火星の後継者
火星の後継者とは、『劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』に登場する敵組織。
概要[編集 | ソースを編集]
熱血クーデターを経て地球と和平に漕ぎ着いた木連から離反した草壁春樹と彼の派閥によるクーデター軍で、火星の演算ユニットを我物としようとした。もっと簡単に解りやすく説明すると元々の木連の軍人達で熱血クーデターで降伏しなかった木連の軍人達によりそのまま構成されているため旧木連軍とも言れており、実際には草壁春樹の他にも幹部格のメンバー達が相当数生き残っている。
ネルガル重工とライバル関係にあるクリムゾン・グループの発案したヒサゴプランを隠れ蓑とし、プランの各部へと人員を送り込んで潜伏。アキトにより演算ユニットの存在が明らかになると同時にヒサゴプランを占拠。ほぼ全てのターミナルコロニーとボソンジャンプを掌握する。一般的となったボソンジャンプと、ヒサゴプランによるジャンプ経路を用い、ボソンジャンプによる新時代・新秩序を構築し、政治経済の独占支配を目論む。
戦力的には連合軍に劣るため、ボソンジャンプで政府の重要施設を奇襲することでクーデターを成し遂げようとした。しかし完全制圧目前にしてナデシコCのボソンジャンプを許してしまい、火星圏の機動兵器はすべてホシノ・ルリによって掌握され沈黙。結果ボソンジャンプを用いた地球の制圧は、ボソンジャンプによる火星の制圧により鎮圧されることとなった。
実は草壁を初めとする旧木連の幹部達が再度の決起を起こした真の理由は、ボソンジャンプの危険性について地球側に証明する為であり、劇中の様子からもその目的は果たされている。
スパロボでの描写やここでの記述だけを見ると本来の意味での確信犯に思えるが、実態としては旧木連が草壁の私兵と化している(かのように見せ掛けている)=草壁と旧木連幹部達の理想がそのまま組織の目的になっており、裏ではジャンパーたちの拉致や抹殺を始め(理想の成就に必要とは思えないものも多く含む)非道な行為を平然と行っている。
また草壁自身は確かにクーデター側の表のリーダーではあるのだが旧木連の幹部達には逆らえない面があり、旧木連の幹部達の操り人形と化してしまっている。
つまり彼等、旧木連の幹部達にとってしてみれば例え草壁が負けて捕まったとしても草壁に代る「替え」がいるのである。勿論、草壁もそれを解った上で最後は捕まったからこその潔さなのだ。
草壁を始め幹部級のメンバーも「自分たちは正義を成す上での必要悪である」「やっぱり自分達こそが絶対的な正義の味方」と開き直りつつも行動にためらいを持っていない(「必要悪である」ことを免罪符にしている節がある。またやはり「自分達こそが絶対の正義の味方」と言う考え方を崩していない)ため、プレーヤーから見ると最悪にタチの悪い犯罪者の集まりである。
理想のために邁進しているのは旧木連と同じなのだが、題目が「絶対の正義の味方」「正義のための必要悪」(この点からユリカは一応、善意の実験協力者と言う事になっている)に変わっており、その分だけ余計に始末に負えなくなっている。曲がりなりにも一応、正義の味方と言う事になっているためゲキガンガーのヒロインを思せる女性にはとても弱い。
そのためかスパロボにおいては各主人公たちに「絶対的な正義の味方」のあり方を完全否定されることが大半。
登場作品[編集 | ソースを編集]
携帯機シリーズ[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦R
- 初登場作品だが、序盤の未来編のみの登場。なんとデュミナスの暗躍の陰でナデシコCらを軍勢で圧倒し、追い詰めた。本作のみ量産型エステバリス、エステバリス砲戦フレーム、ステルンクーゲルを戦力として使用する。
- 過去編ではTV版の時点で北辰一味がフロスト兄弟らと結託してラウンドナイツに襲い掛かるも失敗に終わり、エピローグでは熱血クーデターが前倒しになり、演算ユニットがアルクトスに移譲された(盗むにしてもデータウェポンを全て入手した騎士GEAR凰牙に加え、アレンビーの発言を信じるなら勢揃いしたシャッフル同盟をも倒さねばならない)こともあって、存在自体が歴史から抹消されてしまった。
- スーパーロボット大戦W
- 第2部から登場。ザフトやアマルガムと組み、地球連合軍に対抗する。本作でも木連時代の兵器を使用してくるが、『MX』と比べると質が低下している。『MX』とは違い半年しか経ってないのだが……よほど管理が悪かったのだろうか。
VXT三部作[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦V
- 『マイトガイン』に登場する数々の巨悪と連携を取っている。今回は木連時代の機動兵器はバッタとマジンのみ使用している。
- 演算ユニットがイネスと共に宇宙世紀世界に飛んでしまったため発見できず、代わりにナデシコAと入れ替わりに西暦世界に転移してきたνガンダムのサイコフレームを利用する。また、偶然手に入れたヤマトも利用しようとしていたが乗員の協力が得られず失敗に終わる。
- 組織としては西暦世界ルート第29話とやや早期に壊滅し、以後は残党がガミラスやエンブリヲに糾合されて登場する。
- スーパーロボット大戦T
- 『カウボーイビバップ』に登場する賞金首たちやカギ爪の男の集団と連携を取っている。
- 決戦の第28話では東風を使ってルリを誘拐したり、誘拐洗脳したラピス・ラズリを使ってシステム掌握を仕掛けてきたりと、映画本編(やいつものSRW)の意趣返しをしてくるが、アキトとスパイク達がルリを救出した直後にナデシコCが登場し、そのままルリのシステム掌握を受けて降伏した。
- 以後も残党がネオ・ジオンやUNDに雇われている。
単独作品[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦MX
- ギガノス帝国と組み、地球連邦政府に宣戦布告する。エリカをはじめとする小バームのバーム星人を人質にとっていた。テロに失敗した直後の最終決戦では、「残存兵力を掻き集めて」という表現が当て嵌まるほどの脆弱振りで抵抗する。実質、強敵は北辰衆のみで、エステバリス隊を中心とした布陣で挑めば労せずに倒せる。戦力不足故か原作に登場したマジン以外のジンシリーズなど木連時代の機動兵器も使用してくる(このためだけにTV版ナデシコがMXに参戦している)。
- スーパーロボット大戦X-Ω
- 2020年1月のイベント「Nearest and...」にて登場。メガノイドの兵器を使用している。
- スーパーロボット大戦DD
- 2章Part6から登場。第8世界で唯一の敵組織だったが、3章part2にて壊滅する。
人物[編集 | ソースを編集]
- 草壁春樹
- 火星の後継者の表向きの首魁。反ネルガル企業の筆頭であるクリムゾン・グループとは前大戦時から接触しており、ボソンジャンプによる危険性と重要性を説いていた。
- 北辰
- 草壁の懐刀たる隠密部隊の隊長。復讐を誓うアキトの怨敵。
- シンジョウ・アリトモ
- ヒサゴプラン警備部所属の統合軍中佐。アマテラスにてアズマ准将の部下であったが、占拠時に彼を拘束し、爆破の予告を行う。
- ヤマサキ・ヨシオ
- ヒサゴプランに従事する科学者の一人で科学者のリーダー格で旧木連幹部達の太鼓持ち。確かに優秀ではあるのだがミスマル・ユリカをユニットの人間翻訳機に仕立てるなど平然と非人道的な実験を行う。
- 北辰六人衆
- 北辰に付き従う配下。暗殺者とパイロット共にある程度の技量を有する。
- 火星の後継者 (一般兵)
- 一般兵。基本的には死なすには惜しい年頃の若手が大多数を占めており、その多くは思想に毒されている。なお秋山源八郎はこういった若手を犠牲にする事には大反対しており、死ぬのは自分達だけで良いと考えていた。
運用兵器[編集 | ソースを編集]
- 六連(むづら)
- 北辰六人衆が搭乗する機体。
- 夜天光(やてんこう)
- 北辰の搭乗する上級指揮官用の機体。
- 積尸気(ししき)
- 夜天光の簡易量産型。
- バッタ
- 木連時代の無人兵器。劇中ではユーチャリスが使用しており、火星の後継者が使用するのはSRW独自設定。
- ジンシリーズ
- 木連時代の機動兵器。劇中ではマジンの使用が確認できる。
関連用語[編集 | ソースを編集]
- 木連
- 母体勢力。無論、元木連出身者の多くは秋山源八郎のシンパ。特に高杉三郎太はこの若手を犠牲にする旧木連の幹部達のやり方に辟易しており彼なりに激昂さえしている。
- 統合平和維持軍
- 母体勢力その2。1/3が裏切って火星の後継者に付いてしまう。
余談[編集 | ソースを編集]
- 『機動戦艦ナデシコ』の英題は『Martian Successor Nadesico』=『火星の後継者ナデシコ』である。形はどうあれ、火星の遺跡に残された技術を受け継いだ「ナデシコ」の世界の人々、特に主要人物は「火星の後継者」と言える、ということであろうか。
- その点から考えると、本項で解説されているテロ組織「火星の後継者」の旧木連幹部の老人達は、真なる後継者たる木連の若者達に受け継がれるべき遺産を強奪して我が物顔をしている図々しい簒奪者であると言える。