン・フロンティアの攻撃からランカやシェリルを庇うシーンも。また、宇宙を無に帰すことにより行ける「高い次元」とは、ヨグ=ソトースの門の向こう側の旧支配者の世界らしい。
- 『K』とは逆に共通ルートでも出現する仕様となっている他、原作の脅威っぷりを再現した凶悪な能力と特殊効果を備えている。読心能力による命中補正は最終値に加算される形となっているので、どれだけスペックが高かろうと集中や見切りなどの効果を得ない限りあらゆるフェストゥムからの命中率を0%にできない。幸い、回避率の方は違う仕様になっている。プロローグで登場するスフィンクス型が、デスティニーガンダムとSEED発動中のシンを相手にその恐ろしさを教えてくれる。
- さらに、全てのフェストゥムが同化能力(今作では全てのユニットに有効)を持つ上に、バリア貫通攻撃を所有しているため、うかつに突っ込むと回避しにくい母艦やスーパーロボットがあっさり落ちてしまうので注意が必要である。このように笑えるくらいにユニットが落ちるので、ユニットに都合がつかなければファフナー系か、VPS装甲持ちのユニットで対処しよう。
- あくまで人間の考えを読心するため、人間ではないヒーローマンやNPC時の飛影には読心能力や同化が全く通用しない(ちなみに劉備達SDガンダムにはしっかり通用するので注意)のだが、味方の甲洋と操は当然の様にELSやバジュラ、果てはザ・ブーム軍の無人機やゴーストまで読心する。
- また、ハインド・カインドの特殊行動コマンド「リフレクターコア」やRVF-25 メサイアの「複合センサー」で最終命中率を落とすことでも対抗可能(しかし、HaE仕様のエウロス型は読心のLvが上がっているため、これでも完封不能)。むしろ、集中の消費SPが重くなったことも踏まえると、こちらで対策をした方が良いかもしれない。
- マップ上でも撃墜時のエフェクトが爆発ではなく、ワーム・スフィアー現象を発生させての消滅になっている。
フェストゥムの分類
人間側が分類したもので、フェストゥム側にこのような分類という概念自体があるかどうか不明。
同タイプでも時期や群れによって能力が異なり、ノートゥングモデルのような強力な敵を相手にする場合は所謂ワンオフ機に相当する個体を繰り出すこともある。
- スフィンクス型
- 原作では最も数多く登場。どことなく天使を彷彿とさせる巨人の姿をしており、「あなたはそこにいますか?」という質問を掲げてきて、それに応えた人間を同化するタイプ。
- スフィンクスA型種
- スフィンクス型の基本型。『HaE』では強化型が登場。スカラベR型の捻り攻撃を発展させ、複数の正方形の力場で挟み捻る方向を反転させるワーム・カッターを使用。
- スフィンクスB型種
- SRW未登場。筋肉質でほぼ完全な人型をしている。設定のみで詳細は不明。
- スフィンクスC型種
- スフィンクス型の能力強化型。
- スフィンクスD型種
- スフィンクス型の遠距離攻撃型。反面近接戦闘はからっきし。
- スフィンクスE型種
- 『HaE』で登場。無誘導爆弾のようなものを投下する。
- グレンデル型
- 虫のような姿をした小型フェストゥム。群れで襲ってくる。
- アルヘノテルス型
- グレンデル型の群れのリーダーとして統括する超大型フェストゥム。
- プレアデス型
- スフィンクス型の上位種。より戦闘能力が高い。
- プレアデス型(子)/アルキオネ型
- プレアデス型の子機。いわゆる生体ミサイルであり、無数が攻撃対象に取り付いて自爆する。本体が健在なら何度でも再生産される。アルキオネ型は、PSPのゲームでの名称。
- エウロス型
- 『HaE』より登場。体色が赤くなり、ミサイルやビームを発射する能力を持つ。スフィンクス型が同化により人間の戦い方を理解し、自らを対人類の戦闘を重視した形に変化させたもの。
- スレイブ型
- フェストゥムの「できそこない」。他者の同化をすることができないというフェストゥムとしては致命的な欠陥を持つ。通常は同化の標的として他のフェストゥムのエサにされるらしい。
- マスター型かコアギュラ型に同化された者がスレイブ型へと陥りがちで、同化が出来ない上にミールとの接続も無いため、元の人間の意識が丸ごと残っていることが多い。
- 作中では甲洋が変身した青色の個体のみが登場。スパロボでは顔アイコンが1カットのみ映る。
- マスター型
- 人に擬態した上位個体。フェストゥムの集合意思の中ではかなりの上位権限がもたらされており、ミールの意思代行者でもある。
- 人の姿は人間社会にとけこみ調査するためであり、スフィンクス型のような光の巨人の姿になることも可能。
- コア型
- 人類とフェストゥムの融合独立個体。同化現象に襲われた人間の中には、ごくまれに融合しつつも同化せずに人間としての存在を安定して保てることがあり、そのような人物を人間ではなくフェストゥムの一種と見なすとき「コア型」と呼ぶ。
- 分類学上はコアギュラ型から分岐した種として扱われる。世界に数人しか存在しない。
- コアギュラ型(SRW未登場)
- 攻撃はせず、同化だけをしかけてくるフェストゥム。攻撃を加えるとそれを放った対象を同化しに来るため迂闊に手が出せない。
- リヴァイアサン型(SRW未登場)
- 水中活動に特化したフェストゥムで、巨大な鯨のような姿をしている。
- スカラベ型(SRW未登場)
- 植物型のフェストゥム。各個体は超小型だが軍団で攻めてきて、周囲を無差別に同化し際限なく巨大化、やがて根を張る強敵。
- 操のミールが根城にする空母ボレアリオスには『飽和』したスカラベ型が張り付いている。
- スカラベ型R
- 無印に登場する完熟形態。1期時点では人類軍でも世界に3体しか確認されていない希少種。それに見合うだけの強さを持つ。
- 「人の痛み」を理解しており、同化含めた能動行動を行わず、攻撃された場合はそのエネルギーをワーム・スフィアーに変換して叩き返すという習性を持つ。
- しかし、竜宮島に現れた個体は「ジークフリード・システムを理解しており、ファフナーのシステムにダメージを認識させずペインブロック機能を無効化する」という厄介極まりない戦法を使用。島の奥深くまで侵攻し雑巾搾りにCDCパスタで多くのキャラクターを同化、殺害し原作視聴者に大きなトラウマを残した。
- この個体の特性の多くは何らかの形で後続の新型フェストゥムに引き継がれている。
- スカラベ型J
- 『HaE』で登場したスカラベ型の亜種。「島殺し」の異名を持ち、枯葉剤に似た毒素で島その物を攻撃する。
- 島の大人たちは日本消滅時に被爆し、ミールによって放射線障害を抑えられているため、島自体を弱らせるこの種はある意味で他のあらゆるフェストゥムよりも危険な存在。
- 純粋な戦闘能力も高く、R型より素早い動きで突撃や触手攻撃を行う。更に緑色のワームスフィアは無印時代よりも強化されたノートゥングモデルの装甲を消し飛ばす程の威力を持つ。
- ウーシア型
- 『RoL』で登場したタイプ。コアギュラ型の変種で、第一次L計画当時はフェストゥムの主力と認識されていた。スフィンクス型を始めとする水中に適応した種はこの種類が得たデータから生み出された。
- シーモータル型
- 『RoL』から登場する最古参の小型フェストゥム。航空機を模倣した姿で、物量と同化能力を重視。
- シーモータルA型種
- 『RoL』に登場。触手で相手を突き刺し同化する。
- マークニヒト型
- PSP版に登場。完全に同化されているため全身金色。マークニヒト本来の武装に加えフェストゥム由来のアーム・ラッシュやワームショットも使用、撃墜されてもフェンリルで島を消し飛ばそうとするなどしぶとい。設定上ではこれとは別に、HaE以降の時間軸でマークニヒトの形状を模したフェストゥムが出現しているとのこと。
- フラグメント型
- 同じくPSPのゲームに登場。マークニヒト型から剥離する子機。プレアデス型(子)のように機体にとりついて自爆する。
個体名を持つフェストゥム
- イドゥン
- 人間の姿を持つ「マスター型フェストゥム」。フェストゥムとしての姿は、スフィンクス型に似たグロテスクなもの。
- ミョルニア
- 真壁一騎の母・紅音(あかね)の姿を持つ「マスター型フェストゥム」。一騎にマークザインを託した他、人類の未来に関する「ある情報」を竜宮島に齎す。フェストゥムとしての姿は赤い巨人。
- 春日井甲洋
- 物語中盤で中枢神経が同化されてしまい、後に「スレイヴ型フェストゥム」として覚醒する。フェストゥムとしての姿は、青い巨人。
- 皆城乙姫
- 「コア型フェストゥム」。半同化された母親から生まれた人類とフェストゥムの独立融合個体。
- 来主操
- 普段は人間に擬態している「スフィンクス型フェストゥム」。初めてフェストゥム側から自然発生した個体。
関連用語
- 同化
- 『蒼穹のファフナー』シリーズにおける、生命体としての性質がフェストゥムに近づいていく現象のこと。
- 読心
- 「会話を介さずに相手の思考や行動等を把握する」というフェストゥムが持つ能力。人類にとっては、まさに脅威と言える能力である。
- ファフナー
- アルヴィス製のノートゥングモデルは、フェストゥムのコアを内蔵している。なお、ファフナーはフェストゥムの読心能力を防ぎながら戦う事ができる唯一の機動兵器である。
- ミール
- フェストゥムの集合意識ネットワークを作り出している結晶体。
類似する種族・勢力
- ELS
- 『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』に登場する地球外変異性金属体。独立した「個」の概念が無い点がフェストゥムと似ている。『UX』にて共演。
- バジュラ
- 『マクロスF』に登場する巨大な昆虫型地球外生命体。独立した「個」の概念が無い点がフェストゥムと似ている。『UX』にて共演。
- バアル
- Zシリーズに登場する複数の版権敵勢力の総称であり、知的生命体の敵であり、宇宙を消滅に導く者達。「消滅する力」由来の真のバアルと結果的に消滅する力の活性化を助長しているバアル同然の勢力がいる。
- 目的はどうあれ、その手段として宇宙を無に還そうとするフェストゥムの行動は後者に近いといえる。ただし、フェストゥムの場合は「対話の余地が有る」点が決定的に違う。
余談
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINYに登場するVPS装甲はフェストゥムの持つバリア貫通の武器を無効化できる。『UX』におけるモビルスーツは対フェストゥムも想定して開発されたというオリジナル設定があるのだが、これが設定だけの話だけでなく、システム上の仕様でもそうなっているという良質なクロスオーバーの好例となっている。
- フェストゥムの武器はバリア貫通を持つ事が多く、バリアに頼っても攻撃≒同化を防げない。だが、特殊装甲であるVPS装甲ならバリア無効武器を防いで同化を無効化できるという理屈である。
- もっともフェストゥム側の武器にもVPS装甲をも無効化するものは存在するし、元々モビルスーツは装甲が高くないので、強敵相手だとダメージを受けて同化されてしまうケースはあり得るが。
- これらがシステムと設定が同調するように意図的になされたクロスオーバーのための仕様調整なのかは不明だが、裏付ける会話は存在している。
- 『音楽劇 蒼穹のファフナー』においては特殊メイクとマントで扮したダンサーによって表現されていた。